JP5053939B2 - 立体駐車装置 - Google Patents

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Description

本発明は、昇降式の立体駐車装置に関する。
立体駐車装置の駆動方式の一つとして、油圧シリンダを動力に用いて該油圧シリンダの動力を昇降パレットが取り付けられたスライダに伝えることにより昇降パレットの昇降を行う方式が提案されている(以下、適宜「油圧シリンダ接続方式」という)。
かかる方式の立体駐車装置には一般的に支柱としてのコラムと、該コラムに摺動可能に取り付けられ、かつコラムにガイドされて上下方向に摺動するスライダと、前記スライダに取り付けられた車両を駐車させる昇降パレット及び駆動装置としての油圧シリンダを有するものである。なお駆動装置を構成する油圧シリンダは、前記左右一対のコラムに昇降自在に取り付けられている前記スライダのいずれか一方のみに、又は双方に連結してもよい。
かかる方式においては、特開平7−293018に開示の立体駐車装置のように駆動機構にメンテナンスに手間のかかるチェーンを用いていないため、その分メンテナンスが容易になるという特徴がある。
上記した昇降パレットの昇降は、昇降パレットが取り付けられたスライダに連結された油圧シリンダを駆動させることにより行う。しかし、昇降パレットの昇降には、以下のような不都合が生じ得る。
油圧シリンダを両側のスライダの双方に連結した場合には、昇降パレットの昇降操作用のスイッチを操作した場合、その電気信号は両側の油圧シリンダに伝達され、それぞれの油圧シリンダは他方のシリンダとは無関係に電気信号を受け取り次第駆動を開始する。そのため、必ずしも両側の油圧シリンダが同時に駆動を開始するとは限らず、一方の油圧シリンダが先に駆動を開始する場合が生じ得る。この場合には、先に駆動を開始した油圧シリンダの接続されたスライダの側に取り付けられた昇降パレットの端部の側に駆動力が伝わり、かかる端部の側から駆動を開始する。先に駆動を開始した油圧シリンダに遅れて駆動を開始した油圧シリンダの接続された側のスライダに取り付けられた側の昇降パレットの端部は、先に駆動を開始した油圧シリンダに接続された側のスライダに取り付けられた側の昇降パレットの側よりも遅れて駆動を開始する。そのため、この場合においても先に駆動を開始した油圧シリンダの側の昇降パレットの端部が先に上昇または下降を行うため、昇降パレットは、上昇の際には遅れて駆動を開始した油圧シリンダの側に傾いて上昇し、下降の際には先に駆動を開始した油圧シリンダの側に傾いて下降することとなってしまう。そのため、それぞれの油圧シリンダの駆動のタイミングがずれることで傾きが一定以上となったときは、駐車車両がスライダに衝突して損傷したり、駐車車両を載せた昇降パレットが車両進入面よりも高い位置にある時には駐車車両が転落したりするおそれが考えられる。
油圧シリンダを一方のスライダのみに連結した場合には、まず油圧シリンダの駆動力が油圧シリンダに連結されたスライダ(以下、適宜「油圧シリンダ側のスライダ」という)に伝達され、該スライダがコラムに沿ってスライドを開始し、油圧シリンダ側のスライダから昇降パレットに駆動力が伝わり、昇降パレットが上昇または下降を開始する。しかし、油圧シリンダの接続されていない側のスライダは、昇降パレットを通じて駆動力が伝わってきても、該スライダとコラムの間に生じている摩擦力や駆動力の伝達の遅れなどにより直ちにスライドを開始することはできない。
そのため、昇降パレットも油圧シリンダ側のスライダの側から駆動を開始し、油圧シリンダの駆動力が昇降パレットを通じて油圧シリンダの連結されていない側のスライダに伝わった後に、昇降パレットの油圧シリンダに接続されていない側のスライダに取り付けられた側が駆動を開始することとなる。このことは、昇降パレットが上昇する際には油圧シリンダが連結されていない側に傾きながら上昇し、下降する際には油圧シリンダの連結された側に傾きながら下降することを意味する。
