JP2006097753A - 電磁クラッチ - Google Patents

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貴之 横山
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Abstract

【課題】 アーマチュア板を確実に非係合位置に保持させて電磁クラッチの作動信頼性を高めることである。
【解決手段】 電磁クラッチ37はアーマチュア板41がウォームホイルに係合すると動力伝達状態に切り換わる。出力軸34とアーマチュア板41とは板ばね部材61により連結され、クラッチコイルへの通電が停止されるときにはアーマチュア板41は板ばね部材61のばね力により非係合位置に保持される。また、板ばね部材61とアーマチュア板41との間には複数の突起部65bが形成された予圧付与部材62が装着され、この予圧付与部材62により非係合位置にあるアーマチュア板41に予圧が付与されるとともに予圧付与部材62とアーマチュア板41との間には収容スペース66が形成される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、駆動源と被駆動部材に接続される出力軸との間の動力伝達経路を断続する電磁クラッチに関する。
従来から、電動モータ等の駆動源と被駆動部材に接続される出力軸との間の動力伝達経路を断続する動力断続機構としては電磁クラッチが多く用いられている。
このような電磁クラッチは、駆動源に回転駆動される駆動ロータと出力軸に軸方向に移動自在に装着されて出力軸とともに回転するアーマチュア板とを有しており、アーマチュア板を駆動ロータに係合・離脱させることにより動力伝達経路の断続が行われる。アーマチュア板を作動させるために電磁クラッチにはクラッチコイルが設けられ、クラッチコイルに通電されるとアーマチュア板はクラッチコイルが発生する磁気吸引力により引き付けられて駆動ロータに係合する係合位置にまで移動する。
一方、たとえば特許文献1に示すように、クラッチコイルへの通電が停止されたときにアーマチュア板を駆動ロータから離れた非係合位置に保持するためにアーマチュア板と出力軸とを板ばね部材により連結するようにしたものが知られている。板ばね部材はアーマチュア板に重ねて配置されており、軸方向に弾性変形することによりアーマチュア板を係合位置から離れる方向に付勢する。また、板ばね部材とアーマチュア板との間には平ワッシャが装着され、アーマチュア板が非係合位置にあるときに平ワッシャの分だけ板ばね部材を軸方向に撓ませることにより、アーマチュア板に予圧を付与して非係合位置への保持性を高めるようにしている。
実公昭52―17656号公報(第1−2頁、第1−3図)
従来の電磁クラッチでは、アーマチュア板が係合位置にまで移動すると平ワッシャとアーマチュア板との間に隙間が生じるので、出力軸に塗布されるグリース等の潤滑油やアーマチュア板と出力軸との摺動部から発生する削りかす等の異物が平ワッシャとアーマチュア板との間に入り込む場合がある。しかしながら、平ワッシャはその軸方向の一方の面全体でアーマチュア板に接触しており、その接触部分の面圧は低いので、平ワッシャとアーマチュア板との間に入り込んだ異物は外部に排出されずに徐々に蓄積されることになる。これにより、非通電時におけるアーマチュア板の位置が駆動ロータ側にずれ、場合によってはアーマチュア板が駆動ロータに接触するおそれがあった。
本発明の目的は、アーマチュア板を確実に非係合位置に保持させて電磁クラッチの作動信頼性を高めることにある。
本発明の電磁クラッチは、駆動源と被駆動部材に接続される出力軸との間の動力伝達経路を断続する電磁クラッチであって、前記駆動源により回転駆動される駆動ロータと、前記出力軸に軸方向に移動自在に装着され、前記出力軸とともに回転するアーマチュア板と、通電されることにより磁気吸引力を発生し、前記駆動ロータに係合する係合位置まで前記アーマチュア板を前記駆動ロータ側に引き付けるクラッチコイルと、前記アーマチュア板に重ねて配置されるとともに前記出力軸と前記アーマチュア板とに連結され、前記アーマチュア板を前記係合位置から離れる方向に付勢する板ばね部材と、前記板ばね部材と前記アーマチュア板との間に設けられ、前記アーマチュア板が前記非係合位置にあるときの前記板ばね部材を軸方向に撓ませて前記アーマチュア板に予圧を付与するとともに、前記アーマチュア板と協同して収容スペースを形成する予圧付与部材とを有することを特徴とする。
