JP2022069050A - カソード構体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長時間速動性を維持することが可能なカソード構体を提供する。【解決手段】 カソード構体は、カソードと、ヒータ13と、それぞれ複数の長丸孔部hを有する複数個のヒータ支持用部材16と、反射筒と、を備える。各々のヒータ支持用部材16は、各々の長丸孔部hにおいて、第1円弧面S1と、第2円弧面S2と、を有する。各々のヒータ支持用部材16の複数の長丸孔部hは対応する基準線RLに沿って交互に並べられた複数の第1長丸孔部h1及び複数の第2長丸孔部h2を有する。第1長丸孔部h1においてヒータ13は第2円弧面S2に接触し、複数の第2長丸孔部h2においてヒータ13は第1円弧面S1に接触している。【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、カソード構体に関する。
例えばクライストロンや進行波管などの直線電子ビームを利用して、高周波RF信号を生成したり、増幅したりするマイクロ波管がよく知られている。この電子管は、電子を放出するカソードと、このカソードから間隔を置いて配置されたアノードと、電子を捕集するコレクタと、を少なくとも具備している。ここで、電子ビームを放出する電子銃は、通常ピアス型となっている。アノードは、その中心に開口部を有している。断面凹形状のカソードとアノードとの間に高電圧を印加すると、アノードの開口部を通過する電子ビームが得られる。このような電子銃については、これまで種々のものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、このような電子銃に適用される電子管用カソード構体としては、複数個のセラミックス製ヒータ支持用部材の丸孔部を通してヒータが固定されている。(例えば、特許文献2参照)。
特開2006-127899号公報 特開2016-207281号公報
本実施形態は、長時間速動性を維持することが可能なカソード構体を提供する。
一実施形態に係るカソード構体は、
電子を放出するカソードと、管軸を中心として旋回しながら延在し、前記カソードを加熱するヒータと、それぞれ前記ヒータの軌道上に設けられ前記ヒータの移動を規制するための複数の長丸孔部を有し、絶縁体によって形成された複数個のヒータ支持用部材と、前記ヒータ及び前記複数個のヒータ支持用部材を収容し、前記複数個のヒータ支持用部材との相対的な位置が固定された反射筒と、を備え、各々の前記ヒータ支持用部材は、各々の前記長丸孔部において、第1円弧面と、前記第1円弧面より前記管軸側に位置した第2円弧面と、を有し、各々の前記ヒータ支持用部材の前記複数の長丸孔部は対応する直線状の基準線に沿って交互に並べられた複数の第1長丸孔部及び複数の第2長丸孔部を有し、前記複数の第1長丸孔部において、前記ヒータは前記第2円弧面に接触し、前記複数の第2長丸孔部において、前記ヒータは前記第1円弧面に接触している。
また、一実施形態に係るカソード構体は、
電子を放出するカソードと、管軸を中心として旋回しながら延在し、前記カソードを加熱するヒータと、それぞれ前記ヒータの軌道上に設けられ前記ヒータの移動を規制するための複数の長丸孔部を有し、絶縁体によって形成された複数個のヒータ支持用部材と、前記ヒータ及び前記複数個のヒータ支持用部材を収容し、前記複数個のヒータ支持用部材との相対的な位置が固定された反射筒と、を備え、各々の前記ヒータ支持用部材は、各々の前記長丸孔部において、第1円弧面と、前記第1円弧面より前記管軸側に位置した第2円弧面と、を有し、前記ヒータは、前記複数の第1円弧面及び前記複数の第2円弧面に交互に接触しながら旋回している。
図1は、一実施形態に係るクライストロンを示す構成図である。 図2は、図1に示した電子銃構体を示す側断面図である。 図3は、電子管用のヒータ構体をアノード側から見た平面図である。 図4は、図2の反射筒の側部を欠截して上記ヒータ構体を示した側面図である。 図5は、図4の第1ヒータ支持用部材を拡大して示す側面図である。 図6は、図4の第2ヒータ支持用部材を拡大して示す側面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
