JP5055999B2 - ハイブリッド駆動装置の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の走行のための動力源として2種類の動力源を備えているハイブリッド駆動装置に関し、特に、内燃機関と、その内燃機関に連結された変速機構と、発電機としての機能を有する電動機とを備えているハイブリッド駆動装置を対象とする制御装置に関するものである。
車両用のハイブリッド駆動装置は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関と、モータもしくはモータ・ジェネレータなどの電動機を動力装置として備えており、内燃機関を可及的に効率の良い状態で運転する一方、出力トルクやエンジンブレーキ力の過不足を電動機で補い、さらには減速時にエネルギの回生を行うことにより、内燃機関による排ガスを低減し、同時に燃費の向上を図るように構成された駆動装置である。この種のハイブリッド駆動装置の一例が特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載されているハイブリッド車両の動力伝達装置は、エンジン、第1モータ・ジェネレータ、前後進切換機構、金属Vベルト式無段変速機構、発進クラッチ、第2モータ・ジェネレータなどから構成されている。具体的には、エンジンの出力軸と金属Vベルト式無段変速機構の変速機入力軸との間に、第1モータ・ジェネレータおよび前後進切換機構が配置されていて、金属Vベルト式無段変速機構の変速機出力軸に、発進クラッチを介して、第2モータ・ジェネレータが連結されている。さらに、発進クラッチ、および、ファイナルドライブギヤ、ファイナルドリブンギヤ、ディファレンシャル機構、アクスルシャフト等を介して車輪(駆動輪)が連結されている。
そして、このハイブリッド車両の動力伝達装置は、エンジンの駆動力を前後進切換機構および無段変速機構を介して変速するとともに、発進クラッチからファイナルドライブギヤおよびファイナルドリブンギヤ、ディファレンシャル機構、アクスルシャフト等を介して車輪に伝達して走行駆動を行うように構成されている。そして、発進時には第1モータ・ジェネレータにより駆動アシストを行うとともに、減速時には第1モータ・ジェネレータを発電機として作用させてエネルギー回生(バッテリの充電)を行うようになっている。
さらに、車両が停止している時や、車両が比較的高速で走行している状態においては、エンジンを一時的に停止させる制御が行われ、燃費の向上を図るようになっている。すなわち、車両走行中にエンジンを一時停止させるときには、第2モータ・ジェネレータの出力により車輪を駆動させて走行を継続する制御が行われる。このとき、前後進切換機構の前進クラッチおよび後進ブレーキが共に解放状態にされて、前後進切換機構よりもエンジン側における引き摺りトルクの発生を防止するようになっている。またこのとき、発進クラッチが無段変速機構を無負荷回転駆動させるに必要なだけのトルク伝達を行わせる弱い係合状態にされて、無負荷回転駆動する無段変速機構の変速比をその時点の運転状態に対応する値に設定する制御を行うように構成されている。
また、特許文献2には、エンジンおよび電動機の出力を無段変速機を介して駆動軸に伝達する構成の電気自動車に関する発明が記載されている。この特許文献2に記載されている電気自動車(パラレルハイブリッド型自動車)の動力系および駆動系は、エンジンがクラッチを介して電動機のロータに連結され、さらに電動機のロータが無段変速機の入力軸に連結されている。
そして、この特許文献2に記載されている電気自動車の動力系および駆動系の動力伝達装置は、エンジンおよび電動機の出力を無段変速機を介して駆動軸に伝達するとともに、制動時には、運転者の要求する制動トルクと駆動軸の回転数によって定まる発電機の運転条件のうち、発電効率の良い条件となるように無段変速機の変速比を制御するように構成されている。
特開2001−208177号公報 特開平8−251708号公報
上記の各特許文献に記載されている発明のように、エンジンとモータ・ジェネレータと無段変速機とを備えたハイブリッド駆動装置においては、システム全体としての効率を向上させるために、車両の減速時や制動時における回生効率の低下を防止もしくは抑制することが重要となる。例えば、車両の減速時もしくは制動時に、駆動輪側から無段変速機およびエンジン側へ伝達されるトルクにより無段変速機やエンジンが駆動される場合、その場合に無段変速機あるいは前後進切換機構あるいはエンジンの内部で生じる引き摺りトルクなどによる動力の損失を低減する必要がある。
そこで、例えば特許文献1に記載されている発明のように、無段変速機の出力軸側にモータ・ジェネレータが連結された構成において、無段変速機の出力軸とモータ・ジェネレータとの間に発進クラッチが設けられていて、車両の減速時もしくは制動時に無段変速機の出力軸に連結されたモータ・ジェネレータで回生が行われる場合は、その発進クラッチを解放することで、エンジンの引き摺りトルクによる損失を低減することができる。これに対して、上記のような構成において発進クラッチを廃止して装置を簡素化した場合には、車両の減速時もしくは制動時に、すなわちモータ・ジェネレータによる回生時に、前後進切換機構における前進クラッチを解放することで、上記の場合と同様に、エンジンの引き摺りトルクによる損失を低減することができる。