本発明の電磁クラッチは、前記アーマチュア板に向けて突出する突起部を前記予圧付与部材に設けることにより前記アーマチュア板と前記予圧付与部材との間に前記収容スペースを形成することを特徴とする。
本発明の電磁クラッチは、前記予圧付与部材に向けて突出する突起部を前記アーマチュア板に設けることにより前記アーマチュア板と前記予圧付与部材との間に前記収容スペースを形成することを特徴とする。
本発明の電磁クラッチは、複数の前記突起部を周方向に等間隔に並べて設けたことを特徴とする。
本発明の電磁クラッチは、前記予圧付与部材に設けられる切り抜き孔により前記収容スペースを形成することを特徴とする。
本発明の電磁クラッチは、前記被駆動部材を車両に設けられる開閉部材としたことを特徴とする。
本発明によれば、アーマチュア板と予圧付与部材との間に侵入した異物を収容スペースに収容することによりアーマチュア板と予圧付与部材との接触部分への異物の挟み込みを抑制することができるので、アーマチュア板を確実に非係合位置に保持させて電磁クラッチの作動信頼性を高めることができる。
また、本発明によれば、アーマチュア板と予圧付与部材のいずれか一方には突起部が設けられ、あるいは予圧付与部材には切り抜き孔が設けられるので、アーマチュア板と予圧付与部材との接触面積を予圧付与部材が平ワッシャ状に形成された場合に比して小さくしてアーマチュア板と予圧付与部材との接触部分の面圧を高めることができる。したがって、予圧付与部材とアーマチュア板との間に挟み込まれた異物を押し出して確実に収容スペースに収容させることができる。また、アーマチュア板と予圧付与部材との接触面積が小さくなるので、塗布されたグリース等の潤滑油による予圧付与部材のアーマチュア板への貼り付き現象を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態である電磁クラッチを備えた車両用自動開閉装置の概略を示す説明図であり、この車両用自動開閉装置11(以下、自動開閉装置11とする。)は車両12の側部に設けられた被駆動部材である開閉部材としてのスライドドア13を自動的に開閉するために設けられている。
スライドドア13はこれに設けられたローラアッシー13aを介して車両12に固定されたガイドレール14に装着されており、このガイドレール14に案内されることにより図中実線で示す全開位置と一点鎖線で示す全閉位置との間で車両前後方向に開閉自在となっている。また、ガイドレール14の車両前方側には車室内側に湾曲する曲部14aが設けられており、この曲部14aにローラアッシー13aが案内されることによりスライドドア13は車両12の側面と同一面に収まるように車室内側に引き込まれて閉じられる。
一方、自動開閉装置11はガイドレール14の車両前後方向の略中央部に隣接して車両12の側部パネル内に固定される駆動ユニット15と駆動ユニット15から延びる2本のケーブル16とを備えており、これらのケーブル16はそれぞれ車両前方側と後方側とからローラアッシー13aに接続されている。また、ガイドレール14の車両前方側と後方側の端部には反転プーリ17,18が設けられており、ケーブル16はこれらの反転プーリ17,18を介して駆動ユニット15に案内されている。そして、いずれか一方のケーブル16を駆動ユニット15により引くことでスライドドア13の開閉動作が行われるようになっている。
図2は図1に示す駆動ユニットの詳細を示す断面図であり、この駆動ユニット15はスライドドア13を開閉駆動する駆動源としての電動モータ21と電動モータ21に固定される減速機22とを備えている。この場合、電動モータ21としては回転軸21aが正逆回転自在の所謂ブラシ付き直流モータが用いられ、その作動制御は制御装置23により行われるようになっている。
制御装置23は図示しないCPUやメモリ等を備えた所謂マイクロコンピュータとしての機能を有するものであり、車両12に搭載されるバッテリ等の電源24や図示しないスライドドア開閉スイッチなどに接続されている。そして、制御装置23はスライドドア開閉スイッチからの指令信号に応じて電源24から電動モータ21に所定の方向の直流電流を供給してその作動を制御するようになっている。
