JP5046306B2 - カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法並びに処理システム - Google Patents

カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法並びに処理システム Download PDF

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Description

本発明は、セメントキルンの排ガスの一部を抽気する塩素バイパス技術で得られる微粉末等のカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法に関し、より詳しくは、カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末に含まれているカルシウム成分及び鉛成分を分別して回収するための処理方法に関する。
家庭ごみ、焼却灰等の廃棄物を原料の一部として用いるセメントキルンにおいては、塩素の含有率が高い排ガスが発生する。この排ガスは、塩素バイパス技術によって処理される。塩素バイパス技術とは、セメントキルンの排ガスの一部を抽気した後、この抽気した高温の排ガス中の粗粉(塩素含有量が少ない固体分)をサイクロンで捕集し、セメント原料としてセメントキルンに戻す一方、サイクロンを通過した排ガスを冷却して生じる微粉末(塩素含有量が多い固体分)を、バグフィルター等の集塵機で捕集して、塩素成分を除去する技術をいう。捕集した微粉末は、カルシウム成分、カリウム成分、鉛成分、塩素成分等を含む。なお、この微粉末は、カリウム成分、鉛成分、塩素成分等を除去すれば、カルシウム成分を主成分とするセメント原料として、セメントキルンに戻すことができる。
一方、カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末に対して、浮遊選鉱を行い、カルシウム成分と鉛成分を分別して回収する技術が知られている。
例えば、(A)カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末と、水と、硫化剤を混合して、固体分である鉛硫化物を含むスラリーを得る鉛硫化物生成工程と、(B)工程(A)で得られた前記スラリーに硫酸を加えて、該スラリーのpHを1.5〜7.5に調整し、固体分である鉛硫化物及び硫酸カルシウムを含むスラリーを得る硫酸カルシウム生成工程と、(C)工程(B)で得られたスラリーに捕収剤を加えて、スラリー中の鉛硫化物を疎水化させる鉛硫化物疎水化工程と、(D)工程(C)で得られたスラリーに浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱と、硫酸カルシウムを含む沈鉱を得る鉛・カルシウム分離工程と、を含むことを特徴とするカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法が、提案されている(特許文献1)。
この文献には、工程(A)における硫化剤の添加量について、S(硫化剤中の硫黄)/Pb(微粉末中の鉛)のモル比が0.8〜3.0の範囲内となる量の硫化剤を添加することが望ましいことが、記載されている。
特開2008−62169号公報
前記の特許文献1に記載された技術において、工程(A)における硫化剤の添加量を最適な数値範囲内に収めるためには、処理対象物である微粉末に含まれている鉛の量を把握する必要がある。
しかし、処理対象物である微粉末に含まれている鉛の量を把握するためには、鉛の含有率を測定するための測定装置が必要である。
また、仮に、処理対象物である微粉末のサンプルの一つに含まれている鉛の含有率を測定して、工程(A)における硫化剤の添加量を最適な数値範囲内に収めたとしても、微粉末中の鉛の含有率はサンプル毎に変動するため、硫化剤の添加量を常に最適な数値範囲内に収めるためには、処理前の微粉末中の鉛の含有率を継続的に測定しなければならない。
このように、硫化剤の添加量を最適な数値範囲内に収めることは、設備及び労力の両面で負担になるという問題がある。
そこで、本発明は、カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末に対して、硫化剤を添加して鉛硫化物を生成させ、この鉛硫化物を浮遊選鉱処理によって浮鉱として回収するに際して、前記の微粉末中の鉛の含有率を測定しなくても、簡易な方法で硫化剤の添加量を常に最適な値に維持することができ、その結果、カルシウム成分と分別して、常に高い回収率で鉛を回収することのできる、カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、処理対象物である微粉末と、水と、硫化剤とを混合してなるスラリーの酸化還元電位が、特定の数値範囲内である場合に、硫化剤中の硫黄と微粉末中の鉛とのモル比が好適であり、それゆえ、浮遊選鉱によって高い回収率で鉛を回収しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[]を提供するものである。
