JP5055770B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、画像形成装置に関し、特に、印字ヘッドを備えた画像形成装置に関する。
従来、印字ヘッドに設けられた複数の発熱体を発熱させることによって、用紙に対して画像を印刷する熱転写プリンタなどの画像形成装置が知られている。上記した従来の画像形成装置において、複数の発熱体は、用紙送り方向と直交する方向に互いに所定の間隔を隔てて1列に配列されている。この1列の発熱体によって、1ライン分の画像が形成されるとともに、1つの発熱体によって、1ドット分の画像が形成される。そして、用紙への画像の印刷は、発熱体に対してエネルギを印加することにより発熱体を発熱させるとともに、用紙を1ライン分ずつ送ることによって行われる。また、従来では、これから印字するドットにエネルギを印加する際に、そのドットの前のドットに印加したエネルギに応じてこれから印字するドットに与えるエネルギの量を補正する処理が行われている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。
上記特許文献1および特許文献2に記載の補正処理方法では、これから印字するラインの印字データを、既に印字が完了した直前の数ライン分の印字データに基づき演算された履歴パターンを参照することにより補正し、印字を行う。
しかしながら、上記した特許文献1および特許文献2に記載の補正処理方法においては、印字が完了した後の数ライン分の印字データの履歴パターンに基づいてこれから印字するラインの印字データを補正して補正印字データを作製する。ここで、特許文献1および2には明記されていないが、従来では、印字データを補正する際には、印字データを数%増加または減少させる処理が行われる。この場合、CPUなどからなる制御部において、まず、印字データの1%の値を算出した後、その印字データの1%の値に所定のパーセント指定値を掛けた補正値を印字データに加算または減算することによって、補正印字データを算出する。ここで、CPUを用いて印字データの1%の値を算出する際には、印字データを「100」で割る除算を行う必要があり、その場合、CPUでの除算は被除数から除数を引いた回数をカウントすることによって商を算出する。このため、減算を繰り返す必要があり、制御部のみによって演算を行う場合には計算に時間を要する。そのため補正処理にかかる時間が長くなってしまい、その結果、印刷時間が長くなってしまうという不都合がある。
また、従来では、除算専用の演算回路を制御部とは別個に設けた除算方法も開示されている(たとえば、特許文献3および特許文献4参照)。しかしながら、専用の演算回路を設けると、その分、回路構成が複雑になってしまうという不都合がある。
そこで、従来、専用の演算回路を設けることなくある程度高速な演算が可能な除算方法が提案されている(たとえば、特許文献5参照)。
上記特許文献5において提案された除算方法では、除数の逆数を、2のべき乗による級数に展開し、除数の逆数と、被除数とを掛け合わせる。2のべき乗倍の値は、シフト演算により求めることができることから、その積の第1項から第n項(nは別途行う計算により決定)までを加えることにより、商を算出することができる。
特開平6−179267号公報 特開2004−58447号公報 特開平7−36669号公報 特開平9−319560号公報 特開平6−168105号公報
しかしながら、上記特許文献5に記載の除算方法では、nを求めるための計算に余分な時間がかかり、演算に時間を要する。このため、特許文献5の計算方法を画像形成装置の印字データの補正処理に使用した場合、印刷時間が長くなってしまうという問題点がある。その結果、より高速な印刷を行うのは困難であった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の1つの目的は、専用の演算回路を使用することなく、より高速な補正演算を行うとともに高速に印刷を行うことが可能な画像形成装置を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
この発明の第1の局面における画像形成装置は、印字ヘッドと、印字ヘッドに設けられ、所定の階調に対応する印加データに応じたエネルギが印加されることにより発熱するとともに、インクシートを加熱してインクシートのインクを用紙の印刷領域に転写するための発熱体と、印字ヘッドおよび発熱体を制御する制御部とを備えた画像形成装置において、制御部は、発熱体に対応する用紙の印刷領域において、用紙に印刷される色が第1の階調から第2の階調に変化する際の第1の階調と第2の階調との階調差が第1のしきい値以上である場合に、第2の階調が第1の階調よりも高い場合には、用紙に第2の階調の色が印刷される際に、第2の階調に対応する印加データに応じたエネルギよりも大きい補正エネルギを発熱体に対して印加するとともに、第2の階調が第1の階調よりも低い場合には、用紙に第2の階調の色が印刷される際に、第2の階調に対応する印加データに応じたエネルギよりも小さい補正エネルギを発熱体に対して印加し、かつ、用紙に印刷される色が第1の階調から第2の階調に変化する際の第1の階調と第2の階調との階調差が第1のしきい値未満である場合に、第2の階調に対応する印加データの補正処理を行わず、かつ、制御部は、第1の階調と第2の階調との階調差に応じて算出される所定のパーセントを第2の階調に対応する印加データに乗じた値を算出してその値を第2の階調に対応する印加データに加えるか、または、減じることにより、補正エネルギを算出するとともに、第2の階調に対応する印加データに所定のパーセントを乗じる際に、シフト演算を用いて、第2の階調に対応する印加データの値を右に7ビットシフトした値と、第2の階調に対応する印加データの値を右に9ビットシフトした値と、第2の階調に対応する印加データの値を右に12ビットシフトした値とを加えることにより、第2の階調に対応する印加データの1%の近似値を算出した後、印加データの1%の近似値に所定のパーセントを乗じる。