しかしながら、この場合には、エンジンの引き摺りトルクによる損失を低減することはできるものの、駆動輪側から伝達されるトルクにより無段変速機が駆動される際の損失、あるいは前後進切換機構の前進クラッチでの引き摺りトルクによる損失の発生を防止することはできず、上記のような無段変速機の出力軸側にモータ・ジェネレータが連結された構成によるハイブリッド駆動装置のシステム全体としての効率を向上させるためには、未だ改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、車両の減速時や制動時における回生効率の低下を防止もしくは抑制することのできるハイブリッド駆動装置の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、内燃機関に変速機構の入力部材がそれら内燃機関と変速機構との間の動力伝達経路を接続・遮断する摩擦係合装置を介して連結されるとともに、前記変速機構の出力部材に発電機としての機能を有する電動機が連結されているハイブリッド駆動装置の制御装置において、前記電動機を発電機として駆動する回生制御が実行される場合に、前記摩擦係合装置を解放して前記動力伝達経路を遮断する摩擦係合装置制御手段と、前記変速機構での損失および前記摩擦係合装置での損失を求める損失算出手段と、前記損失算出手段により求められた前記変速機構での損失および前記摩擦係合装置での損失に基づいて、それら前記変速機構での損失と前記摩擦係合装置での損失とを合計した損失が少なくなるように前記変速機構の変速比を制御する変速制御手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記変速制御手段が、前記変速機構での損失と前記摩擦係合装置での損失とを合計した損失が最小となるように前記変速比を制御する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
そして、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記変速機構での損失が、前記出力部材に入力されるトルクにより前記変速機構が駆動される逆駆動時の損失であることを特徴とする制御装置である。
一方、請求項4の発明は、内燃機関に変速機構の入力部材がそれら内燃機関と変速機構との間の動力伝達経路を接続・遮断する摩擦係合装置を介して連結されるとともに、前記変速機構の出力部材に第1の駆動輪が連結された第1の駆動系統と、発電機としての機能を有する電動機に第2の駆動輪が連結された第2の駆動系統とを備えているハイブリッド駆動装置の制御装置において、前記電動機を発電機として駆動する回生制御が実行される場合に、前記摩擦係合装置を解放して前記動力伝達経路を遮断する摩擦係合装置制御手段と、前記変速機構での損失および前記摩擦係合装置での損失を求める損失算出手段と、前記損失算出手段により求められた前記変速機構での損失および前記摩擦係合装置での損失に基づいて、それら前記変速機構での損失と前記摩擦係合装置での損失とを合計した損失が少なくなるように前記変速機構の変速比を制御する変速制御手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記変速制御手段が、前記変速機構での損失と前記摩擦係合装置での損失とを合計した損失が最小となるように前記変速比を制御する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
そして、請求項6の発明は、請求項3または4の発明において、前記変速機構での損失が、前記出力部材に入力されるトルクにより前記変速機構が駆動される逆駆動時の損失であることを特徴とする制御装置である。
したがって、請求項1の発明によれば、車両の減速時や制動時に、変速機構の出力側に連結された電動機が回生制御される場合、変速機構での損失と摩擦係合装置での損失とが求められ、それらの値に基づいて変速機構が変速制御される。例えば、変速機構の変速比が、変速機構での損失および摩擦係合装置での損失が低減する変速比に設定される。そのため、車両の減速時や制動時における回生効率の低下を防止もしくは抑制することができる。
また、請求項2の発明によれば、電動機が回生制御される場合に、変速機構での損失と摩擦係合装置での損失とが求められ、それらの損失を合計した値が最小となるように変速機構の変速比が設定される。そのため、車両の減速時や制動時における回生効率の低下を、可及的に防止もしくは抑制することができる。
そして、請求項3の発明によれば、電動機が回生制御される場合に、変速機構がその出力部材側から入力されるトルクによって駆動されるいわゆる逆駆動時の変速機構での損失が求められる。変速機構は、その入力部材側から入力されるトルクによって駆動されるいわゆる正駆動時と、上記の逆駆動時とでは、動力伝達効率(言い換えると動力損失)が異なる場合がある。そのため、電動機が回生制御される場合の変速機構での動力損失が、逆駆動時の損失として求められることで、変速機構での動力損失を精度良く求めることができる。
一方、請求項4の発明によれば、例えば、前輪に第1の駆動系統が配置され、後輪に第2の駆動系統が配置された四輪駆動車両の減速時や制動時に、第2の駆動輪に連結された電動機が回生制御される場合、変速機構での損失と摩擦係合装置での損失とが求められ、それらの値に基づいて変速機構が変速制御される。例えば、変速機構の変速比が、変速機構での損失および摩擦係合装置での損失が低減する変速比に設定される。そのため、車両の減速時や制動時における回生効率の低下を防止もしくは抑制することができる。
また、請求項5の発明によれば、第2の駆動系統の電動機が回生制御される場合に、第1の駆動系統の変速機構での損失と、第1の駆動系統の摩擦係合装置での損失とが求められ、それらの損失を合計した値が最小となるように変速機構の変速比が設定される。そのため、車両の減速時や制動時における回生効率の低下を、可及的に防止もしくは抑制することができる。
