JP4873512B2 - 火災検知器の初期設定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル内等の空間内の火災を監視する火災検知器の火災判定や試験判定等に必要なデータを初期設定する火災検知器の初期設定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばトンネル内の壁面や天井にはトンネル内の火災を検出する火災検知器が複数一定間隔で設置され、各火災検知器はトンネル長手方向の両側区域、少なくとも隣接して配置される火災検知器までの区域の火災を検出している。このような火災検知器としては、炎からの光や放射熱を受ける受光素子を用いて火災を検出し、防災受信盤へ火災信号を送出する。
【0003】
火災の検出の方法としては、特定の波長帯域の受光エネルギーの出力レベルが閾値以上かを検出する方法や、複数の波長帯域の受光エネルギーの出力レベルの比較で火災判断する2波長式、3波長式などがある。火災検知器は設置位置に対して左右両側の火災を検出するために、左右別々の受光素子で火災を検出するようにしている。
【0004】
このような火災検知器は、車が頻繁に通るトンネル内に設置されるものであるから、受光素子が壊れたり汚れないように筐体内に納め、受光素子の前面に光を入射させる透光性窓を設けている。しかし、トンネル内では、車両から排出される煤煙、粉塵、土砂、凍結防止剤等の化学物質等の汚れの原因となる汚損原因物質が浮遊していることから、これらの物質が気流に乗って透光性窓に付着すると、受光素子の受光出力が低下する。
【0005】
そこで、火災検知器の透光性窓の外部に試験ランプを設け、例えば1日に1回といった定期試験時に発光させ、透光性窓内部の受光素子で受光させることで、透光性窓の汚損値、例えば減光率を検出して汚れに対する感度補償を行い、また汚れがあるレベル、例えば減光率75%に達すると汚損予告を出力し、更に火災検出能力が補完できないレベル、例えば減光率85%に達すると汚損警報を出力している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような火災検知器にあっては、その記憶部に検知器共通のデータと火災判定や試験時の汚損判定に必要な検知器固有のデータを初期設定により記憶させる必要がある。初期設定により記憶させる検知器固有のデータとしては、例えば透光性窓の汚損警報を行う例えば減光率85%に対応した閾値などがある。
【0007】
このような検知器固有の閾値は、工場出荷時などに、検知器個々について、透光性窓の外部に設けられている試験光源を発光させて汚損無しの受光レベルを検出し、その受光レベルから例えば汚損警報を行なう減光率85%に対応した受光レベルを演算して例えばEEPROM等の不揮発メモリを用いた記憶部に記憶させることになる。
【0008】
しかしながら、複数の火災検知器について、工場出荷時などに検知器固有のデータを初期設定する作業を行うのは、火災検知器を監視動作させ、また試験動作させて行う必要があるため、煩雑で初期設定の作業に多くの工数が掛かり、作業負担が大きいという問題があった。
【0009】
本発明は、監視動作及び試験動作により検知器固有データを取得して初期設定する作業が簡単且つ容易にでき、作業負担を大幅に低減するようにした火災検知器の初期設定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は、燃焼炎から放射される光エネルギーを、透光性窓を介して受光した検知センサから得られる受光検知信号に基づいて火災を判定する火災判定部と、試験時に、試験光源から投光される試験光を、透光性窓を介して受光した検知センサから得られる受光検知信号に基づいて透光性窓の汚損度合いを判定する試験処理部と、火災判定部及び試験処理部の判定に必要な検知器固有のデータを記憶する記憶部とを備えた火災検知器の初期設定装置であって、初期設定時に、火災検知器に所定の監視動作及び試験動作を行わせ、監視動作及び試験動作により火災感知器の検知センサから出力される受光検知信号に基づく受講検知データを取込んで火災判定及び透光性窓の汚損度合いの検出に必要な検知器固有のデータを取得するデータ取得部と、データ取得部で取得した検知器固有のデータを火災検知器の記憶部に転送して書込むことにより初期設定する書込設定部とを備え、初期設定時に火災感知器に接続し、初期設定の終了後に火災感知器との接続を解除することを特徴とする。ここで、データ取得部は、火災検知器に接続した伝送線を介して受光検知データを受信し、書込設定部は、伝送線を介して検知器固有のデータを送信する。
【0011】
このため火災検知器の工場出荷時に、本発明の初期設定装置としての機能を備えた例えばパーソナルコンピュータ等に火災検知器をコネクタ接続して初期設定処理を起動すると、自動的に監視動作や試験動作が行われて検知器固有のデータが検知器センサから実際に得られる受光検知信号に基づいて初期設定装置側で演算処理等により取得され、取得後に火災検知器のEEPROM等の記憶部に転送書込みされ、特別な設定作業を必要とすることなく検知器固有データの初期設定を行うことができ、作業工数を大幅に低減して効率的に初期設定作業ができる。
【0012】
ここでデータ取得部は、火災検知器の検知センサから出力される受光検知信号をA/D変換器によりサンプリングした複数の受光検知データに基づいて検知器固有データを取得する。