この第1の局面による画像形成装置では、上記のように、発熱体を制御する制御部により、第2の階調に対応する印加データに所定のパーセントを乗じた値を算出してその値を第2の階調に対応する印加データに加えるかまたは減じることにより補正エネルギを算出するように構成することによって、専用の演算回路を設けることなく、補正処理を行うことができる。また、第2の階調に対応する印加データの1パーセントの値としてシフト演算に基づいて算出した近似値を使用するように構成することによって、シフト演算により算出した値を選択して加算または減算するだけで近似値を求めることができるので、補正処理を高速に行うことができる。その結果、より高速に印刷を行うことができる。また、第2の階調に対応する印加データに所定のパーセントを乗じる際に、第2の階調に対応する印加データの値を右に7ビットシフトした値と、第2の階調に対応する印加データの値を右に9ビットシフトした値と、第2の階調に対応する印加データの値を右に12ビットシフトした値とを加えることにより、第2の階調に対応する印加データの1%の近似値を算出するように構成することによって、第2の階調に対応する印加データの1.0009765625%の値を簡単に算出することができる。この値を、第2の階調に対応する印加データの1%の近似値として使用することにより、補正処理を高速に行うことができる。また、所定のパーセントを第1の階調と第2の階調との階調差に応じて算出するように構成することによって、階調差の大きい場合は、補正量を多くし、階調差の小さい場合は補正量を少なくすることができるので、より的確な補正をすることができる。
この発明の第2の局面による画像形成装置は、印字ヘッドと、印字ヘッドに設けられ、所定の階調に対応する印加データに応じたエネルギが印加されることにより発熱するとともに、インクシートを加熱してインクシートのインクを用紙の印刷領域に転写するための発熱体と、印字ヘッドおよび発熱体を制御する制御部とを備え、制御部は、発熱体に対応する用紙の印刷領域において、用紙に印刷される色が第1の階調から第2の階調に変化する際の第1の階調と第2の階調との階調差が第1のしきい値以上である場合に、第2の階調が第1の階調よりも高い場合には、用紙に第2の階調の色が印刷される際に、第2の階調に対応する印加データに応じたエネルギよりも大きい補正エネルギを発熱体に対して印加するとともに、第2の階調が第1の階調よりも低い場合には、用紙に第2の階調の色が印刷される際に、第2の階調に対応する印加データに応じたエネルギよりも小さい補正エネルギを発熱体に対して印加し、かつ、用紙に印刷される色が第1の階調から第2の階調に変化する際の第1の階調と第2の階調との階調差が第1のしきい値未満である場合に、第2の階調に対応する印加データの補正処理を行わず、かつ、制御部は、第2の階調に対応する印加データに所定のパーセントを乗じた値を算出してその値を第2の階調に対応する印加データに加えるか、または、減じることにより、補正エネルギを算出するとともに、第2の階調に対応する印加データに所定のパーセントを乗じた値を算出する際に、シフト演算に基づいて算出した値を近似値として使用する。
この第2の局面による画像形成装置では、上記のように、発熱体を制御する制御部により、第2の階調に対応する印加データに所定のパーセントを乗じた値を算出してその値を第2の階調に対応する印加データに加えるかまたは減じることにより補正エネルギを算出するように構成することによって、専用の演算回路を設けることなく、補正処理を行うことができる。また、第2の階調に対応する印加データの1パーセントの値としてシフト演算に基づいて算出した近似値を使用するように構成することによって、シフト演算により算出した値を選択して加算または減算するだけで近似値を求めることができるので、補正処理を高速に行うことができる。その結果、より高速に印刷を行うことができる。
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、制御部は、第2の階調に対応する印加データに所定のパーセントを乗じる際に、第2の階調に対応する印加データの値を右に7ビットシフトした値と、第2の階調に対応する印加データの値を右に9ビットシフトした値と、第2の階調に対応する印加データの値を右に12ビットシフトした値とを加えることにより、第2の階調に対応する印加データの1%の近似値を算出した後、印加データの1%の近似値に所定のパーセントを乗じる。このように構成すれば、1.0009765625%の値を簡単に算出することができる。この値を、第2の階調に対応する印加データの1%の近似値として使用することにより、補正処理を高速に行うことができる。
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、所定のパーセントは、第1の階調と第2の階調との階調差に応じて算出される。このように構成すれば、階調差の大きい場合は、補正量を多くし、階調差の小さい場合は補正量を少なくすることができるので、より的確な補正をすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による熱転写プリンタ(画像形成装置)の全体構成を示した斜視図である。図2は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタからインクシートカートリッジおよび用紙トレイを取り外した状態を示した斜視図である。図3〜図10は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの詳細構成を説明するための図である。まず、図1〜図10を参照して、本実施形態による画像形成装置としての熱転写プリンタの構造について説明する。なお、本実施形態による熱転写プリンタは、0階調〜255階調の色を印刷することが可能なように構成されている。
本実施形態による熱転写プリンタは、図1および図2に示すように、金属製のシャーシ1と、印字を行うための印字ヘッド2と、印字ヘッド2に対向するように配置されたプラテンローラ3(図10参照)と、金属製の送りローラ4(図10参照)と、送りローラギア5と、所定の押圧力で送りローラ4を押圧する金属製の押さえローラ6(図10参照)と、樹脂製の下部用紙ガイド7aと、樹脂製の上部用紙ガイド7bと、ゴム製の給紙ローラ8と、給紙ローラギア9と、ゴム製の排紙ローラ10と、排紙ローラギア11と、インクシート巻取リール12と、モータブラケット13と、用紙14(図1参照)を搬送するためのモータ15と、印字ヘッド2を回動させるモータ16と、揺動可能な揺動ギア17と、複数の中間ギア18〜21(図4参照)と、熱転写プリンタの動作を制御する回路部22(図3参照)とを備えている。また、本実施形態による熱転写プリンタを用いて印刷する際には、複数の用紙14(図1参照)のサイズにそれぞれ対応して設けられる用紙トレイ23(図1参照)と、複数の用紙14のサイズに対応する複数のインクシート24(図10参照)にそれぞれ対応して設けられるインクシートカートリッジ25(図1参照)とが装着される。
また、図1および図2に示すように、シャーシ1は、一方側面1aと、他方側面1bと、底面1cとを有している。また、シャーシ1の一方側面1aには、上記したモータブラケット13が取り付けられている。また、シャーシ1の一方側面1aの内面側には、図5に示すように、2つのスイッチ部26aを有するインクシート認識スイッチ26が設けられている。また、シャーシ1の他方側面1bには、図1および図2に示すように、インクシートカートリッジ25を挿入するための挿入孔1dが設けられている。また、図10に示すように、シャーシ1の底面1cには、用紙14の前端部および後端部を検出するための用紙センサ27aおよび27bが設けられている。
