JP5045754B2 - スイッチ回路及び半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波信号を通過させる、または遮断するためのスイッチ回路及びそれを備えた半導体装置に関する。
従来から高周波信号を通過させる、または遮断するためのスイッチ回路として、ダイオードを用いた回路や電界効果トランジスタ(FET:field effect transistor)を用いた回路が知られている。
図1は、FETを用いた背景技術のスイッチ回路を示す図であり、SPDT(単極双投:single pole double through)型のスイッチ回路の構成を示す回路図である。
図1に示すSPDT型のスイッチ回路は、高周波信号を通過させる、または遮断するSPST(単極単投:single pole single through)型の第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22を備えている。
第1のスイッチ部21は高周波信号が入出力される第1の高周波端子1と第2の高周波端子2間に接続され、第2のスイッチ部22は高周波信号が入出力される第1の高周波端子1と第3の高周波端子3間に接続されている。第1の高周波端子1は第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22で共有される。
第1のスイッチ部21は、直列に接続された複数のFET(図1では3つのFET31〜33)を備え、その両端が2つの高周波端子1、2と接続された構成である。FET31〜33は、そのドレインまたはソースを隣接するFETのソースまたはドレインと共有することで直列に接続されている。FET31〜33のゲート電極は、抵抗素子41〜43を介して制御端子11と接続される。
同様に、第2のスイッチ部22は、直列に接続された複数のFET(図1では3つのFET34〜36)を備え、その両端が2つの高周波端子1、3と接続された構成である。FET34〜36は、そのドレインまたはソースを隣接するFETのソースまたはドレインと共有することで直列に接続されている。FET34〜36のゲート電極は、抵抗素子44〜46を介して制御端子12と接続される。
スイッチ回路で用いるFET31〜36のゲート電極は、一般に大きなゲート幅で形成され、ゲート電極に接続される抵抗素子41〜46には数kΩ〜数百kΩの高抵抗値が用いられる。
図2は図1に示したスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。
図2に示すように、FETは、導電性チャネル141上に形成される、ドレイン161、ソース162及びゲート電極151を備えた構成である。ゲート電極151にはスルーホール181を介して抵抗素子171が接続される。
図2に示すFETを図1に示した回路のように直列に接続する場合、ソース162と隣接するFETのドレインとを共有し、ドレイン161と隣接するFETのソースとを共有すればよい。また、各FETのゲート電極と制御端子(図1に示す制御端子11、12)間にそれぞれ抵抗素子171を接続すればよい。
上述したように、SPDT型のスイッチ回路では、各FETのゲート幅が大きく形成されるため、寄生容量が増大してスイッチ特性が劣化する。そのため、図2に示す構成では、ゲート電極を周知のミアンダ形状に配置することで特性劣化を抑制している。
次に、図1に示した背景技術のスイッチ回路の動作について説明する。
図1に示したスイッチ回路では、第1のスイッチ部21が備える制御端子11及び第2のスイッチ部22が備える制御端子12にハイレベルまたはロウレベルの制御信号を入力することで、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22のオン・オフを制御する。このとき、制御端子11及び制御端子12にハイレベルとロウレベルの2値の制御信号を相補入力すれば、第1の高周波端子1から入力された高周波信号を第2の高周波端子2または第3の高周波端子3から出力させることが可能であり、第2の高周波端子2と第3の高周波端子3から入力された高周波信号のいずれか一方を第1の高周波端子1から出力させることが可能である。
ところで、図1に示すようなスイッチ回路に要求される性能としては、高周波信号の通過損失が少ないことや高周波端子間のアイソレーションが大きいことが挙げられる。また、それらに加えて非線形歪が少ないことが重要である。
スイッチ回路で発生する非線形歪は、スイッチ回路の各種素子が備える非線形特性に依存する。特に1入力n(nは正の整数)出力のSPnTスイッチ回路やn入力m(mは正の整数)出力のnPmTスイッチ回路のような多ポートスイッチ回路では、オン状態の信号パスに比べてオフ状態の信号パスが多くなるため、オフ状態の信号パスが非線形歪の主な発生源となる。この非線形歪は、オフ状態におけるFETの容量が、該FETに印加される高周波信号の電位によって大きく変化することで発生する。特に、非線形歪のうち、2次高調波歪(2f歪)や2次相互変調歪(IMD2歪)のような偶数次歪は、オフ状態のFETに正電位が印加されたときのインピーダンスと負電位が印加されたときのインピーダンスが非対称に変化するために生じる。なお、ここで言う正電位とは所定の直流電位を基準にして正方向の電位を指し、負電位とは該直流電位を基準にして負方向の電位を指す。この直流電位は接地電位であるとは限らない。
オフ状態のFETでは、図3に示すように印加電位の変化に対してゲート・ソース間容量(Cgs)及びゲート・ドレイン間容量(Cgd)がそれぞれ変動する。これは高周波端子から入力された高周波信号がその直流電位を基準に正方向及び負方向に変化するとCgs及びCgdの値も変動することを示している。ここで、FETの製造時における露光の目あわせズレ等によって、Cgd及びCgsが高周波信号の直流電位上で交差しない特性となった場合、高周波信号が入力されると、FETのインピーダンスが直流電位を基準に非対称に変化し、ゲート・ドレイン間とゲート・ソース間とに異なる電圧振幅が分配される。そのため、偶数次歪が発生する。さらに、FETに抵抗素子等が接続されている場合、それらの素子のインピーダンスも直流電位を基準に非対称に変化する。
オフ状態のFETは、容量素子と等価と考えることができるため、上述した「インピーダンスの非対称な変化」は、主としてFETの容量の非対称な変化と考えることができる。しかしながら、図1に示した背景技術のスイッチ回路では、ゲート電極から制御端子へ信号が漏洩するのを防止するため、各FET31〜36のゲート電極に抵抗素子41〜46が接続されている。したがって、これら抵抗素子41〜46のインピーダンスの影響も無視することはできない。
但し、背景技術のスイッチ回路では、FETのゲート電極に接続する各抵抗素子41〜46の値を大きくすることで、これらのインピーダンスの影響を無視することが可能である。
なお、特開2005−341485号公報(以下、特許文献1と称す)には、並列な2つの信号パスを備え、一方の信号パスの歪成分の位相を反転した後、2つの信号パスの歪成分を加算することで歪成分をキャンセルする構成が記載されている。また、特開2006−042138号公報(以下、特許文献2と称す)には、信号線路の長さを最適に設定することで、所望の周波数の歪成分の強度を低下させる構成が記載され、特開2005−323030号公報(以下、特許文献3と称す)にはFETのドレイン・ソース間に印加する電圧を安定化することで歪の発生を抑制する構成が提案されている。
また、特開2000−223902号公報(以下、特許文献4と称す)、特開2005−065060号公報(以下、特許文献5と称す)、特開2005−072993号公報(以下、特許文献6と称す)、特開2005−086420号公報(以下、特許文献7と称す)、特開2006−211265号公報(以下、特許文献8と称す)、特開2007−073815号公報(以下、特許文献9と称す)及び特開2007−258766号公報(以下、特許文献10と称す)には、FETのゲート・ドレイン間やゲート・ソース間に容量素子あるいは抵抗素子を接続することでスイッチ回路の損失や歪を低減する構成が記載されている。
特開2006−211265号公報(以下、特許文献11と称す)には、歪を低減するにはFETのVgsの変動を抑制する必要があるとの論拠に基づき、FET、抵抗素子及び容量素子から成る回路を、FETのゲート電極と高周波端子間に接続した構成が記載されている。
特開平08−307232号公報(以下、特許文献12と称す)及び特開平09−018315号公報(以下、特許文献13と称す)には、飽和しない通常動作する高周波信号の電力範囲を広げるための構成が記載され、特許第003813869号公報(以下、特許文献14と称す)には容量の非対称性を補正して歪を低減することが記載されている。
また、特開2008−017416号公報(以下、特許文献15と称す)には、FETのゲート電極と制御端子間に挿入する抵抗素子の接続をオン・オフし、その抵抗値を変化させることで、高周波信号の通過損失の低減、高周波端子間のアイソレーション性能の向上及び歪の低減を実現する構成が記載されている。
上述した背景技術のスイッチ回路のうち、特許文献1に記載された構成では、複数の信号線路(配線)を設ける必要があるため、レイアウト面積が大きくなるという問題がある。また、特許文献1に記載された構成では入力信号に近い周波数の歪成分を除去できない問題もある。
特許文献2に記載された構成では、所望の周波数の歪を低減することは可能であるが、歪成分は1つの周波数のみで発生するものではないため、複数の周波数で発生する歪成分の低減には適用できない。
特許文献3に記載された構成は、FETのドレイン・ソース間に印加する電圧を安定化することでスイッチ動作が安定する。しかしながら、特許文献3に記載された構成では偶数次歪を抑制する効果は得られない。
特許文献4,5,6,7,8,9及び10に記載された構成は、飽和しない通常動作する高周波信号の電力範囲を広げるためのものであり、高電力の高周波信号が入力されたときに発生する歪を低減することはできる。すなわち、特許文献4から特許文献10に記載された構成は、飽和しない通常の動作範囲内の電力で高周波信号が入力されているときに発生する歪を低減するためのものではない。また、特許文献4から特許文献10に記載された構成では、高周波端子から見たインピーダンスを、高周波信号の直流電位を基準に非対称に変化させる方向に容量素子や抵抗素子等を追加しているため、歪がさらに大きくなることがあった。