【0013】
また火災検知器の検知センサから出力される受光検知信号は零レベルを中心に正負に変化するアナログ信号であり、データ取得部は、火災検知器の監視動作を行って検知センサから得られる受光検知信号をA/D変換器で変換して取込んだ複数の受光検知データの平均により中点データを取得する。
【0014】
また火災検知器の火災判定部は、検知センサから出力された受光検知信号をA/D変換器によりサンプリングした後に高速フーリエ変換によりパワースペクトル成分を求めて火災を判定しており、データ取得部は、予め設定した高速フーリエ変換の演算開始強度を中点データにより修正して検知器固有の演算開始強度を取得する。
【0015】
更に、データ取得部は、火災検知器の試験動作を行って検知センサから得られる受光検知信号をA/D変換器で変換して汚損無しのピークデータを取込み、このピークデータに対し予め定めた割合の汚損警報閾値及び感度変更閾値を演算して検知器固有の汚損警報閾値及び感度変更閾値を取得する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の初期設定装置による火災検知器の初期設定作業の様子を示した説明図である。
【0017】
図1において、本発明の初期設定装置は、パーソナルコンピュータ1にインストールされた初期設定アプリケーションにより実現される。本発明による初期設定装置を実現するパーソナルコンピュータ1は、火災検知器3の工場出荷時などの製造工程の最終段階に設けられており、パーソナルコンピュータ1に設けている制御線ケーブル2aを防水コネクタ6により接続し、また伝送線ケーブル2bを火災検知器3内部の回路基板に設けたコネクタに接続することによって、火災検知器3の監視動作及び試験動作を行い、必要とする検知器固有のデータを取得して、その記憶部に書込設定するようにしている。
【0018】
火災検知器3はカバー3aと本体で構成され、カバー3aの左右に形成された傾斜面のそれぞれに透光性窓4a,4bを設け、その内部にそれぞれ2波長式の検知センサを内蔵している。
【0019】
透光性窓4a,4bの上部には試験光源収納部5が設けられ、その下面左右位置に、後の説明で明らかにする試験光源を設けている。この火災検知器は、収納ボックスに取り付けられた状態でトンネル壁面に設置される。
【0020】
図2は図1の火災検知器3の内部構造の断面図である。図2において、火災検知器3はカバー3aと本体3bで構成され、内部にモールドカバー7を設けて仕切っている。制御線ケーブル2aの防水コネクタ6を接続する本体3bに設けたレセプタクル側からの信号線9は、モールドカバー7の下部に取り付けられた避雷基板8にコネクタ接続される。
【0021】
モールドカバー7とカバー3aで構成される空間内には主回路基板10が固定されている。主回路基板10にはカバー3aの傾斜面に配置している透光性窓4a,4bに相対して、センサ部11a,11bをほぼ45度の傾斜角をもって配置している。主回路基板10の裏面にはコネクタ30が設けられ、初期設定の際には、カバー3aと本体3bは分離されていることから、このコネクタ30に図1のパーソナルコンピュータ1からの伝送線ケーブル2bを接続する。
【0022】
センサ部11a,11bのそれぞれには第1検知センサ12と第2検知センサ13が設けられ、それぞれの受光検知出力に基づいて火災による炎とそれ以外のノイズ放射源を識別する2波長方式により火災による炎を監視している。
【0023】
第1検知センサ12は、CO2 共鳴放射による波長帯域である概ね4.5μmを中心波長として狭帯域バンドパスフィルタ特性による放射光を検出する。これに対し第2検知センサ13は、概ね5.0〜7.0μmの帯域バンドパスフィルタ特性で得られた放射光の検出特性を持つ。
【0024】
具体的には、火災検知器3の透光性窓4a,4bにサファイヤガラスを使用することで、7.0μmの波長を越える光をカットするハイカット特性を設定し、これによって透光性窓4a,4bを通った光を波長7.0μm以下として、第1及び第2の検知センサ12,13に入射している。
【0025】
また第1検知センサ12自体の検出窓には中心波長4.5μmの狭帯域バンドパスフィルタ特性を有する光学波長フィルタが設けられている。また第2検知センサ13の検出窓には波長5.0μm以上の光を透過するハイパスフィルタ特性を持つ光学波長フィルタが設けられている。
【0026】
したがって第1検知センサ12は、概ね4.5μmを中心波長とした狭帯域の光を検出する。これに対し第2検知センサ13は、概ね5.0〜7.0μmの波長帯域の光を検出する。
【0027】
その結果、燃焼炎のスペクトル特性に対し、ノイズ放射源としての太陽光、トンネル内を走行する車両のエンジン過熱で生ずる300℃の低温放射体のスペクトル、更に、人体のスペクトルに対し、正確に火災による炎を識別して検出できる。
【0028】
具体的には燃焼炎とそれ以外のノイズ放射源である太陽光、車両のエンジンなどの低温放射体、人体などについて、実験により第1検知センサ12と第2検知センサ13の各検出出力の相対比を求め、燃焼炎とノイズ放射源が識別可能な相対比を設定し、閾値を越えるような放射源を検出した場合に火災による炎と判定することで、ノイズ放射源と火災による炎を正確に識別することができる。
【0029】