なお、本実施の形態においては、電動モータ21はブラシ付き直流モータとされているが、これに限らず、たとえばブラシレスモータなど他の電動モータとしてもよい。
減速機22は電動モータ21に固定されるギヤケース30とギヤケース30の内部に収容されるウォームギヤ機構31とを有している。ウォームギヤ機構31はウォーム32とウォームホイル33とを有しており、図示する場合にはウォーム32は電動モータ21の回転軸21aの外周に一体的に形成されている。一方、ウォームホイル33は樹脂材料により円筒部33aと底壁部33bとが一体に形成された底付き円筒状に形成されており、その円筒部33aの外周面に設けられたギヤ部33cにおいてウォーム32と噛み合わされている。これにより、回転軸21aの回転は所定の回転数に減速してウォームホイル33に伝達され、つまりウォームホイル33は電動モータ21により回転駆動されるようになっている。
また、減速機22にはギヤケース30に設けられた2つの軸受けにより回転自在に支持される出力軸34が設けられており、この出力軸34のギヤケース30から突出する一方の先端部にはナット35によりドラム36が固定されている。ドラム36は外周面に2本のケーブル案内溝36aが螺旋状に形成された樹脂製となっており、駆動ユニット15に案内された各ケーブル16はこのドラム36の対応するケーブル案内溝36aに互いに逆向きに複数回巻き付けられている。つまり、出力軸34はドラム36やケーブル16を介してスライドドア13に接続され、スライドドア13の開閉動作に連動して回転するようになっている。
なお、図示はしないが、ドラム36とスライドドア13との間にケーブル16の張力を所定の範囲に保持するテンショナー機構を設けるようにしてもよい。
減速機22には回転軸21aと出力軸34との間に位置して電磁クラッチ37が設けられており、この電磁クラッチ37により回転軸21aと出力軸34との間の動力伝達経路が断続されるようになっている。この電磁クラッチ37は、アーマチュア板41とアーマチュア板41を駆動ロータとしてのウォームホイル33に係合させる磁気吸引力を発生するクラッチコイル42とを備えている。
アーマチュア板41は、たとえば鋼材等の磁性体により円盤状に形成されており、その軸心において出力軸34に装着されている。出力軸34には外周面にセレーション部43aが形成されたフランジ部43が設けられており、アーマチュア板41はこのフランジ部43のセレーション部43aに係合することにより出力軸34とともに回転し、また、出力軸34に対して軸方向に移動自在となっている。
一方、ウォームホイル33の内側にはたとえば鋼材等の磁性体により円環状に形成されたクラッチヨーク44が固定されており、クラッチコイル42はコイルボビン45に巻装された状態でクラッチヨーク44の内側に固定されている。つまり、クラッチコイル42はウォームホイル33の内側に固定されている。また、クラッチヨーク44は滑り軸受け46を介して出力軸34に相対回転自在に支持されており、これによりウォームホイル33やクラッチコイル42は出力軸34に対して相対回転自在となっている。したがって、ウォームホイル33が回転すると、クラッチコイル42はウォームホイル33やクラッチヨーク44とともに回転する。
図3は図2に示す電磁クラッチの詳細を示す斜視図であり、図4(a)はアーマチュア板が非係合状態にあるときの状態を示す断面図、図4(b)はアーマチュア板が係合位置にあるときの状態を示す断面図である。
図3に示すように、ウォームホイル33の外周端側にはアーマチュア板41に向けて突出する複数の噛み合い歯33dが周方向に並べて設けられており、アーマチュア板41の外周端側にはウォームホイル33に設けられた噛み合い歯33dに係合可能な複数の噛み合い歯41aが周方向に並べて設けられている。
