JP5759739B2 - 車両用ドア開閉装置の制御装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、電磁クラッチを装備したパワースライドドア装置では、その電磁クラッチのための給電用配線の取り回し等が煩雑となり、そのための組み付け作業が複雑で時間を要していた。
機械式クラッチは、モータの回転軸と、その回転軸の回転力により回転しスライドドアを開閉する出力軸との間に設けられている。そして、モータを駆動して自動でスライドドアを開閉させる場合は、回転軸の回転による遠心力にて、機械式クラッチの動力伝達部材(コロ部材)が外側に移動して回転軸と出力軸とを連結し、回転軸の回転力を出力軸に伝達し、スライドドアを自動開閉させる。
例えば、異常状態の1つとして、スライドドアを自動開閉モードと手動モードにいずれかに設定する開閉モード選択スイッチが、自動モードに設定された状態にあってスライドドアが自動開閉している途中において、開閉モード選択スイッチが自動モードから手動モードに切り替わった場合がある。
また、ブレーキ制御モードでは、ドアの移動状態が第1基準値よりも大きい第2基準値を超えた時、自動的にブレーキがかかるため、例えば急な坂道でドアの移動が加速してもその移動を制限できる。また、ドアの手動開閉による操作を許容する。
一方、保持モードでは、第2基準値よりも小さい第1基準値を超えた時、モータを駆動するため、異常検出直後の不意な移動が確実に制限される。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両用ドア開閉装置の制御装置において、前記モータは、前記回転軸を回転駆動するモータ本体と、前記モータ本体に一体的に組付けられるとともに、前記回転軸の回転力が伝達されるウォーム軸及び前記ウォーム軸に噛合されるウォームホイールを有する減速機構が収容され、前記ウォーム軸及び前記ウォームホイールを経た回転力を前記ウォームホイールと一体的に回転するように連結される前記出力軸から出力する減速部とを備え、前記クラッチは、前記回転軸と前記ウォーム軸との間に設けた。
図1に示すモータ11は、ブラシモータであって、図2に示す車両に搭載されるスライドドア開閉装置1の駆動源として用いられている。スライドドア開閉装置1は、車体2の側面に沿ってスライド開閉可能に配設されたスライドドア3内に配設されている。スライドドア3は、車体2に設けられたガイドレール4に連結された連結具5にて支持されている。連結具5は、モータ11の駆動によるワイヤケーブル6の巻き取り及び送り出しが行われることによりガイドレール4に沿って移動する。この連結具5の移動によって、スライドドア3が車体2に形成された乗降口2aを開閉するようになっている。
ギヤハウジング31は、前記ヨークハウジング14の開口部14aと対向する開口部31aを備え、両開口部14a,31a間に前記ブラシホルダ17が介装されている。また、ギヤハウジング31には、該ギヤハウジング31の開口部31aから軸方向にクラッチ収容部31bが凹設されている。さらに、同ギヤハウジング31には、クラッチ収容部31bの底部から軸方向に延びウォーム軸32を収容する略円筒状の軸収容筒部31cと、軸収容筒部31cと繋がりウォームホイール33を収容する略円形状のホイール収容部31dとが形成されている。
前記クラッチ収容部31bには、ウォーム軸32と回転軸20との間に配置されてウォーム軸32と回転軸20との連結・断絶を行う機械式のクラッチ45が収容されている。
反対に、回転軸20(回転軸側可動部材)が回転しないとき、動力伝達部材は遠心力が付与されない。そのため、動力伝達部材は、スプリングの弾性力によって回転軸側可動部材の外周面から突出することはできず、ウォーム軸従動部材の内側面に形成した嵌合凹部に係合しない。これによって、ウォーム軸従動部材(ウォーム軸32)と回転軸側可動部材(回転軸20)とが断絶される。
なお、機械式のクラッチ45の詳細は、例えば、特許文献2で示した公報を参照すれば、容易にその具体的な原理構成が理解されるため、さらなる詳細な説明は説明の便宜上省略する。
図3に示すように、スライドドア開閉制御装置50は、スライドドア開閉装置1のモータ11を駆動制御するECU(電子制御ユニット)51を備えている。
この状態で、図7に示す時刻t1において、図示しない外部装置から開信号SToが入力されると、制御回路52は、ステップS1に移り、スライドドア3を開方向に移動させるスライドドア開閉処理動作を実行する。
(ステップS1)
