JP5042124B2 - 煙センサおよびそれを備えた電子機器 - Google Patents

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Description

この発明は、煙センサに関し、より具体的には、煙に光を投射して煙による反射光を受光することにより、煙濃度を検出する煙センサおよびそれを備えた電子機器に関する。
従来、煙センサでは、流入した煙に光源である発光素子から光を投光し、この流入した煙により反射された光が受光素子に入射することにより、この受光素子は微小な受光信号を出力する。上記煙センサは、上記受光素子が出力する微小な受光信号を増幅回路で増幅し、この増幅回路が出力する出力信号が、所定の煙濃度範囲に相当する判定値に達したときに、煙を検出したことを表す煙検出信号を出力する。
しかし、同じ煙濃度範囲でも、発光素子をなすLED(発光ダイオード)の劣化や温度変化などに起因する発光量の変化によって、上記受光信号を増幅した出力信号が変動する。この出力信号の変動に起因して、上記流入した煙が予め設定している煙濃度検出範囲外であっても煙検出信号を出力するという誤検出が発生する場合が有る。
そこで、煙以外の外乱要因によって、上記出力信号(受光信号)が変動することを回避して誤検出を防ぐために、種々の方法が提案されている。
すなわち、第1の例では、上記発光素子を駆動する駆動回路にサーミスタ抵抗を付加して、駆動回路の駆動出力を温度補正することにより、温度変化によって、発光素子の出射光量が変動することを防止している。これにより、温度変化によって、上記出力信号(受光信号)が変動することを回避して誤検出を防いでいる(特許文献1(実開昭58−39552号)参照)。
また、第2の例では、増幅回路を構成するIC(集積回路)の増幅率を決定する抵抗部にサーミスタ抵抗を付加することで、増幅回路の増幅率を温度補正している。これにより、上記増幅回路の温度特性に起因して、上記出力信号が変動することを防止している。
また、第3の例では、煙で反射した光が入射する検出用受光素子とは別に、発光素子(LED)の劣化による発光量の変動(低下)をモニタするモニタ用受光素子を備え、このモニタ用受光素子の受光信号を上記発光素子の駆動回路にフィードバックして発光素子の発光量を補正している(特許文献2(特開昭59−5398号公報)参照)。
また、第4の例では、検煙領域を通して発光ダイオード(光源)の出射光を受光する検出用の受光素子と、上記発光ダイオードの出射光を上記検煙領域を通さずに受光する参照用の受光素子を有し、差動増幅器でこの検出用の受光素子による受光信号と上記参照用の受光素子による受光信号との差分を増幅し、この差分を増幅した信号を出力信号としている(特許文献3(特開昭60−33035号公報)参照)。
ところで、上記第1、第2の例では、サーミスタ抵抗による温度補正が可能であるが、発光ダイオードの劣化に起因する発光量の変動には対処できない。また、上記第1、第2の例では、温度補正のために選定したサーミスタ抵抗が適切なものでないと、温度補正を十分に行えなくなる場合もある。
また、上記第3の例では、発光ダイオードの発光量をモニタ用受光素子でモニタすることで、発光ダイオードの劣化による発光量低減を補正可能としているが、温度補正はできないし、モニタ用受光素子およびその増幅器を要するので、部品個数の増加,構成の複雑化を招く。
また、上記第4の例では、発光ダイオードの出射光が検煙領域を通過することにより減光され、この減光された出射光を検出用の受光素子で受光する減光式の煙センサである。この減光式の煙センサでは、検煙領域に煙が存在しない場合、検出用の受光素子は上記発光ダイオードからの出射光を直接に受ける。一方、参照用の受光素子は、上記検煙領域に煙が存在する場合も煙が存在しない場合も同様に上記発光ダイオードからの出射光を直接に受ける。したがって、この第4の例では、上記検煙領域に煙が流入した場合に、上記検出用の受光素子が出力する受光信号と上記参照用の受光素子が出力する受光素子との差が大きく大きな出力信号を得ることができる。
一方で、上記第4の例のような検出用受光素子,参照用受光素子による構成を反射式の煙センサに採用した場合、流入する煙が無い場合には、煙による反射光がないので、検出用の受光素子が出力する受光信号は小さい。一方、参照用の受光素子は、上記煙の有無に関わることなく、発光ダイオードの出射光を受光する。このため、流入する煙が無い場合に、検出用の受光素子による受光信号に比べて、参照用の受光素子による受光信号が大きくなり過ぎて、差動増幅器の出力信号が飽和し、差動増幅器の出力信号でもって2つの受光信号の差を検出できなくなる場合が発生する。一方、煙が流入した場合は、煙による反射光を受光する検出用受光素子が出力する受光信号が大きくなるから、2つの受光信号の差が減少する。そして、煙の流入量が増えるにつれて、上記2つの受光信号の差が零に近づく、そして、さらに、煙の流入量が増えると、検出用受光素子が出力する受光信号がさらに大きくなって、上記2つの受光信号の差は零を経て増加に転じる。このため、煙が無い場合と煙が有る場合とで差動増幅器の出力信号が同じになる場合が発生し、煙の検出が正しく行えなくなる。また、参照用の受光素子に合わせて、発光ダイオードの発光量,増幅器の増幅率等を調整すると、煙の検出精度が鈍ることになる。
また、一般に煙センサでは、通常、サンプリングタイム毎に発光素子から出射されるパルス光に対して受光素子,増幅器による出力信号が検出レベルを越えるか超えないかを判定している。しかし、この煙センサによる判定は、周囲温度や発光素子をなすLEDの経年変化などの環境以外に、増幅器自身が持つ熱雑音などによるノイズや電源ノイズや外来ノイズの影響を受ける。よって、単一の出力信号の単一の測定結果だけでの判定では誤検出となる可能性が高い。
実開昭58−39552号公報 特開昭59−5398号公報 特開昭60−33035号公報
そこで、この発明の課題は、温度変化等の外乱や素子劣化に起因する誤検出を回避できると共に反射式にも適用可能な煙センサを提供することにある。
また、この発明の課題は、煙検出の精度を向上でき誤検出なく安定した煙検出を行える煙センサを提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の煙センサは、煙が導入される煙検出部と、
上記煙検出部に向けて光を発する発光素子と、
上記発光素子から出射されて上記煙検出部内の煙によって散乱された散乱光を受光する第1の受光素子と、
上記発光素子からの出射光を上記煙検出部を経由せずに受光する第2の受光素子と、
上記第1の受光素子が出力する第1の受光信号を増幅する第1の増幅器と、
上記第2の受光素子が出力する第2の受光信号を増幅する第2の増幅器と、
上記第1の増幅器が出力する第1の出力信号と上記第2の増幅器が出力する第2の出力信号との差に基づいて、上記煙検出信号を出力する信号処理部と、
上記第1の増幅器による上記第1の出力信号と上記第2の増幅器による上記第2の出力信号とが選択的に入力されると共に上記第1、第2の出力信号を増幅して上記信号処理部に出力する増幅部を備えることを特徴としている。
