JP2007121145A - 光電式ほこりセンサ装置および空気清浄機および空気調和機 - Google Patents

光電式ほこりセンサ装置および空気清浄機および空気調和機 Download PDF

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Abstract

【課題】高感度でかつ検出範囲の広い光電式ほこりセンサ装置およびそれを用いた空気清浄機および空気調和機を提供する。
【解決手段】空気中を浮遊する異物11を検出するための異物検出領域に光を出射する発光部10と、異物検出領域に浮遊する異物11からの反射光を受光する受光部20と、発光部10の動作を制御する制御部30dと、受光部20の出力信号を増幅する第1〜第3の増幅回路31,32,34と、第3の増幅回路34の出力信号に基づいて、異物11の有無または濃度を検出する異物検出部30bと、発光部20から光を出射しないときの第3の増幅回路34からの出力信号に含まれるノイズ成分の信号の周期およびパルス幅を検出するノイズ検出部30cとを備える。制御部30dは、ノイズ検出部30cの検出結果に基づいて、ノイズ検出部30cに対するノイズ成分の影響が少なくなるように発光部10の発光周期を制御する。
【選択図】図1

Description

この発明は、光電式ほこりセンサ装置および空気清浄機および空気調和機に関し、詳しくは、ほこりやたばこの煙等の空気中を浮遊する異物を検出する光電式ほこりセンサ装置およびそれを用いた空気清浄機および空気清浄機能付き空気調和機に関する。
従来、光電式ほこりセンサ装置としては、パルス駆動されたLED(発光ダイオード)からの光を、ほこりやタバコの煙粒子等の異物で反射させて、その反射光を受光素子で捉えて電気信号に変換し、変換された電気信号を増幅してパルス出力するものがある(例えば、特開平8−62136号公報(特許文献1)参照)。
このような光電式ほこりセンサ装置の具体的な構成を図6に示しており、A/D変換部120を有するマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)130と、駆動回路121と、発光素子101と、受光素子102と、第1の増幅回路131と、第2の増幅回路132と、第3の増幅回路133とを備える。
上記マイコン130は、駆動回路121にパルス信号を出力し、そのパルス信号を受けて、駆動回路121は、マイコン130から発光素子101の駆動や停止を行う。また、3段の増幅回路構成を形成している第1〜第3の増幅回路131,132,133は、受光素子102から出力された非常に小さなアナログ信号を、マイコン130が読み取れるまで増幅して、この増幅されたアナログ信号をマイコン130に出力する。そして、上記マイコン130は、増幅されたアナログ信号をA/D変換部120によりデジタル信号に変換して、このデジタル信号に基づいて異物の濃度を算出する。
また、図7は図6に示す光電式ほこりセンサ装置のセンサ部の断面図を示している。この光電式ほこりセンサ装置は、発光素子101を、発光面がケース105の略中央部を向くように、ケース105の上側の一方のコーナー部に配置している。また、受光素子102を、受光面がケース5の略中央部を向くように、ケース105の上側の他方のコーナー部に配置している。上記発光素子101の発光面の前面側には、光のビーム径を絞るためのレンズ107を配置し、受光素子102の受光面の前面側には、光を集光するためのレンズ108を配置している。また、上記発光素子101の発光面とレンズ107との間スリット115を設け、発光素子101からの出射された光のうちでスリット115を通過した光のみがケース5の内部領域103に放射される。また、同様に、上記受光素子102の受光面とレンズ108との間にスリット116を設け、このスリット116を通過した光のみが受光面に到達する。上記発光素子101の光軸と受光素子102の光軸が交わったエリアが検出エリア112となる。上記スリット115はビームが広がらないようにし、スリット116は反射等による不要光を遮断する。これは、発光素子101からのビームが広いと、ケース105内部であらゆる方向からの不要反射光のため、ほこりや煙が無い時でもこれらの光を受け、出力レベルが大きくなるためである。
