JP5053799B2 - クラッチ、モータ及び車両用ドア開閉装置 - Google Patents

クラッチ、モータ及び車両用ドア開閉装置 Download PDF

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本発明は、車両用スライドドア開閉装置や車両用バックドア開閉装置等の車両用ドア開閉装置の駆動源として用いられるクラッチ付きのモータ及びその車両用ドア開閉装置に関するものである。
近年、車両ボディ側部に設けられる乗降口を開閉するスライドドアを備えた自動車において、そのスライドドアをモータ駆動で自動開閉するスライドドア開閉装置が搭載されているものがある。スライドドア開閉装置の駆動源として用いられるモータは、回転駆動するモータ本体と、該モータ本体で生じる回転を減速して出力する減速部とが一体に組み付けられて構成され、減速部からの出力によりスライドドアが開閉作動される。
このようなスライドドア開閉装置においては、スライドドアを手動で開閉可能とすることも要求されている。そのため、特許文献1にて示されるドア開閉装置のように、減速部の出力軸に電磁クラッチを装備したものが提案されている。
特許文献1のドア開閉装置では、スライドドアをモータ駆動により開閉作動させる場合、電磁クラッチがオンされて出力ギヤであるウォームホイールと出力軸である回転シャフトとが駆動連結され、モータ本体の回転駆動により回転するウォームホイールの回転が回転シャフトに伝達されることでスライドドアが開閉作動される。一方、スライドドアを手動により開閉作動させる場合には、電磁クラッチがオフとなって回転シャフトがウォームホイールと断絶されて該シャフトがフリーとなり、これによりスライドドアを手動により開閉させるようになっている。
特開2002−327576号公報
ところで、上記電磁クラッチは、給電のための配線の取り回し等が煩雑であるため、機械式のクラッチとする要求が高まっている。この機械式のクラッチにおいても、駆動軸と従動軸との連結時や断絶時に安定した作動を行わせることが要求されている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、安定した作動を得ることができるクラッチ、そのクラッチを用いたモータ及びそのモータを駆動源として用いる車両用ドア開閉装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、駆動軸と該駆動軸と同軸上に配置される従動軸との間に設けられ、前記駆動軸側からの駆動時には前記駆動軸を前記従動軸と連結し、前記駆動軸の非駆動時には前記従動軸を前記駆動軸から断絶するように作動するクラッチであって、前記駆動軸と一体回転可能に同軸上に設けられる駆動側第1回転体と、前記駆動側第1回転体と一体回転可能に同軸上に設けられ前記駆動側第1回転体に対して付勢部材を介して所定の相対回転位置に保持される駆動側第2回転体と、前記従動軸と一体回転可能に同軸上に設けられる従動側回転体と、径方向における前記駆動側第1回転体及び前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体との間に配置される動力伝達部材とを備えてなり、前記駆動軸の非駆動時には、前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体との間に前記動力伝達部材を配置するとともに、前記動力伝達部材を径方向内側の前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体との非挟持位置側に配置し、前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体とを回転方向に非係合とするとともに、前記駆動軸側からの駆動時には、前記駆動側第1回転体からの回転駆動力を前記付勢部材を介して前記駆動側第2回転体に伝達して該第2回転体を回転させるとともにそれに伴って前記動力伝達部材を周回させ、その周回時の遠心力にて前記動力伝達部材を径方向外側の前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体との挟持位置側に配置し、その挟持時の反力にて前記駆動側第2回転体を前記駆動側第1回転体の回転方向とは反対方向に前記付勢部材の付勢力に抗して相対回転させて前記動力伝達部材を前記駆動側第1回転体と前記従動側回転体との挟持位置側に配置し、前記駆動側第1回転体と前記従動側回転体とを回転方向に係合するように構成され、前記駆動側第1回転体及び前記従動側回転体は、前記動力伝達部材を挟持するための挟持面部をそれぞれ有しており、前記駆動側第1回転体の挟持面部と前記従動側回転体の挟持面部とは、クラッチの径方向外側の前記挟持位置側に向けて拡開する第1の角度に設定されていることをその要旨とする。
この発明では、クラッチは、駆動軸の非駆動時には、駆動軸と一体回転可能な駆動側第1回転体に付勢部材を介して所定の相対回転位置に保持される駆動側第2回転体と従動側回転体との間に動力伝達部材が配置されるとともに、動力伝達部材が径方向内側の駆動側第2回転体と従動側回転体との非挟持位置側に配置され、駆動側第2回転体と従動側回転体とが回転方向に非係合となる。つまり、駆動軸の非駆動時においては、動力伝達部材は、駆動側第2回転体と従動側回転体との間の非挟持位置側となるように配置されるため、駆動側の両回転体と従動側回転体とが回転方向に確実に非係合となり、駆動軸と従動軸とが断絶状態となる。これにより、駆動軸の非駆動時においては、従動側の装置を例えば手動により作動させるような場合に、その作動負荷の一つである駆動軸(駆動軸を含む駆動軸側の装置)を従動軸側から回転させなくて済み、従動軸側での作動が容易となる。また、駆動軸側からの駆動時には、クラッチは、駆動側第1回転体からの回転駆動力が付勢部材を介して駆動側第2回転体に伝達されて該第2回転体が回転し、動力伝達部材が周回する。動力伝達部材は、その周回時の遠心力にて径方向外側の駆動側第2回転体と従動側回転体との挟持位置側に配置される。そして、動力伝達部材は、その挟持時の反力にて駆動側第2回転体が駆動側第1回転体の回転方向とは反対方向に付勢部材の付勢力に抗して相対回転されて駆動側第1回転体と従動側回転体との挟持位置側に配置され、駆動側第1回転体と従動側回転体とが回転方向に係合する。つまり、駆動軸側からの駆動時においては、動力伝達部材を非挟持位置側に配置する駆動側第2回転体が挟持位置側に配置する駆動側第1回転体に切り替わり、駆動側第1回転体と従動側回転体とが回転方向に確実に係合され、駆動軸と従動軸とが連結状態となる。これにより、駆動軸の回転力がより確実に従動軸側に伝達される。駆動軸側からの駆動が停止されると、付勢部材の付勢力により、駆動側第2回転体が駆動側第1回転体と所定の相対回転位置に復帰し、駆動側の両回転体と従動側回転体とが回転方向に確実に非係合となる状態に復帰する。このような構成のクラッチでは、駆動軸と従動軸との連結時や断絶時の各種作動がより確実となり、安定した作動が得られる。
また、駆動側第1回転体の挟持面部と従動側回転体の挟持面部は、クラッチの径方向外側の挟持位置側に向けて拡開する第1の角度とされる。つまり、駆動軸と従動軸とが連結状態となる場合に、駆動側第1回転体の挟持面部と従動側回転体の挟持面部とで動力伝達部材が挟持されるが、その際、動力伝達部材は径方向外側の挟持位置側に向けて押し出されることとなり、駆動側第1回転体と従動側回転体とが回転方向に係合する状態が維持される。これにより、クラッチの作動がより確実に安定する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクラッチにおいて、前記駆動側第2回転体は、前記動力伝達部材を挟持するための挟持面部を有しており、前記駆動側第2回転体の挟持面部と前記従動側回転体の挟持面部とは、クラッチの径方向内側の前記非挟持位置側に向けて拡開する第2の角度に設定されていることをその要旨とする。
この発明では、駆動側第2回転体の挟持面部と従動側回転体の挟持面部とは、クラッチの径方向内側の非挟持位置側に向けて拡開する第2の角度とされる。つまり、駆動軸と従動軸とが断絶状態となる場合に、駆動側第2回転体の挟持面部と従動側回転体の挟持面部とで動力伝達部材が挟持し得るが、その際、動力伝達部材は径方向内側の非挟持位置側に向けて押し出されることとなるため、駆動側第2回転体と従動側回転体とが回転方向に非係合となる状態が維持される。これにより、クラッチの作動がより確実に安定する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のクラッチにおいて、前記駆動側第1回転体には、前記従動側回転体とで前記動力伝達部材を挟持した際に、径方向内側の前記非挟持位置側への前記動力伝達部材の移動を規制する規制面部を有していることをその要旨とする。
この発明では、駆動側第1回転体には、従動側回転体とで動力伝達部材を挟持した際に、径方向内側の非挟持位置側への動力伝達部材の移動を規制する規制面部が備えられる。つまり、駆動軸側からの駆動時において、駆動側第1回転体と従動側回転体とで動力伝達部材を挟持した時に、その動力伝達部材の非挟持位置側への移動が規制面部により規制されることから、駆動側第1回転体と従動側回転体との回転方向に係合する状態が維持される。これにより、駆動軸側からの駆動をより確実に従動軸側に伝達することが可能となり、クラッチの作動がより確実に安定する。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、前記駆動側第1回転体及び前記駆動側第2回転体のいずれか一方には、前記周方向に沿った円弧状のガイド溝が設けられるとともに、そのいずれか他方には前記ガイド溝に挿入され両回転体の相対回転をガイドする挿入突起が設けられ、前記付勢部材は、前記駆動側第2回転体を前記駆動側第1回転体に対して所定の相対回転位置に保持すべく、前記ガイド溝内の前記挿入突起の両側にそれぞれ収容されていることをその要旨とする。
