JPH0720049A - 液体性状検出装置 - Google Patents

液体性状検出装置

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JPH0720049A
JPH0720049A JP5192004A JP19200493A JPH0720049A JP H0720049 A JPH0720049 A JP H0720049A JP 5192004 A JP5192004 A JP 5192004A JP 19200493 A JP19200493 A JP 19200493A JP H0720049 A JPH0720049 A JP H0720049A
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liquid
light
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oil
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JP5192004A
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English (en)
Inventor
Masae Nozawa
政衛 野沢
Shuji Yamaguchi
修司 山口
Masusuke Toda
益資 戸田
Kiwamu Naito
究 内藤
Rie Oosaki
理江 大崎
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定的で信頼度の高い,潤滑油などの液体性
状検出装置の提供。 【構成】 発光部11より,検査対象液体8に検査光8
2を入射し,含有微粒子81の分布状態により変化する
反射光83又は透過光を光センサ12で受信し,液体性
状を判定する液体性状検出装置10である。これには,
例えば,潤滑油のオイル劣化検出装置などがある。検査
対象液体8の収容部30には,洗浄部材35を混入さ
せ,又洗浄部材35の流出防止部材45を設けることが
好ましい。また,収容部30の入光面32は,透光性を
有し検査対象液体8に対して撥液性を有するコーティン
グ材でコーティングすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,エンジンオイルの劣化
などを検出する光学式の液体性状検出装置に関する。
【0002】
【従来技術】液体性状の変化を検出するニーズは,様々
の分野に存在している。例えば,車両等の内燃期間の潤
滑用オイル(以下単に「オイル」という)の劣化を検出
する方法には,次の様なものがある。例えば,車両の走
行距離やエンジン回転数を積算し,一定の計算式により
オイルの劣化を推定するものがある(実開昭64−44
313号公報等参照)。
【0003】また,オイルの劣化によるPHの変化に着
目し,鉛(Pb)よりなる基準電極と,SUSよりなる
比較電極とを用いて電気化学的な発生電位を計測し,P
H値を求めて劣化を判定する方法がある(例えば,特開
平3−175350号公報参照)。
【0004】この方法は,図17に示す等価回路によっ
て表すことができ,オイルの電気化学的発生電位ES
一定の関係を有する平衡電位EO からオイルのPHを求
めるものである(EO =RL S (RO +RL -1)。
同図において,抵抗RO は,上記電極(Pb−SUS)
間の抵抗,抵抗RL は測定回路の入力抵抗を示すもので
ある。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,従来のオイル
劣化検出装置には,次のような問題がある。車両の走向
距離などからオイルの劣化を推測する上記第1の方法
は,オイルの性状を直接測定するものではないから,実
際にはオイルが劣化していない場合にも劣化と判定され
たり,オイルが劣化している場合にも劣化と判定されな
いなどのケースが生じ信頼性に劣る。
【0006】そして,安全サイドにオイル劣化の判定ポ
イントを設定すれば,速めにオイルの劣化を判定し,オ
イルの無駄を生ずる。逆に劣化の判定ポイントを緩くす
れば,実際には劣化したオイルを用いて車を走行するこ
とが起こり,エンジン寿命を低下させることになり兼ね
ない。
【0007】一方,オイルのPHを測定する第2の方法
には次のような問題がある。オイルは,そもそも絶縁体
であるから,その体積抵抗率は著しく大である(約10
8 Ω−cm)。従って,図17に示す電極間の抵抗RO
が大きく,測定回路の入力インピーダンスRL を極めて
大きくしないと精度が得られないという問題があり,測
