JP5050711B2 - 感光性樹脂組成物及びそれを用いた感光性エレメント、並びにレジストパターンの形成方法及び永久マスク - Google Patents

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物及びそれを用いた感光性エレメント、並びにレジストパターンの形成方法及び永久マスクに関する。
プリント配線板の製造業界では、従来から、プリント配線板上にソルダーレジストを形成することが行われている。このソルダーレジストは、実装部品をプリント配線板に接合するためのはんだ付け工程において、プリント配線板の導体層の不要な部分にはんだが付着することを防ぐ役割を有している他、実装部品接合後のプリント配線板の使用時においては導体層の腐食を防止したり導体層間の電気絶縁性を保持したりする永久マスクとしての役割も有している。
ソルダーレジストの形成方法としては、例えば、プリント配線板の導体層上に熱硬化性樹脂をスクリーン印刷する方法が知られている。しかし、このような方法ではレジストパターンの高解像度化に限界があるため、近年のプリント配線板の高密度化に対応させることが困難になってきている。
そこで、レジストパターンの高解像度化を達成するために、フォトレジスト法が盛んに用いられるようになってきている。このフォトレジスト法は、基板上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成し、この感光性樹脂組成物層を所定パターンの露光により硬化させ、未露光部分を現像により除去して所定パターンの硬化膜を形成するものである。
また、かかる方法に使用される感光性樹脂組成物は、作業環境保全、地球環境保全の点から、炭酸ナトリウム水溶液等の希アルカリ水溶液で現像可能なアルカリ現像型のものが主流になってきている。このような感光性樹脂組成物としては、例えば、下記特許文献1に記載の液状レジストインキ組成物や、下記特許文献2に記載の感光性熱硬化性樹脂組成物などが知られている。
特開昭61−243869号公報 特開平01−141904号公報
ところで、近年、各種工業製品の火災に対する難燃化の規制が厳しくなっており、プリント配線板等に使用される材料も例外ではない。難燃化する方法としては、材料中にハロゲン系化合物、アンチモン系化合物、リン系化合物、ホウ素系化合物、無機充填剤等を添加する方法が一般的に知られている。
しかし、最近では、環境問題、人体に対する安全性問題への関心の高まりと共に、非公害性、低有毒性、安全性へと重点が移り、単に燃えにくいだけでなく、有害ガス及び発煙性物質の低減が要望されつつある。これを受けて、ハロゲン系化合物やアンチモン系化合物を使用しない難燃基板が既に開発・実用化され始めている。
しかしながら、上記のような難燃基板上に、上記特許文献1及び2に記載されているような従来の感光性樹脂組成物を用いて硬化膜を形成すると、十分な難燃性(望ましくは、UL94 VTM−0レベル)を確保することができなくなってしまうことが本発明者らの検討により判明している。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れたアルカリ現像性を有するとともに、難燃性に優れた硬化膜を形成可能な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、このような感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を備える感光性エレメントを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する樹脂と、特定のリン含有化合物とを感光性樹脂組成物に含有させることで上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)ビフェニル骨格を有するノボラック型酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂と、(B)リン含有化合物と、(C)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(D)光重合開始剤と、を含有し、(B)リン含有化合物が、(B−1)ホスフィン酸エステル系化合物を含む、感光性樹脂組成物を提供する。
かかる感光性樹脂組成物によれば、上記構成を有することにより、優れたアルカリ現像性を有するとともに、その硬化膜は優れた難燃性と十分な可とう性とを兼ね備える。そのため、上記感光性樹脂組成物は、難燃性が要求されるプリント配線板等の製造に好適に用いることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物において、上記(A)エポキシ樹脂は、(a)下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂と、(b)不飽和基含有モノカルボン酸と、(c)多塩基性カルボン酸無水物との反応生成物である酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
Figure 0005050711

[式(1)中、R及びRは各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は、アリール基を示し、nは0〜50の整数を示す。なお、式(1)中、複数存在するR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
(A)エポキシ樹脂として上記特定の酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂を含むことにより、感光性樹脂組成物は、より優れた難燃性を有する硬化膜を形成可能となる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、更に(E)熱硬化剤を含有することが好ましい。感光性樹脂組成物が(E)熱硬化剤を含有することにより、感光性樹脂組成物を光硬化させた後、更に熱硬化させることで、得られる硬化膜の絶縁信頼性をより向上させることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物において、上記(B)リン含有化合物は、(B−1)ホスフィン酸エステル系化合物として下記一般式(2)で表される化合物、及び/又は、下記一般式(3)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 0005050711