なお、上述した特許文献1から10に記載された構成は、歪の発生要因そのものを無くしているわけではないため、歪の低減量が僅かであったり、他の特性が悪化する等の問題が発生していた。
特許文献11に記載された構成は、バイアス電圧が変化することによるFETの容量の変化を抑制するためにVgsの変動を抑制しているが、FETの容量の変化を抑制するには、VgsだけでなくVgdの変動も抑制しなければならないため、歪の低減効果が不十分である。
特許文献12及び13に記載された構成は、特許文献4から10と同様に、飽和しない通常動作する高周波信号の電力範囲を広げるためのものであり、飽和しない通常の動作範囲内の電力で高周波信号が入力されているときに発生する歪を低減するためのものではない。
特許文献14は、容量の非対称性を補正して歪を低減することが記載されているが、歪の発生要因については何も記載されておらず、どのようにすれば容量を対称化できるのか十分に記載されていない。また、特許文献14に記載された構成では、抵抗素子を介して制御端子間に電流が流れるため、消費電力が増大する問題がある。
さらに、特許文献15に記載された構成では、可変抵抗を実現するために非線形素子であるFETを使用しているため、歪がさらに大きくなる問題があった。
そこで、本発明は、オフ状態のスイッチ部で発生する偶数次歪を低減できるスイッチ回路及びそれを備えた半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明のスイッチ回路は、高周波信号を通過させる、または遮断するためのスイッチ回路であって、
前記高周波信号の直流電位を基準とする正負の変化に対して、いずれかの高周波端子から見たインピーダンスが前記直流電位を基準に対称に変化するように、スイッチ回路に存在する、前記直流電位を基準に非対称に変化する該スイッチ回路の任意の端子と前記直流電位もしくは対地電位との間のインピーダンスを補正するための補正回路を有し、
前記直流電位を基準に非対称に変化するインピーダンスは、対地寄生容量のインピーダンスであり、
前記補正回路が前記対地寄生容量のインピーダンスとインピーダンスを平衡させる補正用容量素子を含む構成である
または、高周波信号を通過させる、または遮断するためのスイッチ回路であって、
前記高周波信号の直流電位を基準とする正負の変化に対して、いずれかの高周波端子から見たインピーダンスが前記直流電位を基準に対称に変化するように、スイッチ回路に存在する、前記直流電位を基準に非対称に変化する該スイッチ回路の任意の端子と前記直流電位もしくは対地電位との間のインピーダンスを補正するための補正回路と、
前記高周波信号が入出力される第1の高周波端子及び第2の高周波端子、前記第1の高周波端子と前記第2の高周波端子間に直列に接続された複数の電界効果トランジスタ、並びに前記電界効果トランジスタのゲート電極と制御端子間に接続された抵抗素子を備えたスイッチ部と、
を有し、
前記直流電位を基準に非対称に変化するインピーダンスは、前記電界効果トランジスタのゲート電極と前記制御端子間に接続された抵抗素子のインピーダンスであり、
前記補正回路が該抵抗素子のインピーダンスとインピーダンスを平衡させる補正用抵抗素子を含む構成である。
または、高周波信号を通過させる、または遮断するためのスイッチ回路であって、
前記高周波信号の直流電位を基準とする正負の変化に対して、いずれかの高周波端子から見たインピーダンスが前記直流電位を基準に対称に変化するように、スイッチ回路に存在する、前記直流電位を基準に非対称に変化する該スイッチ回路の任意の端子と前記直流電位もしくは対地電位との間のインピーダンスを補正するための補正回路と、
前記高周波信号が入出力される第1の高周波端子及び第2の高周波端子、前記第1の高周波端子と前記第2の高周波端子間に直列に接続された複数の電界効果トランジスタ、並びに前記電界効果トランジスタのゲート電極と制御端子間に接続された抵抗素子を備えたスイッチ部と、
を有し、
前記直流電位を基準に非対称に変化するインピーダンスは、前記電界効果トランジスタのゲート電極と接地電位間の対地寄生容量のインピーダンス及び前記電界効果トランジスタのゲート電極と前記制御端子間に接続された抵抗素子のインピーダンスであり、
前記補正回路は、
前記電界効果トランジスタのゲート電極と接地電位間の前記対地寄生容量のインピーダンスとインピーダンスを平衡させる補正用容量素子と、
前記電界効果トランジスタのゲート電極と前記制御端子間に接続された抵抗素子のインピーダンスとインピーダンスを平衡させる補正用抵抗素子と、
を有し、
前記補正回路が、
直列に接続された少なくとも1つの電界効果トランジスタのゲート電極と前記第1の高周波端子間に接続された構成である。
または、高周波信号を通過させる、または遮断するためのスイッチ回路であって、
前記高周波信号の直流電位を基準とする正負の変化に対して、いずれかの高周波端子から見たインピーダンスが前記直流電位を基準に対称に変化するように、スイッチ回路に存在する、前記直流電位を基準に非対称に変化する該スイッチ回路の任意の端子と前記直流電位もしくは対地電位との間のインピーダンスを補正するための補正回路と、
前記高周波信号が入出力される第1の高周波端子及び第2の高周波端子、前記第1の高周波端子と前記第2の高周波端子間に直列に接続された複数の電界効果トランジスタ、並びに前記電界効果トランジスタのゲート電極と制御端子間に接続された抵抗素子を備えたスイッチ部と、
を有し、
前記直流電位を基準に非対称に変化するインピーダンスは、前記電界効果トランジスタのゲート電極と接地電位間の対地寄生容量のインピーダンス及び前記電界効果トランジスタのゲート電極と前記制御端子間に接続された抵抗素子のインピーダンスであり、
前記補正回路は、
前記電界効果トランジスタのゲート電極と接地電位間の前記対地寄生容量のインピーダンスとインピーダンスを平衡させる補正用容量素子と、
前記電界効果トランジスタのゲート電極と前記制御端子間に接続された抵抗素子のインピーダンスとインピーダンスを平衡させる補正用抵抗素子と、
を有し、
前記補正回路が、
直列に接続された少なくとも1つの電界効果トランジスタのゲート電極と該電界効果トランジスタのドレイン間に接続された構成である。
また、本発明の半導体装置は、上記スイッチ回路を備えた構成である。
本発明では、非対称なインピーダンス成分として、スイッチ回路が備える電界効果トランジスタのゲート電極と接地電位間に存在する対地寄生容量及び電界効果トランジスタのゲート電極と制御端子間に接続される抵抗素子を考慮する。
図1は、FETを用いた背景技術のスイッチ回路を示す図であり、SPDT型のスイッチ回路の構成を示す回路図である。 図2は、図1に示したスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。 図3は、図1に示したFETのオフ状態における印加電位に対するゲート・ソース間容量及びゲート・ドレイン間容量の変化を示すグラフである。 図4は、第1の実施の形態のスイッチ回路の構成を示す回路図である。 図5は、図1に示した第1のスイッチ部が備える対地寄生容量を明示した回路図である。 図6は、図5に示した第1のスイッチ部が備える各FETがオフ状態のときの等価回路を示す回路図である。 図7は、図4に示した第1スイッチ部が備える各FETがオフ状態のときの等価回路を示す回路図である。 図8は、第2の実施の形態のスイッチ回路の構成を示す回路図である。 図9は、図8に示した第1のスイッチ部が備える各FETがオフ状態のときの等価回路を示す回路図である。 図10は、第3の実施の形態のスイッチ回路の構成を示す回路図である。 図11は、第4の実施の形態のスイッチ回路の構成を示す回路図である。 図12は、第1の実施の形態〜第4の実施の形態で示したスイッチ回路の変形例を示す回路図である。 図13は、第1の実施の形態〜第4の実施の形態で示したスイッチ回路の変形例を示す回路図である。 図14は、第1の実施の形態〜第4の実施の形態で示したスイッチ回路の変形例を示す回路図である。 図15は、第5の実施の形態のスイッチ回路の第1の構成例を示す回路図である。 図16は、第5の実施の形態のスイッチ回路の第2の構成例を示す回路図である。 図17は、第5の実施の形態のスイッチ回路の第3の構成例を示す回路図である。 図18は、図1に示した第1のスイッチ部の各FETがオフ状態のときの等価回路図である。 図19は、図15に示した第1のスイッチ部の各FETがオフ状態のときの等価回路図である。 図20は、第5の実施の形態及び第6の実施の形態のスイッチ回路の抵抗素子の値に対する2次相互変調歪のシミュレーション結果を示すグラフである。 図21は、第6の実施の形態のスイッチ回路の第1の構成例を示す回路図である。 図22は、第6の実施の形態のスイッチ回路の第2の構成例を示す回路図である。 図23は、図21に示した第1のスイッチ部の各FETがオフ状態のときの等価回路図である。 図24は、第7の実施の形態のスイッチ回路の第1の構成例を示す回路図である。 図25は、第7の実施の形態のスイッチ回路の第2の構成例を示す回路図である。 図26は、第7の実施の形態のスイッチ回路の第3の構成例を示す回路図である。 図27は、第8の実施の形態のスイッチ回路の第1の構成例を示す回路図である。 図28は、第8の実施の形態のスイッチ回路の第2の構成例を示す回路図である。 図29は、本発明のスイッチ回路の第2の実施の形態の評価結果を示すグラフである。 図30は、第1実施例のスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。 図31は、第2実施例のスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。 図32は、第3実施例のスイッチ回路が備えるFETの別の構造を示す平面図である。 図33は、第4実施例のスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。 図34は、第5実施例のスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。 図35は、第6実施例のスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。 図36は、第6実施例のスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。
次に本発明について図面を参照して説明する。