図7に示すように、紙面の垂直方向のケース105の二つの面には、夫々の中央部分に、ケース105の内外を連通させるほこり通過穴110を形成している。そして、汚染源からの異物がこのほこり通過穴110を介してケース105の内部領域103に浸入できるようになっている。そうして、発光素子101からのパルス光をほこりや煙粒子111で反射させ、その反射光を受光素子102により捉えて、第1〜第3の増幅回路131,132,133(図6に示す)により増幅してパルスを出力する。
図8は上記光電式ほこりセンサ装置のLED駆動電流パルスと出力パルスの波形を示しており、図8に示すように、周期T、パルス幅Pwで発光素子101をパルス駆動する。
上記受光素子102で捉えた検出信号は非常に小さな信号であり、図6に示す構成図のようにマイコン130が読み取れるレベルまで増幅するため、複数段の増幅回路を必要とする。
また、上記光電式ほこりセンサ装置では、出力パルスの波高値は、ほこりやたばこの煙の反射光量に比例し、粉塵濃度やほこりの大きさが大きい程レベルが高くなる。
さらに、ほこりやたばこの煙が無い時においても出力レベルがあるが、ケース105内部での検出物以外での不要光によるものである。これは、あってもこのレベルをベースに検出有り時の変化分をみるため、S/N(信号雑音比)には影響しない。
これに対して、光電式ほこりセンサ装置内部のIC(Integrated Circuit:集積回路)等で発生する電気ノイズや外部ノイズによるものは、図8の出力パルスの波形に示すように、検出パルスにノイズが重畳するため、S/Nに大きく影響する。
このため、高感度でかつ検出範囲の広い光電式ほこりセンサ装置を実現することができないという問題がある。光電式ほこりセンサ装置の高感度を実現するためには、高感度を阻害するノイズにいかに対処するかが課題となる。
特開平8−62136号公報
そこで、この発明の目的は、高感度でかつ検出範囲の広い光電式ほこりセンサ装置およびそれを用いた空気清浄機および空気調和機を提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明の光電式ほこりセンサ装置は、
空気中を浮遊する異物を検出するための異物検出領域に光を出射する発光部と、
上記異物検出領域に浮遊する上記異物からの反射光または上記異物検出領域を透過した透過光を受光する受光部と、
上記発光部の動作を制御する制御部と、
上記受光部の出力信号を増幅する増幅部と、
上記増幅部の出力信号に基づいて、上記異物の有無または濃度を検出する異物検出部と、
上記増幅部からの出力信号に含まれるノイズ成分の信号の周期またはパルス幅の少なくとも周期を検出するノイズ検出部と
を備え、
上記制御部は、上記ノイズ検出部の検出結果に基づいて、上記異物の有無または濃度を検出する上記異物検出部に対する上記ノイズ成分の影響が少なくなるように上記発光部の発光周期を制御することを特徴とする。
上記構成の光電式ほこりセンサ装置によれば、空気中を浮遊する異物を検出するための異物検出領域に上記発光部から光を出射して、異物検出領域に浮遊する異物からの反射光または異物検出領域を透過した透過光を受光部により受光する。そして、上記受光部の出力信号を増幅部により増幅し、その増幅部の出力信号に基づいて、異物検出部により異物の有無または濃度を検出する。上記ノイズ検出部は、増幅部からの出力信号に含まれるノイズ成分の信号の周期またはパルス幅の少なくとも周期を検出し、その検出結果に基づいて、異物の有無または濃度を検出する異物検出部に対する上記ノイズ成分の影響が少なくなるように発光部から出射される光の周期を制御する。これにより、装置内で発生するノイズや外部からのノイズの影響を低減して、S/Nを向上できる。したがって、高感度でかつ検出範囲の広い光電式ほこりセンサ装置が実現できる。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサ装置は、上記制御部は、上記異物検出部に対する上記ノイズ成分の影響が少なくなるように、上記発光部から出射される光のパルス幅を制御することを特徴とする。