[式(2)中、R〜Rは各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいベンジル基、又は、水素原子を示す。なお、R〜Rは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。]
Figure 0005050711

[式(3)中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいベンジル基、又は、水素原子を示し、R及びRは各々独立に、ハロゲン原子以外の置換基を示し、p及びqは各々独立に、1〜4の整数を示す。なお、pが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、qが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
(B−1)ホスフィン酸エステル系化合物として上記一般式(2)で表される化合物、及び/又は、上記一般式(3)で表される化合物を含むことにより、感光性樹脂組成物は、より優れた難燃性を有する硬化膜を形成可能となる。また、感光性樹脂組成物が上記一般式(3)で表される化合物を含むことにより、優れた難燃性と可とう性とを兼ね備えた硬化膜を形成することができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物において、上記(B)リン含有化合物は、(B−2)下記一般式(4)で表されるホスフィン酸塩を含むことが好ましい。
Figure 0005050711

[式(4)中、A及びBは各々独立に、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜6のアルキル基、又は、アリール基を示し、MはMg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na及びKからなる群より選択される少なくとも一種の金属を示し、mは1〜4の整数を示す。]
感光性樹脂組成物が上記一般式(4)で表される化合物を含むことにより、得られる硬化膜の難燃性をより向上させることができる。また、上記一般式(4)で表される化合物を上記一般式(3)で表される化合物と併用した場合、感光性樹脂組成物は、特に優れた難燃性と十分な可とう性とを兼ね備えた硬化膜を形成可能となる。
更に、本発明の感光性樹脂組成物は、フレキシブル基板上に永久マスクとなる硬化膜を形成するためのものであることが好ましい。
本発明はまた、支持体と、該支持体上に形成された上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントを提供する。かかる感光性エレメントによれば、上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を備えることにより、優れたアルカリ現像性が得られるとともに、優れた難燃性を有する硬化膜を形成可能である。
本発明によれば、優れたアルカリ現像性を有するとともに、難燃性に優れた硬化膜を形成可能な感光性樹脂組成物、及び、それを用いた感光性エレメントを提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリルモノマーとはアクリルモノマー及びそれに対応するメタクリルモノマーを意味する。また、本明細書における(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味し、(メタ)アクリロキシ基とはアクリロキシ基及びそれに対応するメタクリロキシ基を意味する。
(感光性樹脂組成物)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)ビフェニル骨格を有するノボラック型酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(以下、場合により「(A)成分」という。)と、(B)リン含有化合物(以下、場合により「(B)成分」という。)と、(C)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(以下、場合により「(C)成分」という。)と、(D)光重合開始剤(以下、場合により「(D)成分」という。)と、を必須成分として含有する。そして、上記(B)成分は、(B−1)ホスフィン酸エステル系化合物(以下、場合により「(B−1)成分」という。)を含有する。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(D)及び(B−1)成分を含有することにより、優れた難燃性と十分な可とう性とを兼ね備えた硬化膜を形成することができる。また、この感光性樹脂組成物は、希アルカリ水溶液による現像性(アルカリ現像性)と、硬化して得られる硬化膜の可とう性とを高水準で満足させることができる。また、本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、十分な難燃性及び可とう性を有する硬化膜を高解像度で効率よく形成することが可能となる。
さらに、本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、ハロゲン系化合物やアンチモン系化合物を含まずに硬化膜の難燃性を十分高いものとすることができることから、例えば、プリント配線板の環境負荷や毒性を低減することが可能となる。特に、本実施形態の感光性樹脂組成物を非ハロゲン系又は非アンチモン系の難燃基板に適用する場合、上記の効果が更に有効に奏される。
以下、本実施形態の感光性樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
<(A)成分>
(A)成分は、ビフェニル骨格を有するノボラック型酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂である。このような(A)成分のうち、(a)上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂と、(b)不飽和基含有モノカルボン酸と、(c)多塩基性カルボン酸無水物との反応生成物として得られるものが好ましい。
上記一般式(1)で表される構造のエポキシ樹脂を用いて合成した(A)成分を感光性樹脂組成物に含有させることにより、アルカリ現像性と難燃性とを高水準で両立させることができる。
(b)不飽和結合含有モノカルボン酸の具体例としては、アクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、飽和又は不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体との反応物である半エステル類、及び飽和又は不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグリシジル化合物との反応物である半エステル類が挙げられる。