また、印字ヘッド2は、支持軸2aと、アーム部2bと、ヘッド部2cと、ヘッド部2cに取り付けられる樹脂製のヘッドカバー2dとを含む。また、印字ヘッド2は、図2に示すように、シャーシ1の両側面の内側に、支持軸2aを中心として回動可能に取り付けられている。また、印字ヘッド2のヘッド部2cには、図6に示すように、電圧パルスが印加されることにより発熱するとともに、インクシート24を加熱してインクシート24のインクを用紙14の印刷領域14aに転写するための複数の発熱体2eが設けられている。この複数の発熱体2eは、用紙送り方向(Y方向)と直交するX方向に互いに所定の間隔を隔てて1列に配列されている。そして、1つの発熱体2eによって、1ドット分の画像が用紙14に印刷されるとともに、1列の発熱体2eによって、1ライン分の画像が用紙14に印刷される。なお、本実施形態による熱転写プリンタに使用される用紙14は、図8に示すように、X方向(用紙送り方向と直交する方向)に1280ドット分、および、Y方向(用紙送り方向)に1800ライン分の印刷領域14aを有する。また、図6に示すように、印字ヘッド2の底面部の発熱体2eの近傍には、印字ヘッド2の発熱体2e近傍の温度を検出するための温度検出素子チップ28が設けられている。
また、図5に示すように、プラテンローラ3は、シャーシ1の両側面の内側に回転可能に配置されている。また、図4に示すように、送りローラ4は、送りローラギア5に挿入される送りローラギア挿入部4aを有する。また、送りローラ4は、シャーシ1に取り付けられた図示しない送りローラ軸受に回転可能に支持されている。また、図2および図5に示すように、押さえローラ6は、押さえローラ軸受6aにより回転可能に支持されている。この押さえローラ軸受6aは、軸受支持板29に取り付けられている。また、軸受支持板29は、シャーシ1の両側面の内側に、図示しないバネによる付勢力により押さえローラ6を送りローラ4(図10参照)に対して押圧するように配置されている。
また、図4に示すように、モータブラケット13に取り付けられたモータ15の軸部には、モータギア15aが取り付けられている。また、モータ15は、インクシート巻取リール12のギア部12aと、給紙ローラギア9と、排紙ローラギア11と、送りローラギア5とを駆動させるための駆動源としての機能を有する。また、モータ16は、印字ヘッド2(図10参照)をプラテンローラ3(図10参照)に対して押圧するように、印字ヘッド2の上面を押圧する図示しない押圧部材などの駆動源としての機能を有する。
また、インクシート巻取リール12(図4参照)は、図10に示すように、インクシートカートリッジ25の巻取部25aの内部に回転可能に配置された巻取ボビン25bに係合することによって、インクシート24を巻取ボビン25bに巻き取るように構成されている。また、図4に示すように、インクシート巻取リール12のギア部12aは、揺動ギア17が揺動することによって係合するように配置されている。
また、図2および図10に示すように、下部用紙ガイド7aは、送りローラ4(図10参照)および押さえローラ6の近傍に設置されている。また、下部用紙ガイド7aには、図1および図2に示すように、2つのスイッチ部30aを有する用紙サイズ認識スイッチ30が設けられている。また、上部用紙ガイド7bは、図10に示すように、下部用紙ガイド7aの上部に取り付けられている。この上部用紙ガイド7bは、給紙時には、用紙14が下面側を通過するようにして印刷部への給紙経路に案内するとともに、排紙時には、用紙14が上面側を通過するようにして排紙経路に案内する機能を有する。
また、インクシートカートリッジ25には、インクシート24が巻き付けられた供給ボビン25cが回転可能に内部に配置された供給部25dが設けられている。このインクシート24は、図7に示すように、Y色(イエロー)印字シート24a、M色(マゼンダ)印字シート24b、C色(シアン)印字シート24cの3色のシートと、印刷された用紙14の印刷面を保護するための透明のOP(オーバーコート)シート24dとを有している。また、OP(オーバーコート)シート24dとY色(イエロー)印字シート24aとの間、Y色(イエロー)印字シート24aとM色(マゼンダ)印字シート24bとの間、および、M色(マゼンダ)印字シート24bとC色(シアン)印字シート24cとの間には、シート頭出しセンサ(図示せず)によって認識される識別部24eが設けられている。また、C色(シアン)印字シート24cとOP(オーバーコート)シート24dとの間には、シート頭出しセンサ(図示せず)によって認識される識別部24fが設けられている。
また、図5に示すように、インクシートカートリッジ25の供給部25dの端部には、1つまたは2つの凹部が設けられた当接部25eが設けられている。この当接部25eの凹部は、インクシート認識スイッチ26の1つまたは2つのスイッチ部26aに対応するように設けられている。これにより、インクシートカートリッジ25を熱転写プリンタに装着すると、凹部に対応するインクシート認識スイッチ26のスイッチ部26aが入力状態とならないので、入力されるスイッチ部26aと入力されないスイッチ部26aとの組合せにより、インクシートカートリッジ25の種類およびインクシート24の種類が認識されるように構成されている。
また、図1に示すように、用紙トレイ23の端面部には、1つまたは2つの凹部を有する当接部23aが設けられている。この当接部23aの凹部は、用紙サイズ認識スイッチ30の1つまたは2つのスイッチ部30aに対応するように設けられている。これにより、用紙トレイ23を熱転写プリンタに装着すると、凹部に対応する用紙サイズ認識スイッチ30のスイッチ部30aが入力状態とならないので、入力されるスイッチ部30aと入力されないスイッチ部30aとの組合せにより、用紙トレイ23の種類および用紙14のサイズが認識されるように構成されている。
また、図3に示すように、回路部22は、カウンタ22iを有するとともに、CPUを含む制御部22aと、ヘッドコントローラ22bと、モータドライバ22cと、モータコントローラ22dと、A/D変換部22eと、色テーブル22fが記憶されたROM22gと、色テーブル22fを展開するためのRAM22hとを含んでいる。なお、ROM22gは、本発明の「記憶部」の一例である。制御部22aは、印刷動作全体を制御する機能を有する。また、ヘッドコントローラ22bは、印字ヘッド2の発熱体2eに電圧パルスを印加する機能を有する。また、モータドライバ22cは、モータコントローラ22dを介してモータ15および16を制御する機能を有する。また、A/D変換部22eは、印字ヘッド2の発熱体2eの近傍に設けられた温度検出素子チップ28によって検出されたアナログ電圧値を、デジタル値に変換する機能を有する。また、カウンタ22iは、用紙14(図8参照)のライン(l)数と、ドット(i)数とをカウントする機能を有する。また、回路部22(熱転写プリンタ)は、電源部31を操作することによりオン状態となるように構成されている。