更に本発明にあっては、概ね4.5μmを中心波長とした狭帯域バンドパスフィルタ特性より検知された受光検知信号について、高速フーリエ変換(FFT)により周波数帯域のパワースペクトルを求めて、火災を判断するようにしている。この高速フーリエ変換(FFT)を用いた火災判断は、例えば次のようになる。
【0030】
(1)第1検知センサ12の受光検知信号から炎の光エネルギーのゆらぎ中心周波数を含む第1周波数帯域である例えば0.5〜8.0Hzのパワースペクトル成分を高速フーリエ変換により求める。
【0031】
(2)第1検知センサ12の受光検知信号から炎の光エネルギーのゆらぎ中心周波数を含まず、且つ第1周波数帯域よりも高周波側の第2周波数帯域である例えば8.5〜16.0Hzのパワースペクトル成分を高速フーリエ変換により求める。
【0032】
(3)第1周波数帯域と第2周波数帯域のパワースペクトル成分の積分値を求め、第1周波数帯域の積分値が第2周波数帯域の積分値より所定倍以上大きい場合に火災と判定する。
【0033】
このFFTによる火災の判断は、炎の実質的なゆらぎ周波数が8.0Hzまでの範囲にあるのに対し、非火災源である緊急車両などの回転灯の周波数が8.0Hzを越える範囲まであることに基づき、火災と回転灯による非火災を明確に区別して誤報を防ぐために行う。
【0034】
なお一般的な火災モデルにあっては、炎のゆらぎ中心周波数は概ね4.5〜5.0Hz以下で、例えば約2.5Hzや1.8Hzにあることが知られている。また高速フーリエ変換を用いたパワースペクトルに基づく火災判断は、前述した以外に適宜の炎のスペクトルパターンと回転灯のスペクトルパターンの分布を区別する手法が適用できる。
【0035】
またカバー3aから張り出された試験光源収納部5の下面両側には試験光源用窓14a,14bが設けられ、内蔵した試験光源の発光による試験光を透過し対応した透光性窓4a,4bを介してセンサ部11a,11bの第1及び第2の検知センサ12,13に照射することで、火災検知器3の火災検知機能と透光性窓4a,4bの汚損度合いを検出している。
【0036】
ここで火災検知機能の試験は第1及び第2検知センサ12,13の受光検知信号から通常監視時と同様にして行い、一方、透光性窓4a,4bの汚損度合いの検出については第1検知センサ12の受光検知信号を使用して行う。
【0037】
図3は本発明による初期設定装置の機能を火災検知器3の回路ブロックと共に示している。
【0038】
図3において、火災検知器3にはMPUで構成される信号処理部18が設けられ、信号処理部18に対し右眼検知部21aと左眼検知部21bを設けている。右眼検知部21aにはセンサ部11aが設けられ、透光性窓4aを介して監視区域からの光を受光している。センサ部11aからの受光検知信号は増幅部22aで増幅された後、A/D変換器23aでデジタルデータに変換され、信号処理部18に取り込まれている。
【0039】
センサ部11aには、図2に示したように第1検知センサ12(4.5μm側検出用)と第2検知センサ13(5.0〜7.0μm側検出用)が設けられており、センサ部11aの2つの検知センサからの各受光検知信号は増幅部22aで増幅した後に、A/Dコンバータ23aでデジタルデータに変換して信号処理部18に取り込んでいる。
【0040】
尚、これ以降は、説明を簡単にするため、第1検知センサ12の受光検知信号を4.5μ受光検知信号、第2検知センサ13の受光検知信号を5.0μ受光検知信号と示す。
【0041】
増幅部22aで増幅された受光検知信号は、図4(A)の4.5μ受光検知信号に示すように、0Vを中心に正負の値を有する。A/D変換器23aは、このような受光検知信号を8ビットのデジタルデータに変換する。A/D変換器23aで変換された8ビットのデジタルデータは、10進で0〜1023の値を持っている。
【0042】
そして4.5μ受光検知信号の0VがA/D変換されたデジタルデータの中点値511に対応し、プラス側の最大値がA/D変換の最大値1023に対応し、マイナス側の最大値がA/D変換による最小値0に対応している。
【0043】
また、第2検知センサ13の5.0μ受光検知信号については、図4(B)に示すように、同様にして0VをA/D変換の中点値511とし、またプラス側とマイナス側の最大値をA/D変換値の最大値1023と最小値0に対応させている。
【0044】
再び図3を参照するに、右眼検知部21aには試験光源制御部25aが設けられ、トンネル設置状態で防災受信盤から右眼試験コマンドを受信した際に試験光源制御部25aを動作し、例えば白熱ランプを使用した試験光源24aを燃焼炎のちらつきとほぼ同じ例えば2Hzの周波数で点滅または明滅して生成した試験光を試験光源用窓14aを介して発光し、この試験光を透光性窓4aを介してセンサ部11aで受光するようにしている。
【0045】
このような右眼検知部21aの構成は左眼検知部21bについても同様であり、センサ部11b、増幅部22b、A/D変換器23b、試験光源24b及び試験光源制御部25bを備えている。
【0046】
信号処理部18は、トンネル設置状態にあっては防災受信盤と接続されるが、工場出荷時の初期設定の際には図1,図3に示したように、制御線ケーブル2aを防水コネクタ6で接続し、伝送線ケーブル2bを信号処理部18の主回路基板10にコネクタ30で接続することによって、本発明の初期設定装置として機能するパーソナルコンピュータ1に接続される。
【0047】
