JP5052252B2 - マグネトロンの製造方法 - Google Patents

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本発明は、レーダ装置などに使用されるマグネトロンの製造方法に関する。さらに詳しくは、マグネトロンに振動や衝撃などが加わっても、出力や発振スペクトラムが変動し難い安定した特性を発揮し得るマグネトロンの製造方法に関する。
たとえばレーダ装置では、そのマイクロ波を発振する手段として、高出力を高効率で発振し、信頼性が高いことを理由にマグネトロンが用いられている。このようなマグネトロンは、たとえば図11に、そのアノード部1および入力部2を主とした斜視説明図が示されるような構造になっている。図11において、円筒状のアノードシェル11の内周に複数個のベーン12が放射状に設けられることにより、アノード部1が形成され、そのアノード部1の中心にカソード21が配置されている。
このカソード21は、筒状金属体22の一端部側の外周に固着され、その筒状金属体22の他端部側が、たとえば円筒状のセラミックスやガラスなどからなる第1の絶縁体23の端部に固着されるワッシャ状のカソード外部端子25により支持されており、第1の絶縁体23は、アノード部1の上端に金属管17およびワッシャ18を介してロウ付けなどにより固定されている。このカソード外部端子25上にさらに第2の絶縁体26を介してヒータ外部端子27がロウ付けなどにより固定されてカソード21の内部に設けられるヒータ28の端部が筒状金属体22の内部を延びてヒータ外部端子27に接続されている。この第1の絶縁体23、カソード外部端子25、第2の絶縁体26、ヒータ外部端子27によりカソード21側を真空に保持し、カソード21およびヒータ28と共に入力部2を構成している。
このカソード21をアノード部1の中心に保持する方法には種々あるが、前述のように、筒状金属体22の他端部側をセラミックスなどの第1の絶縁体23を介してアノード部1などに固定する一端支持の方法で行われることが多い。その理由は、カソード21が、筒状金属体22の内部に挿入されるヒータ28により加熱され、オキサイドカソードでは750〜850℃程度の高温に維持される必要があるため、カソード21からの熱の逃げを極力防止するため一方のみを支持する構造とすると共に、高温になると熱膨張で筒状金属体22およびカソード21自体が膨張するため、一端のみを支持する構造とすることにより、熱による膨張と非動作時の収縮の自由度をもたせるためである。また、このカソード21を動作中は高温に維持しなければならないという観点から、筒状金属体22はできるだけ熱の逃げが生じないように、熱抵抗の大きい非常に肉厚の薄い材料により形成されている。なお、筒状金属体22は、陰極21の温度に耐えると共に、電流を流す必要があることから、高融点金属であるニッケルまたはその合金などの金属が用いられている。
前述のように、カソード21を一端支持で保持する方法では、熱の逃げの防止、カソード21や筒状金属体22の動作時と非動作時による膨張収縮に伴う長さの変化にも支障なく対応することができるという利点があるが、振動などが加わると、その振動に伴ってカソード21がアノード部1の中心軸に対して変動するという問題がある。とくに、前述のように、カソード21が固着される筒状金属体22の一端側と反対である他端側のみで支持される構造では、カソード21の振動によるブレが大きく、アノード部1の中心軸に対してカソード21の位置が変動すると発振出力や発振スペクトラムなどの特性が変動するという問題がある。この種のマグネトロンにおいて、振動を防止する技術は、たとえば特許文献1に記載されている。
特開2003−16953号公報
レーダ装置用のマグネトロンでは、中心軸に筒状金属体で固定する方法が製作性に優れているため、カソードが一端支持される構造が多い。一方、レーダ用のマグネトロンは、船舶や航空機などの移動体に搭載される場合が殆どで、とくに振動や衝撃を受けやすい。たとえばXバンドのマグネトロンをパルス発振させて加速度3Gの振動を加えたときの発振スペクトラムが図12に示されている。図12から明らかなように、振動により発振スペクトラムの振幅が激しく変動し、ノイズが発生して不安定となっている。これは、アノード部の中心軸に対し、カソードが小刻みに変動することにより、マグネトロンの出力や周波数が変動することに伴うからである。また、発振周波数も、振動に伴い、数kHzの範囲で刻々と変動する。