JP3931809B2 - 車輌の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌の制御装置に係り、詳しくは、エンジン出力を充分に引き出して変速するために許容最高回転数付近の高回転数域に設定される変速点で変速し得るように設定されている場合に、走行条件の変化等に拘らず変速を安定して行い得るようにした車輌の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジン及びモータ・ジェネレータの両方を変速機に付設して、発進時や加速時等においてはエンジン及びモータ・ジェネレータの両方の駆動力を変速機に伝え、また降坂路走行時や制動時においてはモータ・ジェネレータをジェネレータとして機能させてエンジンブレーキ効果を補い、また制動エネルギを回生して燃費を向上すると共に排気ガス排出量を低減させるようにしたハイブリット方式(パラレル・ハイブリット方式)が知られるようになった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなハイブリッド方式の車輌(HEV:Hybrid Electric Vehicle)に限らず、エンジンのみの出力トルクで走行する車輌においても、エンジンと駆動車輪との間に自動変速機を備える場合、例えば、エンジンの最大出力が要求されるスロットル全開状態での変速(パワーオンアップシフト)にあっては、エンジン出力を充分に引き出して変速するためにエンジン回転数が許容最高回転数となることが望ましい。そして、走行中の高スロットル時、つまりエンジン高回転数域において許容最高回転数に対し余裕を持って早めに変速し得るように構成した変速制御装置、或いは、所定条件の変化に応じて変速点を変更することにより、変速時のエンジン回転数が許容最高回転数を超えるなどの不都合を回避し得るようにした変速制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−215270号公報(図1,図5及び図6)
【特許文献2】
特開平9−280351号公報(図1ないし図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献2に記載の変速制御装置によれば、所定条件の変化に応じて変速点を変更するとしても、例えばパワーオンアップシフト時に、道路勾配の変化等に起因して走行条件が複雑に変動するような際に、許容最高回転数を超えようとするエンジン回転数がフューエルカットで抑制されるようなこともあり得る。その場合には、算出された変速点での変速動作が中止されることに伴う違和感をドライバに与えてしまう等の虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、ハイブリッド車輌に特有のモータを利用することにより、走行条件等の変化に拘らず、算出された変速点で確実に変速を行い得るように構成し、もって上述した課題を解決した車輌の制御装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図7参照)、エンジン(2)と駆動連結されるモータ(3)と、これらエンジン(2)及びモータ(3)の出力トルクを変速して駆動車輪に伝達する自動変速機(10)と、を備えた車輌の制御装置において、
前記エンジン(2)の回転数(Ne)が変速開始回転数(N 2 )を超えた場合に出力される変速開始の要求指令に基づいて前記自動変速機(10)の変速を開始する変速制御手段(18)と、
前記変速制御手段(18)による変速開始に先立ち、前記エンジン(2)の回転数(Ne)が速度制御開始回転数(N1)に達したとき、該速度制御開始回転数(N1)から、該速度制御開始回転数(N1)より高くかつ前記エンジン(2)の許容最高回転数(N3)より低い予め定められた前記変速開始回転数(N2)へ、前記エンジン回転数(Ne)が前記許容最高回転数(N3)を超えることなく到達し得るように、予め定められた回転数変化となるように前記モータ(3)の出力トルクを制御するモータ駆動制御手段(12,13)と、を備えてなる、
ことを特徴とする車輌の制御装置にある。
【0008】
なお、本発明における「モータ」とは、電気エネルギを回転運動に変換する所謂狭義のモータに限らず、回転運動を電気エネルギに変換する所謂ジェネレータをも含む概念である。
【0009】
請求項2に係る本発明は(例えば図1ないし図7参照)、モータ駆動制御手段(12,13)は、目標回転数マップに格納された回転数上昇率に関するデータを用いてモータ(3)の出力トルクを制御してなる、
請求項1記載の車輌の制御装置にある。
【0010】
請求項3に係る本発明は(例えば図1,図8ないし図12参照)、エンジン(2)と駆動連結されるモータ(3)と、これらエンジン(2)及びモータ(3)の出力トルクを変速して駆動車輪に伝達する自動変速機(10)と、を備えた車輌の制御装置において、
前記エンジン(2)の回転数(Ne)が変速開始回転数(N 2 )を超えた場合に出力される変速開始の要求指令に基づいて前記自動変速機(10)の変速を開始する変速制御手段(18)と、
