JP2013205624A - 感光性樹脂組成物、及びそれを用いた永久マスクレジストとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
感度、解像性、はんだ耐熱性、耐金めっき性、HAST耐性に優れ、かつソルダーレジスト表面が無光沢となる、感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
(A)成分:少なくとも、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物、(B)成分:エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、(C)成分:ウレタンビーズ、及び(D)成分:光重合開始剤、を含有する感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
感度、解像性、はんだ耐熱性、耐金めっき性、HAST耐性に優れ、かつソルダーレジスト表面が無光沢となる、感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
(A)成分:少なくとも、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物、(B)成分:エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、(C)成分:ウレタンビーズ、及び(D)成分:光重合開始剤、を含有する感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、感光性樹脂組成物、及びそれを用いた永久マスクレジストとその製造方法に関する。
プリント配線板の製造業界では従来、プリント配線板上にソルダーレジスト(永久マスクレジスト)を形成することが行われている。このソルダーレジストは、実装部品をプリント配線板に接合するためのはんだ付け工程において、プリント配線板の導体層の不要な部分にはんだが付着することを防ぐ役割を有している他、実装部品接合後のプリント配線板の使用時においては導体層の腐食を防止したり導体層間の電気絶縁性を保持したりする永久マスクとしての役割も有している。
ソルダーレジストの形成方法としては、例えば、プリント配線板の導体層上に熱硬化性樹脂をスクリーン印刷する方法が知られているが、このような方法ではレジストパターンの高解像度化に限界があるため、近年のプリント配線板の高密度化に対応させることが困難になってきている。
そこで、レジストパターンの高解像度化を達成するために、フォトレジスト法が盛んに用いられるようになってきている。このフォトレジスト法は、基板上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成し、この感光性樹脂組成物層を所定パターンの露光により硬化させ、未露光部分を現像により除去して所定パターンの硬化膜を形成するものである。
上記フォトレジスト法に使用される感光性樹脂組成物は、ドライフィルムレジストのようなフィルムタイプと、ソルダーレジストインキのような液状タイプに大別されるが、フィルムタイプでは、熱圧着の際に気泡を生じやすい等の問題があるため、ソルダーレジストインキのような液状タイプが主流となっている。また、かかる方法に使用される感光性樹脂組成物は、作業環境保全、地球環境保全の点から、炭酸ナトリウム水溶液等の希アルカリ水溶液で現像可能なアルカリ現像型のものが主流になってきている。
上記目的に使用される感光性樹脂組成物には、感度、解像性、はんだ耐熱性耐金めっき性、HAST(Highly Accelerated Stress Test;超加速寿命試験)耐性等の特性が要求される。これらの特性に優れる感光性樹脂組成物としては、例えば、下記特許文献記載の感光性熱硬化性樹脂組成物などが知られている(特許文献1〜2参照)。
ところで、従来の感光性樹脂組成物では、感度、解像性、はんだ耐熱性、耐金めっき性、HAST耐性には優れるものの、形成後のソルダーレジスト表面が光沢し、作業効率が悪化するという課題がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、感度、解像性、はんだ耐熱性、耐金めっき性、HAST耐性に優れ、かつソルダーレジスト表面が無光沢となる、感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)成分:少なくとも、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物、(B)成分:エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、(C)成分:ウレタンビーズ、及び(D)成分:光重合開始剤、を含有する感光性樹脂組成物を用いることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明は、上記(C)成分が、ポリイソシアネートプレポリマーと、ポリオールをウレタン化反応して得られる化合物である、感光性樹脂組成物に関する。これにより、ソルダーレジスト形成後の表面光沢をより抑えることができる。
また、本発明は、(E)成分:リン含有化合物をさらに含有する、感光性樹脂組成物に関する。これにより、ハロゲン系化合物やアンチモン系化合物を含まずに硬化膜の難燃性を十分高いものとすることができる。
また、本発明は、(F)成分:熱硬化剤をさらに含有する、感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、上記(C)成分の含有量が、上記(A)成分〜(F)成分の総量に対して、5〜20質量%である、感光性樹脂組成物に関する。これにより、耐めっき性、はんだ耐熱性、及びHAST耐性と、難燃性をさらに向上することができる。
また、本発明は、(A)成分が、少なくとも、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物と、ジイソシアネート化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物とを反応させて得られるポリウレタン化合物を含有する、感光性樹脂組成物に関する。これにより、可とう性、部品実装時の反り及び反発力といった近年の電子機器に要求される特性を向上することができる。
また、本発明は、前記(B)成分が下記一般式(I)で表される化合物を含有する、感光性樹脂組成物に関する。
[式中、R1は2価の有機基を示し、R2は下記一般式(II)で表される基を示す。]
[式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、Xはアルキレン基を示し、nは10〜25の整数を示す。]
[式中、R1は2価の有機基を示し、R2は下記一般式(II)で表される基を示す。]
[式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、Xはアルキレン基を示し、nは10〜25の整数を示す。]
また、本発明は、上記(D)成分が、下記一般式(2)で示されるホスフィン酸塩を含有する、感光性樹脂組成物に関する。これにより感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜が十分な難燃性を有することができる。
[式中、A及びBは各々独立に、直鎖状の若しくは枝分かれした炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基を示し、MはMg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na及びKからなる群より選択される金属の少なくとも1種であり、mは1〜4の整数である。]
本発明は、支持体と、該支持体上に形成される前記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントに関する。本発明の感光性エレメントによれば、本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を備えることにより、感度、現像性、解像性、はんだ耐熱性、耐金めっき性、HAST耐性に優れ、かつソルダーレジスト表面が無光沢となる。
本発明はまた、基板上に、前記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を設ける工程と、前記感光性樹脂組成物層に活性光線をパターン照射する工程と、前記感光性樹脂組成物層を現像して永久マスクレジストを形成させる工程と、を備える、永久マスクレジストの製造方法に関する。本発明はさらに、前記感光性樹脂組成物の硬化物からなる永久マスクレジストに関する。本発明はまた、前記感光性樹脂組成物の永久レジストへの応用、及び前記感光性樹脂組成物の永久レジストの製造のための応用に関してもよい。
本発明によれば、感度、現像性、解像性、はんだ耐熱性、耐金めっき性、HAST耐性に優れ、かつソルダーレジスト表面の光沢を抑えることが可能な感光性樹脂組成物及び感光性エレメントを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
[感光性樹脂組成物]
先ず、本発明の感光性樹脂組成物について説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、