通常、スイッチ回路で用いるFETは、ドレインとソースが同じ構造であるため、これらを区別しない場合が多い。しかしながら、以下では、スイッチ回路が備える各素子の接続関係を明確にするため、FETのドレインとソースを便宜上区別して記載する。
例えば、図1に示したSPDT型のスイッチ回路では、第1の高周波端子1側のFETの電極をドレインとし、第2の高周波端子2または第3の高周波端子3側のFETの電極をソースと定義する。同様に、SPST型のスイッチ回路(図1に示した第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22)では、第1の高周波端子1側のFETの電極をドレインとし、第2の高周波端子2側のFETの電極をソースと定義する。
(第1の実施の形態)
図4は第1の実施の形態のスイッチ回路の構成を示す回路図である。なお、図4はSPDT型のスイッチ回路に本実施形態の構成を適用した例である。
図4に示すように、第1の実施の形態のスイッチ回路は、図1に示した背景技術のSPDT型のスイッチ回路が備える第1のスイッチ部21に容量素子(補正用容量素子)51〜53を追加し、第2のスイッチ部22に容量素子(補正用容量素子)54〜56を追加した構成である。
容量素子51はFET31のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、容量素子52はFET32のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、容量素子53はFET33のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続されている。
また、容量素子54はFET34のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、容量素子55はFET35のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、容量素子56はFET36のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続されている。
上述したように、FET31〜36のゲート電極は、大きなゲート幅で形成され、ゲート電極に接続される抵抗素子41〜46には数kΩ〜数百kΩの高抵抗値が用いられる。このように大きなゲート幅のFETや抵抗値が大きい抵抗素子は、レイアウト面積が大きくなるために寄生容量も大きくなる。特に、接地電位に対する寄生容量(以下、対地寄生容量と称す)が増大する。
図5は、図1に示した背景技術のスイッチ回路が備える第1のスイッチ部21の対地寄生容量81〜83を明示すると共に、スイッチ回路の使用時に接続される容量素子91及び終端抵抗92を追加した回路図である。容量素子91は、高周波信号を通過させると共に直流電圧を遮断するために設けられている。終端抵抗92は、高周波端子2に接続される信号線路とインピーダンスを整合するために設けられている。
図5に示すように、FET31〜33には、ゲート電極と接地電位間に対地寄生容量81〜83が存在している。従来、これら対地寄生容量81〜83によるスイッチ特性への影響について検討されたことはなかった。
図6は図5に示した第1のスイッチ部21が備える各FETがオフ状態のときの等価回路を示している。
図6に示すように、オフ状態のFET31は、ドレイン/ソース・ゲート容量(Cgd/Cgs)101、102と、ドレイン・ソース間容量(Cds)111とに置き換えることが可能である。
同様に、オフ状態のFET32は、Cgd/Cgs103、104と、Cds112とに置き換えることが可能であり、オフ状態のFET33は、Cgd/Cgs105、106と、Cds113とに置き換えることが可能である。
図6に示す等価回路から分かるように、背景技術のスイッチ回路では、各FETのゲート電極に存在する対地寄生容量81〜83が、いずれかの高周波端子から見たスイッチ部のインピーダンスを高周波信号の直流電位に対して非対称に変化させる要因となる。すなわち、オフ時に印加される高周波信号の電位変化に対して、スイッチ部のインピーダンスが、高周波信号の直流電位を基準に非対称に変化するために偶数次歪が増大する。本実施形態では、この非対称なインピーダンスの変化を補正するために図4に示した容量素子51〜56を追加する。
図7は、図4に示した第1のスイッチ部21が備える各FETがオフ状態のときの等価回路を示している。
図7に示すように、本実施形態のスイッチ回路では、FET31〜33のゲート電極と第1の高周波端子1間に容量素子51〜53を接続することで、FET31〜33のゲート電極に存在する対地寄生容量81〜83のインピーダンスと容量素子51〜53のインピーダンスとを平衡させる。したがって、オフ時に印加される高周波信号の電位変化に対して、スイッチ部のインピーダンスを高周波信号の直流電位を基準にほぼ対称に変化させることができるため、偶数次歪の発生を抑制できる。
なお、容量素子91は、上述したように高周波信号を通過させると共に直流電圧を遮断するためのものであるため、容量素子51〜53、対地寄生容量81〜83、ドレイン/ソース・ゲート容量101〜106及びドレイン・ソース間容量111〜113に比べて十分に大きな値となる。一方、終端抵抗92は、容量素子51〜53、対地寄生容量81〜83、ドレイン/ソース・ゲート容量101〜106及びドレイン・ソース間容量111〜113に比べてインピーダンスが十分に小さな値となる。したがって、容量素子91及び終端抵抗92は、スイッチ回路のインピーダンスの対称性を検討する際には無視できる。
第1の実施の形態のスイッチ回路によれば、FET31〜33のゲート電極と第1の高周波端子1間に容量素子51〜53を接続することで、ゲート電極の対地寄生容量に起因するスイッチ部のインピーダンスの非対称性が補正されるため、オフ状態のスイッチ部に高周波信号が印加されることで発生する偶数次歪を低減できる。
なお、第1の実施の形態では、SPDT型のスイッチ回路を例にして説明しているが、本実施形態の構成はSPDT型のスイッチ回路に限定されるものではなく、nポート入力及びmポート出力を備えるnPmTスイッチにも適用可能である。また、第1の実施の形態では、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22が直列に接続された3つのFET31〜36を備える構成を例にして説明したが、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22は、直列に接続された2つ以下のFET、あるいは直列に接続された4つ以上のFETを備えた構成であってもよい。
(第2の実施の形態)
図8は第2の実施の形態のスイッチ回路の構成を示す回路図である。なお、図8はSPDT型のスイッチ回路に本実施形態の構成を適用した例である。
図8に示すように、第2の実施の形態のスイッチ回路は、容量素子(補正用容量素子)51がFET31のゲート電極とドレイン間に接続され、容量素子(補正用容量素子)52がFET32のゲート電極とドレイン間に接続され、容量素子(補正用容量素子)53がFET33のゲート電極とドレイン間に接続された構成である。また、容量素子(補正用容量素子)54がFET34のゲート電極とドレイン間に接続され、容量素子(補正用容量素子)55がFET35のゲート電極とドレイン間に接続され、容量素子(補正用容量素子)56がFET33のゲート電極とドレイン間に接続された構成である。その他の構成は第1の実施の形態のスイッチ回路と同様であるため、その説明は省略する。
図9は図8に示した第1のスイッチ部21が備える各FETがオフ状態のときの等価回路を示している。
第1の実施の形態のスイッチ回路は、各FETのゲート電極と第1の高周波端子1間に容量素子51〜53を接続しているが、図9に示すように第2の実施の形態では、各FETのゲート電極とドレイン間に容量素子51〜53を接続する。
例えば、ガリウムヒ素等から成る半絶縁性基板やSOI(Silicon on Insulator)基板上に形成されたFETでは、ゲート電極の対地寄生容量81〜83の値が、Cgd/Cgs101〜106やCds111〜113の値に対して十分に小さいため、スイッチ回路のインピーダンスの対称性を検討する際には無視できる。
したがって、図8に示したように、容量素子51〜56を各FET31〜36のゲート電極とドレイン間に接続しても、第1の実施の形態のスイッチ回路と同様に動作するため、第2の実施の形態のスイッチ回路も第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第2の実施の形態においてもSPDT型のスイッチ回路を例にして説明しているが、本実施形態の構成はSPDT型のスイッチ回路に限定されるものではなく、nポート入力及びmポート出力を備えるnPmTスイッチにも適用可能である。また、第2の実施の形態では、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22が直列に接続された3つのFET31〜36を備える構成を例にして説明したが、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22は、直列に接続された2つ以下のFET、あるいは直列に接続された4つ以上のFETを備えた構成であってもよい。
(第3の実施の形態)
図10は第3の実施の形態のスイッチ回路の構成を示す回路図である。なお、図10はSPDT型のスイッチ回路に本実施形態の構成を適用した例である。
図10に示すように、第3の実施の形態のスイッチ回路は、容量素子(補正用容量素子)51がFET31のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、容量素子(補正用容量素子)52がFET32のゲート電極とドレイン間に接続され、容量素子(補正用容量素子)53がFET33のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続された構成である。また、容量素子(補正用容量素子)54がFET34のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、容量素子(補正用容量素子)55がFET35のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、容量素子(補正用容量素子)56がFET33のゲート電極とドレイン間に接続された構成である。