半エステル類としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等の飽和又は不飽和二塩基酸無水物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート等の1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体類とを等モルで反応させて得られる化合物、あるいは、飽和又は不飽和二塩基酸(例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、イタコン酸、フマル酸等。)と不飽和基含有モノグリシジル化合物(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等。)とを等モル比で反応させて得られる化合物等が挙げられる。
上述の通り例示した(b)不飽和結合含有モルカノボン酸は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。このうち、アルカリ現像性と難燃性とを向上させる観点から、アクリル酸が好ましい。
(c)多塩基性カルボン酸無水物の具体例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
(A)成分の酸価は、60〜150mgKOH/gであることが好ましく、80〜120mgKOH/gであることが更に好ましい。酸価が60mgKOH/g未満では、アルカリ現像性が損なわれる傾向があり、150mgKOH/gを超えると、得られる硬化膜の絶縁信頼性、耐薬品性及びめっき耐性が不十分となる傾向がある。
なお、(A)成分の酸価は、以下の方法により測定することができる。まず(A)成分としての樹脂溶液約1gを精秤した後、その樹脂溶液にアセトンを30g添加し、樹脂溶液を均一に溶解する。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行う。そして、滴定結果より、下記式(I);
A=10×Vf×56.1/(Wp×Y) (I)
により酸価を算出する。なお、上記式(I)中、Aは酸価(mgKOH/g)を示し、Vfはフェノールフタレインの滴定量(mL)を示し、Wpは(A)成分としての樹脂溶液の質量(g)を示し、Yは(A)成分としての樹脂溶液の不揮発分の割合(質量%)を示す。
(A)成分であるノボラック型酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂は、市販品を購入して入手することもできる。具体的には、ZCR−1569H、ZCR−1596H、ZCR−1611H、ZCR−1610H(いずれも日本化薬社製、商品名)を挙げることができる。
<(B)成分>
(B)リン含有化合物、すなわち(B)成分は、(B−1)ホスフィン酸エステル系化合物を含有する。このうち、(B)成分は、(B−1)成分として上記一般式(2)で表されるホスフィン酸エステル系化合物を含有することが好ましい。このような化合物を含有することによって、より優れた難燃性を有する硬化膜を形成することができる。
また、(B)成分は、(B−1)成分として、上記一般式(3)で表されるホスフィン酸エステル系化合物を含有することがより好ましい。
上記一般式(3)のR及びRとしては、例えば、水素原子、アルキル基等が挙げられる。Rとしては、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、下記一般式(5)、(6)、(7)及び(8)で表される基等が挙げられる。
Figure 0005050711
Figure 0005050711
Figure 0005050711
Figure 0005050711
上記一般式(3)で表される化合物は、市販品を購入して入手することができる。具体的には、HCA、HCA−HQ、SANKO−220、SANKO−BCA(いずれも三光社製、商品名)等を挙げることができる。
感光性樹脂組成物が、(B−1)成分として上記一般式(3)で表される化合物を含有することにより、感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜の難燃性を十分優れたものとすることができる。また、上記一般式(3)で表される化合物は加水分解しにくい構造であり、電気絶縁性を低下させるイオン性不純物の発生を有効に防止することができる。このため、得られる硬化膜は絶縁信頼性にも優れている。さらに、上記一般式(3)で表される化合物は、可塑剤としても機能するため、可とう性にも十分優れる硬化膜を得ることができる。
(B)成分は、(B−2)成分、すなわち上記一般式(4)で表されるホスフィン酸塩を含有することが好ましい。上記一般式(4)中のA及びBの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第三ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基等が挙げられる。これらの(B−2)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(B−2)成分は、市販品を購入して入手することができる。具体的には、EXOLIT OP 930、EXOLIT OP 935、EXOLIT OP 940(いずれもクラリアント社製、商品名)を挙げることができる。
感光性樹脂組成物が(B−2)成分である上記ホスフィン酸塩を含有することにより、感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜の難燃性を一層向上させることができる。
また、(B−2)成分である上記ホスフィン酸塩は加水分解しにくい構造であるため、電気絶縁性を低下させるイオン性不純物の発生を有効に防止することができる。このため、得られる硬化膜は絶縁信頼性にも優れる。
なお、感光性樹脂組成物に含まれる(B−2)成分全体の80質量%以上は、感光性樹脂組成物及び感光性エレメントに用いた際の解像性向上の観点から、粒径が10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることがさらに好ましい。該粒径が10μmを超えると、解像性が損なわれるとともに感光性樹脂組成物の塗膜外観が悪くなる傾向がある。
感光性樹脂組成物は、(B)成分であるリン含有化合物として、上記一般式(3)で表されるホスフィン酸エステル系化合物及び上記一般式(4)で示されるホスフィン酸塩の双方を含有することがより好ましい。