(A)成分:少なくとも、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物、
(B)成分:エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、
(C)成分:ウレタンビーズ、及び
(D)成分:光重合開始剤、
を含有する感光性樹脂組成物である。
先ず、本発明の感光性樹脂組成物について説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、
(A)成分:少なくとも、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物、
(B)成分:エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、
(C)成分:ウレタンビーズ、及び
(D)成分:光重合開始剤、
を含有する感光性樹脂組成物である。
以下、本発明の感光性樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
<(A)成分>
(A)成分は、少なくとも、エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物を含む。該化合物としては、少なくとも、エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物と、多塩基性カルボン酸無水物とを反応させて得られる酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂又は少なくとも、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物と、ジイソシアネート化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物とを反応させて得られるポリウレタン化合物が好ましい。
<(A)成分>
(A)成分は、少なくとも、エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物を含む。該化合物としては、少なくとも、エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物と、多塩基性カルボン酸無水物とを反応させて得られる酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂又は少なくとも、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物と、ジイソシアネート化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物とを反応させて得られるポリウレタン化合物が好ましい。
上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのうちビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
上記多塩基性カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。これらの中でも、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。
上記ジイソシアネート化合物としては、イソシアナト基を2つ有する化合物であれば特に制限なく適用できる。ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリデンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、アリレンスルホンエーテルジイソシアネート、アリルシアンジイソシアネート、N−アシルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルナン−ジイソシアネートメチル等が挙げられる。
上記カルボキシル基を有するジオール化合物は、分子内に、水酸基を2つ有するとともに、カルボキシル基を有している化合物である。水酸基としては、イソシアネートとの反応性の高いアルコール性水酸基であることが好ましい。このようなジオール化合物としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等が例示できる。
また、上記ジオール化合物として、上記以外のジオール化合物をさらに組み合わせて適用することも可能である。上記以外のジオール化合物を組み合わせることで、(A)成分の酸価や二重結合当量を容易に調節することが可能である。
上述したポリウレタン化合物を製造する工程を例として説明する。
ポリウレタン化合物は、上記エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート及びカルボキシル基を有するジオール化合物を、ジイソシアネート化合物と反応させて得ることができる。かかる反応においては、主に、エポキシ(メタ)アクリレートにおける水酸基とジイソシアネート化合物におけるイソシアナト基との間、及びジオール化合物における水酸基とジイソシアネート化合物におけるイソシアナト基との間で、いわゆるウレタン化反応が生じる。この反応により、例えば、エポキシ(メタ)アクリレートに由来する構造単位と、ジオール化合物に由来する構造単位とが、ジイソシアネート化合物に由来する構造単位を介して交互に又はブロック的に重合されたようなポリウレタン化合物を得ることができる。
ポリウレタン化合物は、上記エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート及びカルボキシル基を有するジオール化合物を、ジイソシアネート化合物と反応させて得ることができる。かかる反応においては、主に、エポキシ(メタ)アクリレートにおける水酸基とジイソシアネート化合物におけるイソシアナト基との間、及びジオール化合物における水酸基とジイソシアネート化合物におけるイソシアナト基との間で、いわゆるウレタン化反応が生じる。この反応により、例えば、エポキシ(メタ)アクリレートに由来する構造単位と、ジオール化合物に由来する構造単位とが、ジイソシアネート化合物に由来する構造単位を介して交互に又はブロック的に重合されたようなポリウレタン化合物を得ることができる。
上述のポリウレタン化合物としては、例えば、下記一般式(IV)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
式中、R11はエポキシ(メタ)アクリレートの残基を示し、R12はイソシアネート化合物の残基を示し、R13は、炭素数1〜5のアルキル基を示し、R14は水素原子又はメチル基を示す。なお、残基とは、原料成分から結合に供された官能基を除いた部分の構造をいう。具体的には、R11としては、例えば、ビス(4−オキシフェニル)−メタン、2,2−ビス(4−オキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス(4−オキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビスフェノールA型及びビスフェノールF型骨格、ノボラック骨格、フルオレン骨格が挙げられ、R12としては、例えば、フェニレン、トリレン、キシリレン、テトラメチルキシリレン、ジフェニルメチレン、ヘキサメチレン、トリメチルヘキサメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、イソホロンが挙げられる。また、炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、アミル基等が挙げられる。
上記一般式(IV)のような構造を有するポリウレタン化合物を感光性樹脂組成物に含有させることによって、アルカリ現像性、難燃性、可とう性(耐折曲げ性・低反り・低反発力)をより向上することができる。
(A)成分の二重結合当量は400〜2000g/molであることが好ましく、450〜1500g/molであることがより好ましく、450〜1200g/molであることがさらに好ましい。(A)成分の二重結合当量が400g/mol以上であることで、可とう性に優れた感光性樹脂組成物の硬化膜が得られ、2000g/mol以下であることで、絶縁信頼性に優れた感光性樹脂組成物の硬化膜が得られる。
(A)成分の二重結合当量は、炭素−炭素二重結合1molに対して必要なポリウレタン化合物((A)成分)のg数であり、下記方法で測定したヨウ素価の値から求めることができる。
ヨウ素価の測定方法:
ポリウレタン化合物(試料)を0.25〜0.35gの範囲で精秤し、200mlのヨウ素フラスコに入れ、30mlのクロロホルムを添加して試料を完全に溶解する。
これにWijs試薬(三塩化ヨウ素7.9g及びヨウ素8.2gを、それぞれ200〜300ml氷酢酸に溶解後、両液を混合して1lとする)をホールピペットで正確に20ml加え、次いで2.5%酢酸第二水銀氷酢酸溶液10mlを添加後、20分間暗所に放置して反応を完結させる。
これに新しく調製した20%KI溶液を5ml添加し、1%澱粉溶液を指示薬として用い、0.1N−Na2S2O3標準液で滴定する。
同時に空試験も行って、以下の式によりヨウ素価を計算する。
