JP5043613B2 - 車輪状態を検出するトー角可変制御式車両 - Google Patents

車輪状態を検出するトー角可変制御式車両 Download PDF

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Description

本発明は、車輪のトー角を可変制御するトー角可変制御式車両に関し、特に、トー角を変化させることによって車輪の状態を検出することができるトー角可変制御式車両に関する。
自動車の車輪は一般に、前後左右のホイールに中空構造のタイヤを装着し、タイヤの中空部分に圧縮空気等を充填することにより、走行時における路面不陸による衝撃の車体への伝達を抑制するとともに、路面との接地面積を小さくして小さな抵抗で自動車が走行できるようにしている。しかしながら、タイヤは路面との摩擦力を得るために、合成ゴム等の弾性素材から製造されているため、走行距離の増大や運転者の操縦方法等に応じて次第にタイヤ表面が磨耗してくる。また、路上の鋭利な落下物上を通過したり、過大な衝撃やコーナリングフォースが作用したりして空気漏れやパンクが発生することもある。
このように、タイヤ状態は徐々に或いは瞬時に変化するが、タイヤ状態の変化は自動車の運動特性や運転者の操縦性に大きな影響を及ぼす。例えば、4本のタイヤ表面が均一に磨耗し、或いはタイヤ圧の低下が4輪に均一に生じた場合、運転者に与える操縦性の違和感は小さいが、タイヤ性能は著しく低くなる。一方、左右一方のタイヤにこのような状態が乗じると、タイヤ性能が低くなるばかりでなく、旋回走行や蛇行走行時におけるステアリング特性の差異によって運転者が覚える操縦性の違和感が大きくなる。
タイヤ状態は自動車の操縦性に大きな影響を与えるため、タイヤ状態は常時監視されることが望ましい。これまでにも様々なタイヤ状態の検出方法が提案されている。例えば、歯車等の回転検出部が形成された回転体を車輪に一体に設け、回転検出部の通過を検出して車輪速度を検出する検出手段の検出結果を基準値と比較することにより、タイヤ状態を判定するタイヤ異常検出装置が知られている(特許文献1参照)。
特開平10−71819号公報
しかしながら、上記の如きタイヤ異常検出装置では、タイヤの径違いを検出方式であるため、空気圧が微小に減少したことや、タイヤの片減りを検出することは困難であった。そのため、例えば、左右の車輪の一方に応急用スペアタイヤを装着している場合や、左右一方のタイヤのコーナリングフォースが低下している場合等、左右のタイヤの状態が異なっていても、左右の車輪に対して正常時と同じトー角制御を行っていた。そのため、左旋回時と右旋回時とでステアリング特性に差が生じ、ドライバは操縦性に違和感を覚えるという問題があった。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、トー角可変制御式車両において、微小な車輪状態の変化を監視すること、また、左右の車輪に状態差が生じた場合においても、操縦性に関して運転者が違和感を覚えないように車両を制御することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、トー角可変制御式車両において、左右の車輪のトー角を変化させるアクチュエータと、車両の運動状態を検出する運動状態検出手段と、前記車両の走行速度が所定値よりも大きく、前記車両のヨーレイトおよび横加速度がそれぞれ所定値よりも小さいときに、前記アクチュエータが前記左右の車輪をトーインまたはトーアウトに同一角度に変化させ、そのときの前記運動状態検出手段の検出結果に基づいて、前記車輪の状態を判定する車輪状態判定手段とを備えるように構成する。この場合、前記運動状態検出手段として、前記車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、前記車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、前記車両のダンパストロークを検出するダンパストローク検出手段とのうち、少なくとも1つを含ませると良い。また、左右両輪のトー角を個別に変化させるべく、前記アクチュエータを左右の車輪に対してそれぞれ設け、前記車輪状態判定手段によって判定された車輪状態に応じて前記左右のアクチュエータの制御ゲインを設定する制御ゲイン設定手段を更に備えるように構成すると良い。