そして、請求項6の発明によれば、第2の駆動系統の電動機が回生制御される場合に、第1の駆動系統の変速機構がその出力部材から入力されるトルクによって駆動されるいわゆる逆駆動時の変速機構での損失が求められる。そのため、電動機が回生制御される場合の変速機構での損失を精度良く求めることができる。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とするハイブリッド駆動装置について説明すると、この発明で対象とするハイブリッド駆動装置は、一例として図2に示すように、車両Ve1に搭載されるものであって、主動力源としての内燃機関1のトルクが、摩擦係合装置2を介して変速機構3の入力部材3iに伝達され、変速機構3の出力部材3oからデファレンシャル4を介して駆動輪5に伝達される。したがって、内燃機関1と出力部材3oとの間で伝達トルクを変速機構3で設定する変速比に応じて増減するようになっている。一方、走行のための駆動力を出力する力行制御あるいはエネルギを回収する回生制御の可能な電動機6が、変速機構3の出力部材3o側に設けられていて、その電動機6と駆動輪5との間で、出力部材3oおよびデファレンシャル4を介してトルクの伝達が行われるようになっている。
具体的に説明すると、内燃機関(以下、エンジンと記す)1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置であって、スロットル開度(吸気量)や燃料供給量、点火時期などの運転状態を電気的に制御できるように構成されている。
また、摩擦係合装置2は、この実施例では、係合・解放状態を制御することにより動力伝達経路を接続・遮断し、その間の伝達トルク容量を変更可能な、後述する前後進切換機構15のフォワードクラッチ31で、摩擦力によって係合力を生じるいわゆる係合装置であって、例えば、多板形式の係合装置あるいはバンド形式の係合装置などを採用することができる。
また、変速機構3は、この実施例では、ベルト式無段変速機3であり、ベルトを巻掛けたプーリの溝幅を変更することにより、プーリの有効径すなわちベルトが巻き掛かっている半径を変更して変速比を無段階に設定することのできる変速機である。したがって駆動側(あるいは入力側)すなわち入力部材3i側のプーリ、および従動側(あるいは出力側)すなわち出力部材3o側のプーリを、固定シーブとその固定シーブに対して軸線方向に前後動する可動シーブとによって構成し、その可動シーブを例えば油圧などの外力で移動させることにより、各プーリの溝幅を変化させ、ベルトの巻き掛け半径を連続的に変更できるように構成されている。
また、電動機6は、いわゆるモータ・ジェネレータ6であり、一例として同期電動機であって、モータとしての機能と発電機としての機能とを生じるように構成されている。そして、インバータ7を介してバッテリーなどの蓄電装置8に接続されていて、そのインバータ7を制御することにより、モータ・ジェネレータ6の出力トルクあるいは回生トルクを適宜に設定するようになっている。また、この実施例では、モータ・ジェネレータ6は、そのロータ6aが、上記のベルト式無段変速機3の出力部材3o側に、例えばベルト式無段変速機3の従動プーリの固定シーブに一体的に連結されている。
そして、上記のエンジン1の運転状態の制御、あるいは摩擦係合装置2すなわち前後進切換機構15のフォワードクラッチ31の係合・解放状態の制御、あるいはベルト式無段変速機3の変速制御、あるいはモータ・ジェネレータ6の回転制御などを行うコントローラとして電子制御装置(ECU)9が設けられている。
この電子制御装置9には、例えば、車速センサの信号、加速要求検知センサ(例えばアクセルペダルの踏み込み量もしくは踏み込み力を検知するセンサ)の信号、制動要求検知センサ(例えばブレーキペダルの踏み込み量もしくは踏み込み力を検知するセンサ)の信号、エンジン回転数センサの信号、蓄電装置8の充電量(S.O.C.)を検知するセンサの信号、モータ・ジェネレータ6の回転数を検知するセンサの信号、シフトポジションセンサの信号、ベルト式無段変速機3の入力回転数および出力回転数を検知するセンサの信号、エンジン1および前後進切換機構15およびベルト式無段変速機3の油温を検知するセンサの信号などが入力される。これに対して、電子制御装置9からは、例えば、エンジン1を制御する信号、インバータ7を介してモータ・ジェネレータ6を制御する信号、前後進切換機構15のフォワードクラッチ31を制御する信号などが出力される。
この実施例における上記のベルト式無段変速機3について、より具体的に説明する。図3は、上記のベルト式無段変速機3を適用したFF車(フロントエンジンフロントドライブ;エンジン前置き前輪駆動車)のスケルトン図である。図3において、エンジン1のクランクシャフト1aが車両Ve1の幅方向に配置されている。
エンジン1の出力側には、トランスアクスル10が設けられている。このトランスアクスル10は、エンジン1の後端側(図3での左側)に取り付けられたトランスアクスルハウジング11と、トランスアクスルハウジング11におけるエンジン1とは反対側(図3での左側)の開口端に取り付けられたトランスアクスルケース12と、トランスアクスルケース12におけるトランスアクスルハウジング11とは反対側(図3での左側)の開口端に取り付けられたトランスアクスルリヤカバー13とを有している。
トランスアクスルハウジング11の内部には、トルクコンバータ14が設けられており、トランスアクスルケース12およびトランスアクスルリヤカバー13の内部には、前後進切換機構15およびベルト式無段変速機構3aおよびデファレンシャル4が設けられている。