定回路は高感度で高価なものを用いる必要がある。
【0008】また,空気中の湿度変化によるリーク電流
の変動や,コネクタ部におけるリーク電流など微小な環
境電流によって左右され,安定した精度の良い測定が困
難であるという問題がある。
【0009】なお,上記エンジンオイル等は,潤滑油と
して使用するに伴い,不溶解性の異物の混入量が増大す
ることが知られている。そして,エンジンオイルには添
加剤の一種である分散剤が添加されており,この働きに
より正常時のオイルは,上記異物が,粒子径0.1〜1
μm以下の小粒の粒子に安定的に均一に分散されてい
る。
【0010】しかしながら,上記分散剤は,消耗が速い
ため,一定期間を経過すると上記不溶解粒子が急激に凝
集し,肥大化する。そして,これによって,オイルの潤
滑性能が大幅に低下し,オイルとしての劣化状態と判定
される。このように液体の性状劣化を,混入粒子の有無
や大小又はその分布状態等により判定することのできる
ものには,例えばフロン等を用いた洗浄剤などがある。
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みて,安定的で信頼
度の高い,光学式の液体性状検出装置を提供しようとす
るものである。
【0011】
【課題の解決手段】本発明は,発光部と,検査対象液体
からの透過光又は反射光を受光する光センサと,光セン
サの出力信号を処理する判定部とを有する液体性状検出
装置であって,上記検査対象液体は,その性状の変化に
伴って,含有する微粒子の分布状態を変化させる性質を
有しており,上記発光部は,上記含有微粒子の外径の最
大値と最小値の中間にある所定の波長の検査光を含む光
源であり,上記発光部より検査対象液体に検査光を入射
し,その透過光又は反射光を上記光センサで受光し,上
記判定部において検査対象液体の性状を判定することを
特徴とする液体性状検出装置にある。
【0012】本発明において最も注目すべきことは,発
光部は,検査対象液体の含有微粒子の外径の最大値D1
と最小値D2 の中間にある所定の波長λ0 の検査光を含
む光源であり(D1 ≦λ0 ≦D2 ),光センサは上記検
査光の透過光又は反射光を受光するよう配設されている
ことである。
【0013】そして,上記光センサの出力信号を受け
て,検査対象液体の性状を検出する判定部を有してい
る。なお,発光部から発せられる光は,上記所定の波長
λ0 の光を含有するものであればよく,発光部が単一波
長λ0 のみの光を発する光源であることを意味しない。
【0014】また,上記判定部は,光センサの出力信号
を受信し,検査対象液体の性状を判定するものである。
例えば,光センサからの信号レベルが一定値以上あるい
は一定値以下となったことを比較するコンパレータやシ
ュミット回路などがある。そして,必要に応じて温度補
正回路を設けたり,光源の光度の低下を補正する補償回
路を設けたりする。
【0015】なお,上記含有微粒子とは,検査対象液体
使用によって外部から混入するもの,検査対象液体の使
用によって析出するもの,化学反応によって新たに生ず
るものなど各種のものを意味するものである。また,上
記含有微粒子には,単一物質からなる粒状体,複数物質
の混合体,分子状の高分子物質などを含むものである。
【0016】かかる液体性状検出装置には,例えば,請
求項2記載のように,検査対象液体を内燃期間の潤滑用
オイルとしたオイル劣化検出装置などがある。かかるオ
イル劣化検出装置においては,請求項3記載のように,
発光部から発する検査光の所定の波長λ0 は,1〜10
μmの間にあることが好ましい。詳細を後述するよう
に,オイルの劣化に伴ってオイルに含まれる異物として
の不溶解粒子の外径は,大旨1〜10μmの間にあるか
ら,検査光の波長λ0 は,1〜10μmの間にあること
が好適であるからである(1μm≦λ0 ≦10μm)。
【0017】また,請求項4記載のように,検査対象液
体の収容部には,検査対象液体の流体運動によって浮遊
する洗浄部材を混入させることが好ましい。検査対象液
体の流体運動によって洗浄部材が浮遊すれば,検査光の
入光面に衝突し,このような衝突を繰り返すことによ
り,上記入光面に異物が付着して検査光の入光を妨げた
り光センサの受光量を変化させたりすることが抑制され
るからである(図5参照)。
【0018】なお,このような洗浄部材を液中に混入し
た場合,透過光又は反射光の光量に変化をもたらすこと
が懸念されるが,このような不具合は,光を計測するサ
ンプリング時間を一定時間以上長く取り,その時間平均
値を用いることにより解消される。即ち,洗浄部材は浮
遊するから,光の通路に洗浄部材が浸入する頻度は,一
定値以上の長さを計測時間に取れば,そのばらつきはほ
