JP3741404B2 - 火災検知器および防災システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速道路等の道路用トンネルの防災システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の高速道路等の道路用トンネルの防災システムは、信号線を介して防災受信盤に複数の火災検知器が接続され、上記火災検知器のそれぞれに受光ガラスが設けられ、この受光ガラスを介して、上記火災検知器が火災に基づく環境変化を検出する。
【0003】
そして、時間の経過とともに受光ガラスの汚れが増加するので、一定の期間毎に受光ガラスを清掃するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例では、一定の期間毎に受光ガラスを清掃するようにしているので、その受光ガラスの汚れが少なければ、無駄に清掃していることになるという問題がある。
【0005】
本発明は、受光ガラスを効率よく清掃することができる防災システムを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、信号線を介して防災受信盤に複数の火災検知器が接続されている防災システムにおいて、受光ガラスを介して、火災に基づく環境変化を検出する火災検出手段と、上記受光ガラスの汚れ度合いを検出し、上記検出された汚れ度合いに応じたレベルを出力する汚れ検出手段と、上記汚れ検出手段が出力したレベルを所定の閾値と比較し、上記汚れ検出手段が出力したレベルが上記所定の閾値よりも高いときに、汚れ警報信号を出力する比較手段と、上記閾値が格納され、しかも上記格納されている閾値を変更することが可能な閾値設定手段とを有し、上記閾値設定手段は、第1の閾値と、上記第1の閾値よりも低い第2の閾値とを格納してある手段であり、上記比較手段は、上記汚れ度合いに応じたレベルが上記第1の閾値を越えているときに、汚れ警報信号を出力し、上記汚れ度合いに応じたレベルが、上記第2の閾値を超えしかも上記第1の閾値以下であるときに、汚れ予報信号を出力する手段であり、また、上記閾値設定手段は、上記第1の閾値が固定的に格納され、上記第2の閾値を変更することが可能であり、上記防災受信盤に上記第2の閾値を変更する入力があるときに変更命令を受けて上記第2の閾値を格納する手段である火災検知器である。
【0007】
【発明の実施の形態および実施例】
図1は、本発明の一実施例であるトンネルの防災システム100を示すブロック図である。
【0008】
トンネルの防災システム100は、防災受信盤REと、個別にアドレスが付与されている複数の火災検知器SE1、SE2、……、SEnと、防災受信盤REと複数の火災検知器SE1、SE2、……、SEnとを接続する信号線Lとを有する。
【0009】
防災受信盤REは、マイクロコンピュータ10と、ROM11と、RAM12と、ディスプレイ13と、代表表示部14と、入力装置15と、送受信部16と、複数のインタフェースI/Fとを有する。
【0010】
マイクロコンピュータ10は、防災受信盤REの全体を制御するものである。また、マイクロコンピュータ10は、上記アドレスに基づいて上記各火災検知器を個別に識別するとともに、上記各火災検知器から火災に基づく情報を収集する火災情報収集手段の例であり、上記各火災検知器から、後述する受光ガラス22の汚れに基づく情報を収集する汚れ情報収集手段の例である。
【0011】
ROM11は、プログラムや伝送上の端末機器の情報をデータベースとして格納している記憶領域である。
【0012】
RAM12は、火災検知器SE1、SE2、……、SEnの監視状態や設定変更事項等、動作中の保持事項を格納している領域であるとともに、作業用の記憶領域である。
【0013】
ディスプレイ13は、火災情報等を詳細に表示するためのCRTやLCD等による画面表示装置であり、上記汚れ情報収集手段が収集した上記情報に応じて、汚れの進行度合いを表示する汚れ表示手段の例である。
【0014】
代表表示部14は、防災システム100の状態として火災や異常等の注意情報を一括してLED表示する装置である。
【0015】
入力装置15は、操作のためのキーボード等の入力装置である。
【0016】