上記実施形態の光電式ほこりセンサ装置によれば、上記異物検出部に対するノイズ成分の影響が少なくなるように制御部により発光部から出射される光のパルス幅を制御するので、ノイズと合致しにくいパルス幅を選択することによって、ノイズの影響を容易に少なくできる。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサ装置は、上記制御部は、上記異物の有無または濃度を検出するときに上記異物検出部が上記増幅部の出力信号を、上記異物検出部に対する上記ノイズ成分の影響が少なくなるように読み取るタイミングを制御することを特徴とする。
上記実施形態の光電式ほこりセンサ装置によれば、上記異物検出部が異物の有無または濃度を検出するとき、制御部によって、異物検出部に対するノイズ成分の影響が少なくなるように異物検出部が増幅部の出力信号の読み取るタイミングを制御するので、ノイズと合致しにくい読み取りタイミングを選択することによって、効果的にノイズの影響を低減できる。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサ装置は、上記異物検出部に対する上記ノイズ成分の影響が少なくなるように、上記制御部は、上記発光部から出射される光の光量を制御することを特徴とする。
上記実施形態の光電式ほこりセンサ装置によれば、上記異物検出部に対するノイズ成分の影響が少なくなるように、制御部により発光部から出射される光の光量を制御するので、ノイズの影響を受けやすいときに発光部から出射される光の光量を増やすことにより受光部の出力信号が大きくなり、S/N向上できる。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサ装置は、上記制御部は、上記発光部から光を周期的に出射する動作を連続して行うか、または、上記発光部から光を周期的に出射する動作を間欠的に行うように、上記発光部を制御することを特徴とする。
上記実施形態の光電式ほこりセンサ装置によれば、必要に応じて、上記制御部により、発光部から光を周期的に出射する動作を連続して行うか、または、発光部から光を周期的に出射する動作を間欠的に行うことにより、効率よく異物の検出ができる。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサ装置は、上記制御部は、上記増幅部のゲインを制御することを特徴とする。
上記実施形態の光電式ほこりセンサ装置によれば、上記制御部により増幅部のゲインを制御するので、上記増幅部の出力信号の絶対値を可能な限り大きくすることによって、マイコン等での信号処理が容易にでき、分解能も向上できる。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサ装置は、
上記受光部からの出力信号に含まれるノイズ成分を減衰させるためのフィルタ部を備え、
上記制御部は、上記フィルタ部の周波数特性を制御することを特徴とする。
上記実施形態の光電式ほこりセンサ装置によれば、上記制御部によりフィルタ部の周波数特性を制御することによって、フィルタ部により受光部からの出力信号に含まれるノイズ成分を減衰させるので、受光部からの出力信号に含まれるノイズ成分に応じた効果的なノイズ除去が可能となる。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサ装置は、
上記増幅部に上記受光部からの出力信号を入力するか、上記増幅部に基準電位を接続するかを切り替える切替部を備え、
上記制御部は、上記切替部により上記増幅部に基準電位を接続した状態で上記増幅部からの出力信号に含まれるノイズ成分の信号の周期またはパルス幅の少なくとも周期に基づいて、上記発光部の発光周期を上記ノイズ成分の影響が少なくなるように、上記発光部を制御することを特徴とする。
