以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には遊技場(パチンコホール)における遊技システムの概略的構成が示されている。
図1において、多数台ずつ設置されたパチンコ遊技機1及び台間玉貸機2は、互いに隣接して配置されており、パチンコ遊技機1の上方には呼出ランプユニット3が設けられている。
パチンコ遊技機1は、所謂デジパチとして周知構成のものであり、遊技媒体であるパチンコ玉を使用しての遊技中において、盤面1a(遊技領域に相当)に設けられたスタート入賞口1b(始動口に相当)への入賞に応じて行われる抽選機能により大当たりに当選したときに、その大当たりの内容に応じて、入賞確率を大幅に高めた大当たり状態を呈する。尚、大当たり状態となったときには、盤面1aに設置された大入賞口1c(役物に相当)が所定期間だけ動作するものであり、これに応じて入賞率が極端に高められる構成となっている。また、盤面1aには、抽選結果の表示を含む種々の演出表示を行うため表示ユニット1dが設けられている。
パチンコ遊技機1には、これに付随してアウト玉回収装置及びセーフ玉補給装置(何れも図示せず)が設置されており、アウト玉回収装置からは、アウト玉数(打込玉数)を示すアウト信号(使用媒体信号に相当)が出力され、セーフ玉補給装置からは、セーフ玉数(払出玉数)を示すセーフ信号(払出媒体信号に相当)が出力される構成となっている。また、パチンコ遊技機1は、スタート入賞口1bへの入賞数を示すスタート信号(始動信号に相当)、大当たり状態にあることを示す大当たり信号などを出力するように構成されている。尚、大当たり信号は、パチンコ遊技機1が大当たり状態にある期間中を通じて出力されるレベル信号である。また、スタート信号に代えて、表示ユニット1dでの抽選結果の表示回数を特定可能な信号を始動信号として利用したり、パチンコ遊技機1から直接的に出力されるアウト信号や、セーフ信号を利用する構成としても良い。
台間玉貸機2は、例えば、現金の投入に応じてパチンコ玉を放出する機能の他に、大当り回数や大当り確率などの台データを付属モニタ2aで表示する機能などを備えたものである。尚、台間玉貸機2から放出されるパチンコ玉は、隣接したパチンコ遊技機1の上皿1eへノズル2bを介して供給されるようになっている。また、台間玉貸機2は、現金による売上(遊技客側から見た場合には投資金額)を示す売上信号などを出力するように構成されている。尚、本発明でいう「遊技機側から出力される遊技信号」は、パチンコ遊技機1から間接的或いは直接的に出力される信号は勿論のこと、台間玉貸機2から出力される売上信号なども含む概念である。
呼出ランプユニット3は、複数の表示ランプ、例えば液晶パネルより成るデータ表示部、呼出ボタンなど(何れも符号なし)を備えた周知構成のもので、呼出ボタンの操作に応じた呼び出し状態の表示機能、対応するパチンコ遊技機1で発生した大当たりなどを表示する機能、パチンコ遊技機1での稼動データに基づいて作成した遊技客向けデータ(大当たりの発生回数など)を表示する機能などを備えている。
パチンコ遊技機1、台間玉貸機2、呼出ランプユニット3と信号の授受を行うように接続された中継装置4は、店内LAN5を介して管理用コンピュータ6(遊技場用管理装置に相当)に接続されており、これにより管理用コンピュータ6は、遊技場内の全てのパチンコ遊技機1、台間玉貸機2、呼出ランプユニット3との間で各種信号及びデータの送受信を行い得るようになっている。尚、図示しないが、店内LAN5には、周知構成の遊技場用端末装置(遊技客向けの種々のデータを表示するための集中情報公開端末(例えばデータロボ(登録商標))、遊技客の獲得パチンコ玉を計数するためのパチンコ玉計数機、景品交換に使用するためのPOS端末など)も接続される。
管理用コンピュータ6は、遊技場内の全部のパチンコ台1についての遊技データ(アウト玉数、セーフ玉数、差玉数、稼動率、出玉率、ベース、スタート数など)、並びに遊技場内の全部の台間玉貸機2についての貸出高データ(売上金額、割数など)を集計して格納するという周知のデータ集計機能を備えた構成のものであるが、本発明でいう受信手段、異常設定記憶手段、異常判定手段、要因設定記憶手段、動作制御手段、データ記憶手段、遅延手段、情報記憶手段、終了条件判定手段の機能を備えている。以下、これらの手段に関連した構成について説明する。
即ち、管理コンピュータ6は、各パチンコ遊技機1から中継装置4を通じて送信されてくるアウト信号、セーフ信号、スタート信号を遊技信号として受信し、その遊技信号に対応した遊技情報(アウト玉数、セーフ玉数、スタート数など)が異常であるか否かの判定を複数種類の点検項目について実施する構成となっている。この場合、管理用コンピュータ6は、上述のような複数種類の点検項目について、異常判定に必要な異常検出設定情報を、所定の遊技機グループ(パチンコ遊技機1を機種、島、タイプなどにより区分したグループ)毎に記憶している。
図2には、上記異常検出設定情報の具体例が示されており、以下これについて説明する。
この図2に示した異常検出設定情報において、点検項目つまり異常検出項目としては、「アウト点検」、「アウト超過点検」、「非稼動セーフ点検」、「スタート点検」、「スタート異常」、「セーフ点検」、「ベース異常」、「セーフ不正」、「大当たりセーフ点検」、「T1Y異常(パンク)」、「T1Y異常(警告)」、「TS異常」、「連続大当たり異常」の各項目が設定されている。また、各点検項目には下記(a)〜(g)のような情報が記憶されている。
(a)項目情報…異常検出のために参照する遊技情報を示すもので、「検出値」は検出タイミングを計るための遊技情報(異常判定時期に関わる検出値に相当)、「判定値」は異常判定とするか否かの目安となる遊技情報(異常判定基準を特定可能な判定値に相当)である。尚、項目情報中の、「セーフ」はセーフ玉数、「アウト」はアウト玉数、「スタート」はスタート数、「タイマ」は本発明でいう遅延手段として機能する終了タイマの設定時間、「大当たり」は大当たり回数、「T1Y」は1回の大当たり期間中の出玉数、「TS」は平均大当たり間スタート数を示す。
(b)設定値…上記項目情報に係る具体的な数値を示すもので、遊技場管理者側で任意に設定可能な情報である。但し、「セーフ」、「アウト」は10個単位、「タイマ」は秒単位で設定する。
(c)対応記憶項目…管理コンピュータ6には、項目情報の更新状態を記憶するためのカウンタとして機能する記憶領域がパチンコ遊技機1毎に設けられており、各記憶領域のカウンタを区別するための名称(但し、後述するフローチャートでの説明を明確にするために付与した便宜上の名称であり、実際にはこのような名称が記憶されている訳ではない)である。
(d)検出終了条件…対応する点検項目についての異常判定動作の終了基準(請求項2記載の発明でいう終了条件に相当)であり、このような終了基準が不要な点検項目については設定されない。尚、この検出終了条件に、遊技場従業員による認証操作(例えば周知のリモートコントローラからの信号送信操作)を加える構成としても良い。
(e)要因点検項目…点検項目と対応付けた状態で予め設定された点検項目である要因点検項目を示すものである。尚、この要因点検項目は、当該要因点検項目に係る異常が発生した場合に、その異常発生を誘因として誤検出が行われることになる点検項目に対して設定されるものである。
(f)タイマ…後述の説明にて機能が明らかとなる終了タイマ(遅延手段)の作動の有無を示す。尚、作動「有」の場合におけるタイマ動作(遅延動作)の時間は、アウト玉詰まりやセーフ玉詰まりなどの異常状態を解消するのに必要な時間を目安に設定されるもので、本実施例の場合、例えば120秒である。
(g)判定基準…点検項目について異常が発生したか否かを決定するための判定基準を示す。この判定基準は、実際には点検項目毎の判定用プログラムとして記憶されるものであるが、図2では各判定用プログラムの内容を記載している。各点検項目についての判定基準は、以下(1)〜(13)に示す通りである。
(1)アウト点検…「アウト点検セーフ」、「アウト点検スタート」の何れか一方が有効となるように予め設定されるものであり、「アウト点検セーフ」が有効化された状態では、セーフ玉数が設定された検出値(図2の例では300個)以上あった場合でも、アウト玉数がない状態時に異常発生(アウト玉詰まり発生)と判定する。また、「アウト点検スタート」が有効化された状態では、スタート数が設定された検出値(図2の例では15回)以上あった場合でも、アウト玉数がない状態時に異常(アウト玉詰まりや信号線の断線、コネクタ外れ、アウト玉カウンタの故障など)が発生したと判定する。尚、このアウト点検において、異常判定基準を特定可能な判定値に相当するのは、アウト玉数がない状態を検出するための値であり、「1」または「0」を設定すれば良い(アウト玉数がない状態=アウト玉数が「1」未満またはアウト玉数が「0」)。
(2)アウト超過点検…検出タイマに設定された検出値(図2の例では60秒)内のアウト玉数が、設定された判定値(図2の例では110個)以上の場合に異常(アウト玉カウンタの暴走などの異常)が発生したと判定する。