これに昇降パレット自体の重みによる昇降パレットのしなりも加わり昇降パレットは更に傾くこととなる。この傾きは、昇降パレットに車両が駐車した際により顕著なものとなり、傾きが一定以上のものとなった場合には上述した問題と同様の問題が発生することが考えられる。
上記弊害を防止するためには、両側のスライダが同時に駆動するようにスライダのスライドの同調装置を設ける必要がある。
上記した弊害を防止するために、前記両側のスライダを同時に昇降させ、駐車用の昇降パレットを水平に維持して昇降させる同調装置が設けられている。
この同調装置としては、例えば下段の昇降パレットの裏面側で、該パレットの幅方向両側部にそれぞれ固定した軸受に同調シャフトを回転自在に軸支させ、該同調シャフトが前記各軸受を貫通する各貫通端部にピニオンを固定し、さらに前記両側のコラムに前記各ピニオンが噛み合うラックを上下方向に固定した構成のピニオンアンドラック式の同調装置が提案されている。
このピニオンアンドラック式の同調装置では、昇降パレットを左右独立駆動方式の油圧シリンダでそれぞれ昇降駆動する場合、例えば右側の油圧シリンダが先行駆動された場合でも、右側の油圧シリンダの駆動に伴って右側のスライダが例えば上昇するのと同時に、右側のピニオンも右側のスライダと一体に上昇する際に右側のラックと噛み合って自転し、この回転を前記同調シャフトを介して左側のピニオンに伝達する。すると、左側のピニオンが左側のラックに噛み合って上昇駆動されるので、最下段のパレットを介して前記左側のスライダも右側のスライダと略同時に上昇することになり、左右のスライダが昇降パレットを水平姿勢に維持しながら上昇することになる。その際、駆動遅れの左側の油圧シリンダはそのピストンロッドが左側のスライダと一体に上昇するので、左側のスライダの上昇動作の障害にはならない。
ここで用いるピニオンおよびラックの歯は、インボリュート曲線、サイクロイド曲線及びトルコイド曲線等の定められた定義に従った複雑な曲線からなるものが一般的である。
ところで、上記同調装置の歯形にインボリュート曲線等の複雑な曲線からなるピニオン及びラックの創成にあたってはまずそれぞれの歯形について作図を行う必要がある。作図を行うにあたっては、ラック及びピニオンの強度,寸法、歯車の歯圧、バックラッシ等についての綿密な計算が必要となる。そのため、ラック及びピニオンの作図を行うにあたっては、創生するラック及びピニオンの形状を作図するためのプログラムを組み、該プログラムを用いて作図するのが一般的である。ここで、インボリュート曲線等の複雑な曲線からなるラック及びピニオンを作図することはそもそも困難であるため、その作図を行うためのプログラムを組むこと自体も困難である。
上記ラック及びピニオンの歯には、複数枚の昇降パレットの重量,スライダその他の部品の重量が常に負荷としてかかっており、特に、車両が昇降パレットに駐車されると場合によっては10トン以上の負荷が常にかかることとなる。さらに、昇降パレットが昇降する際にはそれ以上の負荷がかかることとなるためラック及びピニオンの歯はこれらの負荷に耐えられる強度を有する必要がある。そのため、歯の強度を強くする必要があり、その方法の一つとして歯厚を厚くすることが考えられる。しかし、インボリュート曲線のような特殊曲線からなる歯形の設計は、歯元の強度以外にも上述のような種々の要素を考慮する必要があるため歯元の強度を高めるために歯元の厚みのみをだけで歯形を定めることはできない。そのため、強度を確保するためには歯幅を広くするのが一般的であるが、立体駐車装置は限られたスペースを最大限に活用する必要があるため、歯幅を広くすることは好ましくない。
そして、そもそも上述のようなプログラムを実際に作成しても、プログラム通りのインボリュート曲線等を有するラック及びピニオンの創成は、精密な制御の下で機械加工を行う必要があるため非常に困難である。即ち、通常のインボリュート曲線歯形、サイクロイド曲線歯形等の複雑な曲線からなる歯形を有するラックは、一般的には歯形と同一形状の総歯形切削刃物で機械加工(ボブ盤、ラックカッター等)により創生される。
