JP2021096951A - 陰極構体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 消費電力を低減することができる陰極構体を提供する。【解決手段】 陰極構体1aは、陰極基体10と、スリーブ20と、ヒータ30と、埋め込み材40と、を備える。スリーブ20は、陰極基体10の第2面に固定された第1端部(20A)と、上記第1端部と反対側の第2端部(20B)と、を有する。スリーブ20の外周面S20は、上記第1端部から上記第2端部に向かって先細る円錐台の側面に沿った形状を有する。【選択図】 図2
Description
本発明の実施形態は、陰極構体に関する。
一般に、含浸型陰極構体を備えた電子銃は、クライストロンや進行波管などの直流電子エネルギをマイクロ波電力に変換する電子管に用いられている。含浸型陰極構体は、陰極基体と、陰極基体に固定されたスリーブと、スリーブ内に埋め込まれたヒータと、スリーブ内でヒータを固定し、絶縁性を有するためにアルミナなどから成る埋め込み材とを備えている。含浸型陰極構体は、ヒータにより陰極基体が加熱されることで陰極基体の表面から電子を放射する。
本実施形態は、消費電力を低減することができる陰極構体を提供する。
一実施形態に係る陰極構体は、
第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、を有する陰極基体と、前記第2面に固定された第1端部と、前記第1端部と反対側の第2端部と、を有するスリーブと、前記第2面及び前記スリーブで囲まれた空間内に収容されたヒータと、前記空間内に埋め込まれ、前記ヒータを固定する埋め込み材と、を備え、前記スリーブの外周面は、前記第1端部から前記第2端部に向かって先細る円錐台の側面に沿った形状を有する。
第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、を有する陰極基体と、前記第2面に固定された第1端部と、前記第1端部と反対側の第2端部と、を有するスリーブと、前記第2面及び前記スリーブで囲まれた空間内に収容されたヒータと、前記空間内に埋め込まれ、前記ヒータを固定する埋め込み材と、を備え、前記スリーブの外周面は、前記第1端部から前記第2端部に向かって先細る円錐台の側面に沿った形状を有する。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
始めに、本発明の実施形態の基本構想について説明する。
ヒータにより陰極基体が加熱されることで陰極基体の表面から電子が放出される。ところで、含浸型陰極構体では、ヒータにより陰極基体が加熱されると同時にスリーブ等も加熱される。そのため、含浸型陰極構体のうち、スリーブの外周面と、含浸型陰極構体のうち陰極基体と反対側の面からの熱放射による熱損失が大きくなってしまう。すると、ヒータの消費電力の高騰を招いてしまう。
ヒータにより陰極基体が加熱されることで陰極基体の表面から電子が放出される。ところで、含浸型陰極構体では、ヒータにより陰極基体が加熱されると同時にスリーブ等も加熱される。そのため、含浸型陰極構体のうち、スリーブの外周面と、含浸型陰極構体のうち陰極基体と反対側の面からの熱放射による熱損失が大きくなってしまう。すると、ヒータの消費電力の高騰を招いてしまう。
なぜなら、含浸型陰極構体において、陰極基体以外の表面積が大きいためである。例えば、スリーブの外周面が、直円柱の外周面に沿った形状を有している場合、スリーブの外周面の表面積は大きくなってしまう。また、含浸型陰極構体のうち陰極基体と反対側の面の表面積も大きくなってしまう。上記のように、含浸型陰極構体において、陰極基体以外の表面積が大きくなる程、陰極基体以外の部分からの熱の逃げ量も大きくなってしまう。そのため、消費電力を低減することができる含浸型陰極構体が望まれている。
かかる問題を解決すべく、本発明の実施形態においては、消費電力を低減することができる陰極構体を得ることができるものである。次に、上記問題を解決するための手段及び手法について説明する。
(一実施形態)
一実施形態に係るクライストロンKTについて説明する。
図1は、一実施形態に係るクライストロンKTを示す構成図である。
図1に示すように、クライストロンKTは、電子銃部1と、コレクタ2と、高周波相互作用部3と、集束コイル4と、出力導波管5と、を備えている。コレクタ2、高周波相互作用部3及び出力導波管5は、それぞれ、金属部材で形成されている。
一実施形態に係るクライストロンKTについて説明する。
図1は、一実施形態に係るクライストロンKTを示す構成図である。
図1に示すように、クライストロンKTは、電子銃部1と、コレクタ2と、高周波相互作用部3と、集束コイル4と、出力導波管5と、を備えている。コレクタ2、高周波相互作用部3及び出力導波管5は、それぞれ、金属部材で形成されている。
