JP4986024B2 - 感光性樹脂組成物及び感光性エレメント - Google Patents

感光性樹脂組成物及び感光性エレメント Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物及び感光性エレメントに関するものである。
プリント配線板の製造業界では、従来より、プリント配線板上にソルダーレジストを形成することが行われている。このソルダーレジストは、実装部品をプリント配線板に接合するためのはんだ付け工程において、プリント配線板の導体層の不要な部分にはんだが付着することを防ぐ役割を有している他、実装部品接合後のプリント配線板の使用時においては導体層の腐食を防止したり導体層間の電気絶縁性を保持したりする永久マスクとしての役割も有している。
ソルダーレジストの形成方法としては、例えば、プリント配線板の導体層上に熱硬化性樹脂をスクリーン印刷する方法が知られているが、このような方法ではレジストパターンの高解像度化に限界があるため、近年のプリント配線板の高密度化に対応させることが困難になってきている。
そこで、レジストパターンの高解像度化を達成するために、フォトレジスト法が盛んに用いられるようになってきている。このフォトレジスト法は、基板上に感光性樹脂組成物からなる感光層を形成し、この感光層を所定パターンの露光により硬化させ、未露光部分を現像により除去して所定パターンの硬化膜を形成するものである。また、かかる方法に使用される感光性樹脂組成物は、作業環境保全、地球環境保全の点から、炭酸ナトリウム水溶液等の希アルカリ水溶液で現像可能なアルカリ現像型のものが主流になってきている。このような感光性樹脂組成物としては、例えば、下記特許文献1記載の液状レジストインキ組成物や、下記特許文献2記載の感光性熱硬化性樹脂組成物などが知られている。
特開昭61−243869号公報 特開平1−141904号公報
ところで、近年、各種工業製品の火災に対する難燃化の規制が厳しくなっており、プリント配線板等に使用される材料も例外ではない。難燃化する方法としては、ハロゲン系化合物、アンチモン系化合物、リン系化合物、ホウ素系化合物、無機充填剤等を添加する方法が一般的に知られている。しかし、最近では、環境問題、人体に対する安全性問題への関心の高まりと共に、非公害性、低有毒性、安全性へと重点が移り、単に燃えにくいだけでなく、有害ガス及び発煙性物質の低減が要望されつつある。これを受けて、ハロゲン系化合物やアンチモン系化合物を使用しない難燃基板が既に開発・実用化され始めている。
しかしながら、上記のような難燃基板上に、上記特許文献1及び2に記載されているような従来の感光性樹脂組成物を用いて硬化膜を形成すると、十分な難燃性(UL94 V−0)を確保することができなくなってしまうことが本発明者らの検討により判明している。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アルカリ現像性、難燃性に優れた感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、このような感光性樹脂組成物からなる感光層を備える感光性エレメントを提供することをも目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する希アルカリ水溶液に可溶な樹脂と、リン含有難燃剤を感光性樹脂組成物に含有させることで上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に関する。
1. (A)(a)下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と(b)不飽和結合含有モノカルボン酸と(c)多塩基性カルボン酸無水物と、の反応物である希アルカリ水溶液に可溶な樹脂と、(B)フェノキシフォスファゼン化合物と、(C)少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物と、(D)光重合開始剤と、(E)熱硬化剤と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
Figure 0004986024

[式(1)中、nは平均値を示し0〜10の数を示し、P、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを示し、P、Rはお互いに同一であっても異なっていてもよく、Gはグリシジル基を示す。]
2. (B)フェノキシフォスファゼン化合物が、下記一般式(2)で示される環状構造を有する化合物及び/又は下記一般式(3)で表される鎖状構造を有する化合物を含有することを特徴とする項1に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 0004986024
(式(2)中、mは1〜20の整数を示す。)
Figure 0004986024

(式(3)中、nは1〜20の整数を示す。)
3. (E)熱硬化剤が、ブロックイソシアネート化合物を含有する項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
. 更に(F)リン酸エステルを含有する項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
. 感光性樹脂組成物中の(A)成分の含有量が35〜70重量%であり、かつ、リン含有量が1.5〜5.0重量%であることを特徴とする項1〜のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
. フレキシブル基材上に項1〜のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用い硬化膜を形成した基板。
. プリント配線板の永久マスク形成に用いられる項1〜のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
. 支持体と、該支持体上に形成された項1〜のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備えることを特徴とする感光性エレメント。