第1の実施の形態及び第2の実施の形態で説明したように、ゲート電極の対地寄生容量81〜83を補正する容量素子51〜53は、各FET51〜56のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続してもよく、各FET51〜56のゲート電極とドレイン間に接続してもよい。
第3の実施の形態のスイッチ回路は、第1の実施の形態で示した容量素子51〜56の接続方法と第2の実施の形態で示した容量素子51〜56の接続方法とが混在する構成である。したがって、第3の実施の形態のスイッチ回路は、各スイッチ部が備える、直列に接続されたFETの数が多いほど、多様な構成が考えられる。図10に示した第1のスイッチ部21や第2のスイッチ部22は容量素子51〜56の代表的な接続例を示したものであり、第3の実施の形態のスイッチ回路は図10に示す構成に限定されるものではない。
第3の実施の形態のスイッチ回路においても第1の実施の形態及び第2の実施の形態のスイッチ回路と同様に動作するため、第1の実施の形態及び第2の実施の形態のスイッチ回路と同様の効果を得ることができる。
なお、第3の実施の形態においてもSPDT型のスイッチ回路を例にして説明しているが、本実施形態の構成はSPDT型のスイッチ回路に限定されるものではなく、nポート入力及びmポート出力を備えるnPmTスイッチにも適用可能である。また、第3の実施の形態では、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22が直列に接続された3つのFET31〜36を備える構成を例にして説明したが、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22は、直列に接続された2つ以下のFET、あるいは直列に接続された4つ以上のFETを備えた構成であってもよい。
(第4の実施の形態)
図11は第4の実施の形態のスイッチ回路の構成を示す回路図である。なお、図11はSPDT型のスイッチ回路に本実施形態の構成を適用した例である。
図11に示すように、第4の実施の形態のスイッチ回路は、容量素子51がFET31のゲート電極とドレイン間に接続され、容量素子53がFET33のゲート電極とドレイン間に接続された構成である。また、容量素子54がFET34のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、容量素子55がFET35のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続された構成である。
第4の実施の形態のスイッチ回路は、第3の実施の形態の変形例であり、スイッチ回路が備える全てのFETのゲート電極の対地寄生容量を補正するのではなく、一部のFETのゲート電極の対地寄生容量を補正しない構成である。すなわち、第4の実施の形態のスイッチ回路は、第3の実施の形態のスイッチ回路が備える各FETに接続する容量素子51〜56の一部を削除した構成である。したがって、第4の実施の形態のスイッチ回路は、各スイッチ部が備える、直列に接続されたFETの数が多いほど、多様な構成が考えられる。図11に示した第1のスイッチ部21や第2のスイッチ部22は、代表的な容量素子51〜56の接続例を示したものであり、第4の実施の形態のスイッチ回路は図11に示す構成に限定されるものではない。
第4の実施の形態のスイッチ回路では、スイッチ回路が備える全てのFETのゲート電極の対地寄生容量を補正しないため、第1の実施の形態〜第3の実施の形態のスイッチ回路よりも歪の改善効果が小さくなる。しかしながら、図1に示した背景技術のスイッチ回路に比べて、ゲート電極の対地寄生容量に起因するスイッチ部のインピーダンスの非対称性が補正されるため、偶数次歪の発生を抑制できる。
なお、第4の実施の形態においてもSPDT型のスイッチ回路を例にして説明しているが、本実施形態の構成はSPDT型のスイッチ回路に限定されるものではなく、nポート入力及びmポート出力を備えるnPmTスイッチにも適用可能である。また、第4の実施の形態では、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22が直列に接続された3つのFET31〜36を備える構成を例にして説明したが、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22は、直列に接続された2つ以下のFET、あるいは直列に接続された4つ以上のFETを備えた構成であってもよい。
また、スイッチ回路が2つ以上のスイッチ部を備え、各スイッチ部に異なる仕様が要求されている場合は、全てのスイッチ部に上述した第1の実施の形態から第4の実施の形態で示した構成を適用する必要はない。
例えば、図12に示すように、第1の実施の形態で示したスイッチ部と第2の実施の形態で示したスイッチ部とを併用した構成でもよく、図13に示すように第2の実施の形態で示したスイッチ部と背景技術のスイッチ部とを併用した構成でもよく、図14に示すように第1の実施の形態で示したスイッチ部と背景技術のスイッチ部とを併用した構成でもよい。
本発明のスイッチ回路は、図13や図14に示すように背景技術のスイッチ部を備える構成であっても、例えば送信回路または受信回路とアンテナとの接続を切り替えるスイッチ回路として利用できる。
具体的には、図13に示したスイッチ回路の第3の高周波端子3に送信回路を接続し、第2の高周波端子2に受信回路を接続し、第1の高周波端子1にアンテナを接続すればよい。そして、送信時は、受信回路と接続された第1のスイッチ部21をオフし、送信回路と接続された第2のスイッチ部22をオンすれば、送信回路から出力された高周波信号をアンテナに供給できる。このとき、第1のスイッチ部21は第2の実施の形態で示した容量素子51〜53を備えた構成であるため、第1のスイッチ部21がオフ状態であることに起因して発生する偶数次歪を低減できる。
一方、受信時は、受信回路と接続された第1のスイッチ部21をオンし、送信回路と接続された第2のスイッチ部22をオフすれば、アンテナで受信した高周波信号を受信回路に供給できる。このとき、第2のスイッチ部22は背景技術と同様の構成であるため、第1の実施の形態〜第4の実施の形態で示した、第2のスイッチ部22がオフ状態であることに起因して発生する偶数次歪の低減効果は期待できない。
しかしながら、受信信号は送信信号に比べて強度が非常に小さいため、スイッチ回路で発生する偶数次歪も小さく、該歪成分が問題となることはない。
すなわち、本発明は、高電力の高周波信号が入出力される、いずれかの高周波端子から見たインピーダンスが、高周波信号の直流電位を基準とする正負の変化に対して、高周波信号の直流電位を基準に対称に変化するように、第1の実施の形態から第4の実施の形態で示した構成を適用すればよい。
第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、第1の高周波端子1から高電力の高周波信号が入力されるものとして、各FETのゲート電極と第1の高周波端子1間、または各FETのゲート電極とドレイン間に容量素子を接続する構成例を示した。しかしながら、本発明の効果は、高周波信号の入力方向と関係があるため、第2の高周波端子2や第3の高周波端子3から見たインピーダンスの対称性を改善する場合は、容量素子51〜56を、各FETのゲート電極と第2の高周波端子2あるいは第3の高周波端子3間に接続してもよく、各FETのゲート電極とソース間に接続してもよい。但し、本発明のスイッチ回路では、各FETのゲート電極とドレイン間に容量素子を接続したスイッチ部と各FETのゲート電極とソース間に容量素子を接続したスイッチ部とを混在させてはならない。同様に、各FETのゲート電極と第1の高周波端子間に容量素子を接続したスイッチ部と各FETのゲート電極と第2の高周波端子2間または第3の高周波端子3間に容量素子を接続したスイッチ部とを混在させてはならない。
(第5の実施の形態)
図15、図16及び図17は第5の実施の形態のスイッチ回路の構成例を示す回路図である。なお、図15〜図17はSPDT型のスイッチ回路に本実施形態の構成を適用した例である。
図15は、第5の実施の形態のスイッチ回路の第1の構成例を示している。図15に示すスイッチ回路は、図1に示した背景技術のSPDT型のスイッチ回路が備える第1のスイッチ部21に抵抗素子(補正用抵抗素子)61〜63を追加し、第2のスイッチ部22に抵抗素子(補正用抵抗素子)64〜66を追加した構成である。
抵抗素子61はFET31のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、抵抗素子62はFET32のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、抵抗素子63はFET33のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続されている。
また、抵抗素子64はFET34のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、抵抗素子65はFET35のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、抵抗素子66はFET36のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続されている。
図16は、第5の実施の形態のスイッチ回路の第2の構成例を示している。
図16に示すスイッチ回路は、図1に示した背景技術のSPDT型のスイッチ回路が備える第1のスイッチ部21に、直列に接続された容量素子71及び抵抗素子61、直列に接続された容量素子72及び抵抗素子62、直列に接続された容量素子73及び抵抗素子63を追加し、第2のスイッチ部22に、直列に接続された容量素子74及び抵抗素子64、直列に接続された容量素子75及び抵抗素子65、直列に接続された容量素子76及び抵抗素子66を追加した構成である。
容量素子71及び抵抗素子61はFET31のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、容量素子72及び抵抗素子62はFET32のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、容量素子73及び抵抗素子63はFET33のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続されている。
