JP5040420B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、モータを駆動源とする電動パワーステアリング装置(EPS)には、ステアリングシャフトを回転駆動することにより、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与するものがある。通常、このようなEPSにおいて、モータは、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構(例えばウォーム&ホイール等)を介してステアリングシャフトに連結されている。そして、同モータの回転は、この減速機構により減速されてステアリングシャフトに伝達されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−291718号公報
ところで、多くのEPSは、図16に示すようなステアリングと転舵輪とを連結する操舵伝達系(ステアリングシャフト91)の途中に設けられたトーションバー92の捻れ角に基づき操舵トルクを検出するトルクセンサ93を備えている。尚、図16は、EPS用トルクセンサとして広く採用されているもの、即ちトーションバー92の両端に設けられた一対の角度センサ94a,94b(レゾルバ)により同トーションバー92の捻れ角を検出する所謂ツインレゾルバ型トルクセンサの概略構成を示す模式図である。そして、そのトルクセンサにより検出された操舵トルクに基づいて、操舵反力を低減する方向にアシスト力を付与する構成となっている。
しかしながら、上記のような第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介してモータとステアリングシャフトとが駆動連結されたEPSでは、上記のように操舵反力を低減すべくモータが回転することにより、場合によって、減速機構を構成する両ギヤの噛合部において歯打ち音(ラトル音)が発生するおそれがある。
即ち、例えば、不整路面走行時等、転舵輪に逆入力応力が印加された場合には、ステアリングシャフトは、その逆入力応力に基づき回転する。このとき、同ステアリングシャフトに設けられたトルクセンサにおいては、その逆入力応力に基づくトルクが操舵反力として検出される。そして、その操舵反力を低減する(打ち消す)方向にアシスト力を付与すべく、モータが回転することにより、減速機構に歯打ち音が発生する。
つまり、図17に示すように、このような逆入力応力の印加時には、ステアリングシャフトとともに一体回転する第1のギヤ(リダクションギヤ)95と、モータ駆動により回転する第2のギヤ(モータギヤ)96とが相反する方向に回転することになり、その結果、互いに噛合されたそれぞれの歯95a,96aが互いに衝突することになる。さらに、転舵輪に印加された逆入力応力は、振動として操舵系に残存する。このため、第1及び第2のギヤ95,96は、それぞれ、その回転方向を反転しつつ、上記のような衝突を繰り返すことになり、その衝撃が歯打ち音として外部に伝達されるおそれがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、逆入力応力の印加に起因する歯打ち音の発生を抑制することのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、モータを駆動源としてステアリングシャフトを回転駆動することにより操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、前記ステアリングシャフトの途中に設けられたトーションバーの捻れ角に基づき操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記モータへの駆動電力の供給を通じて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記モータは、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介して前記ステアリングシャフトに駆動連結され、前記制御手段は、前記ステアリングシャフトの回転状態を示す信号の周波数解析に基づいて、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を抑制すべく、前記操舵力補助装置の作動を制御する電動パワーステアリング装置であって、前記操舵系に付与するアシスト力の制御は、前記トルクセンサによって検出された操舵トルクに基づき行われるものであって、前記ステアリングシャフトの回転状態を示す信号から、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を抽出可能な特定周波数抽出手段を備え、前記制御手段は、抽出された前記特定の周波数成分の実効値が所定の閾値以上である場合には、前記操舵系に付与するアシスト力を低減すべく制御すること、を要旨とする。
上記構成によれば、逆入力応力の印加時、操舵系に生ずる振動が歯打ち音(ラトル音)として顕在化する前に、いち早くその発生を検知して速やかに抑制することができる。その結果、高い静粛性と良好な操舵フィーリングを実現することができるようになる。
即ち、逆入力応力印加時、第1及び第2のギヤの噛合部分に生ずる歯打ち音は、当該逆入力応力の印加により操舵系を構成するステアリングシャフトが振動することによって、第1のギヤ(の歯)と第2のギヤ(の歯)とが相反する方向に回転し、繰り返し衝突することにより引き起こされる。そして、その操舵系の振動を打ち消すべくパワーアシスト制御が実行されることにより、こうした二つのギヤ間の相対回転速度差が増大、即ち歯打ち音の発生が助長される。