上記一般式(4)で示されるホスフィン酸塩を、上記一般式(3)で表される化合物と併用することにより、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層のべたつきを抑えつつ、特に優れた難燃性及び可とう性を有する硬化膜を形成することができる。また、そのような感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜は、補強板などと貼り合わせる熱プレス処理を行っても難燃剤がブリードアウトすることなく、優れた熱プレス処理耐性を有する。
一方、(B)成分として、上記一般式(4)で示されるホスフィン酸塩を単独で使用した場合、上記一般式(3)及び上記一般式(4)の化合物を両方使用した場合に比べて、硬化膜の難燃性及び可とう性が低下する傾向がある。また、(B)成分として、上記一般式(3)で表される化合物を単独で使用した場合、上記一般式(3)及び上記一般式(4)の化合物を両方使用した場合に比べて、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層がべたつきやすくなり作業性が低下する傾向がある。
なお、感光性樹脂組成物は、(B)成分として、一般的な難燃剤であるリン酸エステル系難燃剤(例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェートなど)を、本発明の効果が損なわれない範囲で含有してもよい。しかし、これらのリン酸エステル系難燃剤は融点が低いため、多量に含有すると、硬化膜に補強板などを貼り合わせる熱プレス処理を行った場合に、リン酸エステル難燃剤がブリードアウトしてしまい、基板汚染の原因となる傾向がある。
<(C)成分>
(C)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物の具体例としては、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマーが挙げられる。また、これら以外にも、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等を例示することができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業製、商品名)として商業的に入手可能である。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、「EO」とは「エチレンオキシド」のことをいい、「PO」とは「プロピレンオキシド」のことをいう。また、「EO変性」とは、エチレンオキシドユニット(−CHCHO−)のブロック構造を有することを意味し、「PO変性」とは、プロピレンオキシドユニット(−CHCH(CH)O−)のブロック構造を有することを意味する。
グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート及び2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、上記のα,β−不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
ウレタンモノマー又はウレタンオリゴマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO又はPO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<(D)成分>
(D)成分である光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−(1−モルホリノフェノン)−ブタノン−1,2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
感光性樹脂組成物中の(A)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分総量を基準(100質量%)として、30〜70質量%であることが好ましく、35〜65質量%であることがより好ましい。(A)成分の含有量が30質量%未満であると、硬化膜の難燃性が低下する傾向があり、70質量%を超えると、アルカリ現像性が低下する傾向がある。
感光性樹脂組成物中の(B)成分のリン換算の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分総量を基準(100質量%)として、2.0〜6.0質量%であることが好ましく、2.5〜5.0質量%であることがより好ましい。(B)成分の含有量が2.0質量%未満であると難燃性が低下する傾向があり、6.0質量%を超えると、感光性樹脂組成物から形成される感光性樹脂組成物層がべたつく傾向、及び、硬化膜の耐折性が低下する傾向がある。
また、(B)成分に含まれる上記一般式(2)で表されるホスフィン酸エステル系化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分総量を基準(100質量%)として、5〜30質量%であることが好ましい。この含有量が5質量%未満であると、硬化膜の難燃性が低下する傾向があり、30質量%を超えると、硬化膜の可とう性が低下する傾向がある。
また、(B)成分として上記一般式(3)で表されるホスフィン酸エステル系化合物を用いる場合、その含有量は、感光性樹脂組成物の固形分総量を基準(100質量%)として5〜30質量%であることが好ましい。この含有量が5質量%未満であると、硬化膜の難燃性が低下する傾向があり、30質量%を超えると、感光性樹脂組成物から形成される感光性樹脂組成物層がべたつきやすくなり作業性が劣る傾向がある。
また、(B)成分として上記一般式(4)で表されるホスフィン酸塩を用いる場合、その含有量は、感光性樹脂組成物の固形分総量を基準(100質量%)として5〜20質量%であることが好ましい。この含有量が5質量%未満であると、硬化膜の難燃性及び可とう性を十分に向上できない傾向があり、20質量%を超えると、硬化膜の可とう性が低下する傾向がある。また、(B−1)ホスフィン酸エステル系化合物と(B−2)ホスフィン酸塩とを併用することによって、露光前の塗膜(感光性樹脂組成物)のべたつきを低減できるとともに、優れた難燃性と十分な可とう性とを有する硬化膜を得ることができる。
(C)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分総量を基準(100質量%)として7〜30質量%であることが好ましく、10〜25質量%であることがより好ましい。(C)成分の含有量が7質量%未満であると解像性が損なわれる傾向があり、30質量%を越えると難燃性が低下する傾向がある。