この発明の煙センサによれば、上記信号処理部は、上記第1の増幅器が出力する第1の出力信号と上記第2の増幅器が出力する第2の出力信号との差に基づいて、上記煙検出信号を出力する。ここで、上記第1の受光素子が温度変化等の外乱や素子の劣化が生じたときには、上記第2の受光素子もまた、上記温度変化等の外乱や素子の劣化が生じる。したがって、上記第1の受光信号による第1の出力信号と上記第2の受光信号による第2の出力信号との差に基づく煙検出信号によれば、温度変化等の外乱や素子の劣化による変動要因が相殺され、誤検出を回避できる。
また、上記煙検出部の煙を検出する第1の受光素子による第1の受光信号と上記煙検出部の煙の影響を受けない第2の受光素子による第2の受光信号は、別個の第1,第2の増幅器に入力される。よって、上記煙検出部に煙が無い場合に、上記第1,第2の受光素子が出力する第1,第2の受光信号に応じて、第1,第2の増幅器の増幅率を独立に設定できる。よって、反射式の煙センサにも適用可能になる。
また、この発明の煙センサは、上記第1の増幅器による上記第1の出力信号と上記第2の増幅器による上記第2の出力信号とが選択的に入力されると共に上記第1、第2の出力信号を増幅して上記信号処理部に出力する増幅部を備える。
この発明の煙センサでは、上記第1の出力信号と第2の出力信号とに共通の増幅部を備えるので、第1、第2の出力信号のそれぞれに別の増幅部を備える場合に比べて、増幅部に起因する信号のばらつきを抑制できる。たとえば、温度変化による増幅部の増幅率の変動などが上記第1、第2の出力信号に同じ様に影響し、増幅部に起因する信号のばらつきを抑制できる。
また、一実施形態の煙センサは、上記第1の出力信号または上記第2の出力信号のいずれか一方を上記増幅部に入力する切り替え部を備える。
この実施形態の煙センサでは、上記切り替え部が上記第1の出力信号または上記第2の出力信号のいずれか一方を上記増幅部に入力する。よって、上記第1の受光素子による第1の受光信号を増幅した第1の出力信号を上記増幅部に入力する第1のタイミングと上記第2の受光素子による第2の受光信号を増幅した第2の出力信号を上記増幅部に入力する第2のタイミングとが異なるように設定できる。よって、例えば、上記第2のタイミングでの上記発光素子の発光量を、上記第1のタイミングでの上記発光素子の発光量に比べて少なくする制御を行うことによって、上記第2のタイミングにおいて上記発光素子からの光が直接入射する第2の受光素子に対応する第2の出力信号が飽和することを回避できる。よって、上記増幅部は、第1,第2の増幅器により適切に増幅された第1,第2の出力信号を増幅して、上記信号処理部に出力することが可能になる。よって、上記第2の出力信号の飽和に起因する誤検出を回避できる。
また、一実施形態の煙センサは、上記第1および第2の増幅器は、それぞれ固定された増幅率を有し、上記増幅部は、増幅率が可変である。
この実施形態によれば、上記増幅部の増幅率を変えることにより、第1,第2の受光信号に対応する第1,第2の出力信号の増幅率を変更できる。
また、一実施形態の煙センサは、上記発光素子を上記第1の受光素子に対応した第1の駆動電流で駆動する第1の駆動状態と、上記発光素子を上記第2の受光素子に対応した第2の駆動電流で駆動する第2の駆動状態とを切換え可能な駆動部を備える。
この実施形態によれば、上記駆動部が切換える上記第1,第2の駆動状態による第1,第2の駆動電流によって、上記発光素子の発光量を上記第1,第2の各受光素子に対応した適切に値に設定可能となり、消費電流の低減も図れる。
また、一実施形態の煙センサは、上記駆動部は、上記第1、第2の駆動電流によって上記発光素子をパルス発光させる。
この実施形態によれば、上記発光素子をパルス発光させるので、上記第1,第2の受光素子に対する上記発光素子の発光量を明確に区別でき、上記第2の駆動状態で上記発光素子の発光が第1の受光素子に与える影響がなくなると共に消費電流の低減も可能となる。
また、一実施形態の煙センサでは、上記発光素子は、発光正面からの出射光が上記煙検出部に入射すると共に、側面からの出射光が上記第2の受光素子に入射するように配置されている。
この実施形態によれば、第1および第2の受光素子を適切に配置し易くなる。たとえば、発光正面からの比較的光量が大きい出射光を上記煙検出部に入射させると共に側面からの比較的小光量の出射光を第2の受光素子に入射させることで、煙検知感度の向上を図れると共に消費電流の低減も可能となる。
また、一実施形態の煙センサでは、上記第1および第2の増幅器を含んだ集積回路と、
上記第1の受光素子を上記集積回路に接続する第1の配線と、
上記第2の受光素子を上記集積回路に接続する第2の配線とを有し、
上記第1の配線と第2の配線とが同等の線長となる条件の基で上記線長が最短となるように上記集積回路に対して上記第1の受光素子と第2の受光素子を配置した。
この実施形態によれば、上記第1,第2の受光素子と上記集積回路とを接続する第1,第2の配線に乗るノイズ量を低減できると共に第1の配線に乗るノイズ量と第2の配線に乗るノイズ量を同等にできる。よって、第1の出力信号と第2の出力信号との差が、ノイズによって変動することを抑制できる。
また、一実施形態の煙センサでは、上記第1の出力信号または上記第2の出力信号のいずれか一方を上記増幅部に入力する切り替え部と、
上記発光素子を上記第1の受光素子に対応した第1の駆動電流で駆動する第1の駆動状態と、上記発光素子を上記第2の受光素子に対応した第2の駆動電流で駆動する第2の駆動状態とを切換え可能な駆動部と、
上記切り替え部と上記駆動部とを制御すると共に上記信号処理部を含んでいるマイクロコンピュータを有し、
上記マイクロコンピュータは、
上記駆動部を上記第1の駆動状態としたときに、上記切り替え部が上記第1の出力信号を上記増幅部に入力するように上記切り替え部を制御する一方、上記駆動部を上記第2の駆動状態としたときに、上記切り替え部が上記第2の出力信号を上記増幅部に入力するように上記切り替え部を制御する。
この実施形態によれば、上記マイクロコンピュータが、上記切り替え部と上記駆動部とを制御すると共に上記信号処理部を含んでいるので、部品の増加が抑えられる。
また、一実施形態の煙センサでは、上記信号処理部は、
上記煙検出部内の煙濃度が零である場合の上記第2の増幅器の出力値に対する上記煙検出部内の煙濃度が零である場合の上記第1の増幅器の出力値の比を補正値として記憶すると共に上記補正値を乗算した上記第2の出力信号と、上記第1の出力信号との差に基づいて、上記煙検出信号を出力する。
この実施形態によれば、上記第1の受光素子と第2の受光素子との素子ばらつき,上記第1の受光素子と第2の受光素子との光学系ばらつきの影響によって上記煙検出信号が変動することを抑制できる。
また、一参考例の煙センサでは、煙が導入される煙検出部と、
上記煙検出部に向けて光を発する発光素子と、
上記発光素子から出射されて上記煙検出部内の煙によって散乱された散乱光を受光する第1の受光素子と、
上記発光素子からの出射光を上記煙検出部を経由せずに受光する第2の受光素子と、
上記第1の受光素子が出力する第1の受光信号を増幅する第1の増幅器と、
上記第2の受光素子が出力する第2の受光信号を増幅する第2の増幅器と、
上記煙検出部内の煙濃度が零である場合の上記第1の増幅器からの出力信号の値を第1の初期値として記憶し、上記煙検出部内の煙濃度が零である場合の上記第2の増幅器からの出力信号の値を第2の初期値として記憶している記憶部と、
上記第1の増幅器からの出力信号の値がV1(k)であり、上記第2の増幅器からの出力信号の値がV2(k)であり、上記第1の初期値をV1(0)とし、上記第2の初期値をV2(0)とすると、判定値を次式(1)で算出し、