また、容量素子74及び抵抗素子64はFET34のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、容量素子75及び抵抗素子65はFET35のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、容量素子76及び抵抗素子66はFET36のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続されている。
図17は、第5の実施の形態のスイッチ回路の第3の構成例を示している。
図17に示すスイッチ回路は、図1に示した背景技術のSPDT型のスイッチ回路が備える第1のスイッチ部21に、抵抗素子61〜63及び容量素子71を追加し、第2のスイッチ部22に抵抗素子64〜66及び容量素子74を追加した構成である。
抵抗素子61の一端はFET31のゲート電極と接続され、抵抗素子62の一端はFET32のゲート電極と接続され、抵抗素子63の一端はFET33のゲート電極と接続されている。抵抗素子61〜63の他端は容量素子61を介して第1の高周波端子1と接続されている。
また、抵抗素子64の一端はFET34のゲート電極と接続され、抵抗素子65の一端はFET35のゲート電極と接続され、抵抗素子66の一端はFET36のゲート電極と接続されている。抵抗素子64〜66の他端は容量素子64を介して第1の高周波端子1と接続されている。
図17に示す第3の構成例は、図16に示した第2の構成例が備える容量素子71〜73を共通にし、容量素子74〜76を共通にした構成である。
上述したように、背景技術のスイッチ回路では、第1のスイッチ部21が備えるFET31〜36のゲート電極に抵抗素子41〜46が接続されている。抵抗素子41〜46は、第1のスイッチ部21に入力された高周波信号がゲート電極からゲート容量を介して制御端子11へ流れることで、高周波信号の通過損失が増大したり高周波端子間のアイソレーション性能が劣化するのを抑制するために設けられている。一方、スイッチ回路で発生する歪に着目した場合、これらの抵抗素子41〜46は、上述したように「インピーダンスの非対称性」の要因となる。
図18は図1に示した背景技術のスイッチ回路の第1のスイッチ部21が備えるFET31〜36がオフ状態のときの等価回路を示し、図19は図15に示した第5の実施の形態のスイッチ回路の第1のスイッチ部21が備えるFET31〜36がオフ状態のときの等価回路を示している。
図18及び図19に示す容量素子91は、高周波信号を通過させると共に直流電圧を遮断するために設けられている。終端抵抗92は、高周波端子2に接続される信号線路とインピーダンスを整合するために設けられている。
また、図18及び図19に示す等価回路では、図5で示したFET31〜33のゲート電極と接地電位間に存在する対地寄生容量81〜83を省略した様子を示している。
図18において、制御端子11には高周波信号と比べて十分に低い周波数の制御信号が入力されるため、該制御信号は直流信号と見做すことができる。その場合、抵抗素子41〜43は、高周波信号に対して接地電位と接続される経路と見做せるため、オフ状態のスイッチ回路のインピーダンスが非対称になる要因となる。
上述したように、偶数次歪の発生原因は、FETの容量及び該FETに接続された素子のインピーダンスが直流電位を基準に非対称に変化し、ドレイン・ソース間とドレイン・ゲート間とに異なる電圧振幅が分配されることにある。したがって、抵抗素子41〜46も偶数次歪の発生要因となる。
図1に示した背景技術のスイッチ回路では、高周波信号に対して抵抗素子41〜46が開放状態と見做すことができるように、抵抗素子41〜43の値を大きくしていた。しかしながら、高い値の抵抗素子を用いると、抵抗素子に電流が流れることによる電圧降下、オン・オフの切り替え時間の増大及びレイアウト面積の増大等の様々な問題を引き起こしていた。
本実施形態のスイッチ回路では、図19に示すように、FET31〜33のゲート電極と第1の高周波端子1間に抵抗素子61〜63を接続することで、FET31〜33のゲート電極に接続された抵抗素子41〜43のインピーダンスと抵抗素子61〜63のインピーダンスとを平衡させる。
したがって、オフ時に印加される高周波信号の電位変化に対して、スイッチ部のインピーダンスを高周波信号の直流電位を基準にほぼ対称に変化させることができるため、偶数次歪の発生を抑制できる。
なお、容量素子91は、上述したように高周波信号を通過させると共に直流電圧を遮断するためのものであるため、容量素子61〜63、抵抗素子41〜43、ドレイン/ソース・ゲート容量101〜106及びドレイン・ソース間容量111〜113に比べて十分に大きな値となる。一方、終端抵抗92は、容量素子61〜63、抵抗素子41〜43、ドレイン/ソース・ゲート容量101〜106及びドレイン・ソース間容量111〜113に比べてインピーダンスが十分に小さな値となる。したがって、容量素子91及び終端抵抗92は、スイッチ回路のインピーダンスの対称性を検討する際には無視できる。
第5の実施の形態の第1の構成例では、抵抗素子61〜63をFET31〜33のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続することで、FET31〜33のゲート電極と制御端子11間に接続された抵抗素子41〜43に起因するスイッチ部のインピーダンスの非対称性が補正される。そのため、オフ状態のスイッチ部に高周波信号が印加されることで発生する偶数次歪を低減できる。
但し、第1の構成例では、ハイレベルが入力された制御端子とロウレベルが入力された制御端子間に直流電流が流れ、消費電力が増大する新たな問題が発生するため、使用用途が限定されてしまう。
第2の構成例は、この問題を回避するために直流電流を遮断する容量素子71〜73を抵抗素子61〜63と直列に接続した構成である。第3の構成例は、第2の構成例で示した容量素子71〜73を共通にすることで、容量素子数を減らしてレイアウト面積を低減した構成である。
図16に示した第5の実施の形態のスイッチ回路の抵抗素子(抵抗素子41〜46)の値に対する2次相互変調歪(IMD2)の値をシミュレーションした結果を図20に示す。なお、図20は図1に示した背景技術のスイッチ回路及び後述する第6の実施の形態のスイッチ回路の抵抗素子の値に対する2次相互変調歪の特性のシミュレーション結果も示している。
図20に示すように、背景技術のスイッチ回路ではFETのゲート電極と制御端子間に接続された抵抗素子41〜46の値を大きくすることで2次相互変調歪(IMD2)が低減している。それに対して、第5の実施の形態のスイッチ回路では、FETのゲート電極と制御端子間に接続された抵抗素子41〜46の値が小さくても2次相互変調歪を低減できる。
第5の実施の形態では、SPDT型のスイッチ回路を例にして説明したが、第5の実施の形態の構成はSPDT型のスイッチ回路に限定されるものではなく、nポート入力及びmポート出力を備えるnPmTスイッチにも適用可能である。また、第5の実施の形態では、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22が直列に接続された3つのFET31〜36を備える構成を例にして説明したが、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22は、直列に接続された2つ以下のFET、あるいは直列に接続された4つ以上のFETを備えた構成であってもよい。
第5の実施の形態では、図15〜図17に示した抵抗素子61〜66の値と抵抗素子41〜46の値が等しいとき、偶数次歪を最も低減できる。しかしながら、抵抗素子61〜66及び抵抗素子41〜46の値は、本実施形態のスイッチ回路を備える装置で許容できる偶数次歪の値に応じて適宜設定する設計パラメータの1つと考えてよく、抵抗素子61〜66の値と抵抗素子41〜46の値とを必ずしも等しくする必要はない。
また、図16で示した容量素子71〜76や図17で示した容量素子71、74の値も、高周波信号に対する抵抗素子41〜46のインピーダンスと比べて十分に小さければよいため、容量素子71〜76の値も設計パラメータの1つと考えてよい。また、直流電流を遮断できれば、容量素子71〜76に代えてダイオードやFET等の他の素子を用いてもよい。
(第6の実施の形態)
図21及び図22は第6の実施の形態のスイッチ回路の構成例を示す回路図である。なお、図21及び図22はSPDT型のスイッチ回路に本実施形態の構成を適用した例である。
図21は、第6の実施の形態のスイッチ回路の第1の構成例を示している。
図21に示すスイッチ回路は、図1に示した背景技術のSPDT型のスイッチ回路が備える第1のスイッチ部21に抵抗素子(補正用抵抗素子)61〜63を追加し、第2のスイッチ部22に抵抗素子(補正用抵抗素子)64〜66を追加した構成である。
抵抗素子61はFET31のゲート電極とドレイン電極間に接続され、抵抗素子62はFET32のゲート電極とドレイン電極間に接続され、抵抗素子63はFET33のゲート電極とドレイン電極間に接続されている。
また、抵抗素子64はFET34のゲート電極とドレイン電極間に接続され、抵抗素子65はFET35のゲート電極とドレイン電極間に接続され、抵抗素子66はFET36のゲート電極とドレイン電極間に接続されている。
図22は、第6の実施の形態のスイッチ回路の第2の構成例を示している。
図22に示すスイッチ回路は、図1に示した背景技術のSPDT型のスイッチ回路が備える第1のスイッチ部21に直列に接続された容量素子71及び抵抗素子61、直列に接続された容量素子72及び抵抗素子62並びに直列に接続された容量素子73及び抵抗素子63を追加し、第2のスイッチ部22に直列に接続された容量素子74及び抵抗素子64、直列に接続された容量素子75及び抵抗素子65並びに直列に接続された容量素子76及び抵抗素子66を追加した構成である。
容量素子71及び抵抗素子61はFET31のゲート電極とドレイン電極間に接続され、容量素子72及び抵抗素子62はFET32のゲート電極とドレイン電極間に接続され、容量素子73及び抵抗素子63はFET33のゲート電極とドレイン電極間に接続されている。
また、容量素子74及び抵抗素子64はFET34のゲート電極とドレイン電極間に接続され、容量素子75及び抵抗素子65はFET35のゲート電極とドレイン電極間に接続され、容量素子76及び抵抗素子66はFET36のゲート電極とドレイン電極間に接続されている。
