JP4986024B2 - 感光性樹脂組成物及び感光性エレメント - Google Patents
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1. (A)(a)下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と(b)不飽和結合含有モノカルボン酸と(c)多塩基性カルボン酸無水物と、の反応物である希アルカリ水溶液に可溶な樹脂と、(B)フェノキシフォスファゼン化合物と、(C)少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物と、(D)光重合開始剤と、(E)熱硬化剤と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
[式(1)中、nは平均値を示し0〜10の数を示し、P、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを示し、P、Rはお互いに同一であっても異なっていてもよく、Gはグリシジル基を示す。]
(式(3)中、nは1〜20の整数を示す。)
4. 更に(F)リン酸エステルを含有する項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
5. 感光性樹脂組成物中の(A)成分の含有量が35〜70重量%であり、かつ、リン含有量が1.5〜5.0重量%であることを特徴とする項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
6. フレキシブル基材上に項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用い硬化膜を形成した基板。
7. プリント配線板の永久マスク形成に用いられる項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
8. 支持体と、該支持体上に形成された項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備えることを特徴とする感光性エレメント。
先ず、本発明の感光性樹脂組成物について説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)(a)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と(b)不飽和結合含有モノカルボン酸と(c)多塩基性カルボン酸無水物と、の反応物である希アルカリ水溶液に可溶な樹脂と、(B)フェノキシフォスファゼン化合物と、(C)少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物と、(D)光重合開始剤と、(E)熱硬化剤と、を含有するものである。
<(A)成分:希アルカリ水溶液に可溶な樹脂>
(A)成分である希アルカリ水溶液に可溶な樹脂を構成する(a)エポキシ樹脂は、下記一般式(1)で示されることを特徴とする。
A=10×Vf×56.1/(Wp×I)・・・・(4)
により酸価を算出する。なお、式中Aは酸価(mgKOH/g)を示し、Vfはフェノールフタレインの滴定量(mL)を示し、Wpは(A)成分としての樹脂溶液の重量(g)を示し、Iは(A)成分としての樹脂溶液の不揮発分の割合(質量%)を示す。
(B)成分である、フェノキシフォスファゼン化合物は下記一般式(2)で示される環状構造を有する化合物及び/又は下記一般式(3)で表される鎖状構造を有する化合物であるとさらに好ましい。
(C)少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物の具体例としては、例えば、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマーが挙げられ、これら以外にも、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が例示可能である。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(D)成分である光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−モルホリノフェノン)−ブタノン−1,2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(E)成分である熱硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性の化合物などが挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型三級脂肪酸変性ポリオールエポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のジグリシジルエステル類、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン等のジグリシジルアミン類等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して使用してもよい。
感光性樹脂組成物は、硬化膜の難燃性及び、可とう性を向上させるため、さらに(F)リン酸エステルを含有することもできる。リン酸エステルの具体例としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、1,3−ジヒドロキシベンゼン・トリクロロホスフィン重縮合物のフェノール縮合物、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン・トリクロロホスフィンオキシド重縮合物のフェノール縮合物等が挙げられる。これらは市販のものを入手可能であり、例えば、TPP、TCP、TXP、CDP、XDP、CR−733S、CR−741、CR−747(いずれも大八化学社製、商品名)、PFR、FP−600及びFP−700(いずれもアデカ社製、商品名)等が挙げられる。
次に、上述した本発明の感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメントについて説明する。
(実施例1〜3、比較例1〜2)
まず、表1に示す各成分をそこに示す固形分の配合比(重量基準)(ただし、メチルエチルケトンは液体としての質量基準)で混合することにより感光性樹脂組成物溶液を得た。
また、表中記号「−」は、該当する成分を含有していないことを示す。
次いで、これらの感光性樹脂組成物溶液を支持層である16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人社製、商品名「G2−16」)上にそれぞれ別に、均一に塗布することにより感光性樹脂組成物層を形成し、それを熱風対流式乾燥機を用いて100℃で約10分間乾燥した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、38μmであった。
そして、18μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシブルプリント配線板用基板(ニッカン工業社製、商品名「F30VC1」)の銅表面を砥粒ブラシで研磨し、水洗後、乾燥した。このフレキシブルプリント配線板用基板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工業社製、商品名「HLM−V570」)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4000Pa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、得られた感光性エレメントを、ポリエチレンフィルムを剥離しつつ積層し、評価用積層体を得た。
得られた上記評価用積層体上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させ、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、常温で一時間静置して、PETフィルムを剥離した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。光感度を評価する数値として、上記エネルギー量を用いた。この数値が低いほど、光感度が高いことを示す。結果を表2に示す。
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体上に密着させ、上述した露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、常温で一時間静置して、PETフィルムを剥離した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。ここで、解像度は、現像処理によって矩形のレジスト形状が得られたライン幅間のスペース幅の最も小さい値(単位:μm)により評価した。この値が小さいほど、解像度に優れていることを示す。結果を表2に示す。
さらに、得られた評価用積層体上に、ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、カバーレイの信頼性評価用ネガとして配線パターンを有するフォトツールとを密着させ、上述した露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。次いで、常温で1時間静置した後、該積層体上のポリエチレンテレフタレートを剥離し、光感度評価の場合と同様の現像液及び現像条件でスプレー現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。続いて、オーク製作所社製紫外線照射装置を使用して1J/cm2のエネルギー量で紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、カバーレイを形成した評価用FPCを得た。
上述のようにして得られた評価用FPCを、ハゼ折りにより180°折り曲げを繰り返して行い、その際のカバーレイにおけるクラックが発生するまでの回数を顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、5回以上折り曲げてもカバーレイにクラックが認められないものは「A」とし、クラックが発生するまでの回数が2回以上で5回以下のものは「B」とし、クラックが発生するまでの回数が2回以下のものは「C」とした。結果を表2に示す。
銅箔張積層板(新日鐵化学社製、商品名「エスパネックスMB」のシリーズ)の銅箔をエッチングにより除去して厚さ25μmのPIフィルムを得た。次いで、そのPIフィルムの両面に、連続式真空ラミネータ(日立化成工業社製、商品名「HLM−V570」)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4000Pa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、上述の感光性エレメントを、ポリエチレンフィルムを剥離しつつ積層して積層体を得た。次に、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、上記感光性エレメントの感光層の露光を、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となる上記エネルギー量で行った。続いて、常温で一時間静置して、ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層体から剥離した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を積層体に40秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。次いで、積層体の感光層にオーク製作所社製紫外線照射装置を使用して1J/cm2のエネルギー量で紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、カバーレイを形成した難燃性評価用サンプルを得た。この難燃性評価用サンプルついて、UL94規格に準拠した薄材垂直燃焼試験を行った。評価はUL94規格に基づいて、VTM−0又はVTM−1と表した。結果を表2に示す。なお、表2中「NOT」とは、燃焼試験において難燃性評価用サンプルがVTM−0、VTM−1、VTM−2に該当せず全焼したことを示す。
10…支持体
14…感光層
F1…感光層上の支持体の反対側の面
Claims (8)
- (E)熱硬化剤が、ブロックイソシアネート化合物を含有する請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 更に(F)リン酸エステルを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 感光性樹脂組成物中の(A)成分の含有量が35〜70重量%であり、かつ、リン含有量が1.5〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- フレキシブル基材上に請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用い硬化膜を形成した基板。
- プリント配線板の永久マスク形成に用いられる請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備えることを特徴とする感光性エレメント。
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