始めに、本発明の実施形態の基本構想について説明する。
電子銃構体においては、ヒータがカソードを約1000℃の温度にすることでカソードより電子が放出される。カソードの温度は、ヒータへの電力入力後に徐々に上昇し、ヒータからカソードへの熱放射および熱伝導により定常状態に達して安定化する。
ところで、近年、電子管の搭載された装置の立ち上げ時間を短縮する要望が強くなっておりカソードの速動性向上が強く望まれている。
しかしながら、短時間でカソード温度を上昇させるためには、急激に高い電力をヒータへ入力する必要がある。すなわち、ヒータへ熱応力が急激に加わったり、ヒータの熱膨張が急激に起こったりするため、繰り返し使用すると従来の電子管用カソード構体では、ヒータの破断や変形、ヒータ支持用部材の破断が生じ、電子管の寿命が短縮する恐れがある。
かかる問題を解決すべく、本発明の実施形態においては、長時間速動性を維持することが可能なカソード構体を得ることができるものである。次に、上記問題を解決するための手段及び手法について説明する。
(一実施形態)
一実施形態に係るクライストロンKTについて説明する。
図1は、一実施形態に係るクライストロンKTを示す構成図である。
図1に示すように、クライストロンKTは、電子銃構体1と、コレクタ2と、高周波相互作用部3と、集束コイル4と、出力導波管5と、を備えている。コレクタ2、高周波相互作用部3及び出力導波管5は、それぞれ、金属部材で形成されている。
電子銃構体1は、電子ビームを放射するカソード構体(含浸型カソード構体と称する場合もある)1aと、カソード構体1aから放出された電子ビームを加速させ、電子の流れをコレクタ2の方向に作るアノード1bと、を有している。図1に示した例では、電子銃構体1は、1個のカソード構体1aを有している。なお、電子銃構体1は、複数個のカソード構体1aを有していてもよい。複数個のカソード構体1aを有する場合、電子銃構体1は、複数の電子ビームを放出できる。
コレクタ2は、高周波相互作用部3を通過した使用済みの電子ビーム(スペントビーム)を捕捉し、スペントビームのエネルギを熱に変換する。コレクタ2は、図示しない冷却機構により冷却されている。
高周波相互作用部3は、クライストロンKTのボディ部である。高周波相互作用部3は、電子銃構体1及びコレクタ2の間に気密に接続されている。高周波相互作用部3は、入力空胴3aと、少なくとも1つの中間空胴3bと、出力空胴3cと、ドリフト管3dと、を有している。
入力空胴3aは、電子銃構体1及びコレクタ2の間に位置している。中間空胴3bは、入力空胴3a及びコレクタ2の間に位置している。出力空胴3cは、中間空胴3b及びコレクタ2の間に位置し、穴部Oが形成されている。ドリフト管3dは、入力空胴3a、中間空胴3b及び出力空胴3cを気密に連結している。図1に示した例では、高周波相互作用部3は、3つの中間空胴3bを有している。また、入力空胴3a、中間空胴3b及び出力空胴3cは、それぞれ、ドリフト管3dに接続されている。
ここで、高周波相互作用部3の動作原理について説明する。入力信号が入力空胴3aに入力される。入力信号は、例えば、電波(マイクロ波)である。電子銃構体1から放射された電子ビームは、入力空胴3aを通過するとき、入力空胴3aに入力された入力信号により速度変調される。その後、電子ビームが一様電界中を通過する間、電子ビームに密度変調が生じる。密度変調が生じることにより、電子ビームは、次第に集群(バンチ)される。集群された電子ビームは、中間空胴3bを通過する度に相互作用により空胴に高周波電界を発生する。これにより、電子ビームはその電界により再度速度変調を受ける。
集群された電子ビームは、出力空胴3cの間隙を通過する時、大きな交流電界を誘起する。出力空胴3cの間隙を通過した電子ビームは、増幅された高周波(大電力マイクロ波)の出力信号として出力空胴3cから外部に出力される。つまり、高周波相互作用部3は、入力空胴3aに入力された入力信号を増幅した高周波の出力信号として出力空胴3cから出力する。