(D)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の光感度の観点から、感光性樹脂組成物の固形分総量を基準(100質量%)として0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上述の(A)〜(D)成分に加えて、さらに(E)熱硬化剤(以下、場合により「(E)成分」という)を含有することが好ましい。以下、(E)成分について説明する。
<(E)成分>
(E)成分である熱硬化剤の具体例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性の化合物などが挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型三級脂肪酸変性ポリオールエポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のジグリシジルエステル類、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン等のジグリシジルアミン類等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(E)成分として、潜在性の熱硬化剤であるブロックイソシアネート化合物を用いることもできる。ブロックイソシアネート化合物としては、例えば、アルコール化合物、フェノール化合物、ε−カプロラクタム、オキシム化合物、活性メチレン化合物等のブロック剤によりブロック化されたポリイソシアネート化合物が挙げられる。ブロック化されるポリイソシアネート化合物としては、4,4−ジフェニルメタンジシソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン1,5−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンダイマー等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートが挙げられる。これらのうち、耐熱性の観点から芳香族ポリイソシアネートが好ましく、着色防止の観点から脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートが好ましい。
感光性樹脂組成物が(E)成分を含有する場合、その含有量は、優れた難燃性及び絶縁信頼性を得る観点から、感光性樹脂組成物の固形分総量を基準(100質量%)として、5〜20質量%であることが好ましく、8〜15質量%であることがより好ましい。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤若しくはp−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アゾ系等の有機顔料若しくは二酸化チタン等の無機顔料、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム若しくは硫酸バリウム等の無機顔料からなる充填剤、消泡剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、酸化防止剤、香料、又はイメージング剤などを含有させることができる。これらの成分は、感光性樹脂組成物の固形分総量を基準(100質量%)として、各々0.01〜20質量%程度含有させることが好ましい。また、上記の成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、塗膜性向上のため、アクリル系共重合体等のポリマー成分を含有してもよい。
更に、本実施形態の感光性樹脂組成物は、上述の成分を、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に分散させ、固形分30〜70質量%程度の分散液として用いることができる。
以上説明したような本実施形態の感光性樹脂組成物は、例えば、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属面上に、液状レジストとして塗布してから乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いたり、後述する感光性エレメントの形態で用いたりすることができる。
(感光性エレメント)
次に、上述した本実施形態の感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメントについて説明する。
図1は、本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示した感光性エレメント1は、支持体10と、支持体10上に設けられた感光性樹脂組成物層14と、から構成される。感光性樹脂組成物層14は、上述した本実施形態の感光性樹脂組成物からなる層である。また、本発明の感光性エレメント1は、感光性樹脂組成物層14の支持体10との接触面とは反対側の面F1を保護フィルムで被覆してもよい。
感光性樹脂組成物層14は、本実施形態の感光性樹脂組成物を上述の溶剤又は混合溶剤に分散させ、固形分30〜70質量%程度の分散液とした後に、かかる分散液を支持体10上に塗布して形成することが好ましい。
感光性樹脂組成物層14の厚みは、用途により異なるが、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶剤を除去した乾燥後の厚みで、10〜100μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましい。この厚みが10μm未満では工業的に塗工困難な傾向があり、100μmを超えると本発明により奏される上述の効果が小さくなる傾向、特に、可とう性及び解像度が低下する傾向にある。
感光性エレメント1が備える支持体10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムなどが挙げられる。
支持体10の厚みは、5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。この厚みが5μm未満では現像前に支持体を剥離する際に当該支持体が破れやすくなる傾向があり、また、100μmを超えると解像度及び可とう性が低下する傾向がある。