図4(a)に示すように、これらの噛み合い歯41a,33dはアーマチュア板41がウォームホイル33から離れた非係合位置にあるときには互いに非係合状態であり、図4(b)に示すように、アーマチュア板41がウォームホイル33に近づいた係合位置に移動したときに相互に噛み合うようになっている。そして、これらの噛み合い歯41a,33dが互いに噛み合って係合することにより、アーマチュア板41とウォームホイル33とが係合状態となってウォームホイル33とアーマチュア板41とが一体的に回転するようになっている。つまり、この電磁クラッチ37は、ウォームホイル33とアーマチュア板41に形成された噛み合い歯41a,33dが互いに噛み合うことにより接続状態となって動力伝達が行われる所謂噛み合い式となっている。
クラッチコイル42の図示しない両コイル端はそれぞれウォームホイル33の底壁部33bに固定された一対のスリップリング51a,51bに電気的に接続され、これらのスリップリング51a,51bにはギヤケース30に取り付けられた一対の接触子52a,52bが摺接している。これらの接触子52a,52bは図示しない電線により制御装置23に電気的に接続されており、これらの接触子52a,52bとスリップリング51a,51bを介して制御装置23からウォームホイル33とともに回転するクラッチコイル42への電力供給が可能とされている。
そして、制御装置23から電力が供給されて通電状態とされるとクラッチコイル42は磁気吸引力を生じ、この磁気吸引力によりアーマチュア板41はウォームホイル33に係合する係合位置までウォームホイル33側に引き付けられる。つまり、この電磁クラッチ37はクラッチコイル42に電力が供給されたときに接続状態つまり動力伝達状態となる。また、クラッチコイル42への通電が停止されると磁気吸引力が発生せず、アーマチュア板41とウォームホイル33との係合が解除されて非接続状態つまり動力遮断状態となる。
したがって、スライドドア開閉スイッチが操作されたときには制御装置23により電磁クラッチ37が動力伝達状態に切り換えられるとともに電動モータ21が起動され、これによりスライドドア13の自動開閉動作が行われる。また、スライドドア13が全閉位置あるいは全開位置に達したときなどには電動モータ21が停止するとともに電磁クラッチ37が動力遮断状態に切り換えられ、スライドドア13の手動開閉が可能とされる。
図3に示すように、この電磁クラッチ37の出力軸34には板ばね部材61が装着されており、クラッチコイル42への給電が停止されているときには、この板ばね部材61のばね力によりアーマチュア板41を係合位置から離れる方向に付勢して非係合位置に保持するようにしている。また、出力軸34には、板ばね部材61とアーマチュア板41との間には予圧付与部材62が装着されており、この予圧付与部材62によりアーマチュア板41が非係合位置にあるときの板ばね部材61を軸方向に撓ませてアーマチュア板41に予圧を付与するようにしている。
図5は予圧付与部材の装着部分の詳細を示す断面図であり、図6は図5に示す予圧付与部材の詳細を示す斜視図である。また、図7は予圧付与部材とアーマチュア板とにより形成される収容スペースを示す断面図である。
図3に示すように、板ばね部材61は鋼板などをブランク加工することにより出力軸34に挿通される装着孔61aが形成された円環状の基部61bと基部61bから外周側に突出する3つの脚部61cとを有する平板状に形成されており、アーマチュア板41に対して軸方向に重ねて配置されている。板ばね部材61の基部61bは出力軸34に固定された止め輪63によりフランジ部43との間に固定され、各脚部61cの先端部はそれぞれリベット64によりアーマチュア板41に固定されている。つまり、板ばね部材61はアーマチュア板41と出力軸34とに連結されており、これによりアーマチュア板41が係合位置に移動すると板ばね部材61はその基部61bに対して脚部61cが出力軸34の軸方向に撓んでアーマチュア板41を非係合位置に向けて付勢するばね力を発生する。
一方、図6に示すように、予圧付与部材62は鋼板等により軸心に装着孔62aを備えた円盤状に形成されており、その装着孔62aにおいて出力軸34に装着されている。予圧付与部材62の一方の面には板ばね部材61側に向けて突出する3つの突起部65aが周方向に等間隔に並べて形成されており、予圧付与部材62の他方の面にはアーマチュア板41側に突出する3つの突起部65bが、それぞれ隣り合う突起部65aの中間に位置するように周方向に等間隔に並べて形成されている。これらの突起部65a,65bは装着孔62aの中心を起点として径方向に沿って延びるトンネル状に形成されており、その突出高さは一定とされている。また、予圧付与部材62の外径寸法は出力軸34のフランジ部43の外径寸法よりも大きく形成されており、各突起部65a,65bも予圧付与部材62に外周端まで延びてフランジ部43に達するようになっている。