集束コイル4は、筒状に形成され、高周波相互作用部3の外周を囲んでいる。集束コイル4は、電子銃構体1から放射される電子ビームを集束するものである。
出力導波管5は、高周波相互作用部3の出力空胴3cの穴部Oに接続されている。出力導波管5の内側の空間は、出力空胴3cの内側の空間と連続である。出力導波管5には、誘電体で形成された出力窓5aが気密に取り付けられている。出力導波管5は、穴部Oを介して出力空胴3cから入力された出力信号を出力窓5aから出力する。
次に、電子銃構体1について説明する。
図2は、図1に示した電子銃構体1を示す側断面図である。図2には、電子管に適用される電子銃構体の一例を示している。ここでは、クライストロンに使用される電子銃構体を例にとり、速動型の電子管用のカソード構体1a等について説明する。
図2に示すように、電子銃構体1は、その管軸mを軸中心に持ち、カソード構体1a、アノード1b等を備えている。カソード構体1aは、カソード11、ヒータ13などを備えている。
アノード1bは、カソード11の前方に取り付けられている。ヒータ13は、カソード11の後方に配置され、カソード11を加熱する。カソード11は、電子を放出する。ここで、カソード11としては、所定の曲率をもつ断面凹形状であって円形状に形成されたいわゆる含浸型カソードや酸化物カソードが用いられる。含浸型カソードの場合、例えば、空孔率(ポロシティともいう)が約20%の多孔質タングステン基体の空孔部に電子放射物質が含浸される。電子放射物質としては、例えば、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウムの混合物が用いられる。
カソード11は、その外周端面が円筒状のカソードスリーブ14の前端で強固に保持されている。カソードスリーブ14は、その後端が円環状のフランジ部材15に溶接され支持されている。このカソードスリーブ14は、例えば、薄肉のモリブデンやレニウム・モリブデン合金によって形成されている。ここで、カソード11及びカソードスリーブ14は、例えばモリブデン・ルテニウム合金のようなロウ材によって接合されている。また、フランジ部材15は、例えばモリブデンなどの導電体によって形成されている。
ヒータ13は、その詳細は後述されるが、例えばタングステン線やレニウム・タングステン線によって形成され、その形状は渦巻きコイル状に形成されている。ヒータ13は、管軸mを中心として旋回しながら延在している。コーン状に配置されたセラミックス製のヒータ支持用部材16(16a,16b)は、その孔部を通してヒータ13を支持している。ヒータ支持用部材16(16a,16b)は、絶縁体で形成されている。ヒータ支持用部材16(16a,16b)は、例えば、緻密構造のアルミナセラミックスによって形成されている。
ヒータ13やヒータ支持用部材16(16a,16b)は、例えば有底円筒状の反射筒17内に収容されている。固定部材18は、反射筒17に対する複数個のヒータ支持用部材16の相対的な位置を固定している。ここで、固定部材18は、反射筒17と共に、例えばモリブデンやレニウム・モリブデン合金によって形成され、ヒータ支持用部材16(16a,16b)を固持し反射筒17の内壁に接合されている。
本実施形態において、固定部材18は、筒部18aと、ヒータ支持用部材16と同数の突き出し片18bと、を有している。筒部18a及び複数の突き出し片18bは、一体に形成されている。管軸mに沿った方向において、突き出し片18bは、対応するヒータ支持用部材16を反射筒17に押圧している。固定部材18は、溶接等により反射筒17に固定されている。これにより、反射筒17及び固定部材18は、それぞれ、複数個のヒータ支持用部材16(16a,16b)との相対的な位置が固定されている。
また、この反射筒17は、カソードスリーブ14の内部に位置しており、ヒータ13がカソード11の後方の所定のところに位置するように取り付けられている。
