JP2009001125A - ハイブリッド駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊星機構の出力要素から出力されるトルクを増幅することの可能なハイブリッド駆動装置を提供する。
【解決手段】入力要素14および反力要素11および出力要素12,29を有する第1の遊星機構9と、入力要素14に連結されたエンジン2と、反力要素11に連結されたモータ3とを有するハイブリッド駆動装置において、第1の回転部材19と第2の回転部材20との間で流体の運動エネルギにより動力伝達がおこなわれ、かつ、伝達されるトルクを増幅することの可能なトルクコンバータ18が設けられており、エンジン2が第1の回転部材19に動力伝達可能に接続されており、第2の回転部材20が出力要素12,29に動力伝達可能に接続されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、遊星機構の回転要素にエンジンおよびモータが接続されたハイブリッド駆動装置に関するものである。
従来、車両、産業機械、工作機械などにおいて、エンジンおよびモータを動力源として用いるとともに、そのエンジンおよびモータを遊星機構に接続したハイブリッド駆動装置が知られており、そのハイブリッド駆動装置の一例が、特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載されているハイブリッド駆動装置は、車両用のハイブリッド駆動装置であり、エンジンおよびモータ・ジェネレータが遊星歯車機構に連結されている。具体的には、遊星歯車機構はダブルピニオン型遊星歯車機構であり、遊星歯車機構はサンギヤと、リングギヤと、キャリヤとを回転要素とする構成のものである。そして、前記キャリヤにエンジンのクランクシャフトが連結され、前記サンギヤにモータ・ジェネレータが連結されている。また、前記サンギヤと前記キャリヤとを連結するクラッチが設けられ、前記キャリヤを選択的に固定する第1ブレーキが設けられ、前記リングギヤを選択的に固定する第2ブレーキが設けられている。上記リングギヤは、前記遊星歯車機構の出力要素となっており、そのリングギヤが、変速機の入力軸に連結されている。この変速機の一例として、ベルト式の無段変速機が記載されている。
上記の特許文献1に記載されたハイブリッド車においては、エンジン始動モードが選択されると、前記第2ブレーキが係合されて前記リングギヤが固定され、前記クラッチおよび前記第1ブレーキが解放される。この状態でモータ・ジェネレータを駆動すると、前記エンジンが回転させられて、燃料の供給により前記エンジンが始動する。また、モータモードが選択された場合は、前記第1ブレーキが係合され、前記第2ブレーキおよび前記クラッチが共に解放される。この状態で前記モータ・ジェネレータを駆動すると、前記キャリヤが反力要素となり、前記モータ・ジェネレータのトルクが、前記リングギヤを経由して前記変速機に伝達される。さらに、エンジン・モータモードが選択された場合は、前記クラッチが係合され、かつ、第1ブレーキおよび第2ブレーキが解放される。この状態でエンジンおよびモータ・ジェネレータを同速度で回転させる。すると、前記エンジンおよびモータ・ジェネレータの出力トルクが合成されて、前記リングギヤから前記変速機に伝達されて、大きい駆動力を得ることができるとされている。
特開2000−92611号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載されているハイブリッド駆動装置において、前記車両の駆動力を高める場合、前記遊星歯車機構のリングギヤを経由して前記変速機に伝達されるトルクを一層増幅する必要があった。
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、遊星機構の出力要素から出力されるトルクを増幅することの可能なハイブリッド駆動装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、入力要素および反力要素および出力要素を有する第1の遊星機構と、前記入力要素に連結されたエンジンと、前記反力要素に連結されたモータとを有するハイブリッド駆動装置において、第1の回転部材と第2の回転部材との間で流体の運動エネルギにより動力伝達がおこなわれ、かつ、伝達されるトルクを増幅することの可能なトルクコンバータが設けられており、前記エンジンまたは前記モータのいずれか一方が、前記第1の回転部材に動力伝達可能に接続されており、前記第2の回転部材が前記出力要素に動力伝達可能に接続されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記モータに、前記反力要素および前記第1の回転部材が並列に動力伝達可能に接続されていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路、または前記第2の回転部材と前記出力要素との間の動力伝達経路の少なくとも一方に、トルク容量を制御可能なクラッチが配置されていることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、前記第1の遊星機構の他に第2の遊星機構が設けられており、この第2の遊星機構は、入力要素および反力要素および出力要素を有しており、前記エンジンが、前記第2の遊星機構の入力要素を介して前記第1の遊星機構の入力要素に連結され、前記第1の遊星機構の出力要素が前記第2の遊星機構の出力要素に連結されており、前記第2の遊星機構の反力要素に制動力を与えるブレーキが設けられていることを特徴とするものである。
前記第2の遊星機構の反力要素に制動力を与えるブレーキが設けられていることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1ないし4の構成に加えて、前記第1の遊星機構の出力要素から車両の車輪に至る動力伝達経路に、前記第1の遊星機構の出力要素の回転方向に対して、前記車輪の回転方向を正逆に切り換える前後進切換装置が設けられていることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項2ないし5の構成に加えて、前記第1の遊星機構は、同軸上に配置された第1サンギヤおよび第1リングギヤと、前記第1サンギヤに噛合された第1ピニオンギヤと、前記第1リングギヤおよび第1ピニオンギヤに噛合された第2ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤおよび第2ピニオンギヤを自転可能、かつ、公転可能に支持する第1キャリヤとを有するダブルピニオン型の遊星歯車機構で構成されており、前記第1リングギヤが前記入力要素であり、前記第1サンギヤが前記反力要素であり、前記第1キャリヤが前記出力要素であることを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項1の構成に加えて、前記エンジンが前記入力要素を介して前記第1の回転部材に動力伝達可能に接続されていることを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項7の構成に加えて、前記入力要素から前記第1の回転部材に至る動力伝達経路に、トルク容量を制御可能なクラッチが設けられていることを特徴とするものである。
請求項9の発明は、請求項7または8の構成に加えて、前記第1の遊星機構は、同軸上に配置された第2サンギヤおよび第2リングギヤと、前記第2サンギヤおよび前記第2リングギヤに噛合された第3ピニオンギヤを自転かつ、公転可能に支持する第2キャリヤとを有するシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されており、前記第2キャリヤが前記入力要素であり、前記第2サンギヤが前記反力要素であり、前記第2リングギヤが出力要素であるとともに、前記エンジンから前記第2キャリヤに至る動力伝達経路に、トルク容量を制御可能な入力クラッチが配置されていることを特徴とするものである。
請求項10の発明は、請求項7または8の構成に加えて、前記第1の遊星機構は、同軸上に配置された第3サンギヤおよび第3リングギヤと、前記第3サンギヤおよび前記第3リングギヤに噛合された第4ピニオンギヤを自転かつ、公転可能に支持する第3キャリヤとを有するシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されており、前記第3サンギヤが前記入力要素であり、前記第3リングギヤが前記反力要素であり、前記第3キャリヤが出力要素であるとともに、前記エンジンから前記第3サンギヤに至る動力伝達経路に、トルク容量を制御可能な入力クラッチが配置されていることを特徴とするものである。
請求項11の発明は、請求項7または8の構成に加えて、前記第1の遊星機構は、同軸上に配置された第4サンギヤおよび第4リングギヤと、前記第4サンギヤおよび前記第4リングギヤに噛合された第5ピニオンギヤを自転かつ、公転可能に支持する第4キャリヤとを有するシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されており、前記第4サンギヤが第1入力要素であり、前記第4キャリヤが第1反力要素であり、前記第4リングギヤが第1出力要素であるとともに、前記第1の遊星機構の他に第2の遊星機構が設けられており、この第2の遊星機構は、同軸上に配置された第5サンギヤおよび第5リングギヤと、前記第5サンギヤおよび前記第5リングギヤに噛合された第6ピニオンギヤを自転可能に支持する第5キャリヤとを有するシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されており、前記第5リングギヤが第2入力要素であり、前記第5キャリヤが第2反力要素であり、前記第5サンギヤが第2出力要素であるとともに、前記第4リングギヤと前記第5リングギヤとが一体回転するように連結され、前記エンジンから前記第4サンギヤに至る動力伝達経路に、トルク容量を制御可能な入力クラッチが配置されているとともに、前記モータ・ジェネレータが前記第4キャリヤに連結され、前記第5キャリヤが公転不可能に固定され、前記第5サンギヤが前記第1の回転部材に動力伝達可能に接続されており、前記第2の回転部材が前記第2出力要素に動力伝達可能に接続されていることを特徴とするものである。
請求項12の発明は、請求項3の構成に加えて、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路に設けられたクラッチと、前記第1の回転部材と第2の回転部材との間で摩擦力により動力伝達をおこなわせるロックアップクラッチとを有し、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路に設けられたクラッチの伝達トルクを低下させ、かつ、前記ロックアップクラッチの伝達トルクを高める第1の制御手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項13の発明は、請求項3または7または8または9または10または11の構成に加えて、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路に前記クラッチが設けられ、前記出力要素から出力されたトルクが車両の車輪に伝達されるように構成されており、前記車両を発進させる場合、または車両が加速する場合に、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路に設けられたクラッチの伝達トルクを高める第2の制御手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項14の発明は、請求項3または7または8または9または10または11の構成に加えて、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路に前記クラッチが設けられ、前記出力要素から出力されたトルクが車両の車輪に伝達されるように構成されており、前記車両が低速で走行する場合、または車両が緩やかに加速する場合に、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路に設けられたクラッチの伝達トルクを低下させる第3の制御手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項15の発明は、請求項3または7または8または9または10または11の構成に加えて、前記第1の回転部材と第2の回転部材との間で摩擦力により動力伝達をおこなわせるロックアップクラッチとを有し、前記出力要素から出力されたトルクが車両の車輪に伝達されるように構成されており、前記車両が、予め定められた中車速、または中車速よりも高速の高車速で走行し、かつ、一定車速で走行する場合に、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路、または前記第2の回転部材と前記出力要素との間の動力伝達経路の少なくとも一方に設けられたクラッチの伝達トルクを全て高めるとともに、前記ロックアップクラッチの伝達トルクを高める制御をおこなう第4の制御手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項16の発明は、請求項3または7または8または9または10または11の構成に加えて、前記モータが、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行制御と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生制御とを切り換えておこなうことの可能なモータ・ジェネレータであり、前記モータ・ジェネレータで回生制御をおこなってエンジントルクの反力を受け持つ場合に、前記モータ・ジェネレータで発生した電力が充電される蓄電装置を有しており、前記蓄電装置の充電量が、予め定められた値以上である場合は、前記モータ・ジェネレータを逆回転させ、かつ、力行制御させて前記エンジントルクの反力を受け持たせる制御をおこなう第5の制御手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項17の発明は、請求項3または7または8または9にまたは10または11の構成に加えて、前記エンジンから前記入力要素に至る動力伝達経路に設けられた入力クラッチと、前記第1の回転部材と第2の回転部材との間で摩擦力により動力伝達をおこなうロックアップクラッチとが設けられており、この入力クラッチの伝達トルクを低下させ、かつ、前記ロックアップクラッチの伝達トルクを低下させ、かつ、モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路、または前記第2の回転部材と前記出力要素との間の動力伝達経路の少なくとも一方に設けられた全てのクラッチのトルク容量を高めるとともに、前記モータのトルクを前記第1の回転部材を経由させて前記出力要素に伝達する第6の制御手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項18の発明は、請求項3または9または10または11の構成に加えて、前記エンジンから前記入力要素に至る動力伝達経路に設けられた入力クラッチと、前記第1の回転部材と第2の回転部材との間で摩擦力により動力伝達をおこなうロックアップクラッチとが設けられており、前記入力クラッチの伝達トルクを低下させ、かつ、前記ロックアップクラッチの伝達トルクを高め、かつ、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路、または前記第2の回転部材と前記出力要素との間の動力伝達経路の少なくとも一方に設けられた全てのクラッチのトルク容量を高める第7の制御手段と、前記モータのトルクを前記第1の回転部材を経由させて前記出力要素に伝達することにより、車両の駆動力を発生させる第1のモータ制御、または前記車両が惰力走行する場合に、前記車両が惰力走行する場合の運動エネルギを前記モータに伝達し、かつ、そのモータで発電する第2のモータ制御のうち、何れか一方のモータ制御を選択する第8の制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、エンジンから出力されたトルクが、第1の遊星機構の入力要素に伝達され、モータにより反力が受け持たれ、前記第1の遊星機構の出力要素からトルクが出力される。また、前記モータの回転数を制御することにより、前記第1の遊星機構の入力要素と出力要素との間の変速比を無段階に制御できる。例えば、前記第1の遊星機構にエンジントルクが伝達されて、前記第1の遊星機構の変速比が「1」よりも大きい場合は、てこの原理でトルクが増幅されて出力要素から出力される。また、前記モータが前記第1の回転部材に接続されている場合、トルクコンバータにおける流体の粘性抵抗による引き摺りトルクが発生し、前記反力要素で受け持たれる反力トルクが大きくなる。したがって、前記エンジンから前記出力要素に伝達されるトルクが一層増幅される。これに対して、前記エンジン前記第1の回転部材に接続されている場合、前記エンジントルクが前記トルクコンバータで増幅されて、前記第1の遊星機構の出力要素に伝達される。したがって、前記エンジンから前記出力要素に伝達されるトルクが一層増幅される。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、前記モータが、前記第1の遊星機構の反力要素に接続されるとともに、このモータは、前記反力要素と並列に配置されたトルクコンバータを経由して、前記第1の遊星機構の出力要素に接続される。したがって、前記モータが反力を受け持つ場合に、前記トルクコンバータにおける流体の粘性抵抗による引き摺りトルクが発生し、前記反力要素で受け持たれる反力トルクが大きくなる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路、または前記第2の回転部材と前記出力要素との間の動力伝達経路の少なくとも一方に設けられたクラッチのトルク容量を制御することが可能である。
