JP2006306711A - ポリアミンを含む単分散性シリカ微粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 各種機能性基を導入可能な、酸性基を有する化合物と有機材料とを含有し、且つ極めて単分散性に優れた単分散性シリカ微粒子を提供すること、及び該単分散性微粒子の簡便かつ短時間で製造する方法を提供すること。
【解決手段】 直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーと、酸性基を有する化合物と、シリカとを含有することを特徴とするポリアミンを含む単分散性シリカ微粒子、及び、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーと、酸性基を有する化合物とを、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒中に溶解して、前記直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーと、前記酸性基を有する化合物との会合体を得る工程と、水の存在下で、前記会合体を反応場とし、アルコキシシランを用いてゾルゲル反応を行う工程、とを含むことを特徴とするポリアミンを含む単分散性シリカ微粒子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーと酸性基を有する化合物とシリカとを含有する、単分散性のシリカ微粒子に関する。より詳しくは、該ポリマーに、酸性基を有する化合物、特に有機酸基を持つ発光性等の機能性分子が物理的に結合され、それがシリカと複合化された単分散性微粒子、及びその製造方法に関する。
シリカ微粒子は各種添加剤や触媒等の用途をはじめ、産業用から日常生活用まで、極めて広範な用途において使用されている。また、このようなシリカ微粒子は各種用途において求められる特性に応じて、機能性分子や有機材料の導入などの検討が種々なされている。
シリカ微粒子に機能性分子や有機材料が導入された複合微粒子の応用においては、導入する機能性分子や有機材料の選択、その導入量、及び、該微粒子の単分散性などが極めて重要な要素となる。機能性分子や有機材料が導入された単分散性のシリカ微粒子としては、例えば、シランカップリング剤で表面処理したシリカ微粒子に機能性分子を結合させた微粒子が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、前記特許文献1で得られる該微粒子は、粒子表面に機能性基を有するものの、その構造体自体はシリカのみから構成されており、有機材料を導入したものではなかった。
また、有機材料を導入されたものとしては、例えば、複数のアミノ基を有する有機化合物をシリカ微粒子中に取り込んだ微粒子が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、前記特許文献2で得られる微粒子は、アミノ基を有する有機化合物とシリカのみからなるものであり、その他の機能性分子を取り込むことが難しく、また、その製造方法も後述のように煩雑であり、粒子径をコントロールすることが困難であって、十分な単分散性を示すものでもなかった。
又、蛍光性分子残基にノニオン性の鎖を導入することで、自己乳化可能な化合物を合成し、ここにシリカを導入した球状体が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、前記非特許文献1で開示されている球状体は、その表面のみにシリカが存在するものであり、又、O/W型のエマルジョン状態でシリカと複合化させることから、製造工程が煩雑であって、粒子径のコントロールや均質化が難しく、単分散性にも劣るものであった。更に、該球状体(微粒子)は、エマルジョン粒子を基礎とするものであり、微粒子を取り出し粉末化することは出来なかった。
一方、複合微粒子の応用においては、単分散性の良い微粒子を如何に製造するかが重要である。従来のシリカ微粒子、特に単分散性シリカ微粒子の多くは、アルコキシシランをアルコール、高濃度のアンモニア及び水の混合状態で反応させて球状微粒子を得るストーバー方法により製造されている(例えば、特許文献2参照。)。機能性分子や有機材料を導入したシリカ微粒子を得る方法においても、このストーバー方法が改良された方法が使用されている。例えば、アルコキシシラン誘導体に機能性分子残基が結合された化合物を合成し、それをテトラアルコキシシランと混合し、それをストーバー方式で反応させる方法、ストーバー方式でシリカ微粒子を合成し、その表面をシランカップリング剤で処理し、さらにそのカップリング剤に機能性分子を反応させる方法(非特許文献3参照)、あるいは、ストーバー方法での高濃度アンモニア媒体中に、多分岐ポリエチレンイミンを少量加えることで、シリカ中にその多分岐ポリエチレンイミンを導入する方法(特許文献2参照)などが開示されている。しかし、これらストーバー方法を改良した方法では、シリカ微粒子中に機能性分子を含ませることができるものの、その製造プロセスは煩雑であり、生産性も低いものである。また、これらの方法はいずれも機能性分子と有機材料とを同時に導入するものではなかった。さらに、これらの方法は、反応時間が長いか、あるいは高アンモニア濃度反応条件が要求されるなど、環境負荷が大きいものであった。
また、近年、バイオシリカに端を発するシリカの合成研究がなされており、ポリアミン類をテンプレートとして用いることで、水性媒体中、温和な条件下での球状のシリカを合成することが検討されている。例えば、生体系バイオシリカから抽出されたポリペプチドやポリプロピレンイミン類、合成ポリアリルアミン、あるいはポリアミノ酸のブロック共重合体などを使用して、水性媒体中で球状シリカを合成することが検討されている(例えば、非特許文献4〜6参照。)。しかしながら、これらの方法では、粒子一個一個の分散体を得ることが困難で、主に粒子が接合された状態のネットワークが生じるものであり、独自の粒子が得られても、それらは粒径が揃わない大小不均一な粒子の混合体であった。
特開平6−100313号公報 特開平2−263707号公報 R.H.Jin,Chem.Commun.,2002年,198頁; R.H.Jin.,J.Mater.Chem.,2004年,第14巻,320頁 W.Stober et al.,J.Colloid&Interface Sci.,1968年,26巻,62頁 A.Blaaderen et al.,Langmuir,1992年,8巻,2921頁 N.Kroger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,(2000),97,p14133 M. Sumper,Angew.Chem.Int.Ed.2003年,42巻,5192頁 Morse et al.,Nature,2000,403,289−292
本発明が解決しようとする課題は、各種機能性基を導入可能な、酸性基を有する化合物と有機材料とを含有し、且つ極めて単分散性に優れた単分散性シリカ微粒子を提供すること、及び該単分散性微粒子の簡便かつ短時間で製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)に酸性基を有する化合物(B)を添加すると、容易に会合体が得られ、該会合体を反応場とする、アルコキシシランを用いたゾルゲル反応によって、単分散性微粒子が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の第一の態様は、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)と、酸性基を有する化合物(B)と、シリカ(C)とを含有することを特徴とする、ポリアミンを含む単分散性シリカ微粒子を提供するものである。