前記変速制御手段(18)による変速開始に先立ち、前記エンジン(2)の回転数(Ne)が速度前出し速度回転数(N4)に達したとき、該速度前出し速度回転数(N4)より高くかつ前記エンジン(2)の許容最高回転数(N3)より低い前記変速開始回転数(N2)を算出する変速開始回転数算出手段(13)と、
前記変速制御手段(18)による変速開始に先立ち、前記エンジン回転数(Ne)が前記許容最高回転数(N3)を超えることなく前記速度前出し速度回転数(N4)から前記変速開始回転数(N2)へ到達し得るように前記モータ(3)の出力トルクを制御するモータ駆動制御手段(12,13)と、を備えてなる、
ことを特徴とする車輌の制御装置にある。
【0011】
請求項4に係る本発明は(例えば図1,図11及び図12参照)、前記変速開始回転数算出手段(13)が、前記速度前出し速度回転数(N4)に達した時点で算出した前記エンジン又は前記車輌の加速度に基づいて前記変速開始回転数(N2)を算出してなる、
請求項3記載の車輌の制御装置にある。
【0012】
請求項5に係る本発明は(例えば図1,図7及び図11参照)、前記モータ駆動制御手段(12,13)が、前記変速開始回転数(N2)の算出後における前記エンジン(2)の過剰な回転数を抑え得るように前記モータ(3)を速度制御してなる、
請求項3又は4記載の車輌の制御装置にある。
【0013】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【0014】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、変速制御手段が、エンジン回転数が変速開始回転数を超えた場合に出力される変速開始の要求指令に基づいて自動変速機の変速を開始し、モータ駆動制御手段が、変速制御手段による変速開始に先立ち、エンジンの回転数が速度制御開始回転数に達したとき、該速度制御開始回転数から、該速度制御開始回転数より高くかつエンジンの許容最高回転数より低い予め定められた変速開始回転数へ、エンジン回転数が許容最高回転数を超えることなく到達し得るように、予め定められた回転数変化となるようにモータの出力トルクを制御するので、走行条件が変動してエンジン回転数が許容最高回転数を超えそうになるような場合に、モータトルクの作用によってエンジンを変速開始回転数に向けて的確に回転駆動させることができる。従って、ハイブリッド車輌に特有のモータを利用することにより、走行条件等の変化に拘らず、算出された変速点で確実に変速を行うようにすることができる。
【0015】
請求項2に係る本発明によると、モータ駆動制御手段が、目標回転数マップに格納された回転数上昇率に関するデータを用いるので、モータの出力トルクを的確に制御することができる。
【0016】
請求項3に係る本発明によると、変速制御手段が、エンジンの回転数が変速開始回転数を超えた場合に出力される変速開始の要求指令に基づいて自動変速機の変速を開始し、変速開始回転数算出手段が、変速制御手段による変速開始に先立ち、エンジンの回転数が速度前出し速度回転数に達したとき、該速度前出し速度回転数より高くかつ許容最高回転数より低い変速開始回転数を算出し、モータ駆動制御手段が、変速制御手段による変速開始に先立ち、エンジン回転数が許容最高回転数を超えることなく速度前出し速度回転数から変速開始回転数へ到達し得るようにモータの出力トルクを制御するので、変速開始回転数の算出前のエンジン回転数の変化パターンによると変速開始点が許容最高回転数を超えそうになり、或いは、変速開始回転数の算出後に走行条件が変動して変速開始点が許容最高回転数を超えそうになるような場合に、モータトルクの作用によってエンジンを変速開始回転数に向けて的確に回転駆動させることができる。これにより、算出された変速点での変速動作が中止されてドライバに違和感を与えてしまうような不都合を確実に回避することができる。
【0017】
請求項4に係る本発明によると、変速開始回転数算出手段が、速度前出し速度回転数に達した時点で算出したエンジン又は車輌の加速度に基づいて変速開始回転数を算出するので、単位時間当たりのエンジン回転速度や車速の変化を検出することにより、変速開始回転数を的確に算出することができる。
【0018】
請求項5に係る本発明によると、モータ駆動制御手段が、変速開始回転数の算出後におけるエンジンの過剰な回転数を抑え得るトルクを出力するようにモータを制御するので、例えば、降坂路に差し掛かったことで変速開始回転数の算出後に走行条件が変動した場合であっても、エンジンを変速開始回転数に向けて的確に回転駆動させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る第1の実施の形態を図に沿って説明する。まず、本発明に係る制御装置を適用し得るハイブリッド車輌の駆動系及びそこに設けられた自動変速機構について図2及び図3に沿って説明する。図2はハイブリッド車輌の駆動系を示すブロック模式図、図3は本発明を適用し得る自動変速機構5の詳細を示す図で、(a)は自動変速機構5のスケルトン図、(b)はその作動表である。
【0020】