電子銃部1は、電子ビームを放射する陰極構体(含浸型陰極構体、陰極、又は電子銃と称する場合もある)1aと、陰極構体1aから放出された電子ビームを加速させ、電子の流れをコレクタ2方向に作る陽極構体(陽極と称する場合もある)1bと、を有している。図1に示した例では、電子銃部1は、1個の陰極構体1aを有している。なお、電子銃部1は、複数個の陰極構体1aを有していてもよい。複数個の陰極構体1aを有する場合、電子銃部1は、複数の電子ビームを放出できる。
コレクタ2は、高周波相互作用部3を通過した使用済みの電子ビーム(スペントビーム)を捕捉し、スペントビームのエネルギを熱に変換する。コレクタ2は、図示しない冷却機構により冷却されている。
高周波相互作用部3は、クライストロンKTのボディ部である。高周波相互作用部3は、電子銃部1及びコレクタ2の間に気密に接続されている。高周波相互作用部3は、入力空胴3aと、少なくとも1つの中間空胴3bと、出力空胴3cと、ドリフト管3dと、を有している。
入力空胴3aは、電子銃部1及びコレクタ2の間に位置している。中間空胴3bは、入力空胴3a及びコレクタ2の間に位置している。出力空胴3cは、中間空胴3b及びコレクタ2の間に位置し、穴部Oが形成されている。ドリフト管3dは、入力空胴3a、中間空胴3b及び出力空胴3cを気密に連結している。図1に示した例では、高周波相互作用部3は、3つの中間空胴3bを有している。また、入力空胴3a、中間空胴3b及び出力空胴3cは、それぞれ、ドリフト管3dに接続されている。
ここで、高周波相互作用部3の動作原理について説明する。入力信号が入力空胴3aに入力される。入力信号は、例えば、電波(マイクロ波)である。電子銃部1から放射された電子ビームは、入力空胴3aを通過するとき、入力空胴3aに入力された入力信号により速度変調される。その後、電子ビームが一様電界中を通過する間、電子ビームに密度変調が生じる。密度変調が生じることにより、電子ビームは、次第に集群(バンチ)される。集群された電子ビームは、中間空胴3bを通過する度に相互作用により空胴に高周波電界を発生する。これにより、電子ビームはその電界により再度速度変調を受ける。
集群された電子ビームは、出力空胴3cの間隙を通過する時、大きな交流電界を誘起する。出力空胴3cの間隙を通過した電子ビームは、増幅された高周波(大電力マイクロ波)の出力信号として出力空胴3cから外部に出力される。つまり、高周波相互作用部3は、入力空胴3aに入力された入力信号を増幅した高周波の出力信号として出力空胴3cから出力する。
集束コイル4は、筒状に形成され、高周波相互作用部3の外周を囲んでいる。集束コイル4は、電子銃部1から放射される電子ビームを集束するものである。
出力導波管5は、高周波相互作用部3の出力空胴3cの穴部Oに接続されている。出力導波管5の内側の空間は、出力空胴3cの内側の空間と連続である。出力導波管5には、誘電体で形成された出力窓5aが気密に取り付けられている。出力導波管5は、穴部Oを介して出力空胴3cから入力された出力信号を出力窓5aから出力する。
出力導波管5は、高周波相互作用部3の出力空胴3cの穴部Oに接続されている。出力導波管5の内側の空間は、出力空胴3cの内側の空間と連続である。出力導波管5には、誘電体で形成された出力窓5aが気密に取り付けられている。出力導波管5は、穴部Oを介して出力空胴3cから入力された出力信号を出力窓5aから出力する。
次に、陰極構体1aについて説明する。
図2は、図1に示した陰極構体1aを示す断面図である。
図3は、図2に示したスリーブ20を示す拡大断面図である。図2及び図3には、陰極構体1aの中心軸CTを示している。
図2は、図1に示した陰極構体1aを示す断面図である。
図3は、図2に示したスリーブ20を示す拡大断面図である。図2及び図3には、陰極構体1aの中心軸CTを示している。
図2に示すように、陰極構体1aは、陰極基体10、スリーブ(陰極スリーブ又は筒状部材)20、筒部としての支持筒21、ヒータ30、及び埋め込み材40を備えている。図2に示した例では、陰極基体10、スリーブ20、及び埋め込み材40は、中心軸CTを中心として同軸状に配置されている。なお、陰極基体10、スリーブ20、及び埋め込み材40は、同軸状に配置されていなくともよい。
陰極基体10は、板状、例えば、円板状に形成されている。一例では、陰極基体10の直径は、例えば、20mmである。陰極基体10は、多孔質の金属部材、例えば、20%程度の空孔率を有する多孔質のタングステン(W)で形成されている。陰極基体10の空孔には、例えば、酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化アルミニウム(Al2O3)などから成る電子放出物質が含浸されている。
陰極基体10は、図1に示した陽極構体1b側に位置する電子放出面10Aと、電子放出面10Aとは反対側の裏面10Bとを有している。本実施形態において、電子放出面10Aは第1面として機能し、裏面10Bは第2面として機能している。電子放出面10Aは、所定の曲率を有している。図1に示した例では、電子放出面10Aは、裏面10B側に窪んでいる曲面状に形成されている。