(3)非稼動セーフ点検…セーフ玉数が設定された検出値(図2の例では500個)以上あった場合でも、アウト玉数がない状態時に異常(大当たり状態中等における特殊な遊技に起因して収集データが実態とずれる異常)が発生したと判定する。尚、この非稼動セーフ点検においても、異常判定基準を特定可能な判定値に相当するのは、アウト玉数がない状態を検出するための値であり、「1」または「0」を設定すれば良い。
(4)スタート点検…通常状態において、アウト玉数が設定された検出値(図2の例では500個)に達するまでの期間におけるスタート数が、設定された判定値(図2の例では10回)以下であった場合に異常(信号線の断線など)が発生したと判定する。
(5)スタート異常…通常状態において、スタート数が設定された検出値(図2の例では100回)に達するまでの期間におけるアウト玉数が、設定された判定値(図2の例では600個)以下であった場合に異常(スタート信号の暴走、スタート信号に係る不正行為など)が発生したと判定する。
(6)セーフ点検…通常状態において、アウト玉数が設定された検出値(図2の例では500個)に達するまでの期間におけるセーフ玉数が、設定された判定値(図2の例では50個)以下であった場合に異常(セーフ玉詰まりや信号線の断線、コネクタ外れ、セーフ玉カウンタの故障など)が発生したと判定する。
(7)ベース異常…通常状態において、アウト玉数が設定された検出値(図2の例では1000個)に達するまでの期間におけるセーフ玉数が、設定された判定値(図2の例では800個)以上であった場合に異常(所謂「ベース」が異常に高い状態)が発生したと判定する。
(8)セーフ不正…通常状態において、検出タイマに設定された検出値(図2の例では60秒)内のセーフ玉数が、設定された判定値(図2の例では300個)以上の場合に異常(セーフ玉カウンタの暴走、セーフ信号に係る不正行為など)が発生したと判定する。
(9)大当たりセーフ点検…大当たり期間中において、検出タイマに設定された検出値(図2の例では75秒)内にセーフ玉数がない場合に異常(大当たり期間中の特殊な遊技に起因して収集データが実態とずれる異常)が発生したと判定する。尚、この大当たりセーフ点検において、異常判定基準を特定可能な判定値に相当するのは、セーフ玉数がない状態を検出するための値であり、「1」または「0」を設定すれば良い(セーフ玉数がない状態=セーフ玉数が「1」未満またはセーフ玉数が「0」)。
(10)T1Y異常(パンク)…T1Y(1回の大当たり期間中の出玉数=当該大当たり期間中のセーフ玉数−当該大当たり期間中のアウト玉数)が、設定された判定値(図2の例では120個)以下の場合に異常(所謂パンク)が発生したと判定する。尚、このT1Y異常(パンク)において、異常判定時期に関わる検出値に相当するものは特になく、大当たり信号が入力停止したことをもって異常判定時期としている。
(11)T1Y異常(警告)…T1Yが、設定された判定値(図2の例では2000個)以上の場合に異常(大当たりに係る不正行為、パチンコ遊技機1の故障)が発生したと判定する。尚、このT1Y異常(警告)においても、異常判定時期に関わる検出値に相当するものは特になく、大当たり信号が入力停止したことをもって異常判定時期としている。
(12)TS異常…設定された検出値(図2の例では5回)分の大当たりに対応したTS(平均大当たり間スタート数=対応する期間におけるスタート数÷5)が、設定された判定値(図2の例では50回)以下の場合に異常(不正行為)が発生したと判定する。尚、この「TS異常」の対応記憶項目に係る記憶領域に対応したTSスタート数カウンタ、TS除外スタート数カウンタのカウント値は、大当たりが発生する毎に履歴データとして記憶される。
(13)連続大当たり異常…前回の大当たりからのスタート数が設定判定値(図2の例では20回)以下の状態で発生した大当たりの回数が、設定された判定値(図2の例では5回:異常判定時期に関わる検出値も兼ねる)以上連続して発生した場合に異常(不正行為)が発生したと判定する。
図3〜図10には、管理用コンピュータ6による制御内容のうち、図2の異常検出設定情報中に示した各点検項目に係る具体的な処理内容が示されており、以下これらについて個別に説明する。
<1>アウト点検処理ルーチン
図3のフローチャートには、点検項目「アウト点検」に係る処理ルーチンの内容が示されている。但し、この図3は、前述した「アウト点検セーフ」が有効化されている状態での処理内容である。
このアウト点検処理ルーチンにおいては、最初にアウト信号の受信の有無を判断する(ステップA1)。アウト信号の非受信状態では、セーフ信号の受信の有無を判断するためのステップA6へ移行するが、アウト信号を受信したときには、図2の異常検出設定情報「アウト点検」における項目情報中の検出値に対応したアウト点検セーフ数カウンタを初期化し(ステップA2)、この後に、アウト点検フラグが「1」であるか否かを判断する(ステップA3)。
この場合、アウト点検フラグは初期状態において「0」であり、この状態では、ステップA4、A5をジャンプしてステップA6へ移行する。これに対して、アウト点検フラグが「1」であったときには、アウト点検タイマが停止中か否かを判断する(ステップA4)。尚、アウト点検タイマは、終了タイマに該当するもので、前述したようにタイマ動作時間が120秒に設定されたものであるが、初期状態では停止した状態にある。アウト点検タイマが停止中であったときには、これをスタートさせるステップA5を実行した後にステップA6へ移行し、アウト点検タイマが作動中であった場合には、当該ステップA5をジャンプしてステップA6へ移行する。
ステップA6において「NO」と判断される状態(セーフ信号の非受信状態)では、アウト点検タイマがタイムアップしたか否かを判断するためのステップA14へ移行するが、セーフ信号を受信したときには、アウト点検セーフ数カウンタを「1」だけインクリメントする(ステップA7)。このインクリメント後には、アウト点検セーフ数カウンタのカウント値が、点検項目「アウト点検」について設定されている検出値(本実施例では「300」)以上になったか否かを判断する(ステップA8)。
このステップA8で「NO」と判断される状態では、前記ステップA14へ移行するが、「YES」と判断したとき、つまり、アウト信号の受信に応じたアウト点検セーフ数カウンタの初期化が行われることなく、そのカウント値が「300」になった異常状態(セーフ数が設定された検出値(=300)以上あった場合でも、アウト玉数がない状態=アウト玉詰まりや信号線の断線などが発生した状態に相当:以下、単に「アウト玉詰まり」とする)が発生したと想定されるときには、セーフ点検フラグが「0」であるか否かを判断する(ステップA9)。尚、ステップA6で「YES」と判断した状態が、点検項目「アウト点検」についての異常判定時期になったことを特定する動作に該当し、ステップA8での処理が、「アウト点検」についての異常が発生したか否かの判定動作に該当することになる。
上記セーフ点検フラグは、後述する図5の処理内容に関する説明から明らかとなるように、点検項目「アウト点検」について設定されている要因点検項目に対応した「セーフ点検」において異常発生(セーフ玉詰まりや信号線の断線などが発生した状態:以下、単に「セーフ玉詰まり」とする)と判定された状態で「1」にセットされるものである。
ステップA9において「YES」と判断した場合、つまり、セーフ玉詰まりが発生していない状態でアウト玉詰まりを検出した場合には、第1点検検出処理を実行する(ステップA10)。この第1点検検出処理では、異常発生の判定動作に関係したアウト信号やセーフ信号の送信源となったパチンコ遊技機1においてアウト玉詰まりが発生していることを遊技場従業員へ知らせるための異常報知動作を行うと共に、異常発生履歴データを記憶する処理を行う。
具体的には、異常報知動作としては、例えば、当該パチンコ遊技機1に対応した呼出ランプユニット3や周知の島端ランプ(図示せず)を通じてアウト玉詰まりの発生を報知すると共に、必要に応じて店内放送や従業員が携帯するインカムなどを通じた音声報知を行う。また、管理用コンピュータ6において、アウト玉詰まりが発生したパチンコ遊技機1の台番号を付属モニタ6a(図1参照)によりポップアップ表示する構成、或いはそのような表示内容を図示しないプリンタを通じてプリントアウトする構成とすることもできる。さらに、台間玉貸機2の付属モニタ2aでの表示により玉詰まりの発生を報知することもできる。
また、異常発生履歴データについては具体例を後述するが、例えば、異常発生時刻、異常発生した点検項目の種類(この場合「アウト点検」)、該当パチンコ遊技機1の台番号を基本データとして記憶し、この他、異常状態に係る具体的な数値データなどを必要に応じて記憶するものである。尚、このような数値データは、後述する「ベース異常」、「T1Y異常(パンク)」、「T1Y異常(警告)」などのように、異常発生時の詳細な情報を把握することが望ましい点検項目について記憶することになる。
第1点検検出処理ステップA10の実行後には、前記アウト点検フラグを「1」にセットするステップA11、前記アウト点検セーフ数カウンタの初期化ステップA12を順次実行した後に判断ステップA14へ移行する。