更に、本発明の第二の態様は、(1)直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)と、酸性基を有する化合物(B)とを、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒中に溶解して、前記直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)と、前記酸性基を有する化合物(B)との会合体を得る工程と、
(2)水の存在下で、前記会合体を反応場とし、アルコキシシランを用いてゾルゲル反応を行う工程、
とを含むことを特徴とする、ポリアミンを含む単分散性シリカ微粒子の製造方法をも提供するものである。
本発明で得られるポリアミンを含む単分散性シリカ微粒子は、ポリアミンすなわち直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーとシリカとを含有する。従って、該微粒子は、従来のシリカ微粒子と異なり、ポリエチレンイミンが有する様々な化学的、または物理的機能を備える。例えば、ポリエチレンイミンは強い配位子であるので、金属イオンをシリカ中に濃縮することができる。また、ポリエチレンイミンは貴金属イオンを金属原子に還元することができるので、貴金属ナノ粒子をシリカ中に簡単に固定することができる。また、ポリエチレンイミンは滅菌、耐ウイルスなどの機能を有するため、該微粒子もそれらの機能を発現させることができる。従って、本発明の単分散性シリカ微粒子は、金属イオン・ナノ金属のキャリアー、触媒、防菌剤、殺菌剤、抗ウイルス、化粧品など多くの領域での応用が可能である。
また、本発明の単分散性シリカ微粒子は、含有する酸性基を有する化合物や直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーに、各種機能性分子、例えば、蛍光性分子、生理活性分子等を容易に導入することが出来ることから、得られる該単分散性微粒子にもそれらの機能を付与することが出来る。また、本発明の単分散性シリカ微粒子は極めて優れた単分散性を有する点から、これらの機能性分子に由来する機能や、単分散性に伴う機能を効率的に発現させることもできる。例えば、微小レーザー発光用材料、イメージング材料、ガン診断・治療剤、フォトニック結晶材料、ホールバニング記録材料、太陽電池用材料など、多くの分野への応用が期待できる。
また、本発明の製造方法では、生体系でのシリカ合成を模倣した反応法を用いることで、室温、中性など温和な反応条件下で、単分散性に優れ、かつ高機能の単分散性シリカ微粒子を数分ないし十数分時間スケールで生産することができる。該製造方法は環境負荷が少なく、生産プロセスも簡便であり、且つ、各種用途に応じた構造設計が可能である。
水中ゾルゲル反応から、シリカ(酸化ケイ素)をある特定形状に作り上げるためには、三つの重要な条件が不可欠であると考えられる。それは、(1)形状を誘導するテンプレート、(2)シリカソースを濃縮する足場、(3)シリカソースを重合させる触媒である。
本発明においては、上記三つの要素を満たす有機材料として、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)を使用することを特徴とする。直鎖状ポリエチレンイミン鎖はその骨格中に2級アミンしか持たない、硬直なポリマー鎖である。直鎖状ポリエチレンイミンは熱水中では可溶であるが、室温では結晶化して結晶性会合体として存在する。また、これらの結晶は限られた有機溶媒中にしか溶解しない。この性質は1級、2級、3級アミンから構成される多分岐状ポリエチレンイミンにおける結晶性を持たない性質や水と通常の有機溶媒に完全に溶解する性質とは全く異なる。
直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)、すなわち、直鎖状ポリエチレンイミンのバックボーンを有するポリマー(A)は、水溶性有機溶媒に、例えば、メタノール中では室温でも、溶解する。即ち、該ポリマーは水中では複数の分子が集合して結晶性を有して不溶となるが、メタノール中では自由分子として存在し、溶液となる。これら二つの媒体中での違いにより、メタノール等と水との混合溶媒中においては、該ポリマーが自由分子でもなく、また、結晶性でもない準安定な会合体を与えると考えられる。
この準安定な会合体は、本発明で用いる酸性基を有する化合物(B)により物理的に架橋し、より安定な会合体とすることが出来る。即ち、前記酸性基を有する化合物(B)中の酸性基とエチレンイミン構造との間で水素結合がおこり、該化合物(B)はメタノール等と水との混合溶媒中には存在しにくくなり、会合体中に取り込まれて安定化すると共に、該会合体も混合溶媒中で安定化する。特に後述する多官能酸性化合物(b1)を用いた場合には、ポリマー(A)中に含まれる分子内若しくは分子間の複数のポリエチレンイミン鎖を架橋(水素結合)することが可能であるため、ポリマー(A)をより安定な会合体とすることになる。又、疎水性鎖を有する単官能酸性化合物(b2)を用いた場合には、該化合物(b2)の分子間で疎水結合することによって、あたかも2官能以上の酸性化合物と同じような働きをし、複数のポリエチレンイミン鎖間を架橋し、ポリマー(A)を安定な会合体とすることになる。従って、混合溶媒中における会合体は、その中心には酸性基を有する化合物(B)が多く存在し、その周りをポリエチレンイミン鎖で取り囲んだ状態で安定化していると考えられる。
本発明では、上記によって得られる安定な会合体を反応場として用い、混合溶媒中(水の存在下)で、ポリマー(A)中のエチレンイミン構造の触媒効果によってアルコキシシランのゾルゲル反応を行って、該ポリマー(A)とシランとが複合化した微粒子を得るものである。形成される微粒子はポリマー(A)の構造や用いる酸性基を有する化合物(B)の構造等によって決定されるほぼ一定の粒子径を有することになり、単分散性のシリカ微粒子となる。
[直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)]
本発明でいう直鎖状ポリエチレンイミン鎖とは、二級アミンのエチレンイミン単位を主たる構造単位とする直鎖状のポリマー骨格をいう。該骨格中においては、エチレンイミン単位以外の構造単位が存在していてもよいが、そのポリマーが水と水溶性有機溶媒との混合溶媒中、少量の後述する酸性基を有する化合物(B)と水素結合による会合体(以下、会合体と略記する。)を形成させるためには、該ポリマー(A)の一定鎖長が連続的なエチレンイミン単位からなることが好ましい。該直鎖状ポリエチレンイミン鎖の長さは、該骨格を有するポリマーが会合できる範囲であれば特に制限されないが、好適に会合体を形成するためには、該骨格部分のエチレンイミン単位の繰り返し単位数が10〜10,000の範囲であることが好ましく、特に20〜8,000の範囲であることが好ましい。
本発明において使用するポリマー(A)は、その構造中に上記直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するものであればよく、その形状が線状、星状または櫛状であっても、水の存在下で会合体を与えることができるものであればよい。
また、これら線状、星状または櫛状のポリマーは、直鎖状ポリエチレンイミン鎖のみからなるものであっても、直鎖状ポリエチレンイミン鎖からなるブロック(以下、ポリエチレンイミンブロックと略記する。)と他のポリマーブロックとのブロックコポリマーからなるものであってもよい。他のポリマーブロックとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピオニルエチレンイミン、ポリアクリルアミドなどの水溶性のポリマーブロック、あるいは、ポリスチレン、ポリオキサゾリン類のポリフェニルオキサゾリン、ポリオクチルオキサゾリン、ポリドデシルオキサゾリン、ポリアクリレート類のポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートなどの疎水性のポリマーブロックを挙げることができる。これら他のポリマーブロックとのブロックコポリマーとすることで、会合体の形状や特性を調整することができる。