また、図9に示すように、色テーブル22fには、Y色、M色およびC色の各々に対応する複数の印加データ(電圧パルスのパルス数)が、各階調(0階調〜255階調)毎に記憶されている。さらに、複数の印加データは、約0℃〜約50℃の温度範囲で1℃毎に記憶されている。たとえば、約50℃におけるY色を例にして説明すると、Y=(8、42、43、・・・、176、176)の1番目の値である「8」が0階調の印加データ(電圧パルスのパルス数)であり、256番目の値である「176」が255階調の印加データ(電圧パルスのパルス数)である。すなわち、約50℃におけるY色に対応する印加データにおいて、0階調に対応する印加データに応じた電圧パルスのパルス数は、0よりも多い値に設定されているとともに、255階調に対応する印加データに応じた電圧パルスのパルス数は、255よりも少ない値に設定されている。なお、図示しないが、約50℃よりも低い温度におけるY色に対応する印加データにおいても、0階調に対応する印加データに応じた電圧パルスのパルス数は、0よりも多い値に設定されているとともに、255階調に対応する印加データに応じた電圧パルスのパルス数は、255よりも少ない値に設定されている。また、M色およびC色の各々に対応する印加データにおいても、0階調に対応する印加データに応じた電圧パルスのパルス数は、0よりも多い値に設定されているとともに、255階調に対応する印加データに応じた電圧パルスのパルス数は、255よりも少ない値に設定されている。そして、上記した色テーブル22fに記憶された印加データに基づいて、制御部22a(図3参照)において、発熱体2e(図6参照)への電圧パルスの印加が制御される。
ここで、本実施形態では、図3に示した制御部22aは、印加データに応じた電圧パルスのパルス数を補正することにより、補正印加データを生成する機能をさらに有する。この制御部22aによる補正印加データの生成は、複数の発熱体2e(図6参照)のうちの所定の発熱体2eに対応する用紙14の印刷領域14a(図6参照)において、用紙14に印刷される色が高い階調から低い階調(低い階調から高い階調)に急激に変化する場合に行われる。
たとえば、温度検出素子チップ28(図6参照)における検出温度を約50℃とし、高い階調および低い階調の各々をY色の255階調および0階調とすると、所定の発熱体2eに対応する用紙14の印刷領域14aにおいて、用紙14に印刷されるY色が255階調から0階調に変化する場合には、用紙14に0階調のY色が印刷される際に、所定の発熱体2eに印加される電圧パルスのパルス数が、Y色の0階調に対応する印加データに応じた電圧パルスのパルス数(「8」)よりも少なくなるように、Y色の0階調に対応する印加データが補正されて補正印加データが生成される。これにより、所定の発熱体2eに対応する用紙14の印刷領域14aにおいて、用紙14に印刷されるY色が255階調から0階調に変化する場合には、用紙14に0階調のY色が印刷される際に、Y色の0階調に対応する印加データに応じたエネルギよりも小さいエネルギが所定の発熱体2eに対して印加される。
その一方、所定の発熱体2eに対応する用紙14の印刷領域14aにおいて、用紙14に印刷されるY色が0階調から255階調に変化する場合には、用紙14に255階調のY色が印刷される際に、所定の発熱体2eに印加される電圧パルスのパルス数が、Y色の255階調に対応する印加データに応じた電圧パルスのパルス数(「176」)よりも多くなるように、Y色の255階調に対応する印加データが補正されて補正印加データが生成される。これにより、所定の発熱体2eに対応する用紙14の印刷領域14aにおいて、用紙14に印刷されるY色が0階調から255階調に変化する場合には、用紙14に255階調のY色が印刷される際に、Y色の255階調に対応する印加データに応じたエネルギよりも大きいエネルギが所定の発熱体2eに対して印加される。
また、発熱体2eに印加される電圧パルスのパルス数の最小値が「0」に設定されているとともに、発熱体2eに印加される電圧パルスのパルス数の最大値が「255」に設定されている。したがって、補正印加データに応じた電圧パルスのパルス数が「0」を下回った場合には、発熱体2eに印加される電圧パルスのパルス数が「0」になる。また、補正印加データに応じた電圧パルスのパルス数が「255」を超えた場合には、発熱体2eに印加される電圧パルスのパルス数が「255」になる。
また、所定の発熱体2eに対応する用紙14の印刷領域14aにおいて、用紙14に印刷されるY色が255階調(0階調)から0階調(255階調)に変化した後に、用紙14に印刷されるY色が0階調(255階調)から変化しない場合には、用紙14に0階調(255階調)のY色が印刷される際に、補正印加データに応じた電圧パルスが所定の発熱体2eに対して印加された後に、Y色の0階調(255階調)に対応する印加データに応じた電圧パルスが所定の発熱体2eに対して印加されるように構成されている。
なお、M色およびC色が印刷される場合にも、上記したY色が印刷される場合と同様にして、制御部22a(図3参照)により補正印加データが生成される。
図11および図12は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの印刷動作を説明するための断面図である。図13は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの印刷動作を説明するためのフローチャートである。次に、図1、図3、図4、図6、図7、図10〜図13を参照して、本実施形態による熱転写プリンタの印刷動作について説明する。
まず、図13のステップS1において、熱転写プリンタの電源部31(図3参照)がオン状態であるか否かが判断される。そして、電源部31がオン状態でないと判断された場合には、電源部31がオン状態になるまでこの判断が繰り返される。その一方、電源部31がオン状態の場合には、ステップS2に移行する。
次に、ステップS2において、制御部22a(図3参照)により、印刷開始の指示の有無が判断される。そして、印刷開始の指示が無しと判断された場合には、印刷開始の指示が有るまでこの判断が繰り返される。その一方、印刷開始の指示が有りと判断された場合には、ステップS3に移行する。この後、ステップS3において、制御部22aにより、画像データの読み込みが行われる。