また、上記課題を解決するために本発明は、トー角可変制御式車両において、左右の車輪に対してそれぞれ設けられ、該左右の車輪のトー角を個別に変化させる左右の電動アクチュエータと、前記左右の電動アクチュエータの駆動に必要な電力を個別に検出する電力検出手段と、前記車両の走行速度が所定値よりも大きく、前記車両のヨーレイトおよび横加速度がそれぞれ所定値よりも小さいときに、前記左右の電動アクチュエータが前記左右の車輪をトーインまたはトーアウトに同一角度に変化させ、そのときの前記電力検出手段の検出結果に基づいて、前記左右両輪の状態を判定する車輪状態判定手段とを備えるように構成する。また、前記車輪状態判定手段によって判定された車輪状態に応じて前記左右の電動アクチュエータの制御ゲインを設定する制御ゲイン設定手段を更に備えるように構成すると良い。
本発明によれば、トー角可変制御式車両において、車輪をトーインまたはトーアウトに変化させたときに車両の運動状態を検出することによって、微小な車輪状態の変化を監視することが可能となる。そして、車両に設けられたヨーレイト検出手段、横加速度検出手段、ダンパストローク検出手段を利用することによって、車輪状態の判定基礎となる運動状態を把握することができる。また、アクチュエータを左右の車輪に対してそれぞれ設け、左右の車輪状態に応じて左右のアクチュエータの制御ゲインを設定することにより、左右の車輪に状態差が生じた場合に、左右のアクチュエータの制御ゲインに差を設けて左右の車輪のトー角を個別に制御することが可能となる。これにより、操縦者の車両操縦性に関する違和感を低減することができる。
また、左右の電動アクチュエータで左右両輪のトー角を個別に変化させるトー角可変制御式車両においては、車輪をトーインまたはトーアウトに変化させたときの電力量を検出することによって、微小な車輪状態の変化を監視することが可能となる。同様に、左右の車輪状態に応じて左右の電動アクチュエータの制御ゲインを設定することにより、左右の車輪に状態差が生じた場合に、左右の電動アクチュエータの制御ゲインに差を設けて左右の車輪のトー角を個別に制御することが可能となり、これにより、操縦者の車両操縦性に関する違和感を低減することができる。
≪実施形態の構成≫
以下、図面を参照して、本発明に係る車輪状態検出機能を有する後輪トー角可変制御式自動車の一実施形態について詳細に説明する。説明にあたり、車輪やそれらに対して配置された部材、すなわち、タイヤや電動アクチュエータ等については、それぞれ数字の符号に左右を示す添字LまたはRを付して、例えば、後輪5L(左)、後輪5R(右)と記すとともに、総称する場合には、例えば、後輪5と記す。
図1は実施形態に係る4輪自動車の概略構成図である。トー角可変制御式自動車Vは、タイヤ2L,2Rが装着された前輪3L・3Rと、タイヤ4L,4Rが装着された後輪5L,5Rとを備えており、これら前輪3L,3Rおよび後輪5L,5Rが、それぞれサスペンションアームや、スプリング、ダンパ等からなる左右のフロントサスペンション6L,6Rおよびリヤサスペンション7L,7Rによって車体1に懸架されている。また、トー角可変制御式自動車Vは、ステアリングホイール8の操舵によって左右の前輪3L,3Rを直接転舵する前輪操舵装置9と、左右のリヤサスペンション7L,7Rにおける左右のトレーリングアーム10L,10Rに連結されて個別に伸縮されることにより、後輪5L,5Rのトー角を個別に変化させる左右の電動アクチュエータ11L,11Rとを備えている。
トー角可変制御式自動車Vには、各種システムを統括制御するECU(Electronic Control Unit)20の他、車速センサ13や、ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ14、横加速度を検出する横加速度センサ15が車体1に設置されている。また、トー角可変制御式自動車Vには、左右のフロントおよびリヤサスペンション6L,6R,7L,7Rの各ダンパストローク変位量を検出するダンパストロークセンサ16L,16R,17L,17Rが各車輪3L,3R,4L,4Rごとに設置されている。また、これら以外にも、トー角可変制御式自動車Vには図示しない種々のセンサが設置されており、各センサの検出信号はECU20に入力して車両の制御に供される。
ECU20は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線(本実施形態では、CAN(Controller Area Network))を介して後述するMCU19や各センサ13〜16等と接続されている。ECU20は、各センサ13〜16等の検出結果に基づいて後輪トー角を算出し、各電動アクチュエータ11L,11Rの変位量を決定した上でMCU19に対して制御信号を出力する。
各電動アクチュエータ11L,11Rは、DCブラシモータと減速機構とねじ機構とを組み合わせた回転運動/直線運動変換装置であり、MCU(Motor Control Unit)19によって駆動制御される。なお、アクチュエータとして、流体圧でピストンロッドを直線駆動するシリンダ装置など、公知の適宜な直線変位電動アクチュエータを用いることも可能である。この場合、後述するタイヤ状態の判定条件に電力を用いず、その他の判定条件のみを用いてタイヤ状態判定を行えばよい。