このようなスペクトラムにノイズが発生したり、発振周波数が変動すると、目標物からの反射を受信した場合に同調の支障が生じるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、マグネトロンに振動や衝撃が印加されても、マグネトロンの発振特性に影響を与え難い耐久性のある入力部を有するマグネトロンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明によるマグネトロンの製造方法は、複数個のベーンが放射状に設けられるアノード部の中心部に、筒状金属体の一端部側に固着されたカソードが配置されるように前記筒状金属体の他端部を固定するマグネトロンの製造方法において、前記筒状金属体にカソードを固着し、熱処理を施した後に、前記筒状金属体を加工硬化させる工程を加えた後に、前記カソードが前記アノード部の中心に位置するように固定することを特徴とする。
ここに加工硬化とは、たとえば筒状金属体の外形を変化させるプレス加工や、平面に押し付けながら筒状金属体を回転させることにより、外形は変化させないで筒状金属体自身に外力を加えるような加工を施すことにより、筒状金属体を硬化させることを意味する。
本発明によれば、カソードを筒状金属体と接合した後に、電子放出をしやすくする熱処理を施すことにより、筒状金属体のなまし効果により筒状金属体の剛性が低下しても、その後に、その筒状金属体を加工硬化させる工程を加えているため、熱処理によるなまし効果により弾力性の増した筒状金属体が、その後の機械加工により剛性化し、弾力性が低下する。そのため、一端支持の筒状金属体の先端部に接合されたカソードに振動が加わっても、筒状金属体自体の振動が抑制され、マグネトロンに振動や衝撃が加わっても、カソードはアノード部の中心軸上に保持され、振動や衝撃により発振スペクトラムの変動を抑制することができる。その結果、マグネトロンに振動や衝撃が加わっても、非常に特性の安定したマグネトロンが得られる。
つぎに、図面を参照しながら本発明のマグネトロンの製造方法について説明する。本発明によるマグネトロンの製造方法は、図2にその入力部およびアノード部の主要部断面説明図が示されているように、複数個のベーン12が放射状に設けられるアノード部1の中心部に、筒状金属体22の一端部側に固着されたカソード21が配置されるように、筒状金属体22の他端部を固定する構造のマグネトロンを製造する場合に、図1に製造工程のフローチャートの主要部が示されているように、筒状金属体22にカソード21を固着し、熱処理を施した後に、筒状金属体22を加工硬化させる工程を加えた後に、カソード21がアノード部1の中心に位置するように固定することを特徴としている。
本発明によるマグネトロンのアノード部1と入力部2との組立て構造は、従来構造と同様であるが、図2に示されるように、円筒状のアノードシェル11の内周に複数個のベーン12が放射状に設けられ、隣接する2個のベーンとアノードシェル11との間の空間に空胴が形成され、ストラップ14がπモード発振を安定させるため、1枚おきのベーン12を連結することによりアノード部1が形成されている。そして、このベーン12の先端で囲まれる空間に入力部2のカソード21が保持され、このベーン12の先端部とカソード21の表面との間の作用空間15にカソード21の表面とほぼ平行な磁界を印加できるようにアノードシェル11の軸方向両端部に一対のポールピース16が設けられ、図示しない磁石により磁界が印加されて、カソード21から放出された電子が作用空間15で直交電磁界の作用により、螺旋運動をしてエネルギーを空胴に与え、発振する構造になっている。
入力部2は、筒状金属体22と、その一端部外周に固着されるカソード21と、筒状金属体22の内部に設けられるヒータ28と、カソード21をベーン14の先端部で囲まれる空間の中心部に保持すると共に真空外囲器を構成する第1の絶縁体23などにより構成されている。すなわち、筒状金属体22の一端部外周にエンドハット21aを有するカソード21が固着され、他端部側は、ワッシャ状のカソード外部端子25とロウ付けされている。このカソード外部端子25は、円筒状のセラミックスやガラスなどからなる第1の絶縁体23の一端部とロウ付けなどにより気密封止されている。そして、筒状金属体22の内部に設けられるカソード21加熱用のヒータ28の一端部は筒状金属体22の一端部側に固着され、その他端部は筒状金属体22の中を通って筒状金属体22の他端部側に導出され、ヒータ外部端子27に接続されると共に、ヒータ外部端子27は第2の絶縁体26を介してカソード外部端子25とロウ付けされている。この第1の絶縁体23の他端部がポールピース16とワッシャ18および金属管17を介してロウ付けなどにより気密に封止されることにより、カソード21が真空領域のアノード部1の中心に保持される構造になっている。