また信号処理部18に対しては、不揮発性メモリとして例えばEEPROMを用いた記憶部20が接続されている。記憶部20にはデフォルト共通データ20a、固有データ20b及び履歴データ20cが記憶される領域が設けられている。デフォルト共通データ20aは、各火災検知器に共通のデータであり、予め設定した値を本発明の初期設定装置としてのパーソナルコンピュータ1あるいは専用の媒体を使用して書き込んでいる。
【0048】
固有データ20bは、各火災検知器3に固有なデータであり、本発明の初期設定装置であるパーソナルコンピュータ1をケーブル接続した状態で火災検知器3の監視動作及び試験動作を行ってデータを取得し、この取得したデータをパーソナルコンピュータ1から記憶部20に書き込むようにしている。
【0049】
履歴データ20cは、火災検知器3のトンネル設置状態で、例えば1日1回防災受信盤から送られる試験コマンドに基づいて検出された透光性窓4a,4bの汚損度合いを示す検出値を格納する。
【0050】
信号処理部18には火災判定部26及び試験処理部27の機能が設けられている。火災判定部26はセンサ部11a,11bから出力される受光検知信号に基づいて火災の判定を行う。具体的には、図3に示した第1検知センサ12と第2検知センサ13の受光検知信号の相対値に基づいて火災を判定すると共に、更に第1検知センサ12からの受光検知信号を高速フーリエ変換したパワースペクトル成分に基づいた火災判断を行う。
【0051】
試験処理部27は防災受信盤から試験実行コマンドを受信した際に動作し、例えば右眼試験コマンドの受信を例にとると、試験光源制御部25aを動作して試験光源24aを例えば2Hzで2秒間に亘りパルス駆動し、この試験光源24aの制御で生成された試験光を試験光源用窓14aを介して発光し、透光性窓4aを通してセンサ部11aで検出し、第1検知センサ12および第2検知センサ13の各受光検知信号を増幅部22aで増幅した後、A/D変換器23aでデジタルデータに変換して取り込む。
【0052】
第1検知センサ12及び第2検知センサ13の試験光の受光に基づく受光検知信号を受信すると、火災判定部26は、火災判定を行い、火災と判断すると防災受信盤へ火災信号を出力する。
【0053】
また、この受光検知信号は試験光の変化に同期した2Hzで変化する信号であり、図4(A)の4.5μ受光検知信号に示すように、0Vを中心に受光強度に応じ正負の振幅変化をもっている。試験光の受光により得られた4.5μ受光検知信号に基づき、試験処理部27は透光性窓4aの汚損度合いを検出し、汚れがひどい場合には汚損警報信号を外部に出力し、また汚損度合いに応じて増幅部22aの感度を変更する感度変更を行う。
【0054】
試験処理部27にあっては、透光性窓4a,4bの汚損度合いを検出するため試験光の減光割合を表す減光率を算出する。この減光率を算出するためには、例えば工場出荷時の初期設定の際に透光性窓に汚れのない状態で検出した試験光の受光検知信号の振幅を初期値として、記憶部20の固有データ20bの中に含めて記憶している。
【0055】
このためトンネル設置後の試験時にあっては、試験動作により得られた受光検知信号の振幅検出値と記憶部20に記憶している固有データ20bの中の受光検知信号の振幅初期値とにより、
減光率=100−(振幅検出値/振幅初期値)×100[%]
として汚損度合いを示す減光率を算出する。
【0056】
なお試験処理部27で透光性窓4a,4bの汚損度合いを求める際には、増幅部22a,22bの感度はその時点で補償された感度ではなく、記憶部20の固有データ20bに含めて記憶している受光検知信号の振幅初期値を検出したときと同じ感度(初期感度)に戻した状態で試験動作を行わせる。
【0057】
次に、本発明による初期設定装置について詳しく説明する。本発明の初期設定装置は、火災検知器3の工場出荷時、電気的な組み立てが終了し、モールドカバー7及び本体3bのカバー3aへの取り付けのみを残した状態で、火災検知器3へ接続して使用される。
【0058】
本発明による初期設定装置としてのパーソナルコンピュータ1からは制御線ケーブル2aと伝送線ケーブル2bが引き出され、制御線ケーブル2aは防水コネクタ6、インタフェース28を介して信号処理部18に接続され、また、伝送線ケーブル2bは直接、信号処理部18が設けられる主回路基板10に実装されたコネクタ30を介して接続されている。
【0059】
パーソナルコンピュータ1とインタフェース28との間の制御線ケーブル2aには、試験電源線V1,V2、試験起動入力信号線Ninの3本が含まれる。またパーソナルコンピュータ1側の信号電圧は12V、火災検知器3のインタフェース28の接続部の信号電圧は48Vであることから、制御線ケーブル2aは12Vと48Vの電圧変換を行う電圧変換器31を介してパーソナルコンピュータ1に接続している。これ以外にインタフェース28には、試験起動出力信号線Nout、試験線Vo、電源線P、火災信号線Pa、電源線C(コモン)が接続されている。
【0060】
パーソナルコンピュータ1と信号処理部18との伝送路ケーブル2bとしては、例えばRS232などのインタフェース用信号線ケーブルが使用される。またパーソナルコンピュータ1側の信号電圧は12V、火災検知器3の信号処理部18の信号電圧は5Vであることから、伝送線ケーブル2bは12Vと5Vの電圧変換を行う電圧変換器32を介してパーソナルコンピュータ1に接続している。
【0061】