一方、前記ステップA9にて「NO」と判断した場合、つまり、セーフ玉詰まりが発生している状態でアウト玉詰まりを検出した場合には、第2点検検出処理を実行し(ステップA13)、この後に前記カウンタ初期化ステップA12を実行した後に判断ステップA14へ移行する。上記第2点検検出処理では、上述したような異常報知動作を実行することなく、異常発生の経緯を把握可能な参考履歴データを記憶するという誤判定回避制御を行うものである。この参考履歴データの具体例については後述するが、例えば、第2点検検出処理に係るデータであることを示すフラグ、異常発生時刻、異常発生した点検項目の種類(この場合「アウト点検」)、該当パチンコ遊技機1の台番号を含む内容のものである。尚、第2点検検出処理ステップA13においては、前記第1点検検出処理ステップA10での異常報知動作と異なる態様の補助報知動作を行う構成としても良い。
ステップA14において「NO」と判断される状態、即ち、アウト点検タイマがタイムアップしていない状態ではそのままステップA1へ戻るが、当該タイマがタイムアップした場合には、アウト点検フラグを「0」にリセットするステップA15、「アウト点検」が要因点検項目として設定されている点検項目の対応記憶項目についての記憶領域(超過アウト数カウンタ、ベース点検アウト数カウンタなど:図2参照)を全て初期化するステップA16を順次実行した後にステップA1へ戻る。
尚、図3は、「アウト点検セーフ」が有効化されている状態での処理内容であるが、「アウト点検スタート」が有効化されている状態では、セーフ玉詰まりを誘因としたアウト玉詰まりの誤検出を来たすことがないから、「アウト点検」の要因点検項目である「セーフ点検」を無視(適用対象から除外)した処理を行うことになる。つまり、アウト玉詰まりの検出が行われたときには、セーフ玉詰まりの発生の有無と関係なく、アウト玉詰まりが発生した旨を報知するための異常報知動作を実行すると共に、当該アウト玉詰まりに関する異常発生履歴データを記憶する処理を行うことになる。
<2>アウト超過点検処理ルーチン
図4のフローチャートには、点検項目「アウト超過点検」に係る処理ルーチンの内容が示されている。
このアウト超過点検処理ルーチンにおいては、最初にアウト信号の受信の有無を判断する(ステップB1)。アウト信号の非受信状態では、検出タイマがタイムアップしたか否かを判断するためのステップB10へ移行するが、アウト信号を受信したときには、図2の異常検出設定情報「アウト超過点検」における項目情報中の判定値に対応した超過アウト数カウンタ(カウント値の初期値は「0」)を「1」だけインクリメントする(ステップB2)。
この後には、検出タイマが作動中か否かを判断し(ステップB3)、検出タイマが停止中であった場合には、これをスタートさせるステップB4を実行した後に、当該タイマがタイムアップしたか否かを判断するステップB10へ移行する。尚、検出タイマに設定されているタイマ時間は、図2の異常検出設定情報「アウト超過点検」における検出値に設定された60秒である。
一方、検出タイマが作動中であった場合には、超過アウト数カウンタのカウント値が、点検項目「アウト超過点検」について設定されている判定値(本実施例では「110」)以上になったか否かを判断する(ステップB5)。このステップB5で「NO」と判断される状態ではステップB10へ移行するが、「YES」と判断したとき、つまり、検出タイマの作動期間内(60秒間)において、超過アウト数カウンタのカウント値が「110」以上となった異常状態が発生したと想定されるときには、アウト点検フラグが「0」であるか否かを判断する(ステップB6)。尚、ステップB1、B3で順次「YES」と判断した状態が、点検項目「アウト超過点検」についての異常判定時期になったことを特定する動作に該当し、ステップB5での処理が、「アウト超過点検」についての異常が発生したか否かの判定動作に該当することになる。
上記アウト点検フラグは、前述したアウト点検処理ルーチン(図3参照)の処理内容に関する説明にて明らかなように、点検項目「アウト超過点検」について設定されている要因点検項目に対応した「アウト点検」において異常発生(アウト玉詰まり)と判定された状態で「1」にセットされるものである。
ステップB6において「YES」と判断した場合、つまり、アウト玉詰まりが発生していない状態でアウト超過異常(60秒内のアウト玉数が110個以上になった状態)を検出した場合には、第1点検検出処理を実行する(ステップB7)。このステップB7では、前述した第1点検検出処理ステップA10と同様の処理を行う。
第1点検検出処理ステップB7の実行後には、前記超過アウト数カウンタを初期化するステップB8を実行した後に判断ステップB10へ移行する。これに対して、前記ステップB6にて「NO」と判断した場合、つまり、アウト玉詰まりが発生している状態でアウト超過異常を検出した場合には、第2点検検出処理を実行し(ステップB9)、この後に前記判断ステップB10へ移行する。上記ステップB9では、前述した第2点検検出処理ステップA13と同様の処理を行う。
ステップB10において「NO」と判断される状態、即ち、検出タイマがタイムアップしていない状態ではそのままステップB1へ戻るが、当該タイマがタイムアップした場合には、超過アウト数カウンタを初期化するステップB11を実行した後にステップB1へ戻る。
<3>非稼動セーフ点検処理ルーチン
点検項目「非稼動セーフ点検」に係る非稼動セーフ点検処理ルーチンは、前記アウト点検処理ルーチンを示す図3において、破線で囲った部分の処理ステップをスキップした内容であるため具体的な説明は省略する。尚、この非稼動セーフ点検処理ルーチンでは、図3におけるステップA2、A7、A8、A12でのセーフ数カウンタが、図2の異常検出設定情報「非稼動セーフ点検」における項目情報中の検出値に対応した非稼動セーフ数カウンタであること、同じく、第1点検検出処理ステップA10、第2点検検出処理ステップA13での処理内容が、「非稼動セーフ点検」に係る異常報知動作、異常発生履歴データ及び参考履歴データに対応したものになっていることは勿論である。
尚、この実施例では、「非稼動セーフ点検」に対応した要因点検項目として「セーフ点検」を設定する構成としたが、「アウト点検」を要因点検項目として設定する構成であっても良い。即ち、「アウト点検」によりアウト玉詰まりが検出された状態では、アウト信号が全く出力されなくなるので、これに起因して非稼動セーフ異常が発生したとの誤検出を行ってしまう可能性があるが、要因点検項目に「アウト点検」を設定しておけば、このような可能性を排除できることになる。
<4>スタート点検及びセーフ点検処理ルーチン
図5のフローチャートには、点検項目「スタート点検」及び点検項目「セーフ点検」に係る処理ルーチンの内容が示されている。
このスタート点検及びセーフ点検処理ルーチンにおいては、最初に判定値対応信号(スタート信号またはセーフ信号)の受信の有無を判断する(ステップC1)。判定値対応信号の非受信状態では、検出値対応信号であるアウト信号の受信の有無を判断するためのステップC8へ移行する。これに対して、判定値対応信号を受信したときには、図2の異常検出設定情報「スタート点検」及び「セーフ点検」における項目情報中の判定値に対応した点検スタート数カウンタ(初期値は「0」)またはセーフ点検セーフ数カウンタ(初期値は「0」)のうち、受信した判定値信号に対応したカウンタを「1」だけインクリメントするステップC2を実行し、この後に対応点検フラグ(スタート点検フラグまたはセーフ点検フラグ)が「1」であるか否かを判断する(ステップC3)。
この場合、対応点検フラグであるスタート点検フラグ及びセーフ点検フラグは初期状態において「0」であり、この状態では、ステップC4〜C7をジャンプしてステップC8へ移行する。これに対して、対応点検フラグの何れかが「1」であったときには、そのフラグに基づいて点検処理の対象(「スタート点検」及び「セーフ点検」の何れか)を判断する(ステップC4)。
点検処理の対象が「セーフ点検」であった場合には、初期状態では停止状態にあるセーフ点検タイマ(終了タイマに該当するもので、設定されているタイマ時間は120秒)が停止中であるか否かを判断する(ステップC5)。セーフ点検タイマが停止中であったときには、これをスタートさせるステップC6を実行した後にステップC8へ移行し、セーフ点検タイマが作動中であった場合には、ステップC6をジャンプしてステップC8へ移行する。また、ステップC4において点検処理の対象が「スタート点検」であると判断した場合には、スタート解除フラグを「1」にセットするステップC7を実行した後にステップC8へ移行する。
ステップC8において「NO」と判断される状態(アウト信号の非受信状態)では、点検処理の対象が「スタート点検」及び「セーフ点検」の何れかであるかを再判断するステップC18へ移行するが、アウト信号を受信したときには、図2の異常検出設定情報「スタート点検」及び「セーフ点検」における項目情報中の検出値に対応したスタート点検アウト数カウンタ及びセーフ点検アウト数カウンタを「1」だけインクリメントする(ステップC9)。
このインクリメント後には、スタート点検アウト数カウンタ及びセーフ点検アウト数カウンタのカウント値が、点検項目「スタート点検」及び「セーフ点検」について設定されている検出値(本実施例では双方共に「500」)以上であるか否かを各カウント値別に判断する(ステップC10)。
