JP5464543B2 - 浮遊選鉱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、処理対象物であるセメントキルン抽気ダストから回収対象物質である鉛を回収するための浮遊選鉱処理方法に関する。
近年、セメントキルン抽気ダスト等のダストを処理対象物として、浮遊選鉱処理技術を用いて、鉛等の特定の回収対象物質を回収する技術が開発されている。
一例として、(A)カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末と、水と、硫酸を混合して、液性をpH1〜4に調整し、固体分である硫酸カルシウムを含むスラリーを得る硫酸カルシウム生成工程と、(B)工程(A)で得られた前記スラリーに硫化剤を加えて、固体分である硫酸カルシウム及び硫化鉛を含むスラリーを得る硫化鉛生成工程と、(C)工程(B)で得られたスラリーに捕収剤及び起泡剤を加えて、浮遊選鉱を行ない、硫化鉛を主成分とする浮鉱と、硫酸カルシウムを主成分とする沈鉱を得る鉛・カルシウム分離工程と、を含むことを特徴とするカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法が、提案されている(特許文献1)。
他の例として、(A)カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末と、水と、硫化剤を混合して、固体分である鉛硫化物を含むスラリーを得る鉛硫化物生成工程と、(B)工程(A)で得られた前記スラリーに硫酸を加えて、該スラリーのpHを1.5〜7.5に調整し、固体分である鉛硫化物及び硫酸カルシウムを含むスラリーを得る硫酸カルシウム生成工程と、(C)工程(B)で得られたスラリーに捕収剤を加えて、スラリー中の鉛硫化物を疎水化させる鉛硫化物疎水化工程と、(D)工程(C)で得られたスラリーに浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱と、硫酸カルシウムを含む沈鉱を得る鉛・カルシウム分離工程と、を含むことを特徴とするカルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法が、提案されている(特許文献2)。
特開2006−346512号公報 特開2008−62169号公報
浮遊選鉱処理において、処理対象物中の回収対象物質の含有率の変動が大きくない場合には、運転の初期に最適の運転条件を設定すれば、その後、運転条件を変更しなくても、回収対象物質を高含有率で含む浮鉱を常に得ることができる。
しかし、セメントキルン抽気ダストのように、原料の一部に廃棄物を用いて得られたダストを処理対象物とする場合には、廃棄物の種類が変わることによって、処理対象物中の回収対象物質(例えば、鉛)の含有率が大きく変動することがある。
この場合、浮遊選鉱処理によって回収された浮上物(例えば、鉛を含む回収物)を非鉄精錬原料等として有効活用するためには、この回収物に含まれる不純物(例えば、カルシウム)が少ないほうが望ましい。
しかし、この回収物の品位を優先して、常に浮上物の一部のみを回収するように浮遊選鉱機の運転条件を設定すると、処理対象物からの回収対象物質の回収率が低くなる。また、浮遊選鉱処理によって回収された沈降残渣(例えば、カルシウムを含む回収物)に含まれる回収対象物質(例えば、鉛)の量が多くなり、この回収物の品位が低くなる。
一方、浮遊選鉱処理によって回収された沈降残渣(例えば、カルシウムを含む回収物)をセメント原料等として有効活用するためには、この沈鉱残渣に含まれる回収対象物質(例えば、鉛)が少ないほうが望ましい。
しかし、この沈鉱残渣の品位を優先して、常に浮上物が残留しないように浮遊選鉱機の運転条件を設定すると、この沈鉱残渣の収量が低くなる。また、回収された浮上物に、回収対象物質以外の物質(例えば、カルシウム)が多く含まれることになり、回収された浮上物の回収対象物質含有物としての品位が低くなる。
このように、処理対象物中の回収対象物質(例えば、鉛)の含有率が変動する場合に、回収対象物質含有物として回収された浮上物について、高い品位と高い回収率を常に得ることは、困難である。