火災検知器SE1は、マイクロコンピュータ20と、発光素子21と、受光ガラス22と、受光素子23と、ROM24と、RAM25と、表示灯26と、送受信部27とを有する。
【0017】
マイクロコンピュータ20は、火災検知器SE1の全体を制御するものである。
【0018】
発光素子21は、受光素子23を覆う受光ガラス22の光透過率を測定するために、受光素子23に向けて発光し、所定の間隔で設置され、LEDなどで構成されている。
【0019】
受光ガラス22は、火災検知器SE1を構成するもののうちで、発光素子21、受光ガラス22を除いたものを覆うものである。
【0020】
受光素子23は、受光ガラス22の左右に1つづつ設けられ、焦電素子、フォトダイオード等によって構成されている。
【0021】
ROM24は、図5、図6に示すフローチャートに対応するプログラムを格納してあるとともに、各種設定を格納してある記憶領域である。
【0022】
RAM25は、監視状態の情報や設定変更事項の情報等、動作中の保持事項を格納する領域であるとともに、作業用の記憶領域である。
【0023】
表示灯26は、炎検知時に点灯され、LED等によって構成されている。
【0024】
送受信部27は、信号線Lを介して防災受信盤REからの信号受信および防災受信盤REへの信号送信を行う部分である。
【0025】
なお、火災検知器SE2、……、SEnの構成は、火災検知器SE1の構成と同様である。
【0026】
火災検知器SE1〜SEnとして、炎を検出するものを用いているが、火災検知器SE1〜SEnは、通常、トンネル壁面に配置され、約90度の視野を持つ受光素子を2つ用い、ほぼ180度の監視角度を有し、また、たとえば左右に25mピッチに監視する必要がある。したがって、火災検知器SE1〜SEnのそれぞれは、火災検知動作を左右別個に行っている。また、詳細には示さないが、火災検知器SE1〜SEnは、炎検知の方式として赤外領域の2つの異なる波長の出力を比較し、誤報要因を排除する、いわゆる2波長式の炎検知動作を行うものである。
【0027】
また、火災検知器SE1〜SEnのそれぞれには、信号伝送時にそれぞれを特定するために、個別のアドレスが付与されている。図1では、アドレス1、2〜nまでを示してあるが、トンネルに必要な任意の個数nまで付与すれば足りるが、システムによる最大アドレス(たとえば250アドレス)を超えることはできない。
【0028】
次に、上記実施例における伝送フォーマットについて説明する。
【0029】
図2は、上記実施例において使用する第1の伝送フォーマットを示す図である。
【0030】
図2において、信号線L間の電圧等を変動させることによって、「0」、「1」を表わし、これを信号波形として使用するものであるが、便宜上、中心に描かれている横方向の矢印の上側に、防災受信盤REから火災検知器SE1〜SEnへ向かう信号が示され、上記横方向の矢印の下側に、火災検知器SE1〜SEnから防災受信盤REへ向かう信号が示されている。
【0031】
また、防災受信盤REと火災検知器との間における1回の信号のやり取りを1フレームとし、この1フレームにおいて、防災受信盤REが出力するアドレス指定ADn、コマンドCMmと、火災検知器が出力する自己アドレスADn、応答信号NOR等とが発生する。なお、図2において、スタートビットやチェックサム用データ等を省略して示してある。
【0032】
次に、上記実施例の動作について説明する。
【0033】
通常、図2(1)に示すように、防災受信盤REが、アドレス順に状態情報返送命令CM1を送出し、各火災検知器から通常の監視状態を示す応答信号NORが返送される。そして、アドレスが最終nに達すると、アドレス1から再度送出し、順次循環的に送出する。
【0034】
そして、火災発生時に、火災検知器は、防災受信盤REからの信号に応答するときに、図2(2)に示すように、火災発生を示す応答信号F(L)を返送する。ここで、応答信号F(L)中の「L」は、左側で火災検知したことを示し、右側で火災検知すれば、火災発生を示す応答信号F(R)を出力し、つまり、火災発生を示す応答信号に、左右いずれで火災検知したかを示す信号が含まれている。
【0035】