判定値={V1(k)×V2(0)/V2(k)−V1(0)} …(1)
上式(1)で算出される判定値が予め定められた検出しきい値以上を超えたときに、煙検出信号を出力する信号処理部とを備える。
この参考例の煙センサによれば、上記記憶部に上記第1,第2の増幅器からの出力信号の初期値を第1,第2の初期値として記憶している。この初期値は、例えば、工場出荷の段階で上記記憶部に記憶される。
この参考例では、設置後の或るの時間に計測した第1の増幅器からの出力信号の値V1(k)に、第2の初期値V2(0)を上記時間に計測した第2の増幅器からの出力信号の値V2(k)を除算した値V2(0)/V2(k)を乗算することで、計測時の周囲温度や発光素子の経年変化による変動が上記出力信号の値V1(k)に与える影響を補正し低減している。そして、上記信号処理部は、この補正後の出力信号の値V1(k)×V2(0)/V2(k)から第1の初期値V1(0)を減算した判定値が上記検出しきい値を超えると煙検出信号を出力する。
これにより、この参考例によれば、煙検出の精度を向上でき誤検出なく安定した煙検出を行える。
また、一参考例の煙センサは、上記信号処理部は、
上記判定値が、上記検出しきい値よりも小さい非検出しきい値を下回ったときに上記煙検出信号の出力を停止する。
この参考例では、上記信号処理部は、煙検出部の煙の濃度が下がって、上記判定値が上記検出しきい値よりも小さくなっても、上記判定値が上記非検出しきい値になるまで上記煙検出信号の出力を維持できる。これにより、振動等の外乱に起因する判定値の微小な変動によって煙検出信号の出力と停止とを繰り返すといったハンチング現象を回避できる。
また、一参考例の煙センサは、上記非検出しきい値を上記記憶部に記憶している。
また、一参考例の煙センサは、上記非検出しき値を、上記検出しきい値に対して予め定められた定数を四則演算することで得た値とする。
また、一参考例の煙センサは、上記第2の増幅器の増幅率が上記第1の増幅器の増幅率の50分の1以下である。
この参考例では、第2の増幅器の電流電圧変換用抵抗値を第1の増幅器の電流電圧変換用抵抗値の1/50以下に設定でき、第2の増幅器自体に起因する熱雑音を約7分の1以下に低減できる。なお、この場合、第2の受光素子が発光素子から受光する受光量を第1の受光素子が発光素子から受光する受光量の50倍以上に設定するとよい。
また、一参考例の煙センサは、上記信号処理部は、電源投入後に上記第2の増幅器からの出力信号の値を連続して複数回計測した値の平均値を、上記電源投入後の1回目の判定で上記判定値を算出するための上記第2の増幅器からの出力信号の値V2(k)とする。
この参考例では、初回判定時の第2の増幅器からの出力信号の値V2(k)の信頼性を向上できる。
また、一参考例の煙センサでは、上記信号処理部は、
電源投入後の2回目以降の判定では、それぞれ、上記第2の出力信号の値を一回だけ測定し、
電源投入後の2回目の判定では、電源投入後の1回目の判定に用いた上記第2の出力信号の値と、上記2回目の判定に際して測定した第2の出力信号の値との平均値を上記2回目の判定に用いる上記第2の出力信号の値V2(k)とし、
電源投入後の3回目以降のN回目(Nは3以上)の判定では、電源投入後の1回目の判定に用いた上記第2の出力信号の値と、上記N回目の判定に際して測定した第2の出力信号の値と、直近の判定で用いた予め定められた上限個数以下の上記第2の出力信号の値の測定値との平均値を、上記N回目の判定に用いる上記第2の出力信号の値V2(k)とする。
この参考例では、2回目以降の判定時の第2の増幅器からの出力信号の値V2(k)の信頼性を向上できる。また、上記2回目以降の判定周期毎に上記第2の増幅器からの出力信号を1回だけ計測するので、消費電流を低減でき、バッテリー駆動の場合に好適となる。
また、一参考例の煙センサは、上記信号処理部は、
i回目(iは1以上の自然数)の判定で上記判定値が上記検出しきい値を超えた場合、(i+1)回目の判定では、上記第1の増幅器からの出力信号の値を連続して複数回計測した値の平均値を上記判定値を算出するための上記第1の増幅器からの出力信号の値V1(k)とする。
この参考例では、煙を検出したi回目の判定の次の(i+1)回目の判定では、第1の増幅器からの出力信号の値V1(k)の信頼性を上げることで、煙を検出する可能性が高い(i+1)回目の判定の判定精度を向上できる。
また、一参考例の煙センサでは、上記信号処理部は、
上記判定値が、上記検出しきい値を超えてから上記非検出しきい値になるまで上記煙検出信号を出力する。
この参考例では、上記信号処理部は、煙検出部の煙の濃度が下がって、上記判定値が上記検出しきい値よりも小さくなっても、上記判定値が上記非検出しきい値になるまで上記煙検出信号の出力を維持できる。これにより、振動等の外乱に起因する判定値の微小な変動によって煙検出信号の出力と停止とを繰り返すといったハンチング現象を回避できる。
また、一参考例の煙センサでは、上記信号処理部は、上記(i+1)回目の判定の次の(i+2)回目と(i+3)回目の2回の判定では、上記第1の増幅器からの出力信号の値を連続して複数回計測した値の平均値を上記判定値を算出するための上記第1の増幅器からの出力信号の値V1(k)とするが、上記2回の判定の両方において上記判定値が上記非検出しきい値を下回った場合、次の(i+4)回目の判定では、上記第1の増幅器からの出力信号の1回の計測値を上記判定値を算出するための上記第1の増幅器からの出力信号の値V1(k)とする。
この参考例では、連続した2回の判定において煙を検出しなかった場合に、次の判定では上記第1の増幅器からの出力信号を1回だけ計測して判定値を算出するので、消費電流の削減および発光素子(LED等)の寿命向上を図れる。
また、一実施形態の電子機器は、上記煙センサを備えたので、温度変化等の外乱や素子劣化に起因する煙の誤検出を回避できる。
この発明の煙センサによれば、温度変化や素子劣化等の外乱に起因する出力信号の変動を防いで誤検出を回避できる。また、この発明によれば、増幅器の出力信号のジッタ(揺らぎ)を低減でき、ジッタの影響を低減できて、高精度に煙を検出できる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、この発明の煙センサの実施形態の構成を示す回路図である。また、図2は、この実施形態の煙センサが備える煙検出部18,発光素子1,第1の受光素子2,第2の受光素子3,増幅回路4の配置を模式的に示す配置図である。なお、上記発光素子1は発光ダイオードとし上記受光素子2,3はフォトダイオードとした。
図2に示すように、この実施形態の煙センサは、煙14が導入される煙検出部18と、上記煙検出部18に向けて光を出射する発光素子1と、上記発光素子1から出射されて上記煙検出部18内の煙14によって散乱された散乱光を受光する第1の受光素子2と、上記発光素子1からの出射光を上記煙検出部18を経由せずに受光する第2の受光素子3とを備える。また、この実施形態の煙センサは、第1の受光素子2が出力する第1の受光信号と第2の受光素子3が出力する第2の受光信号とが入力される増幅回路4を備える。また、図2に示すように、この煙センサは、発光素子1の出射光を第2の受光素子3へ導く導光路19を有する。そして、この導光路19と上記煙検出部18との間に壁12が形成されている。この壁12によって、上記導光路19は、煙検出部18に導入された煙の影響を受けないようになっている。