ヨウ素価=(A−B)×f×1.269/S
二重結合当量(g/mol)=20000×S/((A−B)×f)
A:空試験に要した0.1N−Na2S2O3標準液のml数
B:本試験に要した0.1N−Na2S2O3標準液のml数
f:0.1N−Na2S2O3標準液の力価
S:試料のg数
ヨウ素価の測定方法:
ポリウレタン化合物(試料)を0.25〜0.35gの範囲で精秤し、200mlのヨウ素フラスコに入れ、30mlのクロロホルムを添加して試料を完全に溶解する。
これにWijs試薬(三塩化ヨウ素7.9g及びヨウ素8.2gを、それぞれ200〜300ml氷酢酸に溶解後、両液を混合して1lとする)をホールピペットで正確に20ml加え、次いで2.5%酢酸第二水銀氷酢酸溶液10mlを添加後、20分間暗所に放置して反応を完結させる。
これに新しく調製した20%KI溶液を5ml添加し、1%澱粉溶液を指示薬として用い、0.1N−Na2S2O3標準液で滴定する。
同時に空試験も行って、以下の式によりヨウ素価を計算する。
ヨウ素価=(A−B)×f×1.269/S
二重結合当量(g/mol)=20000×S/((A−B)×f)
A:空試験に要した0.1N−Na2S2O3標準液のml数
B:本試験に要した0.1N−Na2S2O3標準液のml数
f:0.1N−Na2S2O3標準液の力価
S:試料のg数
(A)成分の酸価は、25〜100mgKOH/gであることが好ましく、45〜90mgKOH/gであることがより好ましく、55〜80mgKOH/gであることがさらに好ましい。(A)成分の酸価が25mgKOH/g以上であることで、感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液による現像性が良好となり、優れた解像度が得られ易くなり、酸価が100mgKOH/g以下であることで、可とう性に優れた感光性樹脂組成物の硬化膜が得られる易くなる。
(A)成分の酸価は、以下の方法により測定することができる。まず、(A)成分としての樹脂溶液約1gを精秤した後、その樹脂溶液にアセトンを30g添加し、樹脂溶液を均一に溶解する。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行う。そして、滴定結果より下記式(3)により酸価を算出する(式中、Vfはフェノールフタレインの滴定量(mL)を示し、Wpは(A)成分としての樹脂溶液の重量(g)を示し、Iは(A)成分としての樹脂溶液の不揮発分の割合(質量%)を示す。)。
酸価(mgKOH/g)=10×Vf×56.1/(Wp×I) …(3)
酸価(mgKOH/g)=10×Vf×56.1/(Wp×I) …(3)
(A)成分の重量平均分子量は、感光性樹脂組成物の成膜性、硬化膜の耐クラック性及びHAST耐性を向上する観点から、8000〜16000であることが好ましく、8500〜15500であることがより好ましく、9000〜15000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が8000以上であることで、印刷・乾燥後の感光性樹脂組成物のベタつきが少なくなり、装置への樹脂組成物の付着による汚染や、異物の不着による感光性樹脂組成物層表面の汚染が発生しづらくすることができる。また、重量平均分子量が16000以下であることで、樹脂組成物のスクリーン印刷時の版離れが良くなるとともに、希アルカリ水溶液による現像を可能にすることができる。
(A)成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値により求めることができる。なお、GPCにおける測定の条件は以下のとおりである。
カラム:Gelpack GL−R440+GL−R450+GL−R400M
流量:2.05mL/min
濃度:120mg/5mL
注入量:200μL
溶離液:THF
カラム:Gelpack GL−R440+GL−R450+GL−R400M
流量:2.05mL/min
濃度:120mg/5mL
注入量:200μL
溶離液:THF
(A)成分としては、市販のものを利用することができ、例えば、UXE−3024(商品名、日本化薬社製)等が購入可能である。
感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の難燃性及び可とう性を良好に発現する観点から、感光性樹脂組成物中の(A)成分の含有量は、5〜90質量%であることが好ましく、40〜70質量%であることがより好ましい。(A)成分の含有量が5質量%以上であることで、難燃性がより向上し、90質量%以下であることで、希アルカリ水溶液による現像性がより向上する。
<(B)成分>
(B)成分は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物である。(B)成分は、下記一般式(I)で表される化合物を含有することが好ましい。
(B)成分は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物である。(B)成分は、下記一般式(I)で表される化合物を含有することが好ましい。
一般式(I)中、R1は2価の有機基を示す。
R1で表される2価の有機基としては、炭素原子を含みイソシアヌレート環とアミド基とを連結可能であれば特に制限はなく、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基を挙げることができる。前記炭素数1〜10のアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
また一般式(I)における3つのR1は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
R1で表される2価の有機基としては、炭素原子を含みイソシアヌレート環とアミド基とを連結可能であれば特に制限はなく、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基を挙げることができる。前記炭素数1〜10のアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
また一般式(I)における3つのR1は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
前記炭素数1〜10のアルキレン基として具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−エチル−ヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
本発明においてR1は、可とう性と解像性の観点から、炭素数2〜7のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基であることがより好ましい。
本発明においてR1は、可とう性と解像性の観点から、炭素数2〜7のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基であることがより好ましい。
前記R2は、下記一般式(II)で表される重合性基を示す。一般式(I)における3つのR2は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
一般式(II)中、Xはアルキレン基を示す。アルキレン基の炭素数としては特に制限はないが、可とう性と解像性の観点から、炭素数2〜7のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基であることがより好ましい。
アルキレン基として具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。また前記アルキレン基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
さらに一般式(II)における10個以上のXは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
アルキレン基として具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。また前記アルキレン基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
さらに一般式(II)における10個以上のXは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
またnは10〜25の整数を表すが、可とう性の観点から、15〜25であることが好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物は、例えば、下記一般式(II−1)、又は一般式(II−2)のいずれかで表される化合物と、下記一般式(III)で表される化合物との反応によって製造することができる。
反応条件としては通常のウレタン結合を生成する反応条件であれば特に制限はなく、また適宜触媒等を用いて反応を行ってもよい。
なお、一般式(III)で表される化合物は、末端がアロファネート化されていてもよい。
反応条件としては通常のウレタン結合を生成する反応条件であれば特に制限はなく、また適宜触媒等を用いて反応を行ってもよい。