上述したような支持体10と感光性樹脂組成物層14との2層からなる感光性エレメント1又は支持体10と感光性樹脂組成物層14と保護フィルムとの3層からなる感光性エレメントは、例えば、そのまま貯蔵してもよく、又は保護フィルムを介在させた上で巻芯にロール状に巻き取って保管することができる。
本実施形態の感光性エレメントを用いたレジストパターンの形成方法は、必要に応じて上述した感光性エレメントから保護フィルムを除去する除去工程と、感光性樹脂組成物層14を回路形成用基板に向けて、保護フィルムを除去した感光性エレメント1を回路形成用基板上に積層する積層工程と、活性光線を、直接又は支持体10を通して直接感光性樹脂組成物層14の所定の部分に照射して、感光性樹脂組成物層14に光硬化部を形成させる露光工程と、光硬化部以外の感光性樹脂組成物層14を除去する現像工程とを含むものである。なお、保護フィルムが設けられていない感光性エレメントの場合は、上記除去工程は行わない。
ここで、回路形成用基板とは、絶縁層と、絶縁層上に形成された導電体層(銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄系合金、好ましくは銅、銅系合金、鉄系合金からなる)とを備えた基板をいう。この基板はフレキシブル基板であることが好ましい。
必要に応じて保護フィルムを除去する除去工程後の積層工程における積層方法としては、感光性樹脂組成物層を加熱しながら回路形成用基板に圧着することにより積層する方法等が挙げられる。かかる積層の際の雰囲気は特に制限されないが、密着性及び追従性等の見地から減圧下で積層することが好ましい。積層される表面は、通常、回路形成用基板の導電体層の面であるが、当該導電体層以外の面であってもよい。
感光性樹脂組成物層の加熱温度は70〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は0.1〜1.0MPa程度とすることが好ましく、周囲の気圧は4000Pa以下とすることがより好ましい。ただし、これらの条件には特に制限はない。また、感光性樹脂組成物層を上記のように70〜130℃に加熱すれば、予め回路形成用基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性を更に向上させるために、回路形成用基板の予熱処理を行うこともできる。
このようにして積層が完了した後、露光工程において感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して光硬化部を形成する。光硬化部の形成方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法が挙げられる。この際、感光性樹脂組成物層14上に存在する支持体10が透明の場合には、そのまま活性光線を照射することができるが、支持体10が不透明の場合には、支持体10を除去した後に感光性樹脂組成物層14に活性光線を照射する。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものを用いることができる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものを用いることができる。
次いで、露光後、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去した後、現像工程において、ウェット現像、ドライ現像等で光硬化部以外の感光性樹脂組成物層を除去して現像し、レジストパターンを形成させる。
ウェット現像の場合は、アルカリ性水溶液等の現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。現像液としては、安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられ、例えば、20〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(1〜5質量%水溶液)等が用いられる。
上述の形成方法により得られたレジストパターンは、例えば、プリント配線板のソルダーレジストとして用いる場合は、上記現像工程終了後、ソルダーレジストとしてのはんだ耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプによる紫外線照射やオーブンによる加熱を行うことが好ましい。
紫外線を照射させる場合は必要に応じてその照射量を調整することができ、例えば0.2〜10J/cm程度の照射量で照射を行うこともできる。また、加熱する場合は、100〜170℃程度の範囲で15〜90分間程度保持することが好ましい。また、紫外線照射と加熱とを両方実施してもよい。この場合は、両方を同時に実施してもよく、いずれか一方を実施した後、他方を実施してもよい。
上述の形成方法により得られたレジストパターンはプリント配線板上に形成される永久マスクとして使用されることが好ましい。本実施形態の感光性樹脂組成物から形成される硬化膜は、優れた難燃性を有するので、基板にはんだ付けを施した後の配線の保護膜も兼ねる、プリント配線板の永久マスクとして有効である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3、参考例4、比較例1〜4)
まず、各成分を表1に示す配合比(固形分、質量基準)(ただし、メチルエチルケトンは液体としての質量基準)で混合することにより感光性樹脂組成物の溶液を得た。
なお、表1中、(A−1)成分は、ビフェニル型エポキシアクリレート(日本化薬社製、商品名「ZCR−1569H」、ビフェニル骨格を有するノボラック型酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂、酸価=98、重量平均分子量=4500)であり、(A−2)成分は、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(日本化薬社製、商品名「ZAR−2001H」、酸価=103、重量平均分子量=13000)であり、(A−3)成分は、ビスフェノールF型エポキシアクリレート(日本化薬社製、商品名「ZFR−1516」、酸価=73、重量平均分子量=11000)である。
(B−1)成分は、10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(三光社製、商品名「BCA」、リン含有率=10.4質量%)である。(B−2)成分は、ホスフィン酸塩(クラリアント社製、商品名「EXOLIT OP 935」、リン含有量=23質量%)である。
(C)成分は、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレート(新中村化学工業社製、商品名「BPE−10」)である。