また、この実施形態の煙センサは、図1に示すように、発光素子1を駆動する駆動回路11を有する。また、上記増幅回路4は、上記第1の受光素子2が出力する第1の受光信号のみを増幅する第1の増幅器5と、上記第2の受光素子3が出力する第2の受光信号のみを増幅する第2の増幅器6を有する。また、上記増幅回路4は、切り替え部としての切り替えスイッチ7と増幅部としての後段アンプ部9、および、この切り替えスイッチ7を切り替え制御する制御回路8を有する。この制御回路8は、外部入力端子21に接続されたマイクロコンピュータ16から入力される制御信号によって制御されて、上記切り替えスイッチ7を切り替え制御する。そして、上記切り替えスイッチ7は、上記第1の増幅器5が出力する第1の出力信号と上記第2の増幅器6が出力する第2の出力信号のいずれか一方の出力信号を後段アンプ部9に入力する。
上記後段アンプ部9は、直列接続された3つのアンプ9A,9B,9Cを有し、アンプ9Cの出力は、増幅回路4の出力端子10に接続されている。上記アンプ9Bは、外部入力端子22に接続された可変抵抗17の抵抗値を変えることでもって、増幅率が可変になっている。
上記出力端子10は、上記マイクロコンピュータ16に接続されている。このマイクロコンピュータ16は、上記駆動回路11を制御して、発光素子1の出力を制御する。また、このマイクロコンピュータ16は、信号処理部としての信号処理回路16Aを含んでいる。この信号処理回路16Aには、上記第1の増幅器5から出力されて上記後段アンプ部9で増幅された第1の出力信号と、上記第2の増幅器6から出力されて上記後段アンプ部9で増幅された第2の出力信号とが入力される。そして、この信号処理回路16Aは、上記増幅された第1の出力信号と上記増幅された第2の出力信号との差に基づいて、煙検出信号を出力する。
図3のタイミングチャートに示すように、上記増幅回路4は、マイクロコンピュータ16が出力する駆動パルスによって間欠駆動されることで、消費電流の低減が図られている。ここで、マイクロコンピュータ16は、制御信号を制御回路8に入力し、上記制御信号を受けた制御回路8は切り替えスイッチ7を制御し、切り替えスイッチ7が第2の増幅器6を後段アンプ部9に接続するようにする。そして、増幅回路4が動作安定状態になると、マイクロコンピュータ16は駆動回路11を制御して、駆動回路11から発光素子1に、図3に示す駆動パルスP2を出力する。これにより、発光素子1は、駆動パルスP2に応じたパルス光を出射する。このパルス光は、煙検出部18を経由して第1の受光素子2に入射すると共に、上記導光路19を経由して第2の受光素子3に入射する。ここで、上記第1の増幅器5と第2の増幅器6のうちの第2の増幅器6だけが上記後段アンプ部9に接続されているので、第2の受光素子3が出力する第2の受光信号を増幅した第2の増幅器6が出力する第2の出力信号だけが後段アンプ部9に入力される。そして、この後段アンプ部9は、上記第2の出力信号を増幅した出力電圧V2を出力端子10からマイクロコンピュータ16に出力する。
次に、マイクロコンピュータ16は、外部入力端子21に制御信号を出力して制御回路8を制御し、この制御回路8でもって切り替えスイッチ7を切り替えて第1の増幅器5を後段アンプ部9に接続する。そして、マイクロコンピュータ16は、駆動回路11を制御し、駆動回路11から発光素子1に駆動パルスP2よりも大きな駆動パルスP1を出力する。これにより、発光素子1は、駆動パルスP1に応じたパルス光を出射する。このパルス光は、煙検出部18を経由して第1の受光素子2に入射すると共に、上記導光路19を経由して第2の受光素子3に入射する。ここで、上記第1の増幅器5と第2の増幅器6のうちの第1の増幅器5だけが上記後段アンプ部9に接続されているので、第1の受光素子2が出力する第1の受光信号を増幅した第1の増幅器5が出力する第1の出力信号だけが後段アンプ部9に入力される。そして、この後段アンプ部9は、上記第1の出力信号を増幅した出力電圧V1を出力端子10からマイクロコンピュータ16に出力する。
そして、このマイクロコンピュータ16が有する信号処理回路16Aは、図4に例示するように、第1の増幅器5が出力する第1の出力信号を増幅した出力電圧V1と上記第2の増幅器6が出力する第2の出力信号を増幅した出力電圧V2との電圧差ΔVに基づいて、上記煙検出信号を出力する。
図4に示すように、上記煙検出部18に煙が流入して、煙濃度が増加すると、第1の受光素子2が出力する第1の受光信号が増えて、第1の出力信号が大きくなって出力電圧V1が増加する。一方、煙検出部18の煙濃度が増減しても、煙検出部18を経由せずに導光路19を経由して発光素子1からの光を受ける第2の受光素子3は上記煙による影響を受けないので、第2の出力信号は変化せず出力電圧V2は変化しない。よって、上記煙検出部18に煙が流入することで、出力電圧V1とV2との電圧差ΔVが大きくなるので、この電圧差ΔVに基づいて信号処理回路16Aが出力する煙検出信号でもって、煙検出部18に流入した煙(煙濃度)を検出できる。
ここで、第1,第2の受光素子2,3は常に同じ発光素子1からの出射光を受光する。したがって、温度変化または劣化などによって、発光素子1の発光量が変動した場合に、上記第1の受光素子2による第1の受光信号と第2の受光素子3による第2の受光信号は、発光素子1の上記発光量の変動によって、同様に変動する。したがって、温度変化または劣化前の出力電圧V1,V2は、温度変化または劣化によって、同様に変動し、図4に一例として一点鎖線で示す出力電圧V1a,V2aに変わる。よって、上記第1の受光信号による出力電圧V1と上記第2の受光信号による第2の出力電圧V2との差に基づく煙検出信号によれば、発光素子1の発光量の変動に起因する誤検出を防ぐことができる。なお、図4では、煙濃度がdのときの第1の出力電圧V1と第2の出力電圧V2との電圧差をΔV(d)で示し、煙濃度が0のときの第1の出力電圧V1と第2の出力電圧V2との電圧差をΔV(0)で示している。また、上記温度変化,劣化の発生した場合の第1の出力電圧V1aと第2の出力電圧V2aとの電圧差は、煙濃度が0のときにΔVa(0)で示し、煙濃度がdのときにΔVa(d)で示している。
また、上記第1の受光素子2に温度変化や素子劣化等が発生したときには、上記第2の受光素子3にも、上記温度変化や素子劣化等が発生する。したがって、上記温度変化や素子劣化等が発生しても、出力電圧V1とV2は同様に変化することになる。したがって、上記第1の受光信号による第1の出力電圧V1と上記第2の受光信号による第2の出力電圧V2との電圧差ΔVに基づく煙検出信号によれば、温度変化や素子劣化等の外乱が相殺され、上記外乱に起因する誤検出を回避できる。
また、この実施形態では、上記後段アンプ部9は、第1の増幅器5と第2の増幅器6とに共通であるので、第1,第2の増幅器5,6のそれぞれに別の増幅部を有する場合に比べて、増幅部に起因する信号のばらつきを抑制できる。たとえば、温度変化による後段アンプ部9の増幅率の変動などが上記第1、第2の出力信号に同じ様に影響し、後段アンプ部9に起因する第1,第2の出力電圧V1,V2のばらつきを抑制できる。