この入力部2のカソード21部分の製造は図1に示されるように行われる。まず、筒状金属体22は圧延された薄いNi板を丸めて電縫という方法で溶接するか、引抜き加工などにより円筒状などの形状にして、たとえば外径が3mm程度で肉厚が0.1mm程度の円筒体を所定の長さに形成することができる。また、カソード21は図2に示されるように、両端部にエンドハット21aを有する筒状体で、図示されていないが、オキサイドを塗布できるように凹凸がある形状に、たとえばエミッション活性化物質(アクチベータ)を含むNiの機械加工などにより形成される。このカソード21は、とくにその外径はアノード部1のベーン12先端部との間隔に直接影響するため、1/100mm程度以下の非常に精密な寸法に形成される。その後、筒状金属体22の一端部側の所定位置にカソード21を挿入して接合する(S1)。この接合は、たとえばエキスパンド加工により行うことができる。エキスパンド加工は、たとえば筒状金属体22内のカソード21の部分に特殊ゴムを挿入し、その特殊ゴムを両端部から金属棒などにより押し付けて圧力をかける方法で、このような方法で圧力をかけることにより、筒状金属体22は肉厚の薄い金属であるため、特殊ゴムの膨張により、機械的強度の弱い筒状金属体22は押し広げられ、カソード21は肉厚が厚いため変形せず、カソード21の内周面に筒状金属体22が密着する。その結果、筒状金属体22とカソード21とは、電気的にも機械的にも確実に接合され、一体化される。
つぎに、電子放出を容易にするため、Niの結晶粒塊が大きくなるように、たとえば1000℃程度の温度で熱処理を行う(S2)。この熱処理は、カソード21からの電子放出を容易にするものであるので、カソード21の部分だけ熱処理を行えばよいが、カソード21のみの単体の状態でこの熱処理を行うと、Niの融点に近い1000℃程度の高い温度で熱処理されることになるため、剛性が低下して変形しやすくなり、筒状金属体22と接合する際に変形して、カソード21の精密な寸法を維持することができなくなる。そのため、筒状金属体22と接合した状態で水素炉などの加熱炉に入れて熱処理を行う必要がある。その結果、筒状金属体22も高温の熱処理がなされ、筒状金属体22の剛性が著しく低下する。
そこで、本発明では、この熱処理の後の工程で、筒状金属体22に、機械加工による加工硬化を施している(S3)。この加工硬化は、金属材料に外力を加えることにより、結晶構造を変化させて、硬化させるもので、その方法については後述する。なお、この加工硬化の工程は、熱処理の後であれば良く、つぎに述べる電子放出物質の塗布を行った後に硬化処理を行ってもよい。
この後、カソード21の凹部内に、たとえばバリウム、ストロンチウムおよびカルシウムなどの炭酸塩の混合物からなり、真空下で加熱分解して酸化物のオキサイドとする電子放出物質を塗り込み、さらに、ヒータ28を組み込んでカソード外部端子25、ヒータ外部端子27、第1の絶縁体23、第2の絶縁体26などと接続して入力部2を形成する(S4)。その後、アノード部1のベーン12の先端部の中心部にカソード21が位置するようにアノード部1に組み立てることにより製造される(S5)。なお、この入力部2の形成や、アノード部1との組立ての際のロウ付けは、その接合部のみを部分的に昇温することができるため、また、ロウ付け温度はなまし効果が生じる温度より低いため、前述の筒状金属体22のなまし効果は生じない。
つぎに、加工硬化の方法について説明する。1つの方法として、たとえば図3(a)に原理図が示されるように、定盤61上で、筒状金属体22の内部に金属棒63を入れておいて潰れないようにし、厚い金属板62などで圧力をかけながら筒状金属体22を転がすことにより、硬化処理を行うことができる。図3(a)は原理的説明図であるが、実際に作業を行う場合には、たとえば図3(b)に示されるように、同じ方向に回転し得る2個のローラ64、65の隙間に筒状金属体22を載置し、上から空転する第3のローラ66を圧力Pで押し付けて2個のローラ64、65を回転させることにより、図3(a)の原理と同様に筒状金属体22に力をかけながら回転させることができる。