とんど無視することができるようになる。
【0019】このような洗浄部材を用いる場合には,請
求項5記載のように,検査対象液体の収容部の流入部及
び流出部には,検査対象液体を通過させ洗浄部材を通過
させない流出防止部材を設けることが好ましい。オイル
劣化検出装置などの場合には,常時検査対象液体である
オイルを流入,流出させ常にその劣化を検出するという
用い方が多いからである。
【0020】また,請求項6記載のように,検査対象液
体の収容部における入光面の表面は,検査対象液体に対
する撥液性と透光性とを有するコーティング材をコーテ
ィングすることが好ましい。上記コーティング材は,そ
の撥液性により検査対象液体をはじくから,検査対象液
体やその異物などが入光面に付着して検査光の入光を妨
げたり,光センサの受光量を変化させたりすることが抑
制されるからである。
【0021】上記コーティング材には,例えば検査対象
液体がエンジンオイルの場合にはテフロンコーティング
材などがある。但し,上記コーティング材は,入光面に
おいて,検査光が全反射をするような屈折率のものは,
除外されなければならない。
【0022】
【作用及び効果】液体中に光の波長λ0 に近い径の微粒
子が存在する場合,図15に示すように,液体中に入射
した光82の挙動は,上記微粒子81の外径Dによって
大きく変化する。即ち,上記外径Dが光の波長λ0 より
大きい場合(D>λ0 )には,入射した光が粒子81に
突当たっても,光は一点鎖線89のように透過する。一
方,外径Dが波長λ0 より小さい場合(D<λ0 )に
は,粒子に突当たった光は全て2点鎖線88のように散
乱し,反射される。
【0023】従って,検査対象液体に含まれる微粒子の
外径Dを変えて,発光部から上記波長λ0 の検査光82
を入射し,その透過光(図7)又は反射光(図1)を光
センサで受光すれば,光センサの出力信号は,図16に
示すように変化する。即ち,大径(D>λ0 )の微粒子
を含む検査対象液体の透過光(同図(A))は大きく,
反射光(同図(B))は小さくなり,一方小径(D<λ
0 )の微粒子を含む検査対象液体の透過光は小さく,反
射光は大きくなる。
【0024】一方,本発明の液体性状検出装置の検査対
象液体に含有される微粒子の分布は,その性状の変化に
伴って変化する。即ち,検査対象液体の性状の変化によ
って,含有微粒子における外径Dが一様に増減(Da
b )したり,異なる外径Da ,Db の微粒子の液中含
有率σa ,σb が変化(σa1→σa2,σb1→σb2)した
りする。
【0025】それ故,透過光又は反射光を光センサで受
光し,その出力信号の変化を観測して,検査対象液体中
の微粒子の分布状態,ひいては検査対象液体の性状変化
を検出することができる。例えば,エンジンオイルの場
合には,前記のように,オイルの劣化に伴って不溶解粒
子が凝集,成長するから,検査光の波長λ0 をオイル劣
化前の粒子径と成長した粒子径との間に設定し,オイル
の劣化を検知することができる。
【0026】なお,光学式の液体性状検出装置であるか
ら,検出部において電気的なノイズなどの影響は受ける
ことがない。また,絶縁性を有するエンジンオイルなど
の液体であっても,透光性さえ有しておれば電気的な外
乱等の影響を受けることなく,その液体性状を安定的に
精度良く測定することが可能である。上記のように,本
発明によれば,安定的で信頼度の高い光学式の液体性状
検出装置を提供することができる。
【0027】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例にかかる液体性状検出装置につき図1〜
図6を用いて説明する。なお,本例は,エンジンオイル
のオイル劣化検出装置である。本例は,図1,図2に示
すように,発光部11と,検査対象液体8からの反射光
83を受光する光センサ12と,光センサ12の出力信
号を処理する判定部40(図2)とを有する液体性状検
出装置10である。
【0028】検査対象液体8は,その性状の変化に伴っ
て,含有する微粒子81の分布状態を変化させる性質を
有する内燃期間の潤滑用オイルである。また,発光部1
1は,上記含有微粒子81の外径の最大値D2 と最小値
1 の中間にある所定の波長λ0 (D1 ≧λ0 ≧D2
の波長の検査光82を含む光源である。
【0029】そして,上記発光部11より検査対象液体
8に検査光82を入射し,その反射光83を光センサ1
2で受光し,図2に示す判定部40において検査対象液
体8の性状を判定する。上記検査対象液体8は,内燃期
間の潤滑用オイルであり,検出する性状はオイルの劣化
である。
【0030】また,本例における検査光の所定の波長λ