本発明によれば、アルカリ現像性、難燃性、及び可とう性に優れた硬化膜を高解像度で効率よく形成できる感光性樹脂組成物及び感光性エレメントを提供することができる。
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)(a)前記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と(b)不飽和結合含有モノカルボン酸と(c)多塩基性カルボン酸無水物と、の反応物である希アルカリ水溶液に可溶な樹脂と、(B)フェノキシフォスファゼン化合物と、(C)少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物と、(D)光重合開始剤と、(E)熱硬化剤と、を含有することを特徴とする。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(E)成分を含有することにより、希アルカリ水溶液による現像が可能となるともに、該感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜の難燃性を高い水準で満足させることができる。よって、本発明の感光性樹脂組成物によれば、十分な難燃性を有する硬化膜を高解像度で効率よく形成することが可能となる。
また、本発明の感光性樹脂組成物によれば、ハロゲン系化合物やアンチモン系化合物を含まずに硬化膜の難燃性を十分高いものとすることができることから、例えば、プリント配線板の環境負荷や毒性を低減することが可能となる。特に、本発明の感光性樹脂組成物を非ハロゲン系或いは非アンチモン系の難燃基板に適用する場合、上記の効果が更に有効に奏される。
本発明の感光性樹脂組成物においては、(A)成分である希アルカリ水溶液に可溶な樹脂は、(a)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と(b)不飽和結合含有モノカルボン酸と(c)多塩基性カルボン酸無水物と、の反応物であることを特徴とする。上記一般式(1)のような構造を持つ希アルカリ水溶液に可溶な樹脂を感光性樹脂組成物に含有させることによって、アルカリ現像性と難燃性の両立が可能となる。
また、(B)成分であるフェノキシフォスファゼン化合物が一般式(2)で示される環状構造を有する化合物及び/又は一般式(3)で表される鎖状構造を有する化合物であるとさらに好ましい。これにより感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜が十分な難燃性を有することができる。また上記一般式(2)で示されるフェノキシフォスファゼン化合物は加水分解しにくい構造であり、電気絶縁性を低下させるイオン性不純物の発生を有効に防止することができるため、硬化膜は優れた絶縁信頼性を有することができる。
感光性樹脂組成物は、さらに(F)リン酸エステルを含有しても良い。これにより硬化膜の難燃性をさらに向上することができ、またリン酸エステルが可塑剤として働くため、硬化膜の可とう性がさらに向上できる。
感光性樹脂組成物の硬化膜が良好な難燃性を有するためには、感光性樹脂組成物中の(A)成分の含有量が、35〜70重量%であると好ましい。また、感光性樹脂組成物中のリン含有量が、1.5〜5.0重量%であると好ましい。
該感光性樹脂組成物の硬化膜をポリイミドなどのフレキシブル基材上形成した基板は、難燃性を有することを特徴とする。該感光性樹脂組成物は、ハロゲン系化合物やアンチモン系化合物を含まずに硬化膜の難燃性を十分高いものとすることができることから、例えば、プリント配線板の環境負荷や毒性を低減することが可能となる。
本発明の感光性樹脂組成物は、十分な難燃性を有する硬化膜を高解像度で形成でき、十分な可とう性を有することから、プリント配線板、特にフレキシブルプリント配線板の永久マスク形成に用いられるものであることが好ましい。
また、本発明は、支持体と、該支持体上に形成された上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光層とを備えることを特徴とする感光性エレメントを提供する。
本発明の感光性エレメントによれば、本発明の感光性樹脂組成物からなる感光層を備えることにより、十分な難燃性を有する硬化膜を高解像度で効率よく形成することが可能となる。
また、本発明の感光性エレメントによれば、ハロゲン系化合物やアンチモン系化合物を用いることなく十分な難燃性を有することから、低環境負荷、低毒性、高解像度のプリント配線板の効率的な生産が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
[感光性樹脂組成物]
先ず、本発明の感光性樹脂組成物について説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)(a)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と(b)不飽和結合含有モノカルボン酸と(c)多塩基性カルボン酸無水物と、の反応物である希アルカリ水溶液に可溶な樹脂と、(B)フェノキシフォスファゼン化合物と、(C)少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物と、(D)光重合開始剤と、(E)熱硬化剤と、を含有するものである。
以下、本発明の感光性樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
<(A)成分:希アルカリ水溶液に可溶な樹脂>
(A)成分である希アルカリ水溶液に可溶な樹脂を構成する(a)エポキシ樹脂は、下記一般式(1)で示されることを特徴とする。
Figure 0004986024

[式(1)中、nは平均値を示し0〜10の数を示し、P、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを示し、P、Rはお互いに同一であっても異なっていてもよく、Gはグリシジル基を示す。]