上記実施形態の光電式ほこりセンサ装置によれば、上記増幅部に受光部からの出力信号を入力された状態から増幅部に基準電位を接続した状態に切替部により切り替えることによって、増幅部からの出力信号は、受光部の出力信号を含まないノイズ成分のみの信号となるので、ノイズ検出部によるノイズ成分の信号の周期またはパルス幅の少なくとも周期を容易にかつ正確に検出できる。
また、この発明の空気清浄機は、上記のいずれか1つの光電式ほこりセンサ装置を使用したことを特徴する。
上記実施形態の空気清浄機によれば、上記光電式ほこりセンサ装置を用いることによって、高感度でかつ検出範囲の広いほこりセンサ機能を備えた空気清浄機を実現することができる。
また、この発明の空気調和機は、上記のいずれか1つの光電式ほこりセンサ装置を使用した空気清浄機能を有することを特徴とする。
上記実施形態の空気調和機によれば、上記光電式ほこりセンサ装置を用いることによって、高感度でかつ検出範囲の広いほこりセンサ機能を備え、そのほこりセンサ機能を用いて空気清浄運転を可能とする空気調和機を実現することができる。
以上より明らかなように、この発明の光電式ほこりセンサ装置および空気清浄機および空気調和機によれば、高感度でかつ検出範囲の広い光電式ほこりセンサ装置を実現することができる。また、この発明の光電式ほこりセンサ装置を用いて、高感度でかつ検出範囲の広いほこりセンサ機能を備えた空気清浄機および空気調和機を実現することができる。
以下、この発明の光電式ほこりセンサ装置および空気清浄機および空気調和機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の一形態の光電式ほこりセンサ装置の全体の構成を示している。
この実施形態の光電式ほこりセンサ装置は、図1に示すように、マイコン30と、上記マイコン30からの駆動用パルスと電流切替信号を受ける駆動回路21と、駆動回路21により駆動される発光部10と、空気中を浮遊する異物(ほこりまたは煙粒子)11からの反射光を受光する受光部20と、上記受光部20の出力信号を増幅する第1の増幅回路31と、上記第1の増幅回路31の出力信号を増幅する第2の増幅回路32と、上記第2の増幅回路32からの出力信号に含まれるノイズ成分を減衰させるためのフィルタ部33と、上記フィルタ部33の出力信号を増幅する第3の増幅回路34とを備える。上記第1〜第3の増幅回路31,32,34で増幅部を構成している。上記発光部10および受光部20は、ケース5(図2Aに示す)に収納され、発光部10と受光部20およびケース5でセンサ部を構成している。
また、上記受光部20の出力端子に切替部の一例としてのスイッチSWの一方の入力端子を接続し、スイッチSWの他方の入力端子をグランドGNDに接続すると共に、スイッチSWの出力端子を第1の増幅回路31の入力端子に接続している。上記スイッチSWは、異物11の有無または濃度を検出するときは、受光部20の出力端子と第1の増幅回路31の入力端子を接続している。
上記マイコン30は、外部の直流電源40の正極側が電源端子に接続され、直流電源40の負極側がグランド端子に接続されている。さらに、受光部20と、第1の増幅回路31と、第2の増幅回路32と、フィルタ部33と、第3の増幅回路34に直流電源40の電源電圧Vccが夫々接続されている。
上記マイコン30の電源端子に抵抗R1の一端を接続し、その抵抗R1の他端をコンデンサC1の一端に接続している。上記コンデンサC1の他端をマイコン30のグランド端子に接続している。また、コンデンサC1の両端の端子の夫々は、駆動回路21に接続されている。上記抵抗R1とコンデンサC1は、駆動回路21に印加する電圧を調整する役割を担っている。また、上記可変抵抗VR1は、第2の増幅回路32とグランドとの間に接続されて、出力信号の大きさを調整する役割を担っている。
上記マイコン30は、第3の増幅回路34の出力信号をA/D(アナログ/デジタル)変換するA/D変換部30aと、上記A/D変換部30aの出力信号に基づいて、異物(ほこりまたは煙粒子)11の有無または濃度を検出する異物検出部30bと、上記A/D変換部30aの出力信号に基づいて、出力信号に含まれるノイズ成分の信号の周期およびパルス幅を検出するノイズ検出部30cと、発光部10の動作を制御する制御部30dとを備える。