トルクコンバータ14は、クランクシャフト1aと同一の軸線を中心として回転可能なインプットシャフト16が設けられており、インプットシャフト16におけるエンジン1側(図3での右側)の端部にはタービンランナ17が取り付けられている。一方、クランクシャフト1aの後端にはドライブプレート18を介してフロントカバー19が連結されており、フロントカバー19にはポンプインペラ20が接続されている。これらタービンランナ17とポンプインペラ20とは互いに対向して配置され、タービンランナ17およびポンプインペラ20の内側にはステータ21が設けられている。このステータ21には、一方向クラッチ22を介して中空軸23が接続されている。中空軸23はトランスアクスルケース12側に回転が不可能な状態で固定されていて、その中空軸23の内部に前記のインプットシャフト16が配置されている。
インプットシャフト16におけるフロントカバー19側(図3での右側)の端部には、ダンパ機構24を介してロックアップクラッチ25が設けられている。上記のように構成されたフロントカバー19およびポンプインペラ20などにより形成されたケーシング(図示せず)内に、作動流体としてのオイルが供給されている。
上記構成により、エンジン1の動力(トルク)がクランクシャフト1aからフロントカバー19に伝達される。この時、ロックアップクラッチ25が解放されている場合は、ポンプインペラ20のトルクが流体によりタービンランナ17に伝達され、ついでインプットシャフト16に伝達される。なお、ポンプインペラ20からタービンランナ17に伝達されるトルクを、ステータ21により増幅することもできる。一方、ロックアップクラッチ25が係合されている場合は、フロントカバー19のトルクが機械的にインプットシャフト16に伝達される。
トルクコンバータ14と前後進切換機構15との間には、オイルポンプ26が設けられている。このオイルポンプ26のロータ27と、前記ポンプインペラ20とが円筒形状のハブ28により接続されている。また、オイルポンプ26のボデー29は、トランスアクスルケース12側に固定されている。この構成により、エンジン1の動力がポンプインペラ20を介してロータ27に伝達され、オイルポンプ26を駆動することができる。
前後進切換機構15は、インプットシャフト16とベルト式無段変速機構3aとの間の動力伝達経路に設けられている。この前後進切換機構15は、エンジン1の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、入力されたトルクをそのまま出力する、もしくは反転して出力するように構成されている。具体的には、この前後進切換機構15は、主に、ダブルピニオン形式の遊星歯車装置30およびフォワードクラッチ31ならびにリバースブレーキ32により構成されている。
この前後進切換機構15の構成の一例を説明すると、遊星歯車装置30は、インプットシャフト16のベルト式無段変速機構3a側(図3での左側)の端部に設けられたサンギヤ33と、このサンギヤ33の外周側に、サンギヤ33と同心状に配置されたリングギヤ34と、サンギヤ33に噛み合わされたピニオンギヤ35と、このピニオンギヤ35およびリングギヤ34に噛み合わされたピニオンギヤ36と、ピニオンギヤ35,36を自転可能に保持し、かつ、ピニオンギヤ35,36を、サンギヤ33の周囲で一体的に公転可能な状態で保持したキャリヤ37とを有している。
そして、このキャリヤ37と、後述するベルト式無段変速機構3aの入力軸であるプライマリシャフト38とが連結され、サンギヤ33と、ダンパ機構24に連結されたインプットシャフト16とが連結されている。また、リングギヤ34の回転・固定を制御するリバースブレーキ32が、トランスアクスルケース12に設けられている。さらに、サンギヤ33と、キャリヤ37との間の動力伝達経路を接続・遮断するフォワードクラッチ31が設けられている。
この前後進切換機構15においては、前進ポジションが選択された場合は、フォワードクラッチ31が係合され、かつ、リバースブレーキ32が解放されて、キャリヤ37と、サンギヤ33すなわちインプットシャフト16とが一体回転する。キャリヤ37とサンギヤ33とが一体回転することによって、リングギヤ34もそれらキャリヤ37およびサンギヤ33と一体回転する。すなわち、インプットシャフト16とプライマリシャフト38とが直結状態になる。そして、エンジン1のトルクが、後述するベルト式無段変速機構3aのプライマリシャフト38およびセカンダリシャフト39などの回転部材を経由して駆動輪5に伝達され、車両Ve1が前進する。
これに対して、後進ポジションが選択された場合は、フォワードクラッチ31が解放され、かつ、リバースブレーキ32が係合されて、リングギヤ34が固定される。すると、インプットシャフト16の回転に伴ってサンギヤ33が回転し、リングギヤ34を反力要素としてキャリヤ37がインプットシャフト16の回転方向とは逆の方向に回転する。その結果、後述するプライマリシャフト38およびセカンダリシャフト39などの回転部材が、前進ポジションの場合とは逆方向に回転して車両Ve1が後進する。
ベルト式無段変速機構3aは、プライマリシャフト38およびセカンダリシャフト39を有している。すなわち、ベルト式無段変速機構3aは、インプットシャフト16と同心状に配置されたプライマリシャフト38と、プライマリシャフト38と相互に平行に配置されたセカンダリシャフト39とを有している。プライマリシャフト38側にはプライマリプーリ(すなわち駆動プーリ)40が設けられており、セカンダリシャフト39側にはセカンダリプーリ(すなわち従動プーリ)41が設けられている。
