JP4932246B2 - 高分子発光材料、有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置 - Google Patents
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Description
なお、本明細書での「オルトメタル化」とは、一般式(1)でのA2を含む環において
、配位原子を有する置換基の結合位置に対してオルト位のC−H結合が、分子内反応で金属−炭素結合を含むキレート環を生成する反応をいう。
また、真空蒸着法には大型の設備が必要となり、その条件も厳密な制御が必要とされるなど、簡便な製造方法とは言えない。
〔1〕
下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体から導かれる構造単位を含む重合体からなることを特徴とする高分子発光材料。
HX7、−NX8X9、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜22の直鎖、環状もし
くは分岐アルキル基又はそれらの水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されたハロゲン置換アルキル基、あるいは炭素数6〜21のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基もしくは炭素数7〜21のアラルキル基又はそれらの水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されたハロゲン置換アリール基、ハロゲン置換ヘテロアリール基もしくはハロゲン置換アラルキル基を表し、
R2とR3とは互いに結合していてもよい。
(ここで、X1〜X9は各々独立に炭素数1〜22の直鎖、環状もしくは分岐のアルキル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、または、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。)
Z1は炭素原子C1、C2および窒素原子N1と共に、五員または六員の炭素環または複素環を形成するための原子群を表し、
該炭素環または複素環は、置換基を有してもよく、さらに他の環との縮合環を形成してもよい。
Lは、重合性官能基を有する、1価アニオンの2座配位子を表す。)
前記イリジウム錯体が、下記一般式(2)または(3)のいずれかで表されることを特徴とする〔1〕に記載の高分子発光材料。
原子、ニトロ基、シアノ基、−OH、−SX1、−OCOX2、−COOX3、−SiX4X5X6、−NH2、−NHX7、−NX8X9、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜22の直鎖、環状もしくは分岐アルキル基又はそれらの水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されたハロゲン置換アルキル基、あるいは炭素数6〜21のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基もしくは炭素数7〜21のアラルキル基又はそれらの水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されたハロゲン置換アリール基、ハロゲン置換ヘテロアリール基もしくはハロゲン置換アラルキル基を表し、
R2とR3とは互いに結合していてもよい。
(ここで、X1〜X9は各々独立に炭素数1〜22の直鎖、環状もしくは分岐のアルキル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、または、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。)
A1は炭素またはケイ素を、A2は酸素または硫黄を表す。
前記イリジウム錯体が、下記一般式(4)または(5)のいずれかで表されることを特徴とする〔1〕に記載の高分子発光材料。
X4X5X6、−NH2、−NHX7、−NX8X9、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数
1〜22の直鎖、環状もしくは分岐アルキル基又はそれらの水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されたハロゲン置換アルキル基、あるいは炭素数6〜21のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基もしくは炭素数7〜21のアラルキル基又はそれらの水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されたハロゲン置換アリール基、ハロゲン置換ヘテロアリール基もしくはハロゲン置換アラルキル基を表す。
(ここで、X1〜X9は各々独立に炭素数1〜22の直鎖、環状もしくは分岐のアルキル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、または、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。)
A1は炭素またはケイ素を、A2は酸素または硫黄を表す。
Lは、重合性官能基を有する、1価アニオンの2座配位子を表す。)
前記一般式(1)〜(5)中のLが、下記一般式(6)または(7)で表される2座配位子であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の高分子発光材料。
前記重合体が、さらに、ホール輸送性の重合性化合物および電子輸送性の重合性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性化合物から導かれる構造単位を含むことを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の高分子発光材料。
陽極と陰極とに挟まれた1層または2層以上の有機高分子層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機高分子層の少なくとも1層に、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の高分子発光材料を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔6〕に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像表示装置。