制御回路52は、ステップ1において、モータ11を正転駆動させる。このとき、制御回路52は、開信号SToに基づいて、PWM回路55を制御して駆動電圧Vdを第1駆動電圧Vd1にするとともに、リレー駆動回路56を介してオープンリレー及びクローズリレー54を制御してモータ11を正転駆動させる。従って、モータ11は、9.6ボルトの第1駆動電圧Vd1が印加されて正転駆動を開始する。つまり、スライドドア3が「全開位置」に向かって移動を開始する。
(ステップS2、ステップS3、ステップS4)
モータ11が正転駆動を開始すると、制御回路52はステップS2に移り、異常信号SXの有無を検出する。制御回路52は、異常信号SXがない場合(ステップS2でNO)、ステップS3に移り、スライドドア3が「全開位置」に到達したか判断する。
(ステップS5)
ステップS5に移ると、制御回路52は、駆動電圧Vdを0ボルトにしてモータ11の駆動を一旦停止させた後、直ちに、ステップS6に移り、ドア保持モードの処理動作を実行する。
(ステップS6)
ステップS6のドア保持モードの処理動作は、図5に示すように、まず、制御回路52は、ステップS6−1において、報知器59を鳴動させるとともに、タイマ52dの計時動作を開始させた後、ステップS6−2に移る。
(ステップS6−2)
ステップS6−2に移ると、制御回路52は、モータ11の駆動が一旦停止された状態(クラッチ45が切り離されている状態)において、その時のウォーム軸32の回転数Nnが予め定めた第1基準回転数Nk1より大きいかどうか判断する(ステップS6−2)。
また、第1基準回転数Nk1は、スライドドア3の移動速度に基づいて決められた閾値であって、予めROM52bに記憶されている。
(ステップS6−3)
制御回路52は、ステップS6−3に移ると、PWM回路55を制御して、駆動電圧Vdを5ボルトの第2駆動電圧Vd2にして、モータ11に印加させる。
(ステップS6−4)
続いて、ステップS6−4に移り、制御回路52は、ステップS6−1で計時動作を開始したタイマ52dが予め定めた第1基準時間T1(例えば、2秒)を経過したどうか判断する。そして、第1基準時間T1を経過していない場合(ステップS6−4でNO)、制御回路52は、ステップS6−2に戻る。従って、制御回路52は、再び、ウォーム軸32の回転数Nnが第1基準回転数Nk1より大きいかどうか判断する。そして、制御回路52は、ウォーム軸32の回転数Nnが第1基準回転数Nk1より大きい場合(ステップS6−2でYES)、ステップS6−3に移り、モータ11の回転数を制御して出力軸35にブレーキ力を付与し続ける。
そして、回転軸20の回転制御によってウォーム軸32の回転数Nnが第1基準回転数Nk1以下になった場合(ステップS6−2でNO)、制御回路52は、ステップS6−4に移る。この時、制御回路52は、モータ11への第2駆動電圧Vd2の印加を停止(モータ11への給電を遮断)した後、ステップS6−4に移り、この状態を第1基準時間T1が経過するまで維持する。
(ステップS6−5)
やがて、タイマ52dが第1基準時間T1を計時すると、制御回路52は、ステップS6−5に移り、報知器59の鳴動を停止し、ドライバにドア保持処理が終了したことを報知した後、ドア保持モードの処理動作は終了する。
(ステップS7)
制御回路52は、ドア保持モードの処理動作が終了すると、ステップS7に移り、ブレーキ制御モードの処理を実行する。
(ステップS7−1)
ブレーキ制御モードの処理動作は、図6に示すように、まず、制御回路52は、ステップS7−1において、タイマ52dの計時動作を開始させた後、ステップS7−2に移り、その時のウォーム軸32の回転数Nnが予め定めた第2基準回転数Nk2より大きいかどうか判断する。
(ステップS7−3)
制御回路52は、ステップS7−3に移ると、モータ11の回転軸20の回転数が第2基準回転数Nk2となるように、PWM回路55を制御して、駆動電圧Vdを9ボルトの第3駆動電圧Vd3にする。また、このとき、制御回路52は、リレー駆動回路56を介して、ウォーム軸32(出力軸45)がその時回転する回転方向と同じ回転方向(順方向)にモータ11を回転させるためにオープンリレー53及びクローズリレー54を切り替え作動する。
(ステップS7−4)
時間Taが経過すると、制御回路52は、ステップS7−4に移り第2制御モードの処理を実行する。制御回路52は、PWM回路55を制御して、駆動電圧Vdを3ボルトの第4駆動電圧Vd4にする。そして、この状態を時間Tb(例えば、300ミリ秒)継続させた後、モータ11への給電を停止する。
(ステップS7−5)