また、インボリュート曲線歯形を持つラックを創生するための工具は、ラックのサイズ及び歯形が異なるごとに別途製作する必要がある。そのため、歯形の複雑さに起因した工具の製造の煩雑さ及び材料を切削してラックを創生するにあたり必要とされる精密な制御に起因してラックの創生には手間及びコストがかかることとなる。
インボリュート曲線等の特殊曲線とした高精度の歯形は、ピニオンが高速で回転する場合においてもノンバックラッシであるため打撃騒音の発生を防止する点で非常に有効である。しかし、立体駐車装置における昇降パレットの昇降は、低速でなされるためピニオンの回転も低速でなされるものであり打撃騒音はさほど生じず、バックラッシにても考慮する必要はない。そのため、同調装置に用いるピニオン及びラックの歯形は、インボリュート曲線等の高精度の曲線からなる歯形である必要はない。更に、インボリュート曲線からなる歯形を有するピニオン及びラックは通常高炭素鋼を原料とするものであるため創成にあたっては強度を確保するために焼入れを行う必要があり、一般的には創生に手間がかかる。また高炭素鋼は一般に高価であり、これを用いることは製造コストを上昇させる一因ともなる。
本願発明の目的はこのような従来の問題に鑑みてなされたもので、立体駐車装置の同調装置に用いられているピニオン及びラックの歯に求められている大きな駆動力を確実に伝えること、高負荷がかかる状況下での長期間の使用を可能にすること及びゴミの噛み込みが起こりやすいラフな環境下においても適正な動作を確保できる立体駐車装置を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、「ピニオン及びラックの歯の歯形を半径が変化しない定率円が連続する歯形とした場合、ラック及びピニオンは作図及び創生が容易で、大きな駆動力を伝達することが可能であり、かつラフな状況下で長期間の高い負荷に耐え得る耐久力を有しつつ、適正な動作を確保できる」ことを知見するに至り、かかる知見に基づいて本発明を提案するに至った。
即ち、本発明は、昇降パレットと、該昇降パレットが取り付けられた二本のスライダと該二本のスライダの一方または双方に取り付けられた油圧シリンダを有する昇降駆動機構と、該両スライダの間に回転自在に軸支されたかつその両端部にピニオンが夫々固定された同調シャフトとコラムに取り付けられたラックからなる同調装置と、を有する立体駐車装置であって、前記同調装置に用いられる同調シャフトの両端部に固定したピニオンとラックの歯形が半径の変化しない定率円が連続したものであり、前記同調シャフトは、前記昇降パレット上への車両の進入方向における前記昇降パレットの略中央位置に配置されることを特徴とする立体駐車装置である。
本発明によれば作図及び創生が容易であるピニオン及びラックを構成要素とする同調装置を有する立体駐車装置を提供することが可能である。
また本発明によれば、強度が強くかつ製造コストの低いラック及びピニオンを備えた同調装置を構成要素とする立体駐車装置を提供することが可能である。
また本発明によれば、大きな駆動力を伝達することが可能であり、かつラフな状況下で長期間の高い負荷に耐え得る耐久力を有しつつ適正な動作を確保することが可能であるピニオン及びラックを構成要素とする同調装置を有する立体駐車装置を提供することが可能である。
また本発明によれば、メンテナンスが容易でラフな環境下においても使用可能な立体駐車装置を提供することが可能である。
以下本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、本実施の形態にかかる立体駐車装置は垂直方向に駐車面をなす複数段(本実施の形態では上下3段としている)の昇降パレットを有し、最上段の昇降パレットの駐車面が駐車車両が進入する地上面と平衡な状態となっている場合には、他の昇降パレットは地下に設けられたスペースに収納される形式のものとしている。
図1は本実施の形態にかかる立体駐車装置の概要を示す斜視図である。なお、図1中左側を前方、右側を後方とし、後方から前方を見た状態で左右を区別する。