[1] (A)カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末と、水と、硫化剤を混合して、固体分である鉛硫化物を含むスラリーを得る鉛硫化物生成工程と、(B)工程(A)で得られた前記スラリーの酸化還元電位を測定し、該酸化還元電位の値が−450〜−550mVの範囲内に保たれるように、工程(A)における硫化剤の添加量を調整する鉛硫化物添加量調整工程と、(C)工程(B)を経た前記スラリーに硫酸を加えて、該スラリーのpHを1.5〜7.5に調整し、固体分である鉛硫化物及び硫酸カルシウムを含むスラリーを得る硫酸カルシウム生成工程と、(D)工程(C)で得られたスラリーに捕収剤を加えて、スラリー中の鉛硫化物を疎水化させる鉛硫化物疎水化工程と、(E)工程(D)で得られたスラリーを浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱と、硫酸カルシウムを含む沈鉱を得る鉛・カルシウム分離工程と、を含むことを特徴とするカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法。
] カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末と、水と、硫化剤を混合して、固体分である鉛硫化物を含むスラリーを得るための鉛硫化物生成装置と、前記鉛硫化物生成装置で得られた前記スラリーの酸化還元電位を測定するための酸化還元電位測定装置と、前記酸化還元電位測定装置における酸化還元電位の値が−450〜−550mVの範囲内に保たれるように、前記鉛硫化物生成装置における硫化剤の添加量を調整するための硫化剤添加量調整手段と、酸化還元電位を測定した後の前記スラリーに硫酸を加えて、該スラリーのpHを1.5〜7.5に調整し、固体分である鉛硫化物及び硫酸カルシウムを含むスラリーを得るための硫酸カルシウム生成装置と、該硫酸カルシウム生成装置で得られたスラリーに捕収剤を加えて、スラリー中の鉛硫化物を疎水化させるための鉛硫化物疎水化装置と、該鉛硫化物疎水化装置で得られたスラリーを浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱と、硫酸カルシウムを含む沈鉱を得るための浮遊選鉱装置と、を含むことを特徴とするカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理システム。
本発明によれば、処理対象物である微粉末中の鉛の含有率を測定しなくても、簡易な方法によって、鉛硫化物を生成させるための硫化剤の添加量を常に最適な値に維持することができる。その結果、処理対象物である微粉末から、常に高い回収率で鉛を回収することができる。
なお、鉛は、浮鉱中の鉛硫化物として回収され、山元還元による非鉄精練原料等として用いることができる。また、カルシウムは、沈鉱中の硫酸カルシウムとして回収され、セメント原料等として用いることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明のカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法を説明する。
図1は、本発明のカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法の一例を示すフロー図である。
本発明のカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法は、図1に示すとおり、(A)カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末と、水と、硫化剤(例えば、水硫化ソーダ)を混合して、固体分である鉛硫化物を含むスラリーを得る鉛硫化物生成工程と、(B)工程(A)で得られたスラリーの酸化還元電位の値が−450〜−550mVの範囲内に保たれるように、工程(A)における硫化剤の添加量を調整する硫化剤添加量調整工程と、(C)工程(B)を経たスラリーに硫酸を加えて、該スラリーのpHを1.5〜7.5に調整し、固体分である鉛硫化物及び硫酸カルシウムを含むスラリーを得る硫酸カルシウム生成工程と、(D)工程(C)で得られたスラリーに捕収剤(例えば、ザンセート)を加えて、スラリー中の鉛硫化物を疎水化させる鉛硫化物疎水化工程と、(E)工程(D)で得られたスラリーを、必要に応じて起泡剤を添加した後に、浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱と、硫酸カルシウムを含む沈鉱を得る鉛・カルシウム分離工程と、を含む。