図2に示すように、駆動源は、内燃エンジン(E/G)(以下、単に「エンジン」とも言う)2及びモータ・ジェネレータ(M/G)(以下、単に「モータ」とも言う)3により構成されており、その駆動力は自動変速機10に出力される。該自動変速機10は、流体伝動装置の一例であるトルクコンバータ(T/C)4、自動変速機構5、油圧制御装置6、機械式オイルポンプ7、及び電動オイルポンプ8を備えている。
【0021】
上記自動変速機構5は、入力される駆動力を所定の走行条件に基づいて変速し、駆動車輪等に出力する。また、該自動変速機構5は、変速を行うための複数の摩擦係合要素(クラッチ、ブレーキ)を備えており、上記油圧制御装置6は、これら摩擦係合要素の係合を油圧制御して変速すると共に、上記トルクコンバータ4の作動を制御する。また、上記機械式オイルポンプ7及び電動オイルポンプ8は、上記油圧制御装置6に油圧を供給する。該機械式オイルポンプ7は、トルクコンバータ4と連動するように構成されており、上記エンジン2及びモータ3の駆動力により駆動される。上記電動オイルポンプ8は、エンジン2及びモータ・ジェネレータ3の駆動力とは独立しており、不図示のバッテリから電力供給されるモータ(図示せず)により駆動される。
【0022】
ついで、自動変速機構5について説明する。該自動変速機構5は、図3(a)に示すように、主自動変速機構30、副変速機構40、及びディファレンシャル装置50を備えている。上記主自動変速機構30は、エンジン出力軸に整列して配置される第1軸(以下、「入力軸」と言う)37上に配置されており、エンジン2及びモータ3から、ロックアップクラッチ36を有するトルクコンバータ4を介して上記入力軸37に駆動力が伝達される。該入力軸37には、トルクコンバータ4に隣接する機械式オイルポンプ7及び電動オイルポンプ8、ブレーキ部34、プラネタリギヤユニット部31、及びクラッチ部35が順に配置されている。上記モータ3は、ステータ3bと、該ステータ3bに対して回転するロータ3aと、を備えている。なお、図中の2aは、エンジン2のクランク軸(エンジン出力軸)である。
【0023】
プラネタリギヤユニット部31は、シンプルプラネタリギヤ32とダブルピニオンプラネタリギヤ33から構成されている。該シンプルプラネタリギヤ32は、サンギヤS1、リングギヤR1、及びこれらギヤに噛合するピニオンP1を支持したキャリヤCRからなり、また、該ダブルピニオンプラネタリギヤ33は、サンギヤS2、リングギヤR2、並びにサンギヤS1に噛合するピニオンP2及びリングギヤR2に噛合するピニオンP3を互に噛合するように支持するキャリヤCRからなる。そして、サンギヤS1及びサンギヤS2は、それぞれ入力軸37に回転自在に支持された中空軸に回転自在に支持されている。また、キャリヤCRは、両プラネタリギヤ32,33に共通しており、それぞれサンギヤS1,S2に噛合するピニオンP1及びピニオンP2は一体に回転するように連結されている。
【0024】
ブレーキ部34は、内径側から外径方向に向って順次ワンウェイクラッチF1、ブレーキB1そしてブレーキB2が配設されており、また、カウンタドライブギヤ39はスプラインを介してキャリヤCRに連結している。更に、リングギヤR2にワンウェイクラッチF2が介在しており、該リングギヤR2外周とケースとの間にはブレーキB3が介在している。また、クラッチ部35は、入力クラッチ(係合要素)であるフォワードクラッチ(以下、単に「クラッチ」と言う)C1及びダイレクトクラッチC2を備えており、該クラッチC1は、リングギヤR1外周に介在しており、また該ダイレクトクラッチC2は、不図示の可動部材の内周と中空軸先端に連結されたフランジ部との間に介在している。
【0025】
副変速機構40は、入力軸37に平行に配置された第2軸43に配設されており、これら入力軸37及び第2軸43は、ディファレンシャル軸(左右車軸)45l,45rからなる第3軸と合せて、側面視3角状に構成されている。そして、該副変速機構40は、シンプルプラネタリギヤ41,42を有しており、キャリヤCR3とリングギヤR4が一体に連結すると共に、サンギヤS3,S4同士が一体に連結して、シンプソンタイプのギヤ列を構成している。更に、リングギヤR3がカウンタドリブンギヤ46に連結して入力部を構成し、またキャリヤCR3及びリングギヤR4が出力部となる減速ギヤ47に連結している。更に、リングギヤR3と一体サンギヤS3,S4との間にUDダイレクトクラッチC3が介在し、また一体サンギヤS3(S4)がブレーキB4にて適宜係止し得、かつキャリヤCR4がブレーキB5にて適宜係止し得る。これにより、該副変速機構40は、前進3速の変速段を得られる。
【0026】
また、第3軸を構成するディファレンシャル装置50は、デフケース51を有しており、該ケース51には上記減速ギヤ47と噛合するギヤ52が固定されている。更に、デフケース51の内部にはデフギヤ53及び左右サイドギヤ55,56が互に噛合してかつ回転自在に支持されており、左右サイドギヤから左右車軸45l,45rが延設されている。これにより、ギヤ52からの回転が、負荷トルクに対応して分岐され、左右車軸45l,45rを介して左右の前輪に伝達される。
【0027】