〔6〕に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた面発光光源。
を含む重合体からなることを特徴とする高分子発光材料が、有機EL素子の長寿命化に有効であることを見出した。その原因については現在調査中であるが、配位子の芳香環を架橋することで耐久性が向上したことが一つの要素ではないかと考えられる。
《1.高分子発光材料》
本発明に係る高分子発光材料は、特定のイリジウム錯体から導かれる構造単位を含む重合体からなる。このような材料では、イリジウム錯体の三重項励起状態からの発光が得られる。上記高分子発光材料は、さらに、ホール輸送性の重合性化合物および電子輸送性の重合性化合物からなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物から導かれる構造単位を含む重合体からなることが好ましい。
<イリジウム錯体から導かれる構造単位を含む重合体>
本発明に用いられる重合体は、上記一般式(1)で表されるイリジウム錯体を含む単量体を重合して得られる。上記重合体において、上記イリジウム錯体の単量体は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。本明細書において、上記重合体には、上記錯体の単独重合体、および2種以上の該錯体の共重合体も含む。
式中、R1〜R18は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−O
H、−SX1、−OCOX2、−COOX3、−SiX4X5X6、−NH2、−NHX7、−NX8X9、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜22の直鎖、環状もしくは分岐アルキル基又はそれらの水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されたハロゲン置換アルキル基、あるいは炭素数6〜21のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基もしくは炭素数7〜21のアラルキル基又はそれらの水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されたハロゲン置換アリール基、ハロゲン置換ヘテロアリール基もしくはハロゲン置換アラルキル基を表し、
R2とR3とは互いに結合していてもよい。
(ここで、X1〜X9は各々独立に炭素数1〜22の直鎖、環状もしくは分岐のアルキル基、炭素数6〜21のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、または、炭素数7〜21のアラルキル基を表す。)
ここで、X1〜X9は置換基を有していてもよく、置換基の例として、ハロゲン原子、シアノ基、アルデヒド基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、カルボキシル基、スルホン酸基、ニトロ基等を挙げることができる。これらの置換基は、さらにハロゲン原子、メチル基等によって置換されていてもよい。
シルチオ基、オクチルチオ基、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−tert−ブチルフェニルチオ基を挙げることができる。
。
−COOX3の例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert
−ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
ニルシリル基等を挙げることができる。
−NHX7の例としては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−ベンジルア
ミノ基、N−フェニルアミノ基等を挙げることができる。
一般式(1)で表されるイリジウム錯体の誘導体としては、合成の容易さや作成した素子の寿命および色純度の点から、以下の一般式(2)または(3)で示されるイリジウム錯体がより好ましい。
することが好ましい。
1価アニオンの2座配位子としては、例えば、水素イオンが1つ脱離した際の、2つの配位座を含む共役構造が、全体として1価アニオン性となり得る構造を有する化合物から、水素イオンが1つ脱離し、1価のアニオンとなった化合物;または、分子内にピリジン環、カルボニル基、イミン基等の非イオン性の配位座と、水酸基、カルボキシル基等の水素イオンが1つ脱離して1価のアニオン性配位座になり得る部位を有する化合物などが挙げられる。
重合性官能基を有する置換基を表す。)
一般式(6)または一般式(7)で表される2座配位子は、Y1或いはY2で示される重合性官能基を有する。該官能基は、ラジカル重合性、カチオン重合性、アニオン重合性、付加重合性、および縮合重合性の官能基のいずれであってもよい。これらのうちで、ラジ
カル重合性の官能基は、重合体の製造が容易であるため好ましい。
上記重合体の重合方法は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、および付加重合のいずれでもよいが、ラジカル重合が好ましい。
<キャリア輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位を有する重合体>
本発明に用いられる重合体は、1種または2種以上の上記イリジウム錯体の単量体と共に、ホール輸送性の重合性化合物および電子輸送性の重合性化合物からなる群より選択される少なくとも1種の重合性化合物を含む単量体を共重合して得られる重合体であることが好ましい。なお、本明細書において、ホール輸送性の重合性化合物および電子輸送性の重合性化合物を併せて、キャリア輸送性の重合性化合物ともいう。
造単位、または1種または2種以上の電子輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位を含む重合体からなることが好ましい。このような高分子発光材料では、上記イリジウム錯体から導かれる構造単位上で、ホールと電子とが効率よく再結合するため、高い発光効率が得られる。
上記重合性官能基は、ラジカル重合性、カチオン重合性、アニオン重合性、付加重合性、および縮合重合性の官能基のいずれであってもよい。これらのうちで、ラジカル重合性の官能基は、重合体の製造が容易であるため好ましい。
上記ホール輸送性の重合性化合物としては、具体的には、下記一般式(E1)〜(E6)で表される化合物が好ましく、共重合体におけるキャリア移動度が高いため、下記式(E1)〜(E3)で表される化合物がより好ましい。
