JP5043329B2 - 高分子発光材料、有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置 - Google Patents
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Description
なお、本明細書での「オルトメタル化」とは、一般式(2)で、Arで示されるアリール基において、配位原子を有する置換基の結合位置に対してオルト位のC−H結合が、分子内反応で金属−炭素結合を含むキレート環を生成する反応をいう(特許文献1参照)。
一方、該錯体を高分子中に分散させたポリマー組成物、すなわちドープ型発光材料で発光層を形成する場合は塗布法も利用できる可能性がある。しかし、ドープ型発光材料は熱安定性に劣り、相分離または偏析を起こしやすいという欠点を有する。
OCOX4、−COOX5、−SiX6X7X8、−NH2、−NHX9、および−NX10X11
(ここで、X1〜X11は炭素数1〜22個の直鎖、環状もしくは分岐のアルキル基、炭素
数6〜21個のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、または、炭素数7〜21のアラルキル基を表し、X1〜X11はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
からなる群より選ばれる原子または置換基を表す。Z1は、五員または六員の炭素環また
は複素環を完成するための原子群を表す。Lは、重合性官能基を有する、1価アニオンの2座配位子を表す。)
、−SX3、−OCOX4、−COOX5、−SiX6X7X8、−NH2、−NHX9、および−NX10X11(ここで、X1〜X11は炭素数1〜22個の直鎖、環状もしくは分岐のアル
キル基、炭素数6〜21個のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、または、炭素数7〜21のアラルキル基を表し、X1〜X11はそれぞれ同一であっても異なってい
てもよい。)からなる群より選ばれる原子または置換基を表す。Lは、重合性官能基を有する、1価アニオンの2座配位子を表す。)
なっていてもよい。)からなる群より選ばれる原子または置換基を表す。Lは、重合性官能基を有する、1価アニオンの2座配位子を表す。)
けるR1およびR2の少なくとも一つが、各々独立に水素原子または置換基を有してもよいピリジン環であることを特徴とする上記[4]に記載の高分子発光材料。
重合性官能基を有する置換基を表す。)
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る高分子発光材料は、特定のイリジウム錯体から導かれる構造単位を含む重合体からなる。このような材料では、イリジウム錯体の三重項励起状態からの発光が得ら
れる。上記高分子発光材料は、さらに、ホール輸送性の重合性化合物および電子輸送性の重合性化合物からなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物から導かれる構造単位を含む重合体からなることが好ましい。
<イリジウム錯体から導かれる構造単位を含む重合体>
本発明に用いられる重合体は、上記式(1)で表されるイリジウム錯体を含む単量体を重合して得られる。上記重合体において、上記イリジウム錯体の単量体は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。本明細書において、上記重合体には、上記錯体の単独重合体、および2種以上の該錯体の共重合体も含む。
について以下により具体的に説明する。
式中、ピラジン環を有する誘導体におけるR1〜R23は、各々独立に−H、−OH、−
X1、−OX2、−SX3、−OCOX4、−COOX5、−SiX6X7X8、−NH2、−N
HX9、および−NX10X11(ここで、X1〜X11は炭素数1〜22個の直鎖、環状もしくは分岐のアルキル基、炭素数6〜21個のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、または、炭素数7〜21のアラルキル基を表し、X1〜X11はそれぞれ同一であって
も異なっていてもよい。)からなる群より選ばれる原子または置換基を表す。
子、シアノ基、アルデヒド基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、カルボキシル基、スルホン酸基、ニトロ基等を挙げることができる。これらの置換基は、さらにハロゲン原子、メチル基等によって置換されていてもよい。
ピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基、ジフェニルメチル基、スチリル基、シンナミル基、ビフェニル残基、ターフェニル残基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基、フラン残基、チオフェン残基、ピロール残基、オキサゾール残基、チアゾール残基、イミダゾール残基、ピリジン残基、ピリミジン残基、ピラジン残基、トリアジン残基、キノリン残基、キノキサリン残基を挙げることができる。−OX2の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基、tert−ブトキシ基、オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、フェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基を挙げることができる。−SX3の例としては、メチルチオ
基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−tert−ブチルフェニルチオ基を挙げることができる。−OCOX4の例としては、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基を挙げるこ
とができる。−COOX5の例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基