このステップC10で「NO」と判断される状態では、ステップC18へ移行するが、「YES」と判断したとき、つまりアウト玉数が検出値(=500)に達したときには、判定値項目(点検スタート数及びセーフ点検セーフ数)にそれぞれに設定されている判定値との比較を行う(ステップC11)。具体的には、点検スタート数カウンタのカウント値と点検項目「スタート点検」について設定されている判定値(本実施例では「10」)との比較、並びに、セーフ点検セーフ数カウンタのカウント値と点検項目「セーフ点検」について設定されている判定値(本実施例では「50」)との比較、をそれぞれ実施する。
次いで、上記比較結果に基づいて異常を検出したか否かの判断を行う(ステップC12)。具体的には、点検スタート数カウンタのカウント値が判定値(=10)以下であった場合に、「スタート点検」に係る異常が発生したものと判断し、セーフ点検セーフ数カウンタのカウント値が判定値(=30)以下であった場合に、「セーフ点検」に係る異常が発生したものと判断する。
上記ステップC12において異常なしと判断した場合には、検出値項目のためのスタート点検アウト数カウンタ及びセーフ点検アウト数カウンタの初期化、並びに判定値項目のための点検スタート数カウンタ及びセーフ点検セーフ数カウンタの初期化をそれぞれ実行し(ステップC16)、この後にステップC18へ移行する。
これに対して、ステップC12において異常を検出した場合、つまり、アウト玉数が設定された検出値(=500個)に達するまでの期間におけるスタート数が、設定された判定値(=10回)以下となる異常状態、または、アウト玉数が設定された検出値(=500個)に達するまでの期間におけるセーフ数が、設定された判定値(=30個)以下となる異常状態が発生したと想定される場合には、アウト点検フラグが「0」であるか否かを判断する(ステップC13)。尚、ステップC10での処理が、点検項目「スタート点検」及び「セーフ点検」についての異常判定時期になったことを特定する動作に該当することになり、ステップC11、C12での動作が、当該「スタート点検」及び「セーフ点検」についての異常が発生したか否かの判定動作に該当することになる。
上記アウト点検フラグは、前述したように、点検項目「スタート点検」及び「セーフ点検」のそれぞれについて設定されている要因点検項目に対応した「アウト点検」において異常発生(アウト玉詰まり)と判定された状態で「1」にセットされるものである。
ステップC13において「YES」と判断した場合、つまり、アウト玉詰まりが発生していない状態で「スタート点検」または「セーフ点検」に係る異常を検出した場合には、第1点検検出処理を実行する(ステップC14)。このステップC14では、前述した第1点検検出処理ステップA10と同様の処理を行う。
第1点検検出処理ステップC14の実行後には、異常発生した点検項目についての対応点検フラグ(スタート点検フラグまたはセーフ点検フラグ)を「1」にセットするステップC15、前記カウンタ群初期化ステップC16を順次実行した後に判断ステップC18へ移行する。
一方、前記ステップC13にて「NO」と判断した場合、つまり、アウト玉詰まりが発生している状態で「スタート点検」または「セーフ点検」に係る異常を検出した場合には、第2点検検出処理を実行し(ステップC17)、この後に前記カウンタ群初期化ステップC16を実行した後に判断ステップC18へ移行する。上記ステップC17では、前述した第2点検検出処理ステップA13と同様の処理を行う。
ステップC18において、点検処理の対象が「セーフ点検」であると判断した場合には、セーフ点検タイマがタイムアップしたか否かを判断し(ステップC19)、タイムアップしていない状態ではそのままステップA1へ戻る。これに対して、セーフ点検タイマがタイムアップした場合には、セーフ点検フラグを「0」にリセットするステップC20、「セーフ点検」が要因点検項目として設定されている点検項目の対応記憶項目についての記憶領域(アウト点検セーフ数カウンタ、非稼動セーフ数カウンタなど)を全て初期化するステップC21を順次実行した後にステップA1へ戻る。
また、ステップC18において、点検処理の対象が「スタート点検」であると判断した場合には、前記スタート解除フラグが「1」であるか否かを判断し(ステップC22)、当該フラグが「0」の状態ではステップC1へ戻る。これに対して、スタート解除フラグが「1」の状態では、大当たり信号の受信開始の有無を判断する(ステップC23)。大当たり信号を受信開始していない場合にはステップC1へ戻るが、受信開始した場合には、スタート点検フラグ及びスタート解除フラグを「0」にリセットするステップC24を実行した後にステップC1へ戻る。
<5>スタート異常処理ルーチン
点検項目「スタート異常」に係るスタート異常処理ルーチンは、前記スタート点検及びセーフ点検処理ルーチンを示す図5において、破線で囲った部分の処理ステップをスキップした内容であるため具体的な説明は省略する。
但し、ステップC2、C11、C12での対応カウンタは、図2の異常検出設定情報「スタート異常」における項目情報中の判定値に対応したスタート異常アウト数カウンタに置き換えられる。また、ステップC8ではスタート信号の受信の有無を判断するように変更されると共に、ステップC9、C10、C16でのアウト数カウンタが、異常検出設定情報「スタート異常」における項目情報中の検出値に対応した異常スタート数カウンタに置き換えられる。これにより、ステップC9では異常スタート数カウンタを「1」だけインクリメントすることになり、ステップC10では、異常スタート数カウンタのカウント値が、点検項目「スタート異常」について設定されている検出値(本実施例では「100」)以上であるか否かを判断することになる。また、ステップC11では、スタート異常アウト数カウンタのカウント値と点検項目「スタート異常」について設定されている判定値(本実施例では「600」)との比較を実施することになる。これに伴い、ステップC12では、スタート異常アウト数カウンタのカウント値が判定値(=600)以下であった場合に、「スタート異常」が発生したものと判断する。さらに、ステップC16では、異常スタート数カウンタ及びスタート異常アウト数カウンタを初期化することになる。
尚、第1点検検出処理ステップC14、第2点検検出処理ステップC17での処理内容が、「スタート異常」に係る異常報知動作並びに異常発生履歴データに対応したものになっていることは勿論である。
<6>ベース異常処理ルーチン
点検項目「ベース異常」に係るベース異常処理ルーチンも、前記スタート点検及びセーフ点検処理ルーチンを示す図5において、破線で囲った部分の処理ステップをスキップした内容であるため具体的な説明は省略する。
但し、ステップC2、C11、C12での対応カウンタは、図2の異常検出設定情報「ベース異常」における項目情報中の判定値に対応したベースセーフ数カウンタに置き換えられる。また、ステップC9、C10、C16でのアウト数カウンタが、異常検出設定情報「ベース異常」における項目情報中の検出値に対応したベースアウト数カウンタに置き換えられる。これにより、ステップC9では、ベースアウト数カウンタを「1」だけインクリメントすることになり、ステップC10では、ベースアウト数カウンタのカウント値が、点検項目「ベース異常」について設定されている検出値(本実施例では「1000」)以上であるか否かを判断することになる。また、ステップC11では、ベースセーフ数カウンタのカウント値と点検項目「ベース異常」について設定されている判定値(本実施例では「800」)との比較を実施することになる。これに伴い、ステップC12では、ベースセーフ数カウンタのカウント値が判定値(=800)以上であった場合に、「ベース異常」が発生したものと判断する。さらに、ステップC13では、アウト点検フラグ及びセーフ点検フラグの少なくとも一方が「0」であるか否かを判断するように構成されるものであり、従って、アウト玉詰まり及びセーフ玉詰まりの一方または双方が発生している状態では、第2点検検出処理ステップC17が実行されることになる。また、ステップC16では、ベースアウト数カウンタ及びベースセーフ数カウンタを初期化することになる。
尚、第1点検検出処理ステップC14、第2点検検出処理ステップC17での処理内容が、「ベース異常」に係る異常報知動作並びに異常発生履歴データに対応したものになっていることは勿論である。
<7>セーフ不正検出処理ルーチン
図6のフローチャートには、点検項目「セーフ不正」に係る処理ルーチンの内容が示されている。
このセーフ不正検出処理ルーチンにおいては、最初にセーフ信号の受信の有無を判断する(ステップD1)。セーフ信号の非受信状態では、検出タイマがタイムアップしたか否かを判断するためのステップD10へ移行するが、セーフ信号を受信したときには、図2の異常検出設定情報「セーフ不正」における項目情報中の判定値に対応した不正セーフ数カウンタ(カウント値の初期値は「0」)を「1」だけインクリメントする(ステップD2)。
この後には、検出タイマが作動中か否かを判断し(ステップD3)、検出タイマが停止中であった場合には、これをスタートさせるステップD4を実行した後に、当該タイマがタイムアップしたか否かを判断するステップD10へ移行する。尚、検出タイマに設定されているタイマ時間は、図2の異常検出設定情報「セーフ不正」における検出値に設定された60秒である。