上記式(E1)〜(E15)で表される重合性化合物は、公知の方法によって製造することができる。
《2.有機エレクトロルミネッセンス素子》
本発明に係る高分子発光材料は、有機EL素子の材料として好適に用いられる。上記有機EL素子は、陽極と陰極とに挟まれた1層または2層以上の有機高分子層を含み、該有機高分子層の少なくとも1層に、上記高分子発光材料が含まれる。本発明に係る高分子発光材料は、簡便な塗布法で発光層を成膜でき、素子の大面積化が図れる。
で設けている。上記有機EL素子では、例えば、陽極(2)と陰極(6)の間に、1)ホール輸送層/発光層、2)発光層/電子輸送層のいずれかを設けてもよい。また、3)ホール輸送材料、発光材料、電子輸送材料を含む層、4)ホール輸送材料、発光材料を含む層、5)発光材料、電子輸送材料を含む層、6)発光材料の単独層のいずれかの層を1層のみ設けてもよい。さらに、発光層を2層以上積層してもよい。
ホールと電子とを効率よく再結合させる目的で、ホール・ブロック層が設けられていてもよい。上記ホール・ブロック層の形成には、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などの公知の材料が用いられる。
などが用いられる。
《3.用途》
本発明に係る有機EL素子は、公知の方法で、マトリックス方式またはセグメント方式による画素として画像表示装置に好適に用いられる。また、上記有機EL素子は、画素を形成せずに、面発光光源としても好適に用いられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1−1)化合物(d)の合成
2,3−ジクロロピリジン50g(0.34mol)、3−フランボロン酸38g(0.34mol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム5g(4.3mmol)の混合物に300mlの1,2−ジメトキシエタンおよび炭酸カリウム100g(0.72mol)の300ml水溶液を加えて、5時間加熱還流した。反応液を室温にまで冷却後、有機層を抽出し、減圧蒸留することで化合物(a)を得た。化合物(a)50g(0.28mol)、ビス(トリシクロヘキシル)ホスフィン8.0g(12mmol)、ピバリン酸セシウム130g(0.56mol)およびN,N−ジメチルホルムアミド1000mlの混合物に一酸化炭素を吹き込んだ後、1気圧の一酸化炭素雰囲気下、110℃で10時間加熱撹拌した。反応液を水に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって化合物(b)を得た。次に化合物(b)5.0g(29mmol)にヒドラジン一水和物2.6g(52mmol)およびジエチレングリコール50mlを加え、180℃で5時間加熱撹拌した。反応液を水に注ぎ、生じた沈殿を濾取して水洗後、減圧乾燥することで化合物(c)を得た。次に化合物(c)4.0g(25mmol)、水酸化カリウム4.0g(72mol)、ヨウ化カリウム0.30g(1.8mmol)およびジメチルスルホキシド20mlの混合物にヨウ化メチル8.0g(56mol)を滴下し、室温で12時間撹拌した。反応液を水に注ぎ、生じた沈殿を濾取して水洗後、減圧乾燥した。得られた固体をジエチルエーテルから再結晶することによって化合物(d)を得た。
化合物(d)2.0g(11mmol)および塩化イリジウム(III)三水和物1.7g(4.8mmol)の混合物に150mlの2−エトキシエタノールおよび50mlの水を加え、12時間加熱還流した。生成した褐色沈殿を冷メタノールで洗浄し、減圧乾燥することによって二核錯体(D1)を得た。得られた錯体(D1)0.50g(0.42mmol)に10mlのN,N−ジメチルホルムアミドを加え、化合物(e)(特開2003−113246に記載の方法に従って合成した)0.50g(2.3mmol)および炭酸カリウム0.32g(2.3mmol)を加えて、90℃で4時間加熱撹拌した。得られた反応液を水中に投入し、生じた沈殿を水洗後、減圧乾燥した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、イリジウム錯体(C1)0.40g(0.52mmol)を得た。
元素分析: 計算値(C38H35IrN2O4) C,58.82;H,4.55;N,3.61. 測定値 C,58.53;H,4.87;N,3.79.
質量分析(FAB+): 776(M+).
(2−1)化合物(g)の合成
3−フランボロン酸の替わりに3−チオフェンボロン酸を用いた以外は上記化合物(b)の合成と同様な方法で化合物(f)を合成した。化合物(f)7.5g(40mmol)を50mlのテトラヒドロフランに溶解し、これに2−ヨウ化ビフェニル22g(79mmol)およびマグネシウム1.9g(79mmol)から調製したGrignard試薬のジエチルエーテル溶液を滴下し、24時間加熱還流した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した後、減圧で溶媒を留去した。得られた固体をヘキサンで洗浄し、500mlの酢酸および5mlの濃硫酸を加えて、24時間加熱還流した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶液を塩基性にし、クロロホルムで抽出した。減圧で溶媒を留去した後、ジクロロメタン−ヘキサン混合溶媒から再結晶することによって化合物(g)を得た。
化合物(g)1.5g(4.6mmol)と塩化イリジウム(III)三水和物0.80g(2.3mmol)の混合物に30mlの2−エトキシエタノールおよび10mlの水を加え、12時間加熱還流した。生成した沈殿を冷メタノールで洗浄し、減圧乾燥することによって二核錯体(D5)を得た。得られた錯体(D5)1.0g(0.57mmol)に20mlのN,N−ジメチルホルムアミドを加え、化合物(h)(特開2003−206320に記載の方法に従って合成した)0.30g(2.0mmol)および炭酸カリウム0.30g(2.2mmol)を加えて、90℃で4時間加熱撹拌した。得られた反応液を水中に投入し、生じた沈殿を水洗後、減圧乾燥した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、イリジウム錯体(C6)0.81g(0.82mmol)を得た。
元素分析: 計算値(C52H30IrN3O2S2) C,63.40;H,3.07;N,
4.27. 測定値 C,63.59;H,2.98;N,4.16.