この発明では、駆動側第1回転体及び駆動側第2回転体のいずれか一方には、周方向に沿った円弧状のガイド溝が設けられ、いずれか他方にはそのガイド溝に挿入され両回転体の相対回転をガイドする挿入突起が設けられる。付勢部材は、そのガイド溝内において挿入突起の両側にそれぞれ収容され、駆動側第2回転体を駆動側第1回転体に対して所定の相対回転位置に保持する。つまり、ガイド溝と挿入突起とが設けられることで、駆動側第2回転体の駆動側第1回転体との相対回転が円滑となり、クラッチの作動がより安定する。また、駆動側第2回転体の相対回転位置を保持する付勢部材がそのガイド溝内に収容されるため、付勢部材を収容するスペースを別途設ける必要がなく、クラッチを小型化できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、前記駆動側第1回転体及び前記駆動側第2回転体のいずれか一方には、前記周方向に沿った円弧状のガイド溝が設けられるとともに、そのいずれか他方には前記ガイド溝に挿入され両回転体の相対回転をガイドする挿入突起が対で設けられ、前記付勢部材は、前記駆動側第2回転体を前記駆動側第1回転体に対して所定の相対回転位置に保持すべくその相対回転時に一方の前記挿入突起にて付勢力を受けるように、前記ガイド溝と連続して設けられる収容溝内の一対の前記挿入突起間に収容されていることをその要旨とする。
この発明では、駆動側第1回転体及び駆動側第2回転体のいずれか一方には、周方向に沿った円弧状のガイド溝が設けられ、いずれか他方にはそのガイド溝に挿入され両回転体の相対回転をガイドする挿入突起が対で設けられる。付勢部材は、ガイド溝と連続して設けられる収容溝内の一対の挿入突起間に収容され、その相対回転時に一方の挿入突起にて付勢力を受けることで駆動側第2回転体を駆動側第1回転体に対して所定の相対回転位置に保持する。つまり、ガイド溝と挿入突起とが設けられることで、駆動側第2回転体の駆動側第1回転体との相対回転が円滑となり、クラッチの作動がより安定する。また、駆動側第2回転体の相対回転位置を保持する付勢部材が1個で済み、しかも収容溝に収容されるため、クラッチを小型化できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、前記動力伝達部材を周回時の遠心力による前記挟持位置側への移動を許容しつつ前記非挟持位置側に付勢する第2付勢部材を備えたことをその要旨とする。
この発明では、動力伝達部材を周回時の遠心力による挟持位置側への移動を許容しつつ非挟持位置側に付勢する第2付勢部材が備えられることから、駆動軸と従動軸とが断絶状態で動力伝達部材に遠心力の作用しないような場合に、駆動側第1,第2回転体と従動側回転体とで動力伝達部材を挟持することを防止でき、駆動側第1,第2回転体と従動側回転体とが回転方向に非係合となる状態が維持される。これにより、クラッチの作動がより安定する。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のクラッチにおいて、前記第2付勢部材は、前記駆動側第2回転体の内部に収容されたことをその要旨とする。
この発明では、第2付勢部材が駆動側第2回転体の内部に収容されることで、この第2付勢部材が駆動側第1,第2回転体の作動の妨げとなることを防止でき、また第2付勢部材の配置スペースを考慮しないで済むため、駆動側第1,第2回転体を互いに近接配置することも可能である。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、前記駆動側第1回転体は、前記駆動側第2回転体を挟むように配置された第1及び第2駆動プレートでともに動力伝達を行うように構成されたことをその要旨とする。
この発明では、駆動側第1回転体は、駆動側第2回転体を挟むように配置された第1及び第2駆動プレートでともに動力伝達を行うように構成される。これにより、対の駆動プレートで従動側回転体に動力伝達部材を介して安定して動力伝達を行うことが可能である。特に、第2付勢部材が駆動側第2回転体の内部に収容されて設けられる請求項7の発明に適用すれば、その駆動側第2回転体の両側に第1及び第2駆動プレートが配置されることから、第2付勢部材の付勢力が作用することで作動が不安定となりがちな動力伝達部材がその両側で第1及び第2駆動プレートに当接するため、クラッチの作動の安定化に繋がる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、前記駆動側第1回転体、前記駆動側第2回転体及び前記従動側回転体は、前記動力伝達部材を配置するための凹部をそれぞれ有していることをその要旨とする。
この発明では、駆動側第1回転体、駆動側第2回転体及び従動側回転体には、動力伝達部材を配置するための凹部がそれぞれ設けられる。つまり、動力伝達部材を凹部内に収容することでそれ以外への不意な移動範囲を制限できるため、動力伝達部材の移動範囲を制限するための部材を別途必要とせず、しかもクラッチの作動の安定化に繋がる。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、前記動力伝達部材は、円柱状若しくは球状に形成され、クラッチの周方向に等間隔に複数配設されていることをその要旨とする。
この発明では、動力伝達部材は、円柱状若しくは球状に形成され、クラッチの周方向に等間隔に複数配設される。つまり、動力伝達部材を円柱状若しくは球状とすることで、動力伝達部材の移動が駆動側第1回転体や駆動側第2回転体、従動側回転体等に引っ掛かることなくスムーズである。また、動力伝達部材をクラッチの周方向に等間隔に複数配設することで、駆動側第1回転体と従動側回転体とが回転方向に係合する際に、その係合する部分を周方向にバランスよく配置できる。これにより、クラッチの作動を安定化できる。
請求項11に記載の発明は、モータ本体と減速機構と、請求項1〜10のいずれか1項に記載のクラッチとを備えてなるモータであって、前記駆動軸は、前記モータ本体の駆動により回転される回転軸であり、前記従動軸は、前記回転軸と同軸上に配置される前記減速機構の入力軸であることをその要旨とする。
この発明では、請求項1〜10のいずれか1項に記載のクラッチにより、モータ本体の回転軸と減速機構の入力軸との連結時や断絶時の各種作動がより確実となって安定した作動が得られるため、モータの信頼性が向上する。また、このクラッチはモータ本体の回転軸と減速機構の入力軸との間のトルクの小さい箇所に設けられるため、クラッチの各構成部品を小型軽量に構成でき、モータの小型軽量化に貢献できる。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のクラッチ付きのモータをその駆動源として用い、車両に設けられる開口を開閉するドアを前記モータの駆動によって開閉作動させるように構成される車両用ドア開閉装置であって、前記ドアを自動開閉させる旨の指令が生じると、前記モータ本体の駆動とともに前記クラッチにより前記モータ本体の回転軸を前記減速機構の入力軸と連結し前記ドアを自動開閉させる一方、前記モータ本体の非駆動時には、前記クラッチにより前記減速機構の入力軸を前記回転軸から断絶して前記ドアの手動開閉時の作動負荷を軽減させた状態とすることをその要旨とする。
この発明では、車両のドアをモータの駆動にて自動開閉する装置においては、該ドアを手動による開閉ができるようにも構成する要求があるため、上記のようなクラッチを用いたモータがその駆動源として好適であり、ドア開閉装置の信頼性を向上できる。しかも、車両に搭載する装置では搭載スペースを小さく軽量とすることが常に要求されるため、クラッチ、ひいてはモータが小型軽量となる意義は大きい。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の車両用ドア開閉装置において、車両側部の開口を開閉するスライドドアを開閉作動させるための車両用スライドドア開閉装置、又は、車両後部の開口を開閉するバックドアを開閉作動させるための車両用バックドア開閉装置であることをその要旨とする。
この発明では、車両のドアでもスライドドアやバックドアを対象としている。即ち、スライドドアやバックドア(特にバックドアでも上下方向に開閉させるもの)においては、それぞれドアの手動開閉に比較的大きな操作力が必要である。そのため、上記のようなクラッチにて負荷側からの作動が容易となる意義は大きく、ドアの手動開閉を容易に行うことが可能となる。
従って、上記記載の発明によれば、安定した作動を得ることができるクラッチ、そのクラッチを用いたモータ及びそのモータを駆動源として用いる車両用ドア開閉装置を提供することができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施の形態のモータ1を示す。本実施の形態のモータ1は、図8に示すように、自動車に搭載されるスライドドア開閉装置100の駆動源として用いられるものである。スライドドア開閉装置100は、本実施の形態では、車両ボディ101の側面に沿ってスライド開閉可能に配設されたスライドドア102内に配設されている。スライドドア102は、車両ボディ101に形成された乗降口101aを開閉するものであり、車両ボディ101に設けられるガイドレール103に沿って移動可能に連結される連結具104にて支持されている。連結具104はモータ1の駆動によるワイヤケーブル105の巻き取り及び送り出しが行われることによりガイドレール103に沿って移動し、該連結具104の移動によりスライドドア102が乗降口101aを開閉するようになっている。
このようなスライドドア開閉装置100の駆動源である本実施の形態のモータ1は、モータ本体2と減速部3とからなる所謂ギヤードモータにて構成されている。モータ本体2は、ヨークハウジング4、一対のマグネット5、電機子6、ブラシホルダ7及び一対のブラシ8を備えている。