本発明の初期設定装置としてのパーソナルコンピュータ1には、アプリケーションとして初期設定処理部15がインストールされている。初期設定処理部15はデータ取得部16と書込設定部17の処理機能を備えている。
【0062】
データ取得部16は制御線2a及び伝送線2bの火災検知器3に対する接続状態で監視動作及び試験動作を行わせ、これによってA/D変換器23aまたは23bより取得された受光検知データを取り込んで、火災判定及び試験動作に必要な予め決められている検知器固有のデータを取得する。
【0063】
書込設定部17は、データ取得部16で取得した検知器固有のデータを、火災検知器3の信号処理部18を経由して記憶部20に転送し、固有データ20bとして書き込むことにより初期設定する。
【0064】
初期設定処理部15により取得されて記憶部20に書き込まれる検知器の固有データ20bとしては、例えば図5のデータ一覧に示す。図5の固有データ一覧において、設定項目として火災検知器3のシリアル番号として例えば設定データ「000008」を設定し、これに続いて火災検知器3の監視動作によって中点強度、4.5μ演算開始強度を取得し、また試験動作によって汚損警報閾値と感度変更閾値を取得している。
【0065】
具体的には、中点強度については右眼、左眼につき、第1検知センサ12(4.5μ側)と第2検知センサ13(5.0μ側)のそれぞれについて検知する。また4.5μ演算開始強度は第1検知センサ12(4.5μ側)について上限値と下限値を取得しており、これは火災判定部26において高速フーリエ変換による演算処理を開始する受光検知信号のレベルを判定する強度である。また汚損警報閾値、感度変更閾値についても、右眼、左眼のそれぞれについて第1検知センサ12(4.5μ側)の上限値と下限値を取得している。
【0066】
これら固有データは図4(A)(B)に示すレベルをもっている。まず中点強度は、図4(A)の第1検知センサ12からの4.5μ受光検知信号及び図4(B)の第2検知センサ13からの5.0μ受光検知信号の両方について設定される。本来、受光検知信号は0Vであるが、実際には0Vからシフトしており、A/D変換値も中心強度511からずれている。
【0067】
そこで4.5μ受光検知信号及び5.0μ受光検知信号のそれぞれについて、中点強度X1,X4を、火災検知器を監視状態に動作して取得し、本来の中点強度511からのずれを補償した形で信号処理を行うようにする。
【0068】
4.5μ演算開始強度X2,X3は図4(A)の4.5μの中点強度511に対し、予め上限561、下限461として設定されており、中点強度X1が求まると、この中点強度X1の511に対するずれ量により、上限561、下限461を補正した値を取得する。
【0069】
汚損警報閾値、感度変更閾値は、火災検知器の試験動作により、透光性窓4a,4bに汚れがない状態での4.5μ受光検知信号を複数のピークサンプル値の平均値として算出し、この初期振幅値に対し汚損警報閾値は、上限値は+85%、下限値は−85%として汚損警報閾値Y1,Y2を取得する。
【0070】
また透光性窓の汚損度合いによる感度変更のための感度変更閾値については、初期振幅値の上限値は+50%、下限値は−50%の値として、感度変更閾値Z1,Z2を取得するようにしている。なお図4(B)の5.0μ受光検知信号については、中点強度X4のみを取得するようにしている。
【0071】
図6は図3のパーソナルコンピュータ1に設けた本発明による初期設定処理部15による初期設定処理のフローチャートである。なお、初期設定処理に先立ち、図3のコネクタ接続した電源線(DC48V)Pと電源線(コモン)Cに電源を接続することによって火災検知器3に電源を供給して監視状態に動作させている。
【0072】
本発明による初期設定処理にあっては、まずステップS1で、火災検知器3に設けている記憶部20の固有データ20bを記憶する初期設定領域の初期化を行う。この初期設定領域の初期化は、初期設定処理部15から火災検知器3の信号処理部18に対し初期設定領域のアドレスを指定した読み書きモード移行コマンドを伝送線2bを介して送信することにより行われる。
【0073】
記憶部20における固有データ20bを格納する初期設定領域の初期化が済むと、ステップS2に進み、火災検知器3のセンサ部11a,11bに設けている4.5μmの第1検知センサ12と5.0μmの第2検知センサ13の中点強度の取得、及び4.5μmの第1検知センサにおけるFFT演算開始強度の取得処理を行う。
【0074】
次にステップS3で、制御線2aを介して火災検知器3に対する試験起動入力信号線NinをHレベルとし、同時に試験電源線V1またはV2をHレベルとすることで右眼検知部21aと左眼検知部21bの試験動作を順次行い、試験発光により汚れのない状態での透光性窓4a,4bを介して得られた受光検知信号の初期値振幅を求め、この受光検知信号の初期値振幅に基づいて減光率で85%の汚損警報閾値及び減光率で50%の感度変更閾値を取得する処理を行う。
【0075】
続いてステップS4で記憶部20の履歴データ20cを格納する履歴領域のクリア処理を行う。このクリア処理は、履歴データ20cの記憶領域のアドレスを指定した読み書きモード移行コマンドをパーソナルコンピュータ1から信号処理部18に送信することで行う。
【0076】
最終的にステップS5で、ステップS2で取得した中点強度及びFFT演算開始強度、またステップS3で取得した汚損警報閾値及び感度変更閾値を、記憶部20の初期設定領域のアドレスを指定した読み書きモード移行コマンドの送信で固有データ20bとして書込設定する。