図23は図21に示した第1のスイッチ部21が備える各FETがオフ状態のときの、第1のスイッチ部21の等価回路を示している。
上述した第5の実施の形態のスイッチ回路では、各FETのゲート電極と第1の高周波端子1間に抵抗素子61〜63を接続しているが、第6の実施の形態では、各FETのゲート電極とドレイン間に抵抗素子61〜63を接続する。
本実施形態のスイッチ回路では、FET31〜33のゲート電極とドレイン間に抵抗素子61〜63を接続することで、FET31〜33のゲート電極と制御端子11間に接続された抵抗素子41〜43のインピーダンスと、抵抗素子61〜63のインピーダンスとを平衡させる。
したがって、第5の実施の形態と同様に、オフ時に印加される高周波信号の電位変化に対して、スイッチ部のインピーダンスを高周波信号の直流電位を基準にほぼ対称に変化させることができるため、偶数次歪の発生を抑制できる。
容量素子91は、上述したように高周波信号を通過させると共に直流電圧を遮断するためのものであるため、容量素子61〜63、抵抗素子41〜43、ドレイン/ソース・ゲート容量101〜106及びドレイン・ソース間容量111〜113に比べて十分に大きな値となる。一方、終端抵抗92は、容量素子61〜63、抵抗素子41〜43、ドレイン/ソース・ゲート容量101〜106及びドレイン・ソース間容量111〜113に比べてインピーダンスが十分に小さな値となる。したがって、容量素子91及び終端抵抗92は、スイッチ回路のインピーダンスの対称性を検討する際には無視できる。
なお、第6の実施の形態では、SPDT型のスイッチ回路を例にして説明しているが、本実施形態の構成はSPDT型のスイッチ回路に限定されるものではなく、nポート入力及びmポート出力を備えるnPmTスイッチにも適用可能である。
第6の実施の形態では、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22が直列に接続された3つのFET31〜36を備える構成を例にして説明したが、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22は、直列に接続された2つ以下のFET、あるいは直列に接続された4つ以上のFETを備えた構成であってもよい。
第6の実施の形態では、第5の実施の形態と同様に、図21及び図22に示した抵抗素子61〜66の値と抵抗素子41〜46の値が等しいとき、偶数次歪を最も低減できる。しかしながら、抵抗素子61〜66及び抵抗素子41〜46の値は、本実施形態のスイッチ回路を備える装置で許容できる偶数次歪の値に応じて適宜設定する設計パラメータの1つと考えてよく、抵抗素子61〜66の値と抵抗素子41〜46の値とを必ずしも等しくする必要はない。
また、図22で示した容量素子71〜76の値も、高周波信号に対する抵抗素子41〜46のインピーダンスと比べて十分に小さければよいため、容量素子71〜76の値も設計パラメータの1つと考えてよい。また、直流電流を遮断できれば、容量素子71〜76に代えてダイオードやFET等の他の素子を用いてもよい。
(第7の実施の形態)
図24、図25及び図26は第7の実施の形態のスイッチ回路の構成例を示す回路図である。なお、図24〜図26はSPDT型のスイッチ回路に本実施形態の構成を適用した例である。
図24は、第7の実施の形態のスイッチ回路の第1の構成例を示している。
図24に示すスイッチ回路は、図1に示した背景技術のSPDT型のスイッチ回路が備える第1のスイッチ部21に抵抗素子(補正用抵抗素子)61、63を追加し、第2のスイッチ部22に抵抗素子(補正用抵抗素子)65、66を追加した構成である。
抵抗素子61はFET31のゲート電極とドレイン電極間に接続され、抵抗素子63はFET33のゲート電極とドレイン電極間に接続されている。
また、抵抗素子65はFET35のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、抵抗素子66はFET36のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続されている。
図25は、第7の実施の形態のスイッチ回路の第2の構成例を示している。
図25に示すスイッチ回路は、図1に示した背景技術のSPDT型のスイッチ回路が備える第1のスイッチ部21に抵抗素子61〜63を追加し、第2のスイッチ部22に抵抗素子65、66を追加した構成である。
抵抗素子61はFET31のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、抵抗素子62はFET32のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、抵抗素子63はFET33のゲート電極とドレイン電極間に接続されている。
また、抵抗素子65はFET35のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、抵抗素子66はFET36のゲート電極とドレイン電極間に接続されている。
図26は、第7の実施の形態のスイッチ回路の第3の構成例を示している。
図26に示すスイッチ回路は、図1に示した背景技術のSPDT型のスイッチ回路が備える第1のスイッチ部21に抵抗素子61〜63及び容量素子71を追加し、第2のスイッチ部22に抵抗素子65、66及び容量素子75を追加した構成である。
直列に接続された容量素子71及び抵抗素子61はFET31のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、抵抗素子62はFET32のゲート電極とドレイン電極間に接続され、抵抗素子63はFET33のゲート電極とドレイン電極間に接続されている。
また、直列に接続された容量素子75及び抵抗素子65はFET35のゲート電極と第1の高周波端子1間に接続され、抵抗素子66はFET36のゲート電極とドレイン電極間に接続されている。
第7の実施の形態の第1の構成例は、第6の実施の形態の第1の構成例で示した第1のスイッチ部21から抵抗素子62を削除し、第5の実施の形態の第1の構成例で示した第2のスイッチ部22から抵抗素子64を削除した構成である。
スイッチ回路が備える抵抗素子41〜46に起因する偶数次歪を低減するには、上述した第5の実施の形態や第6の実施の形態のスイッチ回路を使用するのが最も有効である。
しかしながら、偶数次歪の低減要求が大きくない用途では、図24に示すように、第5の実施の形態や第6の実施の形態のスイッチ回路から一部の素子を削除した構成でも、背景技術のスイッチ回路と比べて偶数次歪を低減できる。
図25に示す第2の構成例は、第1のスイッチ部が第5の実施の形態の第1の構成例と第6の実施の形態の第1の構成例とが混在する構成であり、第2のスイッチ部が第5の実施の形態の第1の構成例と第6の実施の形態の第1の構成例とが混在する構成から抵抗素子64を削除した構成である。
図25に示した第7の実施の形態の第2の構成例においても、第1の構成例と同様に、偶数次歪の低減要求が大きくない用途に採用することが可能であり、背景技術のスイッチ回路と比べて偶数次歪を低減できる。
図26に示す第7の実施の形態の第3の構成例は、第1のスイッチ部が第6の実施の形態の第1の構成例と第2の構成例とが混在する構成であり、第2のスイッチ部が第5の実施の形態の第2の構成例と第6の実施の形態の第1の構成例とが混在する構成から抵抗素子64を削除した構成である。
図24に示した第7の実施の形態の第3の構成例は、図24に示した第1の構成例や図25に示した第2の構成例の抵抗素子61〜66のうち、抵抗素子61に容量素子71を直列に接続し、抵抗素子65に容量素子75を直列に接続した構成である。このような構成でも、背景技術のスイッチ回路と比べて偶数次歪を低減することが可能であり、第5の実施の形態や第6の実施の形態のスイッチ回路と同様に、制御端子11、12間に流れる直流電流を遮断できる。
以上説明したように、第5の実施の形態の第1の構成例、第2の構成例及び第3の構成例、並びに第6の実施の形態の第1の構成例及び第2の構成例は、混在して使用することが可能である。
なお、第7の実施の形態は、図24〜図26に示した各構成例に限定されるものではない。すなわち、第7の実施の形態には、第5の実施の形態で示した構成例と第6の実施の形態で示した構成例の組み合わせ、あるいはそれらの構成例が備える素子の一部を削除した構成も含まれる。
また、第7の実施の形態では、SPDT型のスイッチ回路を例にして説明しているが、本実施形態の構成はSPDT型のスイッチ回路に限定されるものではなく、nポート入力及びmポート出力を備えるnPmTスイッチにも適用可能である。また、第7の実施の形態では、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22が直列に接続された3つのFET31〜36を備える構成を例にして説明したが、第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22は、直列に接続された2つ以下のFET、あるいは直列に接続された4つ以上のFETを備えた構成であってもよい。
また、第7の実施の形態では、第1のスイッチ部と第2のスイッチ部とが異なる構成例を示しているが、第1のスイッチ部と第2のスイッチ部とは同一の構成であってもよく、異なっていてもよい。
第7の実施の形態では、第5の実施の形態や第6の実施の形態と同様に、図24〜図26に示した抵抗素子61〜66の値と抵抗素子41〜46の値が等しいとき、偶数次歪を最も低減できる。しかしながら、抵抗素子61〜66及び抵抗素子41〜46の値は、本実施形態のスイッチ回路を備える装置で許容できる偶数次歪の値に応じて適宜設定する設計パラメータの1つと考えてよく、抵抗素子61〜66の値と抵抗素子41〜46の値とを必ずしも等しくする必要はない。
また、図26で示した容量素子71、75の値も、高周波信号に対する抵抗素子41〜46のインピーダンスと比べて十分に小さければよいため、容量素子71、75の値も設計パラメータの1つと考えてよい。また、直流電流を遮断できれば、容量素子71、75に代えてダイオードやFET等の他の素子を用いてもよい。
(第8の実施の形態)
図27及び図28は第8の実施の形態のスイッチ回路の構成例を示す回路図である。なお、図27及び図28はSPDT型のスイッチ回路に本実施形態の構成を適用した例である。