次に、ステップS4において、制御部22aにより、読み込まれた画像データがRAM22h(図3参照)に展開された後、制御部22aにより、画像データがRGBデータからCMYデータに変換される。なお、RGBデータは、光の三原色(R:レッド、G:グリーン、B:ブルー)から構成されており、CMYデータは、色の三原色(C:シアン、M:マゼンダ、Y:イエロー)から構成されている。
次に、ステップS5において、用紙トレイ23(図1参照)内の用紙14が印刷開始位置に給紙される。ステップS5における用紙14の給紙動作は、図10に示すように、まず、シート頭出しセンサ(図示せず)によってY色印字シート24a(図7参照)の先頭部分にある識別部24eが認識される。これにより、Y色印字シート24aの頭出しがされる。そして、給紙時には、図4に示すように、モータ15が駆動するのに伴って、モータ15に取り付けられたモータギア15aが図4の矢印C3方向に回転し、中間ギア18および19を介して、送りローラギア5が図4の矢印C1方向に回転する。そして、送りローラギア5が図4の矢印C1方向に回転するのに伴って、中間ギア20および21を介して、給紙ローラギア9が図4の矢印C4方向に回転する。これにより、図10に示すように、給紙ローラ8が図10の矢印C4方向に回転するので、給紙ローラ8の下面側に接触する用紙14が給紙方向(図10の矢印T1方向)に搬送される。その結果、図11に示すように、用紙14は、下部用紙ガイド7aに案内されて、送りローラ4および押さえローラ6により印刷開始位置まで搬送される。
この際、図4に示すように、揺動ギア17は、巻取リール12のギア部12aから離間される方向(図4の矢印C2方向)に揺動されて、巻取リール12のギア部12aとは噛合しない。これにより、給紙時には、巻取リール12のギア部12aが回転しないので、巻取ボビン25bおよび供給ボビン25c(図10参照)に巻き付けられたインクシート24は巻き取られない。
次に、ステップS6において、制御部22aにより、モータドライバ22cおよびモータコントローラ22d(図3参照)を介して、印字ヘッド2を回動させるためのモータ16が駆動される。これにより、図11に示すように、印字ヘッド2のヘッド部2cがプラテンローラ3の方向に回動する。その結果、印字ヘッド2のヘッド部2cが、インクシート24および用紙14を介して、プラテンローラ3を押圧する。この後、ステップS7において、制御部22aに設けられたカウンタ22i(図3参照)の初期化が行われ、変数であるライン(l)数およびドット(i)数の値が「0」に設定される。
次に、ステップS8において、制御部22aにより、ライン印刷処理が行われる。このステップS8におけるライン印刷処理では、図4に示すように、まず、用紙送りを行うためのモータ15が駆動するのに伴って、モータギア15aが図4の矢印D3方向に回転し、中間ギア18および19を介して、送りローラギア5が図4の矢印D1方向に回転する。これにより、図11に示すように、送りローラ4は、図11の矢印D1方向に回転するので、用紙14が排紙方向(図11の矢印U1方向)に搬送される。なお、用紙14は、1ライン分ずつ排紙方向に搬送される。
また、図4に示すように、揺動ギア17は、巻取リール12のギア部12aに噛合する方向(図4の矢印D2方向)に揺動されて、巻取リール12のギア部12aと噛合する。これにより、巻取リール12のギア部12aが図4の矢印D4方向に回転するので、巻取ボビン25bおよび供給ボビン25c(図11参照)に巻き付けられたインクシート24が巻き取られる。なお、インクシート24の巻き取りは、用紙14が1ライン分ずつ排紙方向に搬送されるのに伴って、1ライン分ずつ巻き取られる。
この際、印字ヘッド2の複数の発熱体2e(図6参照)の各々に、対応する階調に応じた電圧パルスを印加する。これにより、複数の発熱体2eの各々が、対応する階調に応じた温度になるまで発熱する。その結果、インクシート24のY色印字シート24a(図7参照)が加熱されるので、1ライン分ずつ用紙14にY色印字シート24aのインクが転写される。なお、印字ヘッド2の発熱体2eへの電圧パルスの印加は、用紙14が排紙方向に1ライン分ずつ搬送される毎に行う。そして、Y色印字シート24aの印刷が終了すると、図12に示すように、用紙14は、上部用紙ガイド7bに案内されながら、排紙ローラ10により搬送可能な位置まで搬送される。この後、上記したY色の印刷動作と同様の動作が行われることにより、M色およびC色の印刷が行われる。
次に、ステップS9において、制御部22aにより、用紙14の全ライン(1800ライン)の印刷が終了したか否かが判断される。そして、用紙14の全ラインの印刷が終了していないと判断された場合には、ステップS8のライン印刷処理に戻る。その一方、用紙14の全ライン(1800ライン)の印刷が終了したと判断された場合には、ステップS10に移行する。なお、ステップS9において行われる制御部22aの判断は、各色(Y色、M色およびC色)の印刷が終了する毎に行われる。
次に、ステップS10において、制御部22aにより、全色のインクシート24の印刷が終了したか否かが判断される。そして、全色の印刷が終了していないと判断された場合には、ステップS5〜S9の印刷動作が繰り返される。その一方、全色の印刷が終了したと判断された場合には、ステップS11に移行する。
次に、ステップS11において、透明のOP(オーバーコート)シート24d(図7参照)のインクが印刷されることにより、用紙14に対する印刷が終了する。そして、排紙時には、用紙14は、図12に示すように、上部用紙ガイド7bに案内されながら、排紙ローラ10により排紙される。この際、上記した印刷時に用紙14を排紙方向(図11の矢印U1方向)に搬送する場合と同様の動作が行われる。
次に、ステップS12において、電源部31がOFF状態にされることにより、印刷動作が終了する。
図14は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタのライン印刷動作の詳細を説明するためのフローチャートである。次に、図3、図6、図9、図14を参照して、本実施形態による熱転写プリンタのライン印刷動作の詳細について説明する。
まず、図14のステップS21において、温度検出素子チップ28(図6参照)により、印字ヘッド2の発熱体2e(図6参照)近傍の温度に対応する電圧値を検出する。この温度検出素子チップ28により検出された電圧値は、A/D変換部22e(図3参照)によりアナログ・デジタル変換されることによって、温度データとして利用される。