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、共線図上で、モータと第2の遊星機構の反力要素との間に、前記第2の遊星機構の出力要素が配置される。したがって、モータを駆動させ、その反力トルクを第2の遊星機構の反力要素で受け持ち、第2の遊星機構の出力要素からトルクを増幅して出力することができる。
請求項5の発明によれば、請求項1ないし4のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、前記エンジントルクを、前記第1の遊星機構の出力要素に伝達するとともに、前後進切換装置を制御することにより、車両の車輪の回転方向を正逆に切り換えることが可能である。
請求項6の発明によれば請求項1ないし5のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、エンジントルクが第1リングギヤに入力され、かつ、第1サンギヤに接続されたモータにより反力トルクが受け持たれ、第1キャリヤからトルクが出力される。
請求項7の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、前記エンジンが、前記第1の遊星機構の入力要素に接続されるとともに、このエンジントルクは、出力要素と並列に配置されたトルクコンバータを経由して、出力要素に伝達される。したがって、前記エンジントルクは、トルクコンバータで増幅されて出力要素に伝達される。
請求項8の発明によれば、請求項7の発明と同様の効果を得られる。
請求項9の発明によれば、請求項7または8の発明と同様の効果を得られる他に、エンジントルクが第2キャリヤに入力されると、第2サンギヤおよびモータで反力が受け持たれ、第2リングギヤからトルクが出力される。また、前記エンジンから前記第2キャリヤに入力された動力の一部は、前記トルクコンバータを経由して第2リングギヤに伝達される。ここで、トルクコンバータを経由するエンジントルクが増幅される。
請求項10の発明によれば、請求項7または8の発明と同様の効果を得られる他に、エンジントルクが第2サンギヤに入力されると、モータで反力が受け持たれ、第2キャリヤからトルクが出力される。また、前記エンジンから前記第2サンギヤに入力された動力の一部は、前記トルクコンバータを経由して第2リングギヤに伝達される。ここで、トルクコンバータを経由するエンジントルクが増幅される。
請求項11の発明によれば、請求項7または8の発明と同様の効果を得られる他に、エンジントルクが第4サンギヤに入力されると、モータで反力が受け持たれ、第4リングギヤから出力される。この第4リングギヤと第5リングギヤとが一体回転し、第5リングギヤにトルクが伝達されると、第5キャリヤで反力が受け持たれて、第6サンギヤからトルクが出力される。一方、前記第4サンギヤに伝達されたエンジンの動力の一部は、トルクコンバータの第1回転部材に伝達され、第1回転部材から第2回転部材に伝達されるトルクが増幅される。さらに、第2回転部材のトルクが第5サンギヤに伝達される。
請求項12の発明によれば、請求項3の発明と同様にして、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路に設けられたクラッチのトルク容量を制御できる他に、前記クラッチの伝達トルクが低下されている場合に、前記モータのトルクが前記クラッチを経由して第1の回転部材に伝達された場合でも、前記第1の回転部材と第2の回転部材とに回転数差が生じることはなく、前記トルクコンバータでの動力損失を低減できる。
請求項13の発明によれば、請求項3または7または8または9または10または11に記載の発明と同様の効果を得られる他に、車両の発進時または加速時に、前記クラッチの伝達トルクを高めることにより、前記出力要素から出力されるトルクを増幅することができる。
請求項14の発明によれば、請求項3または7または8または9または10または11の発明と同様の効果を得られる他に、車両が低車速で走行する場合、または車両が緩やかに加速する場合に、前記クラッチの伝達トルクを低下させて、前記モータの回転数を制御することにより、前記第1の遊星機構の入力要素と出力要素との間における変速比を無段階に制御することができる。
請求項15の発明によれば、請求項3または7または8または9または10または11の発明同様の効果を得られる他に、車両が、予め定められた中車速または高車速で走行し、かつ、一定車速で走行する場合に、モータと第1の回転部材との間の動力伝達経路、または第2の回転部材と出力要素との間の動力伝達経路の少なくとも一方に設けられたクラッチの伝達トルクを全て高めるとともに、前記ロックアップクラッチの伝達トルクが高められるため、前記第1の遊星機構を構成する3つの要素が一体回転する状態となる。
請求項16の発明によれば、請求項3または7または8または9または10または11の発明と同様の効果を得られる他に、蓄電装置の充電量が高い場合は、前記モータ・ジェネレータを逆回転させ、かつ、力行制御させて前記エンジントルクの反力を受け持たせる制御をおこなう。
請求項17の発明によれば、請求項3または7または8または9にまたは10または11の発明と同様の効果を得られる他に、入力クラッチの伝達トルクを低下させ、かつ、ロックアップクラッチの伝達トルクが低下され、かつ、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路、または前記第2の回転部材と前記出力要素との間の動力伝達経路の少なくとも一方に設けられた全てのクラッチのトルク容量を高めるとともに、前記モータのトルクを前記第1の回転部材を経由させて前記出力要素に伝達することができる。したがって、モータのトルクがトルクコンバータで増幅されて、出力要素に伝達される。
請求項18の発明によれば、請求項3または9または10または11の発明と同様の効果を得られる他に、前記入力クラッチの伝達トルクを低下させ、かつ、前記ロックアップクラッチの伝達トルクを高め、かつ、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路、または前記第2の回転部材と前記出力要素との間の動力伝達経路の少なくとも一方に設けられた全てのクラッチのトルク容量を高めるとともに、前記モータのトルクを前記第1の回転部材を経由させて前記出力要素に伝達する第1の「モータ制御」、または前記出力部材の動力を前記モータに伝達し、かつ、そのモータで発電する第2の「モータ制御」のうち、何れか一方の「モータ制御」を選択できる。したがって、第1の「モータ制御」を選択すると、前記モータの動力の一部が前記エンジンに伝達されることを防止でき、前記モータから前記出力要素に至る経路での動力伝達効率が向上するとともに、動力性能が向上する。これに対して、第2の「モータ制御」を選択すると、前記出力要素から前記モータに伝達されの動力の一部が、前記エンジンに伝達されることを防止でき、前記モータにおける回生効率が向上する。
この発明におけるハイブリッド駆動装置は、車両、産業機械、運搬機械などに用いることが可能である。また、車両には、乗用車、運搬車、トラック、バスなどが含まれる。この発明において、エンジンおよびモータは、被駆動部材に伝達するトルクを出力する装置である。ハイブリッド駆動装置を車両に用いる場合、モータおよびエンジンのトルクが車輪に伝達されるように構成される。この発明のハイブリッド駆動装置を車両、運搬機械に用いる場合、被駆動部材には車輪が含まれる。また、モータおよびエンジンから車輪に至る動力伝達経路に配置される動力伝達装置、例えば、変速機、差動装置、歯車、チェーン、プーリ、ベルト、スプロケットなども、被駆動部材に含まれる。この発明のハイブリッド駆動装置を産業機械、例えば工作機械に用いる場合、工具や刃物、または加工対象物を保持するチャックが被駆動部材となる。この発明において、前記モータは、エンジントルクの反力を受け持つための反力発生装置であり、このモータとしては、電動モータまたは油圧モータを用いることが可能である。この電動モータは、交流モータまたは直流モータのいずれでもよい。また、電動モータとして、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを兼備したモータ・ジェネレータを用いることも可能である。なお、前記油圧モータは、流体(圧油)のエネルギ(圧力・流量)を、機械的エネルギ(トルク・回転数)に変換する動力装置である。この発明において、エンジンは、熱エネルギを運動エネルギに変換する動力装置であり、例えば内燃機関を挙げることができる。具体的には、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどを用いることが可能である。この発明において、トルクコンバータは流体の運動エネルギにより動力伝達をおこなう流体式動力伝達装置であり、第1の回転部材としてもポンプインペラと、第2の回転部材としてのタービンランナとを有している。第1の回転部材および第2の回転部材には羽根が形成されており、トルク増幅をおこなうためのステータが更に設けられている。さらに、この発明における遊星機構は、差動回転可能な3つの要素として、入力要素および反力要素および出力要素を有している。そして、3つの回転要素の差動作用により、入力要素の回転数と、出力要素の回転数との比を無段階(連続的)に変更可能であり、遊星機構は無段変速機としての機能を有する。
さらに、この発明において、前記遊星機構は、入力要素と反力要素と出力要素とが相対回転可能に、かつ、動力伝達可能に接続された伝動装置であり、入力要素の回転数を出力要素の回転数で除して求められる変速比を、無段階に(連続的に)制御可能な無段変速機としての機能を有する。この遊星機構としては、遊星歯車機構または遊星ローラ機構を用いることが可能である。前記遊星歯車機構は、歯車同士の噛み合い力により動力伝達をおこなう伝動装置である。また、遊星機構に用いる遊星歯車機構は、差動回転可能な3つの回転要素、具体的には、サンギヤと、リングギヤと、ピニオンギヤを保持するキャリヤとを有するものであり、シングルピニオン型の遊星歯車機構、またはダブルピニオン型の遊星歯車機構のいずれでもよい。一方、前記遊星ローラ機構は、ローラ同士の間に作動油を介在させて、その作動油のせん断力により動力伝達をおこなう伝動装置(トラクション伝動装置)である。また、遊星機構に用いる遊星ローラ機構は、遊星機構に用いる遊星ローラ機構は、差動回転可能な3つの回転要素、具体的には、サンローラと、リングローラと、ピニオンローラを保持するキャリヤとを有するものであり、シングルピニオン型の遊星ローラ機構、またはダブルピニオン型の遊星ローラ機構のいずれでもよい。この発明においては、第1の車速として「低速(低車速)」が用いられ、第2の車速として「中車速」が用いられ、第3の車速として「高車速」が用いられている。そして、低車速よりも中車速の方が高速であり、中車速よりも高車速の方が高速である。つまり、低車速および中車速および高車速は、車速同士の相対関係(高低関係)を意味するものであり、具体的な車速の程度を示す用語ではない。これらの各車速は、技術的意義および制御の実行条件に合わせて、実験的に求められた値として電子制御装置に記憶されている。さらに、各車速は、単一の数値で示される車速でもよいし、複数の数値により示される一定の幅(範囲)がある車速でもよい。ここで、単一の数値で示される車速とは、例えば、15km/hである。複数の数値により示される一定の幅(範囲)がある車速とは、例えば、15〜20km/hである。
さらにまた、この発明においてクラッチは、トルク容量もしくは伝達トルクを制御可能な動力伝達装置であり、クラッチとしては、摩擦クラッチ、電磁クラッチ、噛み合いクラッチなどを用いることが可能である。さらにこの発明において、前後進切換装置は、車輪に伝達するトルクの向きを正逆に切り換える装置であり、前後進切換装置としては、遊星歯車機構式の前後進切換装置、または平行軸歯車式の前後進切換装置を用いることが可能である。さらに、請求項2の発明では、モータに、第1の遊星機構の反力要素および出力要素が並列に動力伝達可能に接続される。さらに、請求項7の発明では、エンジンが、第1の遊星機構の入力要素を介して、トルクコンバータの第1の回転部材に動力伝達可能に接続される。さらに、請求項10において、第1の「モータ制御」および第2の「モータ制御」とは、制御対象となるモータに対して、制御内容が異なる「モータ制御」が2つ(もしくは2種類)存在するという意味である。つまり、この請求項18に記載されている事項は、「第1のモータおよび第2のモータが別々に設けられており、第1のモータに対応する制御と、第2のモータに対応する制御とが、それぞれ(別々に)おこなわれる」という意味ではない。また、この発明において、車両の惰力走行とは、加速要求が低下している場合、例えば、アクセルペダルが踏み込まれていない場合、あるいはアクセルペダルの踏み込み量が減少する場合などが、これに該当する。より具体的には、車両の走行により発生する運動エネルギが、エンジンまたはモータに伝達されて、そのエンジンまたはモータが空転される状態を意味する。このような場合、エンジンブレーキ力または回生制動力を発生させることが可能である。また、請求項15の発明において、「少なくとも一方に設けられたクラッチの伝達トルクを全て高める」とは、設けられているクラッチが単数である場合は、単数のクラッチの伝達トルクを高め、設けられているクラッチが複数である場合は、複数のクラッチの全てについて、伝達トルクを高める制御を意味する。さらに、請求項12ないし18に記載されている、第1の制御手段ないし第8の制御手段は、「制御手段」が、第1ないし第8まであるという意味である。つぎに、ハイブリッド駆動装置の具体例(構成例)を図面を参照しながら順次説明する。また、これらの具体例で実行可能な制御例を、併せて説明する。
(具体例1)
図1は、ハイブリッド駆動装置を車両に用いた場合の具体例を示すスケルトン図である。図1に示された車両1は、F・F(フロントエンジン・フロントドライブ;エンジン前置き前輪駆動)形式のハイブリッド車である。図1に示された車両1では、内燃機関の一種であるエンジン2およびモータ・ジェネレータ3が、動力源として搭載されている。この動力源は、車輪4に伝達する動力を出力する動力装置である。前記エンジン2は、燃料を燃焼させてその熱エネルギを運動エネルギに変換する動力装置である。このエンジン2は、吸排気装置、燃料噴射装置などを有する公知のものであり、例えば、電子スロットルバルブの開度、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期などを制御することにより、エンジン出力、すなわち、エンジン回転数およびエンジントルクを制御することが可能である。また、モータ・ジェネレータは3、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを兼備した動力装置である。このモータ・ジェネレータ3は、ケーシング5内に設けられており、そのモータ・ジェネレータ3はケーシング5に固定されるステータ6と、前記ステータ6への通電により回転するロータ7とを有している。このモータ・ジェネレータ3に接続された電力装置8が設けられている。この電力装置8は、前記モータ・ジェネレータ3との間で電力の授受をおこなう蓄電装置8A、インバータ、電気回路などにより構成されている。前記蓄電装置8Aとしては、電力の出し入れが可能な二次電池、例えば、バッテリ、キャパシタを用いることが可能である。また、電力装置8としては、前記二次電池の他に、燃料電池システムを設けることも可能である。