また、この実施形態では、図3に例示するように、マイクロコンピュータ16が駆動回路11を制御することで、第1の増幅器5が後段アンプ部9に接続されているときの駆動パルスP1と、第2の増幅器6が後段アンプ部9に接続されているときの駆動パルスP2とを、大,小に制御している。また、第1の増幅器5と第2の増幅器6は、それぞれの増幅率を異ならせた状態で設定できる。したがって、図4に例示の如く、煙濃度が零の通常状態において、第1の出力電圧V1と第2の出力電圧V2とが同等(あるいは近い値)になるように設定できる。そして、信号処理回路16Aは、この場合の電圧差ΔVに基づいて通常状態の煙検出信号を出力する。
ところで、後段アンプ部9の増幅率を調整して第1の受光素子2による第1の出力電圧V1が所望の電圧特性となるように設定しても、上記第1の受光素子2と第2の受光素子3との間の素子ばらつき、第1,第2の受光素子2,3が設置されるケースの成形ばらつきなどの光学系ばらつきによって、第2の受光素子3による第2の出力電圧V2の特性にはばらつきが生じる。この第2の出力電圧V2の特性ばらつきは、電圧差ΔV,ΔVaのばらつきを招く。よって、このばらつき対策としては、マイクロコンピュータ16により、第1,第2の出力電圧V1,V2の煙濃度が零のときの初期値V1(0),V2(0)の比V1(0)/V2(0)を算出して補正値Aとして記憶させておく。そして、使用中における第2の出力電圧V2,V2aに上記補正値Aを乗算した値A×V2,A×V2aと第1の出力電圧V1,V1aとの電圧差(V1−A×V2),(V1a−A×V2a)を補正後の電圧差ΔVとして採用することで、素子ばらつき,光学系ばらつきを補正することができる。
また、この実施形態では、図2に示すように、上記発光素子1は、発光正面1Aからの出射光が上記煙検出部18に入射すると共に、側面1Bからの出射光が上記第2の受光素子3に入射するように配置されている。これにより、発光正面1Aからの比較的光量が大きい出射光を上記煙検出部18に入射させると共に側面1Bからの比較的小光量の出射光を第2の受光素子3に直接入射させることができるので、煙検知感度の向上を図れると共に消費電流の低減も可能となる。また、この実施形態では、図2に示すように、集積回路(IC)である増幅回路4を第1の配線31で第1の受光素子2に接続し、第2の配線32で第2の受光素子3を増幅回路4に接続した。そして、この第1の配線31と第2の配線32とを略同等の線長としたと共に上記線長が最短になるように増幅回路4に対して第1,第2の受光素子2,3を配置した。これにより、第1,第2の配線31,32に乗るノイズ量を低減できると共に第1の配線31に乗るノイズ量と第2の配線32に乗るノイズ量を同等にできる。よって、第1の出力信号と第2の出力信号との差が、ノイズによって変動することを抑制できる。
なお、上記実施形態では、増幅部としての後段アンプ部9を備えたが後段アンプ部9はなくてもよい。また、上記実施形態の煙センサを備えた電子機器によれば、温度変化等の外乱や素子劣化に起因する煙の誤検出を回避できる。
(参考例)
次に、この発明の煙センサの参考例を説明する。この参考例は、図1に示すマイクロコンピュータ16が記憶部としてのレジスタ16Bを備える点と、信号処理回路16Aの制御と信号処理の内容とが前述の実施形態と異なる。よって、この参考例では、前述の実施形態と異なる点を主に説明する。
この参考例の煙センサは、上記マイクロコンピュータ16のレジスタ16Bに第1の初期値V1(0)と第2の初期値V2(0)とが記憶されている。この第1の初期値V1(0)は、上記煙検出部18内の煙濃度が零である場合に上記第1の増幅器5から出力されて上記後段アンプ部9で増幅された第1の出力信号の値である。また、上記第2の初期値V2(0)は、上記煙検出部18内の煙濃度が零である場合に上記第2の増幅器6から出力されて上記後段アンプ部9で増幅された第2の出力信号の値である。なお、この第1,第2の初期値V1(0),V2(0)は、上記マイクロコンピュータ16でもって、前述の第1実施形態で図3のタイミングチャートを参照して説明した制御内容と同様の制御を駆動回路11と制御回路8とを制御することで得られる。また、上記第1,第2の初期値V1(0),V2(0)は、例えば、工場出荷の段階において、予め初期状態として計測される。
次に、この参考例では、実使用において、上記マイクロコンピュータ16の信号処理回路16Aには、上記第1の増幅器5から出力されて上記後段アンプ部9で増幅された第1の出力信号と、上記第2の増幅器6から出力されて上記後段アンプ部9で増幅された第2の出力信号とが入力される。そして、上記信号処理回路16Aは、上記第1の出力信号の値V1(k)と第2の出力信号の値V2(k)と、上記第1,第2の初期値V1(0),V2(0)とから、次式(1)で判定値を算出する。
判定値={V1(k)×V2(0)/V2(k)−V1(0)} …(1)
そして、上記信号処理回路16Aは、上記判定値が予め定められた検出しきい値Vth1を超えると煙検出信号を出力する。なお、この検出しきい値Vth1は、予め上記記憶部としてのレジスタ16Bに格納されている。
図5に、上記第1,第2の初期値V1(0),V2(0)と、上記第1,第2の出力信号の値V1(k),V2(k)、および上記検出しきい値Vth1を例示する。図5において、縦軸が煙濃度k(%)を表し、横軸が出力信号の値を表している。上記判定式(1)の左辺の第1項は、或る時刻に計測した第1の出力信号の値V1(k)に、第2の出力信号の初期値V2(0)と上記時刻に計測した第2の出力信号の値V2(k)との比を乗じた値である。この第1項(V1(k)×V2(0)/V2(k))は、或る時刻(任意の時間)に計測した第1の出力信号V1(k)を、初期状態(例えば25℃の周囲温度で発光素子(LED)1の劣化がない状態)での値に換算することを意味する。
なお、この換算を有効なものとするには、第1,第2の受光素子2,3を同一の構造とし、第1,第2の増幅器5,6を同一のチップで構成して温度特性,経年変化特性が実質的に一致していることが求められる。一方、発光素子(LED)1、発光素子1の駆動回路11は単一であり、発光素子1と駆動回路11に起因して第1の出力信号V1(k)と第2の出力信号V2(k)との特性差を招くことはない。
ここで、図6を参照して、発光素子1が経年変化によって、出力が低下した場合の上記換算の一例を説明する。図6において、V10(k)は経年変化がない場合の第1の出力信号を表し、V20(k)は経年変化がない場合の第2の出力信号を表している。また、V1d(k)は経年変化後の第1の出力信号を表し、V2d(k)は経年変化後の第2の出力信号を表している。例えば、発光素子1の出力が経年変化によって20%低下して初期値の0.8倍になった場合、上記判定式の第1項のV2(0)/V2(k)は、1/0.8=1.25となるので、上記判定式の第1項は、V1(k)×1.25となり、劣化前の初期状態での計測値に補正されることとなる。なお、周囲温度の変化に対しても、同様に初期状態(例えば25℃)での計測値に補正できることとなる。
したがって、上記判定式(1)の第1項は、第1の出力信号の値(電圧)V1(k)を初期状態に補正した値となる。よって、この第1項と、初期状態(煙なし)の第1の出力信号の値(電圧)V1(0)との差は、初期状態に換算した第1の出力信号V1の変化量を表すことになる。したがって、上記変化量つまり判定式(1)の値が上記検出しきい値Vth1を越えたときに、上記信号処理回路16Aは煙を検出したことを表す煙検出信号を出力する。
これにより、この参考例によれば、煙検出の精度を向上でき誤検出なく安定した煙検出を行える。
(第1変形例)