上記クラッチC1,C2及びブレーキB1,B2,B3,B4,B5のそれぞれには、前述の油圧制御装置6によって制御された油圧が供給されることで駆動制御される油圧サーボ(図示せず)が備えられており、該油圧サーボは、それらクラッチやブレーキに隙間を介在させて配設されている複数の内摩擦板と外摩擦板とを押圧するためのピストンを有して、それらクラッチやブレーキの係合状態を自在に操作し得るように構成されている。なお、以下の説明において、クラッチC1の係合直前の状態とは、上記ピストン、内摩擦板及び外摩擦板のそれぞれの間に介在する隙間を詰めている状態で、かつクラッチC1が係合しない状態である。
【0028】
ついで、本自動変速機構5の作動を、図3(b)に示す作動表に沿って説明する。前進1速(1ST)状態では、クラッチC1、ワンウェイクラッチF2及びブレーキB5が係合する。これにより、主変速機構30は、1速となり、その減速回転がカウンタギヤ39,46を介して、副変速機構40におけるリングギヤR3に伝達される。該副変速機構40は、ブレーキB5によりキャリヤCR4が停止されて、1速状態にある。主変速機構30の減速回転は、該副変速機構40により更に減速されて、ギヤ47,52及びディファレンシャル装置50を介して車軸45l,45rに伝達される。
【0029】
前進2速(2ND)状態では、クラッチC1の外、ブレーキB2が係合すると共に、ワンウェイクラッチF2からワンウェイクラッチF1に滑らかに切換わり、主変速機構30は2速状態となる。また、副変速機構40は、ブレーキB5の係合により1速状態にあり、2速状態と1速状態とが相俟って、自動変速機構5全体で2速回転が得られる。
【0030】
前進3速(3RD)状態において、主変速機構30は、クラッチC1、ブレーキB2及びワンウェイクラッチF1が係合した上記2速状態と同様の状態であり、副変速機構40がブレーキB4を係合させる。すると、サンギヤS3,S4が固定され、リングギヤR3からの回転は2速回転としてキャリヤCR3から出力し、従って主変速機構30の2速と副変速機構40の2速とが相俟って、自動変速機構5全体で3速回転が得られる。
【0031】
前進4速(4TH)状態において、主変速機構30は、クラッチC1、ブレーキB2及びワンウェイクラッチF1が係合した上記2速及び3速状態と同様の状態であり、副変速機構40は、ブレーキB4を解放すると共にUDダイレクトクラッチC3を係合させる。この状態では、リングギヤR3とサンギヤS3(S4)とが連結して、両プラネタリギヤ41,42が一体回転する直結回転となる。従って、主変速機構30の2速と副変速機構40の直結(3速)とが相俟って、自動変速機構5全体で、4速回転が得られる。
【0032】
前進5速(5TH)状態では、クラッチC1及びダイレクトクラッチC2が係合して、入力軸37の回転がリングギヤR1及びサンギヤS1に共に伝達されて、主変速機構30は、ギヤユニット31を一体回転させる直結回転となる。また、副変速機構40は、UDダイレクトクラッチC3が係合した直結回転となっており、従って主変速機構30の3速(直結)と副変速機構40の3速(直結)とが相俟って、自動変速機構5全体で5速回転が得られる。
【0033】
後進(REV)状態では、ダイレクトクラッチC2及びブレーキB3が係合すると共に、ブレーキB5が係合する。この状態において、主変速機構30では後進回転が取り出され、また副変速機構40では、ブレーキB5に基づきキャリヤCR4が逆回転方向にも停止され、1速状態に保持される。従って、主変速機構30の逆転と副変速機構40の1速回転とが相俟って、逆転減速回転が得られる。
【0034】
なお、図3(b)において、〇印は係合状態を示し、三角印はエンジンブレーキ時に作動することを示す。即ち、前進1速段にあっては、ブレーキB3が係合して、ワンウェイクラッチF2に代ってリングギヤR2を固定する。前進2速、3速、4速段にあっては、ブレーキB1が係合して、ワンウェイクラッチF1に代ってサンギヤS2を固定する。
【0035】
次に、本発明に係る車輌の制御装置について図1に沿って説明する。図1は本発明に係る実施形態におけるハイブリッド車輌の制御装置を示すブロック図である。図1に示すように、本制御装置は、制御部(ECU)Uを備えており、該制御部Uには、エンジン(E/G)2、モータ・ジェネレータ(M/G)3(図2参照)、及び自動変速機構5等が接続されている。また制御部Uには、自動変速機10の出力軸である前記車軸45l,45r上に設けられて車輌の走行速度を検知する車速センサ(出力軸回転数センサ)19、不図示のアクセルペダルの踏込み量に応じたエンジン2側のアクセル開度を検知するアクセル開度センサ20、及び、エンジン2に設けられて該エンジン2の回転数を検知するエンジン回転数センサ21等が接続されている。
【0036】
なお、上記エンジン2には、そのクランク軸の回転数などに基づいて出力トルクとイナーシャトルクとを含めて所定のトルク信号として出力する不図示のコンピュータが設けられており、上記モータ3には、これに通電される電流値などに基づいて出力トルクとイナーシャトルクとを含めて所定のトルク信号として出力する不図示のコンピュータが設けられている。
【0037】
