JP5050711B2 - 感光性樹脂組成物及びそれを用いた感光性エレメント、並びにレジストパターンの形成方法及び永久マスク - Google Patents
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Description
[式(1)中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は、アリール基を示し、nは0〜50の整数を示す。なお、式(1)中、複数存在するR1及びR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
[式(2)中、R3〜R5は各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいベンジル基、又は、水素原子を示す。なお、R3〜R5は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。]
[式(3)中、R6は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいベンジル基、又は、水素原子を示し、R7及びR8は各々独立に、ハロゲン原子以外の置換基を示し、p及びqは各々独立に、1〜4の整数を示す。なお、pが2以上の場合、複数存在するR7は同一でも異なっていてもよく、qが2以上の場合、複数存在するR8は同一でも異なっていてもよい。]
[式(4)中、A及びBは各々独立に、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜6のアルキル基、又は、アリール基を示し、MはMg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na及びKからなる群より選択される少なくとも一種の金属を示し、mは1〜4の整数を示す。]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)ビフェニル骨格を有するノボラック型酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(以下、場合により「(A)成分」という。)と、(B)リン含有化合物(以下、場合により「(B)成分」という。)と、(C)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(以下、場合により「(C)成分」という。)と、(D)光重合開始剤(以下、場合により「(D)成分」という。)と、を必須成分として含有する。そして、上記(B)成分は、(B−1)ホスフィン酸エステル系化合物(以下、場合により「(B−1)成分」という。)を含有する。
(A)成分は、ビフェニル骨格を有するノボラック型酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂である。このような(A)成分のうち、(a)上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂と、(b)不飽和基含有モノカルボン酸と、(c)多塩基性カルボン酸無水物との反応生成物として得られるものが好ましい。
A=10×Vf×56.1/(Wp×Y) (I)
により酸価を算出する。なお、上記式(I)中、Aは酸価(mgKOH/g)を示し、Vfはフェノールフタレインの滴定量(mL)を示し、Wpは(A)成分としての樹脂溶液の質量(g)を示し、Yは(A)成分としての樹脂溶液の不揮発分の割合(質量%)を示す。
(B)リン含有化合物、すなわち(B)成分は、(B−1)ホスフィン酸エステル系化合物を含有する。このうち、(B)成分は、(B−1)成分として上記一般式(2)で表されるホスフィン酸エステル系化合物を含有することが好ましい。このような化合物を含有することによって、より優れた難燃性を有する硬化膜を形成することができる。
(C)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物の具体例としては、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマーが挙げられる。また、これら以外にも、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等を例示することができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(D)成分である光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−(1−モルホリノフェノン)−ブタノン−1,2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(E)成分である熱硬化剤の具体例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性の化合物などが挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型三級脂肪酸変性ポリオールエポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のジグリシジルエステル類、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン等のジグリシジルアミン類等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
次に、上述した本実施形態の感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメントについて説明する。
まず、各成分を表1に示す配合比(固形分、質量基準)(ただし、メチルエチルケトンは液体としての質量基準)で混合することにより感光性樹脂組成物の溶液を得た。
次いで、上記の通り調製したそれぞれの感光性樹脂組成物溶液を、それぞれ別の支持体である16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人社製、商品名「G2−16」)上に、均一に塗布することにより感光性樹脂組成物層を形成し、それを熱風対流式乾燥機を用いて100℃で約10分間乾燥した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、38μmであった。
18μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシブルプリント配線板用基板(ニッカン工業社製、商品名「F30VC1」)の銅表面を塩酸で酸洗浄し、水洗後、乾燥した。
得られた上記評価用積層体からPETフィルムを剥離し、その剥離した面の感光性樹脂組成物層に指を軽く押し付けて、べたつき性を次の基準で評価した。結果を表2に示す。なお、べたつき性の評価では、指に対して貼りつきがない方が、感光性樹脂組成物のべたつきが少なく作業性に優れていることを示す。
A:指に対して貼りつきが認められないもの、又は貼りつきが殆ど認められないもの。
B:指に対して貼りつきが認められるもの。
得られた上記評価用積層体上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させ、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、常温で一時間静置して、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。光感度を評価する数値として、上記エネルギー量を用いた。この数値が低いほど、光感度が高いことを示す。結果を表2に示す。
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体上に密着させ、上述した露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、常温で1時間静置して、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。ここで、解像度は、現像処理によって矩形のレジスト形状が得られたライン幅間のスペース幅の最も小さい値(単位:μm)により評価した。この値が小さいほど、解像度に優れていることを示す。結果を表2に示す。
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、カバーレイの可とう性評価用ネガとして配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体上に密着させ、上述した露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。次いで、常温で1時間静置した後、該積層体上のPETフィルムを剥離し、光感度評価の場合と同様の現像液及び現像条件でスプレー現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。続いて、オーク製作所社製紫外線照射装置を使用して1J/cm2のエネルギー量で紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、カバーレイを形成した評価用FPCを得た。
上述のようにして得られた評価用FPCを、ハゼ折りにより180°折り曲げを繰り返して行い、その際のカバーレイにおけるクラックが発生するまでの折り曲げ回数を、光学顕微鏡によりクラックの有無を確認しながら測定し、次の基準で評価した。その結果を表2に示す。
A:5回以上折り曲げてもカバーレイにクラックが認められないもの。
B:クラックが発生するまでの回数が3〜4回のもの。
C:クラックが発生するまでの回数が2回以下のもの。
銅箔張積層板(新日鐵化学社製、商品名「エスパネックスMB」のシリーズ)の銅箔をエッチングにより除去して厚さ25μmのPIフィルムを得た。次いで、そのPIフィルムの両面にそれぞれ、連続式真空ラミネータ(日立化成工業社製、商品名「HLM−V570」)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4000Pa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、上述の感光性エレメントを、ポリエチレンフィルムを剥離しつつ感光性樹脂組成物層をPIフィルム側にして積層して積層体を得た。
Claims (9)
- (A)ビフェニル骨格を有するノボラック型酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂と、
(B)リン含有化合物と、
(C)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、
(D)光重合開始剤と、
を含有し、
前記(B)リン含有化合物が、
(B−1)ホスフィン酸エステル系化合物と、
(B−2)下記一般式(4)で表されるホスフィン酸塩と、を含む、感光性樹脂組成物。
- 更に(E)熱硬化剤を含有する、請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
- フレキシブル基板上に永久マスクとなる硬化膜を形成するためのものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメント。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、
活性光線を前記感光性樹脂組成物層の所定部分に照射して、前記感光性樹脂組成物層に光硬化部を形成させる露光工程と、
前記光硬化部以外の感光性樹脂組成物層を除去する現像工程と、を含む、レジストパターンの形成方法。 - 請求項8に記載のレジストパターンの形成方法によって得られたレジストパターンからなる永久マスク。
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