これらの、エンジン2およびモータ・ジェネレータ3が動力伝達可能に連結された動力分配装置9が設けられている。また、エンジン2のクランクシャフト10と、モータ・ジェネレータ3のロータ7とが同軸上に配置されており、回転軸線A1に沿った方向で、前記エンジン2とモータ・ジェネレータ3との間に、前記動力分配装置9が設けられている。この動力分配装置9は、シングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されている。具体的に説明すると、動力分配装置9は、サンギヤ11と、このサンギヤ11と同軸上に配置され、かつ、このサンギヤ11の周囲を取り囲むように配置されたリングギヤ12と、前記サンギヤ11および前記リングギヤ12に噛合されたピニオンギヤ13と、このピニオンギヤ13を自転可能、かつ、公転可能に支持するキャリヤ14とを有している。このようにして、3つの回転要素、すなわち、前記サンギヤ11および前記リングギヤ12および前記キャリヤ14が、相互に差動回転可能に構成されている。そして、前記リングギヤ12は、環状のコネクティングドラム15の内周に形成されている。また、前記キャリヤ14と一体回転するインプットシャフト16が設けられている。
一方、前記エンジン2の出力軸であるクランクシャフト10は、前記インプットシャフト16と同軸上に配置されており、前記クランクシャフト10と前記インプットシャフト16との間の動力伝達状態、具体的にはトルク容量を制御する入力クラッチ17が設けられている。この入力クラッチ17としては、例えば摩擦式クラッチを用いることが可能であり、油圧室(図示せず)の油圧を制御することにより、入力クラッチ17のトルク容量が制御される。より具体的には、油圧室の油圧が上昇した場合は、前記入力クラッチ17のトルク容量が高められる。すなわち、入力クラッチ17が係合される。また、前記油圧室の油圧が低下した場合は、前記入力クラッチ17のトルク容量が低下される。すなわち、入力クラッチ17が解放される。前記クランクシャフト10および前記インプットシャフト16の回転軸線A1に沿った方向で、前記動力分配装置9と前記エンジン2との間に前記入力クラッチ17が配置されている。このようにして、前記クランクシャフト10と前記キャリヤ14とが動力伝達可能に接続されている。
また、前記モータ・ジェネレータ3のロータ7には、2系統の動力伝達経路が並列に接続されている。まず、前記ロータ7が前記サンギヤ11と前記一体回転するように連結されて、第1の動力伝達経路が形成されている。また、前記ロータ7と前記コネクティングドラム15とを、前記サンギヤ11を経由することなく接続する第2の動力伝達経路が形成されている。この第2の動力伝達経路には、流体伝動装置18が設けられている。この流体伝動装置18は、ポンプインペラ19およびタービンランナ20を有しており、前記ポンプインペラ19および前記タービンランナ20には、いずれも羽根(図示せず)が形成されている。この流体伝動装置18は、前記ポンプインペラ19と前記タービンランナ20との間で、作動油の運動エネルギにより動力伝達をおこなう伝動装置である。さらに、前記流体伝動装置18は、ステータ(図示せず)を有しており、このステータにより作動油の流れる向きを変えることにより、前記ポンプインペラ19とタービンランナ20との間で伝達されるトルクを増幅することが可能である。以下、流体伝動装置18を、便宜上、トルクコンバータ18と記す。さらに、前記ポンプインペラ19と前記タービンランナ20との間で摩擦力により動力伝達をおこなうロックアップクラッチ(直結クラッチ)21が設けられている。このロックアップクラッチ21は、係合用油圧室(図示せず)および解放用油圧室(図示せず)の油圧を制御することにより、ロックアップクラッチ21のトルク容量が制御され、ロックアップクラッチ21が係合または解放またはスリップ制御される。さらにまた、前記タービンランナ19と前記コネクティングドラム20との間にクラッチ22が設けられている。
このクラッチ22は、摩擦クラッチであり、クラッチ22を構成する一方の摩擦材23が前記コネクティングドラム15と一体回転するように設けられており、他方の摩擦材24が前記タービンランナ20と一体回転するように設けられている。さらに、油圧室(図示せず)が設けられており、この油圧室の油圧を制御することにより、クラッチ22の係合・解放が制御される。すなわち、このクラッチ22は、油圧制御式のクラッチであり、前記油圧室の油圧を制御するにより、前記コネクティングドラム15と前記タービンランナ20との間で伝達されるトルクの容量が制御される。より具体的には、油圧室の油圧が上昇した場合は、前記クラッチ22のトルク容量が高められる。すなわち、クラッチ22が係合される。また、前記油圧室の油圧が低下した場合は、前記クラッチ22のトルク容量が低下する。すなわち、クラッチ22が解放される。また、前記ポンプインペラ19とロータ7との間にはクラッチ25が設けられており、クラッチ25は、摩擦クラッチである。また、前記クラッチ25を構成する一方の摩擦材26が前記ロータ7と一体回転するように設けられており、他方の摩擦材27が前記ポンプインペラ19と一体回転するように設けられている。さらに、クラッチ25のトルク容量を制御する油圧室(図示せず)が設けられており、この油圧室の油圧を制御することにより、クラッチ25の係合・解放が制御される。すなわち、このクラッチ25は、油圧制御式のクラッチであり、前記油圧室の油圧を制御することにより、前記ポンプインペラ19と前記ロータ7との間で伝達されるトルクの容量が制御される。より具体的には、油圧室の油圧が上昇した場合は、前記クラッチ25のトルク容量が高められる。すなわち、クラッチ25が係合される。また、前記油圧室の油圧が低下した場合は、前記クラッチ25のトルク容量が低下する。すなわち、クラッチ25が解放される。さらに、前記クラッチ22,25は共に湿式のクラッチであり、潤滑油が供給されて、クラッチ22,25を構成する要素の冷却および潤滑がおこなわれる。前記各油圧室の油圧を制御する油圧制御装置28が設けられている。この油圧制御装置28は、油圧回路、ソレノイドバルブなどを有する公知のものである。
つぎに、前記コネクティングドラム15から車輪4に至る動力伝達経路の構成を説明する。まず、前記コネクティングドラム15の外周にはカウンタドライブギヤ29が形成されている。また、前記インプットシャフト16の回転軸線A1と平行な回転軸線B1を中心として回転可能なカウンタシャフト30が設けられている。このカウンタシャフト30には、カウンタドリブンギヤ31およびファイナルピニオンギヤ32が形成されている。そして、前記カウンタドリブンギヤ31と前記カウンタドリブンギヤ29とが噛合されている。さらに、前記ケーシング5内にはデファレンシャル33が設けられており、そのデファレンシャル33はデフケース34を有している。このデフケース34の外周にはリングギヤ35が形成されており、そのリングギヤ35と前記ファイナルピニオンギヤ32が噛合されて、終減速機を構成している。さらに、前記デフケース34の内部にはピニオンギヤ(図示せず)およびサイドギヤ(図示せず)が設けられており、そのサイドギヤと一体回転するアクスルシャフト36に、車輪(前輪)4が動力伝達可能に連結されている。
さらに、車両1の制御系統について説明すると、車両全体を制御する電子制御装置37が設けられており、その電子制御装置37には、各種の制御をおこなうために、予めプログラム、マップ、データなどが記憶されている。また、電子制御装置37には、車速、加速要求、制動要求、エンジン回転数、モータ・ジェネレータの回転数、シフトポジションなどの信号が入力され、電子制御装置37からは、エンジンの駆動・停止を制御する信号、エンジン2を駆動する場合にエンジン出力(トルク×回転数)を制御する信号、モータ・ジェネレータ3の駆動・停止を制御する信号、モータ・ジェネレータ3の出力(回転数×トルク)を制御する信号、モータ・ジェネレータ3を駆動する場合に、力行・回生を切り換える信号、油圧制御装置28を制御する信号などが出力される。上記加速要求は、足で操作されるアクセルペダルの他、手動操作されるレバーの操作に基づいて判断可能である。上記制動要求は、足で操作されるブレーキペダルの他、手動操作されるレバーの操作に基づいて判断可能である。
つぎに、この具体例1において、前述した入力クラッチ17,22,25およびロックアップクラッチ21の基本的な係合・解放例を、図2に基づいて説明する。まず、入力クラッチ17,22,25およびロックアップクラッチ21の係合・解放を制御するモードもしくはパターンとして、第1モード(低モード)および第2モード(中モード)および第3モード(高モード)を選択的に切り換え可能である。これらのモードは、車速、加速要求、エンジン回転数などの条件に基づいて、選択的に切り換えられる。なお、前記各モードに付された「低」、「中」、「高」は、各モード同士を区別するための文字であり、車速(低速・中速・高速)を意味するわけではない。この図2においては、第1モードが「Low」で示され、第2モードが「Mid」で示され、第3モードが「High」で示されている。また、図2においては、入力クラッチ17が「C1」で示され、クラッチ22が「C2」で示され、クラッチ25が「C3」で示され、ロックアップクラッチ21が「L/U」で示されている。さらに、図2において、「ON」は、クラッチまたはロックアップクラッチ21が係合されることを示し、「OFF」は、クラッチまたはロックアップクラッチ21が解放されることを示す。
まず、前記第1モードが選択された場合は、前記入力クラッチ17,22,26が共に係合され、かつ、ロックアップクラッチ21が解放される。この第1モードが選択された場合における各回転要素の状態の一例を、図3の共線図により説明する。この図3および後述する共線図には、前記動力分配装置9に接続されたエンジン2の回転数(ENG)モータ・ジェネレータ3の回転数(MG)、カウンタドライブギヤ29の回転数(出力)が示されている。また、図3および後述する共線図において、縦軸に回転数が示されており、「正」は正回転を示し、「逆」は逆回転を示す。ここで、正回転とは、エンジン2の回転方向と同じ回転方向であり、逆回転とは、エンジン2の回転方向とは逆の回転方向である。図3の共線図上において、モータ・ジェネレータ3とカウンタドライブギヤ29との間に、エンジン2が配置されている。この第1モードは、車両1の発進時などのように、低車速・高負荷時に選択されるモードである。この第1モードが選択され、かつ、エンジン2が運転されて、そのエンジントルクが前記キャリヤ14に伝達されると、前記モータ・ジェネレータ3が正回転で回生制御される。このモータ・ジェネレータ3の発電により得られた電力は、前記電力装置28に充電される。つまり、エンジントルクの反力をモータ・ジェネレータ3が受け持ち、前記カウンタドライブギヤ29にトルクが伝達され、そのカウンタドライブギヤ29の回転数が上昇する。このカウンタドライブギヤ29のトルクは、前記カウンタシャフト30を経由してデファレンシャル33に伝達される。さらに、デファレンシャル33のトルクが車輪4に伝達されて駆動力が発生する。
この図3の共線図のように、エンジン回転数よりも前記カウンタドライブギヤ29の回転数の方が低い場合、つまり、前記動力分配装置9の入力回転数を出力回転数で除した値である変速比が「1」よりも大きい場合(減速状態)は、エンジントルクが動力分配装置9で増幅されてカウンタドライブギヤ29から出力される。また、第1モードでは前記クラッチ25が係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が解放されているため、前記エンジントルクの一部は前記クラッチ25を経由して前記ポンプインペラ19にも伝達される。ここで、前記トルクコンバータ18内には作動油が封入されているため、その作動油の粘性抵抗に基づいた引き摺りトルク、つまり、前記ポンプインペラ19の回転数の上昇を阻害するトルクが発生する。このため、前記モータ・ジェネレータ3によりエンジントルクの反力を受け持つ場合に、その反力の一部が前記トルクコンバータ18により受け持たれる。したがって、車両1の発進時において、第1モードが選択されて、モータ・ジェネレータ3が高回転数で逆回転する場合に、そのモータ・ジェネレータ3の出力トルクを低下させることができる。
また、第1モードが選択された場合は、前記クラッチ22,25が係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が解放される。このため、前記カウンタドライブギヤ29の回転数が上昇する過程で、前記ポンプインペラ19の回転速度と前記タービンランナ20の回転速度とに差が生じる。具体的には、前記ポンプインペラ19の回転数の方が前記タービンランナ20の回転数よりも高い。そして、前記トルクコンバータ18は、前記タービンランナ20の回転速度を前記ポンプインペラ19の回転速度で除した値、すなわち、速度比が所定値(カップリングポイント=1.0未満)以下である場合は、ステータの働きにより、前記ポンプインペラ19からタービンランナ20に伝達されるトルクを増幅する機能を有している。このため、前記モータ・ジェネレータ3の回生制御時のトルクが、前記トルクコンバータ18で増幅されて前記カウンタドライブギヤ29に伝達され、そのカウンタドライブギヤ29の回転数を上昇させる向きのトルクを、一層上昇させる作用が生じる。したがって、前記モータ・ジェネレータ3の出力を低減させ、その体格が大型化することを抑制でき、ハイブリッド駆動装置のコンパクト化を図ることができる。また、前記モータ・ジェネレータ3の回生制御により得られた電力を充電する充電装置8Aの容量の増加を抑制できる。さらに、エンジントルクの反力を受け持つモータ・ジェネレータ3の他に、前記カウンタドライブギヤ29に伝達するトルクを発生させる新たなモータ・ジェネレータを設けずに済み、ハイブリッド駆動装置のコンパクト化を促進可能である。前記図3の共線図には、エンジン2からの伝達分のトルクと、前記トルクコンバータ18により増幅された分のトルクとが、前記カウンタドライブギヤ29に伝達されることが、矢印で示されている。
つぎに、前記第1モードが選択されて車速が上昇し、前記第2モードが選択された場合について説明する。この第2モードが選択された場合は、前記入力クラッチ17,22,25およびロックアップクラッチ21を全て係合することが可能である。このように、入力クラッチ17,22,25およびロックアップクラッチ21が係合された場合は、前記サンギヤ11と前記カウンタドライブギヤ29とが一体回転するように連結される。より具体的には、図4に示すように、モータ・ジェネレータ3の回転数およびエンジン回転数およびカウンタドライブギヤ29の回転数が同一となる。すなわち、前記動力分配装置9の変速比は「1」である。なお、図4の共線図においても、前記モータ・ジェネレータ3は正回転で回生制御をおこなっている。
さらに、第2モード選択後に車速が上昇して、前記第3モードが選択された場合について説明する。この第3モードが選択された場合は、前記入力クラッチ17が係合され、かつ、前記クラッチ22,25およびロックアップクラッチ21が解放される。この第3モードが選択された場合も、前記エンジントルクが前記キャリヤ14に伝達され、前記モータ・ジェネレータ3が反力トルクを受け持ち、前記カウンタドライブギヤ29からトルクが出力される。また、図5の共線図では、エンジン回転数よりもカウンタドライブギヤ29の回転数の方が高くなっている。すなわち、前記動力分配装置9の変速比が「1」未満(増速状態)になっている。また、第3モードが選択された場合、前記ロックアップクラッチ21は解放されるが、前記ポンプインペラ19の回転数の方が、前記タービンランナ20の回転数よりも低く、かつ、前記トルクコンバータ18の速度比が所定値を越えている場合は、前記トルクコンバータ18におけるトルク増幅作用は生じない。