ヨークハウジング4は略有底扁平円筒状に形成され、その内側面にマグネット5が固着されている。ヨークハウジング4の底部中央には軸受9が設けられ、該軸受9は電機子6の回転軸(駆動軸)10の基端を回転可能に支持する。
ヨークハウジング4の開口部4aはフランジ状に形成され、後述するギヤハウジング21の開口部21aにネジ11にて固定される。尚、この固定の際に、ヨークハウジング4の開口部4aとギヤハウジング21の開口部21aとでブラシホルダ7が挟持されて固定される。
ブラシホルダ7は、ヨークハウジング4内において、電機子6の回転軸10の先端を回転可能に支持する軸受12及び回転軸10に固着された整流子13に摺接するブラシ8を保持している。また、ブラシホルダ7の両ハウジング4,21から突出する部分は車体側から延びる車体側コネクタ(図示略)と連結するためコネクタ部7aであって、該コネクタ部7aの凹部7b内には複数本のターミナル14が露出している。これらターミナル14はブラシホルダ7にインサートされており、前記ブラシ8及びモータ1内に備えられる回転センサ(後述のホール素子29)等と電気的に接続されている。そして、コネクタ部7aが車体側コネクタと連結されることで、モータ1と車体側に備えられるコントローラ(図示略)とが電気的に接続され、電源供給やセンサ信号等の出力が行われる。
このようなモータ本体2に対し、減速部3は、ギヤハウジング21、ウォーム軸(従動軸)22、ウォームホイール23、出力軸24及びクラッチ30を備えている。
ギヤハウジング21は樹脂製であって、内部にはウォーム軸22、ウォームホイール23及びクラッチ30を収容している。ギヤハウジング21は、前記ヨークハウジング4の開口部4aと対向する開口部21aを備え、両開口部4a,21a間に前記ブラシホルダ7が介装される。
ギヤハウジング21は、ウォーム軸22を収容するために開口部21aから軸方向に延びる略円筒状の軸収容筒部21bと、該軸収容筒部21bと連通しウォームホイール23を収容するためのホイール収容凹部21cと、軸収容筒部21bの基端(モータ本体2側)に設けられクラッチ30を収容するためのクラッチ収容凹部21dとを備えている。
軸収容筒部21bには、一対の軸受25,26が所定間隔を有して装着されている。ウォーム軸22は、軸収容筒部21bの開口側から挿入され、ウォーム部22aを挟んだ両端がそれぞれ軸受25,26にて回転可能に支持されて、前記回転軸10と同軸上に配置される。また、ウォーム軸22の先端には、該ウォーム軸22のスラスト荷重を受けるためのスラスト受けボール27a及びプレート27bが備えられている。
また、ウォーム軸22においてウォーム部22aと軸受26にて支持される部位との間には、周方向に多極着磁されるリング状のセンサマグネット28が一体回転するように装着されている。これに対し、軸収容筒部21bにおいてセンサマグネット28の外周面に対向する部位には、該センサマグネット28の回転に伴う磁界変化を検知するホール素子29が配設されている。ホール素子29は、ウォーム軸22の回転数や回転速度等の回転情報、即ちスライドドア102の開閉位置や開閉速度を検出するために、センサマグネット28の回転に伴う磁界変化を検知する。
ホイール収容凹部21cには、前記ウォーム軸22のウォーム部22aと噛合されるウォームホイール23が回転可能に収容されている。このウォームホイール23には、出力軸24が一体回転するように連結されている。出力軸24には、スライドドア102を開閉作動させるための前記ワイヤケーブル105が掛装される駆動プーリ(図示略)が一体回転するように連結されている。
クラッチ収容凹部21dには、ウォーム軸22と前記回転軸10との断続を行う機械式のクラッチ30が収容されている。クラッチ30は、図2〜図5に示すように、回転軸10側に設けられる駆動側第1回転体としての駆動連結部31と、ウォーム軸22側に設けられる従動側回転体としての従動円筒部32と、駆動連結部31及び従動円筒部32間にそれぞれ配置される3個の動力伝達部材としてのコロ部材33及び駆動側第2回転体としての中間プレート34とを備えている。
駆動連結部31は、回転軸10と同軸となるように該軸10の先端部に一体に形成され(回転軸10と別部材で互いに連結する構成でも可)、円盤状プレートの外周縁から内側に浅くV字状に凹設されてなる3つの同形状の制御面31aを周方向に等間隔(120°間隔)に備えている。制御面31aは、前記回転軸10及びウォーム軸22の中心軸線上にある軸中心Oを通る径方向の直線に対して対称な一対の斜面部31bを有している。因みに、制御面31aは、中心角が60°よりも大きく形成されている。
また、駆動連結部31には、軸中心Oを中心とした同心円上に円弧形状をなす3つの同形状のガイド溝31cが各制御面31aと対応するように等間隔に形成されている。ガイド溝31cは、その溝幅(径方向長さ)が周方向に等しく形成されている。また、この駆動連結部31のウォーム軸22側の面には、回転軸10と同軸をなす円柱状の支軸部31dが凸設されている。
従動円筒部32は、ウォーム軸22と同軸となるように該軸22の基端部に一体に形成され(ウォーム軸22と別部材で互いに連結する構成でも可)、前記駆動連結部31を内側に配置可能な円筒状をなしている。従動円筒部32は、前記軸中心Oをその中心とした内周面と駆動連結部31の制御面31aを含む外周面とが対向している。従動円筒部32の内周面には、径方向内側に向けて拡開するように開口する3つの同形状の係合凹部32aが周方向に等間隔に設けられている。因みに、係合凹部32aは、中心角が60°よりも小さく形成されている。係合凹部32aの両側壁には、前記軸中心Oを通る径方向の直線に対して対称な一対の斜面部32bを有している。従動円筒部32は、クラッチ収容凹部21dに設けられる軸受35にて回転可能に支持されている。
3個のコロ部材33は、円柱状で同形状をなしており、中間プレート34の各収容凹部34b内にそれぞれに前記回転軸10の軸方向に沿うようにして配置され、該収容凹部34b内を移動可能に配置されている。従って、コロ部材33は、収容凹部34bに完全に収容されて従動円筒部32の係合凹部32a内に位置しない、つまり該係合凹部32aと係合不能となる位置と、収容凹部34b内から径方向外側に移動して一部が従動円筒部32の係合凹部32a内に位置する、つまり該係合凹部32aと係合する位置とのいずれかに配置されるようになっている。
中間プレート34は、前記駆動連結部31と略同径の円盤状をなしており、駆動連結部31のウォーム軸22側の面に設けられる支軸部31dに対し、中心部に設けられる支持孔34aにて回転可能かつ係止リング36にて脱落不能に支持されている。中間プレート34には、外周縁から内側にU字状に凹設されてなる3つの同形状の収容凹部34bが周方向に等間隔に形成されている。収容凹部34bは、コロ部材33を完全に収容可能な深さ、即ちコロ部材33が中間プレート34の外周縁から突出しないように収容できる深さを有してなる。また、収容凹部34bの両側の側面部34cは、前記軸中心Oを通る径方向の直線に対して対称をなしている。各収容凹部34bには、コロ部材33がそれぞれ収容される。
また、中間プレート34には、駆動連結部31に設けた各ガイド溝31c内に挿入される四角柱状の挿入突起34dがそれぞれ等間隔に設けられている。中間プレート34の挿入突起34dと収容凹部34bとの位置関係は、挿入突起34dがガイド溝31cの周方向中央部に配置された場合に、収容凹部34bが駆動連結部31に設けた制御面31aのV字中央部に位置するように設定されている。また、各挿入突起34dの両側のガイド溝31c内には、該挿入突起34dをガイド溝31cの周方向中央部に保持するための一対のコイルスプリング37が各ガイド溝31cのそれぞれに収容されている。つまり、各コイルスプリング37の付勢力により、中間プレート34の収容凹部34bが駆動連結部31の制御面31aのV字中央部に位置するような中間プレート34と駆動連結部31との相対位置が保持されるようにしている。因みに、中間プレート34の収容凹部34bは、制御面31aのV字中央部と同等の位置まで凹設されている。
ここで、駆動連結部31が制御面31aのV字中央部(収容凹部34bの底部中央部)と従動円筒部32の係合凹部32aの底部との間隔L1はコロ部材33の直径D1よりも大きく(図5参照)、駆動連結部31が制御面31a(斜面部31b)の両端部と従動円筒部32の係合凹部32aの底部との間隔L2はコロ部材33の直径D1よりも小さく設定されている(図7参照)。
つまり、コロ部材33が駆動連結部31の制御面31aのV字中央部分に配置されると、該制御面31aと従動円筒部32の係合凹部32aとの間で隙間が生じる状態で配置され、駆動連結部31と従動円筒部32とで挟持されない。これにより、駆動連結部31と従動円筒部32とが回転方向に係合せず、回転軸10とウォーム軸22とが断絶状態となる。一方、コロ部材33が制御面31aの端部側に配置された時には、該制御面31a(斜面部31b)と従動円筒部32の係合凹部32a(斜面部32b)との両者に当接して挟持される。これにより、駆動連結部31と従動円筒部32とが回転方向に係合し、回転軸10とウォーム軸22とが連結状態となる。
また、前記連結状態において、図7に示すように、コロ部材33が制御面31aの斜面部31bと係合凹部32aの斜面部32bとで挟持される際、制御面31aの斜面部31bと係合凹部32aの斜面部32bとがクラッチ30の外側方向に拡開するような角度θ1に設定されている。これにより、制御面31aの斜面部31bと係合凹部32aの斜面部32bとで挟持されたコロ部材33には、クラッチ30の外側方向、即ち係合凹部32a側への押圧力が作用することとなり、その挟持状態が維持されるようになっている。つまり、この場合、駆動連結部31と従動円筒部32とが回転方向に係合する状態が維持される構成となっている。