図中、1a〜1cは昇降パレットで、上下方向に所定の間隔を有して配置されており、幅方向両側で、前後方向の略中央部で上下方向に延びるスライダ3(左のスライダを3a、右のスライダを3b)に固定されている。この上下3段の昇降パレット1(上段の昇降パレット1a、中段の昇降パレット1b、下段の昇降パレット1c)は、例えば地下に形成された不図示のピット内に中段及び下段の昇降パレット1b、1cが収納されている状態において、上段の昇降パレット1aが車両進入面に一致するようになっている。
そして、前記ピットの底部から上方に向けて幅方向両側で前後方向の略中央部に支柱としての上下方向に延びるコラム(不図示)がそれぞれ固定されており、これら左右一対のコラム6に沿って左右のスライダ3がそれぞれ上下方向にのみ移動可能に取り付けられている。なお地上面にはこの左右一対のコラムが飛び出ているだけなので、駐車の際における車両の出し入れが容易であり、また運転者の出入りも容易となっている。
図2に示すように、長尺の左右のスライダ3は、横断面がコ字形状に形成され(図1では図示を容易とするために平板状に描いている)、開口面を昇降パレットの側面に対してそれぞれ外向きにして配置されている。
また、図2に示すように、長尺の左右のコラム6は、左右のスライダ3と同様に横断面がコ字形状に形成されていて、開口面が左右のスライダ3とは逆に昇降パレットの側面に向くように配置されている。左右のコラム6の開口面の開口幅は対応する各スライダ3の開口面の開口幅よりも短く形成され、外側に位置する左右のコラム6に対して内側に位置する左右のスライダ3が外装するように嵌合し、固定されている左右のコラム6に対して左右の各スライダ3が上下方向にのみ移動でき、前後方向及び左右方向には移動できないようになっている。また、左右の各コラム6に左右の各スライダ3が外装することによって形成された空所には、後述する同調装置の歯車機構が配置される。
本実施の形態において、昇降パレットの昇降駆動は、左右の各コラム6に近接してそれぞれ配置された上下方向に伸びる油圧シリンダ2(左側の油圧シリンダを2a、右側の油圧シリンダを2b)により行うようにしており、例えば油圧ポンプユニットによって左右の油圧シリンダ2を別々に駆動するようにしている。
左右の各油圧シリンダ2のピストンロッド8(油圧シリンダ2aのピストンロッドを8a、油圧シリンダ2bのピストンロッドを8b)の先端部は、左右の各スライダ3の上部位置で連結され、上下3段の昇降パレットを引き上げるようにして上昇させる。
なお、昇降パレット1a〜1cはボルト止めまたは溶接により左右の各スライダ3a、3bに車両を載せた状態でも安定を維持しながら昇降できる強度を持つように固定されている。また、前記昇降パレットの昇降は左右の油圧シリンダ2を用いているが、左右のいずれか一つの油圧シリンダの駆動力を大きくし、一つの油圧シリンダによって昇降パレットの昇降駆動を行なわせてもよい。
本実施の形態において、前記左右のスライダ3aと3bとの間に同調シャフト4が配置されており、この同調シャフト4は最下段の昇降パレット1cの裏面側に配置されている。最下段の昇降パレット1cの裏面側には、幅方向両側に同調シャフト4を回転自在に軸支する軸受9が取り付けられており、水平に配置されている昇降パレットと略平行な状態で同調シャフト4が最下段の昇降パレット1cに取り付けられている。
同調シャフト4は、それぞれ左右の軸受9からさらに外方に向けて延びており、左右の各スライダ3の側壁面に形成され貫通孔部を貫通し、スライダ3がコラム6に外装することによって形成された前記空所内まで同調シャフト4の各先端部が達している。
図2は、図1の立体駐車装置を矢印R方向から見た場合の右側のコラム等について最下段の昇降パレット1cを中心に表した斜視図である。
左右の各スライダ3がコラム6に外装することによって形成された前記空所内まで延びた同調シャフト4の各先端部には、ピニオン7(左側のピニオンを7a、右側のピニオンを7b)が固定されており、コラム6の前側壁部の内面側にはラックが形成されたラック部材5(左側のラックを5a、右側のラックを5b)が固定され、左右の各ピニオン7a、7bが左右の各ラック部材5a、5bのラックに噛み合っている。図3はこの噛み合っている状態を表したものである。