各電動アクチュエータ11L,11Rには、出力ロッドのストローク位置を検出するストロークセンサ18L,18Rがそれぞれ設置されている。ストロークセンサ18L,18Rの信号がMCU19に入力することで、MCU19による電動アクチュエータ11L,11Rのフィードバック制御が行われる。これにより、各電動アクチュエータ11L,11Rが正確に変位量だけ伸縮し、後輪5L,5Rが所望のトー角に変化する。
ストロークセンサ18L,18Rは、出力ロッドの外周面に固定された永久磁石からなる被検出部と、被検出部の位置を磁気的に検出するコイルからなる検出部とから構成されている。なお、各ストロークセンサ18L,18Rには、ポテンショメータなど公知の変位センサも利用できるが、耐久性を考慮すると、非接触式センサが好ましい。
このように構成された後輪トー角可変制御式自動車Vによれば、左右の電動アクチュエータ11L,11Rを同時に対称的に変位させることにより、両後輪5L,5Rのトーイン/トーアウトを適宜な条件の下に自由に制御することができる上、左右の電動アクチュエータ11L,11Rの一方を伸ばして他方を縮めれば、両後輪5L,5Rを左右に転舵することも可能である。例えば、後輪トー角可変制御式自動車Vは、各種センサによって把握される車両の運動状態に基づき、高速旋回走行時には後輪5を前輪舵角と同相に、低速旋回走行時には後輪5を前輪舵角と逆相にトー角制御したり、加速時には後輪5をトーアウトに、制動時には後輪5をトーインに変化させたりして、運転者が操縦性に違和感を覚えないように通常のトー角制御を行う。
図2は実施形態に係る後輪トー角可変制御式自動車Vの概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、後輪トー角可変制御式自動車Vは、車速センサ13と、ヨーレイトセンサ14と、横加速度センサ15と、前後左右のダンパストロークセンサ16と、ECU20と、後輪トー角制御装置30とから構成されている。
ECU20は、車速センサ13やヨーレイトセンサ14、横加速度センサ15、ダンパストロークセンサ16、MCU19等が接続する入力インタフェース21と、これら各センサ13〜16等の検出値に基づき、タイヤの状態を判定するタイヤ状態判定部22(車輪状態判定手段)と、タイヤ状態判定部22の判定結果に基づいて、後輪トー角の制御ゲインを設定するトー角制御ゲイン設定部23と、トー角制御ゲイン設定部23によって設定された制御ゲインに基づいて後輪トー角の制御量を算出し、トー角制御信号を生成するトー角制御量算出部24と、トー角制御量算出部24が生成したトー角制御信号を後輪トー角制御装置30に対して出力する出力インタフェース25とから構成されている。
後輪トー角制御装置30は、左右の電動アクチュエータ11L,11Rと、左右の電動アクチュエータ11L,11Rのストロークを検出するストロークセンサ18L,18Rと、ECU20から出力されたトー角制御信号に基づき左右の電動アクチュエータ11L,11Rを駆動制御するMCU19とから構成されている。MCU19は、左右の電動アクチュエータ11L,11Rを駆動させるのに必要な電力WL,WRを個別に検出する電力検出部19aを備えており、電力検出部19aによる検出結果を電気信号としてECU20の入力インタフェース21に対して出力する。
≪実施形態の作用≫
次に、本実施形態に係る後輪トー角可変制御式自動車Vにおける、後輪トー角制御検査によるタイヤ状態の監視手順について、図3〜図5を参照しながら説明する。図3は実施形態に係るタイヤ状態の監視手順を示すフローチャートであり、図4は、正常なタイヤ状態における、トー角制御検査時のヨーレイトγ、横加速度αy、および電力Wの変化を示すグラフであり、横軸は時間tを表している。一方、図5は、非正常なタイヤ状態における、トー角制御検査時のヨーレイトγ、横加速度αy、および電力Wの変化を示すグラフであり、同様に横軸は時間tを表している。トー角可変制御式自動車Vの走行中に所定の条件が満たされると、図3のフローチャートに示すように、ECU20は、車輪状態判定部22において、次のタイヤ状態監視処理を実行する。
ECU20は、先ず車速センサ13によって検出された車速が所定速度Vaよりも大きいか否かを判定する(ステップ1)。ステップ1の判定がNoであった場合、ECU20は、ステップ7でこれまで得ていたタイヤ状態の判定結果を維持する。一方、ステップ1の判定がYesであった場合、ECU20は、ヨーレイトセンサ14によって検出されたヨーレイトが所定ヨーレイトγaよりも小さいか否か、および、横加速度センサ15によって検出された横加速度が所定横加速度αyaよりも小さいか否か判定する。ステップ2でヨーレイトと横加速度とのいずれかが所定値以上である場合、ECU20は、ステップ7でこれまで得ていた判定を維持する。一方、ステップ2でヨーレイトと横加速度とが共に所定値よりも小さい場合、ECU20は、後輪5を図4(A)に示す如く所定角度θaだけトーインに変化させる(ステップ3)。