なお、一般式(III)で表される化合物は、末端がアロファネート化されていてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物において、前記一般式(I)で表される化合物の含有率としては特に制限はないが、硬化膜の可とう性と感光性樹脂組成物層のべたつき等の観点から、感光性樹脂組成物中において5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)成分として、前記一般式(I)で表され、R1が炭素数1〜10のアルキレン基であって、Xが炭素数2〜3のアルキレン基であって、nが10〜25である化合物を1〜30質量%含むことが好ましく、
前記一般式(I)で表され、R1のXが炭素数2〜3のアルキレン基であって、nが15〜25である化合物を5〜25質量%含むことがより好ましい。
前記一般式(I)で表され、R1のXが炭素数2〜3のアルキレン基であって、nが15〜25である化合物を5〜25質量%含むことがより好ましい。
また、本発明における(B)成分は、必須成分である上記の一般式(I)で表される化合物以外のエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する重合性化合物(以下、「その他の重合性化合物」ということがある)を含んでいてもよい。
その他の重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、(メタ)アクリル酸のフタル酸エステル、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。
その他の重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、(メタ)アクリル酸のフタル酸エステル、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。
これらのなかでも、耐薬品性の観点から、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。なお、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等を挙げることができる。
前記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンが挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明においてその他の重合性化合物の含有率としては特に制限はないが、可とう性と感光性樹脂組成物層のべたつき等の観点から、前記(B)成分の総量100質量%中において5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることが好ましい。(B)成分の含有量が5質量%以上であることで、可とう性、反り、反発性がより向上し、40質量%以下であることで、難燃性がより向上する。
<(C)成分>
(C)成分はウレタンビーズである。ウレタンビーズとしては、例えばポリイソシアネートプレポリマーと、ポリオールをウレタン化反応して得られるものを用いることができる。また(C)成分のウレタンビーズは組成物溶液中で溶解しないことが好ましい。
(C)成分はウレタンビーズである。ウレタンビーズとしては、例えばポリイソシアネートプレポリマーと、ポリオールをウレタン化反応して得られるものを用いることができる。また(C)成分のウレタンビーズは組成物溶液中で溶解しないことが好ましい。
ポリイソシアネートプレポリマーとしては、例えば、末端に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物又は2官能以上のイソシアネートが使用される。
上記末端に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール等のポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等のポリオールの水酸基に対して、イソシアネート基が過剰量となる量のイソシアネート化合物を反応させて得られる付加物;ポリオールの末端にイソシアネートを付加させて得られる化合物;イソシアネート化合物のウレトジオン型ポリイソシアネート、イソシアヌレート型ポリイソシアネートなどが挙げられる。
イソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族系ジイソシアネート化合物、脂環族系ジイソシアネート化合物、芳香族系ジイソシアネート化合物のジイソシアネート化合物が使用される。ジイソシアネート化合物の具体例としては、上記(A)成分中で用いられるものが挙げられる。
2官能以上のイソシアネートとしては、前記ジイソシアネート化合物の他に、3官能以上のイソシアネートとして、例えば、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、2,4,4’−トリイソシアネートジフェニルエーテル、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートを用いることができる。
イソシアネートの中でも、芳香族系のイソシアネートを用いたものより柔軟性の高いウレタン樹脂が得られることから、脂肪族、脂環式などの無黄変タイプのイソシアネートが好ましい。
また、ポリイソシアネートプレポリマーを構成するイソシアネート、ポリオールのいずれかに3官能以上のものを使用することが好ましい。
また、ポリイソシアネートプレポリマーを構成するイソシアネート、ポリオールのいずれかに3官能以上のものを使用することが好ましい。
ポリオールとしては、例えば、ポリカプロラクトンジオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオールが使用される。
また、原材料には、染料、顔料などの着色剤が含まれてもよい。ただし、ここで用いられる着色剤は、ウレタン化反応を阻害しないものである。
また、諸物性を改良するために、ビーズ原材料に紫外線吸収剤、酸化防止剤、金属粉、シリカなどの無機フィラー、香料などが含まれてもよい。
反応の際には、重合性成分の懸濁状態を安定化させるために、分散媒である水に懸濁安定剤を添加することが好ましい。
懸濁安定剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系水溶性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩類、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド系、第3燐酸塩類等が挙げられる。
懸濁安定剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系水溶性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩類、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド系、第3燐酸塩類等が挙げられる。
また、懸濁安定剤に界面活性剤を併用してもよい。
懸濁安定剤に併用する界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤のいずれであってもよい。
懸濁安定剤に併用する界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤のいずれであってもよい。
ウレタンビーズは購入することもでき、例えば、アートパールC−800、アートパールT−800、アートパールC−600、アートパールC−400(いずれも根上工業社製、商品名)を用いることもできる。
感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の表面無光沢化観点から、感光性樹脂組成物中の(C)成分の含有量は、5〜20質量%であることが好ましく、10〜15質量%であることがより好ましい。(C)成分の含有量が5質量%以上であることで、ソルダーレジスト表面の光沢が抑制され、20質量%以下であることで、耐めっき性、はんだ耐熱性、難燃性がより向上する。
(C)成分の平均粒子径は20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。(C)成分の平均粒子径が20μm以下であることで、希アルカリ水溶液による現像処理後の解像度がより向上する。
<(D)成分>
(D)成分である光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等などが挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(D)成分である光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等などが挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態に係る(D)成分は、感度及び解像度を良好にする観点から、芳香族ケトンを含有することが好ましく、中でもα−アミノアルキルフェノン化合物を含むことが好ましい。α−アミノアルキルフェノン化合物としては、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1が挙げられる。