なお、図5の共線図においても、前記モータ・ジェネレータ3は正回転で回生制御をおこなっている。このように、第1モードまたは第2モードまたは第3モードのいずれが選択された場合においても、前記モータ・ジェネレータ3の回転数を制御することにより、前記エンジン回転数とカウンタドライブギヤ29の回転数との比、すなわち、前記動力分配装置9の変速比を無段階(連続的)に制御することが可能である。このように、前記動力分配装置9は無段変速機としての機能を有している。なお、図3または図4の共線図の状態では、前記モータ・ジェネレータ3が正回転で力行制御されて、エンジントルクの反力を受け持つが、図5の共線図の状態から、前記動力分配装置18の変速比が小さくなったり、車速が低下したりした場合は、前記モータ・ジェネレータ3が逆回転し、かつ、力行制御してエンジントルクの反力を受け持つこととなる。
以上のように、この具体例1においては、前記トルクコンバータ18の引き摺りトルクにより、前記エンジントルクの反力の一部を受け持つことが可能であるため、前記モータ・ジェネレータ3の反力トルクおよび出力を低減させることができる。したがって、前記モータ・ジェネレータ3の回転数を制御することにより前記動力分配装置9の変速比を制御する場合に、前記モータ・ジェネレータ3の発電量を低減できる。つまり、運動エネネルギを電気エネルギに変換することなく、前記カウンタドライブギヤ29に伝達することができ、機械的な動力伝達量を増加することができるとともに、電気的な動力伝達量を低減し、動力伝達効率が向上する。
この具体例1は、請求項1および請求項2および請求項3の発明に相当するものであり、この具体例1とこの発明の構成との対応関係を説明すると、前記キャリヤ14が、この発明の入力要素に相当し、前記サンギヤ11が、この発明の反力要素に相当し、リングギヤ12が、この発明の出力要素に相当し、動力分配装置3を構成する遊星歯車機構が、この発明における第1の遊星機構に相当し、前記ポンプインペラ19が、この発明の「第1の回転部材」に相当し、タービンランナ20が、この発明の「第2の回転部材」に相当し、モータ・ジェネレータ3が、この発明のモータに相当し、前記クラッチ22,25が、この発明のクラッチに相当する。
(具体例2)
つぎに、ハイブリッド駆動装置の他の具体例を、図6に基づいて説明する。この図6に示された具体例2と、前記具体例1とを比べると、具体例2では、前記クラッチ25が設けられておらず、前記ポンプインペラ19と前記ロータ7とが、常時一体回転可能に連結されている点が異なる。具体例2におけるその他の構成は、具体例1の構成と同じである。この具体例2においては、前記クラッチ25が設けられていないため、前記クラッチ25が係合されていることと同じ状態ある。つまり、具体例2においては、具体例1で述べた前記第1モードおよび第2モードを選択可能であり、この具体例2においても、具体例1で前記第1モードが選択された場合、または具体例1で第2モードが選択された場合と同様の効果を得られる。この具体例2は、請求項1ないし3に相当する例である。
(具体例3)
つぎに、ハイブリッド駆動装置の他の具体例を、図7に基づいて説明する。この図7に示された具体例3と、前記具体例1とを比べると、具体例3では、前記クラッチ22が設けられておらず、前記タービンランナ20と前記コネクティングドラム15とが、常時一体回転可能に連結されている点が異なる。具体例3におけるその他の構成は、具体例1の構成と同じである。この具体例3においては、前記クラッチ22が設けられていないため、前記クラッチ22が係合されていることと同じ状態ある。つまり、具体例3においては、前記第1モードおよび第2モードを選択可能であり、この具体例3においても、具体例1で前記第1モードが選択された場合、または具体例1で第2モードが選択された場合と同様の効果を得られる。また、具体例3においては、前記第2モードが選択され、かつ、前記モータ・ジェネレータ3のトルクが、前記トルクコンバータ18で増幅されて前記コネクティングドラム15に伝達される場合に、前記トルクコンバータ18から前記コネクティングドラム15に至る経路にクラッチが設けられていないため、そのクラッチの容量を高めずに済み、また、そのクラッチの耐久性が低下する不都合も生じない。この具体例3は、請求項1ないし3に相当し、具体例3と発明の構成との対応関係は、具体例1と同じである。
(制御例1)
つぎに、ハイブリッド駆動装置の具体例3で実行可能な制御例1を、図42に基づいて説明する。前記のように、具体例3においては、具体例1の前記クラッチ22に相当する構成が設けられていないため、図2に基づいて説明した第3モードと同様の制御はおこなわない。この具体例3において、前記第3モードが選択された場合は、図42のステップS1において、前記入力クラッチ17を係合させ、かつ、前記ロックアップクラッチ21を係合し、かつ、前記クラッチ25を解放する処理がおこなわれ、図42の制御ルーチンを終了する。すなわち、具体例3において、前記第3モードが選択された場合に、前記入力クラッチ17,25を共に係合させ、エンジントルクがキャリヤ14に伝達されて、前記した図5の共線図と同様に、前記モータ・ジェネレータ3が正回転で回生制御され、エンジントルクの反力を受け持つとともに、前記カウンタドライブギヤ29からトルクが出力される。
ここで、前記クラッチ25が解放されているが、そのクラッチ25が湿式クラッチであると、そのクラッチ25の引き摺りトルクによって、モータ・ジェネレータ3のトルクが前記トルクコンバータ18に伝達され、前記ポンプインペラ19とタービンランナ20とが相対回転(差動回転)して作動油が撹拌され、前記トルクコンバータ18が発熱するとともに、動力損失が発生する可能性がある。そこで、前述のように、前記ロックアップクラッチ21を係合させておけば、前記ポンプインペラ19とタービンランナ20との相対回転を防止でき、前記トルクコンバータ18の発熱が抑制され、かつ、前記トルクコンバータ18における動力損失を抑制できる。この具体例3において、前記第3モードが選択された場合は、前記入力クラッチ17,25を共に係合させ、かつ、前記ロックアップクラッチ21を係合する制御(制御例1)は、請求項12の発明に相当する制御であり、図42に示されたステップS1の機能的手段が、請求項12の発明における第1の制御手段に相当する。また、クラッチ25が、この発明の「モータと第1の回転部材との間の動力伝達経路に設けられたクラッチ」に相当する。
(制御例2)
つぎに、前記図2に示す第1モードが選択される具体的な制御例2を、図43のフローチャート、および図8ないし図10の共線図に基づいて説明する。この制御例2は、前記具体例1および具体例3において実行可能である。まず、エンジントルクを前記車輪4に伝達して車両1を発進させる場合(ステップS2)、または中速・高速で車両1が走行し、かつ、その後に加速する場合(ステップS2)に、前記第1モードが選択されて、前記クラッチ25が係合される(ステップS3)。図8の共線図では、エンジントルクが前記キャリヤ14に伝達され、かつ前記モータ・ジェネレータ3が正回転で回生制御されて反力が受け持たれて、前記カウンタドライブギヤ29が正回転するとともに、前記動力分配装置9の変速比が「1」より大である場合が示されている。この図8の共線図の状態は、加速要求が略一定である場合、例えばアクセルペダルの踏み込み量が一定に保持されている場合(定常走行状態)に該当する。この図8の共線図の状態では、前記トルクコンバータ18のポンプインペラ19とタービンランナ20との間の速度比が所定値を越えており、前記トルクコンバータ18でトルク増幅はおこなわれない。
その後、加速要求が増加した場合、例えば、アクセルペダルの踏み込み量が増加した直後においては、前記エンジントルクが高められて、図9の共線図に示すようにエンジン回転数が上昇するとともに、前記エンジントルクの反力を受け持つ前記モータ・ジェネレータ3の回転数も上昇する。すると、前記ポンプインペラ19と前記タービンランナ20との間の速度比が所定値以下になり、前記トルクコンバータ18でトルク増幅がおこなわれ、前記カウンタドライブギヤ29から出力されるトルクが上昇する。なお、この図9の共線図において、「(T/C・I/P)」は、前記トルクコンバータ18のポンプインペラ19の回転数であり、MG(T/C・I/P)は、前記モータ・ジェネレータ3の回転数と、前記トルクコンバータ18のポンプインペラ19の回転数とが同一であることを意味する。また、「(T/C・O/P)」は、前記トルクコンバータ18のタービンランナ20の回転数であり、出力(T/C・O/P)は、前記カウンタドライブギヤ29の回転数と、前記トルクコンバータ18のタービンランナ20の回転数とが同一であることを意味する。
上記のようにして、前記カウンタドライブギヤ29に伝達されるトルクが増加すると、図10の共線図に示すように、前記カウンタドライブギヤ29の回転数が上昇する。また、前記トルクコンバータ18の自動バランス作用、つまり、前記速度比を「1」に近づけようとする作用により、前記モータ・ジェネレータ3の回転数が低下するとともに、前記速度比が「1」に近づくことにともない、前記トルクコンバータ18のトルク増幅効果が低減する。このように、前記具体例1ないし具体例3において、前記第1モードが選択された場合、前記カウンタドライブギヤ29から出力されるトルクを増幅することができ、車両1の発進性および加速性能が向上する。ここで、車両1の発進時、または加速時に、前記第1モードを選択する制御(制御例2)が、請求項13の発明に相当しており、前記クラッチ25が、この発明の「モータと第1の回転部材との間の動力伝達経路に設けられたクラッチ」に相当する。また、請求項13に記載された車両の発進時とは、停止している車両が走行を開始することを意味し、請求項13に記載された加速時とは、車両の速度が増加することを意味する。なお、加速時には、車両が一定車速で走行している状態から速度が高まる場合、および車両が停止している状態から、車両が発進する場合が含まれる。さらに、図43に示されたステップS2およびステップS3の機能的手段が、請求項13の発明における第2の制御手段に相当する。なお、第2の具体例においては、クラッチ25が設けられていないため、この制御例2と同様の効果を得られる。
(制御例3)
つぎに、前記具体例1または具体例3で実行可能な他の制御例3を、図44のフローチャートに基づいて説明する。この制御例3では、前記車両1が、予め定められた車速以下の低速で走行する場合、または前記車両1が、緩やかに加速して走行する場合(ステップS4)に、ステップS5の処理をおこなう。前記「予め定められた車速」は、実験的に求められて電子制御装置37に記憶されている。また、緩やかな加速とは、車速の増加割合、車速の増加程度、車速の増加勾配などが、予め定められた範囲にある場合を意味する。この制御例3における各クラッチおよびおよびロックアップクラッチ21の制御を、図11に示す。この図11において、「C1]は、前記入力クラッチ17を意味し、「C2」は、前記ロータ7と前記トルクコンバータ18との間に設けられているクラッチ25を意味する。すなわち、この制御例3においては、前記入力クラッチ17が係合され、かつ、前記クラッチ25が解放され(ステップS5)、かつ、前記ロックアップクラッチ21が係合される。なお、図11には示されていないが、具体例1の場合は、前記クラッチ22が係合される。このように、制御例3においては、前記クラッチ25のトルク容量が低下されて、前記ロータ7と前記ポンプインペラ19との間における動力伝達が遮断される。
この制御例3においては、前記エンジン2が駆動されて、そのエンジントルクが前記キャリヤ14に伝達されるとともに、前記モータ・ジェネレータ3が正回転で回生制御されて、このモータ・ジェネレータ3によりエンジントルクの反力が受け持たれ、前記カウンタドライブギヤ29からトルクが出力される。この制御例3が実行された場合における各回転要素の状態の一例を、図12の共線図に示す。そして、制御例3が実行された場合は、前記モータ・ジェネレータ3の回転数を制御することにより、前記動力分配装置9の変速比を無段階に制御可能である。より具体的には、車速およびアクセル開度に基づいて、車両1における目標駆動力が求められ、その目標駆動力を達成するべく、目標エンジン出力が求められる。この目標エンジン出力に基づいて、目標エンジン回転数および目標エンジントルクが求められる。このように、目標エンジン出力に基づいて、目標エンジン回転数および目標エンジントルクを求める場合、具体的には、前記エンジン2の運転状態が最適燃費となるように求められ、その一例を、図13のマップにより説明する。この図13のマップでは、縦軸にエンジントルクが示され、横軸にエンジン回転数が示されている。また、図13のマップには、楕円形状の等出力線が複数示されているとともに、最適燃費線が曲線で示されている。単一の等出力線上であれば、エンジン出力は等しい。また、等出力線同士は、内側であるほど高出力である。
そして、前記目標エンジン出力に基づいて、目標エンジン回転数および目標エンジントルクを求める場合に、前記最適燃費線と等パワー線との交点から、目標エンジン回転数および目標エンジントルクが求められる。このようにして求められた目標エンジン回転数に、実エンジン回転数を近づけるために、前記動力分配装置9の変速比が無段階に制御される。また、前記エンジン2のスロットル開度を制御することにより、実エンジントルクを目標エンジントルクに近づけることが可能である。このように、制御例3を実行すると、前記エンジン2の出力を前記最適燃費線に沿って制御することが可能であり、前記エンジン2の燃費が向上する。また、前記クラッチ25が解放されているが、前述した引き摺りトルクの作用により前記モータ・ジェネレータ3の回生トルクが前記ポンプインペラ19に伝達された場合でも、この制御例3においては、前記ロックアップクラッチ21が係合されているため、前記ポンプインペラ19と前記タービンランナ20との差動を防止でき、前記トルクコンバータ18の発熱を防止できる。また、前記ロックアップクラッチ21が係合されているため、前記トルクコンバータ18でトルクの増幅はおこなわれない。この制御例3は、請求項14の発明に相当するものであり、図44に示されたステップS4およびステップS5の機能的手段が、請求項14の発明における第3の制御手段に相当する。また、前記クラッチ25が、この発明の「モータと第1の回転部材との間の動力伝達経路に設けられたクラッチ」に相当する。なお、前記図13のマップは、この制御例3に限らず、前記モータ・ジェネレータ3の回転数を制御して、前記動力分配装置9の変速比を無段階に制御する場合、具体的には、前記エンジン2の目標エンジン回転数および目標エンジントルクを求める場合であれば、他の制御例でも使用可能である。
(制御例4)
つぎに、ハイブリッド駆動装置で実行可能な制御例4を、図45に基づいて説明する。この制御例4では、前記車両1が予め定められた中車速、または高車速で走行し、かつ、一定車速で走行している場合(ステップS6)に、ステップS7の処理をおこなう。中車速および高車速は、電子制御装置37に予め記憶されており、中車速よりも高車速の方が高車速である。つまり、中車速および高車速は、車速同士の相対関係(高低関係)を意味するものであり、具体的な車速の程度を示す用語ではない。この制御例4では、図2で説明した第2モード(Low)が選択され、この制御例4は、前記具体例1ないし具体例3の全てにおいて実行可能な制御例である。すなわち、具体例1において、制御例4を実行する場合は、前記入力クラッチ17,22,25が係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が係合される(ステップS7)。また、具体例2において、制御例4を実行する場合は、前記入力クラッチ17,22が係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が係合される(ステップS7)。さらに、具体例3において、制御例4を実行する場合は、前記入力クラッチ17,25が係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が係合される。また、制御例4を実行した場合に、各回転要素の状態の一例を図14に示す。この図14に示すように、いずれの具体例の場合でも、制御例4を実行すると、前記動力分配装置9を構成する3つの回転要素が、一体回転可能に連結される。すなわち、前記モータ・ジェネレータ3の回転数およびエンジン回転数および前記カウンタドライブギヤ29の回転数が同一となる。そして、この制御例4を実行する場合、図15のマップで示す制御を実行可能である。この図15のマップは、基本的には図13のマップと同様に構成されており、図15のマップにおいては、制御例4で用いる「エンジン動作点」が破線で示されていることが、図13のマップとは異なる。図15のマップに破線で示された「エンジン動作点」の技術的意味は、最適燃費線に相当するエンジン回転数およびエンジントルクに対して、ロックアップクラッチ21を係合させた時のエンジン回転数の変化およびエンジントルクの変化を示すものである。