本発明は、処理対象物であるセメントキルン抽気ダストにおいて、回収対象物質である鉛の含有率が変動する場合であっても、回収対象物質含有物として回収された浮上物について、高い品位と高い回収率を常に得ることのできる浮遊選鉱処理方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、処理対象物であるセメントキルン抽気ダスト中の回収対象物質である鉛の含有率の変化に応じて、浮上物の単位時間当たりの回収量及び/又は厚さを調整すればよいことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[]を提供するものである。
[1] 一定の供給速度で供給される処理対象物であるセメントキルン抽気ダストから、回収対象物質である鉛を浮鉱として回収するための浮遊選鉱処理方法であって、セメントキルン抽気ダスト中の鉛の含有率の変化に応じて、浮遊選鉱の前処理において、硫化剤の使用量を制御し、かつ、浮遊選鉱において、スラリーの液面の高さを調整するための液面調整手段、及び、該スラリーの上方に位置する浮上物を回収するための回収手段を備えた、連続的に運転される浮遊選鉱機を用いて、セメントキルン抽気ダスト中の鉛の含有率の変化に応じて、浮鉱を含む浮上物の単位時間当たりの回収量及び/又は厚さを調整するものであり、上記浮上物の単位時間当たりの回収量及び/又は厚さを調整するために、上記浮上物を回収するための回収手段として、浮上物を掻き取って回収するための掻き取り羽根を有する掻き取り手段を備えたものを用い、かつ、上記掻き取り羽根の回転速度を調整することを特徴とする浮遊選鉱処理方法。
[2] 浮遊選鉱の前処理における硫化剤の使用量によって、上記回収対象物質である鉛の含有率の変化を把握する前記[1]に記載の浮遊選鉱処理方法。
] 上記浮上物の回収量を測定するための手段として、回収した上記浮上物を流通させるための流路に設けた流量計を用いる前記[1]又は[2]に記載の浮遊選鉱処理方法。
] 上記浮上物の回収量を測定するための手段として、回収した上記浮上物の質量を測定するための質量測定手段を用いる前記[1]又は[2]に記載の浮遊選鉱処理方法。
] 上記浮上物の厚さを測定するための手段として、浮上物の上面の位置を測定するための測定手段を用いる前記[1]〜[4]のいずれかに記載の浮遊選鉱処理方法。
本発明の浮遊選鉱処理方法によれば処理対象物であるセメントキルン抽気ダスト中の、回収対象物質である鉛の含有率が変動する場合であっても、含有物として回収された浮上物に含まれる鉛について、高い品位と高い回収率を常に得ることができる。
本発明の浮遊選鉱処理方法を実施するための浮遊選鉱機の一例を示す断面図である。
本発明の浮遊選鉱処理方法は、一定の供給速度で供給される処理対象物であるセメントキルン抽気ダストから、回収対象物質である鉛を浮鉱として回収するための方法であり、セメントキルン抽気ダスト中の鉛の含有率の変化に応じて、浮遊選鉱の前処理において、硫化剤の使用量を制御し、かつ、浮遊選鉱において、鉛の含有率が大きく変動しない、回収された浮上物を得るために、スラリーの液面の高さを調整するための液面調整手段、及び、該スラリーの上方に位置する浮上物を回収するための回収手段を備えた、連続的に運転される浮遊選鉱機を用いて、セメントキルン抽気ダスト中の鉛の含有率の変化に応じて、浮鉱を含む浮上物の単位時間当たりの回収量及び/又は厚さを調整するものであり、上記浮上物の単位時間当たりの回収量及び/又は厚さを調整するために、上記浮上物を回収するための回収手段として、浮上物を掻き取って回収するための掻き取り羽根を有する掻き取り手段を備えたものを用い、かつ、上記掻き取り羽根の回転速度を調整するものである。
本発明の処理対象物は、セメントキルン抽気ダストである。
セメントキルン抽気ダストとは、セメントキルンの排ガスの一部を抽気した高温の排ガスを冷却して得られる微粉末をいう。この微粉末は、例えば、抽気した高温の排ガス中の粗粉をサイクロンで捕集した後、サイクロン通過後の粗粉を含まない排ガスを冷却し、この冷却した排ガスをバグフィルター等の集塵機で捕集することによって得られる。この微粉末は、カルシウム、カリウム、鉛、塩素等を含むものである。このうち、カルシウムを分別して回収すれば、セメント原料として用いることができる。鉛を分別して回収すれば、非鉄精錬原料として用いることができる。本発明において、浮遊選鉱処理技術を用いることによって、鉛を浮鉱として回収し、かつ、カルシウムを沈鉱として回収することができる。