プライマリプーリ40は、プライマリシャフト38の外周に一体的に形成もしくは固定された固定シーブ42と、プライマリシャフト38の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ43とを有している。また、これら固定シーブ42と可動シーブ43との対向面間に、すなわち固定シーブ42のテーパ面42aと可動シーブ43のテーパ面43aとの間に、V字形状の溝(ベルト巻き掛け溝)44が形成されている。そして、可動シーブ43をプライマリシャフト38の軸線方向に動作させ、可動シーブ43と固定シーブ42とを接近・離隔させる油圧アクチュエータ45が設けられている。
一方、セカンダリプーリ41は、セカンダリシャフト39の外周に一体的に形成もしくは固定された固定シーブ46と、セカンダリシャフト39の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ47とを有している。また、これら固定シーブ46と可動シーブ47との対向面間に、すなわち固定シーブ46のテーパ面46aと可動シーブ47のテーパ面47aとの間に、V字形状の溝(ベルト巻き掛け溝)48が形成されている。そして、可動シーブ47をセカンダリシャフト39の軸線方向に動作させ、可動シーブ47と固定シーブ46とを接近・離隔させる油圧アクチュエータ49が設けられている。さらに、上記構成のプライマリプーリ40のベルト巻き掛け溝44およびセカンダリプーリ41のベルト巻き掛け溝48に対して、伝動ベルト50が巻き掛けられている。
このように、ベルト式無段変速機構3aは、互いに平行に配置されたプライマリプーリ(駆動プーリ)40とセカンダリプーリ(従動プーリ)41とのそれぞれが、固定シーブ38,46と、油圧アクチュエータ44,49によって軸線方向に前後動させられる可動シーブ43,47とによって構成されている。したがって各プーリ40,41のベルト巻き掛け溝44,48の幅が、可動シーブ43,47を軸線方向に移動させることにより変化し、それに伴って各プーリ40,41に巻掛けた伝動部材としての伝動ベルト50の巻掛け半径(各プーリ43,47の有効径)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するようになっている。
なお、セカンダリプーリ41における油圧アクチュエータ49には、ベルト式無段変速機構3aに入力されるトルクに応じた油圧(ライン圧もしくはその補正圧)が供給されている。したがって、セカンダリプーリ41における各シーブ46,47が伝動ベルト50を挟み付けることにより、伝動ベルト50に張力が付与され、各プーリ40,41と伝動ベルト50との挟圧力(接触圧力)が確保されるようになっている。言い換えれば、挟圧力に応じたトルク容量が設定される。これに対してプライマリプーリ40における油圧アクチュエータ45には、設定するべき変速比に応じた圧油が供給され、目標とする変速比に応じた溝幅(有効径)に設定するようになっている。
ベルト式無段変速機構3aの入力部材であるプライマリプーリ40が、前後進切換機構15における出力要素であるキャリヤ37に連結され、ベルト式無段変速機構3aの出力部材であるセカンダリプーリ41が、ギヤ対51およびデファレンシャル4に連結され、さらにそのデファレンシャル4が駆動輪5に連結されている。
そして、この実施例におけるベルト式無段変速機構3aは、セカンダリプーリ41の固定シーブ46に、モータ・ジェネレータ6が連結されている。そして、その連結部分は、固定シーブ46にモータ・ジェネレータ6を連結してユニット化するにあたり、ベルト式無段変速機構3aのプーリ軸方向(図3での左右方向)の形状・寸法をコンパクト化して、車両搭載性を向上することができるように、固定シーブ46とモータ・ジェネレータ6とが、半径方向(図3での上下方向)にオーバーラップして配置されて連結されている。
具体的には、固定シーブ46の背面46bとモータ・ジェネレータ6のロータ6aとが一体的に固定されている。すなわち、セカンダリプーリ41の固定シーブ46と、モータ・ジェネレータ6のロータ6aとが一体化されている。そのため、ベルト式無段変速機構3aのプーリ軸方向の形状・寸法をコンパクト化して、車両搭載性を向上することができる。また、セカンダリプーリ41の固定シーブ46およびモータ・ジェネレータ6のロータ6aの構成を簡素化し、また部品点数を削減して、低コスト化を図ることができる。
このように構成されたベルト式無段変速機3によれば、入力回転数であるエンジン回転数を無段階に(言い換えれば、連続的に)制御できるので、これを搭載した車両の燃費を向上できる。例えば、アクセル開度などによって表される要求駆動量と車速とに基づいて目標駆動力が求められ、その目標駆動力を得るために必要な目標出力が目標駆動力と車速とに基づいて求められ、その目標出力を最適燃費で得るためのエンジン回転数が予め用意したマップに基づいて求められ、そして、そのエンジン回転数となるように変速比が制御される。
そのような燃費向上の利点を損なわないために、ベルト式無段変速機3における動力の伝達効率が良好な状態に制御される。具体的には、ベルト式無段変速機3のトルク容量すなわち挟圧力が、エンジントルクに基づいて決まる目標トルクを伝達でき、かつ伝動ベルト50の滑りが生じない範囲で可及的に低い挟圧力になるよう制御される。例えば、加減速が比較的頻繁におこなわれたり、路面の凹凸もしくは起伏がある悪路を走行している場合などのいわゆる非定常走行状態では、挟圧力が、前記制御状態に比べ相対的に高い挟圧力になるように制御される。