上記制御部30dは、駆動回路21に駆動用パルスと電流切替信号を出力し、マイコン30からの動用パルスを受けた駆動回路21は、発光部10への駆動パルスや停止の制御およびLED駆動電流の切替を行う。また、3段の増幅回路構成を形成している第1の増幅回路31,第2の増幅回路32および第3の増幅回路34は、受光部20から出力された非常に小さなアナログ信号を、マイコン30が読み取れるまで増幅して、この増幅されたアナログ信号をマイコン30に出力する。また、上記マイコン30は、増幅されたアナログ信号を受けて、このアナログ信号をA/D変換部30aによりデジタル信号に変換して、変換されたデジタル信号に基づいて異物検出部30bにより異物11の有無または濃度を算出する。
また、上記制御部30dは、可変抵抗VR1を制御することによって、第2の増幅回路32のゲインを制御すると共に、フィルタ部33を制御して、フィルタ部33の周波数特性を制御する。
図2Aは上記光電式ほこりセンサ装置のセンサ部の表板を外した状態の正面図を示している。この光電式ほこりセンサ装置のセンサ部は、図2Aに示すように、発光素子1の発光面が箱型のケース5の略中央部を向くように、発光素子1をケース5の上側の一方のコーナー部に配置している。また、受光素子2の受光面がケース5の略中央部を向くように、受光素子2をケース5の上側の他方のコーナー部に配置している。上記発光素子1の発光面の前面側には、光のビーム径を検出に最適なビーム径に絞るためのレンズ7を配置する一方、受光素子2の受光面の前面側には、光を集光するためのレンズ8を配置している。また、上記発光素子1の発光面とレンズ7との間にスリット15を設け、発光素子1からの出射された光のうちでスリット15を通過した光のみがケース5の内部領域3に放射される。同様に、受光素子2の受光面とレンズ8との間にスリット16を設け、このスリット16を通過した光のみが受光素子2の受光面に到達する。上記発光素子1にLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を用い、受光素子2にフォトダイオードを用いている。
上記発光素子1とレンズ7およびスリット15で発光部10を構成している。また、上記受光素子2とレンズ8およびスリット16で受光部20を構成している。なお、発光部や受光部の構成はこれに限らず、他の構成の発光部や受光部であってもよい。
この光電式ほこりセンサ装置では、スリット15,16を活用することによって、発光素子1の発光面から出射される光ビームの広がりを狭窄させて、ケース5の内部領域3に放射されてケース5の壁面で反射して受光面に到達するノイズ光としての不要光を遮断し、ほこりやタバコの煙等の異物が無い時でも、受光素子2の出力レベルが大きくならないようにしている。
図2Aに示すように、紙面の垂直方向のケース5の二つの側面の中央部分に、ケース5の内外を連通させるほこり通過穴13a,14aを夫々形成している(図2Aでは14aのみを示し、13aは図2Bに示す)。そして、汚染源からの異物がほこり通過穴13a,14aを介して異物検出領域であるケース5の内部領域3に浸入できるようになっている。そうして、発光素子1からのパルス光をほこりや煙粒子に反射させ、その反射光を受光素子2が捉えて電気信号に変換し、変換された電気信号を後段の増幅回路31,32,34(図1に示す)により増幅してパルスを出力する。
図2Bは上記光電式ほこりセンサ装置のセンサ部の正面図を示しており、図2Bに示すように、表板13の中央部分に円形のほこり通過穴13aを設けている。また、図2Cは上記センサ部の底面図を示しており、発光部10と受光部20が収まる裏板14の前面側を表板13により蓋をしている。さらに、図2Dは上記センサ部の背面図を示しており、裏板14の中央部分に円形のほこり通過穴14aを設けている。