質量分析(FAB+): 985(M+).
(3−1)化合物(m)の合成
3−ブロモ−4−メトキシキノリン(Chemische Berichte,1983年,116巻,2394頁に記載された方法と同様な方法で合成した)20g(84mmol)、3−チオフェンボロン酸11g(86mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム3.0g(2.6mmol)の混合物に200mlの1,2−ジメトキシエタンおよび炭酸カリウム31g(0.22mol)の200ml水溶液を加えて、5時間加熱還流した。反応液を室温にまで冷却後、有機層を抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって、化合物(i)を得た。化合物(i)16g(66mmol)を50mlのジクロロメタンに溶解し、−78℃に冷却して三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1.0M)100ml(0.10mol)を加えた。反応液を室温で3時間撹拌した後、100mlの水を加えて有機層を抽出し、減圧で溶媒を留去した。残渣に100mlのピリジンを加え、氷冷しながら無水トリフルオロメタンスルホン酸20g(71mmol)を滴下した。室温で3時間撹拌後、減圧で溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって化合物(j)を得た。化合物(j)10g(28mmol)、ビス(トリシクロヘキシル)ホスフィン0.80g(1.2mmol)、ピバリン酸セシウム13g(5.6mol)およびN,N−ジメチルホルムアミド100mlの混合物に一酸化炭素を吹き込んだ後、1気圧の一酸化炭素雰囲気下、110℃で10時間加熱撹拌した。反応液を水に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって化合物(k)を得た。次に化合物(k)2.0g(8.4mmol)にヒドラジン一水和物1.0g(20mmol)およびジエチレングリコール30mlを加え、180℃で5時間加熱撹拌した。反応液を水に注ぎ、生じた沈殿を濾取して水洗後、減圧乾燥することで化合物(l)を得た。次に化合物(l)1.5g(6.7mmol)、水酸化カリウム1.1g(20mol)、ヨウ化カリウム0.10g(0.60mmol)およびジメチルスルホキシド10mlの混合物にヨウ化メチル3.0g(21mol)を滴下し、室温で12時間撹拌した。反応液を水に注ぎ、生じた沈殿を濾取して水洗後、減圧乾燥した。得られた固体をジエチルエーテルから再結晶することによって化合物(m)を得た。
化合物(m)1.0g(4.0mmol)および塩化イリジウム(III)三水和物0.70g(2.0mmol)の混合物に30mlの2−エトキシエタノールおよび10mlの水を加え、12時間加熱還流した。生成した沈殿を冷メタノールで洗浄し、減圧乾燥することによって二核錯体(D7)を得た。得られた錯体(D7)0.80g(0.55mmol)に10mlのN,N−ジメチルホルムアミドを加え、化合物(n)(特開2003−113246に記載の方法に従って合成した)0.50g(2.3mmol)および炭酸カリウム0.32g(2.3mmol)を加えて、90℃で4時間加熱撹拌した。得られた反応液を水中に投入し、生じた沈殿を水洗後、減圧乾燥した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、イリジウム錯体(C8)0.58g(0.61mmol)を得た。
元素分析: 計算値(C47H36IrN3O3S2) C,59.60;H,3.83;N,
4.44. 測定値 C,60.15;H,3.69;N,4.13.
質量分析(FAB+): 947(M+).