このように、スライダ3とコラム6との開口部を互いに向き合わせて嵌合させることにより形成された空所に、ラック部材5およびピニオン7を収納させることにより、ゴミの噛み込み等が少なくなりラック及びピニオンが保護されかつ立体駐車装置の利用者が誤ってピニオン及びラックに巻き込まれる等の事故を未然に防止することができる。
固定のコラム6に対してスライダ3が昇降移動する際、コラム6とスライダ3とが接触する接触面の摩擦抵抗をできる限り少なくするために、スライダ3の側壁面にはコラム6の前後壁面部の端面と対応する部分に上下方向に延びる複数条の溝部を形成して接触面積を少なくし、スライダ3の昇降をスムーズにしている。
以上が本実施の形態の構成で、以下にその動作を説明する。
昇降パレットは図示しない昇降スイッチを操作すると、操作信号を受けた油圧ポンプユニットが駆動されて左右の各油圧シリンダ2が駆動を開始する。このとき、左右の油圧シリンダ2のピストンロッド8が同時に上昇駆動を開始した場合には、左右のスライダ3aと3bが同時に上方へ引き上げられ、上下3段の昇降パレット1は水平姿勢を維持して上方へ移動する。その際、左右のスライダ3が上方へ移動するのに伴って昇降パレット1の幅方向両側へ作用する引き上げ力は同時に作用するので、同調装置の左右のピニオン7が左右のラック部材7に形成されているラックに対して同時に噛み合いを開始し上方へ移動しながら自転するので、一方のピニオンが他方のピニオンに対して同調駆動するように同調シャフト4を介して回転力を付与する同調動作は行われない。
これに対し、いずれか一方の油圧シリンダ2の油圧ポンプユニットがいずれか他方の油圧シリンダの油圧ポンプユニットよりも先に操作信号を受信し、駆動を開始すると、左右の油圧シリンダ2のピストンロッド8の上昇開始タイミングにずれが生じ、先行する例えば右側の油圧シリンダ2bのピストンロッド8bによって右側のスライダ3bに先に引き上げ力が作用する。この場合、下段の昇降パレット1cに着目すると、下段の昇降パレット1cの左側端部を支点とし、右側端部に前記引き上げ力が加わる。そのとき、同調シャフト4も下段の昇降パレット1cと一体に移動するので右端部に引き上げ力が加わり、右側のピニオン7bが右側のラックとの噛み合いにより自転するため、同調シャフト4を介して左側のピニオン7aに回転力を付与する同調動作が実行され、左側のピニオン7aが左側のラックと噛み合いながら上方へ移動し、略同時に左右のピニオン7が上方へ移動することになる。これにより、左右のスライダ3も略同時に上方へ移動し(左側の油圧シリンダ2aのピストンロッド2aは左側のスライダ3aと一体に上方に移動する)昇降パレット1が略水平姿勢に保持されて上昇する。その後左側の油圧シリンダ2aのピストンロッド8aが油圧によって上昇駆動され、左右の油圧シリンダ2aと2bにより昇降パレット1が所定位置まで上昇する。
また、昇降パレットを降下させる場合には、例えば油圧ポンプユニットの不図示のバルブを開き、昇降パレット等の自重で油圧シリンダ内の油を排出させることにより行なうが、その際、左右の油圧シリンダ2に対する上記バルブの開タイミングに差が生じても、先に降下する油圧シリンダ側のピニオンが遅れて降下する側油圧シリンダ側のピニオンに回転力を付与し、上述した同調駆動を行なうため、昇降パレット1は水平姿勢を保持して降下する。なお、上記バルブが開くまでは昇降パレット1等の重量によってそのピストンロッド8が降下できないので、遅れ側のピニオンに対して同調シャフト4に捩れが生じ、該遅れ側のバルブが開くのと同時に該捩れによる回転力も付加されて先行するピニオンと略同じ水平位置に達するまで自転しながら急激に降下する。