次に、ステップS22において、制御部22a(図3参照)により、ライン(l)数が1に設定される。この後、ステップS23において、ドット(i)数が1に設定される。
次に、ステップS24において、制御部22aにより、1番目のドットの画像(階調)データが印加データ(電圧パルスのパルス数)に変換される。この画像(階調)データの印加データ(電圧パルスのパルス数)への変換は、図9に示した色テーブル22fに記憶されたデータに基づいて行われる。たとえば、Y色を印刷する場合に、温度検出素子チップ28により検出された温度が約50℃で、1番目のドットの画像(階調)データが1階調であれば、印加データ(電圧パルスのパルス数)が「42」となるとともに、1番目のドットの画像(階調)データが255階調であれば、印加データ(電圧パルスのパルス数)が「176」となる。
次に、ステップS25において、制御部22aにより、1ライン分(1280ドット)の画像(階調)データが印加データ(電圧パルスのパルス数)に変換されたか否かが判断される。そして、制御部22aにより、1ライン分(1280ドット)の画像(階調)データが印加データ(電圧パルスのパルス数)に変換されていないと判断された場合には、ステップS26において、制御部22aにより、ドット(i)数が(i+1)に設定される。そして、ステップS24において、制御部22aにより、(i+1)番目のドットの画像(階調)データが印加データ(電圧パルスのパルス数)に変換される。この(i+1)番目のドットの画像(階調)データの印加データ(電圧パルスのパルス数)への変換動作は、ドット(i)数が1280ドットになるまで繰り返される。この後、ステップS27に移行する。
次に、ステップS27において、制御部22aにより、1800ライン分の画像(階調)データが印加データ(電圧パルスのパルス数)に変換されたか否かが判断される。そして、制御部22aにより、1800ライン分の画像(階調)データが印加データ(電圧パルスのパルス数)に変換されていないと判断された場合には、ステップS28において、制御部22aにより、ライン(l)数が(l+1)に設定される。そして、ステップS24およびS25の動作が繰り返されることにより、(l+1)番目のラインの画像(階調)データが印加データ(電圧パルスのパルス数)に変換される。この(l+1)番目のラインの画像(階調)データの印加データ(電圧パルスのパルス数)への変換動作は、ライン(l)数が1800ラインになるまで繰り返される。この後、ステップS29に移行する。
次に、ステップS29において、制御部22aにより、所定の場合に印加データ(電圧パルスのパルス数)の補正が行われる。この点については後に詳細に説明する。
次に、ステップS30において、制御部22aで生成された補正印加データがヘッドコントローラ22b(図3参照)へ転送される。そして、ヘッドコントローラ22bにより、印字ヘッド2の複数の発熱体2eの各々に対して、補正印加データに応じた電圧パルスが印加される。これにより、1ライン分の画像が用紙14に印刷される。
次に、ステップS31において、用紙14を排紙方向に1ライン分ずつ搬送する。この際、用紙14が1ライン分ずつ搬送される毎に、上記した印刷動作が行われる。
図15は、本実施形態による熱転写プリンタの印加データの補正処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図15を参照して、本実施形態による熱転写プリンタの印加データの補正処理の詳細を説明する。
まず、ステップS41において、制御部22aによりライン(l)の(i)番目のドットD1の階調と、その前のライン(l+1)の(i)番目のドットD2の階調との階調差が128以上であるか否かが判断される。ドットD1の階調と、ドットD2の階調との階調差が128以上の場合は、ドットD1の階調に対応する電圧パルスのパルス数が補正される。階調差が128未満の場合は、印加データの補正処理は行われずにそのまま終了する。
次に、ステップS42において、補正量を算出するためのパーセント指定値を算出する。ここで、本実施形態では、補正量を算出するためのパーセント指定値をドットD1とドットD2との階調差に基づいて算出する。具体的には、ドットD1の階調がドットD2の階調よりも大きい場合には、パーセント指定値=(ドットD1とドットD2との階調差)÷4とする。また、ドットD1の階調がドットD2の階調よりも小さい場合には、パーセント指定値=(ドットD1とドットD2との階調差)÷12とする。このように、ドットD1の階調がドットD2の階調よりも大きい場合には、補正量を多くし、ドットD1の階調がドットD2の階調よりも小さい場合には、補正量を少なくしている。この「4」および「12」の値は、本実施形態による印加データの補正を最も適切にできるように実験により得た値である。
次に、ステップS43において、ドットD1の階調に対応するパルス数(印加データ)およびそのパルス数の何パーセントを増加(減少)させるかを指定するパーセント指定値が両方とも正常か(「0」でないか)否かを判断する。正常である場合は、ステップS44に移行する。また、正常でない場合は、そのまま終了する。
次に、ステップS44において印加データ(8ビット)を4バイト(32ビット)に拡張する。これは、後述するシフト演算によって、印加データが消えないようにするためである。
次に、ステップS45において、シフト演算を用いて、ドットD1の階調に対応するパルス数(印加データ)を右に7ビットシフトする。これにより、印加データの(1/2)=0.0078125倍の値(1)が算出される。同様にして、ステップS46およびステップ47において、印加データを右に9ビットシフトおよび12ビットシフトする。これにより、印加データの(1/2)=0.001953125倍の値(2)および印加データの(1/2)12=0.000244140625倍の値(3)を算出する。
次に、ステップS48において、値(1)+値(2)+値(3)を計算することにより、ドットD1の階調に対応するパルス数(印加データ)の0.010009765625倍の値が算出される。本実施形態では、これをドットD1の階調に対応するパルス数(印加データ)の1%の近似値として使用する。
次に、ステップS49において、印加データの1%の近似値とパーセント指定値とを掛け合わせることにより、補正量を算出する。
次に、ステップS50において、ステップS49において算出した値が実際に使用できるのは、パルス数としての整数であるため、ステップS49において算出した値が整数であるか否かを判断する。ステップS49において算出した値が整数である場合は、ステップS52に移行する。ステップS49において算出した値が整数でない場合は、ステップS51において、小数点以下を四捨五入する。