密閉容器に、イリジウム錯体(C1)80mg、上記式(E1)で表される化合物460mg、および上記式(E7)で表される化合物460mgを入れ、脱水トルエン(9.9mL)を加えた。次いで、V−601(和光純薬工業(株)製)のトルエン溶液(0.1M、198μL)を加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で60時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン500mL中に滴下し、沈殿を得た。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返した後、50℃で一晩真空乾燥して、共重合体(I)を得た。共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)は31500、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.22であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった共重合体におけるm/(m+n)の値は0.030であった。また、共重合体(I)において、x/nの値は、0.42であり、y/nの値は、0.58であった。
イリジウム錯体(C1)の代わりにイリジウム錯体(C6)を、上記式(E1)で表される化合物の代わりに上記式(E2)で表される化合物を、上記式(E7)で表される化合物の代わりに上記式(E14)で表される化合物を用いた他は、実施例1と同様にして、共重合体(II)を得た。共重合体(II)の重量平均分子量(Mw)は40300、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.18であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった共重合体におけるm/(m+n)の値は0.029であった。また、共重合体(II)において、x/nの値は、0.50であり、y/nの値は、0.50であった。
イリジウム錯体(C1)の混合物の代わりにイリジウム錯体(C8)を用いた他は、実施例1と同様にして、共重合体(III)を得た。共重合体(III)の重量平均分子量(Mw)は45500、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.10であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった共重合体におけるm/(m+n)の値は0.030であった。また、共重合体(III)において、x/nの値は、0.40であり、y/nの値は、0.60であった。
ITO付き基板(ニッポ電機(株)製)を用いた。これは、25mm角のガラス基板の一方の面に、幅4mmのITO(酸化インジウム錫)電極(陽極)が、ストライプ状に2本形成された基板であった。
最大発光外部量子効率は6.0%、最高輝度は21000cd/m2であった。また初
期輝度100cd/m2で電流値を一定にして通電して連続発光し、強制劣化させた際、
輝度が半減するまでの時間は、3900時間であった。
共重合体(I)の代わりに共重合体(II)を用いたほかは、実施例4と同様にして、有機EL素子を作製し、発光色などの測定を行った。
最大発光外部量子効率は5.7%、最高輝度は16000cd/m2であった。また初
期輝度100cd/m2で電流値を一定にして通電して連続発光し、強制劣化させた際、
輝度が半減するまでの時間は、4000時間であった。
共重合体(I)の代わりに共重合体(III)を用いたほかは、実施例4と同様にして、有機EL素子を作製し、発光色などの測定を行った。
最大発光外部量子効率は5.6%、最高輝度は8500cd/m2であった。また初期
輝度100cd/m2で電流値を一定にして通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝
度が半減するまでの時間は、3000時間であった。
2: 陽極
3: ホール輸送層
4: 発光層
5: 電子輸送層
6: 陰極
Claims (5)
- 下記式(C1)で表わされるイリジウム錯体、下記式(C1)で表わされるイリジウム錯体が有する下記式(A8)で表わされる置換基が、下記式(A1)〜(A7)、(A9)〜(A12)で表わされる置換基に置き換えられたイリジウム錯体、下記式(C6)で表わされるイリジウム錯体、下記式(C6)で表わされるイリジウム錯体が有する下記式(A1)で表わされる置換基が、下記式(A2)〜(A12)で表わされる置換基に置き換えられたイリジウム錯体、下記式(C8)で表わされるイリジウム錯体、および下記式(C8)で表わされるイリジウム錯体が有する下記式(A12)で表わされる置換基が、下記式(A1)〜(A11)で表わされる置換基に置き換えられたイリジウム錯体から選択される少なくとも1種のイリジウム錯体から導かれる構造単位と、
下記式(E1)〜(E3)で表わされるホール輸送性の重合性化合物、および前記ホール輸送性の重合性化合物が有する下記式(A1)で表わされる置換基を、下記式(A2)〜(A12)で表わされる置換基に代えたホール輸送性の重合性化合物から選択される少なくとも1種のホール輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位と、
下記式(E7)、(E12)〜(E14)で表わされる電子輸送性の重合性化合物、および前記電子輸送性の重合性化合物が有する下記式(A1)で表わされる置換基を、下記式(A2)〜(A12)で表わされる置換基に代えた電子輸送性の重合性化合物から選択される少なくとも1種の電子輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位とを含む重合体からなることを特徴とする高分子発光材料。
- 前記式(C1)で表されるイリジウム錯体から導かれる構造単位と、
前記式(E1)で表わされるホール輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位と、
前記式(E7)で表わされる電子輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位とを含む重合体、
前記式(C6)で表されるイリジウム錯体から導かれる構造単位と、
前記式(E2)で表わされるホール輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位と、
前記式(E14)で表わされる電子輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位とを含む重合体または、
前記式(C8)で表されるイリジウム錯体から導かれる構造単位と、
前記式(E1)で表わされるホール輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位と、
前記式(E7)で表わされる電子輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位とを含む重合体からなることを特徴とする請求項1に記載の高分子発光材料。 - 陽極と陰極とに挟まれた1層または2層以上の有機高分子層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機高分子層の少なくとも1層に、請求項1または2に記載の高分子発光材料を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像表示装置。
- 請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた面発光光源。
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