0 は3μmである。そして,図1に示すように,検査光
82の入光面32を有する検査対象液体8の収容部30
には,検査対象液体の流体運動によって浮遊する,上記
入光面32の洗浄部材35を混入させてある。
【0031】また,上記収容部30の流入部301及び
図示しない流出部には,検査対象液体8は通過させるが
上記洗浄部材35は通過させない流出防止部材36を設
けてある。そして,収容部30の入光面32は,透光性
と検査対象液体8に対する撥液性とを有する図示しない
コーティング材によりコーティングされている。
【0032】以下それぞれについて詳説する。検査対象
液体8であるエンジンオイルには,潤滑油として使用す
ることにより図1に示すように不溶解の微粒子81が含
まれている。発光部11はLEDであり,3μmの波長
の赤外光を発光する。
【0033】図1に示すように,発光部11から発せら
れた検査光82は,プリズム15中を進行し,検査対象
液体8に入射し,その一部分は反射光83として光セン
サ12である受光素子,例えばSPD(シリコンフォト
ダイオード)に入射する。なお,上記プリズム15は,
検査対象液体8に対して検査光82が全反射を起こさな
い屈折率を有する光学ガラスである。
【0034】検査対象液体の収容部30内には,複数の
洗浄部材35が配置されている。また,収容部30には
検査対象液体8の流入部301と流出部を被うように金
網製の流出防止部材36が設けられている。流出防止部
材36の網の目は,洗浄部材35の大きさより細かい目
になっている。
【0035】洗浄部材35は,プリズム15を傷つけ
ず,かつ検査対象液体10中で耐久性を有するようにフ
ッ素樹脂によって形成されている。洗浄部材30の形状
としては,図6に示すように,小球状の凹部を有する球
体(図6(a)),球体(図6(b)),小球状の凸部
を有する球体(図6(c)),正四面体(図6
(d)),2つの球の結合体(図6(e))等がある。
これらの洗浄部材35は,いずれも検査対象液体8の流
動に対応して運動し易い形状と比重を有している。
【0036】洗浄部材35の素材としては,フッ素樹脂
の他にフッ素ゴム,ガラス,セラミック,金属等を用い
ることができる。また,洗浄部材35は適切な比重を得
るために中空にしてもよい。また,洗浄部材35の表面
は光の反射率が小さい物質であることが好ましい。これ
らの条件を満足させるため,中心部の素材と表面部の素
材とを異なる物質とすることもできる。例えば,鉄芯に
テフロンを被覆したテフロン球,鉄芯にフッ素ゴムを被
覆したフッ素ゴム球等で形成することができる。
【0037】次に,本例のオイル劣化検出装置の信号処
理の流れと構成について,判定部40を中心に説明す
る。図2に示すように,判定部40は,外部の直流電源
51からパワーの供給を受け,発光部11と光センサ1
2に対して電力を供給する。また,発光部11の近傍に
は,温度センサとしてのサーミスタ温度計52が配置さ
れており,判定部40の演算部401と接続されてい
る。
【0038】判定部40の判定結果の出力信号は,車両
のエンジン用電子制御装置(ECU)50に与えられ,
ECU50は運転席のオイル状態表示器53と接続され
ている。また,判定部40とECU50との間には,オ
イル劣化検出装置を作動させるECU50の指令を受信
する信号線501が設けられている。
【0039】次に,判定部40の内部構成について説明
する。判定部40は,図2に示すようにサーミスタ温度
計52と演算部401とからなる。演算部401は,図
3に示すように,定電圧回路41,スイッチング回路4
2,発光部11のドライバ43,光センサ12のレシー
バ44,変換増幅器45,比較演算器46,ECU50
への信号送出回路47,温度監視回路48とを有してい
る。
【0040】定電圧回路41は,各部に対する電圧供給
源である。スイッチング回路42は,ECU50の指令
に応動して,判定部40を起動,停止するスイッチング
回路である。また,温度監視回路48の高温検知指令に
より,判定部40の動作を停止する。これは,高温時に
おけるオイル劣化検出装置の稼働により発光部11の寿
命が低下することを予防する保護機能である。
【0041】ドライバ43は,発光部11であるLED
に発光用の定電流I1 を供給する回路である。レシーバ
44は,光センサ12に電力を供給すると共に,光セン
サ12の受光量によって変化する電流I2 を受信する回
路である。
【0042】変換増幅器45は,光センサ12の出力信
号I2 をパワー増幅し,出力電圧V2 に返還するオペア
ンプである。比較演算回路46は,上記出力電圧V2
所定の基準電圧VS と比較し,上記出力電圧V2 が基準