以下、各工程について詳しく説明する。
[工程(A);鉛硫化物生成工程]
工程(A)は、カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末と、水と、硫化剤を混合して、固体分である鉛硫化物を含むスラリーを得る工程である。
本発明の処理対象となる微粉末の例としては、前記の背景技術の欄で説明した、塩素バイパス技術によるセメントキルンの排ガスの処理の過程で捕集される微粉末や、焼却飛灰、溶融飛灰等が挙げられる。
本発明の処理対象となる微粉末中のカルシウム成分の含有率(CaO換算の質量割合)は、特に限定されないが、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは8〜60質量%、特に好ましくは12〜50質量%である。該含有率が5質量%未満では、本発明の処理方法によって得られるカルシウム成分の量が少なくなり、カルシウム成分の再資源化を十分に図ることができない。該含有率が70質量%を超えると、工程(E)における鉛の回収率が低下することがある。
本発明の処理対象物である微粉末中の鉛成分の含有率(PbO換算の質量割合)は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜18質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1〜12質量%である。該含有率が0.1質量%未満では、鉛の含有量が少なすぎて、本発明の方法を適用する必要性が小さくなる。該含有率が18質量%を超えると、工程(E)で分離回収した硫酸カルシウム中に鉛が多く残留することがある。
水1リットル当たりのカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の量は、好ましくは
5〜300g、より好ましくは20〜250g、特に好ましくは50〜200gである。該量が5g未満では、カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の単位質量当たりの水量が大きくなり、処理の効率が低下する。該量が300gを超えると、鉛・カルシウム分離工程(E)における鉛成分とカルシウム成分の分離性能が低下する。
硫化剤の例としては、水硫化ソーダ(NaSH)、硫化ソーダ(NaS)、硫化水素ガス(HS)等が挙げられる。
本工程で得られるスラリー中に生成される鉛硫化物は、例えば、硫化鉛(PbS)等が挙げられる。
硫化剤の好ましい添加量は、スラリー化する前の微粉末中の鉛成分の量に応じて定められる。通常、S(硫化剤中の硫黄)/Pb(微粉末中の鉛)のモル比が0.8〜1.3の範囲内となる量の硫化剤を添加することが望ましい。該モル比は、より好ましくは1.00〜1.25である。
硫化剤の添加量の調整方法については、下記の「工程(B);硫化剤添加量調整工程」で説明する。
工程(A)においては、スラリーの調製後に十分に撹拌することが好ましい。撹拌時間は、好ましくは5〜30分間である。
[工程(B);硫化剤添加量調整工程]
工程(B)は、工程(A)で得られたスラリーの酸化還元電位を測定し、該酸化還元電位の値が−450〜−550mVの範囲内に保たれるように、工程(A)における硫化剤の添加量を調整する工程である。
本発明においては、処理対象物中の鉛の含有率の変動に伴って硫化剤の添加量の最適値が変動する場合であっても、工程(A)で得られたスラリーの酸化還元電位の値を−450〜−550mVの数値範囲内に保つことによって、処理対象物中の鉛の含有率を測定することなく、硫化剤の添加量を常に最適に保つことができるとの知見を、実験で得たものである。
工程(A)における硫化剤の添加量は、工程(B)の酸化還元電位が前記数値範囲内に収まるように調整すればよい。例えば、酸化還元電位−200mVである場合硫化剤の添加量を増やして、酸化還元電位の値を減少させればよい。逆に、酸化還元電位−700mVである場合硫化剤の添加量を減らして、酸化還元電位の値を増大させればよい。
[工程(C);硫酸カルシウム生成工程]
工程(C)は、工程(B)を経たスラリーに硫酸を加えて、該スラリーのpHを1.5〜7.5、好ましくは2.0〜7.0、特に好ましくは2.5〜6.5に調整し、固体分である鉛硫化物及び硫酸カルシウムを含むスラリーを得る工程である。該pHが1.5未満または7.5を超えると、工程(E)における鉛の回収率が低下する。
工程(C)の実施形態としては、例えば、次の(C−1)、(C−2)が挙げられる。
(C−1)pH測定手段を用いる方法
この方法は、工程(B)を経たスラリーに対して、好ましくは撹拌下で、硫酸を加えつつ、pH測定手段(pH計)を用いて当該スラリーのpHを測定することによって、pHを1.5〜7.5、好ましくは2.0〜7.0、特に好ましくは2.5〜6.5に調整する方法である。