この機械加工による硬化処理は、このような転がしに限らず、たとえば図4に示されるように、筒状金属体22の外周にディンプル22aを形成する加工でもよい。このようなディンプル22aは、たとえば筒状金属体22の内径よりも小さめの心棒、または雌型状の心棒を入れておいて、外側からディンプル21aの形状をした凸部を有する雄型などで挟み込んで圧力をかけることにより雄型の凸部と一致した形状の窪み部分を形成することができる。このような加工を施すことにより、ディンプル21a部分はもちろん、ディンプル21aの間の部分も引っ張り力などが加わり、結晶構造が変化して硬化させることができる。このようなディンプル21aは、雄型など、押し付ける部材の凸部の形状を変えるだけでその形状や大きさ、間隔などを自由に変えることができる。そのため、振動に対する共振周波数をずらすことも可能となり、一定の振動に対しては、さらに耐振動性の向上を図ることができる。また、このようなディンプル21aの形成は、平らな円筒体よりも、撓みなどに対する強度が向上し、結局、このようなディンプル21aの形成による硬化処理を行うことにより、硬化処理による金属材料の剛性の向上のみならず、筒状金属体22の形状による剛性の向上、およびディンプル形状による共振の回避という3つの効果を発揮することができる。
加工硬化のさらに他の例として、たとえば図5または図6に示されるように、円筒状から角型に変形させる加工を施すことでも良い。図5に示される例は、四角形の筒状金属体22に変形したもので、図6に示される例は、8角形の筒状金属体22に変形したものである。このような形状に変形する場合でも、前述のディンプル21aの形成と同様に、小さめの心棒または断面が四角形や八角形などの心棒を入れておいて、肉厚分大きくした同じ形状に形成した金型により成形することにより、所望の形状に変形させることができる。このような多角形状にすることにより、後述するように、金属の結晶構造の変化による剛性の向上とは別に、形状に伴う剛性向上の効果も有している。そのため、最初の筒状金属体22を形成する際にこのような形状の筒状金属体22に形成しておくこともできる。この場合、熱処理後の加工硬化は、角型形状の平坦部に外力を印加させても良いし、角型の筒状金属体22を形成する際の金型で圧力をかけて整形するだけでも、熱処理によりなまされた結晶構造を変化させて剛性をもたせることができる。
このような角型の筒状金属体22の剛性が円筒状金属体の剛性よりも優れている理由について説明をする。剛性を表す指標として、撓みの大きさで見ることができる。図2に示されるように、一端支持の構造は、片持ちはりの先端部の撓み量によりその剛性を判断することができる。片持ちはりの撓みδは、荷重をP、はりの長さ(筒状金属体の長さ)をL、縦弾性係数をE、断面2次モーメントをIとすると、撓みδは、
δ=P・L3/(3E・I)
で表され、断面2次モーメントIが大きいほど撓みは小さいことになる。
断面2次モーメントは、たとえば断面形状が円形の場合、その外径をa、内径をbとすると、断面2次モーメントI1は、I1=π(a4−b4)/64となる。一方、断面形状が正四角形の場合、外周の1辺の長さ変をc、内周の1辺の長さをdとすると、断面2次モーメントI2は、I2=(c4−d4)/12で表される。今、a=3.0mm、b=2.8mmとすると、断面が円形の場合の断面2次モーメントI1は、I1=0.96となる。一方、c=3.0mm、d=2.8mmとすると、I2=1.63となる。したがって、正四角形状にすることにより断面2次モーメントが大きくなり、撓み量は断面が円形の場合よりも小さくなる。この形状は四角形に限らず、他の多角形にしても同様に撓みを小さくすることができる。すなわち、角型にするだけで剛性が強くなり、さらに、前述の熱処理後の硬化処理による剛性の向上の両効果が得られる。
図7は、筒状金属体22の形状による剛性の向上のさらに他の例である。すなわち、図7に示される例は、筒状金属体22の外周に軸方向に沿ってフィン22bを設けたものである。このフィン22bは、円筒状金属体の外周にリボン状のニッケル板を溶接などにより貼り付けても良いし、筒状金属体22を形成する際に、プレス加工によりフィン22b部分を直接突起状に一体で形成することもできる。従って、フィン22bを形成するための工数はそれほど上昇せず、コスト上昇を抑えながら、筒状金属体22の肉厚を薄いままで剛性をもたせることができるため、カソードからの熱の逃げを防止することができる。さらに、フィン22b自体は非常に薄くて小さいものであるため、熱伝導も小さく、剛性を向上させながらカソードの温度を高く維持することができる。一方、熱処理後の硬化処理のための機械加工では、予め形成されているフィン22b以外の部分をプレスにより挟み付けて外力を加える加工をすることにより剛性を向上させることができる。しかし、このようなフィン22bが形成されることにより、熱処理によっても筒状金属体22としての剛性は余り低下しないので、そのまま用いることもできる。