電圧VS より大きい場合にオイルの劣化と判定するコン
パレータ又はシュミット回路である。なお,本例は,洗
浄部材35の混入による出力電圧V2 の変動を平準化す
るため,一定時間における出力電圧V2 の平均値をもっ
て,基準電圧VS と比較する。
【0043】信号送出回路47は,ECU50と同期を
とり,所定のタイミングと信号レベルにより,比較演算
回路46の判定結果を2値信号により,ECU50に送
出する。温度監視回路48は,サーミスタ温度計52の
抵抗変化により温度を検出し,検出温度が所定値T0
越えたとき,前記スイッチング回路42に停止信号を送
出する監視回路である。
【0044】次に,本例の液体性状検出装置10の全体
構造について説明する。液体性状検出装置10は,図4
に示すように,その中心部に,プリズム15,発光部1
1,光センサ12,収容部30からなる光学部材を配置
し,下方に検査対象液体8の流入管61を有する。そし
て,上方には,判定部40を構成するプリント配線板6
9と入出力コネクタ68とが配設されている。
【0045】検査対象液体8は,図4に示すように流入
管61から流入し,収容部30を経由して図示しない流
出管63(図5)から流出する。そして,検査対象液体
8は収容部30内でプリズム15とその入光面32に於
いて接触する。プリズム15の左右には光センサ12と
発光体11とが取付けられている。そして,発光体11
から発射されたプリズム15への入射光82のうち,検
査対象液体8において反射された反射光83が光センサ
12に入光する。
【0046】次に本例の液体性状検出装置10の作用効
果について述べる。検査対象液体8であるエンジンオイ
ルは,その使用によって,図1に示すように,不溶解正
の微粒子81を含むようになる。しかし,オイルには分
散剤が含まれており,その作用により上記微粒子81は
0.2〜1μm以下の小径微粒子として均一に分散さ
れ,潤滑性能には影響を与えない。
【0047】しかしながら,長期に渡りオイルが使用さ
れると分散剤が消耗して,分散作用が低下する。その結
果上記微粒子81は急速に互いに凝集,肥大化(長径
化)し,オイルの潤滑性能は急速に低下する。正常な潤
滑性能を示すオイルに含まれる微粒子81は,0.1〜
1μm程度であるが,上記分散剤の消耗後は,外径が2
〜3μmを越える大径微粒子81の含有率が急速に増大
する。
【0048】一方,本例の液体性状検出装置10におけ
る発光体11が発する光のスペクルには,上記大径微粒
子81中のある特定された粒子の外径に等しい波長λ0
の検査光82が多量に含まれている。それ故,上記大径
微粒子81を多量に含む劣化オイルと,正常オイルとで
は,オイルに対する検査光82の反射率と透過率が著し
く異なっている(図15,図16参照)。それ故,オイ
ルに対する反射光(透過光)を観測してオイルの劣化の
検知が可能となるのである。
【0049】上記作用を,本例の液体性状検出装置10
の構成に従って説明する。図1,図2に示すように,定
電流I1 を供給され一定の光を発する発光体11から発
せられた検査光82は,検査対象液体8に入射し,その
一部は,反射光83として光センサ12に入射する。
【0050】そして,上記反射光83の強さは,検査対
象液体8に含まれる大径微粒子81の量によって大幅に
変化する。図2に示すように,上記反射光83の強さ
は,光センサ12の出力電流I2 に変換される。そし
て,図3に示すように,上記出力電流I2 は,判定部4
0の演算部401における変換増幅器45において電圧
2 に変換される。
【0051】上記電圧V2 は,比較演算回路46におい
て,基準電圧VS と比較され,これより小の場合(V2
<VS )には,オイル劣化と判定し,1信号が出力され
る。また,電圧V2 が基準電圧VS 以上(V2 ≧VS
ならば,オイルは正常と判定され0信号が出力される。
【0052】比較演算回路46の2値信号出力は,信号
送出回路47によりECU50に送出される。そして,
ECU50からは運転席に設けた表示器53に対して表
示器53駆動信号が送出され,運転者に対してオイルの
性状が表示される。上記のように,本例は光学的手段を
ベースに,オイルの劣化状況を明瞭に判定することがで
きる。
【0053】なぜならば,オイルの潤滑性能の低下(劣
化)は,大径微粒子81の存否によって決まり,一方大
径微粒子81の存否によって,反射光83の強さは著し
く変化するから,極めて明瞭にオイルの劣化を判定する
ことができる。即ち,従来のPH式のオイル劣化検出装
置のように微弱な電気化学的電位を検出する方法ではな
いから,極めて高感度かつ安定的にオイルの劣化を検出
することができる。