上記した実施の形態は左右のスライダ3をそれぞれ左右の油圧シリンダで昇降駆動しているが、左右いずれか一方の油圧シリンダ2により昇降駆動することもできる。この場合、油圧シリンダ側のピニオンが昇降する際にピニオンとの噛み合いによって生じる回転力を反対側のピニオンに同調シャフト4を介して付与し同調駆動させ、該反対側のピニオンも略同時にラックに噛み合いながら昇降するので、昇降パレット1が略水平姿勢に保持されて昇降されることになる。次に、「同調装置」に採用されているピニオンアンドラックシステムはピニオンとラックの歯形は半径が変化しない定率円が連続したものとしている。この歯形は、複雑なインボリュート曲線を作図するためのプログラムと比較して歯形が単純であるため、歯形を描くためのプログラムの作成も容易である。
ここで図4は本実施の形態にかかるラック部材5を切り出したものの斜視図であり、A領域を歯厚と、B領域を歯幅という。ラック及びピニオンの歯の強度を強くするためには、歯幅を厚くするか、又は歯厚を厚くすることが考えられる。インボリュート曲線、サイクロイド曲線、トロコイド曲線等の特殊曲線は設計が複雑であり、噛み合わせを主体に全体歯形を定める必要があるため歯元の強度だけで歯形を定めることはできない。そのため設計等の手間を考えると、これら特殊曲線からなるラック及びピニオンの歯の強度を強くするに歯幅を厚くすることが考えられる。しかし、歯幅を厚くするとスペースの限られた立体駐車装置において余分なスペースを取ることとなってしまい好ましくない。これに対し、半径が変化しない定率円の歯形からなるピニオン及びラックの場合は、円の半径を大きくすることにより歯厚を厚くすることが可能であり、複雑な設計なしに歯の強度を強くすることが可能である。
また、立体駐車装置におけるパレットの昇降は低速で行なわれるためピニオンの回転も低速で行なわれる。よって、低精度の歯車における特有の問題である高速運転時おける打撃騒音の問題も生じないため、高速で円滑に回転しても騒音が生じないような高精度の設計は不要である。なお、半径が変化しない定率円の歯形ではあっても、歯の歯元がくびれるようなオーバーハングが形成するものは、歯の強度が弱くなるので本発明には含まれない。
またピニオンが円滑に回転することを可能にするため、ピニオンの歯の定率円の半径の方がラックの歯に用いられる定率円の半径に比較して小さくする。ラックの歯の半径とピニオンの歯の半径の大きさの比については厳密な比は必要ではなく、ピニオンがラック上を円滑に回転できる程度ラックの歯の半径より小さければ足りる。また、ピニオン及びラックの歯は油圧シリンダの駆動力をラックの歯からピニオンの歯に十分に伝わる程度の大きさにするものとする。
なお、ピニオンの歯にはラックの歯と同様に昇降パレット等の立体駐車装置の所定の部品及び駐車車両の重量が常にかかり、さらにこれらの負荷がかかったまま回転するため、ラックの歯より磨耗しやすい。そこで、ピニオンの歯幅はラックの歯幅の2倍から4倍の厚さとしておくことが望ましい。
ラック及びピニオンの創生にあたっては、レーザー溶断機およびワイヤーカット溶断機のいずも用いることができる。しかし、レーザーは長尺で、かつ厚さの薄いものを溶断するのに適しており、ワイヤーカットは厚みのあるものを精密な形状に溶断するのに適している。よって、ラックはレーザー溶断機で、ラックはワイヤーカット溶断機で溶断することが適している。
図5及び図6はラック部材を構成する薄板材11及び12を溶断機により溶断する面を表したものである。ラックの創生は、該薄板材の溶断する面をレーザーまたはワイヤーカットの溶断機によって溶断することによって行う。該溶断機には前記薄板材を半径が変化しない定率円が連続する線13に沿って溶断するようにプログラムがなされており、該溶断機は薄板材の線13上を切断しラックを創生する。
なお、図7に示すように一方のラック部材104の歯の形成部の先端部にはラック部材の歯の形状である定率円の半径と同一の半径の円の円弧の形状を形成し、該円弧の形状を形成していないラック部材103の歯の非形成部はラック部材104よりも歯の形成部よりも短い分(略1/2ピッチ)長くしておくとよい。薄板材の両端部をこのようにしておくことにより、後述する歯形形成工程において薄板材を溶断することで略同一のラックを備えた左右のラック部材を同時に二つ創生することが可能となる。