これに対し、制御面31aの斜面部31bにて挟持される前の状態において、図6に示すように、中間プレート34の収容凹部34bの側面部34cと係合凹部32aの斜面部32bとで挟持し得る場合があり、この場合、収容凹部34bの側面部34cと係合凹部32aの斜面部32bとがクラッチ30の内側方向に拡開するような角度θ2に設定されている。これにより、収容凹部34bの側面部34cと係合凹部32aの斜面部32bとで挟持されたコロ部材33には、クラッチ30の内側方向、即ち収容凹部34b側への押圧力が作用することとなり、該コロ部材33を収容凹部34b側に移動させるようになっている。つまり、この場合、駆動連結部31と従動円筒部32とが回転方向に係合しない状態が維持される構成となっている。
このような構成のクラッチ30では、モータ本体2の非駆動時のように回転軸10に回転駆動力が生じていない場合、図5に示すように、中間プレート34は、コイルスプリング37にて収容凹部34bが駆動連結部31の制御面31aのV字中央部に位置するように該駆動連結部31に対して保持されている。また、各コロ部材33は、中間プレート34の収容凹部34b内、若しくは収容凹部34bと従動円筒部32の係合凹部32aとの間で移動可能に配置されている。
そのため、手動によりスライドドア102を開作動又は閉作動させるような場合に、ドア102側から出力軸24を回転させると、該出力軸24の回転に伴ってウォーム軸22及び従動円筒部32が回転する。すると、コロ部材33が中間プレート34の収容凹部34b内に位置する場合には、中間プレート34(駆動連結部31)と従動円筒部32とは回転方向に係合しないため、従動円筒部32が駆動連結部31と断絶された状態で空転、即ちウォーム軸22が回転軸10と断絶された状態で空転する。また、コロ部材33の一部が従動円筒部32の係合凹部32a内に位置する場合、図6に示すように、係合凹部32aの斜面部32bと中間プレート34の収容凹部34bの側面部34cとで挟持されることがあるが、挟持される斜面部32bと側面部34cとのなす角度θ2の関係により、コロ部材33は収容凹部34b内に押し出される。従って、この場合においても、中間プレート34(駆動連結部31)と従動円筒部32とは回転方向に係合しないため、ウォーム軸22が回転軸10と断絶された状態で空転する。これにより、出力軸24側から回転負荷になる回転軸10がウォーム軸22から切り離されるため、該出力軸24側からの回転が容易となり、大きな操作力を必要としない容易なスライドドア102の手動による開閉作動が可能となっている。
これに対し、スライドドア102を自動開閉させる旨の指令が生じてモータ本体2が駆動され回転軸10が回転すると、該回転軸10とともに駆動連結部31及び中間プレート34が回転する。すると、図6に示すように、各コロ部材33が中間プレート34の収容凹部34bの側面部34cと係合して軸中心O周りに周回する。コロ部材33は、周回による遠心力を受けて径方向外側にある従動円筒部32側に移動し、係合凹部32a内に押し出される。このとき、係合凹部32aの斜面部32bと収容凹部34bの側面部34cとで挟持状態となるが、挟持される斜面部32bと側面部34cとのなす角度θ2の関係により、コロ部材33には収容凹部34b側への押圧力が作用するため、周回時の遠心力がその押圧力に勝るような回転速度に達した時点で、その挟持状態が維持される。尚、その押圧力の方が勝る場合は、コロ部材33は収容凹部34b内に再び押し出され、駆動連結部31及び中間プレート34のみが回転する。
コロ部材33が係合凹部32aの斜面部32bと収容凹部34bの側面部34cとで挟持状態となると、中間プレート34は、その回転力を従動円筒部32に伝達しつつ該従動円筒部32側からの反力を受けることで、駆動連結部31の回転方向とは反対方向にコイルスプリング37の付勢力に抗して相対回転する。そして、図7に示すように、コロ部材33が駆動連結部31の制御面31aの斜面部31bに当接する位置まで中間プレート34が駆動連結部31に対して相対回転すると、コロ部材33は制御面31aの斜面部31bと係合凹部32aの斜面部32bとの挟持に切り替わる。このとき、制御面31aの斜面部31bと係合凹部32aの斜面部32bとのなす角度θ1の関係により、コロ部材33には係合凹部32a側への押圧力が作用するため、その挟持状態が維持される。これにより、駆動連結部31と従動円筒部32との回転方向の係合状態が維持され、回転軸10とウォーム軸22とが連結状態となる。このように回転軸10とウォーム軸22とが連結されることで、モータ本体2の駆動による回転軸10の回転力がウォーム軸22に伝達されて出力軸24が回転し、スライドドア102がモータ1の正転又は逆転駆動により自動で開作動又は閉作動するようになっている。
やがて、モータ本体2の駆動が停止されて回転軸10の回転が停止されると、中間プレート34は、コロ部材33を介して従動円筒部32から受ける反力が小さくなるため、コイルスプリング37の付勢力により、該プレート34の収容凹部34bが駆動連結部31の制御面31aのV字中央部に復帰すべく相対回動する。また、コロ部材33は挟持状態から解放されるため、駆動連結部31と従動円筒部32との係合状態が解除される。これにより、回転軸10とウォーム軸22とが断絶された状態に復帰し、上記した手動によるスライドドア102の開閉作動が可能な状態となる。
尚、本実施の形態では、ウォーム軸22とウォームホイール23との間において、スライドドア102の自動開閉時におけるモータ本体2側からの駆動力の伝達と、手動開閉時における出力軸24側からの駆動力の伝達とが両者で最適となるように、そのウォーム軸22におけるウォーム部22aのリード(1回転させた時に進む距離)が予め実験やシミュレーション等により設定されている。これにより、本実施の形態では、スライドドア102の自動開閉及び手動開閉の両者において更なるスムーズな開閉が実現されている。
次に、本実施の形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施の形態のクラッチ30では、モータ本体2の非駆動時において、回転軸10の駆動連結部31にコイルスプリング37を介して所定の相対回転位置に保持される中間プレート34とウォーム軸22の従動円筒部32との間、この場合、径方向内側の中間プレート34の収容凹部34b内の非挟持位置側にコロ部材33が配置され、中間プレート34と従動円筒部32とが回転方向に非係合となる。つまり、モータ本体2の非駆動時においては、コロ部材33は、中間プレート34の収容凹部34b内(非挟持位置)に配置されるため、駆動側の中間プレート34及び駆動連結部31と従動円筒部32とが回転方向に確実に非係合となり、回転軸10とウォーム軸22とが断絶状態となる。これにより、モータ本体2の非駆動時においては、スライドドア102を手動により作動させるような場合に、その作動負荷の一つであるモータ本体2の回転軸10を負荷側から回転させなくて済み、負荷側での作動が容易となる。また、モータ本体2の駆動時において、クラッチ30は、駆動連結部31からの回転駆動力がコイルスプリング37を介して中間プレート34に伝達されて該プレート34が回転し、コロ部材33が周回する。コロ部材33は、その周回時の遠心力にて径方向外側の従動円筒部32の係合凹部32a内の挟持位置側に配置される。そして、コロ部材33は、その挟持時の反力にて中間プレート34が駆動連結部31の回転方向とは反対方向にコイルスプリング37の付勢力に抗して相対回転されて駆動連結部31と従動円筒部32との各斜面部31b,32b間(挟持位置)に配置され、駆動連結部31と従動円筒部32とが回転方向に係合する。つまり、モータ本体2側からの駆動時においては、コロ部材33を収容凹部34b内(非挟持位置)に配置する中間プレート34が係合凹部32a内(挟持位置)に配置する駆動連結部31に切り替わり、駆動連結部31と従動円筒部32とが回転方向に確実に係合され、回転軸10とウォーム軸22とを連結状態とする。これにより、モータ本体2の駆動による回転軸10の回転力がより確実にウォーム軸22側に伝達される。モータ本体2の駆動が停止されると、コイルスプリング37の付勢力により、中間プレート34が駆動連結部31と所定の相対回転位置に復帰し、駆動側の中間プレート34及び駆動連結部31と従動円筒部32とが回転方向に確実に非係合となる状態に復帰する。このような構成の本実施の形態のクラッチ30では、モータ本体2の回転軸10と減速部3のウォーム軸22との連結時や断絶時の各種作動がより確実となるため、安定した作動を得ることができる。これにより、これにより、モータ1及びドア開閉装置100の信頼性を向上することができる。
(2)本実施の形態のクラッチ30は、モータ本体2の回転軸10と減速部3の入力軸であるウォーム軸22との間のトルクの小さい箇所に設けられるため、クラッチ30を構成する駆動連結部31、従動円筒部32、コロ部材33及び中間プレート34をそれぞれ小型軽量に構成でき、モータ1の小型軽量化に貢献することができる。
(3)本実施の形態では、駆動連結部31の制御面31aの挟持面部である斜面部31bと従動円筒部32の係合凹部32aの挟持面部である斜面部32bは、クラッチ30の径方向外側に向けて(係合凹部32a側に向けて)拡開する角度θ1(第1の角度)とされ、中間プレート34の収容凹部34bの挟持面部である側面部34cと従動円筒部32の係合凹部32aの斜面部32bとは、クラッチ30の径方向内側に向けて(収容凹部34b側に向けて)拡開する角度θ2(第2の角度)とされる。つまり、回転軸10とウォーム軸22とが連結状態となる場合に、駆動連結部31の制御面31aの斜面部31bと従動円筒部32の係合凹部32aの斜面部32bとでコロ部材33が挟持されるが、その際、コロ部材33は径方向外側の係合凹部32a側に向けて押し出されることとなり、駆動連結部31と従動円筒部32とが回転方向に係合する状態が維持される。これに対し、回転軸10とウォーム軸22とが断絶状態となる場合に、中間プレート34の収容凹部34bの側面部34cと従動円筒部32の係合凹部32aの斜面部32bとでコロ部材33が挟持し得るが、その際、コロ部材33は径方向内側の収容凹部34b側に向けて押し出されることとなるため、中間プレート34と従動円筒部32とが回転方向に非係合となる状態が維持される。これにより、クラッチ30の作動をより確実に安定させることができる。