この際、後輪トー角可変制御式自動車Vが直進していれば、左右の後輪5L,5Rには、車体1の進行方向に対してそれぞれθaだけ車幅方向に向けたタイヤの横滑り角が生じるため、後輪トー角θに比例する横力が作用することになる。
ここで、後輪5の左右のタイヤ4L,4Rが正常な状態である場合には、図4(B)に示すように、ヨーレイトγおよび横加速度αyは変化せず、0を維持する。一方、左右のアクチュエータ11L,11Rの駆動には、左右の後輪5R,5Lの横力に比例する電力(左右の後輪5L,5Rの状態が同一でトー角に応じて生じる横力が同一となる場合、後輪5のトー角θに比例する電力)が必要となるため、図4(C)に示すように、後輪トー角θに対応する同じ大きさの駆動電力WL,WRが電力検出部19aによって検出される。
これと異なり、後輪5の左右のタイヤ4L,4Rが非正常な状態である場合、左右の後輪5L,5Rには、後輪トー角θに比例する互いに異なる大きさの横力が生じるため、後輪トー角可変制御式自動車Vは、左右の後輪5L,5Rの横力差の外力によって走行直進性を失う。したがって、図5に示すように、図4(A)と同じ後輪トー角制御を行ったとしても(図5(A))、図5(B)に示すように、ヨーレイトγおよび横加速度αyは、左右の後輪5L,5Rの横力差に比例して変化する。一方、左右のアクチュエータ11L,11Rの駆動に必要な電力WL、WRにも、左右の後輪5L,5Rの横力差に応じた電力差Wdが生じるため、電力WL,WRは図5(C)に示すような変化を示す。
そこで、ECU20は、図3のステップ4において、後輪トー角制御検査時におけるヨーレイトγが所定値γbよりも大きいか否か判定し、Noである場合にはステップ5に進み、Yesである場合にはタイヤに異常ありと判定する(ステップ9)。なお、所定値γbは、車速Vや後輪トー角制御検査前後のヨーレイトγ、その他の諸条件を考慮して作成されたマップによって決定される。タイヤ状態の判定については、所定値γbを段階的に複数設け、各段階によって分類分けをし、後述する他の要素等と共に総合的な判断を行った上で様々なタイヤ状態の1つとして判定することが望ましい。
ステップ5では、ECU20は、後輪トー角制御検査時における横加速度αyが所定値αybよりも大きいか否か判定し、Noである場合にはステップ6に進み、Yesである場合にはタイヤに異常ありと判定する(ステップ9)。ステップ7でECU20は、後輪トー角制御検査時における左右のアクチュエータ11L,11Rの駆動電力差Wbが所定値Wbよりも大きいか否か判定し、Noである場合にはタイヤは正常と判定する(ステップ8)。一方、Yesである場合にはタイヤに異常ありと判定するし(ステップ9)、一連の後輪トー角制御検査によるタイヤ状態の判定を終えてステップ1に戻る。
次に、図6を参照して実施形態に係るトー角制御の手順を説明する。ECU20は、タイヤ状態判定部22において、前述したタイヤ状態の監視手順によって得られたタイヤ状態が正常であるか否か判定する(ステップ11)。ステップ11の判定がNoの場合、ECU20は、トー角制御ゲイン設定部23において、タイヤ状態の差に基づいて左右の後輪5L,5Rの制御ゲインを算出し(ステップ12)、その後ステップ13に進む。ステップ11の判定がYesの場合、直接ステップ13に進む。
ステップ13ではECU20は、トー角制御量算出部24において、上述した通常の後輪トー角制御によって算出される左右の後輪5L,5Rのトー角に、ステップ12で求めた制御ゲインを乗算してタイヤ状態差による補正を行い(ステップ13)、補正された左右の後輪トー角に応じた制御信号を出力インタフェース25を介してMTU19に出力し、左右の電動アクチュエータ11L,11Rを駆動制御する。
本実施形態では、このような構成を採ったことにより、後輪トー角可変制御式自動車Vにおいて、後輪5をトーインに変化させたときにヨーレイトγ、横加速度αy、電動アクチュエータ11の駆動電力を検出することによって、磨耗による径変化や空気圧の減少等、微小なタイヤ状態の変化を監視することが可能となっている。そして、車体1に設けられたヨーレイトセンサ14、横加速度センサ15、電力検出部19aを利用することによって、タイヤ状態の判定基礎となる運動状態および駆動電力の把握が可能となっている。また、電動アクチュエータ11を左右の後輪5L,5Rに対してそれぞれ設け、左右のタイヤ状態に応じて左右のアクチュエータ11L,11Rの制御ゲインを設定したことにより、左右の後輪5L,5Rに状態差が生じた場合に、左右の電動アクチュエータ11L,11Rの制御ゲインに差を設けて左右の後輪5L,5Rのトー角を個別に制御することにより、車両のステアリング性能を向上することが可能になっている。これにより、操縦者の車両操縦性に関する違和感が低減される。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれら実施形態に限られるも