この方法によれば、pH測定手段を用いるだけで、pHを調整することができる。
この方法におけるpHの調整は、工程(C)のスラリーのpHの測定に代えて、工程(D)(鉛硫化物疎水化工程)のスラリーのpHの測定によって行なってもよい。工程(C)のスラリーと工程(D)のスラリーとでは、pHは同じとみなしてよいからである。
(C−2)硫酸の添加量を予め定める方法
この方法は、工程(A)の前に、本発明の処理対象物である微粉末中のCaOの含有量を測定するとともに、工程(C)において、前記のCaOの含有量の測定値に基づいて、スラリー中のH2SO4/CaOのモル比が0.85〜1.20、好ましくは0.90〜1.12、より好ましくは0.92〜1.05の範囲内となる量の硫酸を添加する方法である。
この方法によれば、pH測定手段でpHの値を測定しなくても、スラリーのpHを1.5〜7.5の範囲内とすることができる。ただし、CaOの含有量を測定するための装置が必要である。
[工程(D);鉛硫化物疎水化工程]
本工程は、工程(C)で得られたスラリーに捕収剤を加えて、スラリー中の鉛硫化物を疎水化させる工程である。
本工程は、工程(E)(鉛・カルシウム分離工程)における浮遊選鉱の前処理として、鉛硫化物を疎水化させるものである。
浮遊選鉱とは、疎水性の表面を有する粒子及び親水性の表面を有する粒子を含む水中にガス(例えば、空気)を供給して、このガスの泡の表面に、疎水性の表面を有する粒子を付着させ、該粒子が付着している泡を、水中で浮力により浮上させることによって、沈鉱である親水性の表面を有する粒子と、浮鉱である疎水性の表面を有する粒子とに分離するものである。
本発明で用いられる捕収剤は、工程(A)で生成した鉛硫化物の疎水性を高めるためのものである。鉛硫化物は、捕収剤によって疎水性を高められた後、泡の表面に付着して、水中を浮上し、浮鉱となる。
捕収剤の例としては、ザンセートや、酸性ジチオリン酸エステル類(商品名:エロフロート)や、n−ドデシル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩や、オレイン酸ナトリウム等の不飽和脂肪族カルボン酸塩等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、ザンセート、酸性ジチオリン酸エステル類、オレイン酸ナトリウム等は、本発明において好ましく用いられる。
ここで、ザンセートとは、−OC(=S)−Sの化学構造を有するキサントゲン酸塩をいう。ザンセートの例としては、R−OC(=S)−S(式中、Rは炭素数1〜20(好ましくは2〜5)のアルキル基、MはNa、K等のアルカリ金属またはNH等を表す。)の一般式で表される化合物が挙げられる。
捕収剤の添加量は、スラリー1リットルに対して、好ましくは10mg以上、より好ましくは30mg以上、特に好ましくは50mg以上である。該量が10mg未満では、鉛硫化物を浮鉱として十分に浮上させることが困難となる。
捕収剤の添加量の上限値は、特に限定されないが、薬剤コストの削減等の観点から、スラリー1リットルに対して、好ましくは1,000mg以下、より好ましくは500mg以下である。
本工程において、スラリーに起泡剤を加えることもできる。起泡剤を用いることによって、浮遊選鉱における浮鉱の浮上を促進することができる。起泡剤は、通常、鉛硫化物を疎水化した後に添加される。
起泡剤の例としては、メチルイソブチルカルビノール(MIBC;4−メチル−2−ペンタノール)、メチルイソブチルケトン、パイン油、エチレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、クレゾール酸等が挙げられる。起泡剤として、前記の例示物の他に、例えば、炭素数6〜8の鎖状の炭化水素基(アルキル基等)や炭素数10〜15の環状の炭化水素基(芳香族基、シクロアルキル基等)等の疎水性基、及び、水酸基、カルボキシル基等の親水性基を有する化合物も、使用することができる。
起泡剤の添加量は、スラリー1リットルに対して、好ましくは5〜100mgである。なお、本発明において、起泡剤の添加は必須ではなく、任意である。
[工程(E);鉛・カルシウム分離工程]
本工程は、工程(D)で得られたスラリーを浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱と、硫酸カルシウムを含む沈鉱を得る工程である。
浮遊選鉱の手段としては、ファーレンワルド型浮選機(FW型浮選機)、MS型浮選機、フェジャーグレン型浮選機、アジテヤ型浮選機、ワーマン型浮選機等の浮選機が挙げられる。
浮鉱は、スラリーの液中の上部領域(特に液面付近)に存在する固体分を回収することによって、スラリーの他の成分(液分、沈鉱)から分離することができる。