線状のヒータ13の一端は、反射筒17の底部から延出する第1ヒータリード19aにつながっている。この第1ヒータリード19aは、例えばモリブデン等の導電体から成るカソード支持筒20の前端のフランジ及び上述したフランジ部材15の穴部に取り付けられた絶縁性のヒータガイド21を通して、カソード支持筒20内に取り出される。なお、カソード支持筒20の前端のフランジは、フランジ部材15と溶接されている。
また、ヒータ13の他端は、反射筒17の底部から延出する第2ヒータリード19bにつながっている。この第2ヒータリード19bも上述したカソード支持筒20の前端のフランジ及びフランジ部材15に設けた別の穴部の絶縁性のヒータガイド21を通して、カソード支持筒20内に取り出される。第2ヒータリード19bは、カソード支持筒20の内面に溶接されている。
一方、第1ヒータリード19aは、カソード支持筒20の内部に延在するリード支持部材22に電気的に接続されている。カソード支持筒20の後端は、筒状のカソード支持体23と接合されている。カソード支持体23は、その後端側が拡径しており、円盤状の絶縁板24により閉じられている。リード支持部材22は、絶縁板24を貫通し、ヒータ端子25に接続され、カソード支持筒20及びカソード支持体23の外部に取り出されている。ここで、カソード支持体23の外周面は、カソード端子26が接合されている。絶縁板24は、ヒータ端子25とカソード端子26とを電気的に絶縁する。
カソード11は、カソードスリーブ14、フランジ部材15、カソード支持筒20及びカソード支持体23によりカソード端子26に電気的に接続されている。カソード11から放出される電子ビームを集束するウェネルト電極28は、例えばステンレス製であり、カソード支持筒20及びカソード支持体23によりカソード端子26に電気的に接続され、カソード11と同電位の構造になる。絶縁体シェル27は、例えばセラミックス製であり、筒状絶縁体によって形成されている。この絶縁体シェル27は、アノード1bとカソード端子26とを互いに絶縁した状態で保持している。
上記の電子銃構体において、電子管用のカソード構体1aは、カソード11、ヒータ13、ヒータ支持用部材16(16a,16b)を少なくとも含んでいる。
カソード構体1aは、さらに、反射筒17、ヒータ支持用部材16を反射筒17に固定する固定部材18、ヒータリード19(19a、19b)等を含んでいても構わない。
図3は、図3は、電子管用のヒータ構体をアノード1b側から見た平面図である。図4は、図2の反射筒17の側部を欠截して上記ヒータ構体を示した側面図である。図4において、反射筒17及び固定部材18に関しては断面構造を示している。図5は、図4の第1ヒータ支持用部材16aを拡大して示す側面図である。図6は、図4の第2ヒータ支持用部材16bを拡大して示す側面図である。図5及び図6において、複数の第1長丸孔部h1及び複数の第2長丸孔部h2の配列を拡大して示している。また、図5及び図6において、第1長丸孔部h1及び第2長丸孔部h2におけるヒータ13も図示している。
ここで、ヒータ構体は、電子管用カソード構体からカソード11、カソードスリーブ14あるいはウェネルト電極28を除いたもので、ヒータ13、ヒータ支持用部材16及び反射筒17を少なくとも含んでいる。
図3乃至図6に示すように、複数個のヒータ支持用部材16は、一又は複数個の第1ヒータ支持用部材16aと、第1ヒータ支持用部材16aと同数個の第2ヒータ支持用部材16bと、を有している。本実施形態において、複数個のヒータ支持用部材16は、2個の第1ヒータ支持用部材16aと、2個の第2ヒータ支持用部材16bと、を有している。なお、複数個のヒータ支持用部材16は、偶数個のヒータ支持用部材を有していればよい。そのため、第1ヒータ支持用部材16a及び第2ヒータ支持用部材16bの個数は、それぞれ1個でもよく、3個以上でもよい。
第1ヒータ支持用部材16a及び第2ヒータ支持用部材16bは、管軸mを中心とする周方向において、交互に設けられている。本実施形態において、第1ヒータ支持用部材16a及び第2ヒータ支持用部材16bは、周方向に等間隔を空けて位置している。