前記(D)光重合開始剤の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量%に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましい。
[式中、A及びBは各々独立に、直鎖状の若しくは枝分かれした炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基を示し、MはMg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na及びKからなる群より選択される金属の少なくとも1種であり、mは1〜4の整数である。]
A、Bの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基等が挙げられる。
A、Bの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基等が挙げられる。
またホスフィン酸塩の80重量%以上は、感光性樹脂組成物及び、感光性エレメントに用いた際の信頼性の見地から、ホスフィン酸塩の粒子の粒度が10μm以下であることが好ましく、5μm以下であるとさらに好ましく、3μm以下であると特に好ましい。この粒子の粒度が10μm以下であることで、感光性樹脂組成物の塗膜外観の悪化をより高度に防ぐことが可能となる。
(E)成分は、感光性樹脂組成物中のリン含有量が1.5〜5.0重量%で範囲になるように含有させることが好ましい。ホスフィン酸塩は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
ホスフィン酸塩は購入することもでき、例えば、EXOLIT OP 930、EXOLIT OP 935、EXOLIT OP 940(いずれもクラリアント社製、商品名)を用いることもできる。
<(F)成分>
(F)成分である熱硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性の化合物などが挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型三級脂肪酸変性ポリオールエポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のジグリシジルエステル類、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン等のジグリシジルアミン類等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して使用してもよい。
(F)成分である熱硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性の化合物などが挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型三級脂肪酸変性ポリオールエポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のジグリシジルエステル類、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン等のジグリシジルアミン類等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して使用してもよい。
(F)成分の含有量は、難燃性及び絶縁信頼性の観点から、感光性樹脂組成物中の(F)成分の含有量が、10〜70重量%であることが好ましく、20〜60重量%であることがより好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤若しくはp−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アゾ系等の有機顔料若しくは二酸化チタン等の無機顔料、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム若しくは硫酸バリウム等の無機顔料からなる充填剤、消泡剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、酸化防止剤、香料あるいはイメージング剤などを含有させることができる。これらの成分は、感光性樹脂組成物中の含有量として、各々0.01〜20重量%程度含有させることが好ましい。また、上記の成分は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
更に、本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のエステル類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤、溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解し、固形分30〜70質量%程度の溶液として塗布することができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いた永久マスクレジストや感光性エレメントについて説明する。感光性エレメントは、支持体と、支持体上に設けられた感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、感光性樹脂組成物層上に設けられた保護フィルムで構成される。
感光性樹脂組成物層は、上述した本発明の感光性樹脂組成物からなる層である。感光性樹脂組成物層は、本発明の感光性樹脂組成物を上記溶剤又は混合溶剤に溶解して固形分30〜70質量%程度の溶液とした後に、かかる溶液を支持体上に均一に塗布して形成することが好ましい。
また、感光性樹脂組成物層の厚さは、通常、配線パターンの厚さにより設定されるが、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶剤を除去した乾燥後の厚さで、10〜100μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましく、25〜50μmであることがさらに好ましい。この厚みが10μm以上であることで、硬化膜が破れにくくなる、又は基板表面の凹凸への追従性が向上する傾向があり、100μm以下であることで、光硬化物の可とう性がより向上する傾向がある。
感光性エレメントが備える支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなる重合体フィルムなどが挙げられる。これらのなかでもポリエチレンテレフタレートが好ましい。
支持体の厚さは、5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。この厚みが5μm以上であることで、被覆性がより向上する傾向があり、100μm以下であることで、解像度がより向上する傾向がある。
感光性エレメントとして使用する場合の保護フィルムは、厚みが1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることがさらに好ましい。この厚みが1μm以上であることで、ラミネートの際、保護フィルムが破れにくくなり、100μm以下であることで、廉価性に優れる。
こうして得られた感光性エレメントは、例えば、そのままの平板状の形態で、又は、円筒状などの巻芯に巻きとり、ロール状の形態で貯蔵することができる。なお、感光性エレメントは、必ずしも上述した保護フィルムを有していなくてもよく、支持体と感光性樹脂組成物層との2層構造であってもよい。
また、これら支持体及び保護フィルムは、後に感光性樹脂組成物層から除去可能でなくてはならないため、除去が不可能となるような表面処理が施されていないものが好ましい。かかる表面処理以外の処理としては、特に制限はなく、例えば、支持体、保護フィルムは必要に応じて帯電防止処理が施されていてもよい。
感光性エレメントや本発明の感光性樹脂組成物からなる液状レジストは、回路形成用基板等の基板上に永久マスクレジスト(レジストパターン)を形成するために好適に用いられる。永久マスクレジストの製造方法は、上記の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を設ける工程と、上記感光性樹脂組成物層に活性光線をパターン照射する工程と、上記感光性樹脂組成物層を現像して永久マスクレジストを形成させる工程と、を備える。詳細には、レジストパターンは、例えば、感光性エレメントから保護フィルムを除去する除去工程と、回路形成用基板上に感光性エレメントを感光性樹脂組成物層が回路形成用基板と隣接するように積層する積層工程と、活性光線を感光性樹脂組成物層の所定部分に照射して、感光性樹脂組成物層に光硬化部を形成させる露光工程と、光硬化部以外の感光性樹脂組成物層を除去する現像工程とを備える方法によって、形成される。また、液状レジストでは、印刷、例えば、スクリーン印刷により感光性樹脂組成物層を設け、乾燥により溶剤を除去し感光性樹脂組成物層を形成し、この感光性樹脂組成物層に活性光線をパターン照射して、感光性樹脂組成物層を現像する。
ここで、上記回路形成用基板は、絶縁層と、絶縁層上に形成された導電体層(銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、及びステンレス等の鉄系合金からなる)とを備えた基板をいう。