同様に、汚れ検知時には、図2(3)に示すように、汚れ検知を示す応答信号D(R)を、また、汚れ予報検知時には、図2(4)に示すように、汚れ予報を示す応答信号P(R)を返送する。ここで、火災と汚れとは別個に検知されるが、火災検知時には、汚れ警報よりも優先して応答される。
【0036】
そして、防災受信盤REに汚れ予報を判別するレベルを変更する入力があるときに、防災受信盤REは、図2(5)に示すように、指定されたアドレスの火災検知器(図ではアドレス1)に予報レベル変更命令CM2を送出し、同時にそのレベルを示すデータPSを送出する。このときに、変更命令CM2を受けた火災検知器は、データPSを予報レベルとして認識することができる。
【0037】
また、防災受信盤REに対して特定の火災検知器の予報レベルを確認する入力がされると、図2(6)に示すように、防災受信盤REは、指定されたアドレスの火災検知器に予報レベル返送命令CM3を送出し、この予報レベル返送命令CM3を受けた火災検知器は、現在設定している予報レベルを返送することによって、設定状況を確認することができる。
【0038】
図3は、上記実施例において使用することができる第2の伝送フォーマットを示す図である。
【0039】
上記第1の伝送フォーマットでは、炎の存在を火災検知器SE1〜SEnで判別し、防災受信盤REが火災検知器SE1〜SEnの状態を収集しているが、図3に示す第2の伝送フォーマットでは、炎の存在を防災受信盤REが判別し、したがって、火災検知器SE1〜SEnは、検出レベル(アナログ値)を送出し、いわゆるアナログ式のシステムを構成している。
【0040】
上記第1の伝送フォーマットと同様、便宜上、中心に描かれている横方向の矢印の上側に、防災受信盤REから火災検知器SE1〜SEnへ向かう信号が示され、上記横方向の矢印の下側に、火災検知器SE1〜SEnから防災受信盤REへ向かう信号が示されている。
【0041】
また、防災受信盤REと火災検知器との間における1回の信号のやり取りを1フレームとし、この1フレームにおいて、防災受信盤REが出力するアドレス指定ADn、コマンドCMmと、火災検知器が出力する自己アドレスADn、応答信号AL(R)、AL(L)とが発生する。なお、応答信号AL(R)、AL(L)は、それぞれ、右、左用のアナログ値の応答信号である。図3において、スタートビットやチェックサム用データ等を省略して示してある。
【0042】
次に、図3に示す第2の伝送フォーマットについて説明する。
【0043】
図3(1)に示すように、通常、防災受信盤REからアドレス順に順次循環的にデータ返送命令CM1を送出し、火災検知器SE1〜SEnのそれぞれから検出レベルとして左右のアナログ値AL(R)、AL(L)が返送される。
【0044】
これと同様に、汚れ検知の場合には、図3(2)に示すように、汚れレベルである汚れのアナログ値DL(R)、DL(L)を収集するために、防災受信盤REが、汚れ情報返送命令CM2を送出し、火災検知器SE1〜SEnのそれぞれからアドレス順に、左右の汚れのアナログ値を収集する。そして、これら収集されたアナログ値に基づいて、炎検知、汚れ警報の判別が防災受信盤REにおいて行われる。
【0045】
そして、防災受信盤REに汚れ予報の判別するレベルを変更する入力があると、防災受信盤REは、自己の有する予報レベルを書き換え、したがって、その予報レベルを設定したり、変更することが容易である。
【0046】
図4は、上記実施例において使用することができる第3の伝送フォーマットを示す図である。
【0047】
第3の伝送フォーマットは、第2の伝送フォーマットと同様にアナログ式のシステムであるが、炎に関する検出レベルと汚れの検出レベルとを常時、同時に返送している点が、第2の伝送フォーマットとは異なる。判別方式等は、上記第2の伝送フォーマットの場合と同じであるので、その説明を省略する。
【0048】
次に、上記実施例の動作について説明する。
【0049】
図5は、上記実施例において、上記第1の伝送フォーマットを使用した場合における動作を示すフローチャートである。
【0050】
起動後初期設定(S1)した後、所定の検出周期のタイミングにおける対応する炎の監視動作(S2、S3)、または防災受信盤REからの信号受信によって防災受信盤REへの返送動作を行う。
【0051】