電子放出面10Aを曲面状に加工(切削加工)する際に、陰極基体10の空孔の目潰れが生じる可能性がある。空孔の目潰れが生じると、上記電子放出物質が、空孔に充分に含浸されない可能性がある。そのため、以下に示すような方法で電子放出物質を陰極基体10に含浸させることが望ましい。
はじめに、電子放出面10Aを曲面状に加工する前に、陰極基体10の空孔に金属部材、例えば、銅(Cu)を含浸させる。次に、電子放出面10Aを曲面状に加工した後に、陰極基体10を水素雰囲気下又は真空下において加熱して、含浸されている銅を飛散させる。その後、陰極基体10の空孔に電子放出物質を含浸させる。
なお、電子放出面10Aを曲面状に加工する前に、陰極基体10の空孔に含浸する材料は銅等の金属に限定されるものではなく種々変形可能である。例えば、陰極基体10の空孔に含浸する材料は、プラスチック、例えばアクリル系の樹脂であってもよい。
その場合、電子放出面10Aを曲面状に加工する前に、陰極基体10の空孔にアクリル系の樹脂を含浸させる。次に、電子放出面10Aを曲面状に加工した後に、陰極基体10を水素雰囲気下又は真空下において加熱して、含浸されている樹脂を飛散させる。その後、陰極基体10の空孔に電子放出物質を含浸させる。
その場合、電子放出面10Aを曲面状に加工する前に、陰極基体10の空孔にアクリル系の樹脂を含浸させる。次に、電子放出面10Aを曲面状に加工した後に、陰極基体10を水素雰囲気下又は真空下において加熱して、含浸されている樹脂を飛散させる。その後、陰極基体10の空孔に電子放出物質を含浸させる。
以上に示した方法により陰極基体10の空孔に電子放出物質を充分に含浸させることができる。陰極基体10は、所定の温度に到達した際に電子を放出する。例えば、陰極基体10は、900℃乃至1050℃に到達した際に電子放出面10Aから電子を放出する。なお、陰極基体10は、900℃より低い温度で電子を放出してもよいし、1050℃より高い温度で電子を放出してもよい。
図2及び図3に示すように、スリーブ20は、筒状の形状を有し、外径が異なる端部20Aと端部20Bとを有している。本実施形態において、端部20Aは第1端部として機能し、端部20Bは第2端部として機能している。端部20Aは、陰極基体10の裏面10Bに固定されている。端部20Aは、例えば、ルテニウム−モリブデン(Ru−Mo)合金により裏面10Bにろう付けされている。スリーブ20において、端部20Bは、端部20Aと反対側に位置している。端部20B側の開口は、埋め込み材40を形成する際に、材料をスリーブ20の内部に取り入れるための取入れ口として機能している。
スリーブ20は外周面S20を有している。外周面S20は、端部20Aから端部20Bに向かって先細る仮想の円錐台(直円錐台)TCの側面TCsに沿った形状を有している。スリーブ20の外径Dのうち、端部20Aの外径を第1外径D1とし、端部20Bの外径を第2外径D2とする。第2外径D2は、第1外径D1よりも小さくなっている。すなわち、スリーブ20の端部20B側はテーパ状に形成され、端部20Bの手前から端部20Bに向かって外径Dが小さくなっている。
本実施形態において、スリーブ20の外周面S20は、第1外周面S20a及び第2外周面S20bを有している。第1外周面S20aは、端部20Aから連続している。第1外周面S20aの外径Dは、第1外径D1であり、全長にわたって一定である。第2外周面S20bは、第1外周面S20aから端部20Bまで連続している。第2外周面S20bは、円錐台TCの側面TCsに沿った面である。
スリーブ20のサイズを例示する。第1外径D1は20mmである。第2外径D2は10mmである。スリーブ20の高さH(中心軸CTに沿った方向におけるスリーブ20の長さ)は10mmである。第2外周面S20bのテーパ角度θは、40°である。ここで、円錐台TCの一対の底面のうち端部20B側の底面を上底TCtとする。すると、テーパ角度θは、上底TCtから延長する仮想の平面(中心軸CTに垂直な仮想の平面)Pと、第2外周面S20bとの間の角度である。
なお、スリーブ20のサイズは、上記の例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、テーパ角度θは、40°に限らず、鋭角であればよい。
なお、スリーブ20のサイズは、上記の例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、テーパ角度θは、40°に限らず、鋭角であればよい。
スリーブ20は、モリブデン、モリブデンを主成分とする合金、又はモリブデンを含む合金で形成されている。なお、スリーブ20は、タングステン、ニオブ、タンタル、レニウム−モリブデン、又はこれらを含む合金で形成されてもよい。上記のことから、スリーブ20は、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、レニウム−モリブデン、又はこれらを含む金属材料で形成されてもよい。