積層工程においては、例えば、感光性樹脂組成物層を、加熱しながら回路形成用基板に圧着する方法により積層する。積層の際の雰囲気は特に制限されないが、密着性及び追従性等の見地から、減圧下で積層することが好ましい。積層される表面は、通常、回路形成用基板の導電体層の面であるが、導電体層以外の面であってもよい。感光性樹脂組成物層の加熱温度は90〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は0.2〜1.0MPaとすることが好ましく、周囲の気圧は4000Pa(30mmHg)以下とすることがより好ましい。また、感光性樹脂組成物層を上記のように90〜130℃に加熱すれば、予め回路形成用基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性を更に向上させるために、回路形成用基板の予熱処理を行うこともできる。
露光工程においては、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して光硬化部を形成せしめる。光硬化部の形成方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法が挙げられる。この際、支持体が透明の場合には、支持体を積層したまま活性光線を照射してもよい。支持体が不透明の場合には、これを除去した後に感光性樹脂組成物層に活性光線を照射する。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものを用いることができる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものを用いることもできる。
露光後、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には支持体を除去した後、アルカリ性水溶液を用いて光硬化部以外の感光性樹脂組成物層を除去することにより現像して、レジストパターンを形成させる(現像工程)。現像工程においては、感光性樹脂組成物に対応したアルカリ性水溶液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。現像液としてアルカリ性水溶液を使用すると、安全かつ安定であり、操作性が良好である。
上記アルカリ水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム及びカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム及びカリウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、並びにピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが挙げられる。このうち、炭酸ナトリウムの水溶液が好ましい。
また、上記アルカリ性水溶液のpHは、9〜11とすることが好ましい。また、現像温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調整すればよい。なお、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるために少量の有機溶剤等を添加することができる。
上述の形成方法により得られたレジストパターンは、フィルム状の基材上に可とう性を有する樹脂層を形成するために用いられると好ましく、フィルム状の基材上に形成される永久マスクとして使用されるとより好ましい。
例えば、FPCのカバーレイ(永久マスクレジスト)として用いる場合は、上記現像工程終了後、FPCのカバーレイとしてのはんだ耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプによる紫外線照射や加熱を行うことが好ましい。紫外線を照射させる場合は、その照射量を、例えば0.2〜10J/cm2程度の照射量に調整する。レジストパターンを加熱する場合は、100〜170℃程度の範囲で15〜90分程加熱することが好ましい。紫外線照射と加熱とをともに施してもよい。この場合、紫外線照射と加熱を同時に行ってもよいし、いずれか一方を行った後、他方を行ってもよい。紫外線の照射と加熱とを同時に行う場合、はんだ耐熱性、耐薬品性等を効果的に付与する観点から、60〜150℃に加熱することがより好ましい。
このようにして所望の性能を有するカバーレイが形成されたフレキシブルプリント配線板は、LSI等の部品が実装(はんだ付け)された後、カメラ等機器へ装着される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜9、比較例1)
まず、下記の各成分を表1に示す固形分の配合比(質量基準)で混合し、三本ロール等の分散装置で分散処理を行い、感光性樹脂組成物溶液を得た。
まず、下記の各成分を表1に示す固形分の配合比(質量基準)で混合し、三本ロール等の分散装置で分散処理を行い、感光性樹脂組成物溶液を得た。
なお表1中の各成分は下記のとおりである。
(A−1)成分:ポリウレタン化合物UXE−3044(日本化薬(株)製、酸価60mgKOH/g、二重結合当量450g/mol、重量平均分子量10000)
(A−2)成分:ビスフェノールF型エポキシアクリレート化合物(日本化薬(株)製、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量10000)
(A−3)成分:クレゾールノボラック型エポキシアクリレート化合物(日本化薬(株)製、酸価100mgKOH/g、重量平均分子量7000)
(B−1)成分:エチレンオキサイド変性ビスフェノールAのメタクリル酸エステル(BPE−500、新中村化学(株)製)
(B−2)成分:一般式(I)で表される化合物であって、R1が−C6H12−であり、R2が一般式(II)中においてn=15、X=エチレン基及びR3がメチル基である化合物
(B−3)成分:一般式(I)で表される化合物であって、R1が−C6H12−であり、R2が一般式(II)中においてn=10、X=エチレン基及びR3がメチル基である化合物
(C−1)成分:アートパールC−800:(a)ポリイソシアネートプレポリマーと、(b)ポリオールとを重合したウレタンビーズ(根上工業製、平均粒径6μm)
(C−2)成分:アートパールC−600:(a)ポリイソシアネートプレポリマーと、(b)ポリオールとを重合したウレタンビーズ(根上工業製、平均粒径10μm)
(C−3)成分:アートパールC−400:(a)ポリイソシアネートプレポリマーと、(b)ポリオールとを重合したウレタンビーズ(根上工業製、平均粒径15μm)
(C−4)成分:アートパールC−300:(a)ポリイソシアネートプレポリマーと、(b)ポリオールとを重合したウレタンビーズ(根上工業製、平均粒径22μm)
(D−1)成分:I−907(チバスペシャリティーケミカルズ社製、2−メチル-1-(4-メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)
(D−2)成分:DETX−S(日本化薬(株)製、2,4−ジエチルチオキサントン)
(E−1)成分:ホスフィン酸塩(クラリアント社製、商品名「EXOLIT OP 935」、リン含有量=23重量%)
(F−1)成分:YDPF−1000S(東都化成製、固形タイプエポキシ樹脂)
(A−1)成分:ポリウレタン化合物UXE−3044(日本化薬(株)製、酸価60mgKOH/g、二重結合当量450g/mol、重量平均分子量10000)
(A−2)成分:ビスフェノールF型エポキシアクリレート化合物(日本化薬(株)製、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量10000)
(A−3)成分:クレゾールノボラック型エポキシアクリレート化合物(日本化薬(株)製、酸価100mgKOH/g、重量平均分子量7000)
(B−1)成分:エチレンオキサイド変性ビスフェノールAのメタクリル酸エステル(BPE−500、新中村化学(株)製)
(B−2)成分:一般式(I)で表される化合物であって、R1が−C6H12−であり、R2が一般式(II)中においてn=15、X=エチレン基及びR3がメチル基である化合物
(B−3)成分:一般式(I)で表される化合物であって、R1が−C6H12−であり、R2が一般式(II)中においてn=10、X=エチレン基及びR3がメチル基である化合物
(C−1)成分:アートパールC−800:(a)ポリイソシアネートプレポリマーと、(b)ポリオールとを重合したウレタンビーズ(根上工業製、平均粒径6μm)
(C−2)成分:アートパールC−600:(a)ポリイソシアネートプレポリマーと、(b)ポリオールとを重合したウレタンビーズ(根上工業製、平均粒径10μm)
(C−3)成分:アートパールC−400:(a)ポリイソシアネートプレポリマーと、(b)ポリオールとを重合したウレタンビーズ(根上工業製、平均粒径15μm)
(C−4)成分:アートパールC−300:(a)ポリイソシアネートプレポリマーと、(b)ポリオールとを重合したウレタンビーズ(根上工業製、平均粒径22μm)
(D−1)成分:I−907(チバスペシャリティーケミカルズ社製、2−メチル-1-(4-メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)