のではない。例えば、上記実施形態では、後輪のみをトー角制御して後輪のタイヤ状態を判定しているが、前輪または4輪全てにトー角制御を適用してもよい。また、上記実施形態では、車両の運動状態を把握して車輪状態を判定する基礎として、ヨーレイトセンサと横加速度センサとを利用しているが、前後左右の車輪に設けられたダンパストロークセンサを利用してもよく、その他のセンサを利用してもよい。或いは、ヨーレイトセンサと横加速度センサのいずれか一方のみを利用してもよい。更に、上記実施形態では、車輪状態としてタイヤの磨耗度および空気圧を判定対象としているが、例えば、タイヤバランスや車輪軸等、タイヤにおける上記以外の変化や車輪自体の変化を判定対象とする等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
実施形態に係る自動車の概略構成図 実施形態に係る後輪トー角制御装置の概略構成を示すブロック図 実施形態に係るタイヤ状態の監視手順を示すフローチャート 正常なタイヤ状態における、トー角制御検査時の運動状態および電力の変化を示すグラフ 非正常なタイヤ状態における、トー角制御検査時の運動状態および電力の変化を示すグラフ 実施形態に係るトー角制御の手順を示すフローチャート
符号の説明
1 車体
4 前輪
5 後輪
11 電動アクチュエータ
14 ヨーレイトセンサ
15 横加速度センサ
16 ダンパストロークセンサ
19 MCU(Motor Control Unit)
19a 電力検出部
20 ECU(Electronic Control Unit)
22 タイヤ状態判定部(車輪状態判定手段)
23 トー角制御ゲイン設定部
24 トー角制御量算出部
V 後輪トー角可変制御式自動車

Claims (5)

  1. 左右の車輪のトー角を変化させるアクチュエータと、
    車両の運動状態を検出する運動状態検出手段と、
    前記車両の走行速度が所定値よりも大きく、前記車両のヨーレイトおよび横加速度がそれぞれ所定値よりも小さいときに、前記アクチュエータが前記左右の車輪をトーインまたはトーアウトに同一角度に変化させ、そのときの前記運動状態検出手段の検出結果に基づいて、前記車輪の状態を判定する車輪状態判定手段と
    を備えたことを特徴とするトー角可変制御式車両。
  2. 前記運動状態検出手段は、前記車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、前記車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、前記車両のダンパストロークを検出するダンパストローク検出手段とのうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載のトー角可変制御式車両。
  3. 前記アクチュエータは、左右の車輪のトー角を個別に変化させるべく、該左右の車輪に対してそれぞれ設けられ、
    前記車輪状態判定手段によって判定された車輪状態に応じて前記左右のアクチュエータの制御ゲインを設定する制御ゲイン設定手段を更に備えたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のトー角可変制御式車両。
  4. 左右の車輪に対してそれぞれ設けられ、該左右の車輪のトー角を個別に変化させる左右の電動アクチュエータと、
    前記左右の電動アクチュエータの駆動に必要な電力を個別に検出する電力検出手段と、
    前記車両の走行速度が所定値よりも大きく、前記車両のヨーレイトおよび横加速度がそれぞれ所定値よりも小さいときに、前記左右の電動アクチュエータが前記左右の車輪をトーインまたはトーアウトに同一角度に変化させ、そのときの前記電力検出手段の検出結果に基づいて、前記左右両輪の状態を判定する車輪状態判定手段と
    を備えたことを特徴とするトー角可変制御式車両。
  5. 前記車輪状態判定手段によって判定された車輪状態に応じて前記左右の電動アクチュエータの制御ゲインを設定する制御ゲイン設定手段を更に備えたことを特徴とする、請求項4に記載のトー角可変制御式車両。
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