直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)が、他のポリマーブロック等を有する場合の該ポリマー(A)中における直鎖状ポリエチレンイミン鎖の割合は、会合体を形成できる範囲であれば特に制限されない。好適に会合体を形成するためには、ポリマー中の直鎖状ポリエチレンイミン鎖の割合が25モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがさらに好ましい。
上記直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)は、その前駆体となるポリオキサゾリン類からなる直鎖状の骨格を有するポリマー(以下、前駆体ポリマーと略記する。)を、酸性条件下またはアルカリ条件下で加水分解することで容易に得ることができる。従って、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーの線状、星状、または櫛状などの形状は、この前駆体ポリマーの形状を制御することで容易に設計することができる。また、重合度や末端構造も、前駆体ポリマーの重合度や末端機能団を制御することで容易に調整できる。さらに、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するブロックコポリマーを形成する場合には、前駆体ポリマーをブロックコポリマーとし、該前駆体中のポリオキサゾリン類からなる直鎖状の骨格を選択的に加水分解することで得ることができる。
前駆体ポリマーは、オキサゾリン類のモノマーを使用して、カチオン型の重合法、あるいは、マクロモノマー法などの合成方法により合成が可能であり、合成方法や重合開始剤を適宜選択することにより、線状、星状、あるいは櫛状などの各種形状の前駆体ポリマーを合成できる。
ポリオキサゾリン類からなる直鎖状の骨格を形成するモノマーとしては、例えば、メチルオキサゾリン、エチルオキサゾリン、メチルビニルオキサゾリン、フェニルオキサゾリンなどのオキサゾリンモノマーを挙げることができる。
前記重合開始剤としては、分子中に塩化アルキル基、臭化アルキル基、ヨウ化アルキル基、トルエンスルホニルオキシ基、あるいはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基などの官能基を有する化合物を使用することができる。これらの重合開始剤は、多くのアルコール類化合物の水酸基を他の官能基に変換させることで得られる。なかでも、官能基変換として、臭素化、ヨウ素化、トルエンスルホン酸化、およびトリフルオロメチルスルホン酸化されたものは重合開始効率が高いため好ましく、特に臭化アルキル基、トルエンスルホン酸アルキル基としたものが好ましい。
また、ポリ(エチレングリコール)の末端水酸基を臭素あるいはヨウ素に変換したもの、またはトルエンスルホニル基に変換したものを重合開始剤として使用することもできる。その場合、ポリ(エチレングリコール)の重合度は5〜100の範囲であることが好ましく、10〜50の範囲であれば特に好ましい。
また、カチオン開環リビング重合開始能を有する官能基を有し、かつ光による発光機能、エネルギー移動機能、電子移動機能を有するポルフィリン骨格、フタロシアニン骨格、またはピレン骨格のいずれかの骨格を有する色素類などを導入することにより、得られる単分散性シリカ微粒子に特殊な機能を付与することもできる。
線状の前駆体ポリマーは、上記オキサゾリンモノマーを1価または2価の官能基を有する重合開始剤により重合することで得られる。このような重合開始剤としては、例えば、塩化メチルベンゼン、臭化メチルベンゼン、ヨウ化メチルベンゼン、トルエンスルホン酸メチルベンゼン、トリフルオロメチルスルホン酸メチルベンゼン、臭化メタン、ヨウ化メタン、トルエンスルホン酸メタンまたはトルエンスルホン酸無水物、トリフルオロメチルスルホン酸無水物、5−(4−ブロモメチルフェニル)−10,15,20−トリ(フェニル)ポルフィリン、またはブロモメチルピレンなどの1価のもの、ジブロモメチルベンゼン、ジヨウ化メチルベンゼン、ジブロモメチルビフェニレン、またはジブロモメチルアゾベンゼンなどの2価のものが挙げられる。また、ポリ(メチルオキサゾリン)、ポリ(エチルオキサゾリン)、または、ポリ(メチルビニルオキサゾリン)などの工業的に使用されている線状のポリオキサゾリンを、そのまま前駆体ポリマーとして使用することもできる。
星状の前駆体ポリマーは、上記したようなオキサゾリンモノマーを3価以上の官能基を有する重合開始剤により重合することで得られる。3価以上の重合開始剤としては、例えば、トリブロモメチルベンゼンなどの3価のもの、テトラブロモメチルベンゼン、テトラ(4−クロロメチルフェニル)ポルフィリン、テトラブロモエトキシフタロシアニンなどの4価のもの、ヘキサブロモメチルベンゼン、テトラ(3,5−ジトシリルエチルオキシフェニル)ポルフィリンなどの5価以上のものが挙げられる。
櫛状の前駆体ポリマーを得るためには、多価の重合開始基を有する線状のポリマーを用いて、該重合開始基からオキサゾリンモノマーを重合させる方法で合成することができる。例えば、エポキシ樹脂やポリビニルアルコールなどの側鎖に水酸基を有するポリマーの水酸基を、臭素やヨウ素等でハロゲン化するか、あるいはトルエンスルホニル基に変換させた後、該変換部分を重合開始基として用いることでも得ることができる。
また、櫛状の前駆体ポリマーを得る方法として、ポリアミン型重合停止剤を用いることもできる。例えば、一価の重合開始剤を用い、オキサゾリンを重合させ、そのポリオキサゾリンの末端をポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリプロピルアミンなどのポリアミンのアミノ基に結合させることで、櫛状のポリオキサゾリンを得ることができる。
上記により得られる前駆体ポリマー中のポリオキサゾリン類からなる直鎖状の骨格部分の加水分解は、酸性条件下またはアルカリ条件下のいずれの条件下でもよい。
酸性条件下での加水分解は、例えば、塩酸水溶液中で前駆体ポリマーを加熱下で攪拌する方法が挙げられ、直鎖状のポリエチレンイミン鎖を有するポリマーの塩酸塩を得ることができる。得られた塩酸塩をアルカリ性水溶液、例えば、過剰のアンモニウム水で処理することで、塩基性のポリエチレンイミン鎖を有するポリマーの結晶粉末を得ることができる。用いる塩酸水溶液は、濃塩酸でも、1mol/L程度の水溶液でもよいが、加水分解を効率的に行うには、5mol/Lの塩酸水溶液を用いることが望ましい。また、反応温度は70〜90℃であることが好ましい。
アルカリ条件下での加水分解は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液を用いる方法が挙げられ、ポリオキサゾリン鎖をポリエチレンイミン鎖に変換させることができる。アルカリ条件下で反応させた後、反応液を透析膜にて洗浄することで、過剰な水酸化ナトリウムを除去し、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーの結晶粉末を得ることができる。用いる水酸化ナトリウムの濃度は1〜10mol/Lの範囲であればよく、より効率的な反応を行うには3〜5mol/Lの範囲であることが好ましい。また、反応温度は70〜90℃であることが好ましい。
酸性条件下またはアルカリ条件下での加水分解における、酸またはアルカリの使用量は、前駆体ポリマー中のオキサゾリン単位に対し、1〜10当量でよく、反応効率の向上と後処理の簡便化のためには、2〜4当量とすることが好ましい。