浮鉱は、鉛(Pb)の分配率(換言すれば、浮鉱中のPbと沈鉱中のPbの合計量中の浮鉱中のPbの質量割合)が大きいので、カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末に由来する鉛含有物質として分離回収することができる。
処理対象物である微粉末中の鉛の全量に対して浮鉱として回収される鉛の割合は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは85質量%以上である。
沈鉱は、スラリーの液中の下部領域(特に底面上)に存在する固体分を回収することによって、スラリーの他の成分(液分、浮鉱)から分離することができる。
沈鉱は、浮鉱とは逆に、硫酸カルシウムの分配率が大きく、かつ、鉛硫化物の分配率が小さいので、セメント原料等として用いることができる。沈鉱には、ケイ素、アルミニウム等の化合物が含まれることがある。
次に、本発明の微粉末の処理システムについて説明する。図2は、本発明の微粉末の処理システムの一例を概念的に示す図である。
図2中、本発明の微粉末の処理システムは、処理対象物であるカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末と、水を混合したスラリーを貯留するための混合槽1と、混合槽1から供給されたスラリーに硫化剤を加えて、鉛硫化物を生成するための鉛硫化物生成槽2と、鉛硫化物生成槽2に硫化剤を供給するための硫化剤貯留槽3と、鉛硫化物生成槽2から排出されたスラリーの酸化還元電位を測定するための酸化還元電位測定装置4と、酸化還元電位測定装置4における酸化還元電位の値が−450〜−550mVの範囲内に保たれるように、鉛硫化物生成槽2における硫化剤の添加量を調整するための硫化剤添加量調整手段5と、酸化還元電位を測定した後のスラリーに硫酸を加えて、該スラリーのpHを1.5〜7.5に調整し、硫酸カルシウムを生成させて、固体分である鉛硫化物及び硫酸カルシウムを含むスラリーを得るための硫酸カルシウム生成槽6と、硫酸カルシウム生成槽6に硫酸を供給するための硫酸貯留槽7と、硫酸カルシウム生成槽6から供給されたスラリーに捕収剤を加えて、スラリー中の鉛硫化物の疎水性を高めるための疎水化反応槽8と、疎水化反応槽8に捕収剤を供給するための捕収剤貯留槽9と、疎水化反応槽8内のスラリーのpHを測定するためのpH測定手段(pH計)12と、疎水化反応槽8から供給されたスラリーに対して浮遊選鉱を行ない、鉛硫化物を含む浮鉱と、硫酸カルシウムを含む沈鉱を得るための浮選機11と、疎水化反応槽8から浮選機11までの流通路の所定の地点にて起泡剤を供給するための起泡剤貯留槽10とを備えている。
酸化還元電位測定装置4としては、例えば、市販の装置を用いることができる。市販の装置の例としては、pH・イオンメータD53(堀場製作所社製)等が挙げられる。
酸化還元電位測定装置4は、鉛硫化物生成槽2内のスラリーを対象に測定する装置として、鉛硫化物生成槽2に付属する形で配設することもできる。
硫化剤添加量調整手段5は、手動と自動のいずれでもよい。手動の場合、酸化還元電位測定装置4で得られた測定値に基いて、作業員が、例えば、硫化剤貯留槽3と鉛硫化物生成槽2の間の管路に配設された硫化剤供給量調整弁の開閉の程度を調整する。なお、この場合、硫化剤供給量調整弁は、硫化剤添加量調整手段5に該当する。自動の場合、例えば、硫化剤貯留槽3と鉛硫化物生成槽2の間の管路に配設された硫化剤供給量調整弁が、酸化還元電位測定装置4における測定値に基づいて、自動的に開閉の程度を調整するように構成すればよい。なお、この場合も、硫化剤供給量調整弁は、硫化剤添加量調整手段5に該当する。
pH測定手段12の設置場所は、硫酸カルシウム生成槽6から疎水化反応槽8まで(工程(C)〜工程(D))のいずれでもよいが、疎水化反応槽8に設置することが好ましい。pH測定手段12の設置場所が、例えば、硫酸カルシウム生成槽6や、硫酸カルシウム生成槽6と疎水化反応槽8の間の流通路であると、処理対象物である微粉末中のCaOの含有率の大きさやスラリーの固液比等によっては、疎水化反応槽8に到達するまでにスラリーのpHが大きく変動する場合があるからである。
本発明の処理システムを構成する各部(ただし、酸化還元電位測定装置4、硫化剤添加量調整手段5、及びpH測定手段12を除く。)の間には、スラリーの流通路、または硫化剤等の薬剤の供給路が設けられている。
本発明の処理システム中、鉛硫化物生成槽2及び硫化剤貯留槽3を含む部分は、鉛硫化物生成装置を構成している。硫酸カルシウム生成槽6及び硫酸貯留槽7を含む部分は、硫酸カルシウム生成装置を構成している。疎水化反応槽8、捕収剤貯留槽9及び起泡剤貯留槽10を含む部分は、鉛硫化物疎水化装置を構成している。浮選機11は、浮遊選鉱装置である。
処理対象物である微粉末中のCaOの含有量を予め測定して、硫酸貯留槽7からの硫酸の供給量を定めている場合には、pH測定手段12は省略することができる。