なお、予圧付与部材62にはアーマチュア板41に接触する側の面にのみ突起部65bが形成されていれば良いが、この予圧付与部材62では両面側に突起部65a,65bを設けることにより予圧付与部材62の方向性つまり裏表を無くして予圧付与部材62の組付け性を向上させるようにしている。また、突起部65a,65bはそれぞれ3つ設けられているが、その数はいくつであっても良い。
予圧付与部材62が板ばね部材61とアーマチュア板41との間に位置するように装着孔62aにおいて出力軸34に装着されると、図5に示すように、予圧付与部材62は各突起部65aにおいて板ばね部材61の基部61bに接触し、各突起部65bにおいてフランジ部43に接触することにより、板ばね部材61と予圧付与部材62が止め輪63とフランジ部43との間に挟み込まれた状態となって出力軸34に固定される。したがって、アーマチュア板41は予圧付与部材62に接触することにより係合位置から離れる方向の移動が規制され、つまり、図5に示す位置が非係合位置とされる。そして、このとき、板ばね部材61の基部61bは脚部61cに対して予圧付与部材62の厚みの分だけ軸方向にずれている。したがって、係合位置にあるアーマチュア板41には板ばね部材61により係合位置から離れる方向のばね力つまり予圧が加えられ、これによりクラッチコイル42への通電が停止されたときにはアーマチュア板41は確実に非係合位置に保持される。
図7に示すように、この予圧付与部材62は3つの突起部65bにおいてアーマチュア板41に接触するので、突起部65bの周辺には予圧付与部材62とアーマチュア板41とにより収容スペース66が形成される。つまり、この電磁クラッチ37では、予圧付与部材62に3つの突起部65bを設けることにより予圧付与部材62とアーマチュア板41との間に収容スペース66を形成するようにしている。また、予圧付与部材62は突起部65bにおいてアーマチュア板41に接触するので、アーマチュア板41と予圧付与部材62との接触面積は予圧付与部材62が平ワッシャ状に形成された場合に比して小さくなり、アーマチュア板41と予圧付与部材62との接触部分の面圧が高められることになる。
したがって、アーマチュア板41の出力軸34に対する係合部に塗布されるグリース等の潤滑材や各部材の削りかす等の異物がアーマチュア板41の作動に伴って予圧付与部材62とアーマチュア板41との間に挟み込まれた場合であっても、これらの異物はアーマチュア板41と突起部65bとの間から押し出されて収容スペース66に収容されることになり、アーマチュア板41と突起部65bとの間に異物が挟み込まれてアーマチュア板41の非係合位置が異物の分だけウォームホイル33側にずれることを抑制することができる。
このように、この電磁クラッチ37では、アーマチュア板41と予圧付与部材62との間に侵入した異物を収容スペース66に収容させることによりアーマチュア板41と予圧付与部材62との接触部分への異物の挟み込みを抑制することができるので、アーマチュア板41を確実に非係合位置に保持して電磁クラッチ37の作動信頼性を高めることができる。
また、この電磁クラッチ37では、予圧付与部材62に突起部65bを設けることによりアーマチュア板41と予圧付与部材62との接触面積を予圧付与部材62が平ワッシャ状に形成された場合に比して小さくすることができるので、アーマチュア板41と予圧付与部材62との接触部分の面圧を高めて接触部分から異物を確実に収容スペースに押し出すことができる。また、アーマチュア板41と予圧付与部材62との接触面積を小さくすることができるので、出力軸34に塗布されたグリース等の潤滑油による予圧付与部材62のアーマチュア板41への貼り付き現象を抑制することができる。
図8(a)は図6に示す予圧付与部材の変形例を示す斜視図であり、図8(b)は同図(a)に示す予圧付与部材の装着状態を示す断面図である。