1本のヒータ13は、交互に配置された偶数個のヒータ支持用部材16によって支持されている。各々のヒータ支持用部材16は、例えば1mm程度の薄い板厚を有し、それらの外形がほぼ短冊状に加工されている。各々のヒータ支持用部材16は、管軸mを中心として半径方向に延在している。つまり、2個の第1ヒータ支持用部材16a及び2個の第2ヒータ支持用部材16bは、管軸mを中心として90°回転対称に交互に配置されている。
第1ヒータ支持用部材16a及び第2ヒータ支持用部材16bは、それぞれ反射筒17内で所定角度に立設され、それぞれの上端が固定部材18により反射筒17上方の内壁に固定され、それぞれの下端が反射筒17の底部に固持されている。
各々のヒータ支持用部材16は、複数の長丸孔部hを有している。複数の長丸孔部hは、それぞれ、ヒータ13の軌道上に設けられ、ヒータ13の移動を規制することができる。
ヒータ13は、タングステン線やレニウム・タングステン線によって形成されている。1本のヒータ13は、複数の長丸孔部hを通って第1ヒータ支持用部材16a及び第2ヒータ支持用部材16bに支持され、渦巻きコイル状に形成されている。ここで、ヒータ13の一端は、反射筒17の底部に設けた第1孔部17aから第1ヒータリード19aとして延出している。ヒータ13の他端は、反射筒17の底部に設けた第2孔部17bから第2ヒータリード19bとして延出している。
このようにして、第1ヒータ支持用部材16a及び第2ヒータ支持用部材16bにより支持されコーン状に捲回されたヒータ13は、カソード11の後方に近接して配置され、カソードを加熱する。カソード11は、上記の通り、凹球面の電子放射表面をもつ含浸型カソードであり、多孔質タングステン母体に電子放射物質を含浸させることによって形成されている。カソード11の裏面は、凸球面状をなしており、コーン状のヒータ13が凸球面に沿って近接配置されている。
各々のヒータ支持用部材16は、各々の長丸孔部hにおいて、第1円弧面S1と、第1円弧面S1より管軸m側に位置した第2円弧面S2と、互いに平行である一対の平行面S3と、を有している。
本実施形態において、各々の長丸孔部hは、図5及び図6において長円の形状を有している。ここで、長円は、等しい長さを持つ2本の平行線と、等しい半径を持つ2つの半円と、を有している。
各々のヒータ支持用部材16の複数の長丸孔部hは対応する直線状の基準線RLに沿って交互に並べられた複数の第1長丸孔部h1及び複数の第2長丸孔部h2を有している。第1ヒータ支持用部材16aの複数の第1長丸孔部h1及び複数の第2長丸孔部h2は、対応する直線状の基準線RLaに沿って交互に並べられている。第2ヒータ支持用部材16bの複数の第1長丸孔部h1及び複数の第2長丸孔部h2は、対応する直線状の基準線RLbに沿って交互に並べられている。
第1ヒータ支持用部材16aの複数の長丸孔部hにおいて、最もカソード11側に位置した長丸孔部は、第2長丸孔部h2である。第2ヒータ支持用部材16bの複数の長丸孔部hにおいて、最もカソード11側に位置した長丸孔部は、第1長丸孔部h1である。
ヒータ13は、基準線RLと交差しながら旋回している。
複数の第1長丸孔部h1において、ヒータ13は第2円弧面S2に接触している。複数の第2長丸孔部h2において、ヒータ13は第1円弧面S1に接触している。
ヒータ13は、複数の第1円弧面S1及び複数の第2円弧面S2に交互に接触しながら旋回している。
上記のように構成された、一実施形態に係るクライストロンKTによれば、カソード構体1aは、カソード11と、ヒータ13と、それぞれ複数の長丸孔部hを有する複数個のヒータ支持用部材16と、反射筒17と、を備えている。ヒータ支持用部材16に形成された孔部は、ヒータ13を完全に固定する円形の孔部ではなく、長丸孔部hである。ヒータ支持用部材16は、長丸孔部hの長軸方向に遊びを持ってヒータ13を支持している。
これにより、ヒータ13が急激に加熱されても、複数の第1長丸孔部h1及び複数の第2長丸孔部h2を持つヒータ支持用部材16は、ヒータ13の熱変形や熱膨張による熱応力を緩和することができる。このため、第1ヒータ支持用部材16a及び第2ヒータ支持用部材16bへの負荷を抑制することができるため、第1ヒータ支持用部材16a及び第2ヒータ支持用部材16bの破断を抑制又は防止することができる。