上記加水分解により、前駆体ポリマー中のポリオキサゾリン類からなる直鎖状の骨格が、直鎖状ポリエチレンイミン鎖となり、該ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーを得ることが出来る。
また、直鎖状ポリエチレンイミンブロックと他のポリマーブロックとのブロックコポリマーを形成する場合には、前駆体ポリマーとして、ポリオキサゾリン類からなる直鎖状のポリマーブロックと、他のポリマーブロックとからなるブロックコポリマーとし、該前駆体ポリマー中のポリオキサゾリン類からなる直鎖状のブロックを選択的に加水分解することで得ることができる。
他のポリマーブロックが、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)などの水溶性ポリマーブロックである場合には、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)が、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)やポリ(N−アセチルエチレンイミン)に比べて、有機溶媒への溶解性が高いことを利用してブロックコポリマーを形成することができる。即ち、2−オキサゾリンまたは2−メチル−2−オキサゾリンを、前記した重合開始剤の存在下でカチオン開環リビング重合した後、得られたリビングポリマーに、さらに2−エチル−2−オキサゾリンを重合させることによって、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)ブロックまたはポリ(N−アセチルエチレンイミン)ブロックと、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)ブロックとからなる前駆体ポリマーを得る。該前駆体ポリマーを水に溶解させ、該水溶液に、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)ブロックを溶解する水とは非相溶の有機溶媒を混合して攪拌することにより、エマルジョンを形成させる。該エマルジョンの水相に、酸又はアルカリを添加し、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)ブロックまたはポリ(N−アセチルエチレンイミン)ブロックを優先的に加水分解させることにより、直鎖状ポリエチレンイミンブロックと、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)ブロックとを有するブロックコポリマーを形成できる。
ここで使用する重合開始剤の価数が1および2の場合には、直鎖状のブロックコポリマーとなり、それ以上の価数であれば星型のブロックコポリマーが得られる。また、前駆体ポリマーを多段のブロックコポリマーとすることで、得られるポリマーも多段のブロック構造とすることも可能である。
[酸性基を有する化合物(B)]
本発明において使用する酸性基を有する化合物(B)は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒中で、上記直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)との間に、物理的な架橋構造(水素結合)を構成して、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)と酸性基を有する化合物(B)との会合体を形成するものであればよい。この物理的な架橋により、直鎖状ポリエチレンイミン鎖が有する高い結晶化傾向を阻害すると共に、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)が自由分子状態として溶媒中に遊離することを防ぎ、溶媒中で準安定に会合体を形成させることができる。
本発明において使用する酸性基を有する化合物(B)としては、二官能以上の多官能酸性化合物(b1)を好適に用いることができる。多官能酸性化合物(b1)としては、有機系の多官能酸性化合物、無機系の多官能酸性化合物のいずれの酸性化合物を用いてもよく、二官能性以上のカルボン酸化合物、二官能性以上のポリスルホン酸化合物、二官能性以上のポリリン酸化合物などを挙げることができる。
具体的には、例えば、酒石酸、アンチモン酒石酸、マレイン酸、シクロヘキサントリカルボニル酸、シクロヘキサンヘキサカルボニル酸、アダマンタンジカルボン酸、アジピック酸、アゼレック酸、セバシック酸、ウンデカンジオイク酸、ジ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチル)エーテル、トリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチル)エーテルなど脂肪族の酸類、テレフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、オキシビス安息香酸、ピペス(PIPES)などの芳香族または脂肪族のスルホン酸類、acid yellow、acid blue、acid red、direct blue、direct yellow、direct red系列の染料、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(スチレンスルホン酸)などの高分子酸、酸性化のRNA、DNAオリゴマーなどが挙げられる。
又、無機酸の場合には、2価以上の酸性化合物であれば好適に用いることができる。例えば、硫酸、リン酸、硼酸、2硫酸、2リン酸、ポリリン酸などを挙げることができる。
また、酸性基を有する化合物(B)として、単官能酸性化合物の場合は、相互に疎水結合可能な疎水性鎖を有する単官能酸性化合物(b2)であることが好ましい。その場合、酸性基はポリエチレンイミンの窒素原子と水素結合するが、疎水性鎖同士がお互いに疎水結合で集合することが可能であり、その結果、分子内或いは複数の分子間にポリエチレンイミン鎖間に物理的な架橋を形成し、会合体を得ることが出来る。
単官能酸性化合物(b2)の具体例としては、酸性の界面活性剤等が挙げられ、例えば、長鎖アルキルスルホンサン、長鎖アルキルカルボン酸、長鎖アルキルリン酸類を用いることができ、そのアルキル鎖長は炭素数が6〜22であることが好ましい。
本発明において使用する酸性基を有する化合物(B)としては、各種機能性を有するものを適宜選択して用いることが可能であり、得られる単分散性シリカ微粒子に任意の機能性分子を導入することが出来る。化合物(B)として用いられる機能性分子としては、特に蛍光性化合物を用いることが好ましく、該蛍光性化合物を用いた場合には、得られる単分散性シリカ微粒子も蛍光性を発現し、種々の応用分野で好適に用いることが可能となる。
前記蛍光性化合物としては、例えば、テトラフェニルポルフィリンテトラカルボン酸、ピレンジカルボン酸類、ピレンジスルホン酸、ピレンテトラスルホン酸、テトラフェニルポルフィリンテトラスルホン酸、テトラフェニルポルフィリンテトラフォスフォン酸、フタロシアニンテトラスルホン酸など、強い発光性もつ化合物を挙げることができる。
酸性基を有する化合物(B)の使用割合としては、安定な会合体が得られる範囲であればよいが、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)中のエチレンイミン単位と酸性基を有する化合物(B)中の酸性基との比が、エチレンイミン単位/酸性基で表されるモル比で10/1〜5000/1範囲であることが好ましく、その比が100/1〜2000/1であればより好ましい。また、単官能酸化合物を用いる場合にも、エチレンイミン単位/酸性基で表されるモル比が10/1〜5000/1範囲であればよく、その比が50/1〜1000/1であればより好適である。