処理対象物のスラリー化前の形態は、通常、ダスト(粉状物)である。
本発明の回収対象物質は、鉛である。
本明細書において、「浮鉱」とは、浮遊選鉱によって泡の表面に付着して浮上する、を含む粒子を意味する。
「浮上物」とは、浮遊選鉱によって浮上する、泡の集合体を意味する。「浮上物」は、浮遊選鉱機の液槽内のスラリーの上方に形成される層状体である。「浮上物」は、泡を形成している液分、及び、浮鉱を含むものである。
「浮上物の厚さ」とは、浮遊選鉱機の液槽内のスラリーの上方に形成される浮上物(泡の集合体)の鉛直方向の厚さを意味する。
「沈鉱」とは、「浮鉱」以外の固体粒子を意味する。
「沈降残渣」とは、沈鉱の集合体を意味する。
「浮遊選鉱」とは、浮遊選鉱機を用いて、スラリー中の粒子を浮鉱と沈鉱に分離させる処理を意味し、スラリーを浮遊選鉱機に導入する前の疎水化等の前処理を含まない。
「浮遊選鉱処理」とは、浮遊選鉱、及び、スラリーを浮遊選鉱機に導入する前の前処理を含む。
本発明の浮遊選鉱方法としては、具体的には、(a)処理対象物(セメントキルン抽気ダスト)中の回収対象物質(鉛)の含有率の変化に応じて、浮上物の回収量を調整する方法、(b)処理対象物(セメントキルン抽気ダスト)中の回収対象物質(鉛)の含有率の変化に応じて、浮上物の厚さを調整する方法、が挙げられる。(a)の方法と(b)の方法は、いずれか一方のみを行なってもよいし、あるいは両方を行なってもよい。
このうち、まず、(a)の方法について説明する。
処理対象物中の回収対象物質の含有率が増減した場合、浮遊選鉱で生じる浮鉱の量も増減する。例えば、処理対象物中の回収対象物質の含有率が大きくなると、浮遊選鉱機の液槽内の浮上物の厚さが大きくなり、この浮上物に含まれる回収対象物質の量も増大する。この場合、浮上物の回収量を一定にしたのでは、回収対象物質の回収率(処理対象物に含まれる回収対象物質からの回収割合)が低下してしまう。そこで、処理対象物中の回収対象物質の含有率の変化に応じて、浮上物の回収量を調整するものである。
なお、本明細書中、「浮上物の単位時間当たりの回収量」とは、浮遊選鉱機を連続的に運転している場合における単位時間当たりの回収量を意味する。
また、浮遊選鉱機を連続的に運転している場合、処理対象物の供給速度(単位時間当たりの供給量)は一定である。したがって、本明細書では、処理対象物の供給速度が一定であることを前提にして、本発明を説明する。
浮上物の回収量を調整するための具体的な方法の一例を、図面に基づいて説明する。
図1中、浮遊選鉱機1は、スラリーを収容するための液槽2と、液槽2内のスラリー4を撹拌するための撹拌翼5と、散気盤11と、浮上物3を掻き取るための掻き取り羽根8を有する掻き取り手段と、液槽2にスラリー及び空気を供給するための供給管6と、スラリー4の液面4aの高さを調整するための液面調整手段7を備えている。供給管6に加えて、スラリー4に空気を供給するための空気供給管(図示せず)をさらに設けることもできる。
液面調整手段7の例としては、図1に示すように、液槽2の側壁に開口部9を形成させるとともに、液槽2の側壁の外面に、鉛直方向に移動可能な板体(オーバーフロー堰)10を取り付け、この板体10を鉛直方向に移動させることによって、この板体10の上端を下端とする排水口を形成させるようにしたものが挙げられる。
なお、図1に示す浮遊選鉱機は、ファーレンワルド型浮選機である。
図1に示す浮遊選鉱機において、処理対象物として、の含有率が高いものから該含有率が低いものに切り替えたとする。
この場合、を含む浮上物3の量が減少するので、の含有率が減少した分だけ、の回収量を減少させるためには、液面調整手段7によって、スラリー4の液面4aを下降させるか、あるいは、掻き取り羽根8の回転速度を小さくすればよい。なお、スラリー4の液面4aの下降と、掻き取り羽根8の回転速度の減少を同時に行なってもよい。
逆に、処理対象物として、の含有率が低いものから該含有率が高いものに切り替えた場合には、を含む浮上物3の量が増加するので、の含有率が増大した分だけ、の回収量を増大させるために、液面調整手段7によって、スラリー4の液面4aを上昇させるか、あるいは、掻き取り羽根8の回転速度を増大させればよい。なお、スラリー4の液面4aの上昇と、掻き取り羽根8の回転速度の増大を同時に行なってもよい。