(4)本実施の形態では、駆動連結部31に周方向に沿った円弧状のガイド溝31cが設けられ、中間プレート34にそのガイド溝31cに挿入され中間プレート34と駆動連結部31との相対回転をガイドする挿入突起34dが設けられる。コイルスプリング37は、そのガイド溝31c内において挿入突起34dの両側にそれぞれ収容され、中間プレート34を駆動連結部31に対して所定の相対回転位置に保持する。つまり、ガイド溝31cと挿入突起34dとが設けられることで、中間プレート34の駆動連結部31との相対回転が円滑となり、クラッチ30の作動がより安定となる。また、中間プレート34の相対回転位置を保持するコイルスプリング37がそのガイド溝31c内に収容されるため、コイルスプリング37を収容するスペースを別途設ける必要がなく、クラッチ30を小型化できる。
(5)本実施の形態では、駆動連結部31にV字の制御面31a、中間プレート34に収容凹部34b及び従動円筒部32に係合凹部32aがそれぞれ設けられ、各凹部にて形成されるスペースにコロ部材33が収容される。つまり、コロ部材33をそれら各凹部内のスペースに収容することでそれ以外への不意な移動範囲を制限できるため、コロ部材33の移動範囲を制限するための部材を別途必要とせず、しかもクラッチ30の作動を安定化できる。
(6)本実施の形態では、コロ部材33は、円柱状に形成され、クラッチ30の周方向に等間隔に複数(3個)配設される。つまり、コロ部材33を円柱状とすることで、コロ部材33の移動が駆動連結部31や中間プレート34、従動円筒部32等に引っ掛かることなくスムーズである。また、コロ部材33をクラッチ30の周方向に等間隔に複数配設することで、駆動連結部31と従動円筒部32とが回転方向に係合する際に、その係合する部分を周方向にバランスよく配置できる。これにより、クラッチ30の作動を安定化できる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施の形態を図面に従って説明する。尚、本実施の形態では、クラッチの構成が若干変更されている。
図9〜図13に示すように、本実施の形態のクラッチ40は、モータ本体2(回転軸10)側に設けられる駆動側第1回転体としての駆動連結部41と、出力軸24(ウォーム軸22)側に設けられる従動側回転体としての従動円筒部42と、駆動連結部41及び従動円筒部42間にそれぞれ配置される3個の動力伝達部材としてのコロ部材43及び駆動側第2回転体としての中間プレート44とを備えている。
駆動連結部41は、回転軸10と同軸で一体回転可能に連結される連結軸部45と、該連結軸部45と一体回転する第1及び第2駆動プレート46,47とから構成されている。連結軸部45は、略円柱状をなし、その基端部(回転軸10側端部)端面には、モータ本体2側から延びる回転軸10と同軸で一体回転可能に嵌合連結するための例えば断面略D字状の連結孔45aが形成されている。連結軸部45の軸方向中間部には、第1駆動プレート46がフランジ状に一体に形成されている。連結軸部45の第1駆動プレート46よりも先端側は、中間プレート44を回転可能に支持するために支軸部45bと、該支軸部45bよりも先端側には第2駆動プレート47を一体回転可能に嵌合連結するための例えば二面幅形状の固定部45cとなっている。因みに、固定部45cには、第2駆動プレート47を装着した後に係止リング48が取り付けられて該プレート47の脱落が防止されている。そして、第1及び第2駆動プレート46,47は、その中間プレート44を軸方向に挟むようにして、連結軸部45に対して一体回転可能に互いに平行に配置されている。
第1及び第2駆動プレート46,47は、同径で外周側部分が同形状に形成されており、その外周縁から内側に所定形状で凹設されてなる3つの同形状の係合凹部46a,47aを周方向に等間隔(120°間隔)に備えている。この場合、第1及び第2駆動プレート46,47の各係合凹部46a,47aの周方向位置が一致するように、第2駆動プレート47が連結軸部45に対して装着される。各係合凹部46a,47aは、それぞれコロ部材43が配置されるものであり、径方向内側に半円状に凹設され各プレート46,47の周方向に等間隔に位置する収容部分46b,47bと、該収容部分46b,47bの回転方向両側で対をなす係合部分46c,47cとを有し、前記回転軸10及びウォーム軸22の中心軸線上にある軸中心Oを通る径方向の直線に対して対称な形状をなしている。因みに、各係合凹部46a,47aは、後述の従動円筒部42の係合凹部42aと略同じ角度範囲(約60°範囲)で設けられている。
各係合凹部46a,47aの収容部分46b,47bは、コロ部材43を完全に収容可能な深さ、即ちコロ部材43が第1及び第2駆動プレート46,47の外周縁から突出しないように収容できる深さ(径方向長さ)に設定されている。一方、係合部分46c,47cは、コロ部材43の一部が第1及び第2駆動プレート46,47の外周縁から従動円筒部42の係合凹部42a側に若干突出する深さ(径方向長さ)に設定されている。更に、この係合部分46c,47cは、前記収容部分46b,47bと連続するように設けられ各プレート46,47の外周面と平行な面(若しくはそれに準ずる平坦面)にて形成される規制面部46d,47dと、該規制面部46d,47dから傾斜した斜面部46e,47eとを有し、1つの係合凹部46a,47aにおいて各斜面部46e,47eが径方向外側に向けて拡開するように傾斜されている。因みに、この係合部分46c,47cの規制面部46d,47dと従動円筒部42の係合凹部42aの底部との間隔はコロ部材43の直径と略同等(若干大)であり、係合部分46c,47cにコロ部材43が配置されると、該コロ部材43の一部が第1及び第2駆動プレート46,47の外周縁から径方向外側、即ち係合凹部42a内に突出する。
第1駆動プレート46の一側面(回転軸10側であり第2駆動プレート47とは反対側の面)には、軸中心Oを中心として円環状に開口する環状段差部46fが形成されており、該環状段差部46fには、軸中心Oを中心とした略3/4周分の円弧形状をなす収容溝46gが形成されている。収容溝46gは、3つ係合凹部46aに跨るような円弧形状をなしており、各端部とそれぞれ1つの係合凹部46aとが径方向に対向するように形成されている。因みに、この収容溝46gは、第1駆動プレート46の板厚方向に非貫通であって底壁を有している。収容溝46gは、その溝幅(径方向長さ)が周方向に等しく形成されている。収容溝46gには、1個の圧縮コイルスプリング49が圧縮されて収容されている。
収容溝46gの両端部には、該収容溝46gよりも溝幅が小さい一定幅のガイド溝46hがそれぞれ連続して円弧状に形成されている。このガイド溝46hは収容溝46gよりも溝幅が小さいことから、該ガイド溝46hと収容溝46gとの間に段差が形成され、その段差に圧縮コイルスプリング49の端部がそれぞれ係止されている。そして、これら各ガイド溝46hとの段差部分に係止するように収容溝46g内に1個の圧縮コイルスプリング49が圧縮されて収容され、その後、環状段差部46fの開口を閉塞するように該開口部に円環状の蓋部材50が装着されている。また、このガイド溝46hは第1駆動プレート46の板厚方向に貫通しており、各ガイド溝46hには中間プレート44において対応して設けられる四角柱状の挿入突起44eのそれぞれが嵌挿されている。
中間プレート44は、前記駆動連結部41の第1及び第2駆動プレート46,47と略同径の円盤状をなしており、該駆動プレート46,47間の支軸部45bに対し、中心部に設けられる支持孔44aにて回転可能に支持されている。因みに、中間プレート44は、第2駆動プレート47の取付前にその支軸部45bに対して支持され、その後の第2駆動プレート47の取り付けにて脱落不能とされる。中間プレート44には、外周縁から内側にU字状に凹設されてなる3つの同形状の収容凹部44bが周方向に等間隔に形成されている。収容凹部44bは、第1及び第2駆動プレート46,47の係合凹部46a,47aの収容部分46b,47bと同じくコロ部材43を完全に収容可能な深さ、即ちコロ部材43が中間プレート44の外周縁から突出しないように収容できる深さを有してなる。また、収容凹部44bの両側の側面部44cは、前記軸中心Oを通る径方向の直線に対して対称をなしている。因みに、本実施形態においても収容凹部44bの側面部44cと従動円筒部42の係合凹部42aの斜面部42bとは、前記第1の実施の形態と同様に、クラッチ40の内側方向に拡開するような角度(θ2)に設定されている。各収容凹部44bには、第1及び第2駆動プレート46,47の各係合凹部46a,47aと跨るようにしてコロ部材43がそれぞれ収容されている。
各収容凹部44bの最深部(最も径方向内側部分)の内側面には、径方向内側に向けて所定長さで直線状に延びる断面円形状の収容孔44dがそれぞれ形成されている。この収容孔44d内には、引っ張りコイルスプリング51が収容され、収容状態の引っ張りコイルスプリング51の他端が掛止ピン52にて係止されている。引っ張りコイルスプリング51は、コロ部材43を径方向内側、即ち中間プレート44の収容凹部44b内、及び第1,第2駆動プレート46,47の係合凹部46a,47aの収容部分46b,47bに維持させるように付勢し、各プレート46,47,44から径方向外側に不意に突出することが防止されている。しかも、この引っ張りコイルスプリング51は、モータ本体2の駆動による各プレート46,47,44の回転に伴ってコロ部材43が周回する際に、該コロ部材43に作用する遠心力にてコロ部材43の径方向外側への移動を許容する付勢力に設定されている。