信号を受信すると(S4)、まず、信号に添付されたアドレスが自己アドレスと一致するか否かを確認し、一致していなければ(S5)、返送動作の処理を終了する。一方、信号に添付されたアドレスが自己アドレスと一致すれば(S5)、コマンドを識別し、コマンドに対応する情報返送動作を行う。
【0052】
まず、状態情報返送命令CM1の場合には(S6)、現在の状態を読み出し(S7)、正常の応答信号NORが返送されている。アドレスが最終nまで行くと、次には再度アドレス1から送出して順次循環的に送出するようになっている。そして、火災発生時には火災検知器は、防災受信盤REからの信号に応答するときに、火災発生を示す応答信号F(L)を返送する。この場合、火災検知のときに左右いずれかを区別できる信号を用いている。同様に、汚れ検知時には汚れ検知を示す応答信号D(R)を、また、汚れ予報検知時には汚れ予報を示す応答信号P(R)を返送する(S8)。ここで、火災と汚れとは別個に検知されるが、火災検知時には汚れ警報よりも優先して火災信号が応答される。
【0053】
そして、防災受信盤REに汚れ予報の判別するレベルを変更する入力があると、防災受信盤REは、指定されたアドレス(図では、アドレス1)の火災検知器に予報レベル変更命令CM2を送出し、同時にそのレベルを示すデータ(レベル閾値)PSを送出する。
【0054】
このときに、変更命令CM2を受けた火災検知器は(S16)、データPSを予報レベルとして認識することができ、RAM25の所定位置に予報レベルとしてデータPSを格納し(S17)、そのデータを返送する(S18)。
【0055】
また、防災受信盤REに対して特定の火災検知器の予報レベルを確認する入力がされる。防災受信盤REは、指定されたアドレスの火災検知器に予報レベル返送命令CM3を送出し、この返送された予報レベル返送命令CM3を受けた火災検知器は(S26)、現在設定している予報レベルPSをRAM25から読み出して返送することによって、設定状況を確認することができる(S27、S28)。
【0056】
上記動作は、第2の伝送フォーマット、第3の伝送フォーマットを使用した場合にも応用でき、これらの場合には、炎検出のアナログ値を返送するか、汚れ検出のアナログ値を返送するかを、コマンドによって区別して返送すればよい。
【0057】
次に、上記実施例において、所定の検出周期のタイミングにおける炎の監視動作について説明する。
【0058】
図6は、上記実施例における監視動作(S3)を具体的に示すフローチャートである。
【0059】
検出周期になると(S31、S32)、受光素子の受光出力をサンプリングしてLとし(S33)、汚れの状態でそのLを補正し、アナログ値ALとする(L/(1-DL)→AL、このとき左右別個に行う)(S34)。そして、火災レベルFSを読み出し、そのアナログ値ALと比較し(S35)、アナログ値ALが大きいと、火災と判断し、表示灯26を点灯するとともに、RAM25の所定の位置に火災状態を書き込む(S36)。この火災状態は、防災受信盤REからの状態情報返送命令を受けたときに火災状態を示す信号として返送される。
【0060】
このサンプリングを行う回数sを計数し、所定の回数S毎に(1日1回程度、盤からの命令で実行してもよい)(S32)、汚れ検知を行う。そのときは、汚れ検知動作として、受光ガラス22を挟んで発光素子21を発光させ、受光素子23に入力するとともに、その受光ガラス22を挟んだ受光素子23の出力をサンプリングしてVとし(S42)、当初のV0と比較して減光率DLを算出する(S43)。なお、V0は、工場出荷時に調整された固定値であり、また清掃直後にとったレベルをV0と扱ってよいが、前記固定値から所定の範囲にあることを確認すべきである。
【0061】
そして、汚れレベルDSを読み出し(S44)、予報レベルPSを読み出し(S45)、その汚れのアナログ値(減光率)DLと比較し、DLの大きさによって、RAM25の所定の位置に汚れ状態または予報状態を書き込む(S46、S53)。この状態については、火災状態と同様にして防災受信盤REに返送される。
【0062】
上記監視動作は、第2の伝送フォーマット、第3の伝送フォーマットにも応用でき、これらの例の場合には、状態の情報をRAM25に格納するのではなく、アナログ値AL、DLをそのまま格納しておき、防災受信盤REに返送すればよい。そして、同様の各種レベルとの比較は、防災受信盤REにおいて行うことになる。