図27は、図1に示した背景技術のSPDT型のスイッチ回路が備える第1のスイッチ部21と第2のスイッチ部22に、第1の実施の形態と第5の実施の形態の第1の構成例とを組み合わせた例である。
また、図28は、図1に示した背景技術のSPDT型のスイッチ回路が備える第1のスイッチ部21と第2のスイッチ部22に、第2の実施の形態と第5の実施の形態の第3の構成例とを組み合わせた例である。
上述した第1の実施の形態〜第4の実施の形態は、FETのゲート電極と接地電位間に存在する対地寄生容量によるインピーダンスの非対称性を容量素子51〜56で補正する構成であり、第5の実施の形態〜第7の実施の形態はFETのゲート電極と制御端子間に接続された抵抗素子41〜46によるインピーダンスの非対称性を抵抗素子(補正用抵抗素子)61〜66で補正する構成である。
これらスイッチ回路が備えるインピーダンスの非対称性は、容量素子51〜56または抵抗素子61〜66のいずれか一方のみで補正しても偶数次歪を低減する効果は得られるが、容量素子51〜56及び抵抗素子61〜66を共に用いる方がより偶数次歪を低減できる。
第8の実施の形態のスイッチ回路は、上述した第1の実施の形態〜第4の実施の形態と第5の実施の形態〜第7の実施の形態とを組み合わせた構成である。
第8の実施の形態では、図27及び図28で示す構成のみ例示しているが、第8の実施の形態のスイッチ回路は、第1の実施の形態〜第4の実施の形態で示した構成例と第5の実施の形態〜第7の実施の形態で示した構成例の全ての組み合わせを含むものとする。さらに、第8の実施の形態のスイッチ回路は、第1の実施の形態〜第4の実施の形態と同様に、第1のスイッチ部21または第2のスイッチ部22のいずれか一方に、図1に示した背景技術のスイッチ部を用いてもよい。
次に、上述した第2の実施の形態のスイッチ回路の評価結果を図29に示す。
図29の特性206は図1に示した背景技術のスイッチ回路の制御電圧に対する2f歪の変化を示し、図29の特性207は図4に示したスイッチ回路の制御電圧に対する2f歪の変化を示している。制御電圧は、スイッチ回路の制御端子11、12から入力する第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22をオンまたはオフさせるための信号である。なお、図29に示す特性206及び特性207は、それぞれ第1のスイッチ部21及び第2のスイッチ部22で発生する偶数次歪である2fの制御電圧に対する変化を示している。すなわち、図29では、第1のスイッチ部21の特性を測定している場合は第2のスイッチ部22をオフし、第2のスイッチ部22の特性を測定している場合は第1のスイッチ部21をオフしているため、特性206及び特性207共に2本ずつ記載している。
図29に示すように、第2の実施の形態のスイッチ回路は、背景技術のスイッチ回路に比べて2f歪が約15dB程度改善しているため、第1の実施の形態〜第4の実施の形態で提案した構成は、偶数次歪の低減に有効であることが分かる。
次に、上述した第1の実施の形態〜第8の実施の形態のスイッチ回路の実施例ついて図面を用いて説明する。
上述したように、スイッチ回路が備えるFETは、ドレインとソースとが同じ構造であるため、これらを区別しない場合が多い。しかしながら、以下では、スイッチ回路が備える各素子の接続関係を明確にするため、FETのドレインとソースを便宜上区別して記載する。具体的には、図の左側に配置する端子をソースとし、図の右側に配置する端子をドレインとする。以下の各実施例で示すスイッチ回路は、ドレインとソースの関係を入れ替えて使用することも可能である。
(第1実施例)
図30は第1実施例のスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。
図30に示すように、FETは、導電性チャネル141上に、ドレイン161、ソース162及びゲート電極151が形成された構成である。ゲート電極151にはスルーホール181を介して抵抗素子171が接続されている。
第1実施例のスイッチ回路は、ゲート電極151が延伸して形成され、その延長部159がドレイン161の上端と並行に(近接して)配置されている。延長部159の下層に形成される導電性チャネル141の有無は本実施例のスイッチ回路の特性に影響しないため、延長部159の下層には導電性チャネル141が有ってもよく、無くてもよい。
第1実施例のスイッチ回路では、延長部159がドレイン161の上端と並行に配置されているが、延長部159を挟んで対向する位置にはソース162が無い。そのため、延長部159はFETのゲート幅を増やすことに寄与せず、ドレイン・ソース間に流れる直流電流等を変化させるものではない。しかしながら、延長部159をドレイン161と並行に(近接して)配置することで、延長部159とドレイン161間の寄生容量によりドレイン・ゲート間容量Cgdが増大するため、図30に示す構造により、第1〜第4の実施の形態で示した容量素子51〜56を実現できる。また、寄生容量により容量素子51〜56を実現することで、容量素子51〜56のレイアウト面積を抑制できる。
(第2実施例)
図31は第2実施例のスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。
第2実施例のスイッチ回路は第1実施例のスイッチ回路の変形例である。
第2実施例のスイッチ回路は、ゲート電極151が延伸して形成され、その延長部159がソース162の下端と並行に(近接して)配置されている。延長部159の下層に形成される導電性チャネル141の有無は本実施例のスイッチ回路の特性に影響しないため、延長部159の下層には導電性チャネル141が有ってもよく、無くてもよい。
第2実施例のスイッチ回路では、延長部159がソース162の下端と並行に配置されているが、延長部159を挟んで対向する位置にはドレイン161が無い。そのため、延長部159はFETのゲート幅を増やすことに寄与せず、ドレイン・ソース間に流れる直流電流等を変化させるものではない。しかしながら、延長部159をソース162と並行に配置することで、延長部159とソース162間の寄生容量によりソース・ゲート間容量Cgsが増大するため、図31に示す構造により、第1〜第4の実施の形態で示した容量素子51〜56を実現できる。また、寄生容量により容量素子51〜56を実現することで、容量素子51〜56のレイアウト面積を抑制できる。
(第3実施例)
図32は第3実施例のスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。
第3実施例のスイッチ回路は第2実施例のスイッチ回路の変形例である。
第3実施例のスイッチ回路は、ゲート電極151が延伸して形成され、その延長部158、159がソース162の下端と並行に(近接して)配置された構成である。延長部158、159の下層に形成される導電性チャネル141の有無は本実施例のスイッチ回路の特性に影響しないため、延長部158、159の下層には導電性チャネル141が有ってもよく、無くてもよい。
第3実施例のスイッチ回路では、延長部158が2つのソース162に挟まれるように配置され、延長部159がソース162の下端と並行に配置されているが、延長部158、159を挟んで対向する位置にドレイン161が無いため、延長部159はFETのゲート幅を増やすことには寄与せず、ドレイン・ソース間に流れる直流電流等を変化させるものではない。
しかしながら、延長部158、159をソース162と並行に配置することで、延長部158、159とソース162間の寄生容量によりソース・ゲート間容量Cgsが増大するため、図29に示す構造により、第1〜第4の実施の形態で示した容量素子51〜56を実現できる。また、寄生容量により容量素子51〜56を実現することで、容量素子51〜56のレイアウト面積を抑制できる。
容量素子51〜56として必要な容量が1つの延長部で不足する場合、本実施例のように2つ以上の延長部を配置すればよい。また、延長部158、159の下層に導電性チャネル141が有る場合、導電性チャネル141と延長部158及び159とがソース・ゲート間容量Cgsを形成するため、必要な容量が確保できていれば、延長部158と延長部159間にソース162を配置しなくてもよい。
本実施例の構造は、第1実施例のスイッチ回路に適用しても同様の効果が得られる。
(第4実施例)
図33は第4実施例のスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。
図33に示すように、第4実施例のスイッチ回路は、ゲート電極151にスルーホール182を通して配線191が接続された構成である。
第4実施例のスイッチ回路では、配線191がソース162と並行に(近接して)配置されているため、配線191とソース162間の寄生容量により、ゲート・ソース間に容量素子を接続した構成と等価になる。
図33では配線191をソース162と並行に配置しているが、第1の高周波端子1と接続される配線と並行に配置すれば、図33と同様の構造により、第1〜第4の実施の形態で示した容量素子51〜56を実現できる。また、寄生容量により容量素子51〜56を実現することで、容量素子51〜56のレイアウト面積を抑制できる。
(第5実施例)
図34は第5実施例のスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。
第5実施例のスイッチ回路は第4実施例のスイッチ回路の変形例である。
図34に示すように、第5実施例のスイッチ回路は、第4実施例のスイッチ回路と同様に、ゲート電極151にスルーホール182を通して配線191が接続された構成である。
第5実施例のスイッチ回路では、配線191がドレイン161と並行に(近接して)配置されているため、配線191とドレイン161間の寄生容量により、ドレイン・ゲート間に容量素子を接続した構成と等価になる。
図34では配線191をドレイン161と並行に配置しているが、第1の高周波端子1と接続される配線と並行に配置すれば、図34と同様の構造により、第1〜第4の実施の形態で示した容量素子51〜56を実現できる。また、寄生容量により容量素子51〜56を実現することで、容量素子51〜56のレイアウト面積を抑制できる。
(第6実施例)
図35及び図36は第6実施例のスイッチ回路が備えるFETの構造を示す平面図である。なお、図36は図1に示した第1の実施の形態のスイッチ回路の構造例を示している。
図35に示すように、第6実施例のスイッチ回路は、ゲート電極151に接続された抵抗素子171上に絶縁膜を介してソース162が形成された構成である。