(D−2)成分:DETX−S(日本化薬(株)製、2,4−ジエチルチオキサントン)
(E−1)成分:ホスフィン酸塩(クラリアント社製、商品名「EXOLIT OP 935」、リン含有量=23重量%)
(F−1)成分:YDPF−1000S(東都化成製、固形タイプエポキシ樹脂)
[評価基板の作製及び版離れ性の評価]
得られた感光性樹脂組成物溶液を銅貼積層板(新日鐵化学社製、エスパネックスMBシリーズ)上にそれぞれ別に均一に塗布することにより感光性樹脂組成物層を形成した。印刷はスクリーン印刷機(株式会社セリテック製、SS1520)を使用して、印刷速度(スキージ走行速度)200mm/秒にて、スクリーン版(メッシュ120、材質ポリエステル、印刷範囲110mm角)と銅貼積層版とのギャップ(クリアランス)1mmで行った。版離れ性の評価は、スキージ通過後1秒以内に版離れした場合は版離れ性○とし、版離れに一秒以上要した場合を×として評価した。印刷後、熱風対流式乾燥機を用いて80℃で約20分間乾燥した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、20±2μmであった。得られた基板を評価基板とした。版離れ性の評価を表2に示す。
得られた感光性樹脂組成物溶液を銅貼積層板(新日鐵化学社製、エスパネックスMBシリーズ)上にそれぞれ別に均一に塗布することにより感光性樹脂組成物層を形成した。印刷はスクリーン印刷機(株式会社セリテック製、SS1520)を使用して、印刷速度(スキージ走行速度)200mm/秒にて、スクリーン版(メッシュ120、材質ポリエステル、印刷範囲110mm角)と銅貼積層版とのギャップ(クリアランス)1mmで行った。版離れ性の評価は、スキージ通過後1秒以内に版離れした場合は版離れ性○とし、版離れに一秒以上要した場合を×として評価した。印刷後、熱風対流式乾燥機を用いて80℃で約20分間乾燥した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、20±2μmであった。得られた基板を評価基板とした。版離れ性の評価を表2に示す。
[感光性樹脂組成物層のべたつき性評価]
上述の乾燥後の評価基板2枚の感光性樹脂組成物層形成面同士を合わせて重ね、そのまま平置きして1分間放置し、その後2枚の基板を分けた。このとき一方の感光性樹脂組成物層の一部がはく離し他方の基板に転写しなかったものを感光性樹脂組成物層のべたつき性なしとして「○」とし、他方に転写して感光性樹脂組成物層にキズがつくものを感光性樹脂組成物層のべたつき性ありとし「×」として評価した。その結果を表2に示す。
上述の乾燥後の評価基板2枚の感光性樹脂組成物層形成面同士を合わせて重ね、そのまま平置きして1分間放置し、その後2枚の基板を分けた。このとき一方の感光性樹脂組成物層の一部がはく離し他方の基板に転写しなかったものを感光性樹脂組成物層のべたつき性なしとして「○」とし、他方に転写して感光性樹脂組成物層にキズがつくものを感光性樹脂組成物層のべたつき性ありとし「×」として評価した。その結果を表2に示す。
[光感度の評価]
得られた上記評価基板上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させ、株式会社オーク製作所製HMW−201GX型露光機を使用して、21段のステップが残るように露光した後、常温(23℃)で30分間放置した。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を15秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。光感度を評価する数値として、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量を用いた。この数値が低いほど、光感度が高いことを示す。結果を表2に示す。
得られた上記評価基板上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させ、株式会社オーク製作所製HMW−201GX型露光機を使用して、21段のステップが残るように露光した後、常温(23℃)で30分間放置した。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を15秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。光感度を評価する数値として、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量を用いた。この数値が低いほど、光感度が高いことを示す。結果を表2に示す。
[解像度の評価]
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体上に密着させ、上述した露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を15秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。ここで、解像度は、現像処理によって矩形のレジスト形状が得られたライン幅間のスペース幅の最も小さい値(単位:μm)により評価した。この値が小さいほど、解像度に優れていることを示す。結果を表2に示す。
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体上に密着させ、上述した露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を15秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。ここで、解像度は、現像処理によって矩形のレジスト形状が得られたライン幅間のスペース幅の最も小さい値(単位:μm)により評価した。この値が小さいほど、解像度に優れていることを示す。結果を表2に示す。
[評価用FPCの作製]
評価基板上に、ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、カバーレイの信頼性評価用ネガとして配線パターンを有するフォトツールとを密着させ、上述した露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った後、光感度評価の場合と同様の現像液及び現像条件でスプレー現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、ソルダーレジストを形成した評価用FPCを得た。
評価基板上に、ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、カバーレイの信頼性評価用ネガとして配線パターンを有するフォトツールとを密着させ、上述した露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った後、光感度評価の場合と同様の現像液及び現像条件でスプレー現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、ソルダーレジストを形成した評価用FPCを得た。
[表面光沢の評価]
同様にして得られたFPCのソルダーレジスト表面光沢の有無を目視により評価した。レジスト表面が無光沢になっているものを「無光沢」とし、光沢があるものは「光沢」とした。
同様にして得られたFPCのソルダーレジスト表面光沢の有無を目視により評価した。レジスト表面が無光沢になっているものを「無光沢」とし、光沢があるものは「光沢」とした。
[可とう性(耐折性)の評価]
上述のようにして得られた評価用FPCを、ハゼ折りにより180°折り曲げを繰り返して行い、その際のカバーレイにおけるクラックが発生するまでの回数を顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、5回以上折り曲げてもカバーレイにクラックが認められないものは「A」とし、クラックが発生するまでの回数が2回以上で5回未満のものは「B」とし、クラックが発生するまでの回数が2回未満のものは「C」とした。結果を表2に示す。
上述のようにして得られた評価用FPCを、ハゼ折りにより180°折り曲げを繰り返して行い、その際のカバーレイにおけるクラックが発生するまでの回数を顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、5回以上折り曲げてもカバーレイにクラックが認められないものは「A」とし、クラックが発生するまでの回数が2回以上で5回未満のものは「B」とし、クラックが発生するまでの回数が2回未満のものは「C」とした。結果を表2に示す。
[難燃性の評価]
上述した評価用FPCについて、UL94規格に準拠した薄材垂直燃焼試験を行った。評価はUL94規格に基づいて、VTM−0又はVTM−1と表した。結果を表2に示す。なお、表2中「NOT」とは、燃焼試験において難燃性評価用サンプルがVTM−0、VTM−1、VTM−2に該当せず全焼したことを示す。
上述した評価用FPCについて、UL94規格に準拠した薄材垂直燃焼試験を行った。評価はUL94規格に基づいて、VTM−0又はVTM−1と表した。結果を表2に示す。なお、表2中「NOT」とは、燃焼試験において難燃性評価用サンプルがVTM−0、VTM−1、VTM−2に該当せず全焼したことを示す。