まず、最適燃費線と、制御例4用のエンジン動作点とを比較すると、その特性の相違点は以下のとおりである。まず、エンジン回転数Ne1以下では、同じエンジン回転数であっても、最適燃費線に相当するエンジントルクの方が、制御例4用のエンジン動作点に相当するエンジントルクよりも高い。これに対して、エンジン回転数Ne1を越えると、同じエンジン回転数であっても、最適燃費線に相当するエンジントルクの方が、制御例4用のエンジン動作点に相当するエンジントルクよりも低い。そして、制御例4では、エンジン回転数Ne1を含む範囲α1内に前記エンジン動作点がある場合、前記最適燃費線に基づいて目標エンジン回転数および目標エンジントルクを求めるとともに、前記最適燃費線と「エンジン動作点」との差に相当するトルクを、前記モータ・ジェネレータ3で負担する制御を実行する。具体的には、「エンジン動作点」から求められるエンジン回転数が範囲α1内であり、かつ、エンジン回転数Ne1以下である場合は、エンジン動作点のトルクと、最適燃費線のトルクとの差に相当するトルク(不足分のトルク)を、前記モータ・ジェネレータ3を力行制御して負担する。これに対して、「エンジン動作点」から求められるエンジン回転数が範囲α1内であり、かつ、エンジン回転数Ne1を越えている場合は、エンジン動作点のトルクと、最適燃費線のトルクとの差に相当するトルク(余剰分のトルク)を、前記モータ・ジェネレータ3を回生制御して負担する。このように、制御例4を実行すると、前記動力分配装置9の変速比が「1」に制御された状態でも、前記エンジン2の動作点を最適燃費線に沿って制御することができ、前記エンジン2の燃費が向上する。また、不足分のトルクまたは余剰分のトルクを、前記モータ・ジェネレータ3を力行制御、または回生制御することで負担するため、要求駆動力と実駆動力とに差が生じることを回避できる。この制御例7は、請求項15の発明に相当し、図45に示されたステップS6およびステップS7の機能的手段が、この発明における第4の制御手段に相当する。
(制御例5)
つぎに、ハイブリッド駆動装置の具体例1ないし3で実行可能な他の制御例5を、図46に基づいて説明する。この制御例5では、前記モータ・ジェネレータ3で発電された電力が充電される蓄電装置8Aの充電量(SOC:state of charge)が、予め定められた上限値以上である場合(ステップS8)に、ステップS9の処理をおこなう。ここで、「上限値」は蓄電装置8Aに可能な充電量の最大値よりも若干少ない値である。この制御例5では、前記各クラッチおよびロックアップクラッチ21が、図16に示すように制御される。すなわち、具体例1において、制御例5を実行する場合は、前記入力クラッチ17が係合され、クラッチ22が解放され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が係合される。なお、図16には示されていないが、具体例1では、前記クラッチ25は係合または解放のいずれでもよい。また、具体例2において、制御例5を実行する場合は、前記入力クラッチ17が係合され、前記クラッチ22(図16ではC2)が解放され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が係合される。さらに、具体例3において、制御例5を実行する場合は、前記入力クラッチ17が係合され、かつ、前記クラッチ25(図16ではC2)が解放され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が係合される。
このように、いずれの具体例の場合でも、制御例5を実行すると、前記モータ・ジェネレータ3と前記カウンタドライブギヤ29との間における動力伝達が遮断される。そして、この制御例5においては、図17の共線図に示すように、前記モータ・ジェネレータ3が逆回転され、かつ、力行制御されて(図46のステップS9)、エンジントルクの反力を受け持つ。したがって、前記蓄電装置8Aの充電量が増加することを抑制できる。また、前記ロックアップクラッチ21が解放されているため、前記モータ・ジェネレータ3のトルクが前記ポンプインペラ19に伝達された場合でも、前記ポンプインペラ19と前記タービンランナ20との差動を防止でき、前記トルクコンバータ18の発熱を防止できる。この制御例5は、請求項16の発明に相当し、図46に示されたステップS8およびステップS9の機能的手段が、この発明における第5の制御手段に相当する。また、前記モータ・ジェネレータ3が、この発明のモータ・ジェネレータに相当する。
(制御例6)
つぎに、具体例1ないし3で実行可能な制御例6を、図16および図18および図47に基づいて説明する。この制御例6は、前記車両1の発進時に、前記モータ・ジェネレータ3のトルクを車輪4に伝達させ、かつ、エンジントルクを前記車輪4に伝達することなく、駆動力を発生させる場合に用いる制御例(電気自動車モード)である。この制御例6では、各クラッチおよびロックアップクラッチ21が、図18の図表のように制御される。まず、具体例1の場合は、前記入力クラッチ17が解放され、かつ、前記クラッチ22(図16ではC2)が係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が解放される(図47のステップS10)。また、図16には示されていないが、具体例1ではクラッチ25も係合される。これに対して、具体例2の場合は、前記入力クラッチ17が解放され、かつ、前記クラッチ22(図16ではC2)が係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が解放される(図47のステップS10)。さらに、具体例3の場合は、前記入力クラッチ17が解放され、かつ、前記クラッチ25(図16ではC2)が係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が解放される(図47のステップS10)。このように、制御例6においては、前記モータ・ジェネレータ3と前記カウンタドライブギヤ29との間の動力伝達経路が動力伝達可能な状態となり、前記エンジン2と前記キャリヤ14との間の動力伝達が遮断される。
前記のステップS10についで、前記モータ・ジェネレータ3に電力を供給して力行制御する(ステップS11)と、そのモータ・ジェネレータ3のトルクが前記トルクコンバータ18を経由して前記カウンタドライブギヤ29に伝達される。この制御例6を実行すると、図19の共線図に示すように、前記モータ・ジェネレータ3が正回転して回転数が上昇する。また、前記ロックアップクラッチ21が解放されているため、前記トルクコンバータ18では流体の運動エネルギにより動力伝達がおこなわれ、前記モータ・ジェネレータ3の回転数よりも、前記カウンタドライブギヤ29の回転数の方が低回転数となる。また、前記ロックアップクラッチ21が解放されているため、前記トルクコンバータ18の速度比が所定値以下である場合は、前記モータ・ジェネレータ3のトルクが前記トルクコンバータ18で増幅されて、前記カウンタドライブギヤ29に伝達され、大きな駆動力を発生できる。したがって、前記モータ・ジェネレータ3の出力トルクおよび出力を低下させることができ、モータ・ジェネレータ3の体格をコンパクト化することが可能である。また、前記入力クラッチ17が解放されているため、エンジン回転数が零であり、引き摺りトルクが発生することもない。また、前記モータ・ジェネレータ3のトルクのみで駆動力を発生させる電気自動車モードの実施可能領域が拡大され、前記エンジン2の燃費を向上することができる。なお、制御例6を実行する場合、前記エンジン2は停止していてもよいし、運転されていてもよい。この制御例6は、請求項17の発明に相当するものであり、図47に示されたステップS10およびステップS11の機能的手段が、この発明における第6の制御手段に相当する。また、前記入力クラッチ17が、この発明の入力クラッチに相当する。
(制御例7)
つぎに、具体例1ないし具体例3で実行可能な制御例7を、図20および図48に基づいて説明する。この制御例7は、前記車両1が中速、または高速で走行している場合におこなわれるものである。この制御例7には、前記モータ・ジェネレータ3を力行制御して、そのトルクを車輪4に伝達する第1の「モータ制御」と、前記モータ・ジェネレータ3を回生制御する第2の「モータ制御」とが含まれる。この制御例7では、各クラッチおよびロックアップクラッチ21が、図20の図表のように制御される。まず、具体例1の場合は、前記入力クラッチ17が解放され、かつ、前記クラッチ22(図20ではC2)が係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が係合される。また、図20には示されていないが、具体例1ではクラッチ25も係合される。これに対して、具体例2の場合は、前記入力クラッチ17が解放され、かつ、前記クラッチ22(図16ではC2)が係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が係合される。さらに、具体例3の場合は、前記入力クラッチ17が解放され、かつ、前記クラッチ25(図16ではC2)が係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が係合される。これら、各具体例においておこなわれる入力クラッチ17およびロックアップクラッチ21およびクラッチ22,25の制御が、図48におけるステップS12の処理である。このように、制御例7においては、前記モータ・ジェネレータ3と前記カウンタドライブギヤ29との間の動力伝達経路が、摩擦力により動力伝達が可能な状態となり、前記動力分配装置9の構成する回転要素が一体回転可能な状態となる。また、前記エンジン2と前記キャリヤ14との間の動力伝達が遮断される。
この制御例7に相当する共線図の一例を図21に示す。この制御例7では、前記モータ・ジェネレータ3を制御する場合に、第1の「モータ制御」または第2の「モータ制御」を選択的に切り換えて実行可能である。まず、前記ステップS12についで、加速要求がある(アクセルペダルが踏み込まれている)ことが検知されている場合は、ステップS13で第1の「モータ制御」がおこなわれる。この第1の「制御モード」では、前記モータ・ジェネレータ3に電力が供給されて力行制御され(図21に「EV走行」で示す)、そのトルクが前記トルクコンバータ18を経由して前記カウンタドライブギヤ29に伝達される。また、この第1の「モータ制御」を実行する場合、前記入力クラッチ17が解放されるため、前記モータ・ジェネレータ3の動力の一部が前記エンジン2に伝達されることを防止できる。したがって前記エンジン2によるフリクションを低減でき、前記モータ・ジェネレータ3から前記カウンタドライブギヤ29に至る経路での動力伝達効率が向上するとともに、車両1における動力性能が向上する。
これに対して、前記ステップS12についで、加速要求が発生していない(アクセルペダルが踏み込まれていない)場合、または制動要求が発生している(ブレーキペダルが踏み込まれている)場合は、第2の「モータ制御」がおこなわれる。例えば、車両1が中速、または高速で惰力走行(慣性力で走行)している場合に、前記第2の「モータ制御」がおこなわれる。この第2の「モータ制御」では、前記車両1の惰力走行による運動エネルギが前記カウンタシャフト30およびカウンタドライブギヤ29およびトルクコンバータ18を経由してモータ・ジェネレータ3に伝達され、そのモータ・ジェネレータ3で回生制御(図21に「回生時」で示す)がおこなわれ、発生した電力が前記蓄電装置8Aに充電される。この第2の「モータ制御」においても、前記入力クラッチ17が解放されるため、前記モータ・ジェネレータ3に伝達される動力の一部が、前記インプットシャフト16を経由して前記エンジン2に伝達されることを防止できる。したがって、前記エンジン2によるフリクションを低減でき、前記モータ・ジェネレータ3における回生効率が向上する。この制御例7は、請求項18の発明に相当するものであり、図48に示されたステップS12の機能的手段が、この発明における第7の制御手段に相当し、ステップS13の機能的手段が、この発明における第8の制御手段に相当する。
(具体例4)
この発明のハイブリッド駆動装置の具体例4を図22に示す。この具体例4において、図6に示す具体例2と同じ構成部分については、具体例2と同じ符号を付してある。この具体例4においては、前記動力分配装置9を構成する遊星歯車機構の他に、別の遊星歯車機構38が設けられている。この遊星歯車機構38は、前記回転軸線A1に沿った方向で、前記エンジン2と前記動力分配装置9との間に配置されており、この遊星歯車機構38は前記ケーシング5の内部に配置されている。この遊星歯車機構38は、シングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されている。具体的に説明すると、遊星歯車機構38は、サンギヤ39と、このサンギヤ39と同軸上に配置され、かつ、このサンギヤ39の周囲を取り囲むように配置されたリングギヤ40と、前記サンギヤ39および前記リングギヤ40に噛合されたピニオンギヤ41と、このピニオンギヤ41を自転可能、かつ、公転可能に支持するキャリヤ42とを有している。このようにして、3つの回転要素、すなわち、前記サンギヤ39および前記リングギヤ40および前記キャリヤ42が、相互に差動回転可能に構成されている。そして、前記キャリヤ42が前記コネクティングドラム15と一体回転するように連結されている。このように、前記動力分配装置9と前記遊星歯車機構38とが同軸上に配置されている。そして、前記キャリヤ42に前記カウンタドライブギヤ29が形成されており、そのカウンタドライブギヤ29が前記カウンタドリブンギヤ31に噛合されている。さらに、前記サンギヤ39が前記インプットシャフト16と一体回転するように設けられており、前記インプットシャフト16と前記クランクシャフト10との間に前記入力クラッチ17が設けられている。
さらに、前記リングギヤ40に制動力を与えて、そのリングギヤ40を選択的に固定するブレーキ43が設けられている。このブレーキ43は、前記リングギヤ40に与える制動力を制御可能なものであり、ブレーキ43としては、摩擦ブレーキ、電磁ブレーキなどを用いることが可能であり、この実施例では、油圧制御式の摩擦ブレーキを用いる場合について説明する。すなわち、ブレーキ用油圧室(図示せず)が設けられており、このブレーキ用油圧室の油圧が、前記油圧制御装置28により制御されるように構成されている。そして、車両1において制動要求を示す信号、例えばブレーキペダルの踏み込み量または踏み込み速度を示す信号が、前記電子制御装置37に入力され、その前記電子制御装置37から信号が出力されて、前記ブレーキ用油圧室の油圧を制御することにより、前記ブレーキ43の係合・解放が制御される。具体的には、ブレーキ用油圧室の油圧が高められた場合は、前記ブレーキ43が係合されて、前記リングギヤ40に与えられる制動力が増加し、前記リングギヤ40を停止させる(固定する)ことができる。これに対して、ブレーキ用油圧室の油圧が低下された場合は、前記ブレーキ43が解放されて、前記リングギヤ40に与えられる制動力が低下し、前記リングギヤ40の回転が可能となる。そして、前記具体例2でおこなうことの可能な制御例は、この具体例4においても実行可能である。具体的には、制御例2、制御例4、制御例5、制御例6、制御例7を、この具体例4で実行可能である。具体例4において、これらの制御例をおこなう場合、前記ブレーキ43は解放される。この具体例4は、請求項4に相当しており、前記遊星歯車機構38が、この発明における第2の遊星機構に相当する。また、この具体例4においては、上記以外の制御に加えて、以下に述べる制御をおこなうことができる。
この制御は、前記モータ・ジェネレータ3のトルクを車輪4に伝達し、エンジントルクを車輪4に伝達しない状態(電気自動車モード)の一例である。この制御においては、前記入力クラッチ17が解放され、かつ、前記クラッチ22が係合され、かつ、前記ブレーキ23が係合される。この制御に対応する共線図を、図23に基づいて説明する。この図23の共線図において、前記モータ・ジェネレータ3と前記リングギヤ40との間に前記キャリヤ42が配置されている。また、前記ブレーキ43の係合により前記リングギヤ40が固定されている。そして、前記モータ・ジェネレータ3に電力を供給して力行制御するとともに、前記リングリヤ40で反力が受け持たれ、前記カウンタドリブンギヤ29からトルクが出力される。ここで、前記モータ・ジェネレータ3の回転数に対して、前記カウンタドリブンギヤ29の回転数は減速されている。つまり、前記モータ・ジェネレータ3から出力されたトルクが、前記カウンタドリブンギヤ29から増幅して出力される。また、前記クラッチ17が解放されているため、前記モータ・ジェネレータ3の動力の一部が、前記インプットシャフト16を経由して前記エンジン2に伝達されることを防止できる。したがって、前記エンジン2がフリクション抵抗となることを回避できる。このように、前記モータ・ジェネレータ3の力行制御時のトルクを低下でき、かつ、出力を低下でき、前記モータ・ジェネレータ3の体格をコンパクト化できるとともに、前記モータ・ジェネレータ3のトルクのみで車両1が走行する電気自動車モードの選択領域が拡大し、前記エンジン2の燃費が向上する。