【0063】
つまり、上記実施例は、信号線を介して防災受信盤REに複数の火災検知器が接続されている防災システムにおいて、受光ガラスを介して、火災に基づく環境変化を検出する火災検出手段と、上記受光ガラスの汚れ度合いを検出し、上記検出された汚れ度合いに応じたレベルを出力する汚れ検出手段と、上記汚れ検出手段が出力したレベルを所定の閾値と比較し、上記汚れ検出手段が出力したレベルが上記所定の閾値よりも高いときに、汚れ警報信号を出力する比較手段と、上記閾値が格納され、しかも上記格納されている閾値を変更することが可能な閾値設定手段とを有する火災検知器の例である。
【0064】
この場合、上記閾値設定手段は、第1の閾値と、上記第1の閾値よりも低い第2の閾値とを格納してある手段であり、上記比較手段は、上記汚れ度合いに応じたレベルが上記第1の閾値を越えているときに、汚れ警報信号を出力し、上記汚れ度合いに応じたレベルが、上記第2の閾値を超えしかも上記第1の閾値以下であるときに、汚れ予報信号を出力する手段であるとしてもよい。
【0065】
また、上記比較手段は、上記汚れ度合いに応じたレベルが上記第1の閾値を越えている場合、直前に汚れ予報信号を出力していなければ、上記汚れ警報信号を出力せずに、上記汚れ予報信号を出力する手段であるとしてもよい。
【0066】
さらに、上記閾値設定手段は、上記第2の閾値を変更することが可能であるが、上記第1の閾値が固定的に(変更されずに)格納されている手段であるとしてもよい。
【0067】
図7は、上記実施例において、防災受信盤REが収集した各火災検知器の汚れ情報を表示する表の一例を示す図である。
【0068】
図7に示す表は、汚れの進行度合いを表示する表であり、「・」が、正常状態(汚れが存在しないか、存在していても少ない状態)を示し、「P」が、汚れ予報が出ている状態を示し、「D」が、汚れ警報が出ている状態を示す。
【0069】
図7において、アドレス4が付与されている検知器に着目すると、m月5日、6日に汚れ予報が出たが、その後、4日間、汚れ予報が消えている。これは、汚れ予報が出た後に、付着していた汚れが受光ガラス22から落下したためである。
【0070】
図8は、上記実施例において、汚れに関するアナログ情報を表示する表の一例を示す図である。
【0071】
図8に示す表は、感知器毎に、減光率をグラフで示したものである。図8に示す代わりに、棒グラフ、折れ線グラフで示すようにしてもよい。また、検知器毎に、その履歴を表示するようにしてもよい。さらに、三次元的に奥に最近の汚れに関するアナログ情報を表示するように、重ねて表示してもよい。
【0072】
図7、図8に示す表は、各火災検知器から受信した汚れ情報を、アドレス順に並べることで、上記トンネルの長さ方向の順に表示したものであり、トンネル内における汚れの分布を容易に把握することができる。また、防災受信盤REは、受光ガラス22の汚れに基づく情報に応じて、受光ガラス22の清掃を指示する清掃指示手段を有するようにしてもよい。
【0073】
なお、(汚れのアナログ値の合計)/(火災検知器の個数)=汚れの平均値の式によって、汚れの平均値を求め、この求められた汚れの平均値が所定のレベル以上になったときに、清掃指示を行うようにしてもよい。
【0074】
上記実施例における各表示の形態は、火災検知器の左右を表していないが、汚れ易い方向に基づいて、一方のみを表示するようにしてもよい。好ましくは、左右切換表示ができればよい。さらに、汚れ度合の高い方を自動的に選択して表示するようにしてもよい。
【0075】
つまり、上記実施例は、信号線を介して防災受信盤REに複数の火災検知器が接続されている防災システムにおいて、上記各火災検知器は、火災に基づく情報を検出する火災検出手段と、受光ガラスの汚れ度合いを検出する汚れ検出手段と、トンネルの長さ方向に沿って、上記各火災検知器に順番に個別に設定されているアドレスを格納するアドレス格納手段とを有し、一方、防災受信盤REは、上記アドレスに基づいて上記各火災検知器を個別に識別するとともに、上記各火災検知器から火災に基づく情報を収集する火災情報収集手段と、上記各火災検知器から、上記受光ガラスの汚れに基づく情報を収集する汚れ情報収集手段と、上記汚れ情報収集手段が収集した上記情報に応じて、汚れの進行度合いを表示する汚れ表示手段とを有するトンネルの防災システムの例である。