なお、液面調整手段7によって、スラリー4の液面4aを調整する場合、浮上物の回収手段としては、掻き取り羽根8を有する掻き取り手段以外の回収手段を用いることもできる。
鉛の含有率の変化は浮遊選鉱の前処理における硫化剤使用量によって把握することができる。例えば、鉛を鉛硫化物からなる浮鉱として回収する場合、水硫化ソーダ等の硫化剤の使用量によって、セメントキルン抽気ダスト中の鉛の含有率の変化を把握することができる。この場合、硫化剤の使用量は、スラリーの酸化還元電位を測定することによって制御することができる。
鉛の含有率と浮上物の回収量との最適な関係については、予め試験運転を行なって把握しておくことができる。この場合、予め定められた最適な関係(例えば、鉛の含有率を横軸とし、浮上物の回収量を縦軸とした関係曲線)を用いて、実際の運転における鉛の含有率の変化に基づいて、浮上物の回収量を調整すればよい。
次に、前記の(b)の方法について説明する。
例えば、処理対象物として、の含有率が低いものから該含有率が高いものに切り替えた場合、逆に、の含有率が高いものから該含有率が低いものに切り替えた場合、浮上物3の厚さが増減する。この場合、浮遊選鉱機1の運転条件を変えなければ、浮上物3の掻き取りが適正になされずに、所望の品位のを所望の回収率で得ることができない。浮上物3の厚さを適正に調整するためには、液面調整手段7によってスラリー4の液面4aを上下させるか、あるいは、掻き取り羽根8の回転速度を増減させればよい。なお、スラリー4の液面4aの上下と、掻き取り羽根8の回転速度の増減を同時に行なってもよい。
なお、浮上物3の厚さとは、浮上物3の上面と、スラリー4の液面4a(板体7の上端の高さ)との距離である。浮上物3の上面の高さは、超音波レベル計、マイクロ波レーダー式レベル計等を用いて測定することができる。
浮上物3の厚さの最適な大きさは、前記の(a)の方法と同様に、例えば、浮遊選鉱の前処理における薬剤(例えば、硫化剤)の使用量によって把握することができる。
回収した浮上物の回収量を測定するための手段としては、例えば、回収した浮上物を流通させるための流路に設けた流量計や、回収した浮上物の単位時間当たりの質量を測定するための質量測定手段等を用いることができる。
これらの測定手段を用いて、回収した浮上物の回収量及び/又は厚さを確認しつつ、当該回収量及び/又は厚さが所望の値となるように、浮遊選鉱機の運転条件(例えば、スラリー4の液面4aの高さや、掻き取り羽根8の回転速度)を適宜、変えていけばよい。
本発明においては、浮上物の回収量及び/又は厚さを調整することによって、浮鉱を多く含む部分と沈鉱を多く含む部分とを最適な境界で線引きして、これら2つの部分を分別して回収することができる。そのため、高い回収率で高品位の回収対象物質含有物鉛を主体とする浮上物)を得ることができるとともに、高い回収率で高品位の沈鉱残渣カルシウムを主体とする沈鉱)を得ることができる。処理対象物であるセメントキルン抽気ダスト中のの含有率が大きく変動するにもかかわらず、従来のように浮遊選鉱機の運転条件を一定にした場合には、回収物である浮上物と沈鉱残渣のいずれについても、回収率と品位のバランスが悪くなる。
本発明の浮遊選鉱処理の方法の一例を説明する。
浮遊選鉱処理方法の一例は、(A)セメントキルン抽気ダストと水を混合してスラリーを調製する工程と、(B)工程(A)で得られたスラリーに水硫化ソーダ等の硫化剤を加えて、固体分である鉛硫化物を含むスラリーを得る工程と、(C)工程(B)で得られたスラリーに硫酸を加えて、pHを2〜7に調整し、硫酸カルシウム及び鉛硫化物を含むスラリーを得る工程と、(D)工程(C)で得られたスラリーにザンセート等の疎水化剤を加えて、鉛硫化物を疎水化させる工程と、(E)工程(D)で得られたスラリーを浮遊選鉱機に導き、浮遊選鉱する工程と、(F)浮遊選鉱によって生じた浮鉱及び沈鉱を、各々、浮上物、沈鉱残渣として回収する工程を含む。なお、この例におけるスラリーの固液比等の各種の条件は、従来知られているもの(例えば、前記の特許文献2に記載されているもの)と同じである。