一方、検出タイマが作動中であった場合には、不正セーフ数カウンタのカウント値が、点検項目「セーフ不正」について設定されている判定値(本実施例では「300」)以上になったか否かを判断する(ステップD5)。このステップD5で「NO」と判断される状態では、ステップD10へ移行するが、「YES」と判断したとき、つまり、検出タイマの作動期間内(60秒間)において、不正セーフ数カウンタのカウント値が「300」以上になった異常状態が発生したと想定されるときには、セーフ点検フラグが「0」であるか否かを判断する(ステップD6)。尚、ステップD1、D3で順次「YES」と判断した状態が、点検項目「セーフ不正」についての異常判定時期になったことを特定する動作に該当し、ステップD5での処理が、「セーフ不正」についての異常が発生したか否かの判定動作に該当することになる。
上記セーフ点検フラグは、前述したスタート点検及びセーフ点検処理ルーチン(図5参照)の処理内容に関する説明にて明らかなように、点検項目「セーフ不正」について設定されている要因点検項目に対応した「セーフ点検」において異常発生(セーフ玉詰まり)と判定された状態で「1」にセットされるものである。
ステップD6において「YES」と判断した場合、つまり、セーフ玉詰まりが発生していない状態でセーフ不正(60秒内のセーフ玉数が300個以上になった状態)を検出した場合には、第1点検検出処理を実行する(ステップD7)。このステップD7では、前述した第1点検検出処理ステップA10と同様の処理を行う。
第1点検検出処理ステップD7の実行後には、前記不正セーフ数カウンタを初期化するステップD8を実行した後に判断ステップD10へ移行する。これに対して、前記ステップD6にて「NO」と判断した場合、つまり、セーフ玉詰まりが発生している状態で「セーフ不正」に係る異常を検出した場合には、第2点検検出処理を実行し(ステップD9)、この後に前記判断ステップD10へ移行する。上記ステップD9では、前述した第2点検検出処理ステップA13と同様の処理を行う。
ステップD10において「NO」と判断される状態、即ち、検出タイマがタイムアップしていない状態ではそのままステップD1へ戻るが、当該タイマがタイムアップした場合には、不正セーフ数カウンタを初期化するステップD11を実行した後にステップD1へ戻る。
<8>大当たりセーフ点検処理ルーチン
図7のフローチャートには、点検項目「大当たりセーフ点検」に係る処理ルーチンの内容が示されている。
この大当たりセーフ点検処理ルーチンにおいては、大当たり信号を受信するまで待機し(ステップE1)、大当たり信号を受信した場合には、検出タイマをスタートさせるステップE2を実行した後に、セーフ信号の受信の有無を判断する(ステップE3)。尚、上記検出タイマに設定されているタイマ時間は、図2の異常検出設定情報「大当たりセーフ点検」における検出値に設定された75秒である。
セーフ信号を受信したときには検出タイマをスタートさせるためのステップE4を実行した後に、当該タイマがタイムアップしたか否かを判断する(ステップE5)。これに対して、セーフ信号の非受信状態では、ステップE4をジャンプしてステップE5へ移行する。要するに、検出タイマは、大当たり信号の受信開始に応じてタイマ動作をスタートさせると共に、セーフ信号が入力される毎にタイマ動作を最初からやり直すものであり、従って、大当たり信号の受信に応じてタイマ動作を一旦開始した後には、セーフ信号の非受信状態が75秒間継続したときに始めてタイムアップすることになる。
検出タイマがタイムアップしていない状態(ステップE5:NO)では、大当たり信号の受信が終了したか否かを判断するためのステップE10へ移行するが、当該タイマがタイムアップしたときには、セーフ点検フラグが「0」であるか否かを判断する(ステップE6)。尚、ステップE5で「YES」と判断した状態が、点検項目「大当たりセーフ点検」についての異常判定時期になったことを特定する動作、並びに当該「大当たりセーフ点検」についての異常が発生したか否かの判定動作の双方に該当することになる。
上記セーフ点検フラグは、前述したように、点検項目「大当たりセーフ点検」について設定されている要因点検項目に対応した「セーフ点検」において異常発生(セーフ玉詰まり)と判定された状態で「1」にセットされるものである。
セーフ点検フラグが「0」であった場合(ステップE6:YES)、つまり、セーフ玉詰まりが発生していない状態で大当たりセーフ点検に係る異常(大当たり期間中における75秒間においてセーフ玉数がない状態)を検出した場合には、第1点検検出処理を実行する(ステップE7)。このステップE7では、前述した第1点検検出処理ステップA10と同様の処理を行う。また、セーフ点検フラグが「1」であった場合(ステップE6:NO)には、セーフ点検タイマがスタート前の状態であるか否かを判断し(ステップE8)、ここで「NO」と判断した場合、つまりセーフ点検タイマがタイマ動作をスタートさせた後であった場合にも第1点検検出処理ステップE6を実行する。尚、上記セーフ点検タイマは、前記スタート点検及びセーフ点検処理ルーチン(図5参照)で説明したように、セーフ点検フラグが「1」の状態でのセーフ信号の受信に応じて120秒間のタイマ動作をスタートさせる構成のものである。
第1点検検出処理ステップE7の実行後には、ステップE10において大当たり信号の受信が終了したか否かを判断し、受信が継続している状態ではステップE2へ戻り、受信を終了したときにはステップE1へ戻る。
前記ステップE8でセーフ点検タイマがスタート前の状態にあると判断した場合、つまり、セーフ玉詰まりが発生し尚且つセーフ点検タイマがスタートしていない状態(セーフ信号を全く受信していない状態)で「大当たりセーフ点検」に係る異常を検出した場合には、第2点検検出処理を実行し(ステップE9)、この後に前記判断ステップE10へ移行する。上記ステップE9では、前述した第2点検検出処理ステップA13と同様の処理を行う。
<9>T1Y異常検出処理ルーチン
図8のフローチャートには、点検項目「T1Y異常(パンク)」及び点検項目「T1Y異常(警告)」に係る処理ルーチンの内容が示されている。尚、この処理ルーチンには、図2の異常検出設定情報「T1Y異常(パンク)」及び「T1Y異常(警告)」における各項目情報中の判定値に対応させた状態で2つのカウンタ(T1Yアウト数カウンタ及びT1Yセーフ数カウンタ)が用意される。
T1Y異常検出処理ルーチンにおいては、大当たり信号の受信を開始するまで待機し(ステップF1)。大当たり信号を受信開始したときには、T1Yアウト数カウンタ及びT1Yセーフ数カウンタを初期化する(ステップF2)。この後には、アウト信号の受信の有無及びセーフ信号の受信の有無を判断し(ステップF3、F4)、両信号の非受信状態では、大当たり信号の受信が終了したか否かを判断するためのステップF8へ移行する。
アウト信号を受信したときには、T1Yアウト数カウンタを「1」だけインクリメントするステップF5を実行した後にT1Y算出ステップF7へ移行し、セーフ信号を受信したときには、T1Yセーフ数カウンタを「1」だけインクリメントするステップF6を実行した後にT1Y算出ステップF7へ移行する。このT1Y算出ステップF7では、T1Yアウト数カウンタ及びT1Yセーフ数カウンタの各カウント値に基づいてT1Y(1回の大当たり期間中の出玉数)を算出する。
T1Y算出ステップF7の実行後には、ステップF8において大当たり信号の受信が終了したか否かを判断し、受信が継続している状態ではステップF3へ戻る。これに対して、大当たり信号の受信を終了したときには、ステップF7で算出したT1Yが、「T1Y異常(パンク)」について設定されているパンク判定値(本実施例では「120」)以内であるか否かを判断する(ステップF9)。T1Yがパンク判定値を超えていた場合には、当該T1Yが、「T1Y異常(警告)」について設定されている警告判定値(本実施例では「2000」)以上であるか否かを判断し(ステップF10)、警告判定値未満であった場合にはステップF1へ戻る。
T1Yがパンク判定値以内であった場合(ステップF9:YES)には、セーフ点検フラグが「0」であるか否かを判断する(ステップF11)。また、T1Yが警告判定値以上であった場合(ステップF10:YES)には、アウト点検フラグ及びセーフ点検フラグが双方共に「0」であるか否かを判断する(ステップF12)。
尚、ステップF8で「YES」と判断した状態が、点検項目「T1Y異常(パンク)」及び「T1Y異常(警告)」についての異常判定時期になったことを特定する動作に該当し、ステップF9での処理が、「T1Y異常(パンク)」が発生したか否かの判定動作に該当し、ステップF10での処理が、「T1Y異常(警告)」が発生したか否かの判定動作に該当することになる。
上記セーフ点検フラグは、前述したように、点検項目「T1Y異常(パンク)」及び「T1Y異常(警告)」の双方について設定されている要因点検項目に対応した「セーフ点検」において異常発生(セーフ玉詰まり)と判定された状態で「1」にセットされるものである。また、上記アウト点検フラグは、前述したように、点検項目「T1Y異常(警告)」について設定されている要因点検項目に対応した「アウト点検」において異常発生(アウト玉詰まり)と判定された状態で「1」にセットされるものである。
ステップF11において「YES」と判断した場合、つまり、セーフ玉詰まりが発生していない状態でT1Y異常(パンク)を検出した場合には、第1パンク検出処理(ステップF13)を実行した後にステップF1へ戻る。このステップF13では、前述した第1点検検出処理ステップA10と同様の処理を行う。