[単分散性シリカ微粒子]
本発明の単分散性シリカ微粒子は、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)と、酸性基を有する化合物(B)と、シリカ(C)とからなるものである。
本発明の単分散性シリカ微粒子は、その粒径が10〜1000nm範囲で制御でき、また極めて優れた単分散性を有し、特に粒径分布の幅が平均粒径に対して±15%以下とする事が可能である。該粒径は会合体の調製〔例えば、用いる直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)の種類・形・ポリマーの長さ、酸性基を有する化合物(B)中の酸性基の数、種類、水溶性有機溶媒の種類や水との混合比など〕や、シリカのゾルゲル反応条件等により調整できる。
本発明の単分散性シリカ微粒子中のシリカの含有量は、反応条件などにより一定の幅で変化し、調整可能であるが、単分散性シリカ微粒子全体の50〜90質量%、好ましくは70〜90質量%、の範囲とすることができる。シリカの含有量はゾルゲル反応の際に用いたポリマー(A)中のポリエチレンイミン量を変えることで変化させることができる。
本発明の単分散性シリカ微粒子は直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)をその粒子中に含有する。直鎖状ポリエチレンイミン鎖は水性媒体中では、正電荷を持つため、本発明の単分散性シリカ微粒子表面は基本的に正電荷雰囲気を帯びることができる。このため本発明の単分散性シリカ微粒子は優れた単分散性を示すと共に、乾燥して凝集した場合であっても水性媒体中に分散すれば、再び個々の微粒子へ戻ることができる。又、水性媒体中で保存した場合には、経時と共に、該微粒子が沈降してくる場合もあるが、このときも、再攪拌により、個々の微粒子に戻って、分散する。これは、従来シリカ微粒子分散液を一旦乾燥したら、粒子状へ再分散ができないことと大きく異なる特性である。従来のStober方法などで得られるシリカ微粒子の場合、得られた微粒子の表面を界面活性剤のような物質で化学修飾しない限り、溶剤媒体中での再分散性を持つことはできず、又、乾燥によって、二次凝集などが生じるため、微粉末を得るための粉砕処理等が必要である場合が多い。
また、本発明の単分散性シリカ微粒子は、内部に存在する直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)のエチレンイミン単位により、金属イオンを高度に濃縮して吸着することができる。また、該エチレンイミン単位は容易にカチオン化できるため、本発明の単分散性シリカ微粒子は、アニオン性の生体材料などの各種イオン性物質の吸着や固定化も可能である。さらに該直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)は他のポリマーとのブロックやグラフト化が容易であり、ポリマー側鎖や末端構造などの構造制御も容易であることから、各種の機能性ポリマーとのブロック化や末端構造の制御により単分散性微粒子に各種機能を付与することが可能である。
機能の付与としては、例えば蛍光性物質の固定化などが挙げられる。例えば、ポルフィリンを中心にした星状ポリエチレンイミンを用いることで、ポルフィリンの残基を単分散性シリカ微粒子中に取り込むことができる。また、直鎖状ポリエチレンイミン鎖に少量の蛍光性物質、ピレン類、ポルフィリン類などが少量固定されたポリマーを導入することで、その機能性残基を単分散性微粒子に取り込むことができる。さらに、直鎖状ポリエチレンイミン鎖の塩基に酸性基、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基を有するポルフィリン類、フタロシアニン類、ピレン類など蛍光性染料を少量混合させたものを使用することで単分散性微粒子中に、これらの蛍光性物質を取り込むことができる。
[単分散性シリカ微粒子の製造方法]
本発明の単分散性シリカ微粒子の製造方法は、(1)直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)と、酸性基を有する化合物(B)とを、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒中に溶解して、前記直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)と、前記酸性基を有する化合物(B)との会合体を得る工程と、(2)水の存在下で、前記会合体を反応場とし、アルコキシシランを用いてゾルゲル反応を行う工程、とからなる方法である。
本発明の製造方法においては、まず、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)と酸性基を有する化合物(B)とを、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒中に溶解する。これにより、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒中で、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)が形成する準安定な会合体を、酸性基を有する化合物(B)が物理的に架橋(水素結合)して安定な会合体を形成すると考えられる。
該会合体を好適に形成する際、酸性基を有する化合物(B)として多官能酸性化合物(b1)を用いる会合体形成の場合、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー中のエチレンイミン単位と多官能酸性化合物の酸性基との比が、エチレンイミン単位/酸性基で表されるモル比で10/1〜5000/1範囲であることが好ましく、その比が100/1〜2000/1であればもより好ましい。また、単官能酸化合物を用いる場合にも、エチレンイミン単位/酸性基で表されるモル比が10/1〜5000/1範囲であればよく、その比が50/1〜1000/1であればより好適である。
該会合体を形成する際の水と水溶性有機溶媒との混合溶媒に使用する水溶性有機溶媒としては、体積比として水/水溶性有機溶媒が9/1〜1/9で均一になる溶媒であれば良く、例えば、メタノール、エタノール、アセトニトリル、ジメチルフォマルアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォンオキシド、ジオキシラン、ピロリドンなどの水溶性有機溶媒を挙げることができる。上記有機溶媒は単独または混合して用いることができる。
前記混合溶媒中の水/水溶性有機溶媒で表される体積比としては、30/70〜60/40の範囲に調製した混合溶媒を好ましく用いることができる。
混合溶媒中における直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)と酸性基を有する化合物(B)との会合体の調製は、該ポリマー(A)と酸性基を有する化合物(B)とを有機溶媒に溶解させ、その溶液を水と混合することで行うことができる。また、該ポリマー(A)を混合溶媒中に加え、更に酸性基を有する化合物(B)を添加し、その混合物を90℃以下で加熱してから、室温に戻す方法によっても会合体を調製することができる。
混合溶媒中での直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)の濃度は、基本的に会合体同士の融合が起こらない範囲であれば、好ましく設定できる。好適な濃度範囲としては、0.05〜15%(質量%)であり、さらに好ましい濃度範囲は0.5〜5質量%である。