図8に示される例は、筒状金属体22をテーパ状にしたものである。このようなテーパ状に形成されていると、長さ全体で同じ太さの円筒状金属体よりも剛性が向上する。それは、カソード21を接合している筒状金属体22の他端部(固定部)の径を大きくできるからである。このようなテーパ状にする場合でも、筒状金属体22を形成する際にテーパ状に形成しておいて、熱処理後の硬化処理の際に転がしなどの機械加工を施す(図3のローラの軸方向の太さをテーパに合せて形成しておくことにより同様の硬化処理を行うことができる)ことにより、さらに剛性を高めることもできるし、全長が同じ太さの円筒状金属体でカソードとの接合をしておいて、熱処理後の硬化処理の際にテーパ状に加工することもできる。とくに熱処理によりなまされているため、転がしながらテーパ状の心棒を挿入することにより、所望のテーパ形状に形成することができる。
以上のように、加工硬化は、筒状金属体22の形状を、たとえば外周面にディンプルを形成したり、断面形状を円形から多角形やテーパ状に変化させたりする加工や、筒状金属体22の外形や表面状態そのものは何ら変形させずに、金属材料そのものに外力を加えて金属の結晶構造を変化させることにより行うことができる。
前述の図6に示される、円筒状の筒状金属体22を熱処理後に八角形にする硬化処理を施した場合(A)、および図7に示される、フィン22bを形成して、熱処理後に整形の硬化処理を施した場合(B)の吊り下げ荷重に対する撓み量を、従来の円筒状の筒状金属体のままで熱処理後の硬化処理が施されていない場合(C)の撓み量を比較して図9に示してある。このデータは、筒状金属体22の他端部側を固定して、一端部側(カソード21側)に荷重をかけたときの一端部側の撓み量を調べた結果である。図9から明らかなように、熱処理後に断面形状を円形から多角形の筒状金属体に加工する硬化処理を行ったり(A)、フィン22bを外周に付加して熱処理後の硬化処理を行ったり(B)することにより、円筒状のままで硬化処理を行わない場合(C)に比べて、大幅に剛性が向上することが分る。
また、これらの硬化処理を行った入力部を備えたマグネトロンに、加速度が3Gの振動を与えて発振させたときの発振スペクトラムを図10に示す。横軸は周波数(1目盛り2MHz)で、ピークの中心周波数は9.4GHzを示し、縦軸は、RF検出出力である。従来の同様のスペクトラムを表す図12と比較すると、本発明によれば、ノイズの殆ど無い非常にきれいなスペクトラムが得られ、加速度3Gの振動に対しても、筒状金属体の揺れが殆ど無いことが分る。
本発明によるマグネトロンの製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。 本発明のマグネトロンのアノード部および入力部の断面説明図である。 本発明による加工硬化の一例を示す説明図である。 本発明による硬化処理後の筒状金属体の外形例である。 本発明による硬化処理後の筒状金属体の外形例である。 本発明による硬化処理後の筒状金属体の外形例である。 本発明による硬化処理後の筒状金属体の外形例である。 本発明による硬化処理後の筒状金属体の外形例である。 本発明による硬化処理による効果を撓み量で示した図である。 本発明によるマグネトロンを発振させて振動を加えたときの発振スペクトラムである。 従来のマグネトロンのアノード部および入力部の斜視説明図である。 従来のマグネトロンに振動を加えたときの発振スペクトラムである。
符号の説明
1 アノード部
2 入力部
11 アノードシェル
12 ベーン
14 ストラップ
16 ポールピース
17 金属管
18 ワッシャ
21 カソード
21a エンドハット
22 筒状金属体
22a ディンプル
22b フィン
23 第1の絶縁体
25 カソード外部端子
26 第2の絶縁体
27 ヒータ外部端子
28 ヒータ

Claims (1)

  1. 複数個のベーンが放射状に設けられるアノード部の中心部に、筒状金属体の一端部側に固着されたカソードが配置されるように前記筒状金属体の他端部を固定するマグネトロンの製造方法において、前記筒状金属体にカソードを固着し、熱処理を施した後に、前記筒状金属体を加工硬化させる工程を加えた後に、前記カソードが前記アノード部の中心に位置するように固定することを特徴とするマグネトロンの製造方法。
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