図6に示す予圧付与部材62ではアーマチュア板41に接触する各突起部65bは径方向に延びて形成されているが、図8(a)に示す予圧付与部材71では、各突起部65a,65bはそれぞれ断面円形のボス状に形成されている。そして、図8(b)に示すように、予圧付与部材71は各突起部65bにおいてアーマチュア板41に接触し、これによりアーマチュア板41と予圧付与部材71との間に収容スペース66を形成するようにしている。これにより、図6に示す予圧付与部材62を用いた場合と同様に、アーマチュア板41と予圧付与部材71との間への異物の挟み込みを抑制して、電磁クラッチ37の作動信頼性を高めることができる。
図9(a)は図6に示す予圧付与部材の変形例を示す斜視図であり、図9(b)は同図(a)に示す予圧付与部材の装着状態を示す断面図である。
図6に示す予圧付与部材62では、突起部65bを設けることによりアーマチュア板41との間に収容スペース66を形成するようにしているが、図9(a)に示す予圧付与部材81には軸方向に貫通する4つの切り欠き孔82が周方向に等間隔に並べて形成され、これらの切り欠き孔82により板ばね部材61とアーマチュア板41との間に収容スペース66を形成するようにしている。つまり、図9(b)に示すように、予圧付与部材81はその外周側においてアーマチュア板41に接触するとともに切り欠き孔82はアーマチュア板41にまで達しており、これによりアーマチュア板41と板ばね部材61との間に収容スペース66が形成される。また、切り欠き孔82が形成されることにより予圧付与部材81はその外周部分の一部においてのみアーマチュア板41に接触することになるので、予圧付与部材81とアーマチュア板41との接触面積を平ワッシャ状に予圧付与部材81を形成した場合に比して小さくしてその面圧を高めることができる。したがって、図6に示す予圧付与部材62を用いた場合と同様に、アーマチュア板41と予圧付与部材81との間への異物の挟み込みを抑制して、電磁クラッチ37の作動信頼性を高めることができる。
図10は図3に示す電磁クラッチの変形例を示す断面図であり、この電磁クラッチ91では図3に示す電磁クラッチ37では予圧付与部材62に形成されていた突起部65bをアーマチュア板41に形成するようにしている。つまり、この電磁クラッチ91のアーマチュア板41には予圧付与部材92に向けて突出する複数の突起部65bが周方向に等間隔に並べて形成されており、アーマチュア板41は各突起部65bにおいて平ワッシャ状に形成された予圧付与部材92に接触している。これにより、図3に示す電磁クラッチ37と同様に、アーマチュア板41と予圧付与部材92との間に収容スペース66を形成することができ、また、アーマチュア板41と予圧付与部材92との面圧を高めてアーマチュア板41と予圧付与部材92との間への異物の挟み込みを抑制することができる。
なお、図8〜図10においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号が付されている。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、前記実施の形態においては、予圧付与部材としては突起部65bあるいは切り欠き孔82が形成されたものが用いられているが、これに限らず、板ばね部材61に予圧を発生させるとともにアーマチュア板41とにより収容スペース66を形成することができるものであれば、たとえばウェーブワッシャなど、他の形状のものを用いるようにしてもよい。
また、前記実施の形態においては、スライドドア13を自動開閉するための自動開閉装置11に設けられる電磁クラッチ37に本願発明を適用しているが、これに限らず、駆動源により被駆動部材を駆動する装置であればいずれの装置に適用してもよい。
本発明の一実施の形態である電磁クラッチを備えた車両用自動開閉装置の概略を示す説明図である。 図1に示す駆動ユニットの詳細を示す断面図である。 図2に示す電磁クラッチの詳細を示す斜視図である。 (a)はアーマチュア板が非係合状態にあるときの状態を示す断面図であり、(b)はアーマチュア板が係合位置にあるときの状態を示す断面図である。 予圧付与部材の装着部分の詳細を示す断面図である。 図5に示す予圧付与部材の詳細を示す斜視図である。 予圧付与部材とアーマチュア板とにより形成される収容スペースを示す断面図である。 (a)は図6に示す予圧付与部材の変形例を示す斜視図であり、(b)は同図(a)に示す予圧付与部材の装着状態を示す断面図である。 (a)は図6に示す予圧付与部材の変形例を示す斜視図であり、(b)は同図(a)に示す予圧付与部材の装着状態を示す断面図である。 図3に示す電磁クラッチの変形例を示す断面図である。