本発明での水性媒体中における、ポリエチレンイミンと酸との物理的な架橋形成による会合体形成は、プロセス的には簡便であるが、その物理的な架橋を共有結合の架橋に変えることも可能であり、会合体類似のものを得ることもできる。例えば、ポリエチレンイミンのアミノ基と室温状態で反応できる2官能基以上を含むアルデヒド類架橋剤、エポキシ類架橋剤、酸クロリド類、酸無水物、エステル類架橋剤を用いることができる。アルデヒド類架橋剤としては、例えば、マロニルアルデヒド、スクシニルアルデヒド、グルタリルアルデヒド、アジホイルアルデヒド、フタロイルアルデヒド、イソフタロイルアルデヒド、テレフタロイルアルデヒドなどが挙げられる。また、エポキシ類架橋剤としては、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリシジルクロライド、グリシジルブロマイドなどが挙げられる。酸クロリド類としては、例えば、マロニル酸クロリド、スクシニル酸クロリド、グルタリル酸クロリド、アジホイル酸クロリド、フタロイル酸クロリド、イソフタロイル酸クロリド、テレフタロイル酸クロリドなどが挙げられる。また、酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、スクシニル酸無水物、グルタリル酸無水物などが挙げられる。また、エステル類架橋剤としては、マロニル酸メチルエステル、スクシニル酸メチルエステル、グルタリル酸メチルエステル、フタロイル酸メチルエステル、ポリエチレングリコールカルボン酸メチルエステルなどを使用してもよい。
本発明の単分散性シリカ微粒子の製造方法は、前記(1)の工程に引き続き、前記(2)の工程、即ち水の存在下で、前記会合体を反応場とし、アルコキシシランを用いてゾルゲル反応を行う工程を有する。
会合体とアルコキシシランとのゾルゲル反応を行う方法としては、会合体を含む水性媒体に、アルコキシシランを直接加えるか、通常のゾルゲル反応において使用できる溶媒にアルコキシシランを溶解した溶液を加えて、室温下でゾルゲル反応させる方法が挙げられる。該方法により単分散性シリカ微粒子を容易に得ることができる。
アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン類、アルキルトリアルコキシシラン類などが挙げられる。
テトラアルコキシシラン類としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシランなどを挙げられる。
アルキルトリアルコキシシラン類としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシトキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシトキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトメトキシシラン、3−メルカプトトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−クロロメチルフェニルトリメトキシシラン、p−クロロメチルフェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシランなどが挙げられる。
単分散性シリカ微粒子を与える上記ゾルゲル反応は、水と水溶性有機溶媒の混合溶液などの水性媒体中、会合体の存在下で進行するが、その反応は水性媒体の連続相では起こらず、会合体ドメインで進行する。従って、複合化反応条件では会合体が溶解することがなければ、反応条件は任意である。
ゾルゲル反応においては、直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)中のエチレンイミン単位に対し、シリカソースであるアルコキシシランの量を過剰とすれば好適に有機無機複合型の微粒子を形成できる。過剰の度合いとしては、エチレンイミンに対し2〜1000倍当量の範囲であることが好ましい。
ゾルゲル反応の時間は1分から数日まで様々であり任意で選択できるが、アルコキシシランの反応活性が高いメトキシシラン類の場合は、反応時間は1分〜24時間でよく、反応効率を上げることから、反応時間を30分〜5時間に設定すればさらに好適である。また、反応活性が低い、エトキシシラン類、ブトキシシラン類の場合は、ゾルゲル反応時間は5時間以上であることが好ましく、その時間を一週間程度とすることも好ましい。
単分散性シリカ微粒子を作成する際に、ポリマー構造の幾何学的な形状や、ポリマーの重合度、組成、一次構造中に導入できる非エチレンイミン部分、酸性基を有する化合物の構造、さらには単分散性微粒子の形成条件等を調整することにより、単分散性シリカ微粒子の直径(平均粒径)を調整できる。
例えば、ベンゼン環に6本の直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有する星型ポリマーとして、各アームの平均重合度が100の星状ポリエチレンイミンを使用し、それにテトラ(p−スルフォニルフェニル)ポルフィリンを酸性基を有する化合物として使用し、それらを組み合わせて得られるメタノール/水中での会合体に、テトラメトキシシランを加えることで、直径が150nmの単分散性シリカ微粒子を得ることができる。同様な方法で、星状ポリマーのポリエチレンイミンの平均重合度が50のものを用いた場合、直径が800nmの単分散性シリカ微粒子を得ることができる。即ち、重合度が異なる星状ポリマーを用いることで、得られる単分散性シリカ微粒子の直径を大きく変えることができる。
本発明の製造方法によれば、互いに凝集せず、粒径が均一な単分散性シリカ微粒子を得ることができる。得られる単分散性シリカ微粒子の粒径分布は、製造条件や、目的とする粒径によっても変化するが、目的とする粒径(平均粒径)に対し±15%以下、好ましい条件下では、±10%以下の範囲のものを製造できる。
以上記載したように、本発明の単分散性シリカ微粒子は、単分散性に加え、内部に有する直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)により各種物質の固定化や濃縮が可能である。このように本発明の単分散性シリカ微粒子は、ナノサイズの球状中に金属や生体材料の固定化、濃縮が可能であることから、電子材料分野、バイオ分野、環境対応製品分野などの各種分野において有用な材料である。
本発明のポリアミンを含む単分散性シリカ微粒子の製造方法は広範に利用されている既知のStober方法等の製造方法に比べて、極めて容易であることから、その応用には業種、領域を問わず、大きな期待が寄せられる。シリカ材料の全般応用領域にはもちろんのこと、ポリエチレンイミンが応用される領域においても有用な材料である。
以下、実施例および参考例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を表す。
[走査電子顕微鏡による微粒子形状分析]
単離乾燥した試料をガラススライドに乗せ、それをキーエンス社製表面観察装置VE−7800にて観察した。
[蛍光スペクトルによる微粒子中の蛍光分子の分析]
シリカ微粒子をメタノール中に分散し、それの発光性をHitachi F−4500蛍光計にて測定した。
合成例1
<線状の直鎖ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(L−PEI)の合成>
市販のポリエチルオキサゾリン(数平均分子量500,000、平均重合度5,000、Aldrich社製)5gを、5Mの塩酸水溶液20mLに溶解させた。その溶液をオイルバスにて90℃に加熱し、その温度で10時間攪拌した。反応液にアセトン50mLを加え、ポリマー(反応物)を完全に沈殿させ、それを濾過し、メタノールで3回洗浄し、白色の直鎖ポリエチレンイミンの粉末を得た。得られた粉末をH−NMR(重水)にて同定したところ、ポリエチルオキサゾリンの側鎖エチル基に由来したピーク1.2ppm(CH)と2.3ppm(CH)が完全に消失していることが確認された。即ち、ポリエチルオキサゾリンが完全に加水分解され、ポリエチレンイミンに変換されたことが示された。