この場合、本発明で回収された浮上物の乾燥質量中の鉛の酸化物換算の割合(鉛の品位)は、好ましくは40質量%以上である。また、鉛の回収率は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上である。鉛の品位及び回収率の好ましい数値範囲は、本発明によれば、常に維持される。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内において種々の実施形態の変更が可能である。
[実施例1]
(1)処理対象物
処理対象物として、ダストA(Ca:20質量%、Pb:5.4質量%)、ダストB((Ca:31質量%、Pb:1.8質量%)の2種のセメントキルン抽気ダストを用いた。
(2)浮遊選鉱処理
ダストAを固液比(ダスト:水の質量比)が1:10となるように水に懸濁させてなるスラリーに、浮遊選鉱の前処理を行なった。具体的には、ダストAに含まれる鉛の量に対応した水硫化ソーダ(NaSH)を加えて、スラリー中に鉛硫化物を生じさせた後、硫酸を加えてpHを3に調整した。その後、疎水化剤としてザンセートを加えて、鉛硫化物の粒子の表面を疎水化した。
次いで、このスラリーを、200リットルの容量の液槽を有するファーレンワルド型浮遊選鉱機1(図1に示す構造を有するもの)に、500リットル/hrの流速で導入した。浮遊選鉱機1の液槽2中の浮上物3の掻き取り量(回収量)は、液面調整手段7の高さを調整することによって、60リットル/hrに設定した。なお、掻き取り羽根の回転速度は20rpm、液面調整手段7における排水口の下端の高さ(板体10の上端の高さ)は、液槽2の底面からの寸法として、536mmであった。
回収した浮上物の単位時間当たりの質量及び鉛の含有量を測定し、これらの測定値から、鉛の回収率、及び、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)を算出した。その結果、鉛の回収率は87質量%、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)は44質量%であった。
その後、ダストAをダストBに切り替えた。また、ダストBに切り替えることによる硫化剤の添加量の変化に応じて、液面調整手段7の板体10の高さを調整することによって、浮上物の掻き取り量を30リットル/hrに変更した。なお、掻き取り羽根の回転速度は20rpm、液面調整手段7の排水口の下端の高さは532mmであった。
回収した浮上物の単位時間当たりの質量及び鉛の含有量を測定し、これらの測定値から、鉛の回収率、及び、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)を算出した。その結果、鉛の回収率は87質量%、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)は46質量%であった。
これらの結果から、セメントキルン抽気ダスト中の鉛の含有率の変化に応じて、液面調整手段7の高さを調整して浮上物3の回収量を変化させることによって、鉛の回収率、及び、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)をほぼ一定に保ちうることがわかる。
[実施例2]
液面調整手段7の板体10の高さを調整することに代えて、掻き取り羽根8の回転速度を変えたこと以外は実施例1と同様にして実験した。
具体的には、液面調整手段7の排水口の下端の高さを一定(536mm)にして、ダストAの処理時には、掻き取り羽根の回転速度を20rpmとし、ダストBの処理時には、掻き取り羽根の回転速度を15rpmとした。
その結果、ダストAの処理時において、鉛の回収率は87質量%、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)は44質量%であった。ダストBの処理時において、鉛の回収率は89質量%、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)は43質量%であった。
これらの結果から、セメントキルン抽気ダスト中の鉛の含有率の変化に応じて、掻き取り羽根8の回転速度を調整して浮上物の回収量を変化させることによって、鉛の回収率、及び、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)をほぼ一定に保ちうることがわかる。
[実施例3]