次に、上記参考例の第1の変形例を説明する。
まず、煙センサの煙検出部での煙の状態の変化に対しての煙センサの安定性について説明する。煙センサは、センサ周囲の煙濃度が一定濃度を超えたときに、煙検出部に入った煙による反射光が第1の受光素子2に一定量以上入ったことで煙を検知する一方、煙センサ周囲の煙濃度が一定濃度以下であるときに、煙検出部に入った煙による反射光が第1の受光素子2に入っても非検知状態としなければならない。
一方で、一般に煙センサでは、煙を検知した場合、煙検出信号としてブザーやスピーカーにより警報音をならすものが多い。特に、スピーカー付の煙センサにおいては、より確実に警報を伝えるためにその音量は大きくなり、また擬音や音声音に使う周波数も高くなる傾向にある。このような煙センサでは、ブザーやスピーカーを取り付けている筐体の振動も大きくなり、その振動は煙検出部の煙の状態にも影響する。周囲の煙濃度が一定でも、警報が鳴る前の状態と警報が鳴っている状態で、煙検出部の煙による散乱光(反射光)が異なる2状態を有することになる。例えば、図7に示すように、警報が鳴っていない状態での第1の出力信号V1(k)と警報が鳴っている状態での第1の出力信号V1v(k)とが異なる値となる。
このため、煙検出に対する検出レベルとしての検出しきい値Vth1だけでは、上述のような振動により煙検出部18の煙の状態が変化した場合、誤検出を起こす可能性が出てくる。例えば、一旦煙検出して警報を鳴らした後、煙の状態が警報の振動によって変化して、第1の出力信号の値V1(k)が低下して判定値が検出しきい値Vth1を下回ると非検出になる。そして非検出になると警報が鳴り止み、振動がなくなり、第1の出力信号V1(k)のレベルが上がり(元に戻り)、判定値が検出しきい値Vth1を上回ると再び検出する。このように検出と非検出とを繰り返すハンチング状態となるが、このとき、周囲の煙状態に変化はなく、煙検出を維持して警報を鳴らし続けるべき状態になっていて、煙センサとして、安定して警報を鳴らし続けなければいけない状態である。
上述の警報時のスピーカー等の振動による誤検知を防ぐために、この参考例の変形例では、上記信号処理回路16Aは、上記検出しきい値Vth1よりも小さい非検出しきい値Vth2を下回ったときに上記煙検出信号の出力を停止する。この非検出しきい値Vth2は例えば上記レジスタ16Bに記憶させている。すなわち、この変形例では、非検出状態から検出状態を判定する判定レベルである検出しきい値Vth1に加えて、検出状態から非検出状態への移行を判定するための判定レベルとして非検出しきい値Vth2を設けている。
この変形例では、図8の状態(1)、(2)、(3)、(4)に示すように、上記判定値が検出しきい値Vth1を超えると検知状態となって警報(煙検出信号)を発し、次に、図8の状態(5)に示すように、上記判定値が検出しきい値Vth1よりも小さくなっても非検出しきい値Vth2以上の領域では警報を発し続け、図8の状態(6)に示すように、さらに上記判定値が小さくなって非検出しきい値Vth2を下回ると警報を停止する。これにより、振動等の外乱に起因する判定値の微小な変動によって煙検出信号の出力と停止とを繰り返すといったハンチング現象を回避できる。
なお、上記非検出しきい値Vth2は、例えば、上記検出しきい値Vth1に0.5を乗算した値としてもよく、上記検出しきい値Vth1に0.5を乗算した値から50mVを減算した値、または、上記検出しきい値Vth1に対して一定の四則演算(加減乗除)を行った値に設定してもよい。このような演算は、図1に示すマイクロコンピュータ16のアキュミュレータとレジスタを使って、簡単なプログラムで実行できる。
(第2変形例)
次に、上記参考例の第2変形例を説明する。
まず、前述の参考例で用いた判定式(1)と従来例における判定式(2)とを比較する。
判定値={V1(k)×V2(0)/V2(k)−V1(0)} … (1)
判定値=V1(k)−V1(0) … (2)
前述したように、参考例での判定式(1)は、従来例の判定式(2)と比べて、第1項において、V1(k)に対し、V2(0)/V2(k)を乗算している点が異なる。上記判定式(1)では、主に発光素子(LED)の劣化や周囲温度の変化に対する補正をかけている。したがって、この判定式(1)による判定精度を充分に確実なものとするには、第1の出力信号の値V1(k),V1(0)の精度を上げる同時に第2の出力信号の値V2(0),V2(k)の精度もより以上に上げる必要がある。
ところで、受光素子で光を電流に変換した電流信号を電流電圧変換を行う増幅器で電圧信号に変換して増幅する構成では、出力信号は主に初段の電流電圧変換を行う増幅器で使用する抵抗による熱雑音がこの増幅器で増幅されたノイズ成分に重畳され、出力信号のジッタ(揺らぎ)となって現れる。
したがって、第1の出力信号の値(電圧)V1(k)も第2の出力信号の値(電圧)V2(k)も実際は、程度の差こそあれ、信号のジッタ(揺らぎ)を有するものである。また、このジッタ(揺らぎ)が、煙検出精度に対して大きな影響を有するものである。逆に言うと、このジッタ(揺らぎ)自体を低減したり、このジッタ(揺らぎ)の影響を低減することによって、煙検出精度を上げることが可能となる。
また、第1の出力信号の値(電圧)V1(k)に対しては、煙検出部18の光学系の伝達関数や、消費電流の制限や製品コストからの制約等により、入射光量を大きくするにも限りがある。これに対して、第2の出力信号の値(電圧)V2(k)は、第1の出力信号の値(電圧)V1(k)に対して周囲温度やLEDの経年変化による影響を補正することが目的である。よって、第2の受光素子3への入射光量を大きくし、電流電圧変換の抵抗値や増幅器6の増幅率を小さくすることによって、第2の出力信号のノイズ自体を低減することが可能である。
具体的には、図2に示したように第2の受光素子3をLEDからなる発光素子1に隣接させて配置することが望ましい。そして、発光素子1から第2の受光素子3へ十分大きな光が確保できるように導光路19を確保すればよい。
図1に示す後段の増幅器である後段アンプ部9は、第1の増幅器5と第2の増幅器6とで共通で使用する構成になっている。この構成においては、後段アンプ部9の増幅率は、第1の出力信号V1(k)を最適化するように調整することになる。したがって、第2の出力信号V2(k)に対しては、電流電圧変換の抵抗値を選択することにより調整可能となる。すなわち、第2の増幅器6における第2の電流電圧変換の抵抗値を第1の増幅器5の第1の電流電圧変換用抵抗値に対して、十分に小さい抵抗値とすることにより、第2の出力信号V2(k)のノイズ(揺れ)を低減することが可能となる。
この第2変形例では、図9A,図9Bに示す第1,第2の増幅器55,56を採用する。この第1の増幅器55は、第1の受光素子2を入力とし、増幅器55Aの入出力間に抵抗R1と容量C1を接続してなる電流電圧変換アンプである。また、上記第2の増幅器56は、第2の受光素子3を入力とし、増幅器56Aの入出力間に抵抗R2と容量C2を接続してなる電流電圧変換アンプである。