、tert−ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。−SiX6X7X8の例としては、トリメチルシリル基、ト
リエチルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。−NHX9の例とし
ては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基等を挙げることができる。−NX10X11の例としては、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジブチルア
ミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基等を挙げることができる。
例えば、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、セレナゾール環、フラン環、チオフェン環、ベンゼン環、ナフチル環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環およびピリダジン環が挙げられる。これらのうち、チアゾール環、ピロール環、ベンゼン環、ナフチル環、およびピリジン環が好ましい。
上記式(1)〜(11)において、Lは、重合性官能基を有する、1価アニオンの2座配位子を表す。
式中、X12は、上記式(1)中のR1と同義であり、Y1およびY2はそれぞれ独立に、
重合性官能基を有する置換基を表す。
クリレート基、メタクリロイルオキシエチルカルバメート基等のウレタン(メタ)アクリレート基、ビニルアミド基およびこれらの誘導体などを挙げることができる。これらのうちで、アルケニル基が好ましい。
リジウム2核錯体と、重合性官能基を有する、1価アニオンの2座配位子の誘導体を、炭酸ナトリウムと共に、2−エトキシエタノールなどの溶媒中で加熱した後、精製して上記式(1)〜(11)のいずれかで表されるイリジウム錯体を得ることができる。
上記重合体の重合方法は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、および付加重合のいずれでもよいが、ラジカル重合が好ましい。
<キャリア輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位を有する重合体>
本発明に用いられる重合体は、1種または2種以上の上記イリジウム錯体の単量体と共に、ホール輸送性の重合性化合物および電子輸送性の重合性化合物からなる群より選択される少なくとも1種の重合性化合物を含む単量体を共重合して得られる重合体であることが好ましい。なお、本明細書において、ホール輸送性の重合性化合物および電子輸送性の重合性化合物を併せて、キャリア輸送性の重合性化合物ともいう。
含む重合体からなることが好ましい。このような高分子発光材料では、上記イリジウム錯体から導かれる構造単位上で、ホールと電子とが効率よく再結合するため、高い発光効率が得られる。
上記重合性官能基は、ラジカル重合性、カチオン重合性、アニオン重合性、付加重合性、および縮合重合性の官能基のいずれであってもよい。これらのうちで、ラジカル重合性の官能基は、重合体の製造が容易であるため好ましい。
も同じである。
上記重合性化合物は、具体的には、上記官能基を、上記式(A1)〜(A12)で表される置換基として有することがより好ましい。
上記式(E1)〜(E15)で表される重合性化合物は、公知の方法によって製造することができる。
2.有機エレクトロルミネッセンス素子
本発明に係る高分子発光材料は、有機EL素子の材料として好適に用いられる。上記有機EL素子は、陽極と陰極とに挟まれた1層または2層以上の有機高分子層を含み、該有機高分子層の少なくとも1層に、上記高分子発光材料が含まれる。本発明に係る高分子発
光材料は、簡便な塗布法で発光層を成膜でき、素子の大面積化が図れる。
送材料を積層して用いてもよい。電子輸送層の厚さは、電子輸送層の導電率などに依存するが、通常、好ましくは1nm〜5μm、より好ましくは5nm〜1μm、特に好ましくは10nm〜500nmであることが望ましい。
略化され、素子の大面積化も図れる。
3.用途
本発明に係る有機EL素子は、公知の方法で、マトリックス方式またはセグメント方式による画素として画像表示装置に好適に用いられる。また、上記有機EL素子は、画素を形成せずに、面発光光源としても好適に用いられる。
[実施例]
[合成例1]イリジウム錯体(C3)の合成
元素分析: 計算値(C50H45IrN4O6) C,60.65;H,4.58%;N,5
.66. 測定値 C,60.91;H,4.20%;N,5.47.
質量分析(FAB+): 990(M+).
[合成例2]イリジウム錯体(C5)の合成
mol)および炭酸カリウム0.60g(4.3mmol)を加えて、48時間加熱還流した。得られた反応液を濃縮し、反応液を氷冷しながらフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム1.1g(4.2mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。減圧で溶媒を留去した後、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、イリジウム錯体(e)1.6g(1.6mmol)を得た。得られたイリジウム錯体(e)を50mlのジクロロメタンに溶解し、氷冷しながらトリエチルアミン0.20g(2.0mmol)および塩化メタクリロイル0.20g(1.9mmol)を順に滴下した後、室温で3時間撹拌した。生じた沈殿を濾別して濾液から減圧で溶媒を留去し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって生成することにより、イリジウム錯体(C5)1.5g(1.4mmol)を得た。
元素分析: 計算値(C57H41IrN4O4) C,65.94;H,3.98%;N,5.40. 測定値 C,66.29;H,4.04%;N,5.11.