そして、前記制御部Uは、エンジン制御手段11、モータ制御手段12、トルク制御手段13、入力トルク算出手段14、車速検出手段15、アクセル開度検出手段16、エンジン回転数検出手段17、及び変速制御手段18を備えている。
【0038】
エンジン制御手段11は、車速センサ19の検知結果に基づき車速検出手段15で検出された車速や、不図示のブレーキセンサの検知結果に基づき検出されたブレーキ作動状態などに基づくエンジン2の停止制御、エンジン2の完爆判定、或いは、エンジン2の点火制御など、エンジン2の駆動に関する各種制御を実行する。上記点火制御において、エンジン制御手段11は、車速センサ19の検知結果に基づき車速0[km/h]付近になったことを検出した時点でインジェクションをOFFにしてエンジン2の駆動を停止させ、またモータ3のみの回転駆動にて走行開始した後、アクセル開度が所定値以上でかつエンジン回転数が所定値以上になったとき、インジェクションをONにして点火し、エンジン2を回転駆動するように制御する。
【0039】
モータ制御手段12は、モータ・ジェネレータ3による始動制御、停止制御及びアシスト制御を含む走行駆動制御と、モータ・ジェネレータ3に負トルクを発生させ発電する発電制御と、車輪からの駆動力を回生する回生制御とを実行するもので、車速検出手段15で検出される車速、及びアクセル開度検出手段16で検出されるアクセル開度、或いは不図示のブレーキ検出手段で検出されるドライバの減速意図、変速制御手段18からの指令、及び入力トルク算出手段14からのトルク算出データなどの諸条件に基づき、モータ・ジェネレータ3の駆動を適時制御する。そして、モータ制御手段12は、後述するエンジン回転数制御において、トルク制御手段13からの指令に応答して、後述するモータトルク指令値に沿うようにモータ3を駆動制御する。
【0040】
トルク制御手段13は、図6に示すように、エンジン回転数が許容最高回転数N3を超えることなく速度制御開始回転数N1から変速開始回転数N2へ到達し得るようにモータ3の出力トルクを制御する機能を有している。従って、該トルク制御手段13はモータ制御手段12とによって、エンジン2の回転数が速度制御開始回転数N1に達したとき、該速度制御開始回転数N1から、該回転数N1より高くかつエンジン2の許容最高回転数N3より低い予め定められた変速開始回転数N2へ、エンジン回転数が許容最高回転数N3を超えることなく到達し得るように、予め定められた回転数変化となるようにモータ3の出力トルクを制御する、本発明におけるモータ駆動制御手段を構成している。
【0041】
入力トルク算出手段14は、エンジン2からの出力トルクとイナーシャトルクとを含めた所定のトルク信号を受けて、エンジン2の出力トルクとイナーシャトルクとを算出すると共に、モータ3からの所定のトルク信号を受けて、該モータ3の出力トルクとイナーシャトルクとを算出してトルク制御手段13に出力する。該入力トルク算出手段14は、後述する変速制御手段18の変速制御中に、エンジン回転数検出手段17で検出されるエンジン回転数に基づき、エンジンクランク軸2aやトルクコンバータ4などのイナーシャトルクを算出し、該算出したイナーシャトルクと、予め算出したエンジン2及びモータ3の出力トルク及びイナーシャトルクとを合計した合計トルクを算出し、エンジン制御手段11及びモータ制御手段12に出力する。
【0042】
車速検出手段15は、車速センサ19からの検出結果に基づき、本制御装置が搭載されたハイブリッド車輌の走行速度(車速)を検出して、エンジン制御手段11、モータ制御手段12及びトルク制御手段13に出力する。
【0043】
アクセル開度検出手段16は、アクセル開度センサ20からの検知結果に基づき、アクセルペダル(図示せず)の踏込み量に応じたアクセル開度を検出してエンジン制御手段11、モータ制御手段12及びトルク制御手段13に出力する。
【0044】
エンジン回転数検出手段17は、エンジン回転数センサ21からの検知結果に基づき、エンジン回転数Neを検出してエンジン制御手段11、モータ制御手段12及びトルク制御手段13に出力する。
【0045】
変速制御手段18は、自動変速機構5に備えた複数の摩擦係合要素であるクラッチやブレーキの係合、解放による掴み替えの制御を、車速検出手段15にて検出される車速やアクセル開度検出手段16にて検出されるアクセル開度等に基づいて行い、自動変速機構5による各種の変速制御を実行する。また、該変速制御手段18は、自動変速機構5における入力軸37及び車軸(出力軸)45l,45rの回転数に基づき、ギヤ比(入出力回転数比)を検出し、該ギヤ比の変化に基づき、実際の変速開始及び実際の変速終了を判定する。
【0046】
ついで、本発明に係るハイブリッド車輌の制御装置による作用について、図1,図4ないし図7に沿って説明する。図4は、本実施の形態におけるエンジン回転数制御のメインルーチンを示すフローチャート、図5は、該メインルーチンにおけるモータ制御のサブルーチンを示すフローチャート、図6は、エンジン回転数とモータトルクとの時間的変化を示すタイムチャート、図7は、モータ制御手段12の目標回転数マップに格納された回転数上昇率に関するデータを示すグラフである。
【0047】