上述したことから、長時間速動性を維持することが可能なカソード構体1aを得ることができる。また、ヒータ支持用部材16の劣化を抑制することができ、カソード構体1aの製品寿命の長期化を図ることができ、ひいては、電子管の製品寿命の長期化を図ることができる。
本発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、カソード構体1aは、固定部材18無しに構成されてもよい。その場合、反射筒17が、突き出し片18bの代替となる突き出し片でヒータ支持用部材16を押さえつければよい。
1a…カソード構体、11…カソード、13…ヒータ、16…ヒータ支持用部材、
16a…第1ヒータ支持用部材、16b…第2ヒータ支持用部材、17…反射筒、
18…固定部材、18a…筒部、18b…突き出し片、RLa,RLb…基準線、
S1…第1円弧面、S2…第2円弧面、S3…平行面、h…長丸孔部、
h1…第1長丸孔部、h2…第2長丸孔部、m…管軸。

Claims (6)

  1. 電子を放出するカソードと、
    管軸を中心として旋回しながら延在し、前記カソードを加熱するヒータと、
    それぞれ前記ヒータの軌道上に設けられ前記ヒータの移動を規制するための複数の長丸孔部を有し、絶縁体によって形成された複数個のヒータ支持用部材と、
    前記ヒータ及び前記複数個のヒータ支持用部材を収容し、前記複数個のヒータ支持用部材との相対的な位置が固定された反射筒と、を備え、
    各々の前記ヒータ支持用部材は、各々の前記長丸孔部において、第1円弧面と、前記第1円弧面より前記管軸側に位置した第2円弧面と、を有し、
    各々の前記ヒータ支持用部材の前記複数の長丸孔部は対応する直線状の基準線に沿って交互に並べられた複数の第1長丸孔部及び複数の第2長丸孔部を有し、
    前記複数の第1長丸孔部において、前記ヒータは前記第2円弧面に接触し、
    前記複数の第2長丸孔部において、前記ヒータは前記第1円弧面に接触している、
    カソード構体。
  2. 前記ヒータは、前記基準線と交差しながら旋回している、
    請求項1に記載のカソード構体。
  3. 前記複数個のヒータ支持用部材は、一又は複数個の第1ヒータ支持用部材と、前記第1ヒータ支持用部材と同数個の第2ヒータ支持用部材と、を有し、
    前記第1ヒータ支持用部材及び前記第2ヒータ支持用部材は、前記管軸を中心とする周方向において、交互に設けられ、
    前記第1ヒータ支持用部材の前記複数の長丸孔部において、最も前記カソード側に位置した前記長丸孔部は、前記第2長丸孔部であり、
    前記第2ヒータ支持用部材の前記複数の長丸孔部において、最も前記カソード側に位置した前記長丸孔部は、前記第1長丸孔部である、
    請求項1に記載のカソード構体。
  4. 前記複数個のヒータ支持用部材は、偶数個のヒータ支持用部材を有する、
    請求項1に記載のカソード構体。
  5. 前記反射筒に対する前記複数個のヒータ支持用部材の相対的な位置を固定するための固定部材をさらに備える、
    請求項1に記載のカソード構体。
  6. 電子を放出するカソードと、
    管軸を中心として旋回しながら延在し、前記カソードを加熱するヒータと、
    それぞれ前記ヒータの軌道上に設けられ前記ヒータの移動を規制するための複数の長丸孔部を有し、絶縁体によって形成された複数個のヒータ支持用部材と、
    前記ヒータ及び前記複数個のヒータ支持用部材を収容し、前記複数個のヒータ支持用部材との相対的な位置が固定された反射筒と、を備え、
    各々の前記ヒータ支持用部材は、各々の前記長丸孔部において、第1円弧面と、前記第1円弧面より前記管軸側に位置した第2円弧面と、を有し、
    前記ヒータは、前記複数の第1円弧面及び前記複数の第2円弧面に交互に接触しながら旋回している、
    カソード構体。
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