また、中間プレート44には、駆動連結部41の第1駆動プレート46に設けた各ガイド溝46h内に挿入される2つの四角柱状の挿入突起44eが設けられている。この2つの挿入突起44eは、中間プレート44に設けた3つの収容凹部44bのうちの2つとそれぞれ径方向に対向するように設けられており、その収容凹部44bと第1及び第2駆動プレート46,47の係合凹部46a,47aの収容部分46b,47bとが一致するように配置した時に、挿入突起44eが第1駆動プレート46のガイド溝46hの収容溝46g側端部にそれぞれ位置し、収容溝46g内に収容される圧縮コイルスプリング49を圧縮させないで該スプリング49の端部に当接するようになっている。そして、中間プレート44と第1及び第2駆動プレート46,47とが相対回転すると、その中間プレート44の回転に伴って一方の挿入突起44eが第1駆動プレート46のガイド溝46h側から収容溝46g内に移動して圧縮コイルスプリング49を圧縮させる。すると、圧縮コイルスプリング49の付勢力を受けて、中間プレート44は反対方向への回転が生じるようになっている。つまり、1個の圧縮コイルスプリング49の付勢力にて、中間プレート44の収容凹部44bと第1及び第2駆動プレート46,47の係合凹部46a,47aの収容部分46b,47bとが一致するように、中間プレート44と駆動連結部41(第1及び第2駆動プレート46,47)との相対位置が保持されるようにしている。
従動円筒部42は、ウォーム軸22と同軸となるように該軸22の基端部に一体に形成され(ウォーム軸22と別部材で互いに連結する構成でも可)、前記駆動連結部41(第1及び第2駆動プレート46,47)を内側に配置可能な円筒状をなしている。即ち、従動円筒部42は、前記軸中心Oをその中心とした内周面と駆動連結部41の第1及び第2駆動プレート46,47の係合凹部46a,47aを含む外周面とが対向している。従動円筒部42の内周面には、前記第1実施形態と同様に、径方向内側に向けて拡開するように開口する3つの同形状の係合凹部42aが周方向に等間隔に設けられており、係合凹部42aの両側壁には、前記軸中心Oを通る径方向の直線に対して対称で、径方向内側に向けて拡開するよう傾斜された一対の斜面部42bを有している。
3個のコロ部材43は、略円柱状で同形状をなしており、第1及び第2駆動プレート46,47の各係合凹部46a,47a及び中間プレート44の各収容凹部44b内にそれぞれに前記回転軸10の軸方向に沿うようにして配置され、各凹部46a,47a,44b内を移動可能に配置されている。各コロ部材43の軸方向中間部には、縮径された掛止部43aが設けられており、各コロ部材43を径方向内側に引っ張るための引っ張りコイルスプリング51の一端が係止される。各コロ部材43は、引っ張りコイルスプリング51にて径方向内側に付勢され、不意に径方向外側に移動することが防止されている。尚、引っ張りコイルスプリング51の一端が係止されるこの掛止部43aは、中間プレート44の板厚よりも小さく設定され、各コロ部材43の本体部が収容凹部44bの側面部44cに当接するようになっている。そして、コロ部材43は、引っ張りコイルスプリング51の付勢力を受けて第1及び第2駆動プレート46,47の係合凹部46a,47a及び中間プレート44の収容凹部44bに完全に収容されて従動円筒部42の係合凹部42a内に位置しない、つまり該係合凹部42aと係合不能となる位置と、各凹部46a,47a,44b内から引っ張りコイルスプリング51の付勢力に抗して径方向外側に移動して一部が従動円筒部42の係合凹部42a内に位置する、つまり該係合凹部42aと係合する位置とのいずれかに配置されるようになっている。
このような構成のクラッチ40では、モータ本体2の非駆動時のように回転軸10に回転駆動力が生じていない場合、図13に示すように、中間プレート44は、圧縮コイルスプリング49にて収容凹部44bが駆動連結部41の第1及び第2駆動プレート46,47の係合凹部46a,47aの収容部分46b,47bに位置するように該駆動連結部41に対して保持されている。尚、図13〜図15では、第2駆動プレート47が隠れて見えないが第1駆動プレート46と同様に動作するため図示を省略する。各コロ部材43は、引っ張りコイルスプリング51にて、第1及び第2駆動プレート46,47における係合凹部46a,47aの収容部分46b,47b及び中間プレート44の収容凹部44b内に保持され、各プレート46,47,44の外周縁から径方向外側に突出しないように配置されている。
そのため、手動によりスライドドア102を開作動又は閉作動させるような場合に、ドア102側から出力軸24を回転させると、該出力軸24の回転に伴ってウォーム軸22及び従動円筒部42が回転する。この場合、第1及び第2駆動プレート46,47及び中間プレート44と従動円筒部42とが回転方向にコロ部材43を介する係合状態とならないため、従動円筒部42が各プレート46,47,44と断絶された状態で空転、即ちウォーム軸22が回転軸10と断絶された状態で空転する。これにより、出力軸24側から回転負荷になる回転軸10がウォーム軸22から切り離されるため、該出力軸24側からの回転が容易となり、大きな操作力を必要としない容易なスライドドア102の手動による開閉作動が可能となっている。
これに対し、スライドドア102を自動開閉させる旨の指令が生じてモータ本体2が駆動され回転軸10が回転すると、該回転軸10とともに駆動連結部41の第1及び第2駆動プレート46,47及び中間プレート44が回転する。すると、図14に示すように、各コロ部材43が中間プレート44の収容凹部44bの側面部44cと係合して軸中心O周りに周回する。コロ部材43は、周回による遠心力を受け引っ張りコイルスプリング51の付勢力に抗して径方向外側にある従動円筒部42の係合凹部42a内に押し出される。そして、コロ部材43は係合凹部42aの斜面部42bと収容凹部44bの側面部44cとで挟持され、一先ず中間プレート44と従動円筒部42とがコロ部材43を介して回転方向に係合する。
コロ部材43が係合凹部42aの斜面部42bと収容凹部44bの側面部44cとで挟持状態となることで、中間プレート44は、その回転力を従動円筒部42に伝達しつつ該従動円筒部42側からの反力を受け、駆動連結部41の第1及び第2駆動プレート46,47の回転方向とは反対方向に圧縮コイルスプリング49の付勢力に抗して相対回転する。そして、図15に示すように、コロ部材43が第1及び第2駆動プレート46,47の係合凹部46a,47aの係合部分46c,47c(斜面部46e,47e)に当接する位置まで中間プレート44が駆動連結部41に対して相対回転すると、コロ部材43はその斜面部46e,47eと係合凹部42aの斜面部42bとの挟持に切り替わり、第1及び第2駆動プレート46,47と従動円筒部42とがコロ部材43を介して回転方向に係合する。このとき、コロ部材43は、係合部分46c,47cの規制面部46d,47dにて係合凹部42aの斜面部42bと係合可能な径方向外側への突出位置に規制されるため、駆動プレート46,47と従動円筒部42との係合状態の不意の解除が防止されている。これにより、第1及び第2駆動プレート46,47と従動円筒部42との回転方向の係合状態が維持され、回転軸10とウォーム軸22とが連結状態となる。このように回転軸10とウォーム軸22とが連結されることで、モータ本体2の駆動による回転軸10の回転力がウォーム軸22に伝達されて出力軸24が回転し、スライドドア102がモータ1の正転又は逆転駆動により自動で開作動又は閉作動するようになっている。
やがて、モータ本体2の駆動が停止されて回転軸10の回転が停止されると、中間プレート44は、コロ部材43を介して従動円筒部42から受ける反力が小さくなるため、圧縮コイルスプリング49の付勢力により、該プレート44の収容凹部44bが第1及び第2駆動プレート46,47の係合凹部46a,47aの収容部分46b,47bに復帰すべく相対回動する。また、コロ部材43は挟持状態から解放され引っ張りコイルスプリング51の付勢力を受けるため、第1及び第2駆動プレート46,47と従動円筒部42との係合状態が解除される。これにより、回転軸10とウォーム軸22とが断絶された図13に示す状態に復帰し、上記した手動によるスライドドア102の開閉作動が可能な状態となる。このような本実施形態のクラッチ40を用いても、第1の実施の形態と同様に、モータ1によるスライドドア102の自動開閉と手動による開閉とがともに良好に行われるようになっている。
次に、本実施の形態の特徴的な作用効果を記載する。尚、以下には、前記第1の実施の形態との構成変更に伴う本実施の形態特有の作用効果を記載する。
(1)本実施の形態のクラッチ40では、駆動連結部41を構成する第1及び第2駆動プレート46,47には、ウォーム軸22の従動円筒部42とでコロ部材43を挟持した際に、径方向内側の非挟持位置側(係合凹部46a,47a,の収容部分46b,47b側)へのコロ部材43の移動を規制する規制面部46d,47dが備えられる。つまり、モータ本体2の駆動時において、第1及び第2駆動プレート46,47と従動円筒部42とでコロ部材43を挟持した時に、そのコロ部材43の非挟持位置側(収容部分46b,47b側)への移動が規制面部46d,47dにより規制されることから、第1及び第2駆動プレート46,47と従動円筒部42との回転方向に係合する状態が維持される。これにより、モータ本体2の駆動をより確実にウォーム軸22側に伝達することが可能となり、クラッチ40の作動をより確実に安定させることができる。
(2)本実施の形態では、第1駆動プレート46に周方向に沿った円弧状のガイド溝46hが設けられ、中間プレート44にそのガイド溝46hに挿入され中間プレート44と第1及び第2駆動プレート46,47との相対回転をガイドする挿入突起44eが対で設けられる。圧縮コイルスプリング49は、そのガイド溝46hと連続して設けられる収容溝46g内の一対の挿入突起44e間に収容され、その相対回転時に一方の挿入突起44eにて付勢力を受けることで中間プレート44を第1及び第2駆動プレート46,47に対して所定の相対回転位置に保持する。つまり、ガイド溝46hと挿入突起44eとが設けられることで、中間プレート44の第1及び第2駆動プレート46,47との相対回転が円滑となり、クラッチ40の作動がより安定となる。また、中間プレート44の相対回転位置を保持する付勢部材が1個の圧縮コイルスプリング49で済み、しかも収容溝46gに収容されるため、クラッチ40を小型化することができる。