(A)成分である希アルカリ水溶液に可溶な樹脂を構成する(b)不飽和結合含有モノカルボン酸の具体例としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリン酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸および飽和又は不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体との反応物である半エステル類、あるいは飽和または不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグリシジル化合物との反応物である半エステル類が挙げられる。
半エステル類は、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等の飽和および不飽和二塩基酸無水物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート等の1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体類とを等モルで反応させて得られる半エステル類あるいは、飽和または不飽和二塩基酸(例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、イタコン酸、フマル酸等。)と不飽和基含有モノグリシジル化合物(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、を等モル比で反応させて得られる半エステル等である。これらの(b)モルカノボン酸は単独で、または併用して用いることができる。特に好ましいモノカルボン酸は、アクリル酸である。
(A)成分である希アルカリ水溶液に可溶な樹脂を構成する(c)多塩基性カルボン酸無水物の具体例としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ヘッド酸等などが挙げられる。
(A)成分である希アルカリ水溶液に可溶な樹脂の酸価は、60〜150mgKOH/gであることが好ましく、80〜120mgKOH/gであることが更に好ましい。酸価が60mgKOH/g未満では、希アルカリ水溶液による現像が困難になる傾向があり、150mgKOH/gを超えると、得られる硬化膜の絶縁信頼性、耐薬品性及びめっき耐性が不十分となる傾向がある。
なお、(A)成分の酸価は、以下の方法により測定することができる。まず(A)成分としての樹脂溶液約1gを精秤した後、その樹脂溶液にアセトンを30g添加し、樹脂溶液を均一に溶解する。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行う。そして、滴定結果より以下の一般式(4);
A=10×Vf×56.1/(Wp×I)・・・・(4)
により酸価を算出する。なお、式中Aは酸価(mgKOH/g)を示し、Vfはフェノールフタレインの滴定量(mL)を示し、Wpは(A)成分としての樹脂溶液の重量(g)を示し、Iは(A)成分としての樹脂溶液の不揮発分の割合(質量%)を示す。
(A)成分である希アルカリ水溶液に可溶な樹脂は購入することもでき、例えば、ZCR−1569H、ZCR−1596H、ZCR−1611H、ZCR−1610H(いずれも日本化薬社製、商品名)を用いることもできる。
<(B)成分:フェノキシフォスファゼン化合物>
(B)成分である、フェノキシフォスファゼン化合物は下記一般式(2)で示される環状構造を有する化合物及び/又は下記一般式(3)で表される鎖状構造を有する化合物であるとさらに好ましい。
Figure 0004986024
(式(2)中、mは1〜20の整数を示す。)
Figure 0004986024

(式(3)中、nは1〜20の整数を示す。)
またフェノキシフォスファゼン化合物の好ましい例としては、上記一般式(2)で表される環状構造を有する化合物及び上記一般式(3)で表される鎖状構造を有する化合物が挙げられる。
<(C)成分:少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物>
(C)少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物の具体例としては、例えば、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマーが挙げられ、これら以外にも、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が例示可能である。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業製、商品名)として商業的に入手可能である。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートプロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、「EO」とは「エチレンオキシド」のことをいい、「PO」とは「プロピレンオキシド」のことをいう。また、「EO変性」とはエチレンオキシドユニット(−CH2CH2O−)のブロック構造を有することを意味し、「PO変性」とはプロピレンオキシドユニット(−CH2CH(CH3)O−)のブロック構造を有することを意味する。
グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート及び2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が挙げられる。上記のα,β−不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ウレタンモノマー又はウレタンオリゴマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO又はPO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<(D)成分:光重合開始剤>