光電式ほこりセンサ装置において、高感度を実現しようとすると、装置内部の部品から発生するホワイトノイズ(ICより発生)や外部からのノイズがS/N(信号雑音比)の阻害要因となる。このようなノイズが、光電式ほこりセンサ装置の検出周期や発光素子のパルス幅に近いと、フィルタを入れても、それにより検出信号も減衰して効果が無い。
そこで、ノイズ成分の周期やパルス幅をマイコン30で認識し、そのようなノイズと合致しにくい周期やパルス幅を選んで発光素子の駆動パルスとすれば良い。一般に、ノイズは、短期的(数μs〜数十ms)、長期的(数十ms〜数十秒)に周期性があることが多く、マイコン30はこの周期やパルス幅を認識して、ノイズの発生タイミングの少ないLED駆動パルスを作成し、LEDを駆動する。
例えば、10ms周期のノイズでパルス幅が200μsのノイズであることをマイコン30が認識したら、LED駆動周期をノイズの3倍の30msに替えて、駆動パルスのタイミングをノイズよりずらす。これにより、ノイズの影響をなくすことができる。
上記構成の光電式ほこりセンサ装置によれば、簡単な構成で装置内で発生するノイズや外部からのノイズの影響を低減して、S/Nを向上できる。また、S/Nが向上することによって、より検出感度を高めることができると共に、濃度検出範囲も広げることが可能となる。したがって、簡単な構成により高感度でかつ検出範囲の広い光電式ほこりセンサ装置を低コストで実現することができる。
当然、ノイズはランダムなものもあるが、空気清浄機でほこりや煙を検出するセンサでは、検出時においても出力レベルがしきい値を1回でも越えたらほこりや煙が有るものとみなすことは少なく、何回かしきい値を越えればほこりや煙有りと判断してコントロールが行われている。従って、対ノイズについて完璧に影響を無くさなくても良い。
なお、発光素子のパルス幅は周期を可変した場合、発光素子の駆動許容電力に問題が出てくるが、発光素子のパルス幅を可変にすれば問題はなくなる。
また、発光素子の発光周期やパルス幅は周期を可変した場合でも、デューティを同様にすれば、許容電力には問題が無い。
また、発光素子のパルス幅を変えた場合、読み取りタイミング(サンプリングタイミング)を替えると、ノイズ成分の影響を低減するのに効果的である。
図3は上記光電式ほこりセンサ装置のサンプリングタイミングを説明するためのLED駆動電流パルスと出力パルスの波形を示しており、図8の従来の場合に比べて発光素子の発光周期を長くした例を示している。また、図4は上記光電式ほこりセンサ装置のLED駆動電流パルスと出力パルスの波形を示しており、読み取りタイミング(サンプリングタイミング)を可変とした例を示している。図4に示すように、周期T、パルス幅Pwで発光素子1をパルス駆動する。
また、図5Aは上記光電式ほこりセンサ装置のセンサ部の表板13を外した状態の正面図であり、図5Bは図5Aにおいて異物がないときの状態を示しており、図5Cは図5Aにおいて異物11があるときの状態を示している。
図5Aに示すように、発光素子1の光軸L1と受光素子2の受光面の中心を通る法線L2とは、ケース5の略中央で交差しており、この交差点を含むほこり通過穴14aに対向する異物検出領域Sに発光素子1からパルス光が出射する。このとき、図5Bに示すように、異物検出領域Sに浮遊する異物がない場合、発光素子1からのパルス光は、ケース5内の下側の一方のコーナー部に到達した後、ケース5の内面で乱反射する。この乱反射した光が不要光として受光素子2に受光され、異物検出領域Sに浮遊する異物がない場合でも、受光素子1から受光信号が出力される。また、図5Cに示すように、異物検出領域Sに浮遊する異物11がある場合、発光素子1から出射した光は、異物11で乱反射する。この異物11で反射した光の一部が受光素子2に受光されて、受光素子1から受光信号が出力される。
上記光電式ほこりセンサ装置において、ノイズはある程度周期性はあるがランダムの場合もあり、このようなノイズの影響を受け易い時は、制御部30dからの電流切替信号により駆動回路21の駆動電流を切り替えることによってLED駆動電流を増やして、光量をアップすれば検出信号が大きくなり、S/Nが向上する。