これに対して平坦路をある程度以上の車速で定速走行しているなどの定常走行状態もしくはこれに準ずる準定常走行状態では、滑りを生じずに入力トルクを伝達できる最低の圧力すなわち限界挟圧力を検出するために、挟圧力が徐々に低下される。そしてその挟圧力が、検出された限界挟圧力に所定の安全率もしくは滑りに対する余裕伝達トルクを設定する圧力を加えた挟圧力に設定される。そして、このベルト式無段変速機3における挟圧力は、滑りを生じることなくトルクを伝達できる範囲で可及的に低い圧力であることが好ましい。
このように、この実施例におけるハイブリッド駆動装置の制御装置は、エンジン1を可及的に効率の良い状態で運転されるように制御し、一方で、エンジン1の出力トルクやエンジンブレーキ力の過不足を補うため、さらには車両Ve1の減速時や制動時にエネルギの回生を行うために、モータ・ジェネレータ6を回生制御することで、ハイブリッド駆動装置の動力伝達効率を向上させ、燃費の向上を図ることができるように構成されている。
ハイブリッド駆動装置の動力伝達効率を向上させるためには、特に、減速時や制動時に、モータ・ジェネレータ6が発電機として駆動される回生制御をできるだけ効率よく実行することが重要となる。そこでこの発明における制御装置は、車両Ve1の減速時や制動時に、モータ・ジェネレータ6での回生制御における回生効率の低下を防止もしくは抑制することができるように構成されている。その制御の具体例を以下に説明する。
図1は、この発明におけるハイブリッド駆動装置の制御例を説明するためのフローチャートであって、このフローチャートで示されるルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。図1において、先ず、モータ・ジェネレータ6の回生制御が実行されるか否かが判断される(ステップS1)。
モータ・ジェネレータ6の回生制御が実行されないことにより、このステップS1で否定的に判断された場合は、以降の制御は行わず、このルーチンを一旦終了する。これに対して、モータ・ジェネレータ6の回生制御が実行されることにより、ステップS1で肯定的に判断された場合には、ステップS2へ進み、前後進切換機構15のフォワードクラッチ31を解放状態に制御する指令が出力される。
モータ・ジェネレータ6で回生制御が実行される場合、すなわち車両Ve1の減速時や制動時に、車両Ve1の慣性エネルギがモータ・ジェネレータ6で電気エネルギに変換される場合、駆動輪5とエンジン1との間が動力伝達可能な状態であると、駆動輪5からの制動トルク、あるいはモータ・ジェネレータ6の回生トルクが、エンジン1を逆転方向に駆動させるトルクとしてエンジン1へ伝達されてしまう。その結果、エンジン1においていわゆる引き摺りトルクによる損失が発生してしまう。そこで車両Ve1の減速時や制動時に、フォワードクラッチ31を解放状態に制御することで、モータ・ジェネレータ6が回生制御される場合の、エンジン1での損失による回生効率の低下を防止もしくは抑制することができる。
ステップS2でフォワードクラッチ31を解放状態に制御する指令が出力されると、フォワードクラッチ31の解放が完了したか否か、すなわちフォワードクラッチ31が完全に解放状態になったか否かが判断される(ステップS3)。未だフォワードクラッチ31が完全に解放されていないことにより、このステップS3で否定的に判断された場合は、ステップS2へ戻り、以降の制御が同様に実行される。すなわち、フォワードクラッチ31が完全に解放されるまで、ステップS2およびS3の制御が繰り返し実行される。
フォワードクラッチ31が完全に解放状態になったことにより、ステップS3で肯定的に判断された場合には、ステップS4へ進み、エンジン1を停止させる指令が出力され、続いて、回生制御の実行時に、モータ・ジェネレータ6への伝達トルクTm、すなわちモータ・ジェネレータ6を発電機として駆動する際のトルクが算出される(ステップS5)。この伝達トルクTmは、例えば、モータ・ジェネレータ6の回転数、ブレーキペダルの踏み込み量もしくは踏み込み力、蓄電装置8の充電量(S.O.C.)などの検出値を基に算出される。
ステップS5で、回生制御時のモータ・ジェネレータ6への伝達トルクTmが算出されると、その伝達トルクTmおよび車速ならびにベルト式無段変速機3の油温などの検出値に基づいて、回生制御が実行される際のベルト式無段変速機3での逆駆動時の損失が算出される(ステップS6)。また、それと併行して、回生制御が実行される際のフォワードクラッチ31での損失が算出される(ステップS7)。
ベルト式無段変速機3での逆駆動時の損失とは、ベルト式無段変速機3が出力部材3o側から入力されるトルクによって入力部材3iが駆動される場合、すなわち、ベルト式無段変速機構3aのセカンダリプーリ41に入力されるトルクによってプライマリプーリ40が駆動される場合に、ベルト式無段変速機構3a内部で生じる損失のことである。
一般に、ベルト式無段変速機において、駆動プーリ(プライマリプーリ)側から入力されるトルクによって従動プーリ(セカンダリプーリ)が駆動されるいわゆる正駆動と、従動プーリ(セカンダリプーリ)側から入力されるトルクによって駆動プーリ(プライマリプーリ)が駆動されるいわゆる逆駆動とでは、ベルト式無段変速機における推力比が異なることが知られている。したがって、上記のように回生制御の実行時、すなわちフォワードクラッチ31が解放され、プライマリプーリ40側からはトルクが入力されずセカンダリプーリ41側からトルクが入力されるときのベルト式無段変速機3での損失を算出する場合に、逆駆動時の損失として求めることで、回生制御実行時におけるベルト式無段変速機3での損失を精度良く求めることができる。