図2に示すように、ヒータ30は、線状部材で形成されたフィラメントを有している。線状部材は、例えば、タングステンを主成分とする金属部材、又はモリブデンを主成分とする金属部材で形成されている。線状部材の直径は、例えば、0.3mmである。ヒータ30の脚部30Aは、リード端子31を介して図示しない電源装置に接続されている。
ヒータ30は、陰極基体10の裏面10B及びスリーブ20で囲まれた空間内に収容されている。そのため、ヒータ30は、スリーブ20の内側に配置されている。図に示した例では、ヒータ30は、スリーブ20の中心部、例えば、中心軸CTを中心として同軸状に配置されている。ヒータ30の脚部30Aは、スリーブ20内において、端部20B側に位置している。ヒータ30は、図示しない電源から電力が供給されることで発熱する。
埋め込み材40は、裏面10B及びスリーブ20で囲まれた空間内に埋め込まれ、ヒータ30を固定している。埋め込み材40は、酸化アルミニウム等の金属材料で形成されている。
支持筒21は、スリーブ20で囲まれ、陰極基体10の裏面10Bに固定されている。そのため、埋め込み材40は、裏面10B、支持筒21、及びスリーブ20で囲まれた空間内に埋め込まれている。
支持筒21は、スリーブ20で囲まれ、陰極基体10の裏面10Bに固定されている。そのため、埋め込み材40は、裏面10B、支持筒21、及びスリーブ20で囲まれた空間内に埋め込まれている。
陰極構体1aは、蓋部50をさらに備えている。蓋部50は、円錐台TCの上底TCtに沿って設けられている。蓋部50は、陰極基体10及びスリーブ20とともに埋め込み材40を覆っている。より詳しくは、蓋部50は、環状の形状を有し、支持筒21を囲み、陰極基体10、支持筒21、及びスリーブ20とともに埋め込み材40を覆っている。
支持筒21及び蓋部50は、スリーブ20と同様、モリブデン又はモリブデンを含む合金で形成されている。また、支持筒21及び蓋部50は、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、レニウム−モリブデン、又はこれらを含む金属材料で形成されてもよい。
支持筒21、スリーブ20、及び蓋部50のそれぞれの放射率は、埋め込み材40(酸化アルミニウム)の放射率より低い。そのため、熱損失を小さくする観点から、陰極構体1aが蓋部50を備えていた方が望ましい。
上述したように、スリーブ20の外周面S20は、円錐台TCの側面TCsに沿った形状を有している。そのため、陰極構体1aが比較例のスリーブ20を有している場合と比較し、陰極構体1aの表面積を約10%低減することができる。ここで、上記比較例のスリーブ20の外周面S20は、全長にわたって外径が一定である円柱の外周面のみに沿った形状を有している。スリーブ20の外周面S20(第2外周面S20b)からの熱放射量を減らすことができるため、陰極基体10を加熱するために必要な電力を低減することができる。
陰極基体10の温度を、実際に使用するための920℃に設定するため、比較例のスリーブ20を有する陰極構体1aでは45Wワットの消費電力が必要であったのに対し、
本実施形態の陰極構体1aの消費電力は42.2Wであり、実質的に6%の電力を削減することができた。
本実施形態の陰極構体1aの消費電力は42.2Wであり、実質的に6%の電力を削減することができた。
ここで、物体から放射される熱エネルギ量Qについて説明する。熱エネルギ量Qは、次の計算式(式1)により求めることができる。
Q=σ×ε×T4×A ・・・(式1)
上記σは、ステファンボルツマン係数である(σ=5.6697×10−12[W・cm−2・K−4・h−1])。上記εは放射率である。上記Tは絶対温度である(273℃+X℃)。上記Aは、物体の表面積(cm2)である。
Q=σ×ε×T4×A ・・・(式1)
上記σは、ステファンボルツマン係数である(σ=5.6697×10−12[W・cm−2・K−4・h−1])。上記εは放射率である。上記Tは絶対温度である(273℃+X℃)。上記Aは、物体の表面積(cm2)である。
上記式1より、物体の表面積を小さくすると放射される熱エネルギが低減されることが分かる。そのため、上述したように、本実施形態では、スリーブ20の第2外周面S20bをテーパ形状にしてスリーブ20の表面積を減らしている。
上記のように構成された実施形態に係るクライストロンKTによれば、陰極構体1aは、陰極基体10と、スリーブ20と、ヒータ30と、埋め込み材40と、を備えている。陰極基体10は、電子放出面10Aと、電子放出面10Aと反対側の裏面10Bと、を有している。スリーブ20は、裏面10Bに固定された端部20Aと、端部20Aと反対側の端部20Bと、を有している。ヒータ30は、裏面10B及びスリーブ20で囲まれた空間内に収容されている。埋め込み材40は、上記空間内に埋め込まれ、ヒータ30を固定している。スリーブ20の外周面S20は、端部20Aから端部20Bに向かって先細る円錐台TCの側面TCsに沿った形状を有している。