質量分析(FAB+): 1038(M+).
[合成例3]イリジウム錯体(C8)の合成
元素分析: 計算値(C60H40IrN9O2) C,64.85;H,3.63%;N,11.34. 測定値 C,65.17;H,3.52%;N,11.16.
質量分析(FAB+): 1111(M+).
密閉容器に、イリジウム錯体(C3)80mg、上記式(E1)で表される化合物460mg、および上記式(E7)で表される化合物460mgを入れ、脱水トルエン(9.9mL)を加えた。次いで、V−601(和光純薬工業(株)製)のトルエン溶液(0.1M、198μL)を加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で60時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン500mL中に滴下し、沈殿を得た。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返した後、50℃で一晩真空乾燥して、共重合体(I)を得た。共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)は61500、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.97であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった共重合体におけるm/(m+n)の値は0.030であった。また、共重合体(I)において、x/nの値は、0.40であり、y/nの値は、0.60であった。
イリジウム錯体(C3)の混合物の代わりにイリジウム錯体(C5)を、上記式(E1)で表される化合物の代わりに上記式(E2)で表される化合物を、上記式(E7)で表される化合物の代わりに上記式(E14)で表される化合物を用いた他は、実施例1と同様にして、共重合体(II)を得た。共重合体(II)の重量平均分子量(Mw)は63700、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.89であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった共重合体におけるm/(m+n)の値は0.029であった。また、共重合体(II)において、x/nの値は、0.48であり、y/nの値は、0.52であった。
イリジウム錯体(C3)の混合物の代わりにイリジウム錯体(C8)を用いた他は、実施例1と同様にして、共重合体(III)を得た。共重合体(III)の重量平均分子量(Mw)は55200、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.05であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった共重合体におけるm/(m+n)の値は0.029であった。また、共重合体(III)において、x/nの値は、0.41であり、y/nの値は、0.59であった。
ITO付き基板(ニッポ電機(株)製)を用いた。これは、25mm角のガラス基板の一方の面に、幅4mmのITO(酸化インジウム錫)電極(陽極)が、ストライプ状に2本形成された基板であった。
得られた赤色光は、CIE色度座標においてx=0.68およびy=0.33であった。最大発光外部量子効率は5.5%、最高輝度は15000cd/m2であった。また初
期輝度100cd/m2で電流値を一定にして通電して連続発光し、強制劣化させた際、
輝度が半減するまで、2000時間であった。
共重合体(I)の代わりに共重合体(II)を用いたほかは、実施例4と同様にして、有機EL素子を作製し、発光色などの測定を行った。
得られた黄色光は、CIE色度座標においてx=0.69およびy=0.30であった。最大発光外部量子効率は5.6%、最高輝度は9000cd/m2であった。また初期
輝度100cd/m2で電流値を一定にして通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝
度が半減するまで、2200時間であった。
共重合体(I)の代わりに共重合体(III)を用いたほかは、実施例4と同様にして、有機EL素子を作製し、発光色などの測定を行った。
得られた赤色光は、CIE色度座標においてx=0.63およびy=0.29であった。最大発光外部量子効率は5.2%、最高輝度は8500cd/m2であった。また初期
輝度100cd/m2で電流値を一定にして通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝
度が半減するまで、1900時間であった。
2: 陽極
3: ホール輸送層
4: 発光層
5: 電子輸送層
6: 陰極
Claims (9)
- 下記一般式(4)または(5)で表されるイリジウム錯体から導かれる構造単位を含む重合体からなることを特徴とする高分子発光材料。
- 前記式(4)および(5)中、R 1 およびR 2 が、同時に水素原子を表すかまたは同時にピリジン環を表すことを特徴とする請求項1に記載の高分子発光材料。
- 前記イリジウム錯体が、式(C3)および(C8)で表されるイリジウム錯体よりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項3に記載の高分子発光材料。
- 前記重合体が、さらに、ホール輸送性の重合性化合物および電子輸送性の重合性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性化合物から導かれる構造単位を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高分子発光材料。
- 陽極と陰極とに挟まれた1層または2層以上の有機高分子層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機高分子層の少なくとも1層に、請求項1〜6のいずれかに記載の高分子発光材料を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像表示装置。
- 請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた面発光光源。
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