また、フォワードクラッチ31は、例えば湿式多板式のクラッチにより構成される場合、隣接するクラッチ板同士の間の摩擦、あるいはクラッチ板間のオイルの粘性抵抗などによって、完全解放状態にされた場合であっても不可避的に損失(いわゆる引き摺りトルクによる損失)が発生する。したがって、上記のように回生制御の実行時に、フォワードクラッチ31が解放状態に制御される場合のフォワードクラッチ31での損失を算出することで、回生制御の実行時に発生する損失の総和を精度良く求めることができる。
そして、上記のように、ステップS6およびS7で、回生制御実行時におけるベルト式無段変速機3での逆駆動時の損失、およびフォワードクラッチ31での損失が算出されると、それらベルト式無段変速機3での逆駆動時の損失とフォワードクラッチ31での損失とを合計した損失が最も少なくなるように、ベルト式無段変速機3の変速比すなわち回生制御時の最適変速比が算出される。そして、その最適変速比に基づいてベルト式無段変速機3の変速制御が実行される(ステップS8)。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
このように、上記の図1に示す制御を実行するよう構成したこの発明の制御装置によれば、車両Ve1の減速時や制動時に、ベルト式無段変速機3のセカンダリプーリ41に連結されたモータ・ジェネレータ6が回生制御される場合、ベルト式無段変速機3での損失とフォワードクラッチ31での損失とが求められ、それらの値に基づいてベルト式無段変速機3が変速制御される。具体的には、ベルト式無段変速機3での損失とフォワードクラッチ31での損失とが求められ、それらの損失を合計した値が最小となるようにベルト式無段変速機3の変速比が設定される。そのため、車両Ve1の減速時や制動時に、ベルト式無段変速機3やフォワードクラッチ31内部で生じる損失により、回生効率が低下してしまうことを、可及的に防止もしくは抑制することができる。
また、モータ・ジェネレータ6が回生制御される場合に算出されるベルト式無段変速機3での損失は、ベルト式無段変速機3が、セカンダリプーリ41すなわち出力部材3oから入力されるトルクによってプライマリプーリ40すなわち入力部材3iが駆動される、いわゆる逆駆動時のベルト式無段変速機3での損失が求められる。そのため、モータ・ジェネレータ6が回生制御される場合のベルト式無段変速機3での動力損失を、実際の状態に即した条件で精度良く求めることができる。
つぎに、この発明を用いることの可能なハイブリッド駆動装置の他の実施例を、図4に基づいて説明する。図4に示す構成において、上記の図2に示された構成と同じ構成については、図2と同じ符号を付してある。図4に示す車両Ve2においては、主動力源としてのエンジン1のトルクが、摩擦係合装置2を介して変速機構3の入力部材3iに伝達され、変速機構3の出力部材3oから第1の駆動輪としての前輪5fに伝達される。したがって、エンジン1と出力部材3oとの間で伝達トルクを変速機構3で設定する変速比に応じて増減するようになっている。
なお、上記の摩擦係合装置2は、前述の実施例と同様に、前後進切換機構15のフォワードクラッチ31であり、摩擦力によって係合力を生じるいわゆる係合装置であって、例えば、多板形式の係合装置あるいはバンド形式の係合装置などを採用することができる。また、上記の変速機構3は、例えば有段式の自動変速機や無段変速機などを採用することができ、ここでは、前述の実施例と同様に、ベルト式無段変速機3が用いられた例について説明する。
一方、走行のための駆動力を出力する力行制御あるいはエネルギを回収する回生制御の可能なモータ・ジェネレータ6が、変速機構3rを介して第2の駆動輪としての後輪5rに連結されていて、したがって、そのモータ・ジェネレータ6と後輪5rとの間でトルクの伝達が行われるようになっている。すなわち、この車両Ve2は、エンジン1から前輪5fへ至る第1の駆動系統と、モータ・ジェネレータ6から後輪5rへ至る第2の駆動系統とを備え、エンジン1が出力するトルクにより前輪5fを駆動するとともに、モータ・ジェネレータ6が出力するトルクにより後輪5rを駆動することができる四輪駆動車両である。
なお、上記の第2の駆動系統における変速機構3rは、例えば有段式の自動変速機や無段変速機などを採用するこことができる。あるいは、変速機構3rを廃止し、モータ・ジェネレータ6と後輪5rとを、直接連結するように構成することも可能である。
そして、上記のエンジン1の運転状態の制御、あるいは摩擦係合装置2の係合・解放状態の制御、あるいは変速機構3,3rの変速制御、あるいはモータ・ジェネレータ6の回転制御などを行うコントローラとして電子制御装置(ECU)9が設けられている。
この他の実施例におけるハイブリッド駆動装置の制御装置においても、前述の実施例と同様に、車両Ve2の減速時や制動時に、モータ・ジェネレータ6での回生制御における回生効率の低下を防止もしくは抑制することができるように構成されている。その制御内容は、前述の実施例におけるハイブリッド駆動装置の制御装置の場合と同様である。すなわち、この他の実施例における制御内容は、前述の図1のフローチャートで示す制御内容の説明において、車両Ve1を車両Ve2に読み替えることで説明ができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
したがって、この他の実施例におけるハイブリッド駆動装置の制御装置によれば、前輪5fに第1の駆動系統が配置され、後輪5rに第2の駆動系統が配置された四輪駆動車両Ve2の減速時や制動時に、後輪5fに連結されたモータ・ジェネレータ6が回生制御される場合、ベルト式無段変速機3での損失とフォワードクラッチ31での損失とが求められ、それらの値に基づいてベルト式無段変速機3が変速制御される。具体的には、ベルト式無段変速機3での損失とフォワードクラッチ31での損失とが求められ、それらの損失を合計した値が最小となるようにベルト式無段変速機3の変速比が設定される。そのため、車両Ve2の減速時や制動時に、ベルト式無段変速機3やフォワードクラッチ31内部で生じる損失により、回生効率が低下してしまうことを、可及的に防止もしくは抑制することができる。