(具体例5)
この発明のハイブリッド駆動装置の具体例5を図24に示す。この具体例5は、請求項5の発明に相当するものである。この図24において、図6に示す具体例2と同じ構成部分については、具体例2と同じ符号を付してある。この具体例5においては、前記回転軸線A1に沿った方向で、前記エンジン2と前記動力分配装置9との間に前後進切換装置44が設けられている。この前後進切換装置44は、前記ケーシング5の内部に配置されている。また、この前後進切換装置44は、シングルピニオン型の遊星歯車機構を有している。具体的には、前後進切換装置44は、サンギヤ45と、サンギヤ45の外側に同軸上に配置されたリングギヤ46と、このサンギヤ45およびリングギヤ46に噛合されたピニオンギヤ47を自転可能、かつ、公転可能に支持するキャリヤ48とを有している。このようにして、3つの回転要素、すなわち、前記サンギヤ45および前記リングギヤ46および前記キャリヤ48が、前記回転軸線A1を中心として相互に差動回転可能に構成されている。そして、前記サンギヤ45は、前記コネクティングドラム15と一体回転するように連結され、前記リングギヤ46と一体回転するようにカウンタドライブギヤ29が設けられている。
さらに、前後進切換装置44は、前記キャリヤ48と前記リングギヤ46とを選択的に連結・解放する前進クラッチ49を有している。この前進クラッチ49としては、摩擦クラッチ、または電磁クラッチを用いることが可能であり、ここでは、油圧制御式の摩擦クラッチを用いた場合について説明する。また、前進クラッチ49用の油圧室(図示せず)が設けられており、この前進クラッチ49用の油圧室の油圧が、前記油圧制御装置28により制御されるように構成されている。さらに、前後進切換装置44は、前記キャリヤ48を選択的に固定する後進ブレーキ50を有している。この後進ブレーキ50としては、摩擦ブレーキ、または電磁ブレーキを用いることが可能であり、ここでは、油圧制御式の摩擦ブレーキを用いた場合について説明する。また、後進ブレーキ50用の油圧室(図示せず)が設けられており、この後進ブレーキ50用の油圧室の油圧が、前記油圧制御装置28により制御されるように構成されている。そして、前記電子制御装置37に入力されるシフトポジションセンサの信号に基づいて、前記前進ブレーキ49用の油圧室の油圧、および後進ブレーキ50用の油圧室の油圧が制御される。
上記の具体例5においては、前記具体例2と同様の制御例を実行可能であり、それらの制御例を実行した場合の効果も、具体例2の場合と同様である。また、具体例5においては、具体例2と同様の制御と並行して、前記電子制御装置37に入力されるシフトポジションセンサの信号に基づいて、前進クラッチ49および後進ブレーキ50を制御することにより、前記車輪4にトルクを伝達することが可能である。ここで説明する制御は、前記入力クラッチ17を係合させ、かつ、エンジントルクを前記車輪4に伝達する場合におこなわれるものである。まず、シフトポジションセンサにより、前進ポジション(図25には「前進」で示す)が検知された場合は、前進クラッチ49用の油圧室の油圧が高められて、前進クラッチ49(図25ではC3で示されている)が係合され、かつ、後進ブレーキ50用の油圧室の油圧が低下されて、後進ブレーキ50(図25ではB1で示されている)が解放される。このように、前進ポジションが選択された場合における各回転要素の状態が、図26の共線図に示されている。この図26に示すように、エンジントルクが前記キャリヤ14に伝達されるととともに、前記モータ・ジェネレータ3が正回転で回生制御されて、エンジントルクの反力を受け持っており、前記サンギヤ45にトルクが伝達される。ここで、前後進切換装置44では、前進クラッチ49が係合されて、前記キャリヤ48と前記リングギヤ47とが連結されており、前後進切換装置44を構成する3つの回転要素が一体回転する。このようにして、前記サンギヤ45に伝達されたトルクが、前記カウンタドライブギヤ29から出力されて前記車輪4に伝達され、駆動力が発生する。ここで、前記リングギヤ47の回転方向は、前記エンジン2の回転方向と同じ正回転である。
これに対して、シフトポジションセンサにより、後進ポジション(図25には「後進」と示す)が検知された場合は、前進クラッチ49用の油圧室の油圧が低下されて、前進クラッチ49(図25ではC3で示されている)が解放され、かつ、後進ブレーキ50用の油圧室の油圧が高められて、後進ブレーキ50(図25ではB1で示されている)が係合される。このように、後進ポジションが選択された場合における各回転要素の状態が、図27の共線図に示されている。この図27に示すように、エンジントルクが前記キャリヤ14に伝達されるととともに、前記モータ・ジェネレータ3が正回転で回生制御されて、エンジントルクの反力を受け持っており、前記サンギヤ45にトルクが伝達される点は、前進ポジションの場合と同じである。ここで、前後進切換装置44では、後進ブレーキ50が係合されて、前記キャリヤ48が固定されているため、そのキャリヤ48が反力要素として機能する。このようにして、前記サンギヤ45に入力されたトルクが、前記カウンタドライブギヤ29から出力されて前記車輪4に伝達され、駆動力が発生する。ここで、前記リングギヤ47の回転方向は逆回転となる。
なお、図26よび図27の共線図において、「出力」は前後進切換装置44の出力要素であるリングギヤ46およびカウンタドライブギヤ29の回転数である。このように、具体例5においては、エンジントルクを前記車輪4に伝達して、前記車両1を後進させる向きの駆動力を発生させることができる。このため、前記モータ・ジェネレータ3に電力を供給する蓄電装置8Aの充電量が低下している場合でも、エンジントルクを車輪4に伝達して車両1を後進させることが可能である。この具体例5において、前記サンギヤ45が、この発明における「前後進切換装置44の入力要素」に相当し、前記キャリヤ48が、この発明における「前後進切換装置44の反力要素」に相当し、前記リングギヤ46およびカウンタドライブギヤ29が、この発明における「前後進切換装置44の出力要素」に相当する。
(具体例6)
つぎに、ハイブリッド駆動装置の具体例6を、図28に基づいて説明する。この具体例6は、請求項6に相当するものである。この具体例6において、具体例3と同じ構成部分については、具体例3と同じ符号を付してある。この具体例6においては、前記動力分配装置9の構成が、前記具体例3とは異なる。この具体例6における動力分配装置9は、前記回転軸線A1に沿った方向で、前記エンジン2と前記モータ・ジェネレータ3との間に配置されている。そして、この動力分配装置9は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構により構成されている。具体的には、前記動力分配装置9は、同軸上に配置されたたサンギヤ51およびリングギヤ52と、前記サンギヤ51に噛合された第1ピニオンギヤ53と、前記リングギヤ52および第1ピニオンギヤ53に噛合された第2ピニオンギヤ54と、前記第1ピニオンギヤ53および第2ピニオンギヤ54を自転可能、かつ、公転可能に支持するキャリヤ55とを有する。前記動力分配装置9の入力要素であるリングギヤ52と、前記クランクシャフト10との間の動力伝達経路に前記入力クラッチ17が配置されている。また、前記動力分配装置9の反力要素である前記サンギヤ51が、前記モータ・ジェネレータ3のロータ7と一体回転するように連結されている。さらに、動力分配装置9の出力要素であるキャリヤ55には、前記トルクコンバータ18のタービンランナ19が一体回転するように連結されている。さらに、このキャリヤ55と一体回転するカウンタドライブギヤ29が設けられている。
この具体例6に記載されたハイブリッド駆動装置において、前記入力クラッチ17およびクラッチ25およびロックアップクラッチ21を制御するモードを、図29に基づいて説明する。まず、第1モード(Low)では、前記入力クラッチ17および前記クラッチ25が共に係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が解放される。この第1モードが選択され、かつ、前記エンジン2が運転されて、そのエンジントルクが前記動力分配装置9に伝達された場合の具体的な制御および作用を、図30の共線図により説明する。すなわち、エンジントルクが前記リングギヤ52に入力されるとともに、前記モータ・ジェネレータ3が正回転で回生制御されて、その反力を受け持つ制御がおこなわれ、前記キャリヤ55に連結されたカウンタドライブギヤ29からトルクが出力される。この具体例6においても、第1モードでは、前記ロックアップクラッチ21が解放されるため、前記モータ・ジェネレータ3の回生トルクが、前記トルクコンバータ18で増幅されて、前記カウンタドライブギヤ29に伝達される。このため、図30には、エンジンからの伝達分に相当するトルクと、トルクコンバータで増幅された伝達分のトルクとが、共に矢印で示されている。
この図30の共線図と、図3の共線図とを比較すると、各共線図上で、前記モータ・ジェネレータ3とカウンタドライブギヤ29との間の距離が同じである。前記具体例3で第1モードが選択された場合、図3の共線図が該当する。そして、図30の共線図上における前記エンジン2と前記カウンタドライブギヤ29との間の距離は、図3の共線図上における前記エンジン2と前記カウンタドライブギヤ29との間の距離よりも長い。つまり、図30の共線図上における前記エンジン2と前記モータ・ジェネレータ3との間の距離は、図3の共線図上における前記エンジン2と前記モータ・ジェネレータ3との間の距離よりも短い。このように、各共線図上で、回転要素同士の間の距離が異なる理由は、具体例3の動力分配装置9がシングルピニオン型の遊星歯車機構を用いており、具体例6の動力分配装置9が、ダブルピニオン型の遊星歯車機構を用いているからである。このように、具体例6と具体例3とを比べると、共線図上では、具体例6の方が前記エンジン2が前記モータ・ジェネレータ3に近づけられているため、前記モータ・ジェネレータ3の反力トルクは、具体例3の場合よりも具体例6の場合の方が大きくなる。このため、前記トルクコンバータ18により増幅されて前記カウンタドライブギヤ29に伝達されるトルクは、具体例6の方が具体例3の場合よりも高くなる。したがって、車両1の発進性能が向上する。
一方、具体例6において、第2モード(Mid)が選択された場合、前記入力クラッチ17および前記クラッチ25が共に係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が係合される。さらに、この具体例6において、第3モードが選択された場合は、前記入力クラッチ17および前記ロックアップクラッチ21が共に係合され、かつ、前記クラッチ25が解放される。このように、具体例6と前記具体例3とを比較すると、第1モードおよび第2モードおよび第3モードの全部において、前記入力クラッチ17およびクラッチ25および前記ロックアップクラッチ21の係合・解放制御が同じである。また、具体例6において、第3モードが選択された場合は、具体例3について説明した制御例1(図42の制御例)を実行可能である。したがって、具体例6においては、具体例3でおこなわれる制御例と同じ制御例を実行可能であり、具体例3で各制御例を実行した場合と同じ効果を、具体例6においても得ることができる。ここで、具体例6で説明した事項と、請求項6との対応関係を説明すると、動力分配装置9を構成するダブルピニオン型の遊星歯車機構が、この発明における第1の遊星機構に相当し、サンギヤ51が、この発明の第1サンギヤおよび反力要素に相当し、リングギヤ52が、この発明の第1リングギヤおよび入力要素に相当し、第1ピニオンギヤ53が、この発明の第1ピニオンギヤに相当し、第2ピニオンギヤ54が、この発明の第2ピニオンギヤに相当し、キャリヤ55が、この発明の第1キャリヤおよび出力要素に相当する。
(具体例7)
この発明のハイブリッド駆動装置の具体例7を図31に示す。この具体例7において、図1に示す具体例1と同じ構成部分については、具体例1と同じ符号を付してある。この具体例7は、請求項7、8、9に相当するものである。この具体例7においては、前記トルクコンバータ18のポンプインペラ19に接続される動力伝達経路の構成が、具体例1とは異なる。すなわち、この具体例7においては、前記モータ・ジェネレータ3のロータは前記ポンプインペラ19には直接接続されていない一方、前記キャリヤ14が、前記クラッチ25を介在させてポンプインペラ19に接続されている。つまり、前記クラッチ25の摩擦材26が前記キャリヤ14と一体回転するように連結され、クラッチ25の摩擦材27が前記ポンプインペラ19と一体回転するように設けられている。
この具体例7において、第1モードが選択された場合、前記入力クラッチ17が係合され、かつ、前記クラッチ25が係合される。そして、エンジントルクが前記キャリヤ14に伝達されると、図32の共線図に示すように、前記モータ・ジェネレータ3が正回転で回生制御されて反力を受け持ち、前記カウンタドライブギヤ29からトルクが出力される。また、第1モードでは前記ロックアップクラッチ21が解放されており、前記エンジン2の動力の一部が、前記キャリヤ14から前記ポンプインペラ19に伝達される。すると、前記トルクコンバータ18でトルクが増幅されて、前記カウンタドライブギヤ29に伝達される。このようにして、前記エンジン2から前記カウンタドライブギヤ29に伝達されるトルクが増幅されるため、具体例1と同様の効果を得られる。また、具体例7において、第1モードが選択された場合は、前記入力クラッチ17および前記クラッチ25および前記ロックアップクラッチ21が全て係合される。この場合に、エンジントルクが前記キャリヤ14に伝達されると、図4の共線図と同様に、前記動力分配装置9の回転要素が一体回転する。なお、図32の共線図において、「(T/C・I/P)」は、トルクコンバータ18のポンプインペラ19の回転数であり、エンジン回転数とポンプインペラ19の回転数が同じであることを意味する。また、図32の共線図において、「(T/C・O/P)」は、トルクコンバータ18のタービンランナ20の回転数であり、カウンタドライブギヤ29の回転数とタービンランナ20の回転数とが同じであることを意味する。
この第2モードが選択された場合、前記モータ・ジェネレータ3が回生制御または力行制御の何れの制御もおこなわない場合、前記ロータ7が空転する。これに対して、前記モータ・ジェネレータ3が力行制御された場合は、そのトルクが前記サンギヤ11を経由して前記カウンタドライブギヤ29に伝達される。さらに、具体例7において第3モードが選択された場合は、前記入力クラッチ17が係合され、かつ、前記クラッチ25が係合されるとともに、前記ロックアップクラッチ21を係合または解放することができる。この第3モードが選択された場合に、前記エンジントルクが前記キャリヤ14に伝達されると、前記モータ・ジェネレータ3により反力が受け持たれ、前記カウンタドライブギヤ29からトルクが出力される。なお、前記クラッチ25が解放されているため、前記エンジントルクが前記トルクコンバータ18により増幅される作用は生じない。また、第3モードが選択された場合に、前記ロックアップクラッチ21が係合されていれば、前記トルクコンバータ18で引き摺りトルクが発生することを防止できる。さらに、この具体例7では、前記第1モードを選択し、かつ、図43に示された制御例2をおこなうことができ、前記モータ・ジェネレータ3のトルクではなく、前記エンジントルクが前記トルクコンバータ18で増幅される他は、制御例2について前述した効果と同様の効果を得られる。
また、この具体例7においては、前記図44で説明した制御例3、または前記図45で説明した制御例4、または前記図46で説明した制御例5、前記図47で説明した制御例6のいずれかをおこなうことができ、それぞれの制御例と同様の効果を得られる。ここで、具体例7で説明した事項と、請求項9の発明の構成との関係を説明すると、前記動力分配装置9を構成するシングルピニオン型の遊星歯車機構が、この発明における第1の遊星機構に相当し、前記サンギヤ11が、この発明における第2サンギヤに相当し、リングギヤ12が、この発明における第2リングギヤに相当し、ピニオンギヤ13が、この発明における第3ピニオンギヤに相当し、キャリヤ14が、この発明における第2キャリヤに相当する。