(3)本実施の形態では、コロ部材43を周回時の遠心力による挟持位置側(従動円筒部42の係合凹部42a側)への移動を許容しつつ非挟持位置側(係合凹部46a,47a,の収容部分46b,47b側)に付勢する引っ張りコイルスプリング51が備えられる。そのため、モータ本体2の非駆動時のコロ部材43に遠心力の作用しないような場合に、第1,第2駆動プレート46,47及び中間プレート44と従動円筒部42とでコロ部材43を挟持することを防止でき、各プレート46,47,44と従動円筒部42とが回転方向に非係合となる状態が維持される。これにより、クラッチ40の作動がより安定となる。
(4)本実施の形態では、引っ張りコイルスプリング51が中間プレート44の内部に収容されることで、この引っ張りコイルスプリング51が第1,第2駆動プレート46,47及び中間プレート44の作動の妨げとなることを防止でき、また引っ張りコイルスプリング51の配置スペースを考慮しないで済むため、各プレート46,47,44を互いに近接配置することができる。
(5)本実施の形態では、駆動連結部41は、中間プレート44を挟むように配置された第1及び第2駆動プレート46,47でともに動力伝達を行うように構成される。これにより、対の駆動プレート46,47で従動円筒部42にコロ部材43を介して安定して動力伝達を行うことができる。また、引っ張りコイルスプリング51が中間プレート44の内部に収容されて設けられる本実施の形態に適用することで、その中間プレート44の両側に第1及び第2駆動プレート46,47が配置されることから、引っ張りコイルスプリング51の付勢力が作用することで作動が不安定となりがちなコロ部材43がその両側で第1及び第2駆動プレート46,47に当接するため、クラッチ40の作動を安定化できる。
尚、本発明の実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第1の実施の形態のクラッチ30を構成する駆動連結部31、従動円筒部32、コロ部材33及び中間プレート34の形状を適宜変更してもよい。
具体的に、駆動連結部31の制御面31aを一対の斜面部31bでV字状に構成したが、例えば制御面31a全体を曲面としてもよい。また、3つの円弧状のガイド溝31cを設けたが、ガイド溝31cの数を適宜変更してもよい。
また、従動円筒部32に係合凹部32aを設けてコロ部材33をその係合凹部32aにて挟持するようにしたが、例えば係合凹部32aを省略してもよく、凹凸のない内周面で挟持させてもよい。
また、コロ部材33を好ましい円柱状としたが、例えば球状としても好ましく、また断面楕円形状、更には断面円形状以外としてもよい。また、コロ部材33を3個以外、即ち2個以下、又は4個以上としてもよい。この場合、駆動連結部31の制御面31aや従動円筒部32の係合凹部32a、中間プレート34の収容凹部34bの数を対応させる。
また、中間プレート34に前記ガイド溝31cに挿入される3つの挿入突起34dを設けたが、挿入突起34dの数を適宜変更してもよい。また、中間プレート34にガイド溝、駆動連結部31に挿入突起を設け、ガイド溝と挿入突起とを逆の部材に設けるようにしてもよい。
また、これらを適宜、第2の実施の形態に適用してもよい。また、第2の実施の形態の構成を第1の実施の形態に適用してもよい。
・上記各実施の形態では、中間プレート34,44を駆動連結部31,41に対して所定の相対回転位置に保持するために付勢部材として圧縮コイルスプリング37,49を用いたが、コイル状以外のスプリングやスプリング以外で弾性材料にて形成された付勢部材等を用いてもよい。また、第1の実施の形態においても、第2の実施の形態のように1個のコイルスプリングで構成してもよい。
・上記第2の実施の形態では、コロ部材43を付勢するために第2付勢部材として引っ張りコイルスプリング49を用いたが、コイル状以外のスプリングやスプリング以外で弾性材料にて形成された付勢部材等を用いてもよい。また、第2付勢部材としての引っ張りコイルスプリング49を中間プレート44の内部に収容したが、第2付勢部材を収容せずに露出して設けたり、また駆動プレート46,47側に設けてもよい。
・上記各実施の形態では、回転軸10とウォーム軸22との間にクラッチ30,40を設置したが、その他の箇所、例えばウォームホイール23と出力軸24との間や、出力軸24とスライドドア102を開閉作動させるためのワイヤケーブル105が掛装される駆動プーリ(図示略)との間に設置してもよい。
・上記各実施の形態では、減速機構としてウォーム軸22及びウォームホイール23を用いて構成したが、減速機構の構成はこれに限定されるものではない。
・上記各実施の形態では、車両側部の開口を開閉するスライドドア102を開閉作動させるための車両用スライドドア開閉装置100のモータ1に適用したが、その他の装置のモータに適用してもよく、例えば車両後部の開口を開閉するバックドアを開閉作動させるための車両用バックドア開閉装置のモータに適用してもよい。特に、バックドアでも上下方向に開閉させるドアにおいては上記実施の形態のスライドドア102と同様に、そのドアの手動開閉に比較的大きな操作力が必要である。そのため、上記のようなクラッチ30にて負荷側からの作動が容易となる意義は大きく、ドアの手動開閉を容易に行うことができる。
(イ)駆動軸と該駆動軸と同軸上に配置される従動軸との間に設けられ、前記駆動軸側からの駆動時には前記駆動軸を前記従動軸と連結し、前記駆動軸の非駆動時には前記従動軸を前記駆動軸から断絶するように作動するクラッチであって、
前記駆動軸と一体回転可能に同軸上に設けられる駆動側第1回転体と、
前記駆動側第1回転体と一体回転可能に同軸上に設けられ前記駆動側第1回転体に対して付勢部材を介して所定の相対回転位置に保持される駆動側第2回転体と、
前記従動軸と一体回転可能に同軸上に設けられる従動側回転体と、
径方向における前記駆動側第1回転体及び前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体との間に配置される動力伝達部材とを備えてなり、
前記駆動軸の非駆動時には、前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体との間に前記動力伝達部材を配置するとともに、前記動力伝達部材を径方向内側の前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体との非挟持位置側に配置し、前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体とを回転方向に非係合とするとともに、
前記駆動軸側からの駆動時には、前記駆動側第1回転体からの回転駆動力を前記付勢部材を介して前記駆動側第2回転体に伝達して該第2回転体を回転させるとともにそれに伴って前記動力伝達部材を周回させ、その周回時の遠心力にて前記動力伝達部材を径方向外側の前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体との挟持位置側に配置し、その挟持時の反力にて前記駆動側第2回転体を前記駆動側第1回転体の回転方向とは反対方向に前記付勢部材の付勢力に抗して相対回転させて前記動力伝達部材を前記駆動側第1回転体と前記従動側回転体との挟持位置側に配置し、前記駆動側第1回転体と前記従動側回転体とを回転方向に係合するように構成されたことを特徴とするクラッチ。
(ロ)上記(イ)に記載のクラッチにおいて、
前記駆動側第1回転体には、前記従動側回転体とで前記動力伝達部材を挟持した際に、径方向内側の前記非挟持位置側への前記動力伝達部材の移動を規制する規制面部を有していることを特徴とするクラッチ。
(ハ)上記(イ)又は(ロ)に記載のクラッチにおいて、
前記駆動側第1回転体及び前記駆動側第2回転体のいずれか一方には、前記周方向に沿った円弧状のガイド溝が設けられるとともに、そのいずれか他方には前記ガイド溝に挿入され両回転体の相対回転をガイドする挿入突起が設けられ、
前記付勢部材は、前記駆動側第2回転体を前記駆動側第1回転体に対して所定の相対回転位置に保持すべく、前記ガイド溝内の前記挿入突起の両側にそれぞれ収容されていることを特徴とするクラッチ。
(ニ)上記(イ)又は(ロ)に記載のクラッチにおいて、
前記駆動側第1回転体及び前記駆動側第2回転体のいずれか一方には、前記周方向に沿った円弧状のガイド溝が設けられるとともに、そのいずれか他方には前記ガイド溝に挿入され両回転体の相対回転をガイドする挿入突起が対で設けられ、
前記付勢部材は、前記駆動側第2回転体を前記駆動側第1回転体に対して所定の相対回転位置に保持すべくその相対回転時に一方の前記挿入突起にて付勢力を受けるように、前記ガイド溝と連続して設けられる収容溝内の一対の前記挿入突起間に収容されていることを特徴とするクラッチ。
(ホ)上記(イ)〜(ニ)のいずれか1つに記載のクラッチにおいて、
前記動力伝達部材を周回時の遠心力による前記挟持位置側への移動を許容しつつ前記非挟持位置側に付勢する第2付勢部材を備えたことを特徴とするクラッチ。
(ヘ)上記(ホ)に記載のクラッチにおいて、
前記第2付勢部材は、前記駆動側第2回転体の内部に収容されたことを特徴とするクラッチ。
(ト)上記(イ)〜(ヘ)のいずれか1つに記載のクラッチにおいて、
前記駆動側第1回転体は、前記駆動側第2回転体を挟むように配置された第1及び第2駆動プレートでともに動力伝達を行うように構成されたことを特徴とするクラッチ。
(チ)上記(イ)〜(ト)のいずれか1つに記載のクラッチにおいて、