[反りの評価]
上述のようにして得られた評価用FPCを、一定のサイズへカット(20mm×25mm)し、260℃のホットプレート上へ60秒放置した後の反りを評価した。反りが3mm以下のものは「A」とし、3〜10mmのものは「B」,円筒状になるものは「C」とした。
上述のようにして得られた評価用FPCを、一定のサイズへカット(20mm×25mm)し、260℃のホットプレート上へ60秒放置した後の反りを評価した。反りが3mm以下のものは「A」とし、3〜10mmのものは「B」,円筒状になるものは「C」とした。
[反発性(スティフネス性)の評価]
同様にして得られたFPCを、ガーレー式スティフネステスターを用い反発性(スティフネス性)の評価を実施した。測定値が0.2以下のものは「A」とし、0.5以下のものは「B」、1.0以上になるものは「C」とした。数値が小さいほど低反発であることを示す。
同様にして得られたFPCを、ガーレー式スティフネステスターを用い反発性(スティフネス性)の評価を実施した。測定値が0.2以下のものは「A」とし、0.5以下のものは「B」、1.0以上になるものは「C」とした。数値が小さいほど低反発であることを示す。
[耐金めっき性の評価]
上記評価用FPCに対し、無電解ニッケルめっき(上村工業(株)製、商品名ニムデンNPR−4)を施し(15分間処理)、更に無電解金めっき(上村工業(株)製、商品名ゴブライトTAM−54)を施した(10分間処理)。
上記評価用FPCに対し、無電解ニッケルめっき(上村工業(株)製、商品名ニムデンNPR−4)を施し(15分間処理)、更に無電解金めっき(上村工業(株)製、商品名ゴブライトTAM−54)を施した(10分間処理)。
このようにしてめっきが施された評価用基板に対し、カバーレイ底部へのめっき液の染み込み、並びに、基板からのカバーレイの浮き及び剥離を100倍の金属顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、カバーレイ底部への染み込みが認められず、カバーレイの浮き及び剥離も認められないものは「A」とし、それらのいずれかが認められるものは「C」とした。また、ソルダーレジスト底部へ僅かに染み込みが認められるものの実用上全く問題ないものは実施例間での差を明らかにするために「B」とした。
[はんだ耐熱性の評価]
上記「耐めっき性」試験と同様にして得られたカバーレイを有する評価用基板を用い、以下のようにしてはんだ耐熱性の評価を行った。すなわち、評価用基板に対し、ロジン系フラックス(タムラ化研(株)製、商品名MH−820V)を塗布した後、288℃のはんだ浴中に10秒間浸漬するはんだ処理を行った。
上記「耐めっき性」試験と同様にして得られたカバーレイを有する評価用基板を用い、以下のようにしてはんだ耐熱性の評価を行った。すなわち、評価用基板に対し、ロジン系フラックス(タムラ化研(株)製、商品名MH−820V)を塗布した後、288℃のはんだ浴中に10秒間浸漬するはんだ処理を行った。
このようにしてはんだめっきを施された評価用基板上のカバーレイのクラック発生状況、並びに、基板からのカバーレイの浮き程度及び剥離を100倍の金属顕微鏡により観察した。その結果を、次の基準で評価した。すなわち、カバーレイのクラックの発生が認められず、カバーレイの浮き及び剥離も認められないものは「A」とし、それらのいずれかが認められるものは「B」とし、それらのいずれもが認められるものは「C」としたて評価した。
[HAST耐性の評価]
まず、12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基板(日立化成工業(株)製、商品名E−679)の銅表面を、エッチングによりライン/スペースが50μm/50μmのくし型電極に加工した。これを、評価用配線板とした。
まず、12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基板(日立化成工業(株)製、商品名E−679)の銅表面を、エッチングによりライン/スペースが50μm/50μmのくし型電極に加工した。これを、評価用配線板とした。
この評価用配線板におけるくし型電極上に、上記「耐めっき性」試験と同様にしてレジストの硬化物からなるカバーレイを形成し、これを評価用基板とした。この評価用基板を、130℃/85%/6Vの条件で超加速高温高湿寿命試験(HAST)槽内に100時間晒した。試験後、各評価用基板におけるマイグレーションの発生の程度を、100倍の金属顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、カバーレイに大きなマイグレーションが発生しなかったものは「A」とし、マイグレーションが発生したものは「B」とし、大きくマイグレーションが発生したものは「C」とした。マイグレーションとは、銅電極からソルダーレジストへ銅が溶出し、析出することにより、電極周辺のソルダーレジストの変色や絶縁抵抗の低下が起こる現象である。
表2から明らかなように、実施例の感光性樹脂組成物によれば、作業性が良好となり、十分な光感度及び解像度が得られることが確認された。また、実施例1、2、3及び4の感光性樹脂組成物から形成された硬化膜を備える積層板は、ソルダーレジスト表面は無光沢で、十分な可とう性、難燃性(VTM−0)、耐めっき性、はんだ耐熱性、HAST耐性を有していることが確認された。更に、実施例1、2、3及び4の感光性樹脂組成物から形成された硬化膜は、良好な低反り、低反発性を有していることが分かった。
Claims (11)
- (A)成分:少なくとも、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物、
(B)成分:エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、
(C)成分:ウレタンビーズ、及び
(D)成分:光重合開始剤、
を含有する感光性樹脂組成物。 - 前記(C)成分が、ポリイソシアネートプレポリマーと、ポリオールをウレタン化反応して得られる化合物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- (E)成分:リン含有化合物をさらに含有する、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- (F)成分:熱硬化剤をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分〜(F)成分の総量に対して、5〜20質量%である、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A)成分が、少なくとも、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる化合物と、ジイソシアネート化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物とを反応させて得られるポリウレタン化合物を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメント。
- 基板上に、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を設ける工程と、
前記感光性樹脂組成物層に活性光線をパターン照射する工程と、
前記感光性樹脂組成物層を現像して永久マスクレジストを形成させる工程と、
を備える、永久マスクレジストの製造方法。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる永久マスクレジスト。
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JP2012074659A JP2013205624A (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 感光性樹脂組成物、及びそれを用いた永久マスクレジストとその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014156601A (ja) * | 2013-01-15 | 2014-08-28 | Taiyo Ink Mfg Ltd | 硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物並びにそれらを用いたプリント配線板 |
WO2022202979A1 (ja) * | 2021-03-25 | 2022-09-29 | 株式会社タムラ製作所 | 感光性樹脂組成物 |
JP2022151737A (ja) * | 2021-03-25 | 2022-10-07 | 株式会社タムラ製作所 | 感光性樹脂組成物 |
WO2023139694A1 (ja) * | 2022-01-19 | 2023-07-27 | 株式会社レゾナック | 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、プリント配線板、及びプリント配線板の製造方法 |
-
2012
- 2012-03-28 JP JP2012074659A patent/JP2013205624A/ja active Pending
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