これに対して、前記ステップF11にて「NO」と判断した場合、つまり、セーフ玉詰まりが発生している状態でT1Y異常(パンク)を検出した場合には、第2パンク検出処理(ステップF14)を実行した後にステップF1へ戻る。上記ステップF14では、前述した第2点検検出処理ステップA13と同様の処理を行う。
一方、ステップF12において「YES」と判断した場合、つまり、アウト玉詰まり及びセーフ玉詰まりが何れも発生していない状態でT1Y異常(警告)を検出した場合には、第1警告検出処理(ステップF15)を実行した後にステップF1へ戻る。このステップF15では、前述した第1点検検出処理ステップA10と同様の処理を行う。
一方、前記ステップF12にて「NO」と判断した場合、つまり、アウト玉詰まり及びセーフ玉詰まりの少なくとも一方が発生している状態でT1Y異常(警告)を検出した場合には、第2警告検出処理(ステップF16)を実行した後にステップF1へ戻る。上記ステップF16では、前述した第2点検検出処理ステップA13と同様の処理を行う。
<10>TS異常検出処理ルーチン
図9のフローチャートには、点検項目「TS異常」に係る処理ルーチンの内容が示されている。尚、この処理ルーチンには、図2の異常検出設定情報「TS異常」における項目情報中の判定値に対応させた2つのカウンタ(TSスタート数カウンタ及びTS除外スタート数カウンタ)が用意されると共に、当該異常検出設定情報「TS異常」における項目情報中の検出値に対応させた2つのカウンタ(TS大当たり数カウンタ及びTS除外大当たり数カウンタ)が用意される。
TS異常検出処理ルーチンにおいては、まずスタート信号の受信の有無を判断し(ステップG1)。スタート信号を受信したときには、TSスタート数カウンタを「1」だけインクリメントするステップG2を実行した後に、大当たり信号の受信の有無を判断するステップG3へ移行する。また、スタート信号の非受信状態では、ステップG2をジャンプしてステップG3へ移行する。この場合、ステップG3において大当たり信号の非受信状態と判断したときにはステップG1へ戻るようになっている。従って、パチンコ遊技機1で大当たり状態が発生するまでの期間は、スタート信号を受信する毎にTSスタート数カウンタのカウント値がインクリメントされることになる。
大当たり信号を受信したとき(ステップG3:YES)には、TSスタート数カウンタのカウント値(TSスタート数)を、大当たり履歴データに記憶し(ステップG4)、この後に、TS大当たり数カウンタを「1」だけインクリメントする(ステップG5)。
次いで、スタート点検フラグが「0」であるか否かを判断する(ステップG6)。このスタート点検フラグは、前述したスタート点検及びセーフ点検処理ルーチン(図5参照)の処理内容に関する説明にて明らかなように、点検項目「TS異常」について設定されている要因点検項目に対応した「スタート点検」において異常が発生したと判定された状態で「1」にセットされ、その状態で大当たり信号を受信(大当たりが発生)した場合に「0」となるものである。
ステップG6において「YES」と判断した場合、つまり、大当たり信号の受信時においてスタート点検に係る異常を検出していない状態にあった場合には、TS大当たり数カウンタのカウント値(TS大当たり数)からTS除外大当たり数カウンタのカウント値(TS除外大当たり数)を減算した値が、点検項目「TS異常」について設定されている検出値(本実施例では「5」)以上になったか否かを判断するステップG7を実行する。
これに対して、ステップG6において「NO」と判断した場合、つまり、大当たり信号の受信時においてスタート点検に係る異常が発生した状態にあった場合には、その時点でのTSスタートカウンタのカウント値(TSスタート数)をTS除外スタート数カウンタのカウント値(TS除外スタート数)として大当たり履歴データに記憶するステップG8、TS除外大当たり数カウンタを「1」だけインクリメントするステップG9を順次実行した後に、前記TS大当たり数が前記検出値(=5)以上となったか否かを判断するステップG10を実行する。
尚、上記ステップG8においては、大当たり履歴データに対して、受信した大当たり信号に該当した大当たりが「除外大当たり」であることを示すフラグ情報も同時に記憶する構成となっている。具体的には、大当たり履歴データの記憶フォーマットは、例えば図11に示すような形式とされる。この図11は、1台のパチンコ遊技機1についての大当たり履歴データのうち本実施例に直接的に関係した部分のみを示すものであり、当該履歴データは、大当たり信号を受信する毎(パチンコ遊技機1で大当たりが発生する毎)に、通し番号が付された新規レコードが作成される。各レコードには、「除外大当たり」であるか否かを示すフラグ情報(図11では「○」で示す)、TSスタート数、TS除外スタート数の他に、各大当たりに係るアウト数、セーフ数、出玉数などの周知のデータが記憶される。
図11の例においては、第1、第3、第5レコードは、「除外大当たり」に対応したものでないためTS除外スタート数は記憶されず、第2、第4レコードは、ステップG8の実行に応じて「除外大当たり」のフラグ情報が付されたレコードであるため、TSスタート数及びTS除外スタート数の双方が記憶されることになる。また、大当たり履歴データを図11の例のように第5レコードまで記憶した時点では、TS大当たり数は「5」、TS除外大当たり数は「2」ということになる。
ステップG7で「YES」と判断した場合、つまり、TS大当たり数からTS除外大当たり数を差し引いた大当たり数が5回になった場合(スタート点検に係る異常を検出していない状態で発生した大当たりが合計5回になった状態に相当)には、TSスタート数及びTS大当たり数からTS除外スタート数及びTS除外大当たり数をそれぞれ除外した状態での過去5回分のTS(=平均大当たり間スタート数)を算出する(ステップG11)。
この後には、ステップG11で算出したTSが、点検項目「TS異常」について設定されている判定値(本実施例では「50」)以下であるか否かを判断し(ステップG12)、「YES」の場合には、第1点検検出処理(ステップG13)、TSスタート数カウンタを初期化するステップG17を順次実行した後にステップG1へ戻る。尚、ステップG17では、前述した第1点検検出処理ステップA10と同様の処理を行う。
一方、前記ステップG7で「NO」と判断した場合(TS大当たり数からTS除外大当たり数を差し引いた大当たり数が5回になっていない状態に相当)、並びに前記ステップG12で「NO」と判断した場合には、前述した判断ステップG10へ移行する。このステップG10で「NO」と判断した場合(TS大当たり数が検出値(=5)に達していない状態に相当)には、TSスタート数カウンタを初期化する前記ステップG17を実行してステップG1へ戻るが、「YES」と判断した場合には、過去5回分のTSを算出する(ステップG14)。
次いで、このステップG14で算出したTSが、点検項目「TS異常」について設定されている判定値(=50)以下であるか否かを判断する(ステップG15)。このステップG15において「YES」と判断した場合には、第2点検検出処理(ステップG16)、前記ステップG17を順次実行した後にステップG1へ戻り、「NO」と判断した場合にはステップG17のみを実行してステップG1へ戻る。上記ステップG16では、前述した第2点検検出処理ステップA13と同様の処理を行う。
尚、ステップG7、G10で「YES」と判断した各状態が、点検項目「TS異常」についての異常判定時期になったことを特定する動作に該当し、ステップG12、G15での各処理が、「TS異常」が発生したか否かの判定動作に該当することになる。
<11>連続大当たり異常検出処理ルーチン
図10のフローチャートには、点検項目「連続大当たり異常」に係る処理ルーチンの内容が示されている。尚、この処理ルーチンには、図2の異常検出設定情報「連続大当たり異常」における項目情報中の判定値に対応した第1連続大当たりカウンタ、第2連続大当たりカウンタ、連続スタート数カウンタが用意される。
連続大当たり異常検出処理ルーチンにおいては、まずスタート信号の受信の有無を判断し(ステップH1)。スタート信号を受信したときには、連続スタート数カウンタを「1」だけインクリメントするステップH2を実行した後に、大当たり信号の受信の有無を判断するステップH3へ移行する。また、スタート信号の非受信状態では、ステップH2をジャンプしてステップH3へ移行する。この場合、ステップH3において大当たり信号の非受信状態と判断したときにはステップH1へ戻るようになっている。従って、パチンコ遊技機1で大当たり状態が発生するまでの期間は、スタート信号を受信する毎に連続スタート数カウンタのカウント値がインクリメントされることになる。
大当たり信号を受信したとき(ステップH3:YES)には、スタート点検フラグが「0」であるか否かを判断する(ステップH4)。このスタート点検フラグは、前述したように、点検項目「連続大当たり異常」について設定されている要因点検項目に対応した「スタート点検」において異常発生と判定された状態で「1」にセットされるものである。