【0077】
図7は図6のステップS2の中点強度及びFFT演算開始強度取得処理の詳細を示したフローチャートである。まずステップS1でパーソナルコンピュータ1からA/D変換取得結果出力モードへの移行コマンドを送信する。この移行コマンドを受けた火災検知器3の信号処理部18は、A/D変換取得結果出力モードに移行し、移行確認信号をパーソナルコンピュータ1に送信する。移行確認信号が受信されると、これがステップS2で確認される。
【0078】
続いてステップS3で、右眼検知部21aのセンサ部11aに設けている4.5μmの第1検知センサ12に対するA/D変換コマンドを送信する。このA/D変換コマンドを受信した信号処理部18は、右眼検知部21aのセンサ部11aより出力されている4.5μmの第1検知センサ12の出力によるA/D変換器23aのサンプリング結果を例えば127回読み込み、この127回分のA/D変換器のサンプリング結果を、サンプリング回数とA/D変換値をセットにして、パーソナルコンピュータ1にシリアル送信する。パーソナルコンピュータ1は、この受信結果を、RAM上に、例えば(001,512)(002,513),・・・(127,510)というように保持する。
【0079】
次にステップS5で受信データの平均値を中点強度X1として算出する。中点強度X1が算出できたならば、図4(A)のように、予め設定しているFFT演算開始強度の上限X2=561と下限X3=461について、中点値511から算出した中点強度X1のずれ分を差し引いて、検知器固有のFFT演算開始強度の上限X2と下限X3を取得する。
【0080】
次にステップS6で、右眼検知部21aのセンサ部11aに設けている5.0μmの第2検知センサ13に対するA/D変換コマンドを送信する。このA/D変換コマンドを受けて火災検知器3の信号処理部18は、A/D変換器23aで127回分の第2検知センサ13からの受光検知信号のA/D変換値を取り出しサンプリング回数とA/D変換値をセットにしてパーソナルコンピュータ1にシリアル送信する。パーソナルコンピュータ1は受信すると、ステップS7でA/D変換受信結果を、RAM上に、例えば(001,512)(002,513),・・・(127,510)というように保持する。
【0081】
そこでステップS8で、受信データの平均値として5.0μmの第2検知センサ13についての中点強度X4を算出する。ステップS3〜S8により右眼検知部21aについての中点強度X1,X4及びFFT演算開始強度X2,X3が算出できたならば、ステップS9で左眼検知部21bについて、右眼検知部21aの場合と同様にして中点強度X1,X4及びFFT演算開始強度X2,X3の取得処理を行い、処理が終了すると図6のメインルーチンにリターンする。
【0082】
図8は図6のステップS3における汚損警報閾値及び感度変更閾値の取得処理の詳細を示したフローチャートである。この閾値取得処理にあっては、まずステップS1で火災検知器3に対する電源供給により通常監視状態への移行が行われているか否かを確認する。
【0083】
次にステップS2でパーソナルコンピュータ1から火災検知器3に対し制御線2aを使用して、試験電源線V1をHレベル、試験電源線V2をLレベル、試験起動入力信号線NinをHレベルとする制御を行い、これによって信号処理部18の試験処理部27を起動し、まず右眼検知部21aの試験動作を行わせる。
【0084】
まず、試験処理部27からの指示により試験光源制御部25aは、試験光源24aを例えば2Hzで2秒間点滅する。試験処理部27は、このとき得られるセンサ部11aの4.5μmの第1検知センサ12からの複数の受光検知信号をA/D変換器23aでデジタルデータに変換して取り込み、右眼汚損試験結果として図8の右側に取り出したA部の信号波形図のように、試験で得られた受光検知信号のプラス側のピーク値の平均値AVUとマイナス側のピーク値の平均値AVLを算出し、パーソナルコンピュータ1へ送信する。パーソナルコンピュータ1はステップS3で、このプラス側のピーク値の平均値AVUとマイナス側のピーク値の平均値AVLを受信し取得する。
【0085】
このステップS3で取得する平均値ALU,AVLは次のようにして図3の火災検知器3における信号処理部18で求められる。
【0086】
信号処理部18は、制御線ケーブル2aにより試験制御が行われると試験処理部27を起動し、先ずは右眼検知部21aの試験動作を開始する。試験処理部27は、試験光源制御部25aを制御して試験光源24aを例えば2Hzで2秒間点滅させる。
【0087】
そして試験処理部27は、A/D変換器23aから受光検知信号を取り込むに当たり、受光検知信号のプラス側のピーク値及びマイナス側のピーク値を取り込めそうなタイミングを予め設定されていることから、そのタイミングで受光検知信号を取り込む。
【0088】
具体的には、試験光源24aの点灯から所定時間後にプラス側のピーク値、消灯から所定時間後にマイナス側のピーク値が得られることが実験により判明しているので、そのタイミングでA/D変換器23aから受光検知信号を取り込むことになる。
【0089】