(D)成分は、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフェリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「I−369」)である。
(E)成分は、ヘキサメチレンジイソシアネートをベースイソシアネートとするイソシアヌレート体のメチルエチルケトンオキシムブロック体の75質量%メチルエチルケトン溶液(住化バイエルウレタン社製、商品名「BL3175」)である。
その他の成分であるアクリル系共重合体は、メタクリル酸/アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/スチレン(質量比:14/38/38/10)の共重合体のトルエン/メチルセロソルブ(質量比=2/3)溶液(重量平均分子量:80000、固形分酸価:90mgKOH/g、固形分濃度:40質量%)であり、常法により重合して得られたものである。
Figure 0005050711
[感光性エレメントの作製]
次いで、上記の通り調製したそれぞれの感光性樹脂組成物溶液を、それぞれ別の支持体である16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人社製、商品名「G2−16」)上に、均一に塗布することにより感光性樹脂組成物層を形成し、それを熱風対流式乾燥機を用いて100℃で約10分間乾燥した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、38μmであった。
続いて、感光性樹脂組成物層の支持層と接している側とは反対側の表面上に、ポリエチレンフィルム(タマポリ社製、商品名「NF−13」)を保護フィルムとして貼り合わせ、感光性エレメントを得た。
[評価用積層体の作製]
18μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシブルプリント配線板用基板(ニッカン工業社製、商品名「F30VC1」)の銅表面を塩酸で酸洗浄し、水洗後、乾燥した。
このフレキシブルプリント配線板用基板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工業株式会社製、商品名「HLM−V570」)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4000Pa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、得られた感光性エレメントを、ポリエチレンフィルムを剥離しつつ感光性樹脂組成物層を銅箔側にして積層し、評価用積層体を得た。
[べたつき性の評価]
得られた上記評価用積層体からPETフィルムを剥離し、その剥離した面の感光性樹脂組成物層に指を軽く押し付けて、べたつき性を次の基準で評価した。結果を表2に示す。なお、べたつき性の評価では、指に対して貼りつきがない方が、感光性樹脂組成物のべたつきが少なく作業性に優れていることを示す。
A:指に対して貼りつきが認められないもの、又は貼りつきが殆ど認められないもの。
B:指に対して貼りつきが認められるもの。
[光感度の評価]
得られた上記評価用積層体上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させ、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、常温で一時間静置して、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。光感度を評価する数値として、上記エネルギー量を用いた。この数値が低いほど、光感度が高いことを示す。結果を表2に示す。
[解像度の評価]
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体上に密着させ、上述した露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、常温で1時間静置して、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。ここで、解像度は、現像処理によって矩形のレジスト形状が得られたライン幅間のスペース幅の最も小さい値(単位:μm)により評価した。この値が小さいほど、解像度に優れていることを示す。結果を表2に示す。
[評価用FPCの作製]
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、カバーレイの可とう性評価用ネガとして配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体上に密着させ、上述した露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。次いで、常温で1時間静置した後、該積層体上のPETフィルムを剥離し、光感度評価の場合と同様の現像液及び現像条件でスプレー現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。続いて、オーク製作所社製紫外線照射装置を使用して1J/cmのエネルギー量で紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、カバーレイを形成した評価用FPCを得た。
[可とう性(耐折性)の評価]
上述のようにして得られた評価用FPCを、ハゼ折りにより180°折り曲げを繰り返して行い、その際のカバーレイにおけるクラックが発生するまでの折り曲げ回数を、光学顕微鏡によりクラックの有無を確認しながら測定し、次の基準で評価した。その結果を表2に示す。
A:5回以上折り曲げてもカバーレイにクラックが認められないもの。
B:クラックが発生するまでの回数が3〜4回のもの。
C:クラックが発生するまでの回数が2回以下のもの。
[難燃性の評価]
銅箔張積層板(新日鐵化学社製、商品名「エスパネックスMB」のシリーズ)の銅箔をエッチングにより除去して厚さ25μmのPIフィルムを得た。次いで、そのPIフィルムの両面にそれぞれ、連続式真空ラミネータ(日立化成工業社製、商品名「HLM−V570」)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4000Pa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、上述の感光性エレメントを、ポリエチレンフィルムを剥離しつつ感光性樹脂組成物層をPIフィルム側にして積層して積層体を得た。