これにより、スリーブ20の外周面S20の面積と、陰極構体1aのうち電子放出面10Aとは反対側の表面積(蓋部50の表面積)と、の低減に寄与することができる。陰極構体1aのうち、電子放出面10A以外の表面からの熱放射量を減らすことができ、陰極構体1aの消費電力を低減することができる。
これにより、長時間安定した電子放射が得られる陰極構体1aを得ることができる。そして、消費電力を低減することができる陰極構体1aを得ることができる。
これにより、長時間安定した電子放射が得られる陰極構体1aを得ることができる。そして、消費電力を低減することができる陰極構体1aを得ることができる。
本発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1a…陰極構体、10…陰極基体、10A…電子放出面、10B…裏面、
20…スリーブ、20A,20B…端部、21…支持筒、30…ヒータ、
40…埋め込み材、50…蓋部、D…外径、D1…第1外径、D2…第2外径、
S20…外周面、S20a…第1外周面、S20b…第2外周面、TC…円錐台、
TCs…側面、TCt…上底。
20…スリーブ、20A,20B…端部、21…支持筒、30…ヒータ、
40…埋め込み材、50…蓋部、D…外径、D1…第1外径、D2…第2外径、
S20…外周面、S20a…第1外周面、S20b…第2外周面、TC…円錐台、
TCs…側面、TCt…上底。
Claims (4)
- 第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、を有する陰極基体と、
前記第2面に固定された第1端部と、前記第1端部と反対側の第2端部と、を有するスリーブと、
前記第2面及び前記スリーブで囲まれた空間内に収容されたヒータと、
前記空間内に埋め込まれ、前記ヒータを固定する埋め込み材と、を備え、
前記スリーブの外周面は、前記第1端部から前記第2端部に向かって先細る円錐台の側面に沿った形状を有する、
陰極構体。 - 前記スリーブにおいて、前記第2端部の第2外径は、前記第1端部の第1外径より小さい、
請求項1に記載の陰極構体。 - 前記スリーブの前記外周面は、前記第1端部から連続する第1外周面と、前記第1外周面から前記第2端部まで連続する第2外周面と、を有し、
前記第1外周面の外径は、前記第1外径であり、全長にわたって一定であり、
前記第2外周面は、前記円錐台の前記側面に沿った面である、
請求項2に記載の陰極構体。 - 蓋部をさらに備え、
前記円錐台の一対の底面のうち前記第2端部側の前記底面を上底とすると、
前記蓋部は、前記上底に沿って設けられ、前記陰極基体及び前記スリーブとともに前記埋め込み材を覆っている、
請求項1に記載の陰極構体。
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JP (1) | JP2021096951A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102022113256A1 (de) | 2021-06-09 | 2022-12-15 | Shimano Inc. | Steuervorrichtung für ein muskelkraftbetriebenes Fahrzeug |
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2019
- 2019-12-17 JP JP2019227251A patent/JP2021096951A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102022113256A1 (de) | 2021-06-09 | 2022-12-15 | Shimano Inc. | Steuervorrichtung für ein muskelkraftbetriebenes Fahrzeug |
DE102022113253A1 (de) | 2021-06-09 | 2022-12-15 | Shimano Inc. | Steuervorrichtung für muskelkraftbetriebenes Fahrzeug |
DE102022113255A1 (de) | 2021-06-09 | 2022-12-15 | Shimano Inc. | Steuervorrichtung für mit Muskelkraft angetriebenes Fahrzeug |
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