(D)成分である光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−モルホリノフェノン)−ブタノン−1,2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
<(E)成分:熱硬化剤>
(E)成分である熱硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性の化合物などが挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型三級脂肪酸変性ポリオールエポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のジグリシジルエステル類、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン等のジグリシジルアミン類等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して使用してもよい。
また(E)成分である熱硬化剤として、潜在性の熱硬化剤であるブロックイソシアネート化合物を用いることもできる。ブロックイソシアネート化合物としては、例えば、アルコール化合物、フェノール化合物、ε−カプロラクタム、オキシム化合物、活性メチレン化合物等のブロック剤によりブロック化されたポリイソシアネート化合物が挙げられる。ブロック化されるポリイソシアネート化合物としては、4,4−ジフェニルメタンジシソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン1,5−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンダイマー等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートが挙げられ、耐熱性の観点からは芳香族ポリイソシアネートが、着色防止の観点からは脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートが好ましい。
<(F)成分:リン酸エステル>
感光性樹脂組成物は、硬化膜の難燃性及び、可とう性を向上させるため、さらに(F)リン酸エステルを含有することもできる。リン酸エステルの具体例としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、1,3−ジヒドロキシベンゼン・トリクロロホスフィン重縮合物のフェノール縮合物、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン・トリクロロホスフィンオキシド重縮合物のフェノール縮合物等が挙げられる。これらは市販のものを入手可能であり、例えば、TPP、TCP、TXP、CDP、XDP、CR−733S、CR−741、CR−747(いずれも大八化学社製、商品名)、PFR、FP−600及びFP−700(いずれもアデカ社製、商品名)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物が良好な難燃性を有するためには、感光性樹脂組成物中の(A)成分の含有量が、35〜70重量%であると好ましく、40〜65重量%であるとさらに好ましい。(A)成分が35重量%より少ない場合は、難燃性が低下する傾向があり、70重量%より多い場合は、希アルカリ水溶液による現像が困難になる傾向がある。また、良好な難燃性を有するための感光性樹脂組成物中のリン含有量が、1.5〜5.0重量%であると好ましく、2.0〜4.5重量%であるとさらに好ましい。1.5重量%より少ない場合は難燃性が低下する傾向があり、5.0重量%より多い場合は硬化膜の耐折性が低下する傾向がある。
(B)成分は、上記リン含有量の範囲になるように含有させることが好ましい。
(C)成分の含有量は、解像性及び難燃性の観点から、感光性樹脂組成物中の(C)成分の含有量が、7〜30重量%であることが好ましく、10〜25重量%であることがより好ましい。(C)成分の含有量が7重量%より少ない場合は解像性が劣る傾向があり、30重量%より多い場合は難燃性が低下する傾向がある。
(D)成分の含有量は、光感度の観点から、感光性樹脂組成物中の(D)成分の含有量が、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.2〜5重量%であることがより好ましい。
(E)成分の含有量は、難燃性及び絶縁信頼性の観点から、感光性樹脂組成物中の(E)成分の含有量が、5〜20重量%であることが好ましく、8〜15重量%であることがより好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤若しくはp−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アゾ系等の有機顔料若しくは二酸化チタン等の無機顔料、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム若しくは硫酸バリウム等の無機顔料からなる充填剤、消泡剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、酸化防止剤、香料或いはイメージング剤などを含有させることができる。これらの成分は、感光性樹脂組成物中の含有量として、各々0.01〜20重量%程度含有させることが好ましい。また、上記の成分は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
更に、本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解し、固形分30〜70質量%程度の溶液として塗布することができる。
以上説明したような本発明の感光性樹脂組成物は、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属面上に、液状レジストとして塗布してから乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、後述する感光性エレメントの形態で用いることができる。
[感光性エレメント]