この第2変形例では、少なくとも第2の増幅器56の増幅率を第1の増幅器55の増幅率に対して、1/50以下に設定している。例えば、第2の受光素子3の受ける光量を第1の受光素子2の受ける光量の100倍に設定すると、第2の電流電圧変換の抵抗値R2は、第1の電流電圧変換の抵抗値R1の1/100に設定できる。この場合、熱雑音は抵抗値の2分の1乗(R1/2)に比例することから、第2の増幅器56の熱雑音を第1の増幅器55の熱雑音の約1/10に低減でき、S/Nを10倍改善できることになる。また、第2の受光素子3の受ける光量を第1の受光素子2の受ける光量の50倍に設定して、第2の電流電圧変換の抵抗値R2は、第1の電流電圧変換の抵抗値R1の1/50に設定すれば、熱雑音を約1/7に低減できることになり、S/Nは7倍改善される。
また、回路規模は少し大きくなるが、後段アンプ部9の増幅率を第1,第2の増幅器55,56と独立して設定できる構成とすれば、初段の第2の増幅器56の電流電圧変換の抵抗値を第1の増幅器55と同一に大きく設定し、後段アンプ部9の増幅率を第2の増幅器56の1/100に設定することが可能であり、熱雑音を1/100にすることができる。この場合、S/Nは100倍改善できることになる。S/Nの改善からすると、できる限り初段の増幅率を大きく設定することが有効である。
さらに、S/Nを改善するために、増幅器の帯域を制限することが有効である。熱雑音は周波数帯域Δfの2分の1乗(Δf1/2)に比例するからである。一方で、増幅器の帯域を狭くして行くと増幅器の周波数応答が遅くなる。また、増幅器の帯域を極端に狭くして行くと増幅率が低下する。このため、回路規模や応答特性が許される範囲において、Q値を確保したバンドパスフィルタを有する増幅器を採用すればよい。
(第3変形例)
次に、上記参考例の第3変形例を説明する。この第3変形例では、まず、製品を工場から出荷する前のテストの工程において、上記マイクロコンピュータ16は、電源投入後に上記第2の増幅器6の出力信号を後段アンプ部9で増幅した第2の出力信号の値を連続して複数回、例えば10回、計測した値の平均値を、上記電源投入後の1回目の判定で上記判定値を算出するための上記第2の出力信号の値V2(0)とする。また、第1の出力信号の値V(0)も、電源投入後に上記第1の増幅器5の出力信号を後段アンプ部9で増幅した第1の出力信号の値を連続して複数回、例えば10回、計測した値の平均値を、上記電源投入後の1回目の判定で上記判定値を算出するための上記第2の出力信号の値V2(0)とする。
また、実使用時の計測においても、上記マイクロコンピュータ16は、電源投入後に上記第2の出力信号の値を連続して複数回(例えば10回)計測した平均値を、上記電源投入後の1回目の判定で上記判定値を算出するための上記第2の出力信号の値V2(k)とする。また、電源投入後に上記第1の出力信号の値を連続して複数回(例えば10回)計測した平均値を、上記電源投入後の1回目の判定で上記判定値を算出するための上記第1の出力信号の値V1(k)とする。
このように、一例として10回の複数回の計測値の平均値を第1,第2の出力信号の値V1(0),V2(0),V1(k),V2(k)とすることにより、前述の増幅器の帯域を制限することと同等の効果を得ることができる。図10に例示する第1の出力信号の値V1(S0)は1回の計測値による値をプロットしたものであり、第1の出力信号の値V1(S1)は、第1の出力信号の10回の計測値(高速サンプリングによる)の平均値をプロットしたものである。第1の出力信号の値V1(S1)の変動は、第1の出力信号の値V1(S0)に比べて約3分の1に低減されている。
ところで、上記平均値を求めるに際し、計測回数を多いほど、精度を上げることができるものの、計測回数を増やすと、テスト工程においてはテスト時間の増大によるコスト増加を招くし、実使用においては発光素子1の発光回数の増加に伴い消費電流の増大や発光素子の経年変化が増大するといったデメリットも発生する。
そこで、たとえば、第1の出力信号の値(電圧)V1(k)については、上記信号処理部16Aは、i回目(iは1以上の自然数)の判定で上記判定値が上記検出しきい値Vth1を超えた場合、次の(i+1)回目の判定では、上記第1の増幅器5からの第1の出力信号の値を連続して複数回(例えば10回)計測した値の平均値を上記判定値を算出するための上記第1の出力信号の値V1(k)とする。一方、上記i回目(iは1以上の自然数)の判定で上記判定値が上記検出しきい値Vth1を超えなかった場合は、次の(i+1)回目の判定では、上記第1の出力信号の値を1回だけ計測した値を上記判定値を算出するための上記第1の出力信号の値V1(k)とする。
これにより、煙を検出したi回目の判定の次の(i+1)回目の判定では、第1の出力信号の値V1(k)の信頼性を上げることで、煙を検出する可能性が高い(i+1)回目の判定の判定精度を向上できる。一方、煙を検出しなかったi回目の判定の次の(i+1)回目の判定では、1回の測定に止めるので、消費電力の増大や発光素子1の経年変化の増大を抑えることができる。
なお、上記平均値を求めるための測定の回数としては、10回から20回程度が実用的である。例えば、判定の周期が10秒である場合においては、上記平均値を求めるための連続測定を、例えば100ms以下の周期で繰り返し計測すれば、10回測定しても1秒以下で計測でき、10秒周期の判定に支障はでない。
また、この第3変形例では、上記マイクロコンピュータ16は、上記(i+1)回目の判定で、上記第1の増幅器5からの第1の出力信号の値を連続して複数回(例えば10回)計測した値の平均値を上記判定値を算出するための上記第1の出力信号の値V1(k)とした場合は、この(i+1)回目の判定の次の(i+2)回目と(i+3)回目の2回の判定では、上記第1の出力信号の値を連続して複数回(例えば10回)計測した値の平均値を上記判定値を算出するための上記第1の出力信号の値V1(k)とする。そして、上記(i+2)回目と(i+3)回目の2回の判定の両方において上記判定値が上記非検出しきい値Vth2を下回った場合、次の(i+4)回目の判定では、上記第1の出力信号の1回の計測値を上記判定値を算出するための上記第1の出力信号の値V1(k)とする。一方、上記(i+2)回目と(i+3)回目の2回の判定のうちの少なくとも一方において上記判定値が上記非検出しきい値Vth2以上であった場合、次の(i+4)回目の判定では、上記第1の出力信号の値を連続して複数回(例えば10回)計測した値の平均値を上記判定値を算出するための上記第1の出力信号の値V1(k)とする。
これにより、判定値が非検出しきい値Vth2以上である可能性が比較的大きい場合には、連続した複数回の計測(高速サンプリング計測)の平均値による第1の出力信号の値V1(k)を採用するので、煙検出精度を確保できる。
また、上記第3変形例では、上述した様に、上記第2の増幅器6からの第2の出力信号の値V2(k)として、電源投入後に上記第2の出力信号の値を連続して複数回(例えば10回)計測した平均値を採用しているので、第2の出力信号の値V2(k)の計測精度を維持できる。また、電源投入時だけ、上記複数回(n回)分のLED点灯時間が増えるだけであり、消費電流についても実用上の問題はない。
ところで、煙センサがバッテリ駆動である場合には、消費電流を絞る必要がある。この場合は、上記マイクロコンピュータ16は、電源投入後の2回目以降の判定では、それぞれ、上記第2の出力信号の値を一回だけ測定する。そして、電源投入後の2回目の判定では、電源投入後の1回目の判定に用いた上記第2の出力信号の値と、上記2回目の判定に際して測定した第2の出力信号の値との平均値を上記2回目の判定に用いる上記第2の出力信号の値V2(k)とする。そして、電源投入後の3回目以降のN回目(Nは3以上)の判定では、電源投入後の1回目の判定に用いた上記第2の出力信号の値と、上記N回目の判定に際して測定した第2の出力信号の値と、直近の判定で用いた予め定められた上限個数以下の上記第2の出力信号の値の測定値との平均値を、上記N回目の判定に用いる上記第2の出力信号の値V2(k)とする。