まず、本制御装置を搭載した車輌の停止状態において、イグニッションスイッチ(図示せず)がONされ、運転席に設けられたシフトレバー(図示せず)が走行レンジに操作されると、モータ制御手段12が制御を開始する。そして、アクセルペダルの踏み込みに応じて、モータ3が回転駆動されて走行が開始され、その後、所定のタイミングでエンジン制御手段11がエンジン2を始動させると共にモータ制御手段12がモータ駆動を停止させ、この状態で走行が継続される。
【0048】
上記走行中、例えば、アクセルペダルがドライバにより強く踏み込まれることでエンジン最大出力要求によるパワーオンアップシフトが行われようとする場合、時刻t0からエンジン回転数Neが徐々に上昇しかつモータトルクTmがこれに対応して徐々に下降している図6に示す状況にあって、トルク制御手段13は、まず、変速制御手段10の制御による自動変速機構5の変速中か否かを判定する(ステップS1)。その結果、変速中でなければステップS2に進み、そうでなければエンジン回転数制御を終了する。
【0049】
そして、ステップS2では、エンジン回転数検出手段17によって検出された現在のエンジン回転数Neが速度制御開始回転数N1(図6参照)より大きいか否か、つまり、エンジン回転数Neが速度制御開始回転数N1に達したか否かを判定し、該速度制御開始回転数N1に達したと判定した場合には、ステップS3に進んで、オーバーレブを回避するためのモータ制御を開始する。一方、上記ステップS2で、エンジン回転数Neが速度制御開始回転数N1以下であれば、処理を終了する。
【0050】
上記ステップS3におけるモータ制御では、まずステップS10において、モータ制御手段12が、目標回転数マップから読み出した図7に示すデータに基づき、モータ3の目標回転数を算出して、ステップS11に進む。上記データは、オーバーレブを回避するモータ制御を開始すべき回転数(モータ制御開始回転数)N1を超えた際の制御継続時間と、変速開始回転数N2までのモータ目標回転数とが予め算出、設定されてマップに格納されたものである。
【0051】
上記ステップS11では、トルク制御手段13が、モータ速度制御で必要となる、図7の線に沿ってエンジン回転数を上記変速開始回転数N2に導くためのモータトルク指令値を算出し、その後、ステップS12にて、算出した該モータトルク指令値が0より小さいか否かを判定する。その結果、該モータトルク指令値が0より小さければステップS14にジャンプし、そうでなければステップS13に進んで、モータトルク指令値を0に設定する。
【0052】
引き続き、上記ステップS14において、モータ制御手段12が、上記ステップS11にて算出したモータトルク指令値をトルク制御手段13から受けて、モータ3を該モータトルク指令値に沿うように駆動制御する。即ち、トルク制御手段13がモータ制御手段12を介して、道路勾配や乗車人数等の関係から許容最高回転数を超える可能性があり図6のNe1に移行しようとするエンジン回転数Neを、破線で示す出力トルクTm1’のようにではなく、モータトルク指令値に沿うようなトルクTm1を時刻t1からモータ3に出力させることで、許容最高回転数N3を超えないようにフィードバックしつつ抑制し、速度制御開始回転数N1から変速開始回転数N2まで実線Ne2で示すように回転数制御する。
【0053】
次いで、上記ステップS15において、変速開始回転数N2をエンジン回転数Neが超えたか否かを判定する。その結果、エンジン回転数Neが変速開始回転数N2を超えた場合、直ちに変速制御手段18に対して変速開始の要求指令を出力する(ステップS16)ので、自動変速機構5による変速が、図6に示す変速開始点t2で開始される。これにより、エンジン回転数Ne2が該変速でアップシフトされたことで一旦低下した後、所定時間後の時刻t3から再び上昇する。一方、上記ステップS15において、エンジン回転数Neが変速開始回転数N2を超えない場合には、そのまま処理を終了する。
【0054】
以上のように本実施の形態によると、モータ駆動制御手段(12,13)が、エンジン2の回転数が速度制御開始回転数N1に達したとき、該速度制御開始回転数N1から、該開始回転数N1より高くかつエンジン2の許容最高回転数N3より低い予め定められた変速開始回転数N2へ、エンジン回転数が許容最高回転数N3を超えることなく到達し得るように、予め定められた回転数変化となるようにモータ3の出力トルクを制御するので、走行条件が変動してエンジン回転数が許容最高回転数N3を超えそうになるような場合に、モータトルクの作用によってエンジン3を変速開始回転数N2に向けて的確に回転駆動させることができる。
【0055】
<第2の実施の形態>
ついで、本発明に係る第2の実施の形態について、図8ないし図12に沿って説明する。図8は、本実施の形態におけるエンジン回転数制御のメインルーチンを示すフローチャート、図9は、該メインルーチンにおけるモータ制御のサブルーチンを示すフローチャート、図10は、該メインルーチンにおける変速点前出し量演算処理を示すフローチャートである。なお、本実施の形態における制御系は、トルク制御手段13の機能にやや相違はあるものの、他の構成要素は第1の実施形態における図1の構成と略々同様であるので、本第2の実施形態では図1を併用して説明を進めることとする。