次に、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、上記の感光性エレメントのそれぞれの感光性樹脂組成物層の露光を、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で行った。続いて、常温で1時間静置して、ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層体から剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を積層体に40秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。
次いで、オーク製作所社製紫外線照射装置を使用して1J/cmのエネルギー量で積層体の両面の感光性樹脂組成物層(現像した面)の紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、カバーレイを形成した難燃性評価用サンプルを得た。この難燃性評価用サンプルを用いて、UL94規格に準拠した薄材垂直燃焼試験を行った。評価はUL94規格に基づいて、VTM−0、VTM−1又はVTM−2と表した。結果を表2に示す。なお、表2中「NOT」とは、燃焼試験において難燃性評価用サンプルがVTM−0、VTM−1、VTM−2に該当せず全焼したことを示す。
Figure 0005050711
表2に示す結果から明らかなように、実施例1〜の感光性樹脂組成物は、十分な光感度及び解像度を有することが確認された。特に実施例1〜3の感光性樹脂組成物は、べたつきも殆どないので、作業性にも優れている。また、実施例1〜の感光性樹脂組成物から形成された硬化膜(カバーレイ)を備える積層板は、優れた難燃性(VTM−0)と十分な可とう性を有していることが確認された。更に、実施例2〜の感光性樹脂組成物から形成された硬化膜は、優れた難燃性と優れた可とう性(耐折性)を兼ね備えていることが分かった。
本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
1…感光性エレメント、10…支持体、14…感光性樹脂組成物層。

Claims (9)

  1. (A)ビフェニル骨格を有するノボラック型酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂と、
    (B)リン含有化合物と、
    (C)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、
    (D)光重合開始剤と、
    を含有し、
    前記(B)リン含有化合物が、
    (B−1)ホスフィン酸エステル系化合物と、
    (B−2)下記一般式(4)で表されるホスフィン酸塩と、を含む、感光性樹脂組成物。
    Figure 0005050711
    [式(4)中、A及びBは各々独立に、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜6のアルキル基、又は、アリール基を示し、MはMg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na及びKからなる群より選択される少なくとも一種の金属を示し、mは1〜4の整数を示す。]
  2. 前記(A)エポキシ樹脂が、(a)下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂と、(b)不飽和基含有モノカルボン酸と、(c)多塩基性カルボン酸無水物との反応生成物である酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂を含む、請求項1記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005050711
    [式(1)中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は、アリール基を示し、nは0〜50の整数を示す。なお、式(1)中、複数存在するR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  3. 更に(E)熱硬化剤を含有する、請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(B)リン含有化合物が、(B−1)ホスフィン酸エステル系化合物として下記一般式(2)で表される化合物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005050711
    [式(2)中、R〜Rは各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいベンジル基、又は、水素原子を示す。なお、R〜Rは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。]
  5. 前記(B)リン含有化合物が、(B−1)ホスフィン酸エステル系化合物として下記一般式(3)で表される化合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005050711
    [式(3)中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいベンジル基、又は、水素原子を示し、R及びRは各々独立に、ハロゲン原子以外の置換基を示し、p及びqは各々独立に、1〜4の整数を示す。なお、pが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、qが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
  6. フレキシブル基板上に永久マスクとなる硬化膜を形成するためのものである、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメント。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、
    活性光線を前記感光性樹脂組成物層の所定部分に照射して、前記感光性樹脂組成物層に光硬化部を形成させる露光工程と、
    前記光硬化部以外の感光性樹脂組成物層を除去する現像工程と、を含む、レジストパターンの形成方法。
  9. 請求項8に記載のレジストパターンの形成方法によって得られたレジストパターンからなる永久マスク。
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