浮上物の回収量を調整することに代えて、浮上物3の厚さを調整すること以外は、実施例1と同様にして実験した。
具体的には、ダストAの処理時には、液面調整手段の排水口の下端の高さを一定(536mm)とし、かつ、掻き取り羽根の回転速度を一定(20rpm)とし、浮上物3の厚さを50mmとした。ダストBの処理時には、液面調整手段7の排水口の下端の高さ、及び、掻き取り羽根8の回転速度を適宜調整することによって、浮上物3の厚さを30mmに調整した。
なお、浮上物3の厚さは、上面の高さを超音波レベル計で測定し、かつ、下端の高さを液面調整手段7の板体10の上端の高さとすることによって、算出した。
その結果、ダストAの処理時において、鉛の回収率は87質量%、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)は44質量%であった。ダストBの処理時において、鉛の回収率は89質量%、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)は43質量%であった。
これらの結果から、セメントキルン抽気ダスト中の鉛の含有率の変化にかかわらず、浮上物3の厚さを調整することによって、鉛の回収率、及び、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)をほぼ一定に保ちうることがわかる。
[比較例1]
ダストBへの切り替え時に液面調整手段7の板体10の高さを調整しないこと以外は実施例1と同様にして実験した。
その結果、ダストAの処理時において、鉛の回収率は87質量%、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)は44質量%であった。ダストBの処理時において、鉛の回収率は92質量%、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)は35質量%であった。
これらの結果から、セメントキルン抽気ダスト中の鉛の含有率の変化にかかわらず、浮遊選鉱機の運転条件(液面調整手段の高さ、及び、掻き取り羽根の回転速度)を一定にした場合には、鉛の回収率と、回収した浮上物の品位(鉛の含有率)のバランスが悪くなることがわかる。
1 浮遊選鉱機
2 液槽
3 浮上物
4 スラリー
4a スラリーの液面
5 撹拌翼
6 スラリー及び空気の供給管
7 液面調整手段
8 掻き取り羽根
9 開口部
10 板体
11 散気盤

Claims (5)

  1. 一定の供給速度で供給される処理対象物であるセメントキルン抽気ダストから、回収対象物質である鉛を浮鉱として回収するための浮遊選鉱処理方法であって、
    セメントキルン抽気ダスト中の鉛の含有率の変化に応じて、浮遊選鉱の前処理において、硫化剤の使用量を制御し、かつ、浮遊選鉱において、スラリーの液面の高さを調整するための液面調整手段、及び、該スラリーの上方に位置する浮上物を回収するための回収手段を備えた、連続的に運転される浮遊選鉱機を用いて、セメントキルン抽気ダスト中の鉛の含有率の変化に応じて、浮鉱を含む浮上物の単位時間当たりの回収量及び/又は厚さを調整するものであり、
    上記浮上物の単位時間当たりの回収量及び/又は厚さを調整するために、上記浮上物を回収するための回収手段として、浮上物を掻き取って回収するための掻き取り羽根を有する掻き取り手段を備えたものを用い、かつ、上記掻き取り羽根の回転速度を調整することを特徴とする浮遊選鉱処理方法。
  2. 浮遊選鉱の前処理における硫化剤の使用量によって、上記回収対象物質である鉛の含有率の変化を把握する請求項1に記載の浮遊選鉱処理方法。
  3. 上記浮上物の回収量を測定するための手段として、回収した上記浮上物を流通させるための流路に設けた流量計を用いる請求項1又は2に記載の浮遊選鉱処理方法。
  4. 上記浮上物の回収量を測定するための手段として、回収した上記浮上物の質量を測定するための質量測定手段を用いる請求項1又は2に記載の浮遊選鉱処理方法。
  5. 上記浮上物の厚さを測定するための手段として、浮上物の上面の位置を測定するための測定手段を用いる請求項1〜のいずれか1項に記載の浮遊選鉱処理方法。
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