【0056】
すなわち、本実施の形態における制御部Uでは、トルク制御手段13が、図11に示すように、予め設定された速度前出し速度回転数N4(つまり、速度前出し速度演算点t4)にエンジン回転数が達したとき、この時点でのエンジン2の加速度変化に基づき、該速度前出し速度回転数N4より高くかつ許容最高回転数(オーバーレブ回転数)N3より低い変速開始回転数N2を算出する変速開始回転数算出手段として機能する。また、トルク制御手段13は、エンジン回転数が許容最高回転数N3を超えることなく速度前出し速度回転数N4から変速開始回転数N2へ到達し得るようにモータ3の出力トルクを制御する機能を有しており、従って、該トルク制御手段13はモータ制御手段12と共に、本発明におけるモータ駆動制御手段を構成している。該トルク制御手段13は、エンジン2の加速度に応じた変速前出し量を予め格納したマップを有し、該マップから読み出した変速前出し量等に基づき、基本変速回転数から前出し量を減算し上記変速開始回転数N2と共に、変速点(変速開始点t2)を算出する。なお、本実施の形態では、エンジン2の加速度変化に代えて、車輌の加速度変化を用いることによっても、上記変速開始回転数N2及び変速開始点t2を算出することが可能である。
【0057】
上記構成を有する本実施の形態における制御装置によると、ハイブリッド車輌の走行中、アクセルペダルが強く踏み込まれてエンジン最大出力要求によるパワーオンアップシフトが行われようとする際、図11に示すようにエンジン回転数Neが徐々に上昇しかつモータトルクTmがこれに対応して徐々に下降する状況にあって、トルク制御手段13は、変速制御手段10による自動変速機構5の変速中か否かを判定する(ステップS20)。その結果、変速中であればステップS21に進んで、変速前出し演算終了フラグをOFFにした後、処理を終了し、そうでなければステップS22に進む。
【0058】
上記ステップS22では、エンジン回転数Neが速度前出し速度回転数N4より大きいか否かを判定する。その結果、エンジン回転数Neが変速前出し速度回転数N4より大きい場合にはステップS23に進み、そうでなければ処理を終了する。
【0059】
上記ステップS23では、変速前出し演算終了フラグがONされているか否かを判定し、その結果、ONしていればステップS24に進んでモータ制御を実行し、そうでなければ、ステップS25に進んで変速点前出し量演算処理を実行する。
【0060】
上記ステップS24におけるモータ制御では、図9に示すように、まずステップS35において目標回転数を算出する。該目標回転数の算出では、マップから読み出した対応線図(図12参照)に基づき、変速前出し量算出時のエンジン加速度Δy/Δxが変化しないように一定に維持するため(許容最高回転数N3を超えないようにするため)のモータ3の目標回転数を算出し、ステップS36に進む。
【0061】
上記ステップS36では、トルク制御手段13が、モータ速度制御で必要となる、エンジン回転数を図12の線に沿って上記変速開始回転数N2に導くために必要となるモータトルク指令値を算出して、ステップS37に進む。更に、該ステップS37では、モータトルク指令値が0より小さいか否かを判定し、その結果、モータトルク指令値が0より小さい場合には処理を終了し、0以上の場合には、モータトルク指令値を0に設定した後、処理を終了する。
【0062】
一方、前記ステップS23にて変速前出し演算終了フラグがONしていないと判定して進んだステップS25では、変速点前出し量演算処理を実行する。図10に示すように、該変速点前出し量演算処理では、まずステップS30にて、トルク制御手段13が、車速センサ19やエンジン回転数センサ21等の検知結果に基づいて現在の(つまり、変速前出し量算出時における)エンジン加速度Δy/Δxを算出した後、ステップS31にて、変速前出し量を算出する。該変速前出し量の算出では、トルク制御手段13が、エンジン回転数検出手段17にて検出されたエンジン回転数が速度前出し速度回転数N4に達したと判定した時点で、上記ステップS30で算出したエンジン加速度Δy/Δxであればエンジン回転数が何rpmのときに変速開始要求を出力すべきか、によって変速開始点t2を演算する。なおこの場合、送信処理等の変速開始遅れも考慮する。その後、ステップS32にて変速前出し演算終了フラグをONして、処理を終了する。
【0063】
以上のように第2の実施形態によると、前述した第1の実施形態と略々同様の効果が得られると共に、トルク制御手段13が速度前出し速度回転数N4に達した時点で算出したエンジン2又は車輌の加速度に基づいて変速開始回転数N2を算出することにより、単位時間当たりのエンジン回転速度や車速の変化を検出することで変速開始回転数N2を的確に算出できるという効果も得ることができる。
【0064】