(具体例8)
つぎに、ハイブリッド駆動装置の具体例8を、図33に基づいて説明する。この具体例8は、請求項10に相当するものである。この具体例8において、具体例1および具体例7と同じ構成部分については、具体例1および具体例7と同じ符号を付してある。この具体例8においては、動力分配装置9に対する前記エンジン2およびモータ・ジェネレータ3およびトルクコンバータ18の接続形態が異なる。具体例8においては、前記インプットシャフト16に、前記動力分配装置9の入力要素である前記サンギヤ11が一体回転するように設けられている。すなわち、前記エンジン2と前記インプットシャフト16との間で伝達されるトルク容量を、前記入力クラッチ17により制御可能に構成されている。さらに、前記動力分配装置9の反力要素であるリングギヤ12には、前記モータ・ジェネレータ3のロータ7が一体回転するように接続されている。この図33においては、前記回転軸線A1に沿った方向で、前記動力分配装置9と前記エンジン2との間に前記モータ・ジェネレータ3が配置されている。さらに、前記動力分配装置9の出力要素であるキャリヤ14には、前記トルクコンバータ18のタービンランナ20が連結されている。さらに、前記インプットシャフト16から前記ポンプインペラ19に至る経路にクラッチ25が設けられている。すなわち、クラッチ25の摩擦材26が、インプットシャフト16と一体回転するように設けられており、クラッチ25の摩擦材27が、ポンプインペラ19と一体回転するように設けられている。更にまた、キャリヤ14と一体回転するカウンタドライブギヤ29が設けられている。
この具体例8において、前記入力クラッチ17および前記クラッチ25および前記ロックアップクラッチ21の係合・解放は、前記した図29の図表と同様におこなうことが可能である。具体例8において、前記クラッチ17が図29の「C1」に相当し、前記クラッチ25が図29の「C2」に相当し、前記ロックアップクラッチ21が図29の「L/U」に相当する。この具体例8において、第1モード(図29のLow)が選択された場合は、前記入力クラッチ17が係合され、かつ、前記クラッチ25が係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が解放される。また、この具体例8において、第2モード(図29のMid)が選択された場合は、前記入力クラッチ17が係合され、かつ、前記クラッチ25が係合され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が係合される。さらに、この具体例8において、第3モード(図29のHigh)が選択された場合は、前記入力クラッチ17が係合され、かつ、前記クラッチ25が解放され、かつ、前記ロックアップクラッチ21が係合される。
この具体例8において、前記第1モードないし第3モードが選択された場合における回転要素の状態の一例を、図34ないし図36の共線図により説明する。これらの共線図において、前記エンジン2(ENG)と前記モータ・ジェネレータ3(MG)との間に、前記カウンタドライブギヤ29(出力)が配置されている。まず、具体例8で第1モードが選択された場合を、図34に基づいて説明すると、前記エンジン2が正方向に回転しており、エンジントルクが、前記サンギヤ11に伝達されるとともに、前記モータ・ジェネレータ3が逆回転し、かつ、回生制御されてエンジントルクの反力を受け持つ。その結果、エンジントルクが前記カウンタドライブギヤ29に伝達されて、停止しているカウンタドライブギヤ29が正回転する向きのトルクが発生する。また、前記エンジン2の動力の一部は、前記インプットシャフト16および前記クラッチ25を経由して、前記トルクコンバータ18に伝達される。
ここで、前記ロックアップクラッチ21が解放されているため、前記ポンプインペラ19から前記タービンランナ20に伝達されるトルクが増幅される。したがって、前記カウンタドライブギヤ29に伝達されるトルクが増幅され、具体例1と同様の効果を得られる。この作用が、図34では「T/Cトルク増幅」で示されている。さらに、前記トルクコンバータ18では前述した引き摺りトルクが発生するため、前記モータ・ジェネレータ3で受け持つ反力トルクを低減でき構成例1と同様の効果を得られる。なお、図34において、「(T/C・I/P)」は、前記トルクコンバータ18のポンプインペラ19の回転数を示し、「(T/C・O/P)」は、前記トルクコンバータ18のタービンランナ20の回転数を示している。この図34の共線図において、前記動力分配装置9は、エンジン回転数よりもカウンタドライブギヤ29の回転数の方が低い状態、いわゆる減速状態(変速比が「1」よりも大)である。
つぎに、具体例8で第2モードが選択された場合を、図35に基づいて説明する。この第2モードが選択された場合は、前記動力分配装置9の回転要素が一体回転する状態となる。すなわち、エンジン回転数および前記モータ・ジェネレータ3の回転数および前記カウンタドライブギヤ29の回転数が同一となる。この図35の共線図において、前記動力分配装置9は、エンジン回転数とカウンタドライブギヤ29の回転数とが同一であり、その変速比が「1」となっている。ここで、前記モータ・ジェネレータ3は力行制御してもよいし、モータ・ジェネレータ3を無負荷として空転させてもよい。さらに、具体例8で第3モードが選択された場合を、図36に基づいて説明する。この第3モードが選択された場合は、エンジントルクが、前記サンギヤ11に伝達されるとともに、前記モータ・ジェネレータ3が正回転し、かつ、力行制御されてエンジントルクの反力を受け持つ。この図35の共線図において、前記動力分配装置9は、エンジン回転数よりもカウンタドライブギヤ29の回転数の方が高い状態、いわゆる増速状態(変速比が「1」よりも小)である。
この具体例8で実行可能な制御モード(走行モード)の一例を、図37に示す。この図37に示された各走行モードは、前述した制御例2ないし7に相当している。すなわち、図37に示された「発進・急加速」のモードが、前記制御例2に相当し、図37に示された「緩加速」のモードが、前記制御例3に相当し、図37に示された「中・高速定常走行」のモードが、前記制御例4に相当し、図37に示された「SOC上昇」のモードが、前記制御例5に相当し、図37に示された「EV発進」のモードが、前記制御例6に相当し、図37に示された「中・高速EV走行」のモードが、前記制御例7の『第1の「モータ制御モード」』に相当し、図37に示された「回生」のモードが、前記制御例7の『第2の「モータ制御モード」』に相当する。この具体例8において、制御例2ないし7をおこなった場合も、制御例2ないし7で説明した効果を得ることができる。
図33に示された構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、動力分配装置9が、この発明における「シングルピニオン型の遊星歯車機構」および「第1の遊星機構」に相当し、サンギヤ11が、この発明の入力要素および第3サンギヤに相当し、リングギヤ12が、この発明における反力要素および第3リングギヤに相当し、ピニオンギヤ13が、この発明の第4ピニオンギヤに相当し、キャリヤ14が、この発明における出力要素および第3キャリヤに相当する。具体例8において、その他の構成とこの発明の構成例との対応関係は、具体例1の構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。
(具体例9)
つぎに、ハイブリッド駆動装置の具体例9を、図38に基づいて説明する。この具体例9は、請求項11に相当するものである。この具体例9において、具体例1および具体例7と同じ構成部分については、具体例1および具体例7と同じ符号を付してある。この具体例9においては、動力分配装置9のサンギヤ11に、前記入力クラッチ17を介在させてエンジン2が連結され、前記キャリヤ14にモータ・ジェネレータ3が連結されている。さらに、前記動力分配装置9と同軸上にシングルピニオン型の遊星歯車機構56が設けられている。この遊星歯車機構56は、同軸上に配置されたサンギヤ57およびリングギヤ58と、前記サンギヤ57およびリングギヤ58に噛合されたピニオンギヤ59を自転可能に支持するキャリヤ60とを有している。そして、前記リングギヤ12とリングギヤ58とが一体回転するように連結され、前記キャリヤ60が公転不可能に固定されている。さらに、前記サンギヤ57を有するコネクティングドラム61が設けられており、このコネクティングドラム61にカウンタドライブギヤ29が形成されている。またコネクティングドラム61と、トルクコンバータ19のタービンランナ20とが一体回転するように連結されている。また、前記インプットシャフト16には、前記クラッチ25の摩擦材26が取り付けられており、前記クラッチ25の摩擦材27が前記ポンプインペラ19に取り付けられている。
この具体例9において、図29の図表で示された第1モードないし第3モードを選択的に切り換え可能である。具体例9において、前記入力クラッチ17が図29の「C1」に相当し、前記クラッチ25が図29の「C2]に相当し、前記ロックアップクラッチ21が図29の「L/U」に相当する。この具体例9において、第1モードが選択された場合の共線図が図39に示されている。この具体例9においては、共線図上で、前記エンジン2および前記サンギヤ11と、前記リングギヤ12との間に、前記モータ・ジェネレータ3およびキャリヤ14が位置している。また、前記リングギヤ58と、前記サンギヤ57および前記カウンタドライブギヤ29との間に、前記キャリヤ60が位置している。具体例9において、第1モードが選択されてエンジントルクが前記サンギヤ11に入力されるとともに、前記モータ・ジェネレータ3が正回転で回生制御されて反力が受け持たれ、前記リングギヤ12,58を逆回転させようとする向きのトルクが発生する。そして、前記遊星歯車機構56では、固定されている前記キャリヤ60により反力が受け持たれ、前記サンギヤ57および前記カウンタドライブギヤ29を、正回転させようとする向きのトルクが発生する。この第1モードが選択された場合、前記エンジン回転数よりも、前記カウンタドライブギヤ29の回転数の方が低い。すなわち、前記エンジン回転数とカウンタドライブギヤ29の回転数との間の変速比は、「1」よりも大きい減速状態である。また、第1モードが選択された場合、前記ロックアップクラッチ21が解放されているため、前記エンジントルクがインプットシャフト16を経由して前記トルクコンバータ18に伝達された場合に、そのトルクコンバータ18でトルク増幅がおこなわれて、増幅されたトルクが前記カウンタドライブギヤ29に伝達される。したがって、具体例1で第1モードを選択した場合と同じ効果を得られる。
また、この具体例9で第2モードが選択された場合の一例を、図40の共線図により説明する。第2モードが選択されてエンジントルクが前記サンギヤ11に入力されるとともに、前記モータ・ジェネレータ3で反力が受け持たれ、前記リングギヤ12,58を逆回転させる向きのトルクが発生する。そして、前記遊星歯車機構56では、固定されている前記キャリヤ60により反力が受け持たれ、前記サンギヤ57および前記カウンタドライブギヤ29が正回転する。また、第2モードが選択された場合、前記クラッチ25およびロックアップクラッチ21が係合されるため、エンジン回転数と前記カウンタドライブギヤ29の回転数とが同一となる。すなわち、前記エンジン回転数とカウンタドライブギヤ29の回転数との間の変速比は、「1」である。また、ロックアップクラッチ21が係合されているため、前記トルクコンバータ18ではトルク増幅がおこなわれない。なお、図40の共線図では、前記モータ・ジェネレータ3が、逆回転で力行制御されている場合を示す。
また、この具体例9で第3モードが選択された場合の一例を、図41の共線図により説明する。第2モードが選択されてエンジントルクが前記サンギヤ11に入力されるとともに、前記モータ・ジェネレータ3が逆回転で力行制御されて反力が受け持たれ、前記リングギヤ12,58が逆回転している。そして、前記遊星歯車機構56では、固定されている前記キャリヤ60により反力が受け持たれ、前記サンギヤ57および前記カウンタドライブギヤ29が正回転する。また、第3モードが選択された場合、前記クラッチ25が解放され、かつ、前記ロックアップクラッチ21は係合される。このように第3モードが選択された場合、エンジン回転数よりも前記カウンタドライブギヤ29の回転数の方が高回転数となり、変速比は「1」よりも小さい。また、ロックアップクラッチ21が係合されているため、前記トルクコンバータ18における引き摺りトルクを防止できる。この具体例9においても、具体例1で第2モードまたは第3モードが選択された場合と同様の効果を得られる。さらに、この具体例9においても、図37に示された各制御を実行可能であり、したがって、具体例9においても、前述した制御例2ないし7を実行可能であり、制御例2ないし7と同様の効果を得られる。
この具体例9の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、遊星歯車機構56が、この発明の第2遊星歯車機構に相当し、リングギヤ12が、この発明の第4リングギヤおよび第1出力要素に相当し、サンギヤ1が、この発明の第4サンギヤおよび第1入力要素に相当し、キャリヤ14が、この発明の第4キャリヤおよび第1反力要素に相当し、リングギヤ58が、この発明の第5リングギヤおよび第2入力要素に相当し、キャリヤ60が、この発明の第5キャリヤおよび第2反力要素に相当し、サンギヤ57がこの発明の第5サンギヤに相当し、前記サンギヤ57およびコネクティングドラム61およびカウンタドライブギヤ29が、この発明の第2出力要素に相当する。この具体例9におけるその他の構成と、この発明との対応関係は、具体例1と、この発明との対応関係と同じである。なお、上記制御例1ないし制御例8は、便宜上、別々に説明しているが、複数の制御例同士を組み合わせることが可能であり、各制御例における異なる制御内容が相互に背反することもない。