しかしながら、上記のように歯打ち音(ラトル音)の発生を助長する振動に対応した周波数成分が顕著となった場合には、操舵系に付与するアシスト力を低減し、モータにより駆動される側のギヤの回転速度を抑えることで、二つのギヤ間の相対回転速度差の増大を抑制して、その衝突エネルギーを小さく抑えることができる。その結果、第1及び第2のギヤの噛合部分に生ずる歯打ち音の発生を効果的に抑制することができる。
請求項に記載の発明は、前記制御手段は、前記実効値が大きいほど、前記アシスト力を大きく低減すること、を要旨とする。
請求項に記載の発明は、前記制御手段は、前記操舵系に付与するアシスト力をゼロに低減すること、を要旨とする。
即ち、電動パワーステアリング装置の本来の機能、即ち適切なアシスト力付与の観点からみた場合、アシスト力の低減は、必ずしも好ましいものではない。この点、上記各構成のように、その歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分の実効値の大きさに応じてアシスト力を低減することで、適切なアシスト力付与を行いつつ、効果的に歯打ち音の発生を抑制することができるようになる。加えて、アシスト力の低減時においても、そのアシスト力の変化を穏やかなものとして、良好な操舵フィーリングを維持することができるという利点がある。
請求項に記載の発明は、前記制御手段は、車速が所定の車速領域にある場合に限定して、前記アシスト力の低減を行うこと、を要旨とする。
即ち、操舵系に振動として残留する逆入力応力の振幅は、転舵輪を支承するサスペンションの振動特性に依存し、当該サスペンションに共振が発生する所定の車速領域において増幅される。そして、減速機構(第1及び第2のギヤの噛合部分)において発生する歯打ち音もまた、この所定の車速領域において特に顕著となる傾向がある。つまり、逆説的にいえば、車速が当該所定の車速領域にない場合には、減速機構における歯打ち音は特に問題にならない。従って、上記構成のように、車速が所定の車速領域にある場合に限定して上記アシスト力の低減を行うことにより、操舵フィーリングを損ねることなく、効果的に減速機構における歯打ち音の発生を抑制することができる。
請求項に記載の発明は、前記制御手段は、車両制動時には、前記アシスト力の低減を行わないこと、を要旨とする。
即ち、車両制動時には、操舵系へのアシスト力付与を優先することにより、当該制動に伴い操舵系に伝達される振動にも対処することができる。その結果、操舵フィーリングを損ねることなく、効果的に減速機構における歯打ち音の発生を抑制することができる。
請求項に記載の発明は、前記制御手段は、ステアリング操作時には、前記アシスト力の低減を行わないこと、を要旨とする。
即ち、運転者によるステアリング操作が発生している場合には、歯打ち音の抑制よりも当該ステアリング操作のアシストを優先することが望ましい。従って、このような場合には、ステアリング操作のアシストを優先することで、操舵フィーリングを損ねることなく、効果的に減速機構における歯打ち音の発生を抑制することができる。
請求項に記載の発明は、モータを駆動源としてステアリングシャフトを回転駆動することにより操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、前記ステアリングシャフトの途中に設けられたトーションバーの捻れ角に基づき操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記モータへの駆動電力の供給を通じて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記モータは、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介して前記ステアリングシャフトに駆動連結され、前記制御手段は、前記ステアリングシャフトの回転状態を示す信号の周波数解析に基づいて、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を抑制すべく、前記操舵力補助装置の作動を制御する電動パワーステアリング装置であって、前記制御手段は、前記トルクセンサによって検出された操舵トルクに含まれた前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を除去可能な特定周波数除去手段を備え、前記ステアリングシャフトの回転状態を示す信号から、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を抽出可能な特定周波数抽出手段を備え、前記制御手段は、抽出された前記特定の周波数成分の実効値が所定の閾値以下である場合には、前記特定周波数除去手段の効力を低減すること、を要旨とする。
請求項に記載の発明は、モータを駆動源としてステアリングシャフトを回転駆動することにより操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、前記モータへの駆動電力の供給を通じて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記モータは、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介して前記ステアリングシャフトに駆動連結され、前記制御手段は、前記ステアリングシャフトの回転状態を示す信号の周波数解析に基づいて、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を抑制すべく、前記操舵力補助装置の作動を制御する電動パワーステアリング装置であって、前記制御手段は、前記アシスト力を発生させるための制御信号に含まれた前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を除去可能な特定周波数除去手段を備え、前記ステアリングシャフトの回転状態を示す信号から、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を抽出可能な特定周波数抽出手段を備え、前記制御手段は、抽出された前記特定の周波数成分の実効値が所定の閾値以下である場合には、前記特定周波数除去手段の効力を低減すること、を要旨とする。