次に、上述した本発明の感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメントについて説明する。
図1は、本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示した感光性エレメント1は、支持体10と、支持体10上に設けられた感光層14と、で構成される。感光層14は、上述した本発明の感光性樹脂組成物からなる。本発明の感光性エレメントは、感光層14上の支持体10の反対側の面F1を保護フィルムで被覆してもよい。
感光層14は、本発明の感光性樹脂組成物を上記溶剤又は混合溶剤に溶解して固形分30〜70質量%程度の溶液とした後に、かかる溶液を支持体10上に塗布して形成することが好ましい。感光層14の厚みは、用途により異なるが、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶剤を除去した乾燥後の厚みで、10〜100μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましい。この厚みが10μm未満では工業的に塗工困難な傾向があり、100μmを超えると本発明により奏される上述の効果が小さくなりやすく、特に、可撓性及び解像度が低下する傾向にある。
感光性エレメント1が備える支持体10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムなどが挙げられる。
支持体10の厚みは、5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。この厚みが5μm未満では現像前に支持体を剥離する際に当該支持体が破れやすくなる傾向があり、また、100μmを超えると解像度及び可撓性が低下する傾向がある。
上述したような支持体10と感光層14との2層からなる感光性エレメント1又は支持体10と感光層14と保護フィルムとの3層からなる感光性エレメントは、例えば、そのまま貯蔵してもよく、又は保護フィルムを介在させた上で巻芯にロール状に巻き取って保管することができる。
本発明の感光性エレメントを用いたレジストパターンの形成方法は、必要に応じて上述した感光性エレメントから保護フィルムを除去する除去工程と、該感光性エレメントを感光層、支持体の順に回路形成用基板上に積層する積層工程と、活性光線を、必要に応じて支持体を通して、感光層の所定部分に照射して、感光層に光硬化部を形成させる露光工程と、光硬化部以外の感光層を除去する現像工程とを含むものである。なお、回路形成用基板とは、絶縁層と、絶縁層上に形成された導電体層(銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄系合金、好ましくは銅、銅系合金、鉄系合金からなる)とを備えた基板をいう。
必要に応じて保護フィルムを除去する除去工程後の積層工程における積層方法としては、感光層を加熱しながら回路形成用基板に圧着することにより積層する方法等が挙げられる。かかる積層の際の雰囲気は特に制限されないが、密着性及び追従性等の見地から減圧下で積層することが好ましい。積層される表面は、通常、回路形成用基板の導電体層の面であるが、当該導電体層以外の面であってもよい。感光層の加熱温度は70〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は0.1〜1.0MPa程度とすることが好ましく、周囲の気圧は4000Pa以下とすることがより好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、感光層を上記のように70〜130℃に加熱すれば、予め回路形成用基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性を更に向上させるために、回路形成用基板の予熱処理を行うこともできる。
このようにして積層が完了した後、露光工程において感光層の所定部分に活性光線を照射して光硬化部を形成せしめる。光硬化部の形成方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法が挙げられる。この際、感光層上に存在する支持体が透明の場合には、そのまま活性光線を照射することができるが、不透明の場合には、支持体を除去した後に感光層に活性光線を照射する。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものを用いることができる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものを用いることもできる。
次いで、露光後、感光層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去した後、現像工程において、ウエット現像、ドライ現像等で光硬化部以外の感光層を除去して現像し、レジストパターンを形成させる。ウエット現像の場合は、アルカリ性水溶液等の現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。現像液としては、安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられ、例えば、20〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(1〜5質量%水溶液)等が用いられる。
上述の形成方法により得られたレジストパターンは、例えば、プリント配線板のソルダーレジストとして用いる場合は、上記現像工程終了後、ソルダーレジストとしてのはんだ耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプによる紫外線照射やオーブンによる加熱を行うことが好ましい。紫外線を照射させる場合は必要に応じてその照射量を調整することができ、例えば0.2〜10J/cm程度の照射量で照射を行うこともできる。また、加熱する場合は、100〜170℃程度の範囲で15〜90分程行われることが好ましい。さらに紫外線照射と加熱とを両方実施しても良く、いずれか一方を実施した後、他方を実施することもできる。