また、上記駆動用パルスの周期は、必ずしも連続的とは限らず、ノイズの発生のない少ないタイミングを選んで間欠的に出力してもかまわない。
ノイズの影響を除去でき、高感度にするためには検出信号の絶対値は大きい方がマイコン等での信号処理を容易にでき、分解能も向上することができる。この対応のため、上記制御部30dによって、可変抵抗VR1を調整して、第2の増幅回路32のゲインを可変にすれば良い。
前記以外にても、ノイズ検出部30cのノイズの認識結果により、制御部30dによって回路的にフィルタ部33の周波数特性を切り替えても良い。
上記スイッチSWにより第1の増幅回路31に基準電位の一例としてのグランドGNDを接続した状態に切り替えることによって、第3の増幅回路34からの出力信号は、受光部20の出力信号を含まないノイズ成分のみの信号となるので、ノイズ検出部30cよるノイズ成分の信号の周期とパルス幅を容易にかつ正確に検出することができる。
なお、ノイズは必ずしも規則的では無い。従って、この発明は、ノイズの影響を皆無にするのではなくノイズの影響を低減するものである。
また、上記実施形態の光電式ほこりセンサ装置では、発光素子としてLED(発光ダイオード)を用いたが、この発明の光電式ほこりセンサ装置では、半導体レーザ等のLED以外の発光素子を用いても良い。
また、上記実施形態の光電式ほこりセンサ装置では、発光部10を駆動する電流信号として周期性を有するパルス信号を用いたが、この発明の光電式ほこりセンサ装置では、発光素子を駆動する電流信号として、正弦波(サイン波)や3角波やのこぎり波等のパルス波以外の周期性を有する電流信号を用いても良い。また、この発明の光電式ほこりセンサ装置では、周期性を有さない電流信号を用いても良い。
また、上記実施形態の光電式ほこりセンサ装置では、発光部10から出射されてケース5の異物検出領域Sで反射して受光部20に到達した光に基づいて、異物の濃度を検出し、異物の有無または濃度が高くなるに従って受光部20に到達する光の光量が増大するようにしたが、この発明の光電式ほこりセンサ装置では、発光素子と受光素子を、異物検出領域をまたいで略直線上に配置して、発光素子から出射されて異物検出領域を透過して受光素子に到達した光に基づいて、異物の濃度を検出するようにしても良い。この場合、異物の有無または濃度が高くになるに従って異物検出領域を透過する光が減少することから、異物の濃度が高くなるに従って受光素子に到達する光の光量が減少することは勿論である。
また、この発明の光電式ほこりセンサ装置は、自動運転の空気清浄機や空気清浄機能付き空気調和機に有効である。この場合、この発明の光電式ほこりセンサ装置を用いることによって、高感度でかつ検出範囲の広いほこりセンサ機能を備えた空気清浄機を実現することができる。また、この発明の光電式ほこりセンサ装置を用いることによって、高感度でかつ検出範囲の広いほこりセンサ機能を備え、そのほこりセンサ機能を用いて空気清浄運転を可能とする空気調和機を実現することができる。
図1はこの発明の実施の一形態の光電式ほこりセンサ装置の全体の構成を示す構成図である。 図2Aは上記光電式ほこりセンサ装置のセンサ部の表板を外した状態の正面図である。 図2Bは上記光電式ほこりセンサ装置のセンサ部の正面図である。 図2Cは上記光電式ほこりセンサ装置のセンサ部の底面図である。 図2Dは上記光電式ほこりセンサ装置のセンサ部の背面図である。 図3は上記光電式ほこりセンサ装置のLED駆動電流パルスと出力パルスの波形を示す図である。 図4は上記光電式ほこりセンサ装置のLED駆動電流パルスと出力パルスの波形を示す図である。 図5Aは上記光電式ほこりセンサ装置のセンサ部の表板を外した状態の正面図である。 図5Bは図5Aにおいて異物がないときの状態を示す図である。 図5Cは図5Aにおいて異物がないときの状態を示す図である。 図6は従来の光電式ほこりセンサ装置の全体の構成を示す構成図である。 図7は上記光電式ほこりセンサ装置の要部の断面図である。 図8は上記光電式ほこりセンサ装置のLED駆動電流パルスと出力パルスの波形を示す図である。
符号の説明
1…発光素子
5…ケース
2…受光素子