本発明においては、連続式とバッチ式のいずれの処理方法及び処理システムを採用してもよいが、処理効率の観点からは、連続式の処理方法及び処理システムが好ましい。
(1)最適な量の硫化剤を添加した場合の酸化還元電位の測定
最適な量の硫化剤を添加した場合の酸化還元電位の値を、次のようにして測定した。なお、この実験において、硫化剤の最適な量の数値範囲は、S(硫化剤中の硫黄)/Pb(微粉末中の鉛)のモル比が1.00〜1.25となる量であると仮定した。
(a)使用した微粉末
処理対象物である微粉末として、塩素バイパス技術で得られる微粉末であって、表1に示すCaO及びPbOの含有率を有する6種のものを用いた。
Figure 0005046306
(b)S/Pbのモル比が1.00の場合の酸化還元電位の測定
前記の6種の微粉末の各々について、次のように酸化還元電位を測定した。
微粉末130gと蒸留水1.3リットルを混合して5分間撹拌した後、得られたスラリーに、S(硫化剤中の硫黄)/Pb(微粉末中の鉛)のモル比が1.00になるように、水硫化ソーダ(NaSH)を一括して添加して撹拌した。なお、水硫化ソーダとしては、10質量%の濃度の水溶液(純正化学社製)を用いた。
水硫化ソーダの添加時から表2に示す経過時間の時点毎に、酸化還元電位計(堀場製作所社製、商品名:pH・イオンメータD53)を用いて酸化還元電位の値を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0005046306
(c)S/Pbのモル比が1.25の場合の酸化還元電位の測定
S/Pbのモル比を1.25としたこと以外は前記「(b)S/Pbのモル比が1.00の場合の酸化還元電位の測定」と同様にして、実験した。結果を表3に示す。
Figure 0005046306
(d)考察
表2から、S/Pbのモル比が1.00となるように水硫化ソーダを添加した場合には、酸化還元電位が、−239〜−650mVの数値範囲内であることがわかる。また、水硫化ソーダの添加後、30〜90分経過する時点までは酸化還元電位が急激に増大し、その後、緩やかに増大することがわかる。
表3から、S/Pbのモル比が1.25となるように水硫化ソーダを添加した場合には、酸化還元電位が、−473〜−662mVの数値範囲内であることがわかる。また、水硫化ソーダの添加後、90〜120分経過する時点までは酸化還元電位が緩やかに増大すること、及び、微粉末の種類(例えば、微粉末E及びF)によっては90〜105分経過する時点から酸化還元電位が急激に増大することがわかる。
表2及び表3から、S/Pbのモル比が1.00〜1.25となるように水硫化ソーダを添加した場合には、酸化還元電位が、−230〜−670mVの数値範囲内に収まることがわかる。
(2)酸化還元電位を一定とした場合の硫化剤の量の測定
酸化還元電位を一定に保つために必要な硫化剤の量の経時的変化を測定し、さらに、得られた測定値に基いて、S/Pbのモル比を算出した。
(a)使用した微粉末
処理対象物である微粉末として、塩素バイパス技術で得られる微粉末であって、表4に示すCaO及びPbOの含有率を有する3種のものを用いた。
Figure 0005046306
(b)酸化還元電位が−450mVである場合の硫化剤の量の測定
前記の3種の微粉末の各々について、次のように硫化剤の量を測定した。
微粉末130gと蒸留水1.3リットルを混合して5分間撹拌した後、得られたスラリーに、該スラリーの酸化還元電位が−450mVになるまで、撹拌しながら水硫化ソーダ(NaSH)を添加した。なお、酸化還元電位計としては、「pH・イオンメータD53」(商品名;堀場製作所社製)を用いた。また、水硫化ソーダとしては、10質量%の濃度の水溶液(純正化学社製)を用いた。
酸化還元電位が−450mVに達した時点を経過時間0分として、以後、酸化還元電位を−450mVに保つために適宜、水硫化ソーダを添加した。水硫化ソーダの全添加量を経過時間0分から15分毎に求めた。なお、経過時間0分における水硫化ソーダの全添加量は、スラリーの酸化還元電位が−450mVになるまでに要した量である。さらに、各時点における水硫化ソーダの全添加量に基いて、経過時間0分から15分毎のS/Pbのモル比を算出した。結果を表5に示す。
Figure 0005046306
(c)酸化還元電位が−550mVである場合の硫化剤の量の測定
酸化還元電位を−550mVに定めたこと以外は前記「(b)酸化還元電位が−450mVである場合の硫化剤の量の測定」と同様にして、実験した。結果を表6に示す。
Figure 0005046306
(d)酸化還元電位が−700mVである場合の硫化剤の量の測定
酸化還元電位を−700mVに定めたこと以外は前記「(b)酸化還元電位が−450mVである場合の硫化剤の量の測定」と同様にして、実験した。結果を表7に示す。