【0054】次に,本例の液体性状検出装置10の,洗
浄部材35の作用について述べる。図5は,このような
汚れ除去作用を説明するものである。プリズム15と検
査対象液体8との境界入光面32に付着した汚れ89に
洗浄部材35が接触すると(図5(a)),汚れ89の
間に働く分子間吸引力に分離力が働き汚れ89が分解
し,分離される(図5(b))。即ち,プリズム15の
入光面32に付着する汚れ89は,分子間吸引力によっ
て引き起こされるものが多いから,汚れ89に対して物
理的な外力を加えることが効果的である。
【0055】検査対象液体8は図5(a)の矢印に示す
ように一方向に流動すると共に,収容部30内において
は対流も生じている。一方,洗浄部材35は流出防止部
材36によって収容部30内に封入されている。従っ
て,洗浄部材35は上記検査対象液体8の力を受けて収
容部30中を浮動する。そのため,洗浄部材35はプリ
ズム15との境界面である入光面32に衝突し,上記汚
れ89を解体すると共に,入光面32から遊離させる。
また,汚れ89が入光面32に成長するのを未然に防止
する効果もある。
【0056】本例は,入光面32にワイパーのような特
別の汚れ除去機構を設けることなく,洗浄部材35を混
入させるという比較的簡単な構成である。上記のよう
に,本例によれば,簡単な構造によって,プリズム15
と検査対象液体8との境界面の入光面32の汚れを防止
又は除去することのできる液体性状検出装置10を提供
することができる。
【0057】なお,検査対象液体8に対して間欠的に衝
動流を与えるなどの手段により,境界面流路中の液体の
流動を促進させればより効果的である。上記のように,
本例によれば,安定的で信頼度の高い光学式のオイル劣
化検出装置を提供することができる。
【0058】実施例2 本例は,図7,図8に示すように,実施例1において,
検査対象液体8の透過光84を光センサ12が検出する
ようにした,透過光受光式の液体性状検出装置100で
ある。図7に示すように本例の収容部31の,少なくと
も上下両面は透光性のあるガラス等によって形成されて
いる。そして,光センサ12は,発光部11と対向する
位置に設けられている。
【0059】そして,図8に示す判定部400の演算部
402における比較演算回路は,実施例1の比較演算回
路46(図3)とは逆方向に作動し,電圧V2 が基準電
圧VS2を越えるときに1信号を出力し,電圧V2 が基準
電圧VS2以下のとき0信号を出力する。本例の液体性状
検出装置100の信号処理系統は,上記比較演算回路の
動作が逆方向動作である他は,実施例1の図3と同様で
ある。
【0060】また,液体性状検出装置100の全体形状
は,図9に示すように,ネジこみ式となっている。すな
わち,ネジ部67を,オイル流路部に螺着しエンジン部
に取付けられる。そして,液体性状検出装置100の下
方には,発光部11と,光センサ12と,オイルの収容
部31が設けられ,上方には判定部400を構成するプ
リント配線板690が配設されている。その他について
は,実施例1と同様である。
【0061】実施例3 本例は,図10,図11に示すように,実施例1におい
て,検査光82の強さを検知する検査光センサ13を設
けたもう1つの実施例である。即ち,図10,図11に
示すように,発光体11から発せられた光の一部は,検
査対象液体8を介することなく直接に検査光センサ13
に入光させる。
【0062】そして,図12に示すように,演算部40
3において出力電流IO は,第2レシーバ回路440か
ら,第2変換増幅器450に入力され,基準電圧V0
変換される。そして割算器49において,前記出力電圧
2 を除し,検査光83の反射率α(=V2 /V0 )が
算出される。
【0063】そして,比較演算器461において,所与
の基準反射率αS と比較される。反射率αが上記基準反
射率αS より小さい場合(α<αS )には,オイル劣化
と判定され,比較演算器461からは,1信号が出力さ
れる。また,反射率αが基準反射率αS 以上の場合は,
オイル正常と判定され,0信号が出力される。
【0064】本例は,検査光82の強さを検知し,反射
率αを求めるから,発光源の光の強さが変動しても,比
較演算器461の2値信号出力が変動することがない。
従って,より安定的な判定動作を期待することができ
る。その他については実施例1と同様である。
【0065】実施例4 本例は,図13,図14に示すように,実施例3におい
て,光センサ12が透過光を受光するようにした,いわ
ゆる透過光受光式の液体性状検出装置100である。な
お,本例の演算部404の回路構成は,実施例3(図1
2)と同様であるが,比較演算器461の動作態様が反
対となる。