この処理を複数回、例えば3回行い、得られたプラス側のピーク値に該当する3個の受光検知信号を平均することで平均値AVUを算出し、またマイナス側のピーク値に該当する3個の受光検知信号を平均することで平均値AVLを算出する。このようにして算出されたプラス側のピーク値の平均値AVU及びマイナス側のピーク値の平均値AVLをパーソナルコンピュータ1に送信する。
【0090】
再び図8を参照するに、ステップS3に続いてステップS4で、85%汚損警報閾値の上限値Y1と下限値Y2、及び50%の感度変更閾値の上限値Z1と下限値Z2を算出する。
【0091】
即ち減光率85%の汚損警報閾値の上限値Y1,下限値Y2は
Y1=(AVU−511)×(1−0.85)+511
Y2=511−[(511−AVL)×(1−0.85)]
で算出できる。
【0092】
また50%の感度変更閾値の上限値Z1と下限値Z2は
Z1=(AVU−511)×(1−0.5)+511
Z2=511−[(511−AVL)×(1−0.5)]
で算出される。
【0093】
次にステップS5で左眼検知部21bについての汚損試験の実施制御を行う。即ちパーソナルコンピュータ1は制御線2aによって、試験電源線V1をLレベル、試験電源線V2をHレベル、試験起動入力信号線NinをLレベルとする制御を行うことで、左眼検知部21bの試験動作を行わせ、ステップS6で左眼検知部汚損試験結果として第1検知センサ12の受光検知信号のプラス側のピーク値とマイナス側のピーク値の平均値としてAVU及びAVLを火災検出器3から受信し取得する。
【0094】
続いてステップS7で、ステップS4の場合と同様にして85%汚損警報閾値の上限値Y1と下限値Y2、及び50%感度変更閾値の上限値Z1と下限値Z2を算出して、図6のメインルーチンにリターンする。
【0095】
図9は図6のステップS5の処理結果の記憶部書込処理の詳細を示したフローチャートである。この記憶部書込処理は、ステップS1で記憶部20であるEEPROMの初期設定領域、即ち固有データ20bの格納領域のアドレスを指定して読み書きモード移行コマンドを送信し、ステップS2で火災検出器3から送信される読み書きモード移行確認信号を受信する。
【0096】
続いてステップS3で図5のデータ一覧に示すように取得された設定データの値をEEPROMの格納領域のアドレスとセット(w01,511)(w02,512)・・・(w14,380)として送信する。これによって、火災検知器3の信号処理部18は、記憶部20に対する固有データ20bの書込みを行う。
【0097】
続いてステップS4で火災検知器3に対し読出コマンドを送信し、火災検知器3より読出データ(r01,511)(r02,512)・・・(r14,380)を受信する。そしてステップS6で書込データと読出データの照合を行い、ステップS7で照合成功であれば、ステップS8で完了表示を行う。照合に失敗した場合には、ステップS9で失敗表示を行い、原因を調べて、もし正常であれば再度記憶部書込処理を起動するようになる。
【0098】
このようにして火災検知器3の初期設定が済んだならば、ケーブルのコネクタ接続を外し、次の火災検知器3に接続して、同様に初期設定処理を繰り返すことになる。
【0099】
なお上記の実施形態は2つの検知センサで火災を判断する2波長方式の火災検知器を例にとるものであったが、本発明はこれに限定されず、1つの検知センサで監視する1波長方式や3つ以上の検知センサで監視する3波長以上の波長帯域を監視する火災検知器についても同様に適用できる。
【0100】
また上記の実施形態は初期設定装置としてパーソナルコンピュータを使用した場合を例にとっているが、専用の初期設定装置を使用してもよい。
【0101】
また上記の実施形態では、初期設定装置としてのパーソナルコンピュータを、初期設定時に火災検知器にコネクタ接続して行うものであったが、初期設定装置の機能を火災検知器の信号処理部に持たせ、電源立上げ時または外部からの初期設定指示時に上述したような初期設定処理をするようにしても良い。このような構成にすれば、初期設定時に初期設定装置を火災検知器に接続するような煩雑な作業が不要となる。
【0102】
また上記の実施形態では、各信号毎に信号線を必要とするP型と言われるタイプの火災検知器であったが、信号を伝送で行うR型と言われるタイプの火災検知器に本発明の初期設定装置を適用する場合にあっては、火災検知器から引き出される伝送線に初期設定装置を接続し、この伝送線のみを使用し火災検知器とのやり取りを行い、初期設定を行うようにすることができる。このような構成にすれば、初期設定装置と火災検知器との接続を1本の伝送線とすることもできる。
【0103】
また本発明はその目的と利点を損なわない適宜の変形を含み、更に実施形態に示した数値による限定は受けない。
【0104】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、火災検知器の工場出荷時などに本発明の初期設定装置としての例えばパーソナルコンピュータに火災検知器をコネクタ接続して設定処理を起動すると自動的に火災検知器の監視動作及び試験動作が行われて、それぞれの動作で得られた受光検知信号に基づいて初期設定装置側での演算処理により、初期設定を必要とする検知器固有データ例えば中点強度、FFT演算開始強度、汚損警報閾値、感度変更閾値などが取得されて火災検知器の記憶部に転送書込みされるため、特別な初期設定作業を人的に必要とすることなく、検知器固有データの初期設定を行うことができ、工場出荷段階における感知器固有データの初期設定のための作業工数を大幅に低減し、効率的に火災検知器に対する固有データの設定作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による火災検知器の初期設定作業の様子を示した説明図