Figure 0005046306
(e)考察
表5から、酸化還元電位が−450mVである場合、酸化還元電位が−450mVに達した時(経過時間0分)から60分が経過する時までのS/Pbのモル比は、0.90〜1.17の範囲内に収まることがわかる。このモル比の数値範囲は、硫化剤の添加量が最適であることを示している。また、最適な経過時間は、S/Pbのモル比が1.00〜1.25の範囲内に収まる15〜60分であることもわかる。
表6から、酸化還元電位が−550mVである場合、酸化還元電位が−550mVに達した時(経過時間0分)から60分が経過する時までのS/Pbのモル比は、0.93〜1.25の範囲内に収まることがわかる。このモル比の数値範囲は、硫化剤の添加量が最適であることを示している。また、最適な経過時間は、S/Pbのモル比が1.00〜1.25の範囲内に収まる15〜60分であることもわかる。
表7から、酸化還元電位が−700mVである場合、酸化還元電位が−700mVに達した時(経過時間0分)から60分が経過する時までのS/Pbのモル比は、1.06〜1.92の範囲内であることがわかる。このモル比の数値範囲は、経過時間0分及び15分を除いて、硫化剤の添加量が過剰な場合があることを示している。また、微粉末の種類によるS/Pbのモル比のばらつきが大きいこともわかる。
表5〜表7から、酸化還元電位が−450〜−550mVの範囲内となるように硫化剤を添加すれば、処理対象物である微粉末中の鉛の含有率を測定しなくても、少なくとも15〜60分の経過時間の間、S/Pbのモル比が最適の値である1.00〜1.25の範囲内に常に保たれることがわかる。
(3)実施例1
図2に示す連続処理システムを用いて、以下のように処理対象物である微粉末を処理した。なお、微粉末として、塩素バイパス技術で得られる微粉末(CaOの含有率:13.34質量%、PbOの含有率:6.57質量%)を用いた。
撹拌翼付きの混合槽1内に、水と、水1リットル当たり100gの量の微粉末を投入して撹拌して、均一なスラリーを得た。
このスラリーを撹拌翼付きの鉛硫化物生成槽2(容量:90リットル)に導いた後、槽内のスラリーに対して、最適の添加量よりも明らかに少ないと考えられる、スラリー1リットル当たり300mg(固形分)の水硫化ソーダの添加量になるように水硫化ソーダ水溶液(濃度:20質量%)を加えて、45分間の滞留時間下で撹拌し、鉛硫化物(硫化鉛を含む。)を生成させた。
次いで、このスラリーの酸化還元電位を、酸化還元電位計4を用いて測定しながら、酸化還元電位が−550mVになるまで、水硫化ソーダを鉛硫化物生成槽2に投入した。酸化還元電位が−550mVに達した後、45分間に亘って、酸化還元電位が−550mVに保たれるように、適宜、水硫化ソーダを鉛硫化物生成槽2に投入した。
次いで、酸化還元電位を−550mVに調整したスラリーを、撹拌翼付きの硫酸カルシウム生成槽6(容量:45リットル)に導いた後、槽内のスラリーに対して、該スラリーのpH(ただし、測定場所は疎水化反応槽8とした。)が3.0となる量の硫酸(濃度:98質量%)を添加して、25分間の滞留時間下で撹拌し、硫酸カルシウムを生成させた。
次いで、このスラリーを撹拌翼付きの疎水化反応槽8(容量:45リットル)に導いた後、槽内のスラリーに対して、鉛硫化物の疎水性を高めるための捕収剤として、スラリー1リットル当たり480mg(固形分)の量のアミルザンセートの添加量になるように、アミルザンセート水溶液(濃度:0.4質量%、アミルザンセートの化学式:C11−O−C(=S)−S)を加えて、25分間の滞留時間下で撹拌した。
次いで、このスラリーを、疎水化反応槽8から流通路を介してFW型浮選機11に導いた後、FW型浮選機11内にて、送気しながらスラリーを浮遊選鉱し、浮鉱及び沈鉱を得た。なお、FW型浮選機11にスラリーを導く際に、流通路の所定の地点にて、起泡剤貯留槽10から、起泡剤として、スラリー1リットル当たり70mgの添加量になるように、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)を添加した。
浮遊選鉱で得られた浮鉱について、鉛の含有量を測定した。その結果、微粉末から浮鉱として回収された鉛の割合(鉛の回収率)は、92質量%と算出された。
(4)参考例1
酸化還元電位計4及び硫化剤添加量調整手段5を有しないこと以外は図2に示す連続処理システムと同様の構成を有する処理システムを用いて、以下のように処理対象物である微粉末を処理した。なお、微粉末として、実施例1と同じ微粉末(CaOの含有率:13.34質量%、PbOの含有率:6.57質量%)を用いた。
撹拌翼付きの混合槽1内に、水と、水1リットル当たり100gの量の微粉末を投入して撹拌して、均一なスラリーを得た。