続いて、ステップS7−5において、制御回路52は、ステップS7−1で計時動作を開始したタイマ52dが予め定めた第2基準時間T2(例えば、8秒)を経過したどうか判断する。そして、第2基準時間T2を経過していない場合(ステップS7−5でNO)、制御回路52は、ステップS7−2に戻る。従って、制御回路52は、再び、ウォーム軸32の回転数Nnが第2基準回転数Nk2より大きいかどうか判断する。そして、制御回路52は、ウォーム軸32の回転数Nnが第2基準回転数Nk2より大きい場合(ステップS7−2でYES)、ステップS7−3、ステップS7−4に移り、モータ11の回転数を制御して出力軸35にブレーキ力を付与し続ける。
やがて、タイマ52dが第2基準時間T2を計時すると(ステップS7−5でYES)、制御回路52は、ブレーキ制御モードの終了し、異常信号SXの検出時の開閉処理動作を終了する。
(1)上記実施形態によれば、モータ11を駆動して、スライドドア3を自動的に移動させているときに、異常信号SXが検出されると、モータ11の給電を停止し機械式のクラッチ45を切り離し、スライドドア3の操作が自動から手動に切り替わるようにした。
○上記第1実施形態では、制御回路52は、ドア保持モード(ステップS6)とブレーキ制御モード(ステップS7)の2つのモードを実行したが、いずれか一方を省略して実施してもよい。
○上記第1実施形態では、スライドドア3の移動状態として、ウォーム軸32の回転数Nn、即ち、スライドドア3の移動速度であったがこれに限定されるものではなく、スライドドア3の移動状態として、スライドドア3の位置であってもよい。
勿論、スライドドア3の移動状態の検出を、ウォーム軸32の回転数Nnで検出したが、スライドドア3の移動状態を、移動速度、移動方向及び位置の要素を複数検出して総合的に判断して実施してもよい。
○上記第1実施形態では、ドア保持モードの第1基準回転数Nk1を20rmpとしたが、これに限定されるのではなく、スライドドアの仕様に応じて20rpmより大きくしたり、反対に小さくしたりして適宜変更して実施してもよい。
○上記第1実施形態では、ブレーキ制御モードの第2基準時間T2を8秒としたが、これに限定されるのではなく、8秒より長くしたり、反対に短くしたりして適宜変更して実施してもよい。
○上記第1実施形態では、ブレーキ制御モードの第2基準回転数Nk2を80rmpとしたが、これに限定されるのではなく、スライドドアの仕様に応じて80rpmより大きくしたり、反対に小さくしたりして適宜変更して実施してもよい。
○上記第1実施形態では、ブレーキ制御モード中の第1制御モードの第3駆動電圧を印加する時間Taを100ミリ秒とし、第2制御モードの第4駆動電圧を印加する時間Tbを300ミリ秒としたが、これら時間Ta,Tbを適宜変更して実施してもよい。
○上記第1実施形態では、ブレーキ制御モード中の第2制御モードでは、モータ11に対して、ウォーム軸32の回転方向と同方向に回転軸20が回転するように第4駆動電圧Vd4を印加し出力軸35にブレーキ力を付与した。
勿論、第1制御モード及び第2制御モードにおいて、初めからモータ11に対して、ウォーム軸32の回転方向と逆方向に回転軸20が回転するように第3及び第4駆動電圧Vd3,Vd4を印加するように実施してもよい。
Claims (9)
- 車両に設けられる開口を開閉するドアをモータの駆動による出力軸の回転に伴って開閉作動させ、前記ドアを自動開閉させる旨の指令が生じると、前記モータの駆動とともにクラッチが接続され、そのクラッチにより前記モータの回転軸の回転力を前記出力軸に伝達し、該出力軸の回転により前記ドアを開閉作動させる一方、前記モータの非駆動時には前記クラッチが切り離され、前記出力軸と前記回転軸とを断絶し、前記ドアの手動開閉による負荷側からの前記出力軸の回転力を前記回転軸には非伝達とする車両用ドア開閉装置の制御装置であって、
前記モータの回転軸の回転数を変更させるための複数個の駆動電圧を生成する駆動電圧生成回路と、
前記モータの非駆動時において前記出力軸と前記回転軸とが断絶され前記出力軸が前記回転軸に対して空転しながら前記ドアが移動したときの該ドアの移動状態を入力し、前記ドアの移動状態を検出するドア移動状態検出回路と、
前記ドア移動状態検出回路が検出した前記ドアの移動状態に応じて前記回転軸を回転させることにより前記クラッチが接続されて回転中の前記出力軸にブレーキ力を付与するための前記駆動電圧を選択して、前記駆動電圧生成回路を介して前記モータに印加させるモータ制御回路と、
を備え、
前記モータ制御回路は、前記ドアの移動状態が予め定めた第1基準値を超えた時、前記モータを駆動して前記出力軸にブレーキ力を付与させつつ前記ドアの手動開閉による操作を禁止するドア保持モードと、
前記ドア保持モードを実行した後に実行し、前記ドアの移動状態が前記第1基準値よりも大きい予め定めた第2基準値を超えた時、前記モータを駆動して前記出力軸にブレーキ力を付与させつつ前記ドアの手動開閉による操作を許容するブレーキ制御モードと
を有することを特徴とする車両用ドア開閉装置の制御装置。 - 請求項1に記載の車両用ドア開閉装置の制御装置において、