前記駆動側第1回転体、前記駆動側第2回転体及び前記従動側回転体は、前記動力伝達部材を配置するための凹部をそれぞれ有していることを特徴とするクラッチ。
(リ)上記(イ)〜(チ)のいずれか1つに記載のクラッチにおいて、
前記動力伝達部材は、円柱状若しくは球状に形成され、クラッチの周方向に等間隔に複数配設されていることを特徴とするクラッチ。
第1の実施の形態におけるクラッチ付きモータの断面図である。 クラッチの斜視図である。 クラッチの分解斜視図である。 クラッチの縦断面図である。 クラッチの動作を説明するための平面図である。 クラッチの動作を説明するための平面図である。 クラッチの動作を説明するための平面図である。 スライドドア開閉装置の概略構成図である。 第2の実施の形態におけるクラッチの斜視図である。 回転軸側からのクラッチの分解斜視図である。 ウォーム軸側からのクラッチの分解斜視図である。 クラッチの縦断面図である。 クラッチの動作を説明するための平面図である。 クラッチの動作を説明するための平面図である。 クラッチの動作を説明するための平面図である。
符号の説明
1…モータ、2…モータ本体、10…駆動軸としての回転軸、22…従動軸及び減速機構を構成する該減速機構の入力軸としてのウォーム軸、23…減速機構を構成するウォームホイール、30…クラッチ、31…駆動側第1回転体としての駆動連結部、31a…凹部としての制御面、31b…挟持面部としての斜面部、31c…ガイド溝、32…従動側回転体としての従動円筒部、32a…凹部としての係合凹部、32b…挟持面部としての斜面部、33…動力伝達部材としてのコロ部材、34…駆動側第2回転体としての中間プレート、34b…凹部としての収容凹部、34c…挟持面部としての側面部、34d…挿入突起、37…付勢部材としてのコイルスプリング、40…クラッチ、41…駆動側第1回転体としての駆動連結部、42…従動側回転体としての従動円筒部、42a…凹部としての係合凹部、42b…挟持面部としての斜面部、43…動力伝達部材としてのコロ部材、44…駆動側第2回転体としての中間プレート、44b…凹部としての収容凹部、44c…挟持面部としての側面部、44e…挿入突起、46…駆動側第1回転体を構成する第1駆動プレート、46a…凹部としての係合凹部、46d…規制面部、46e…挟持面部としての斜面部、46g…収容溝、46h…ガイド溝、47…駆動側第1回転体を構成する第2駆動プレート、47a…凹部としての係合凹部、47d…規制面部、47e…挟持面部としての斜面部、49…付勢部材としての圧縮コイルスプリング、51…第2付勢部材としての引っ張りコイルスプリング、100…車両用ドア開閉装置としての車両用スライドドア開閉装置、101a…開口としての乗降口、102…ドアとしてのスライドドア、θ1…第1の角度としての角度、θ2…第2の角度としての角度。

Claims (13)

  1. 駆動軸と該駆動軸と同軸上に配置される従動軸との間に設けられ、前記駆動軸側からの駆動時には前記駆動軸を前記従動軸と連結し、前記駆動軸の非駆動時には前記従動軸を前記駆動軸から断絶するように作動するクラッチであって、
    前記駆動軸と一体回転可能に同軸上に設けられる駆動側第1回転体と、
    前記駆動側第1回転体と一体回転可能に同軸上に設けられ前記駆動側第1回転体に対して付勢部材を介して所定の相対回転位置に保持される駆動側第2回転体と、
    前記従動軸と一体回転可能に同軸上に設けられる従動側回転体と、
    径方向における前記駆動側第1回転体及び前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体との間に配置される動力伝達部材とを備えてなり、
    前記駆動軸の非駆動時には、前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体との間に前記動力伝達部材を配置するとともに、前記動力伝達部材を径方向内側の前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体との非挟持位置側に配置し、前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体とを回転方向に非係合とするとともに、
    前記駆動軸側からの駆動時には、前記駆動側第1回転体からの回転駆動力を前記付勢部材を介して前記駆動側第2回転体に伝達して該第2回転体を回転させるとともにそれに伴って前記動力伝達部材を周回させ、その周回時の遠心力にて前記動力伝達部材を径方向外側の前記駆動側第2回転体と前記従動側回転体との挟持位置側に配置し、その挟持時の反力にて前記駆動側第2回転体を前記駆動側第1回転体の回転方向とは反対方向に前記付勢部材の付勢力に抗して相対回転させて前記動力伝達部材を前記駆動側第1回転体と前記従動側回転体との挟持位置側に配置し、前記駆動側第1回転体と前記従動側回転体とを回転方向に係合するように構成され
    前記駆動側第1回転体及び前記従動側回転体は、前記動力伝達部材を挟持するための挟持面部をそれぞれ有しており、
    前記駆動側第1回転体の挟持面部と前記従動側回転体の挟持面部とは、クラッチの径方向外側の前記挟持位置側に向けて拡開する第1の角度に設定されていることを特徴とするクラッチ。
  2. 請求項1に記載のクラッチにおいて、
    記駆動側第2回転体は、前記動力伝達部材を挟持するための挟持面部を有しており、
    記駆動側第2回転体の挟持面部と前記従動側回転体の挟持面部とは、クラッチの径方向内側の前記非挟持位置側に向けて拡開する第2の角度に設定されていることを特徴とするクラッチ。
  3. 請求項1又は2に記載のクラッチにおいて、
    前記駆動側第1回転体には、前記従動側回転体とで前記動力伝達部材を挟持した際に、径方向内側の前記非挟持位置側への前記動力伝達部材の移動を規制する規制面部を有していることを特徴とするクラッチ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、
    前記駆動側第1回転体及び前記駆動側第2回転体のいずれか一方には、前記周方向に沿った円弧状のガイド溝が設けられるとともに、そのいずれか他方には前記ガイド溝に挿入され両回転体の相対回転をガイドする挿入突起が設けられ、
    前記付勢部材は、前記駆動側第2回転体を前記駆動側第1回転体に対して所定の相対回転位置に保持すべく、前記ガイド溝内の前記挿入突起の両側にそれぞれ収容されていることを特徴とするクラッチ。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、
    前記駆動側第1回転体及び前記駆動側第2回転体のいずれか一方には、前記周方向に沿った円弧状のガイド溝が設けられるとともに、そのいずれか他方には前記ガイド溝に挿入され両回転体の相対回転をガイドする挿入突起が対で設けられ、
    前記付勢部材は、前記駆動側第2回転体を前記駆動側第1回転体に対して所定の相対回転位置に保持すべくその相対回転時に一方の前記挿入突起にて付勢力を受けるように、前記ガイド溝と連続して設けられる収容溝内の一対の前記挿入突起間に収容されていることを特徴とするクラッチ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、
    前記動力伝達部材を周回時の遠心力による前記挟持位置側への移動を許容しつつ前記非挟持位置側に付勢する第2付勢部材を備えたことを特徴とするクラッチ。
  7. 請求項6に記載のクラッチにおいて、
    前記第2付勢部材は、前記駆動側第2回転体の内部に収容されたことを特徴とするクラッチ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、
    前記駆動側第1回転体は、前記駆動側第2回転体を挟むように配置された第1及び第2駆動プレートでともに動力伝達を行うように構成されたことを特徴とするクラッチ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、
    前記駆動側第1回転体、前記駆動側第2回転体及び前記従動側回転体は、前記動力伝達部材を配置するための凹部をそれぞれ有していることを特徴とするクラッチ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、
    前記動力伝達部材は、円柱状若しくは球状に形成され、クラッチの周方向に等間隔に複数配設されていることを特徴とするクラッチ。
  11. モータ本体と減速機構と、請求項1〜10のいずれか1項に記載のクラッチとを備えてなるモータであって、
    前記駆動軸は、前記モータ本体の駆動により回転される回転軸であり、
    前記従動軸は、前記回転軸と同軸上に配置される前記減速機構の入力軸であることを特徴とするモータ。
  12. 請求項11に記載のクラッチ付きのモータをその駆動源として用い、車両に設けられる開口を開閉するドアを前記モータの駆動によって開閉作動させるように構成される車両用ドア開閉装置であって、
    前記ドアを自動開閉させる旨の指令が生じると、前記モータ本体の駆動とともに前記クラッチにより前記モータ本体の回転軸を前記減速機構の入力軸と連結し前記ドアを自動開閉させる一方、前記モータ本体の非駆動時には、前記クラッチにより前記減速機構の入力軸を前記回転軸から断絶して前記ドアの手動開閉時の作動負荷を軽減させた状態とすることを特徴とする車両用ドア開閉装置。
  13. 請求項12に記載の車両用ドア開閉装置において、
    車両側部の開口を開閉するスライドドアを開閉作動させるための車両用スライドドア開閉装置、又は、車両後部の開口を開閉するバックドアを開閉作動させるための車両用バックドア開閉装置であることを特徴とする車両用ドア開閉装置。
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