ピニオンについては、事前になされたプログラムに従ってワイヤーカットにより半径が変化しない定率円が連続した歯形に溶断して創生を行なう。
このように創生したラック及びピニオンを同調装置に用いる。そして、図7に示すようにラック5とピニオン7は噛み合い、立体駐車装置における同調装置の一部として機能することとなる。
インボリュート曲線等の複雑な歯形を有するラック及びピニオンの場合は強度を確保するため一般的には焼入れの必要な高炭素鋼を用いる必要があるため、創生の肯定が複雑でコストが高くなる。これに対して、本発明において用いるピニオン及びラック歯厚を厚くすることで強度を確保することができるので、中炭素鋼及び低炭素鋼をレーザーまたはワイヤーカットにより溶断することによって創生することが可能であり、コストおよび創生の手間が大幅に低減される。
立体駐車装置の概要を示した斜視図である。 図1の立体駐車装置を矢印R方向から見た場合の右側のコラム等について最下段の昇降パレット1cを中心に表した斜視図である。 ラックの歯とピニオンの歯が噛み合った状態を表す断面図である。 切り出したラックの一部の斜視図である。 ラックを創生するため薄板材を切断する面の直上から見た概略図である。 ラックを創生するため薄板材を切断する面の直上から見た概略図である。 図6の薄板材の歯の形成部を拡大して表した図である。
符号の説明
1・・昇降パレット
2・・油圧シリンダ
3・・スライダ
4・・同調シャフト
5・・ラック
6・・コラム
7・・ピニオン
8・・ピストンロッド
9・・軸受
11・・ラックの原料となる薄板材
12・・ラックの原料となる薄板材
13・・溶断機が薄板材を切断する箇所を表した線
103・・ラック部材
104・・ラック部材

Claims (4)

  1. 上下方向に隔設配置された車両の駐車面をなす複数の昇降パレットと、
    前記複数の昇降パレットの幅方向両側にそれぞれ固定された上下方向に延びる左右一対のスライダと、
    前記左右一対のスライダに対応して固定配置され、該左右一対のスライダを上下方向に案内するとともに、該左右一対のスライダとの間に空所を形成する左右一対のコラムと、
    油圧シリンダにより前記左右一対のスライダを独立駆動し、またはいずれか一方のスライダを駆動して前記複数の昇降パレットを昇降駆動する昇降駆動機構と、
    前記昇降パレットの幅方向に沿って延び前記複数の昇降パレットの昇降と一体に移動する回転自在な同調シャフトの両端部に夫々固定されたピニオンを有し、前記左右一対のコラムにそれぞれ固定されたラック部材のラックに該各ピニオンが噛み合う同調装置と、
    を有し、
    前記ラック部材は前記スライダと前記コラムとの間に形成される前記空所内に配置され、前記ピニオンは前記スライダに形成された貫通孔を介して前記空所内に突出しており、
    前記対をなす左右それぞれの前記スライダおよび前記コラムは、互いに向かい合う対向面が開口した横断面が略コ字形状に形成され、
    該コラムの開口幅は対応する該スライダの開口幅よりも短く形成されていることを特徴とする立体駐車装置。
  2. 前記スライダ、前記コラムおよび前記同調シャフトは、前記昇降パレット上への車両の進入方向における前記昇降パレットの略中央位置に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体駐車装置。
  3. 前記同調シャフトは、前記複数の昇降パレットの内の最下段の昇降パレットの下面に回転可能に軸支されていることを特徴とする請求項1または2に記載の立体駐車装置。
  4. 前記昇降駆動機構の前記油圧シリンダは、前記昇降パレット上への車両の進入方向における前記コラムよりも奥側に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の立体駐車装置。
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