また、上述の形成方法により得られたレジストパターンはプリント配線板上に形成される永久マスクとして使用されると好ましい。本発明の感光性樹脂組成物から形成される硬化膜は、優れた難燃性を有するので、基板にはんだ付けを施した後の配線の保護膜を兼ねる、プリント配線板の永久マスクとして有効である。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1〜2)
まず、表1に示す各成分をそこに示す固形分の配合比(重量基準)(ただし、メチルエチルケトンは液体としての質量基準)で混合することにより感光性樹脂組成物溶液を得た。
なお表1中、(A−1)成分は、ビフェニル型エポキシアクリレート(日本化薬社製、商品名「ZCR−1569H」、酸価=98、Mw=4.5K)であり、(A−2)成分は、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(日本化薬社製、商品名「ZAR−2001H」、酸価=103、Mw=13K)であり、(A−3)成分は、ビスフェノールF型エポキシアクリレート(日本化薬社製、商品名「ZFR−1516」、酸価=73、Mw=11K)である。
(B-1)成分は、フェノキシフォスファゼン化合物(大塚化学株式会社製 商品名SPB−100 リン含有率=13)であり、(B−2)成分は、リン酸エステル(アデカ社製、商品名「アデカスタブ FP−600」、リン含有量=8.9重量%)である。
(C)成分は、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレート(新中村化学工業社製、商品名「BPE−10」)である。
(D)成分は、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフェリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「I−369」)である。
(E)成分は、ヘキサメチレンジイソシアネートをベースイソシアネートとするイソシアヌレート体のメチルエチルケトンオキシムブロック体の75質量%メチルエチルケトン溶液(住化バイエルウレタン社製、商品名「BL3175」)である。
Figure 0004986024
注)表1中の値は、各成分の固形分の配合比である。(メチルエチルケトンは除く)
また、表中記号「−」は、該当する成分を含有していないことを示す。
[感光性エレメントの作製]
次いで、これらの感光性樹脂組成物溶液を支持層である16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人社製、商品名「G2−16」)上にそれぞれ別に、均一に塗布することにより感光性樹脂組成物層を形成し、それを熱風対流式乾燥機を用いて100℃で約10分間乾燥した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、38μmであった。
続いて、感光性樹脂組成物層の支持層と接している側とは反対側の表面上に、ポリエチレンフィルム(タマポリ社製、商品名「NF−13」)を保護フィルムとして貼り合わせ、感光性エレメントを得た。
[評価用積層体の作製]
そして、18μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシブルプリント配線板用基板(ニッカン工業社製、商品名「F30VC1」)の銅表面を砥粒ブラシで研磨し、水洗後、乾燥した。このフレキシブルプリント配線板用基板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工業社製、商品名「HLM−V570」)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4000Pa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、得られた感光性エレメントを、ポリエチレンフィルムを剥離しつつ積層し、評価用積層体を得た。
[光感度の評価]
得られた上記評価用積層体上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させ、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、常温で一時間静置して、PETフィルムを剥離した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。光感度を評価する数値として、上記エネルギー量を用いた。この数値が低いほど、光感度が高いことを示す。結果を表2に示す。
[解像度の評価]
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体上に密着させ、上述した露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、常温で一時間静置して、PETフィルムを剥離した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。ここで、解像度は、現像処理によって矩形のレジスト形状が得られたライン幅間のスペース幅の最も小さい値(単位:μm)により評価した。この値が小さいほど、解像度に優れていることを示す。結果を表2に示す。
[評価用FPCの作製]
さらに、得られた評価用積層体上に、ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、カバーレイの信頼性評価用ネガとして配線パターンを有するフォトツールとを密着させ、上述した露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。次いで、常温で1時間静置した後、該積層体上のポリエチレンテレフタレートを剥離し、光感度評価の場合と同様の現像液及び現像条件でスプレー現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。続いて、オーク製作所社製紫外線照射装置を使用して1J/cmのエネルギー量で紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、カバーレイを形成した評価用FPCを得た。