ステップH4において「YES」と判断した場合、つまり、大当たり信号の受信時においてスタート点検に係る異常を検出していない状態にあった場合には、連続スタート数カウンタのカウント値(連続スタート数)が、点検項目「大当たり連続異常」について設定されているスタート数判定値(本実施例では「20」)以下であるか否かを判断するステップH5を実行する。
連続スタート数が判定値(=20)を超えていた場合(ステップH5:NO)には、第1連続大当たりカウンタ及び第2連続大当たりカウンタを初期化するステップH6、連続スタート数カウンタを初期化するステップH15を順次実行した後にステップH1へ戻る。これに対して、連続スタート数が判定値(=20)以下であった場合(ステップH5:YES)には、第1連続大当たりカウンタ及び第2連続大当たりカウンタを「1」だけインクリメントする(ステップH7)。
このインクリメント後には、第1連続大当たりカウンタのカウント値(第1連続大当たり数)が、点検項目「大当たり連続異常」について設定されている大当たり判定値(本実施例では「5」)以上であるか否かを判断する(ステップH8)。ここで「YES」と判断される状態は、「スタート点検」に係る異常発生していない状況下で、連続スタート数(=前回の大当たりからのスタート回数)が20回に達するまでの期間に発生した大当たりが5回以上連続した状態に相当するものであり、このような状態となったときには、第1点検検出処理である第1連続大当たり異常検出処理(ステップH9)を実行した後に、前記カウンタ初期化ステップH15を実行してステップH1へ戻る。尚、ステップH9では、前述した第1点検検出処理ステップA10と同様の処理を行う。
一方、ステップH4において「NO」と判断した場合、つまり、大当たり信号の受信時においてスタート点検に係る異常が検出された状態にあった場合においても、連続スタート数が、点検項目「大当たり連続異常」について設定されているスタート数判定値(=20)以下であるか否かを判断する(ステップH10)。
連続スタート数が判定値(=20)を超えていた場合(ステップH10:NO)には、第2連続大当たりカウンタを初期化するステップH11、前記カウンタ初期化ステップH15を順次実行した後にステップH1へ戻る。これに対して、連続スタート数が判定値(=20)以下であった場合(ステップH10:YES)には、第2連続大当たりカウンタを「1」だけインクリメントする(ステップH12)。
このインクリメント後には、第2連続大当たりカウンタのカウント値(第2連続大当たり数)が、点検項目「大当たり連続異常」について設定されている大当たり判定値(=5)以上であるか否かを判断する(ステップH13)。尚、この判断ステップH13は、前記ステップH8において「NO」と判断された場合(「スタート点検」に係る異常が発生していない状況下で、連続スタート数が20回に達するまでの期間に発生した大当たりの連続回数が5回未満の状態)にも実行される。
上記ステップH13で「YES」と判断される状態は、「スタート点検」に係る異常が発生した状況下で、連続スタート数が20回に達するまでの期間に発生した大当たりが5回以上連続した状態に相当するものであり、このような状態となったときには、第2点検検出処理である第2連続大当たり異常検出処理(ステップH14)を実行した後に、前記カウンタ初期化ステップH15を実行してステップH1へ戻る。上記ステップH14では、前述した第2点検検出処理ステップA13と同様の処理を行う。
尚、ステップH3で「YES」と判断した状態(大当たりが発生した状態)が、点検項目「連続大当たり異常」についての異常判定時期になったことを特定する動作に該当し、ステップH8、H13での各処理が、「連続大当たり異常」が発生したか否かの判定動作に該当することになる。
要するに、上記<1>〜<11>のような処理ルーチンでは、対応する要因点検項目において異常発生が検出されていない状態で異常発生の検出が行われたときに、異常が発生した旨を報知するための異常報知動作が行われると共に、当該検出した異常発生に関する異常発生履歴データが記憶されることになる。また、対応する要因点検項目において異常発生が検出され、正常に異常発生検出ができない状態で異常発生の検出が行われたときには、上記のような異常報知動作が抑制されるか、当該異常報知動作と異なる態様の補助報知動作が行われると共に、その異常発生の経緯を把握可能な参考履歴データが記憶されることになる。
尚、要因点検項目として設定される「アウト点検」、「セーフ点検」、「スタート点検」では、対応する点検フラグ(アウト点検フラグ、セーフ点検フラグ、スタート点検フラグ)が「1」の状態にあること(つまり、異常(アウト玉やセーフ玉の詰まり、信号出力異常など)が発生した旨の判定が行われたこと)、並びに、アウト信号、セーフ信号、或いはスタート信号を受信(対応する検出終了条件が成立)したことの双方を前提条件として遅延動作を開始する(「アウト点検」、「セーフ点検」の場合はタイマ動作の開始、「スタート点検」については、大当たり信号の受信に伴い「0」となる「スタート解除フラグ」を「1」にセットする)ことになる。そして、対応する点検フラグが「1」にセットされた状態が、対応する検出終了条件が成立してから前記遅延動作が終了するまでの所定の遅延時間(「アウト点検」、「セーフ点検」の場合は対応する点検タイマに設定された時間(120秒)が経過するまで、「スタート点検」については、「スタート解除フラグ」が「0」となるまで)においても維持され、その遅延動作が終了し、対応する点検フラグが「0」に戻されたときには、要因点検項目として設定されている点検項目(「アウト点検」については「アウト超過点検」、「スタート点検」、「スタート異常」、「セーフ点検」、「ベース異常」、「T1Y異常(パンク)」、「T1Y異常(警告)」、「セーフ点検」については、「アウト点検」、「非稼動セーフ点検」、「ベース異常」、「セーフ不正」、「大当たりセーフ点検」、「T1Y異常(パンク)、「T1Y異常(警告)」)の対応記憶項目についての記憶領域が全て初期化されることになる。
さて、上述した<1>〜<11>の各処理ルーチンで記憶される異常発生履歴データは、例えば、点検項目毎のレコード群、或いはパチンコ遊技機1毎のレコード群として作成されるものであり、例えば図12に示すようなフォーマットとされる。
即ち、図12(a)は、点検項目「ベース異常」についての異常発生履歴データを示すものであり、各レコードは、「ベース異常」のタイトル(異常内容を特定可能な異常データに相当)と対応付けた状態で、パチンコ遊技機1の台番号、異常状態の発生時刻(実際には検出時刻)、点検対象であるベース(セーフ玉数÷アウト玉数)の値、「ベース異常」における検出値に該当したアウト玉数(=1000)、当日におけるパチンコ遊技機1毎の異常状態の発生回数を記録した形態となっている。また、図12(b)、(c)は、パチンコ遊技機1毎の異常発生履歴データを示すものであり、「台毎異常履歴」のタイトル及びパチンコ遊技機1の台番号と対応付けられた各レコードは、異常状態の発生時刻と異常状態が発生した点検項目の種類とを記録した形態となっている。尚、図12(a)同様に付随する遊技情報を記録する構成としても良い。
上記図12に示した異常発生履歴データは、実際に異常状態が発生した点検項目に係る異常データのみを記録したものであって、誤判定回避制御の対象となった点検項目、つまり、要因点検項目での異常発生を誘因として誤検出が行われた点検項目に係る異常データが除外された状態となるから、その異常発生履歴データに基づいた異常内容の解析を無駄なく且つ精度良く行うことが可能となる。
また、<1>〜<11>の各処理ルーチンで記憶される参考履歴データ(つまり、誤判定回避制御の対象となった点検項目に係る異常データを含む履歴データ)は、具体的に図示しないが、例えば図12に示した異常発生履歴データと同様に、点検項目毎のレコード群、或いはパチンコ遊技機1毎のレコード群として作成されるものである。
この場合、参考履歴データに係る異常データを前記異常発生履歴データ中に他の異常データと識別可能な状態で記憶するフォーマットとしても良い。具体的には、前記図12に示した異常発生履歴データについて示す例えば図13のようなフォーマットとすることができる。即ち、点検項目「ベース異常」についての異常発生履歴データ及びパチンコ遊技機1毎の異常発生履歴データを示す図13(a)、(b)、(c)のように、各レコードに「誤検出」欄を付加し、この欄に対して対応レコードが参考履歴データに係る異常データであることを示すアスタリスクを記録する構成とすれば良い。
このような構成とした場合には、実際に発生した異常内容、並びに、要因点検項目での異常発生を誘因として誤検出が行われた点検項目を含んだ詳細な異常発生状態の解析を行う場合に有益となる。因みに、図13に示した異常発生履歴データから「誤検出」欄を省略した状態が、<1>〜<11>のような処理を行わなかった場合の異常発生履歴データに相当することになるが、このようなデータでは誤検出された異常状態に係る記録がランダムに紛れ込むことになるため、各レコードが実際に発生した異常内容を示すのか或いは誤検出が行われた点検項目を示すのか区別できないため、各々のレコードについての検証が極めて煩雑になるものである。しかも、このような異常発生履歴データでは、本来重要視すべき異常状態の発生に対する注意度が低くなる可能性があり、データ管理上においても好ましくない。