【0066】即ち,図12に示す割算器49における出
力値(V2 /V0 )は,透過率αである。そして,比較
演算器461は,上記透過率αが基準透過率αS より大
きい場合(α>αS )にオイル劣化と判定し,1信号を
出力する。そして,透過率αが基準透過率αS 以下のと
き(α≦αS ),オイル正常と判定し,0信号を出力す
る。その他については,実施例3と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のオイル劣化検出装置の光学系説明
図。
【図2】実施例1のオイル劣化検出装置の信号系統説明
図。
【図3】実施例1のオイル劣化検出装置の判定部のブロ
ック回路図。
【図4】実施例1のオイル劣化検出装置の正面図。
【図5】実施例1の洗浄部材の動作説明図。
【図6】実施例1の洗浄部材の各種形状図。
【図7】実施例2のオイル劣化検出装置の光学系説明
図。
【図8】実施例2のオイル劣化検出装置の信号系統説明
図。
【図9】実施例2のオイル劣化検出装置の正面図。
【図10】実施例3のオイル劣化検出装置の光学系説明
図。
【図11】実施例3のオイル劣化検出装置の信号系統説
明図。
【図12】実施例3のオイル劣化検出装置の判定部のブ
ロック回路図。
【図13】実施例4のオイル劣化検出装置の光学系説明
図。
【図14】実施例4のオイル劣化検出装置の信号系統説
明図。
【図15】本発明における検査対象液体中の検査光の透
過,反射説明図。
【図16】本発明における検査対象液体中の検査光の透
過,反射特性図。
【図17】従来のPH式オイル劣化検出装置の等価回路
図。
【符号の説明】
10...液体性状検出装置, 11...発光部, 12...光センサ, 30...収容部, 32...入光面, 35...洗浄部材, 45...流出防止部材, 8...検査対象液体, 81...微粒子, 82...検査光, 83...反射光,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 究 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 大崎 理江 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光部と,検査対象液体からの透過光又
    は反射光を受光する光センサと,光センサの出力信号を
    処理する判定部とを有する液体性状検出装置であって,
    上記検査対象液体は,その性状の変化に伴って,含有す
    る微粒子の分布状態を変化させる性質を有しており,上
    記発光部は,上記含有微粒子の外径の最大値と最小値の
    中間にある所定の波長の検査光を含む光源であり,上記
    発光部より検査対象液体に検査光を入射し,その透過光
    又は反射光を上記光センサで受光し,上記判定部におい
    て検査対象液体の性状を判定することを特徴とする液体
    性状検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記検査対象液体は
    内燃機関の潤滑用オイルであり,検出する液体性状はオ
    イルの劣化であることを特徴とする液体性状検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において,上記発光部の所定の
    波長は,1〜10μmの間にあることを特徴とするオイ
    ル劣化検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,請求項2又は請求項3におい
    て,検査光の入光面を有する検査対象液体の収容部に
    は,検査対象液体の流体運動によって浮遊する,上記入
    光面の洗浄部材を混入させたことを特徴とする液体性状
    検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において,上記検査対象液体の
    収容部の流入部及び流出部には,検査対象液体は通過さ
    せるが,上記洗浄部材は通過させない流出防止部材を設
    けたことを特徴とする液体性状検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項4又は請求項5におい
    て,検査対象液体の収容部における上記入光面の表面
    は,透光性と検査対象液体に対する撥液性とを有するコ
    ーティング材によりコーティングされていることを特徴
    とする液体性状検出装置。
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