[可撓性(耐折性)の評価]
上述のようにして得られた評価用FPCを、ハゼ折りにより180°折り曲げを繰り返して行い、その際のカバーレイにおけるクラックが発生するまでの回数を顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、5回以上折り曲げてもカバーレイにクラックが認められないものは「A」とし、クラックが発生するまでの回数が2回以上で5回以下のものは「B」とし、クラックが発生するまでの回数が2回以下のものは「C」とした。結果を表2に示す。
[難燃性の評価]
銅箔張積層板(新日鐵化学社製、商品名「エスパネックスMB」のシリーズ)の銅箔をエッチングにより除去して厚さ25μmのPIフィルムを得た。次いで、そのPIフィルムの両面に、連続式真空ラミネータ(日立化成工業社製、商品名「HLM−V570」)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4000Pa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、上述の感光性エレメントを、ポリエチレンフィルムを剥離しつつ積層して積層体を得た。次に、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、上記感光性エレメントの感光層の露光を、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となる上記エネルギー量で行った。続いて、常温で一時間静置して、ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層体から剥離した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を積層体に40秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。次いで、積層体の感光層にオーク製作所社製紫外線照射装置を使用して1J/cmのエネルギー量で紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、カバーレイを形成した難燃性評価用サンプルを得た。この難燃性評価用サンプルついて、UL94規格に準拠した薄材垂直燃焼試験を行った。評価はUL94規格に基づいて、VTM−0又はVTM−1と表した。結果を表2に示す。なお、表2中「NOT」とは、燃焼試験において難燃性評価用サンプルがVTM−0、VTM−1、VTM−2に該当せず全焼したことを示す。
Figure 0004986024
表2から明らかなように、実施例1、2及び3の感光性樹脂組成物によれば、十分な光感度及び解像度が得られることが確認された。また、実施例1、2及び3の感光性樹脂組成物から形成された硬化膜を備える積層板は、十分な難燃性(VTM−0)を有していることが確認された。更に、実施例2及び3の感光性樹脂組成物から形成された硬化膜は、優れた可撓性(耐折性)を有していることが分かった。
本発明の感光性フィルムの一実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1…感光性エレメント
10…支持体
14…感光層
F1…感光層上の支持体の反対側の面

Claims (8)

  1. (A)(a)下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と(b)不飽和結合含有モノカルボン酸と(c)多塩基性カルボン酸無水物と、の反応物である希アルカリ水溶液に可溶な樹脂と、(B)フェノキシフォスファゼン化合物と、(C)少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物と、(D)光重合開始剤と、(E)熱硬化剤と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
    Figure 0004986024
    [式(1)中、nは平均値を示し0〜10の数を示し、P、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを示し、P、Rはお互いに同一であっても異なっていてもよく、Gはグリシジル基を示す。]
  2. (B)フェノキシフォスファゼン化合物が、下記一般式(2)で示される環状構造を有する化合物及び/又は下記一般式(3)で表される鎖状構造を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0004986024
    (式(2)中、mは1〜20の整数を示す。)
    Figure 0004986024
    (式(3)中、nは1〜20の整数を示す。)
  3. (E)熱硬化剤が、ブロックイソシアネート化合物を含有する請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 更に(F)リン酸エステルを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. 感光性樹脂組成物中の(A)成分の含有量が35〜70重量%であり、かつ、リン含有量が1.5〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  6. フレキシブル基材上に請求項1〜のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用い硬化膜を形成した基板。
  7. プリント配線板の永久マスク形成に用いられる請求項1〜のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  8. 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備えることを特徴とする感光性エレメント。
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