すなわち、第2の出力信号V2(k)が煙等に関係ない補正のためのモニタ計測値であることに着目し、バッテリ駆動等で消費電流を絞る必要がある場合には、第2の出力信号については判定周期ごとに1回の計測とし、発光素子(LED)1の点灯回数を増やすことなく、上記第2の出力信号の値V2(k)を安定化させる。なお、上記平均を取る計測値の個数は、10〜20個程度でよい。すなわち、例えば、30回目の判定では、電源投入後の1回目の判定に用いた上記第2の出力信号の値と、直近の22回目から30回目までの9回の判定での計測値とからなる10個の計測値の平均値を30回目の判定で用いる第2の出力信号の値V2(k)とする。
図10に例示する第2の出力信号の値V2(S2)は、電源投入後の1回目および直近の9回の第2の出力信号の計測値とからなる10個の計測値の平均値である。この第2の出力信号の値V2(S2)は、図10に示すように、第1の出力信号の値V1(S1)に比べても安定しており、V1(S1)に対して殆ど変動していないと言える。これは、第1の受光素子2への入射光量に比べて第2の受光素子3への入射光量を十分大きくして、第2の増幅器6の増幅率(電流電圧変換抵抗の値)を十分小さくできたことと、上述の平均値手法との相乗効果によって実現できたものである。
なお、上記参考例では、増幅部としての後段アンプ部9を備えたが後段アンプ部9はなくてもよい。また、上記参考例の煙センサを備えた電子機器によれば、温度変化等の外乱や素子劣化に起因する煙の誤検出を回避できる。
この発明の煙センサの第1実施形態の信号処理系の構成を示す回路図である。 上記実施形態の煙センサが有する発光素子と受光素子等の配置を模式的に示す配置図である。 上記実施形態の動作状態を示す駆動パルス,出力電圧の波形図である。 上記実施形態による煙濃度と出力電圧との関係の一例を示す特性図である。 この発明の煙センサの参考例での判定式を説明するためのグラフである。 上記参考例での判定式による補正内容を説明するためのグラフである。 上記参考例の第1の変形例の判定動作を説明するためのグラフである。 上記参考例の第1の変形例での判定値と検知状態,非検知状態の状態遷移との関係を示す図である。 上記参考例の第2の変形例が有する第1の増幅器を示す図である。 上記参考例の第2の変形例が有する第2の増幅器を示す図である。 上記参考例の第3の変形例における第1,第2の出力信号の値の一例を示すグラフである。
1 発光素子
1A 発光正面
1B 側面
2 第1の受光素子
3 第2の受光素子
4 増幅回路
5、55 第1の増幅器
6、56 第2の増幅器
7 切り替えスイッチ
8 制御回路
9 後段アンプ部
9A,9B,9C アンプ
10 出力端子
11 駆動回路
12 壁
14 煙
16 マイクロコンピュータ
16A 信号処理回路
17 可変抵抗
18 煙検出部
19 導光路
21、22 外部入力端子
31 第1の配線
32 第2の配線

Claims (10)

  1. 煙が導入される煙検出部と、
    上記煙検出部に向けて光を発する発光素子と、
    上記発光素子から出射されて上記煙検出部内の煙によって散乱された散乱光を受光する第1の受光素子と、
    上記発光素子からの出射光を上記煙検出部を経由せずに受光する第2の受光素子と、
    上記第1の受光素子が出力する第1の受光信号を増幅する第1の増幅器と、
    上記第2の受光素子が出力する第2の受光信号を増幅する第2の増幅器と、
    上記第1の増幅器が出力する第1の出力信号と上記第2の増幅器が出力する第2の出力信号との差に基づいて、煙検出信号を出力する信号処理部と、
    上記第1の増幅器による上記第1の出力信号と上記第2の増幅器による上記第2の出力信号とが選択的に入力されると共に上記第1、第2の出力信号を増幅して上記信号処理部に出力する増幅部を備えることを特徴とする煙センサ。
  2. 請求項に記載の煙センサにおいて、
    上記第1の出力信号または上記第2の出力信号のいずれか一方を上記増幅部に入力する切り替え部を備えることを特徴とする煙センサ。
  3. 請求項またはに記載の煙センサにおいて、
    上記第1および第2の増幅器は、それぞれ固定された増幅率を有し、
    上記増幅部は、増幅率が可変であることを特徴とする煙センサ。
  4. 請求項1からのいずれか1つに記載の煙センサにおいて、
    上記発光素子を上記第1の受光素子に対応した第1の駆動電流で駆動する第1の駆動状態と、上記発光素子を上記第2の受光素子に対応した第2の駆動電流で駆動する第2の駆動状態とを切換え可能な駆動部を備えることを特徴とする煙センサ。
  5. 請求項に記載の煙センサにおいて、
    上記駆動部は、上記第1、第2の駆動電流によって上記発光素子をパルス発光させることを特徴とする煙センサ。
  6. 請求項1からのいずれか1つに記載の煙センサにおいて、
    上記発光素子は、
    発光正面からの出射光が上記煙検出部に入射すると共に、側面からの出射光が上記第2の受光素子に入射するように配置されていることを特徴とする煙センサ。
  7. 請求項1からのいずれか1つに記載の煙センサにおいて、
    上記第1および第2の増幅器を含んだ集積回路と、
    上記第1の受光素子を上記集積回路に接続する第1の配線と、
    上記第2の受光素子を上記集積回路に接続する第2の配線とを有し、
    上記第1の配線と第2の配線とが同等の線長となる条件の基で上記線長が最短となるように上記集積回路に対して上記第1の受光素子と第2の受光素子を配置したことを特徴とする煙センサ。
  8. 請求項に記載の煙センサにおいて、
    上記第1の出力信号または上記第2の出力信号のいずれか一方を上記増幅部に入力する切り替え部と、
    上記発光素子を上記第1の受光素子に対応した第1の駆動電流で駆動する第1の駆動状態と、上記発光素子を上記第2の受光素子に対応した第2の駆動電流で駆動する第2の駆動状態とを切換え可能な駆動部と、
    上記切り替え部と上記駆動部とを制御すると共に上記信号処理部を含んでいるマイクロコンピュータを有し、
    上記マイクロコンピュータは、
    上記駆動部を上記第1の駆動状態としたときに、上記切り替え部が上記第1の出力信号を上記増幅部に入力するように上記切り替え部を制御する一方、上記駆動部を上記第2の駆動状態としたときに、上記切り替え部が上記第2の出力信号を上記増幅部に入力するように上記切り替え部を制御することを特徴とする煙センサ。
  9. 請求項1からのいずれか1つに記載の煙センサにおいて、
    上記信号処理部は、
    上記煙検出部内の煙濃度が零である場合の上記第2の増幅器の出力値に対する上記煙検出部内の煙濃度が零である場合の上記第1の増幅器の出力値の比を補正値として記憶すると共に上記補正値を乗算した上記第2の出力信号と、上記第1の出力信号との差に基づいて、上記煙検出信号を出力することを特徴とする煙センサ。
  10. 請求項1からのいずれか1つに記載の煙センサを備えた電子機器。
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