その粉末を5mLの蒸留水に溶解し、攪拌しながら、その溶液に15%のアンモニア水50mLを滴下した。その混合液を一晩放置した後、沈殿した粉末を濾過し、その粉末を冷水で3回洗浄した。洗浄後の粉末をデシケータ中で室温乾燥し、線状の直鎖ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(L−PEI)を得た。収量は4.2g(結晶水含有)であった。ポリオキサゾリンの加水分解により得られるポリエチレンイミンは、側鎖だけが反応し、主鎖には変化がない。従って、得られたL−PEIの重合度は加水分解前の5,000と同様である。
合成例2
<ベンゼン環中心の星状の直鎖ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(H−PEI)の合成>
Jin,J.Mater.Chem.,13,672−675(2003)に示された方法に従い、前駆体ポリマーであるベンゼン環中心に6本のポリメチルオキサゾリンのアームが結合した星状ポリメチルオキサゾリンの合成を次の通りに行った。
磁気攪拌子がセットされたスリ口試験管中に、重合開始剤としてヘキサキス(ブロモメチル)ベンゼン0.021g(0.033mmol)を入れ、試験管の口に三方コックをつけた後、真空状態にしてから窒素置換を行った。窒素気流下で三方コックの導入口からシリンジを用いて2−メチル−2−オキサゾリン2.0ml(24mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド4.0mlを順次加えた。試験管をオイルバス上で60℃まで加熱し、30分間保ったところ、混合液は透明になった。透明混合液をさらに100℃まで加熱し、その温度で20時間攪拌して、前駆体ポリマーを得た。この混合液のH−NMR測定から、モノマーの転化率は98%であった。この転化率によりポリマーの平均重合度を見積もったところ、各アームの平均重合度は115であった。また、GPCによる分子量測定では、ポリマーの質量平均分子量は22,700であり、分子量分布は1.6であった。
この前駆体ポリマーを用い、上記合成例1と同様な方法によりポリメチルオキサゾリンを加水分解し、6本のポリエチレンイミンがベンゼン環コアに結合した星状の直鎖ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーを得た。H−NMR(TMS外部標準、重水中)測定の結果、加水分解前の前駆体ポリマーの側鎖メチルに由来した1.98ppmのピークは完全に消失した。
得られた星状のポリマーを、上記合成例1と同様の方法によりアンモニアによる再沈、冷水による洗浄、乾燥を行い、6本の直鎖ポリエチレンイミンがベンゼン環コアに結合した、星状の直鎖ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(H−PEI)を得た。
合成例3
<ベンゼン環中心の星状の直鎖ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(T−PEI)の合成>
磁気撹拌子がセットされたスリ口試験管に、重合開始剤としてテトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(0.033mol)を加え、試験管の口に三方コックを装着した後、真空状態にしてから窒素を導入し、雰囲気を窒素雰囲気に置換した。窒素気流下、三方コックの導入口からシリンジにて2−メチル−2−オキサゾリン2.0mL(24mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド4.0mLを順次添加した。その混合物をオイルバスにて100℃まで加熱し、その温度で攪拌しながら18時間保持した。攪拌後、メチルオキサゾリンの転化率は100%であった。この転化率によりポリマーの平均重合度を見積もったところ、各アームの平均重合度は180であった。又、GPCによる分子量測定では、ポリマーの質量平均分子量は18,500であり、分子量分布は1.43であった。
この前駆体ポリマーを用い、上記合成例1と同様な方法によりポリメチルオキサゾリンを加水分解し、4本のポリエチレンイミンがベンゼン環コアに結合した、星状の直鎖ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーを得た。H−NMR(TMS外部標準、重水中)測定の結果、加水分解前の前駆体ポリマーの側鎖メチルに由来した1.98ppmのピークは完全に消失した。
得られた星状のポリマーを、上記合成例1と同様の方法によりアンモニアによる再沈、冷水による洗浄、乾燥を行い、4本のポリエチレンイミンがベンゼン環コアに結合した、星状の直鎖ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(T−PEI)を得た。
実施例1
<線状の直鎖ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーからの単分散性シリカ微粒子>
合成例1で得られたL−PEI粉末70mg、テトラ(p−スルフォニルフェニル)ポルフィリン(TSPP)1.2mgを7mLのメタノール中に溶解させた後、その溶液に3mLの蒸留水を加え、L−PEI/TSPPの会合体を調製した。このときにポリマー中のエチレンイミン単位とTSPPの中の酸性基とのモル比は1200/1であり、混合溶媒中のL−PEIの濃度は0.7%である。この会合体中に、テトラメトキシシラン(TMOS)を10mLを加え、その混合物を室温で15分間放置した。その混合物にエタノールを加え、円心分離器にて3回円心洗浄を繰り返した。得られた固形物はポルフィリン残基による薄茶色を示した。
この固形物のメタノール分散液をガラススライドに落とし、25℃で6時間放置することによって乾燥(溶媒の除去)を行い、これを走査電子顕微鏡によって観察した。得られた走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。得られた単分散性微粒子は、直径が400±30nmの単分散性微粒子であることが確認された。
また、単分散性微粒子のメタノール分散液の蛍光スペクトル測定から、波長650nmにポルフィリン残基由来の強い蛍光ピークが現れた。これは、単分散性微粒子中に蛍光性物質であるポルフィリンが取り込まれたことを示唆する。尚、得られた微粒子中のシリカの含有量は80%である。
実施例2
<星状の直鎖ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(H−PEI)を用いた単分散性シリカ微粒子>
実施例1において、L−PEI粉末を用いる代わりに合成例2で合成したH−PEIを使用し、実施例1と同様な方法により、会合体を調製し、その会合体とTMOSの混合により固形物を得た。尚、ポリマー中のエチレンイミン単位とTSPP中の酸性基とのモル比は1200/1であり、混合溶媒中のH−PEIの濃度は0.7%である。
この固形物のメタノール分散液をガラススライドに落とし、乾燥後の状態を走査電子顕微鏡から観察した。得られた走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。得られた単分散性微粒子は、直径が150±20nmの単分散性微粒子であることが確認された。
また、単分散性微粒子のメタノール分散体の蛍光スペクトル測定から、波長650nmにポルフィリン残基由来の強い蛍光ピークが現れた。これは、単分散性微粒子中に蛍光性物質であるポルフィリンが取り込まれたことを示唆する。尚、得られた微粒子中のシリカの含有量は76%である。