また、本第2の実施形態によると、トルク制御手段13が、速度前出し速度回転数N4に達した際のエンジン加速度又は車輌加速度に基づいて変速開始回転数N2を算出するので、上記速度前出し速度回転数N4に至るエンジン回転数の上昇状況を把握すること等により、変速開始回転数N2を的確に算出することができる。更に、エンジン回転数センサ21及びトルク制御手段13が、変速開始回転数N2の算出後におけるエンジン2の過剰な回転数を抑え得るトルクを出力するようにモータ3を制御するので、例えば、降坂路に差し掛かったことで変速開始回転数N2の算出後に走行条件が変動した場合であっても、エンジン2を変速開始回転数N2に向けて的確に回転駆動させることができる。
【0065】
なお、上記第1及び第2の実施形態の構成に限らず、例えば、エンジンクランク軸2aに直結されたロータ3aを有するモータ3を備えた構成を活用して、トルク制御手段13が、エンジン回転数が所定の回転数に達した際に、この時点で算出した変速開始回転数となるようにモータ3を駆動制御するように構成することもできる。この場合、変速開始回転数に向かうための回転指令をモータ3に出力するだけで、走行条件等の変動に拘らず、エンジン回転数を変速開始回転数に確実に到達させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態におけるハイブリッド車輌の制御装置を示すブロック図。
【図2】ハイブリッド車輌の駆動系を示すブロック模式図。
【図3】本発明を適用し得る自動変速機構の詳細を示す図で、(a)は該自動変速機構のスケルトン図、(b)はその作動表である。
【図4】第1の実施形態におけるエンジン回転数制御のメインルーチンを示すフローチャート。
【図5】図4のメインルーチンにおけるモータ制御のサブルーチンを示すフローチャート。
【図6】第1の実施形態におけるエンジン回転数とモータトルクとの時間的変化を示すタイムチャート。
【図7】第1の実施形態における目標回転数マップに格納された回転数上昇率に関するデータを示すグラフ。
【図8】本発明に係る第2の実施形態におけるエンジン回転数制御のメインルーチンを示すフローチャート。
【図9】図8のメインルーチンにおけるモータ制御のサブルーチンを示すフローチャート。
【図10】図8のメインルーチンにおける変速点前出し量演算処理を示すフローチャート。
【図11】第2の実施形態におけるエンジン回転数とモータトルクとの時間的変化を示すタイムチャート。
【図12】第2の実施形態における変速用マップに格納された回転数上昇パターンのデータを示すグラフ。
【符号の説明】
2 エンジン
3 モータ
10 自動変速機
11 エンジン制御手段
12 モータ駆動制御手段(モータ制御手段)
13 変速開始回転数算出手段、モータ駆動制御手段(トルク制御手段)
N1 速度制御開始回転数
N2 変速開始回転数
N3 許容最高回転数(オーバーレブ回転数)
N4 速度前出し速度回転数
Ne エンジン回転数
t2 変速開始点
Tm,Tm1 モータトルク
Claims (5)
- エンジンと駆動連結されるモータと、これらエンジン及びモータの出力トルクを変速して駆動車輪に伝達する自動変速機と、を備えた車輌の制御装置において、
前記エンジンの回転数が変速開始回転数を超えた場合に出力される変速開始の要求指令に基づいて前記自動変速機の変速を開始する変速制御手段と、
前記変速制御手段による変速開始に先立ち、前記エンジンの回転数が速度制御開始回転数に達したとき、該速度制御開始回転数から、該速度制御開始回転数より高くかつ前記エンジンの許容最高回転数より低い予め定められた前記変速開始回転数へ、前記エンジン回転数が前記許容最高回転数を超えることなく到達し得るように、予め定められた回転数変化となるように前記モータの出力トルクを制御するモータ駆動制御手段と、を備えてなる、
ことを特徴とする車輌の制御装置。 - 前記モータ駆動制御手段は、目標回転数マップに格納された回転数上昇率に関するデータを用いて前記モータの出力トルクを制御してなる、
請求項1記載の車輌の制御装置。 - エンジンと駆動連結されるモータと、これらエンジン及びモータの出力トルクを変速して駆動車輪に伝達する自動変速機と、を備えた車輌の制御装置において、
前記エンジンの回転数が変速開始回転数を超えた場合に出力される変速開始の要求指令に基づいて前記自動変速機の変速を開始する変速制御手段と、
前記変速制御手段による変速開始に先立ち、前記エンジンの回転数が速度前出し速度回転数に達したとき、該速度前出し速度回転数より高くかつ前記エンジンの許容最高回転数より低い前記変速開始回転数を算出する変速開始回転数算出手段と、
前記変速制御手段による変速開始に先立ち、前記エンジン回転数が前記許容最高回転数を超えることなく前記速度前出し速度回転数から前記変速開始回転数へ到達し得るように前記モータの出力トルクを制御するモータ駆動制御手段と、を備えてなる、
ことを特徴とする車輌の制御装置。 - 前記変速開始回転数算出手段は、前記速度前出し速度回転数に達した時点で算出した前記エンジン又は前記車輌の加速度に基づいて前記変速開始回転数を算出してなる、
請求項3記載の車輌の制御装置。 - 前記モータ駆動制御手段は、前記変速開始回転数の算出後における前記エンジンの過剰な回転数を抑え得るように前記モータを速度制御してなる、
請求項3又は4記載の車輌の制御装置。
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