【0076】
以上のように、トンネル内の汚れ易い位置に設置されている検知器からの汚れ警報をゆっくり発生させることによって、全体的に汚れが進行してから警報を発生させることができ、したがって、一部の検知器の汚れによって生じるトンネルの片面規制を防止することができる。また、アドレス順に汚れの情報を表示することによって、トンネル全体の汚れ度合や汚れ傾向を把握することができる。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、受光ガラスを効率よく清掃することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるトンネルの防災システム100を示すブロック図である。
【図2】上記実施例において使用する第1の伝送フォーマットを示す図である。
【図3】上記実施例において使用することができる第2の伝送フォーマットを示す図である。
【図4】上記実施例において使用することができる第3の伝送フォーマットを示す図である。
【図5】上記実施例において、上記第1の伝送フォーマットを使用した場合における動作を示すフローチャートである。
【図6】上記実施例における監視動作(S3)を具体的に示すフローチャートである。
【図7】上記実施例において、汚れ情報を表示する表の一例を示す図である。
【図8】上記実施例において、汚れに関するアナログ情報を表示する表の一例を示す図である。
【符号の説明】
100…トンネルの防災システム、
RE…防災受信盤、
10…マイクロコンピュータ、
13…ディスプレイ、
SE1〜SEn…火災検知器、
21…発光素子、
22…受光ガラス、
23…受光素子。
Claims (3)
- 信号線を介して防災受信盤に複数の火災検知器が接続されている防災システムにおいて、
受光ガラスを介して、火災に基づく環境変化を検出する火災検出手段と;
上記受光ガラスの汚れ度合いを検出し、上記検出された汚れ度合いに応じたレベルを出力する汚れ検出手段と;
上記汚れ検出手段が出力したレベルを所定の閾値と比較し、上記汚れ検出手段が出力したレベルが上記所定の閾値よりも高いときに、汚れ警報信号を出力する比較手段と;
上記閾値が格納され、しかも上記格納されている閾値を変更することが可能な閾値設定手段と;
を有し、
上記閾値設定手段は、第1の閾値と、上記第1の閾値よりも低い第2の閾値とを格納してある手段であり、
上記比較手段は、上記汚れ度合いに応じたレベルが上記第1の閾値を越えているときに、汚れ警報信号を出力し、上記汚れ度合いに応じたレベルが、上記第2の閾値を超えしかも上記第1の閾値以下であるときに、汚れ予報信号を出力する手段であり、
また、上記閾値設定手段は、上記第1の閾値が固定的に格納され、上記第2の閾値を変更することが可能であり、上記防災受信盤に上記第2の閾値を変更する入力があるときに変更命令を受けて上記第2の閾値を格納することを特徴とする火災検知器。 - 信号線を介して防災受信盤に複数の火災検知器が接続されている防災システムにおいて、
上記各火災検知器は、
火災に基づく情報を検出する火災検出手段と;
受光ガラスの汚れ度合いを検出する汚れ検出手段と;
トンネルの長さ方向に沿って、上記各火災検知器に順番に個別に設定されているアドレスを格納するアドレス格納手段と;
を有し、
上記防災受信盤は、
上記アドレスに基づいて上記各火災検知器を個別に識別するとともに、上記各火災検知器から火災に基づく情報を収集する火災情報収集手段と;
上記各火災検知器から、上記受光ガラスの汚れに基づく情報を収集する汚れ情報収集手段と;
上記汚れ情報収集手段が収集した上記情報に応じて、汚れの進行度合いを上記トンネルの長さ方向の順に表示する汚れ表示手段と;
を有することを特徴とするトンネルの防災システム。 - 請求項2において、
上記防災受信盤は、上記汚れ情報収集手段が収集した上記受光ガラスの汚れに基づく情報に応じて、上記受光ガラスの清掃を指示する清掃指示手段を有することを特徴とするトンネルの防災システム。
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