また、上述のような処理が行われる結果、異常発生履歴データに係る上述のような効果の他に、本発明の主たる目的に関連した以下のような効果が得られることになる。
即ち、例えば「セーフ点検」の実施によりセーフ玉詰まりが検出されて異常報知動作が行われた場合、その報知内容を認識した遊技場従業員は、セー玉補給装置での玉詰まりを解消するために現場へ出向くことになるが、その解消操作が行われたときには、それまで玉詰まり状態にあった大量のパチンコ玉に相当するセーフ信号が短時間のうちに管理用コンピュータ6へ送信されることになる。すると、管理用コンピュータ6が受信するアウト信号とセーフ信号との関係が、「アウト点検」に係る検出要件(図2の「判定基準」参照)を満たした状態になるため、管理用コンピュータ6においては、アウト玉詰まりが発生していない状態においても、アウト玉詰まりが発生したものと誤検出して異常報知動作を行ってしまうことになる。このような誤検出に基づいた異常報知動作が行われた場合には、「発明が解決しようとする課題」の項で説明したように、遊技場従業員の負担増を招く恐れが大きくなるという問題点が出てくる。
これに対して、<1>のようなアウト点検処理ルーチンが行われた場合、「アウト点検」によるアウト玉詰まりの検出が、当該「アウト点検」の要因点検項目である「セーフ点検」によりセーフ玉詰まりが検出されている状態で行われたときには、上記のようなアウト玉詰まりに係る異常報知動作が抑制されるか、若しくは当該異常報知動作と異なる態様の補助報知動作が行われることになり、「アウト点検」に係る誤検出が防止されることになる。
また、他の点検項目である「非稼動セーフ点検」、「セーフ不正」、「大当たりセーフ点検」、「T1Y異常(パンク)についても、それらの要因点検項目である「セーフ点検」によりセーフ玉詰まりが検出されている状態で行われたときには、<3>、<7>、<8>、<9>の各処理ルーチンの実施に応じて上述同様に誤検出が防止されることになる。同様に点検項目「アウト超過点検」、「スタート点検」、「スタート異常」、「セーフ点検」については、それらの要因点検項目である「アウト点検」によりアウト玉詰まりが検出されている状態で行われたときには、<2>、<4>、<5>の各処理ルーチンの実施に応じて上述同様に誤検出が防止される。
さらに、点検項目「ベース異常」、「T1Y異常(警告)」については、それらの要因点検項目である「アウト点検」や「セーフ点検」によりアウト玉詰まりまたはセーフ玉詰まりの少なくとも一方が検出されている状態で行われたときには、<6>、<9>の各処理ルーチンの実施に応じて上述同様に誤検出が防止され、さらに、点検項目「TS異常」、「連続大当たり異常」については、それらの要因点検項目である「スタート点検」に係る異常状態が検出されている状態で行われたときには、<10>、<11>の各処理ルーチンの実施に応じて上述同様に誤検出が防止されることになる。
以上のようにして各点検項目での異常状態発生についての誤検出が防止される結果、それら点検項目についての異常状態の検出精度が向上するようになり、これにより遊技場従業員が無意味な点検のために現場まで出向く事態の発生を抑制できるようになるなど、その負担軽減を実現可能になる。また、誤判定回避制御が終了したときには、所定の点検項目(特には、「アウト点検」、「セーフ点検」、「スタート点検」)についての異常判定動作を実行するための遊技情報を順次蓄積する記憶領域(各点検項目の対応記憶項目についての記憶領域)が初期化されるから、上記異常判定動作が誤って行われる事態を未然に防止できるようになる。
また、要因点検項目について異常発生したと判定された状態においては、終了タイマに設定された所定時間(120秒)だけ誤判定回避制御を実行する状態が継続されることになる。これにより、要因点検項目に係る異常状態の解消操作を行っている期間においても誤判定回避制御の実行が保証されることになるから、点検項目についての異常状態の検出精度が向上するようになる。
特に、<1>のアウト点検処理ルーチン、<4>のスタート点検及びセーフ点検処理ルーチンでは、前記終了タイマ(アウト点検タイマ、セーフ点検タイマ)によるタイマ動作を開始する条件として、「アウト点検」及び「セーフ点検」に係る異常判定動作に利用される遊技信号(アウト信号、セーフ信号)の受信に応じて当該異常判定動作の終了条件が成立したことが前提となるから、結果的に、点検項目についての異常状態の検出精度を一段と向上させ得るようになる。
(その他の実施の形態)
本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく、例えば以下に述べるような変形或いは拡大が可能である。
例えば、<1>のアウト点検処理ルーチンでは、アウト点検タイマがタイムアップしたときに、「アウト点検」が要因点検項目として設定されている点検項目の対応記憶項目についての記憶領域(超過アウト数カウンタ、ベース点検アウト数カウンタなど)を全て初期化する構成としたが、各々の「点検項目」の対応記憶項目についての記憶領域を、「連続大当たり異常」のように第1点検検出処理用と第2点検検出処理用とに分け、第1点検検出処理用のもののみを初期化する構成としても良い。
要因点検項目に関して設定される点検フラグ(セーフ点検フラグ、アウト点検フラグ、スタート点検フラグ)が「1」の場合に、対応記憶項目についての記憶領域を更新しないように構成しても良い。また、上述のように対応記憶項目についての記憶領域を第1点検検出処理用と第2点検検出処理用とに分け、第2点検検出処理用のもののみを初期化する構成としても良い。さらに、セーフ点検タイマやアウト点検タイマを含む終了タイマを、異常状態が発生した旨の判定を行った時点からスタートさせる構成としても良い
参考履歴データは必要に応じて記録すれば良いものである。つまり、各処理ルーチンにおける第2点検検出処理ステップ(T1Y異常検出処理ルーチンにおいては第2パンク検出処理ステップ及び第2警告検出処理ステップ、連続大当たり異常検出処理ルーチンにおいては第2連続大当たり異常検出処理ステップ)は、必要に応じて実行すれば良い。
「スタート点検」に係る異常状態の解消時には、「スタート点検」が要因点検項目とされている点検項目(「TS異常」、「連続大当たり異常」)の対応記憶項目についての記憶領域を初期化しない構成としたが、初期化する構成としても良い。但し、履歴データとして記憶する必要があるスタート数や大当たり回数に係る記憶領域は初期化しないことが望ましい。
点検項目とは異なる他の点検項目を要因点検項目として設定する構成としたが、同一の点検項目を要因点検項目として設定する構成としても良い。例えば、「アウト点検」についての要因点検項目を当該「アウト点検」に設定すれば、アウト玉詰まりの検出状態が頻発する事態を防止できるようになる。
パチンコ遊技機1に、特定の入賞口への入賞率が高まるという所謂時短状態や、大当たり確率が高くなる所謂確率変動状態が設定されていた場合には、前記実施例のような異常検出設定情報では対処し切れないので、これに合わせた異常検出設定情報を記憶することになる。但し、この場合には、管理用コンピュータ6側でパチンコ遊技機1の状態を判定するための遊技信号を受信する必要がある。
点検項目に係る判定値を複数段階に設定し、その複数段階の判定値毎に判定結果を出力する構成としても良い。具体的には、例えば「T1Y異常(警告)」において、判定値を「1900」及び「2000」の2段階に設定し、2000>T1Y≧1900の場合にT1Y異常(注意)異常判定を行い、T1Y≧2000の場合にT1Y(警告)異常判定を行う構成とするができる。
終了タイマのタイマ動作時間は、アウト玉詰まりやセーフ玉詰まりなどの異常状態を解消するのに必要な時間を目安に設定されるものであり、従って、回収パチンコ玉を一時的に貯留するアウトボックス(回収箱)の容量の大小などに応じて点検項目毎に適宜に変更することになる。また、終了タイマは必要に応じて設ければ良い。
図13に示した異常発生履歴データにおいては、参考履歴データに係る異常データを他の異常データと区別するために、各レコードに「誤検出」欄を付加してアスタリスクを記録する構成としたが、当該レコードの反転表示や表示色の変更などにより他レコードと区別可能な状態とすることにより、「誤検出」欄を不要にする構成も可能である。
また、アウト信号やセーフ信号について、1玉1パルス出力を前提とした例示をしたが、1玉10パルス出力などの信号出力形態であっても良い。パチンコ遊技機に限らず、スロットマシンを管理用コンピュータ6による管理対象とすることができる。また、店内LANに接続された呼出ランプユニット3や中継装置4などの端末装置に、CPUなどを含んで構成された制御回路を内蔵し、これら呼出ランプユニットや中継装置4によって、管理用コンピュータ6での処理機能の一部を肩代わりする構成としても良い。即ち、本発明による遊技場用管理装置の概念は、それらの端末装置を含めた広義の管理装置を意味するものである。
1はパチンコ遊技機、1aは盤面(遊技領域)、1bはスタート入賞口(始動口)、1cは大入賞口(役物)、2は台間玉貸機、3は呼出ランプユニット、6は管理用コンピュータ(遊技場用管理装置、受信手段、異常設定記憶手段、異常判定手段、要因設定記憶手段、動作制御手段、データ記憶手段、遅延手段、情報記憶手段、終了条件判定手段)を示す。