前記ドア移動状態検出回路は、前記ドアの移動状態として、ドアの移動速度を検出するものであり、
前記モータ制御回路は、前記ドアの移動速度に応じて前記モータの回転軸を回転させて、前記クラッチを介して回転中の前記出力軸にブレーキ力を付与するための前記駆動電圧を選択して、前記駆動電圧生成回路を介して前記モータに印加させるものであることを特徴とする車両用ドア開閉装置の制御装置。 - 請求項1又は2に記載の車両用ドア開閉装置の制御装置において、
前記ドア移動状態検出回路は、前記ドアの移動状態として、ドアの移動方向を検出するものであり、
前記モータ制御回路は、前記ドアの移動方向に応じて前記モータの回転軸を回転させて、前記クラッチを介して回転中の前記出力軸にブレーキ力を付与するための前記駆動電圧を選択して、前記駆動電圧生成回路を介して前記モータに印加させるものであることを特徴とする車両用ドア開閉装置の制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ドア開閉装置の制御装置において、
前記ドア移動状態検出回路は、前記ドアの移動状態として、前記ドアの位置を検出するものであり、
前記モータ制御回路は、前記ドアの位置に応じて前記モータの回転軸を回転させて、前記クラッチを介して回転中の前記出力軸にブレーキ力を付与するための前記駆動電圧を選択し、前記駆動電圧生成回路を介して前記モータに印加させるものであることを特徴とする車両用ドア開閉装置の制御装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用ドア開閉装置の制御装置において、
前記モータに印加する駆動電圧の向きを変え、前記モータの回転軸を正逆転させる正逆転切り替え回路を有し、
前記モータ制御回路は、前記駆動電圧生成回路を介して前記モータに印加させる時、回転中の前記出力軸の回転方向に対応する順方向に前記モータの回転軸が回転するように、正逆転切り替え回路を介して前記モータを駆動させることを特徴とする車両用ドア開閉装置の制御装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用ドア開閉装置の制御装置において、
前記モータ制御回路は、回転中の前記出力軸の回転方向に対応する順方向に前記モータの回転軸が回転するように前記モータを駆動する第1制御モードと、
前記第1制御モードで制御した後、前記モータの回転軸の回転数を下げて前記モータを駆動する第2制御モードと
を有することを特徴とする車両用ドア開閉装置の制御装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用ドア開閉装置の制御装置において、
前記モータ制御回路は、回転中の前記出力軸の回転方向に対応する順方向に前記モータの回転軸が回転するように前記モータを駆動する第1制御モードと、
前記第1制御モードで制御した後、回転中の前記出力軸の回転方向に対応する順方向とは逆方向に前記モータの回転軸を回転させて前記モータを駆動する第2制御モードと
を有することを特徴とする車両用ドア開閉装置の制御装置。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用ドア開閉装置の制御装置において、
前記モータ制御回路は、前記ドアの移動状態は移動速度であり、前記ドア保持モードにおいて、回転中に前記出力軸の回転数と対応した回転数が予め定めた第1基準回転数を超えた時、前記モータを駆動して前記出力軸にブレーキ力を付与させるものであり、
前記ドア保持モードを実行した後に実行される前記ブレーキ制御モードにおいては、回転中に前記出力軸の回転数と対応した回転数が前記第1基準回転数よりも大きい予め定めた第2基準回転数を超えた時、前記モータを駆動して前記出力軸にブレーキ力を付与させるものであることを特徴とする車両用ドア開閉装置の制御装置。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両用ドア開閉装置の制御装置において、
前記モータは、前記回転軸を回転駆動するモータ本体と、前記モータ本体に一体的に組付けられるとともに、前記回転軸の回転力が伝達されるウォーム軸及び前記ウォーム軸に噛合されるウォームホイールを有する減速機構が収容され、前記ウォーム軸及び前記ウォームホイールを経た回転力を前記ウォームホイールと一体的に回転するように連結される前記出力軸から出力する減速部とを備え、
前記クラッチは、前記回転軸と前記ウォーム軸との間に設けたことを特徴とする車両用ドア開閉装置の制御装置。
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