図36は図35に示したFETを直列に接続した構成例を示している。すなわち、第1のFETは、導電性チャネル141上に、ドレイン161、ソース162及びゲート電極151が形成された構成であり、ゲート電極151にはスルーホール181を介して抵抗素子171が接続されている。
第2のFETは、導電性チャネル142上に、ドレイン162、ソース163及びゲート電極152が形成された構成であり、ゲート電極152にはスルーホール182を介して抵抗素子172が接続されている。
第3のFETは、導電性チャネル1413に、ドレイン163、ソース164及びゲート電極153が形成された構成であり、ゲート電極153にはスルーホール183を介して抵抗素子173が接続されている。
第1のFETのソースと第2のFETのドレインは共有され、第2のFETのソースと第3のFETのドレインは共有されている。抵抗素子171、172、173上には絶縁膜を介して第1のFETのソースが配置されている。
このような構成では、抵抗素子の上層にFETのソースを配置することで、抵抗素子とソース間の寄生容量により、ゲート・ソース間に容量素子を接続した構成と等価になる。
したがって、図35に示す構造により、第1〜第4の実施の形態で示した容量素子51〜56を実現できる。また、寄生容量により容量素子51〜56を実現することで、容量素子51〜56のレイアウト面積を抑制できる。
なお、第1実施例〜第6実施例では、FETが1つまたは3つのFETが直列に接続された構成例を示しているが、FETの数はこれらの数に限定されるものではなく、いくつであってもよい。第1実施例〜第6実施例で示したFETは、nポート入力及びmポート出力を備えたnPmTスイッチで用いることも可能である。
また、第1実施例〜第6実施例では、ゲート電極の折り返し部位でソース・ドレイン間に電流が流れる影響を防止するため、この折り返し部位の下部に導電性のチャネル141を配置しない構造例を示している。しかしながら、このような構造は本発明の効果に関係しないため、ゲート電極の折り返し部位の下部に導電性チャネル141が配置された構造でも本発明は利用可能である。
また、第1実施例〜第6実施例では、容量素子51〜56を線路間の寄生容量を利用して実現する例を示しているが、他の構造により実現された容量素子51〜56を接続した構成であっても第1の実施の形態〜第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細は本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更が可能である。
この出願は、2007年8月16日に出願された特願2007−212262号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (16)

  1. 高周波信号を通過させる、または遮断するためのスイッチ回路であって、
    前記高周波信号の直流電位を基準とする正負の変化に対して、いずれかの高周波端子から見たインピーダンスが前記直流電位を基準に対称に変化するように、スイッチ回路に存在する、前記直流電位を基準に非対称に変化する該スイッチ回路の任意の端子と前記直流電位もしくは対地電位との間のインピーダンスを補正するための補正回路を有し、
    前記直流電位を基準に非対称に変化するインピーダンスは、対地寄生容量のインピーダンスであり、
    前記補正回路が前記対地寄生容量のインピーダンスとインピーダンスを平衡させる補正用容量素子を含むスイッチ回路。
  2. 前記高周波信号が入出力される第1の高周波端子及び第2の高周波端子、並びに前記第1の高周波端子と前記第2の高周波端子間に直列に接続された複数の電界効果トランジスタを備えたスイッチ部を有し、
    前記対地寄生容量は、前記電界効果トランジスタのゲート電極と接地電位間の寄生容量である請求項記載のスイッチ回路。
  3. 前記補正回路が、
    直列に接続された少なくとも1つの電界効果トランジスタのゲート電極と前記第1の高周波端子間に接続された請求項記載のスイッチ回路。
  4. 前記補正回路が、
    直列に接続された少なくとも1つの電界効果トランジスタのゲート電極と該電界効果トランジスタのドレイン間に接続された請求項記載のスイッチ回路。
  5. 高周波信号を通過させる、または遮断するためのスイッチ回路であって、
    前記高周波信号の直流電位を基準とする正負の変化に対して、いずれかの高周波端子から見たインピーダンスが前記直流電位を基準に対称に変化するように、スイッチ回路に存在する、前記直流電位を基準に非対称に変化する該スイッチ回路の任意の端子と前記直流電位もしくは対地電位との間のインピーダンスを補正するための補正回路と、
    前記高周波信号が入出力される第1の高周波端子及び第2の高周波端子、前記第1の高周波端子と前記第2の高周波端子間に直列に接続された複数の電界効果トランジスタ、並びに前記電界効果トランジスタのゲート電極と制御端子間に接続された抵抗素子を備えたスイッチ部と、
    を有し、
    前記直流電位を基準に非対称に変化するインピーダンスは、前記電界効果トランジスタのゲート電極と前記制御端子間に接続された抵抗素子のインピーダンスであり、
    前記補正回路が該抵抗素子のインピーダンスとインピーダンスを平衡させる補正用抵抗素子を含むスイッチ回路。
  6. 前記補正回路は、
    直列に接続された補正用抵抗素子及び容量素子である請求項記載のスイッチ回路。
  7. 前記電界効果トランジスタのゲート電極と前記制御端子間に接続された抵抗素子の値と、前記補正用抵抗素子の値とが等しい請求項または記載のスイッチ回路。
  8. 前記補正回路が、
    直列に接続された少なくとも1つの電界効果トランジスタのゲート電極と前記第1の高周波端子間に接続された請求項からのいずれか1項記載のスイッチ回路。
  9. 前記補正回路が、
    直列に接続された少なくとも1つの電界効果トランジスタのゲート電極と該電界効果トランジスタのドレイン間に接続された請求項からのいずれか1項記載のスイッチ回路。
  10. 高周波信号を通過させる、または遮断するためのスイッチ回路であって、
    前記高周波信号の直流電位を基準とする正負の変化に対して、いずれかの高周波端子から見たインピーダンスが前記直流電位を基準に対称に変化するように、スイッチ回路に存在する、前記直流電位を基準に非対称に変化する該スイッチ回路の任意の端子と前記直流電位もしくは対地電位との間のインピーダンスを補正するための補正回路と、
    前記高周波信号が入出力される第1の高周波端子及び第2の高周波端子、前記第1の高周波端子と前記第2の高周波端子間に直列に接続された複数の電界効果トランジスタ、並びに前記電界効果トランジスタのゲート電極と制御端子間に接続された抵抗素子を備えたスイッチ部と、
    を有し、
    前記直流電位を基準に非対称に変化するインピーダンスは、前記電界効果トランジスタのゲート電極と接地電位間の対地寄生容量のインピーダンス及び前記電界効果トランジスタのゲート電極と前記制御端子間に接続された抵抗素子のインピーダンスであり、
    前記補正回路は、
    前記電界効果トランジスタのゲート電極と接地電位間の前記対地寄生容量のインピーダンスとインピーダンスを平衡させる補正用容量素子と、
    前記電界効果トランジスタのゲート電極と前記制御端子間に接続された抵抗素子のインピーダンスとインピーダンスを平衡させる補正用抵抗素子と、
    を有し、
    前記補正回路が、
    直列に接続された少なくとも1つの電界効果トランジスタのゲート電極と前記第1の高周波端子間に接続されたスイッチ回路。
  11. 高周波信号を通過させる、または遮断するためのスイッチ回路であって、
    前記高周波信号の直流電位を基準とする正負の変化に対して、いずれかの高周波端子から見たインピーダンスが前記直流電位を基準に対称に変化するように、スイッチ回路に存在する、前記直流電位を基準に非対称に変化する該スイッチ回路の任意の端子と前記直流電位もしくは対地電位との間のインピーダンスを補正するための補正回路と、
    前記高周波信号が入出力される第1の高周波端子及び第2の高周波端子、前記第1の高周波端子と前記第2の高周波端子間に直列に接続された複数の電界効果トランジスタ、並びに前記電界効果トランジスタのゲート電極と制御端子間に接続された抵抗素子を備えたスイッチ部と、
    を有し、
    前記直流電位を基準に非対称に変化するインピーダンスは、前記電界効果トランジスタのゲート電極と接地電位間の対地寄生容量のインピーダンス及び前記電界効果トランジスタのゲート電極と前記制御端子間に接続された抵抗素子のインピーダンスであり、
    前記補正回路は、
    前記電界効果トランジスタのゲート電極と接地電位間の前記対地寄生容量のインピーダンスとインピーダンスを平衡させる補正用容量素子と、
    前記電界効果トランジスタのゲート電極と前記制御端子間に接続された抵抗素子のインピーダンスとインピーダンスを平衡させる補正用抵抗素子と、
    を有し、
    前記補正回路が、
    直列に接続された少なくとも1つの電界効果トランジスタのゲート電極と該電界効果トランジスタのドレイン間に接続されたスイッチ回路。
  12. 前記第1の高周波端子を共有する複数のスイッチ部を有する請求項10または11のいずれか1項記載のスイッチ回路。
  13. 前記容量素子は、
    電界効果トランジスタのドレインの端部またはソースの端部と並行に配置される、ゲート電極を延伸した延長部と、前記ドレインまたはソース間の寄生容量である請求項1011または12のいずれか1項記載のスイッチ回路。
  14. 前記容量素子は、
    電界効果トランジスタのゲート電極に接続される、ドレインの端部またはソースの端部と並行に配置された配線と、前記ドレインまたはソース間の寄生容量である請求項1011または12のいずれか1項記載のスイッチ回路。
  15. 前記容量素子は、
    電界効果トランジスタのゲート電極に接続される抵抗素子と、前記抵抗素子と絶縁膜を挟んで形成されたソース間の寄生容量である請求項1011または12のいずれか1項記載のスイッチ回路。
  16. 請求項1から15のいずれか1項記載のスイッチ回路を備えた半導体装置。
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