この発明のハイブリッド駆動装置を有する車両の具体例1を示す概念図である。 図1に示されたクラッチを制御するモードと、クラッチの係合・解放状態との関係を示す図表である。 図1に示された動力分配装置の回転要素の状態を示し、第1モードに相当する共線図である。 図1に示された動力分配装置の回転要素の状態を示し、第2モードに相当する共線図である。 図1に示された動力分配装置の回転要素の状態を示し、第3モードに相当する共線図である。 この発明のハイブリッド駆動装置を有する車両の具体例2を示す概念図である。 この発明のハイブリッド駆動装置を有する車両の具体例3を示す概念図である。 この発明のハイブリッド駆動装置で制御例2が実行された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置で制御例2が実行された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置で制御例2が実行された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置で制御例3を実行する場合における、各クラッチおよびロックアップクラッチの係合・解放を示す図表である。 この発明のハイブリッド駆動装置で制御例3が実行された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置において、制御例3を実行する場合に用いるマップの一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置で制御例4が実行された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置において、前記制御例4を実行する場合に用いるマップの一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置で制御例5を実行する場合における、各クラッチおよびロックアップクラッチの係合・解放を示す図表である。 この発明のハイブリッド駆動装置で制御例5が実行された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置で制御例6を実行する場合における、各クラッチおよびロックアップクラッチの係合・解放を示す図表である。 この発明のハイブリッド駆動装置で制御例6が実行された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置で制御例7を実行する場合における、各クラッチおよびロックアップクラッチの係合・解放を示す図表である。 この発明のハイブリッド駆動装置で制御例7が実行された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置を有する車両の具体例4を示す概念図である。 図22に示すハイブリッド駆動装置において、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例5を示す概念図である。 図24のハイブリッド駆動装置に設けられた前後進切換装置を制御内容を示す図表である。 図24のハイブリッド駆動装置で前進ポジションを選択した場合に相当する共線図である。 図24のハイブリッド駆動装置で後進ポジションを選択した場合に相当する共線図である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例6を示す概念図である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例6において、各クラッチおよびロックアップクラッチの係合・解放を示す図表である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例6で、第1モードが選択された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例7を示す概念図である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例7で、第1モードが選択された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例8を示す概念図である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例8で、第1モードが選択された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例8で、第2モードが選択された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例8で、第3モードが選択された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例8において、各走行モードと、各クラッチおよびロックアップクラッチの係合・解放との関係を示す図表である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例9を示す概念図である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例9で、第1モードが選択された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例9で、第2モードが選択された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置の具体例9で、第3モードが選択された場合における、各回転要素の状態を示す共線図の一例である。 この発明のハイブリッド駆動装置でおこなわれる制御例1を示すフローチャートである。 この発明のハイブリッド駆動装置でおこなわれる制御例2を示すフローチャートである。 この発明のハイブリッド駆動装置でおこなわれる制御例3を示すフローチャートである。 この発明のハイブリッド駆動装置でおこなわれる制御例4を示すフローチャートである。 この発明のハイブリッド駆動装置でおこなわれる制御例5を示すフローチャートである。 この発明のハイブリッド駆動装置でおこなわれる制御例6を示すフローチャートである。 この発明のハイブリッド駆動装置でおこなわれる制御例7を示すフローチャートである。
符号の説明
1…車両、 2…エンジン、 3…モータ・ジェネレータ、 4…車輪、 6…動力分配装置、 8A…蓄電装置、 11,39,57…サンギヤ、 12,40,58…リングギヤ、 13,41,59…ピニオンギヤ、 14,42,60…キャリヤ、 17…入力クラッチ、 18…トルクコンバータ、 19…ポンプインペラ、 20…タービンランナ、 21…ロックアップクラッチ、 22,25…クラッチ、 29…カウンタドライブギヤ、 38,56…遊星歯車機構、 43…ブレーキ、 61…コネクティングドラム。

Claims (18)

  1. 入力要素および反力要素および出力要素を有する第1の遊星機構と、前記入力要素に連結されたエンジンと、前記反力要素に連結されたモータとを有するハイブリッド駆動装置において、
    第1の回転部材と第2の回転部材との間で流体の運動エネルギにより動力伝達がおこなわれ、かつ、伝達されるトルクを増幅することの可能なトルクコンバータが設けられており、前記エンジンまたは前記モータのいずれか一方が、前記第1の回転部材に動力伝達可能に接続されており、前記第2の回転部材が前記出力要素に動力伝達可能に接続されていることを特徴とするハイブリッド駆動装置。
  2. 前記モータに、前記反力要素および前記第1の回転部材が並列に動力伝達可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド駆動装置。
  3. 前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路、または前記第2の回転部材と前記出力要素との間の動力伝達経路の少なくとも一方に、トルク容量を制御可能なクラッチが配置されていることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド駆動装置。
  4. 前記第1の遊星機構の他に第2の遊星機構が設けられており、この第2の遊星機構は、入力要素および反力要素および出力要素を有しており、
    前記エンジンが、前記第2の遊星機構の入力要素を介して前記第1の遊星機構の入力要素に連結され、前記第1の遊星機構の出力要素が前記第2の遊星機構の出力要素に連結されており、
    前記第2の遊星機構の反力要素に制動力を与えるブレーキが設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のハイブリッド駆動装置。
  5. 前記第1の遊星機構の出力要素から車両の車輪に至る動力伝達経路に、前記第1の遊星機構の出力要素の回転方向に対して、前記車輪の回転方向を正逆に切り換える前後進切換装置が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のハイブリッド駆動装置。
  6. 前記第1の遊星機構は、同軸上に配置された第1サンギヤおよび第1リングギヤと、前記第1サンギヤに噛合された第1ピニオンギヤと、前記第1リングギヤおよび第1ピニオンギヤに噛合された第2ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤおよび第2ピニオンギヤを自転可能、かつ、公転可能に支持する第1キャリヤとを有するダブルピニオン型の遊星歯車機構で構成されており、前記第1リングギヤが前記入力要素であり、前記第1サンギヤが前記反力要素であり、前記第1キャリヤが前記出力要素であることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載のハイブリッド駆動装置。
  7. 前記エンジンが前記入力要素を介して前記第1の回転部材に動力伝達可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド駆動装置。
  8. 前記入力要素から前記第1の回転部材に至る動力伝達経路に、トルク容量を制御可能なクラッチが設けられていることを特徴とする請求項7に記載のハイブリッド駆動装置。
  9. 前記第1の遊星機構は、同軸上に配置された第2サンギヤおよび第2リングギヤと、前記第2サンギヤおよび前記第2リングギヤに噛合された第3ピニオンギヤを自転かつ、公転可能に支持する第2キャリヤとを有するシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されており、前記第2キャリヤが前記入力要素であり、前記第2サンギヤが前記反力要素であり、前記第2リングギヤが出力要素であるとともに、前記エンジンから前記第2キャリヤに至る動力伝達経路に、トルク容量を制御可能な入力クラッチが配置されていることを特徴とする請求項7または8に記載のハイブリッド駆動装置。
  10. 前記第1の遊星機構は、同軸上に配置された第3サンギヤおよび第3リングギヤと、前記第3サンギヤおよび前記第3リングギヤに噛合された第4ピニオンギヤを自転かつ、公転可能に支持する第3キャリヤとを有するシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されており、前記第3サンギヤが前記入力要素であり、前記第3リングギヤが前記反力要素であり、前記第3キャリヤが出力要素であるとともに、前記エンジンから前記第3サンギヤに至る動力伝達経路に、トルク容量を制御可能な入力クラッチが配置されていることを特徴とする請求項7または8に記載のハイブリッド駆動装置。
  11. 前記第1の遊星機構は、同軸上に配置された第4サンギヤおよび第4リングギヤと、前記第4サンギヤおよび前記第4リングギヤに噛合された第5ピニオンギヤを自転かつ、公転可能に支持する第4キャリヤとを有するシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されており、前記第4サンギヤが第1入力要素であり、前記第4キャリヤが第1反力要素であり、前記第4リングギヤが第1出力要素であるとともに、
    前記第1の遊星機構の他に第2の遊星機構が設けられており、この第2の遊星機構は、同軸上に配置された第5サンギヤおよび第5リングギヤと、前記第5サンギヤおよび前記第5リングギヤに噛合された第6ピニオンギヤを自転可能に支持する第5キャリヤとを有するシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されており、前記第5リングギヤが第2入力要素であり、前記第5キャリヤが第2反力要素であり、前記第5サンギヤが第2出力要素であるとともに、
    前記第4リングギヤと前記第5リングギヤとが一体回転するように連結され、前記エンジンから前記第4サンギヤに至る動力伝達経路に、トルク容量を制御可能な入力クラッチが配置されているとともに、前記モータ・ジェネレータが前記第4キャリヤに連結され、前記第5キャリヤが公転不可能に固定され、前記第5サンギヤが前記第1の回転部材に動力伝達可能に接続されており、前記第2の回転部材が前記第2出力要素に動力伝達可能に接続されていることを特徴とする請求項7または8に記載のハイブリッド駆動装置。
  12. 前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路に設けられたクラッチと、前記第1の回転部材と第2の回転部材との間で摩擦力により動力伝達をおこなわせるロックアップクラッチとを有し、
    前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路に設けられたクラッチの伝達トルクを低下させ、かつ、前記ロックアップクラッチの伝達トルクを高める第1の制御手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド駆動装置。
  13. 前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路に前記クラッチが設けられ、前記出力要素から出力されたトルクが車両の車輪に伝達されるように構成されており、
    前記車両を発進させる場合、または車両が加速する場合に、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路に設けられたクラッチの伝達トルクを高める第2の制御手段を備えていることを特徴とする請求項3または7または8または9または10または11に記載のハイブリッド駆動装置。
  14. 前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路に前記クラッチが設けられ、前記出力要素から出力されたトルクが車両の車輪に伝達されるように構成されており、
    前記車両が低速で走行する場合、または車両が緩やかに加速する場合に、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路に設けられたクラッチの伝達トルクを低下させる第3の制御手段を備えていることを特徴とする請求項3または7または8または9または10または11に記載のハイブリッド駆動装置。
  15. 前記第1の回転部材と第2の回転部材との間で摩擦力により動力伝達をおこなわせるロックアップクラッチとを有し、前記出力要素から出力されたトルクが車両の車輪に伝達されるように構成されており、
    前記車両が、予め定められた中車速、または中車速よりも高速の高車速で走行し、かつ、一定車速で走行する場合に、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路、または前記第2の回転部材と前記出力要素との間の動力伝達経路の少なくとも一方に設けられたクラッチの伝達トルクを全て高めるとともに、前記ロックアップクラッチの伝達トルクを高める制御をおこなう第4の制御手段を備えていることを特徴とする請求項3または7または8または9または10または11に記載のハイブリッド駆動装置。
  16. 前記モータが、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行制御と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生制御とを切り換えておこなうことの可能なモータ・ジェネレータであり、前記モータ・ジェネレータで回生制御をおこなってエンジントルクの反力を受け持つ場合に、前記モータ・ジェネレータで発生した電力が充電される蓄電装置を有しており、
    前記蓄電装置の充電量が、予め定められた値以上である場合は、前記モータ・ジェネレータを逆回転させ、かつ、力行制御させて前記エンジントルクの反力を受け持たせる制御をおこなう第5の制御手段を備えていることを特徴とする請求項3または7または8または9または10または11に記載のハイブリッド駆動装置。
  17. 前記エンジンから前記入力要素に至る動力伝達経路に設けられた入力クラッチと、前記第1の回転部材と第2の回転部材との間で摩擦力により動力伝達をおこなうロックアップクラッチとが設けられており、
    この入力クラッチの伝達トルクを低下させ、かつ、前記ロックアップクラッチの伝達トルクを低下させ、かつ、モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路、または前記第2の回転部材と前記出力要素との間の動力伝達経路の少なくとも一方に設けられた全てのクラッチのトルク容量を高めるとともに、前記モータのトルクを前記第1の回転部材を経由させて前記出力要素に伝達する第6の制御手段を備えていることを特徴とする請求項3または7または8または9にまたは10または11記載のハイブリッド駆動装置。
  18. 前記エンジンから前記入力要素に至る動力伝達経路に設けられた入力クラッチと、前記第1の回転部材と第2の回転部材との間で摩擦力により動力伝達をおこなうロックアップクラッチとが設けられており、
    前記入力クラッチの伝達トルクを低下させ、かつ、前記ロックアップクラッチの伝達トルクを高め、かつ、前記モータと前記第1の回転部材との間の動力伝達経路、または前記第2の回転部材と前記出力要素との間の動力伝達経路の少なくとも一方に設けられた全てのクラッチのトルク容量を高める第7の制御手段と、
    前記モータのトルクを前記第1の回転部材を経由させて前記出力要素に伝達することにより、車両の駆動力を発生させる第1のモータ制御、または前記車両が惰力走行する場合に、前記車両が惰力走行する場合の運動エネルギを前記モータに伝達し、かつ、そのモータで発電する第2のモータ制御のうち、何れか一方のモータ制御を選択する第8の制御手段と
    を備えていることを特徴とする請求項3または9または10または11に記載のハイブリッド駆動装置。
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