7,8…レンズ
10…発光部
11…異物
13…表板
13a…通過穴
14…裏板
14a…通過穴
15,16…スリット
20…受光部
21…駆動回路
30…マイコン
30a…A/D変換部
30b…異物検出部
30c…ノイズ検出部
30d…制御部
31…第1の増幅回路
32…第2の増幅回路
33…フィルタ部
34…第3の増幅回路
30…マイコン
40…直流電源
SW…スイッチ
VR1…可変抵抗
R1…抵抗
C1…コンデンサ

Claims (10)

  1. 空気中を浮遊する異物を検出するための異物検出領域に光を出射する発光部と、
    上記異物検出領域に浮遊する上記異物からの反射光または上記異物検出領域を透過した透過光を受光する受光部と、
    上記発光部の動作を制御する制御部と、
    上記受光部の出力信号を増幅する増幅部と、
    上記増幅部の出力信号に基づいて、上記異物の有無または濃度を検出する異物検出部と、
    上記増幅部からの出力信号に含まれるノイズ成分の信号の周期またはパルス幅の少なくとも周期を検出するノイズ検出部と
    を備え、
    上記制御部は、上記ノイズ検出部の検出結果に基づいて、上記異物の有無または濃度を検出する上記異物検出部に対する上記ノイズ成分の影響が少なくなるように上記発光部の発光周期を制御することを特徴とする光電式ほこりセンサ装置。
  2. 請求項1に記載の光電式ほこりセンサ装置において、
    上記制御部は、上記異物検出部に対する上記ノイズ成分の影響が少なくなるように、上記発光部から出射される光のパルス幅を制御することを特徴とする光電式ほこりセンサ装置。
  3. 請求項1に記載の光電式ほこりセンサ装置において、
    上記制御部は、上記異物の有無または濃度を検出するときに上記異物検出部が上記増幅部の出力信号を読み取るタイミングを、上記異物検出部に対する上記ノイズ成分の影響が少なくなるように制御することを特徴とする光電式ほこりセンサ装置。
  4. 請求項1に記載の光電式ほこりセンサ装置において、
    上記制御部は、上記異物検出部に対する上記ノイズ成分の影響が少なくなるように、上記発光部から出射される光の光量を制御することを特徴とする光電式ほこりセンサ装置。
  5. 請求項1に記載の光電式ほこりセンサ装置において、
    上記制御部は、上記発光部から光を周期的に出射する動作を連続して行うか、または、上記発光部から光を周期的に出射する動作を間欠的に行うように、上記発光部を制御することを特徴とする光電式ほこりセンサ装置。
  6. 請求項1または4に記載の光電式ほこりセンサ装置において、
    上記制御部は、上記増幅部のゲインを制御することを特徴とする光電式ほこりセンサ装置。
  7. 請求項1に記載の光電式ほこりセンサ装置において、
    上記受光部からの出力信号に含まれるノイズ成分を減衰させるためのフィルタ部を備え、
    上記制御部は、上記フィルタ部の周波数特性を制御することを特徴とする光電式ほこりセンサ装置。
  8. 請求項1に記載の光電式ほこりセンサ装置において、
    上記増幅部に上記受光部からの出力信号を入力するか、上記増幅部に基準電位を接続するかを切り替える切替部を備え、
    上記制御部は、上記切替部により上記増幅部に基準電位を接続した状態で上記増幅部からの出力信号に含まれるノイズ成分の信号の周期またはパルス幅の少なくとも周期に基づいて、上記発光部の発光周期を上記ノイズ成分の影響が少なくなるように、上記発光部を制御することを特徴とする光電式ほこりセンサ装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1つに記載の光電式ほこりセンサ装置を使用したことを特徴とする空気清浄機。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1つに記載の光電式ほこりセンサ装置を使用した空気清浄機能を有することを特徴とする空気調和機。
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