また、モータ・ジェネレータ6が回生制御される場合に算出されるベルト式無段変速機3での損失は、ベルト式無段変速機3が、セカンダリプーリ41すなわち出力部材3oから入力されるトルクによってプライマリプーリ40すなわち入力部材3iが駆動される、いわゆる逆駆動時のベルト式無段変速機3での損失が求められる。そのため、モータ・ジェネレータ6が回生制御される場合のベルト式無段変速機3での動力損失を、実際の状態に即した条件で精度良く求めることができる。
ここで上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、前述したステップS1ないしS3の機能的手段が、この発明の摩擦係合装置制御手段に相当し、またステップS5ないしS7の機能的手段が、この発明の動力損失算出手段に相当し、さらにステップS8の機能的手段が、この発明の変速制御手段に相当する。
なお、この発明は、上述した具体例に限定されないのであって、具体例では、入力部材に内燃機関が摩擦係合装置を介して連結されるとともに、出力部材に発電機能を有する電動機もしくは駆動輪が連結された変速機構として、ベルト式無段変速機が用いられた例を示しているが、例えば、有段式の自動変速機やトロイダル式の無段変速機などを採用することもできる。
この発明の制御装置による制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明で対象とするハイブリッド駆動装置の一例を模式的に示すブロック図である。 そのハイブリッド駆動装置に用いられるベルト式無段変速機を具体的に示すスケルトン図である。 この発明で対象とするハイブリッド駆動装置の他の例を模式的に示すブロック図である。
符号の説明
1…内燃機関(エンジン)、 2,31…摩擦係合装置(フォワードクラッチ)、 3…変速機構(ベルト式無段変速機)、 3i…入力部材、 3o…出力部材、 5…駆動輪、 5f…第1の駆動輪(前輪)、 5r…第2の駆動輪(後輪)、 6…電動機(モータ・ジェネレータ)、 9…電子制御装置(ECU)、 Ve1,Ve2…車両。

Claims (6)

  1. 内燃機関に変速機構の入力部材がそれら内燃機関と変速機構との間の動力伝達経路を接続・遮断する摩擦係合装置を介して連結されるとともに、前記変速機構の出力部材に発電機としての機能を有する電動機が連結されているハイブリッド駆動装置の制御装置において、
    前記電動機を発電機として駆動する回生制御が実行される場合に、
    前記摩擦係合装置を解放して前記動力伝達経路を遮断する摩擦係合装置制御手段と、
    前記変速機構での損失および前記摩擦係合装置での損失を求める損失算出手段と、
    前記損失算出手段により求められた前記変速機構での損失および前記摩擦係合装置での損失に基づいて、それら前記変速機構での損失と前記摩擦係合装置での損失とを合計した損失が少なくなるように前記変速機構の変速比を制御する変速制御手段と
    を備えていることを特徴とするハイブリッド駆動装置の制御装置。
  2. 前記変速制御手段は、前記変速機構での損失と前記摩擦係合装置での損失とを合計した損失が最小となるように前記変速比を制御する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド駆動装置の制御装置。
  3. 前記変速機構での損失は、前記出力部材に入力されるトルクにより前記変速機構が駆動される逆駆動時の損失であることを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド駆動装置の制御装置。
  4. 内燃機関に変速機構の入力部材がそれら内燃機関と変速機構との間の動力伝達経路を接続・遮断する摩擦係合装置を介して連結されるとともに、前記変速機構の出力部材に第1の駆動輪が連結された第1の駆動系統と、発電機としての機能を有する電動機に第2の駆動輪が連結された第2の駆動系統とを備えているハイブリッド駆動装置の制御装置において、
    前記電動機を発電機として駆動する回生制御が実行される場合に、
    前記摩擦係合装置を解放して前記動力伝達経路を遮断する摩擦係合装置制御手段と、
    前記変速機構での損失および前記摩擦係合装置での損失を求める損失算出手段と、
    前記損失算出手段により求められた前記変速機構での損失および前記摩擦係合装置での損失に基づいて、それら前記変速機構での損失と前記摩擦係合装置での損失とを合計した損失が少なくなるように前記変速機構の変速比を制御する変速制御手段と
    を備えていることを特徴とするハイブリッド駆動装置の制御装置。
  5. 前記変速制御手段は、前記変速機構での損失と前記摩擦係合装置での損失とを合計した損失が最小となるように前記変速比を制御する手段を含むことを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド駆動装置の制御装置。
  6. 前記変速機構での損失は、前記出力部材に入力されるトルクにより前記変速機構が駆動される逆駆動時の損失であることを特徴とする請求項4または5に記載のハイブリッド駆動装置の制御装置。
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