符号の説明
11 車両用自動開閉装置
12 車両
13 スライドドア(開閉部材)
13a ローラアッシー
14 ガイドレール
14a 曲部
15 駆動ユニット
16 ケーブル
17,18 反転プーリ
21 電動モータ
21a 回転軸
22 減速機
23 制御装置
24 電源
30 ギヤケース
31 ウォームギヤ機構
32 ウォーム
33 ウォームホイル
33a 円筒部
33b 底壁部
33c ギヤ部
33d 噛み合い歯
34 出力軸
35 ナット
36 ドラム
36a ケーブル案内溝
37 電磁クラッチ
41 アーマチュア板
41a 噛み合い歯
42 クラッチコイル
43 フランジ部
43a セレーション部
44 クラッチヨーク
45 コイルボビン
46 滑り軸受け
51a,51b スリップリング
52a,52b 接触子
61 板ばね部材
61a 装着孔
61b 基部
61c 脚部
62 予圧付与部材
62a 装着孔
63 止め輪
64 リベット
65a,65b 突起部
66 収容スペース
71 予圧付与部材
81 予圧付与部材
82 切り欠き孔
91 電磁クラッチ
92 予圧付与部材

Claims (6)

  1. 駆動源と被駆動部材に接続される出力軸との間の動力伝達経路を断続する電磁クラッチであって、
    前記駆動源により回転駆動される駆動ロータと、
    前記出力軸に軸方向に移動自在に装着され、前記出力軸とともに回転するアーマチュア板と、
    通電されることにより磁気吸引力を発生し、前記駆動ロータに係合する係合位置まで前記アーマチュア板を前記駆動ロータ側に引き付けるクラッチコイルと、
    前記アーマチュア板に重ねて配置されるとともに前記出力軸と前記アーマチュア板とに連結され、前記アーマチュア板を前記係合位置から離れる方向に付勢する板ばね部材と、
    前記板ばね部材と前記アーマチュア板との間に設けられ、前記アーマチュア板が前記非係合位置にあるときの前記板ばね部材を軸方向に撓ませて前記アーマチュア板に予圧を付与するとともに、前記アーマチュア板と協同して収容スペースを形成する予圧付与部材とを有することを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 請求項1記載の電磁クラッチにおいて、前記アーマチュア板に向けて突出する突起部を前記予圧付与部材に設けることにより前記アーマチュア板と前記予圧付与部材との間に前記収容スペースを形成することを特徴とする電磁クラッチ。
  3. 請求項1記載の電磁クラッチにおいて、前記予圧付与部材に向けて突出する突起部を前記アーマチュア板に設けることにより前記アーマチュア板と前記予圧付与部材との間に前記収容スペースを形成することを特徴とする電磁クラッチ。
  4. 請求項2または3記載の電磁クラッチにおいて、複数の前記突起部を周方向に等間隔に並べて設けたことを特徴とする電磁クラッチ。
  5. 請求項1記載の電磁クラッチにおいて、前記予圧付与部材に設けられる切り抜き孔により前記収容スペースを形成することを特徴とする電磁クラッチ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁クラッチにおいて、前記被駆動部材を車両に設けられる開閉部材としたことを特徴とする電磁クラッチ。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010164175A (ja) * 2009-01-19 2010-07-29 Sinfonia Technology Co Ltd 電磁連結装置及び自動扉装置
JP2020023928A (ja) * 2018-08-08 2020-02-13 株式会社塚崎製作所 クラッチ付きギアポンプ及び塗装装置
CN114526430A (zh) * 2022-02-18 2022-05-24 安徽理工大学 罐道巡检小车

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