この後、ステップS52において、求めた補正量をドットD1の階調に対応する電圧パルスのパルス数(印加データ)に加算(減算)することにより、補正印加データを算出する。
図16は、所定の発熱体2eに対応する用紙14の印刷領域14aにおいて、ラインl1〜l3までが1階調のY色が印刷され、ラインl4〜l6までが255階調のY色が印刷され、ラインl7〜l9までが1階調のY色が印刷される場合の図である。図16を参照して、温度検出素子チップ28で検出される温度が約50℃の場合にY色を印刷する際の、印加データの補正処理の具体的数値について説明する。
図16に示すように、所定の発熱体2eに対応する用紙14の印刷領域14aにおいて、印刷するラインがl1〜l3に変化する場合には、階調が変化しないため、所定の発熱体2eに対して、印加データ(「42」)と同じ値を有する補正印加データ(「42」)に応じた電圧パルスが印加される。これにより、ラインl1〜l3を印刷する際には、Y色の1階調に対応する印加データに応じたエネルギと同じエネルギが所定の発熱体2eに対して印加される。
次に、印刷するラインがl3からl4に変化する際には、1階調から255階調に変化し、階調差が「254」(≧128)であるので、ラインl4を印刷する際に、「176」の値を有する印加データが「176」よりも大きい補正印加データに補正される。すなわち、補正印加データは、Y色の255階調に対応する印加データに応じた電圧パルスのパルス数(「176」)を階調差254÷4=63.5%分だけ補正(増加)したパルス数(「288」)である。288>255であるので、所定の発熱体2eには、(「255」)を有する電圧パルスが印加される。これにより、ラインl4を印刷する際には、Y色の255階調に対応する印加データ「176」に応じたエネルギよりも大きいエネルギが所定の発熱体2eに対して印加される。
次に、印刷するラインがl4からl6に変化する場合には、階調差が「0」であり、印加データの補正は為されないため、ラインl5およびラインl6を印刷する際には、Y色の255階調に対応する印加データに応じた電圧パルスのパルス数(「176」)が所定の発熱体2eに対して印加される。
次に、印刷するラインがl6からl7に変化する場合には、255階調から1階調に変化し、階調差が「254」(≧128)であるので、ラインl7を印刷する際に、「42」の値を有する印加データが「42」よりも小さい補正印加データに補正される。すなわち、補正印加データは、Y色の1階調に対応する印加データに応じた電圧パルスのパルス数(「42」)を階調差254÷12=21.2%分だけ補正(減少)したパルス数(「33」)である。これにより、ラインl7を印刷する際には、Y色の1階調に対応する印加データに応じたエネルギよりも小さいエネルギが所定の発熱体2eに対して印加される。
次に、印刷するラインがl7からl9に変化する場合には、階調差が「0」であり、印加データの補正は為されないため、ラインl8およびラインl9を印刷する際には、Y色の1階調に対応する印加データに応じた電圧パルスのパルス数(「42」)が所定の発熱体2eに対して印加される。
本実施形態では、上記のように、発熱体2aを制御する制御部22aにより、第2の階調に対応する印加データに所定のパーセントを乗じた値を算出してその値を第2の階調に対応する印加データに加えるかまたは減じることにより補正エネルギを算出するように構成することによって、専用の演算回路を設けることなく、補正処理を行うことができる。また、第2の階調に対応する印加データの1パーセントの値としてシフト演算に基づいて算出した近似値を使用するように構成することによって、シフト演算により算出した値を選択して加算または減算するだけで近似値を求めることができるので、補正処理を高速に行うことができる。その結果、より高速に印刷を行うことができる。また、図15に示すように、第2の階調に対応する印加データに所定のパーセントを乗じる際に、第2の階調に対応する印加データの値を右に7ビットシフトした値と、第2の階調に対応する印加データの値を右に9ビットシフトした値と、第2の階調に対応する印加データの値を右に12ビットシフトした値とを加えることによって、第2の階調に対応する印加データの1.0009765625%の値を簡単に算出することができる。この値を、第2の階調に対応する印加データの1%の近似値として使用することにより、補正処理を高速に行うことができる。また、所定のパーセントを第1の階調と第2の階調との階調差に応じて算出するように構成することによって、階調差の大きい場合は、補正量を多くし、階調差の小さい場合は補正量を少なくすることができるので、より的確な補正をすることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、熱転写プリンタに本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、熱転写方式ファクシミリなどの熱転写プリンタ以外の画像形成装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、第2の階調に対応する印加データの値を右に7ビットシフトした値と、第2の階調に対応する印加データの値を右に9ビットシフトした値と、第2の階調に対応する印加データの値を右に12ビットシフトした値との3つの値を加えることによって算出した値を第2の階調に対応する印加データの1%の値の近似値として使用したが、本発明はこれに限らず、7ビット、9ビットおよび12ビット右にシフトした値の加算の組み合わせ以外で、n(n=1、2、…)ビットシフトした値をm(m=1,2、…)個使用し、組み合わせて加減算することにより、1%の近似値を算出してもよい。たとえば、第2の階調に対応する印加データの値を右に17ビットシフトした値を、上記した3つの値を加えることによって算出した値から引く(減算する)ことにより、さらに正確な近似値を算出することができる。