このスラリーを撹拌翼付きの鉛硫化物生成槽2(容量:90リットル)に導いた後、槽内のスラリーに対して、S/Pbのモル比が1.00になるように水硫化ソーダ水溶液(濃度:20質量%)を加えて、45分間の滞留時間下で撹拌し、鉛硫化物(硫化鉛を含む。)を生成させた。
次いで、得られたスラリーを、撹拌翼付きの硫酸カルシウム生成槽6(容量:45リットル)に導いた後、槽内のスラリーに対して、該スラリーのpH(ただし、測定場所は疎水化反応槽8とした。)が3.0となる量の硫酸(濃度:98質量%)を添加して、25分間の滞留時間下で撹拌し、硫酸カルシウムを生成させた。
次いで、このスラリーを撹拌翼付きの疎水化反応槽8(容量:45リットル)に導いた後、槽内のスラリーに対して、鉛硫化物の疎水性を高めるための捕収剤として、スラリー1リットル当たり480mg(固形分)の量のアミルザンセートの添加量になるように、アミルザンセート水溶液(濃度:0.4質量%)を加えて、25分間の滞留時間下で撹拌した。
次いで、このスラリーを、疎水化反応槽8から流通路を介してFW型浮選機11に導いた後、FW型浮選機11内にて、送気しながらスラリーを浮遊選鉱し、浮鉱及び沈鉱を得た。なお、FW型浮選機11にスラリーを導く際に、流通路の所定の地点にて、起泡剤貯留槽10から、起泡剤として、スラリー1リットル当たり70mgの添加量になるように、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)を添加した。
浮遊選鉱で得られた浮鉱について、鉛の含有量を測定した。その結果、微粉末から浮鉱として回収された鉛の割合(鉛の回収率)は、86質量%と算出された。
本発明のカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法の一例を示すフロー図である。 本発明の微粉末の処理システムの一例を概念的に示す図である。
符号の説明
1 混合槽
2 鉛硫化物生成槽
3 硫化剤貯留槽
4 酸化還元電位測定装置
5 硫化剤添加量調整手段
6 硫酸カルシウム生成槽
7 硫酸貯留槽
8 疎水化反応槽
9 捕収剤貯留槽
10 起泡剤貯留槽
11 浮選機
12 pH測定手段(pH計)

Claims (2)

  1. (A)カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末と、水と、硫化剤を混合して、固体分である鉛硫化物を含むスラリーを得る鉛硫化物生成工程と、
    (B)工程(A)で得られた前記スラリーの酸化還元電位を測定し、該酸化還元電位の値が−450〜−550mVの範囲内に保たれるように、工程(A)における硫化剤の添加量を調整する鉛硫化物添加量調整工程と、
    (C)工程(B)を経た前記スラリーに硫酸を加えて、該スラリーのpHを1.5〜7.5に調整し、固体分である鉛硫化物及び硫酸カルシウムを含むスラリーを得る硫酸カルシウム生成工程と、
    (D)工程(C)で得られたスラリーに捕収剤を加えて、スラリー中の鉛硫化物を疎水化させる鉛硫化物疎水化工程と、
    (E)工程(D)で得られたスラリーを浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱と、硫酸カルシウムを含む沈鉱を得る鉛・カルシウム分離工程と、
    を含むことを特徴とするカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法。
  2. カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末と、水と、硫化剤を混合して、固体分である鉛硫化物を含むスラリーを得るための鉛硫化物生成装置と、
    前記鉛硫化物生成装置で得られた前記スラリーの酸化還元電位を測定するための酸化還元電位測定装置と、
    前記酸化還元電位測定装置における酸化還元電位の値が−450〜−550mVの範囲内に保たれるように、前記鉛硫化物生成装置における硫化剤の添加量を調整するための硫化剤添加量調整手段と、
    酸化還元電位を測定した後の前記スラリーに硫酸を加えて、該スラリーのpHを1.5〜7.5に調整し、固体分である鉛硫化物及び硫酸カルシウムを含むスラリーを得るための硫酸カルシウム生成装置と、
    該硫酸カルシウム生成装置で得られたスラリーに捕収剤を加えて、スラリー中の鉛硫化物を疎水化させるための鉛硫化物疎水化装置と、
    該鉛硫化物疎水化装置で得られたスラリーを浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱と、硫酸カルシウムを含む沈鉱を得るための浮遊選鉱装置と、
    を含むことを特徴とするカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理システム。
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