【図2】図1の火災検知器の内部構造の断面図
【図3】本発明の機能を火災検知器の回路ブロックと共に示したブロック図
【図4】火災検知器のアナログ受光検知信号とA/D変換値の対応と初期設定のために取得する固有データを示した説明図
【図5】本発明で初期設定される検知器固有データの一覧説明図
【図6】本発明の初期設定処理のフローチャート
【図7】図6の中点強度及び演算開始強度の取得処理の詳細を示したフローチャート
【図8】図6の汚損警報閾値及び感度変更閾の値取得処理の詳細を示したフローチャート
【図9】図6の処理結果の記憶部書込処理の詳細を示したフローチャート
Claims (8)
- 監視時に、燃焼炎から放射される光エネルギーを受光して得られる受光検知信号に基づいて火災を判定する火災検知器の初期設定装置に於いて、
初期設定時に、前記火災検知器に接続して所定の監視動作を行わせ、前記所定の監視動作により得られる受光検知信号に基づいて前記火災判定に必要な検知器固有のデータを取得し、前記取得した検知器固有のデータを前記火災検知器に転送して書込むことにより初期設定し、前記初期設定の終了後に前記火災感知器との接続を解除することを特徴とする火災検知器の初期設定装置。 - 監視時に、燃焼炎から放射される光エネルギーを、透光性窓を介し受光して得られる受光検知信号に基づいて火災を判定し、試験時に、試験光源から投光される試験光を、前記透光性窓を介し受光して得られる受光検知信号に基づいて前記透光性窓の汚損度合いを検出する火災検知器の初期設定装置に於いて、
初期設定時に、前記火災検知器に接続して所定の試験動作を行わせ、前記所定の試験動作により得られる受光検知信号に基づいて前記透光性窓の汚損度合いの検出に必要な検知器固有のデータを取得し、前記取得した検知器固有のデータを前記火災検知器に転送して書込むことにより初期設定し、前記初期設定の終了後に前記火災感知器との接続を解除することを特徴とする火災検知器の初期設定装置。 - 監視時に、燃焼炎から放射される光エネルギーを、透光性窓を介して受光した検知センサから得られる受光検知信号に基づいて火災を判定する火災判定部と、試験時に、試験光源から投光される試験光を、前記透光性窓を介して受光した前記検知センサから得られる受光検知信号に基づいて前記透光性窓の汚損度合いを検出する試験処理部と、前記火災判定部及び試験処理部の判定に必要な検知器固有のデータを記憶する記憶部とを備えた火災検知器の初期設定装置に於いて、
初期設定時に、前記火災検知器に所定の監視動作及び試験動作を行わせ、前記所定の監視動作及び試験動作により前記火災感知器の検知センサから出力される受光検知信号に基づく受光検知データを取込んで前記火災判定及び前記透光性窓の汚損度合いの検出に必要な検知器固有のデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部で取得した検知器固有のデータを前記火災検知器の記憶部に転送して書込むことにより初期設定する書込設定部と、
を備え、前記初期設定時に前記火災感知器に接続し、前記初期設定の終了後に前記火災感知器との接続を解除することを特徴とする火災検知器の初期設定装置。 - 請求項3記載の火災検知器の初期設定装置に於いて、前記データ取得部は、前記火災検知器に接続した伝送線を介して前記受光検知データを受信し、前記書込設定部は、前記伝送線を介して前記検知器固有のデータを送信することを特徴とする火災検知器の初期設定装置。
- 請求項3記載の火災検知器の初期設定装置に於いて、前記データ取得部は、前記火災検知器の検知センサから出力される受光検知信号をA/D変換器によりサンプリングした複数の受光検知データに基づいて検知器固有のデータを取得することを特徴とする火災検知器の初期設定装置。
- 請求項3記載の火災検知器の初期設定装置に於いて、前記火災検知器の検知センサから出力される受光検知信号は零レベルを中心に正負に変化するアナログ信号であり、前記データ取得部は、前記火災検知器の監視動作により前記検知センサから得られる受光検知信号をA/D変換器で変換して取込んだ複数の受光検知データの平均により中点データを取得することを特徴とする火災検知器の初期設定装置。
- 請求項6記載の火災検知器の初期設定装置に於いて、前記火災検知器の火災判定部は、前記検知センサから出力された受光検知信号をA/D変換器によりサンプリングした後に高速フーリエ変換によりパワースペクトル成分を求めて火災を判定しており、前記データ取得部は、予め設定した前記高速フーリエ変換の演算開始強度を前記中点データにより修正して検知器固有の演算開始強度を取得することを特徴とする火災検知器の初期設定装置。
- 請求項5記載の火災検知器の初期設定装置に於いて、前記データ取得部は、前記火災検知器の試験動作により前記検知センサから得られる受光検知信号をA/D変換器で変換して汚損無しのピークデータを取込み、該ピークデータに対し予め定めた割合の汚損警報閾値及び感度変更閾値を演算して検知器固有の汚損警報閾値及び感度変更閾値を取得することを特徴とする火災検知器の初期設定装置。
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