本発明の一実施形態による熱転写プリンタ(画像形成装置)の全体構成を示した斜視図である。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタからインクシートカートリッジおよび用紙トレイを取り外した状態を示した斜視図である。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタに含まれる回路部の回路構成を示したブロック図である。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタに含まれるギアの配置位置を示した図である。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの平面図である。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの印字ヘッド周辺を示した平面図である。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタに使用されるインクシートを示した平面図である。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタに使用される用紙を示した平面図である。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタに記憶された色テーブルを示した図である。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの断面図である。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの印刷動作を説明するための断面図である。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの印刷動作を説明するための断面図である。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの印刷動作を説明するためのフローチャートである。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタのライン印刷動作の詳細を説明するためのフローチャートである。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの印加データの補正処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 図1に示した一実施形態による熱転写プリンタにおける階調と発熱体に印加される電圧パルスのパルス数との関係を示した図である。
符号の説明
2 印字ヘッド
2e 発熱体
14 用紙
14a 印刷領域
22a 制御部
24 インクシート

Claims (4)

  1. 印字ヘッドと、前記印字ヘッドに設けられ、所定の階調に対応する印加データに応じたエネルギが印加されることにより発熱するとともに、インクシートを加熱して前記インクシートのインクを用紙の印刷領域に転写するための発熱体と、前記印字ヘッドおよび発熱体を制御する制御部とを備えた画像形成装置において、
    前記制御部は、前記発熱体に対応する前記用紙の印刷領域において、前記用紙に印刷される色が第1の階調から第2の階調に変化する際の前記第1の階調と前記第2の階調との階調差が第1のしきい値以上である場合に、前記第2の階調が前記第1の階調よりも高い場合には、前記用紙に前記第2の階調の色が印刷される際に、前記第2の階調に対応する前記印加データに応じたエネルギよりも大きい補正エネルギを前記発熱体に対して印加するとともに、前記第2の階調が前記第1の階調よりも低い場合には、前記用紙に前記第2の階調の色が印刷される際に、前記第2の階調に対応する印加データに応じたエネルギよりも小さい補正エネルギを前記発熱体に対して印加し、かつ、前記用紙に印刷される色が前記第1の階調から前記第2の階調に変化する際の前記第1の階調と前記第2の階調との階調差が前記第1のしきい値未満である場合に、前記第2の階調に対応する前記印加データの補正処理を行わず、かつ、
    前記制御部は、前記第1の階調と前記第2の階調との階調差に応じて算出される所定のパーセントを前記第2の階調に対応する印加データに乗じた値を算出してその値を前記第2の階調に対応する印加データに加えるか、または、減じることにより、前記補正エネルギを算出するとともに、前記第2の階調に対応する印加データに前記所定のパーセントを乗じる際に、シフト演算を用いて、前記第2の階調に対応する印加データの値を右に7ビットシフトした値と、前記第2の階調に対応する印加データの値を右に9ビットシフトした値と、前記第2の階調に対応する印加データの値を右に12ビットシフトした値とを加えることにより、前記第2の階調に対応する印加データの1%の近似値を算出した後、前記印加データの1%の近似値に前記所定のパーセントを乗じる、画像形成装置。
  2. 印字ヘッドと、
    前記印字ヘッドに設けられ、所定の階調に対応する印加データに応じたエネルギが印加されることにより発熱するとともに、インクシートを加熱して前記インクシートのインクを用紙の印刷領域に転写するための発熱体と、
    前記印字ヘッドおよび発熱体を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記発熱体に対応する前記用紙の印刷領域において、前記用紙に印刷される色が第1の階調から第2の階調に変化する際の前記第1の階調と前記第2の階調との階調差が第1のしきい値以上である場合に、前記第2の階調が前記第1の階調よりも高い場合には、前記用紙に前記第2の階調の色が印刷される際に、前記第2の階調に対応する前記印加データに応じたエネルギよりも大きい補正エネルギを前記発熱体に対して印加するとともに、前記第2の階調が前記第1の階調よりも低い場合には、前記用紙に前記第2の階調の色が印刷される際に、前記第2の階調に対応する印加データに応じたエネルギよりも小さい補正エネルギを前記発熱体に対して印加し、かつ、前記用紙に印刷される色が前記第1の階調から前記第2の階調に変化する際の前記第1の階調と前記第2の階調との階調差が前記第1のしきい値未満である場合に、前記第2の階調に対応する前記印加データの補正処理を行わず、かつ、
    前記制御部は、前記第2の階調に対応する印加データに所定のパーセントを乗じた値を算出してその値を前記第2の階調に対応する印加データに加えるか、または、減じることにより、前記補正エネルギを算出するとともに、前記第2の階調に対応する印加データに前記所定のパーセントを乗じた値を算出する際に、シフト演算に基づいて算出した値を近似値として使用する、画像形成装置
  3. 前記制御部は、前記第2の階調に対応する印加データに前記所定のパーセントを乗じる際に、前記第2の階調に対応する印加データの値を右に7ビットシフトした値と、前記第2の階調に対応する印加データの値を右に9ビットシフトした値と、前記第2の階調に対応する印加データの値を右に12ビットシフトした値とを加えることにより、前記第2の階調に対応する印加データの1%の近似値を算出した後、前記印加データの1%の近似値に前記所定のパーセントを乗じる、請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記所定のパーセントは、前記第1の階調と前記第2の階調との階調差に応じて算出される、請求項2または3に記載の画像形成装置。
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