実施例3
<星状の直鎖ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(H−PEI)を用いた単分散性シリカ微粒子>
実施例1において、L−PEI粉末を用いる代わりに合成例2で合成したH−PEIを使用し、会合体中でのポリマー中のエチレンイミン単位とTSPP中の酸性基とのモル比を1200/1から600/1に変えた以外、実施例1と同様な方法により、会合体を調製し、その会合体とTMOSの混合により固形物を得た。尚、混合溶媒中のH−PEIの濃度は0.7%である。
この固形物のメタノール分散液をガラススライドに落とし、乾燥後の状態を走査電子顕微鏡から観察した。得られた走査型電子顕微鏡写真を図3に示す。得られた単分散性微粒子は、直径が200±20nmの単分散性微粒子であることが確認された。
また、単分散性微粒子のメタノール分散体の蛍光スペクトル測定から、波長650nmにポルフィリン残基由来の強い蛍光ピークが現れた。これは、単分散性微粒子中に蛍光性物質であるポルフィリンが取り込まれたことを示唆する。尚、得られた微粒子中のシリカの含有量は78%である。
実施例4
<星状の直鎖ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(T−PEI)を用いた単分散性シリカ微粒子>
実施例1において、L−PEI粉末を用いる代わりに合成例3で合成したT−PEIを使用し、実施例1と同様な方法により、会合体を調製し、その会合体とTMOSの混合により固形物を得た。尚、ポリマー中のエチレンイミン単位とTSPP中の酸性基とのモル比は1200/1であり、混合溶媒中のH−PEIの濃度は0.7%である。
この固形物のメタノール分散液をガラススライドに落とし、乾燥後の状態を走査電子顕微鏡から観察したところ、直径が450±25nmの単分散性微粒子であることが確認された。
また、単分散性微粒子のメタノール分散体の蛍光スペクトル測定から、波長650nmにポルフィリン残基由来の強い蛍光ピークが現れた。これは、単分散性微粒子中に蛍光性物質であるポルフィリンが取り込まれたことを示唆する。尚、得られた微粒子中のシリカの含有量は78%である。
応用例1〜4
<有機無機複合型単分散性シリカ微粒子の安定性評価>
実施例1〜4で得られた、単分散性シリカ微粒子のメタノール分散液(濃度3%)を室温(25℃)にて密閉し、静値保存(3ヶ月)を行い、その変化を目視にて評価した。
実施例1(応用例1)及び実施例4(応用例4)の微粒子はその粒径が大きいことから、若干の沈降が見られたが、再攪拌によって、均一な分散液になった。実施例2及び実施例3では、沈降は起こらなかった。
更に、保管後の微粒子を前記と同様にして走査電子顕微鏡にて観察したところ、その粒径には変化が見られず、2次凝集等が起こっていないことを確認した。
比較例1
<市販の分岐状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーを用いたゾルゲル反応>
実施例1において、L−PEIの代わりに、多分岐状ポリエチレンイミン(Aldrich社製、数平均分子量25,000)を用い、実施例1と同様の方法で会合体の調製及びTMOSの混合を行った。TMOSを加えて、2分経過で反応液全体はゲル化し、透明なゲルの固まりとなった。
比較例2
<市販の分岐状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーを用いたゾルゲル反応>
比較例1と同様にして、日本触媒株式会社製の多分岐ポリエチレンイミン(SP−012、数平均分子量1,200)を用いて行ったところ、ゲルの固まりとなった。
即ち、分子内に1級、2級、3級アミンをランダム的にもつ多分岐ポリエチレンイミンは2級アミンからなる直鎖状ポリエチレンイミン鎖のように、単分散性微粒子を与えることができなかった。
本発明により、各種機能性基を導入可能な、酸性基を有する化合物と有機材料とを含有し、且つ極めて単分散性に優れた単分散性シリカ微粒子、及び該単分散性微粒子の簡便かつ短時間で製造する方法を提供することができる。
本発明の実施例1における単分散性シリカ微粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例2における単分散性シリカ微粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例3における単分散性シリカ微粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例4における単分散性シリカ微粒子の走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (12)

  1. 直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)と、酸性基を有する化合物(B)と、シリカ(C)とを含有することを特徴とする、ポリアミンを含む単分散性シリカ微粒子。
  2. 前記直鎖状ポリエチレンイミン鎖のエチレンイミン単位の繰り返し単位数が、10〜10,000の範囲にある請求項1記載の単分散性シリカ微粒子。
  3. 前記酸性基を有する化合物(B)が、多官能酸性化合物(b1)、又は相互に疎水結合可能な疎水性鎖を有する単官能酸性化合物(b2)である請求項1記載の単分散性シリカ微粒子。
  4. 前記酸性基を有する化合物(B)が、蛍光性化合物である請求項1記載の単分散性シリカ微粒子。
  5. 単分散性微粒子中のシリカの含有量が50〜90質量%の範囲にある請求項1記載の単分散性シリカ微粒子。
  6. 前記直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー中のエチレンイミン単位と、前記酸性基を有する化合物(B)中の酸性基との比が、エチレンイミン単位/酸性基で表されるモル比で、10/1〜5000/1の範囲にある請求項1記載の単分散性シリカ微粒子。
  7. 粒子径が10〜1,000nmの範囲であって、且つ粒径分布の幅が平均粒径に対して±15%以下である請求項1〜6の何れか1項記載の単分散性シリカ微粒子。
  8. (1)直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)と、酸性基を有する化合物(B)とを、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒中に溶解して、前記直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)と、前記酸性基を有する化合物(B)との会合体を得る工程と、
    (2)水の存在下で、前記会合体を反応場とし、アルコキシシランを用いてゾルゲル反応を行う工程、
    とを含むことを特徴とする、ポリアミンを含む単分散性シリカ微粒子の製造方法。
  9. 前記酸性基を有する化合物(B)が、多官能酸性化合物(b1)、又は相互に疎水結合可能な疎水性鎖を有する単官能酸性化合物(b2)である請求項8記載の単分散性シリカ微粒子の製造方法。
  10. 前記酸性基を有する化合物(B)が、蛍光性化合物である請求項8記載の単分散性シリカ微粒子の製造方法。
  11. 前記混合溶媒中の水/水溶性有機溶媒で表される体積比が、30/70〜60/40の範囲にある請求項8記載の単分散性シリカ微粒子の製造方法。
  12. 前記混合溶媒に溶解させる直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマー(A)の濃度が、0.05〜15質量%の範囲にある請求項8〜11のいずれか1項記載の単分散性シリカ微粒子の製造方法。
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