上記各構成によれば、逆入力応力の印加時、操舵系に生ずる振動が歯打ち音(ラトル音)として顕在化する前に、いち早くその発生を検知して速やかに抑制することができる。その結果、高い静粛性と良好な操舵フィーリングを実現することができるようになる。
また、パワーアシスト制御の基礎となる操舵トルク、又はアシスト力を発生させるための制御信号から、予め歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を除去することで、操舵系(ステアリングシャフト)の振動を打ち消すためのアシスト力付与が抑制される。そして、これにより、当該振動を打ち消すためのアシスト力付与による歯打ち音の増大を回避して、効果的に、その発生を抑制することができる。
また、前記ステアリングシャフト回転状態を示す信号から、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を抽出可能な特定周波数抽出手段を備え、前記制御手段は、抽出された前記特定の周波数成分の実効値が所定の閾値以下である場合には、前記特定周波数除去手段の効力を低減する。
即ち、操舵系の振動を打ち消すためのアシスト力付与の過度な制限は、操舵フィーリングの悪化を招くことになる。この点、上記構成によれば、当該振動を打ち消すためのアシスト力付与の制限は、減速機構において歯打ち音が発生しやすい状況にある場合に限定される。その結果、良好な操舵フィーリングを確保しつつ、効果的に歯打ち音の発生を抑制することができる。
請求項に記載の発明は、前記制御手段は、車速が所定の車速領域にある場合に限定して、前記特定周波数除去手段の効力を有効とすること、を要旨とする。
上記構成によれば、上記請求項に記載の発明と同様に、操舵フィーリングを損ねることなく、効果的に減速機構における歯打ち音の発生を抑制することができる。
請求項1に記載の発明は、前記制御手段は、車両制動時には、前記特定周波数除去手段の効力を低減すること、を要旨とする。
上記構成によれば、上記請求項に記載の発明と同様に、操舵フィーリングを損ねることなく、効果的に減速機構における歯打ち音の発生を抑制することができる。
請求項1に記載の発明は、前記制御手段は、ステアリング操作時には、前記特定周波数除去手段の効力を低減すること、を要旨とする。
上記構成によれば、上記請求項に記載の発明と同様に、操舵フィーリングを損ねることなく、効果的に減速機構における歯打ち音の発生を抑制することができる。
本発明によれば、逆入力応力の印加に起因する歯打ち音の発生を抑制することが可能な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明をコラム型の電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。具体的には、本実施形態のステアリングシャフト3は、自在継手7a,7bを介して、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなり、上記ラックアンドピニオン機構4は、ピニオンシャフト10の一端に形成されたピニオン歯10aとラック軸5側のラック歯5aとを噛合させることにより構成される。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角、即ち車両の進行方向が変更されるように構成されている。
本実施形態のEPS1は、モータ21を駆動源としてステアリングシャフト3を回転駆動することにより操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するEPSアクチュエータ22と、該EPSアクチュエータ22の作動を制御するECU23とを備えている。
詳述すると、本実施形態のEPSアクチュエータ22は、コラムシャフト8にアシスト力を付与する所謂コラム型のEPSアクチュエータとして構成されており、その駆動源であるモータ21は、減速機構24を介してコラムシャフト8と駆動連結されている。本実施形態では、減速機構24は、コラムシャフト8に対して相対回転不能に設けられた第1のギヤとしてのリダクションギヤ25と、モータ軸21aに対して相対回転不能に設けられた第2のギヤとしてのモータギヤ26とを噛合することにより構成されている。尚、本実施形態では、減速機構24には、所謂ウォーム&ホイールが採用されている。そして、操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ22は、駆動源であるモータ21の回転を減速機構24により減速してコラムシャフト8に伝達することにより、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与する構成となっている。
一方、制御手段としてのECU23は、EPSアクチュエータ22の駆動源であるモータ21に対して駆動電力を供給する。そして、その駆動電力の供給を通じてモータ21の回転、即ちEPSアクチュエータ22の作動を制御するように構成されている。
さらに詳述すると、ECU23には、コラムシャフト8に設けられたトルクセンサ31が接続されている。本実施形態では、コラムシャフト8は、ステアリング2側の第1シャフト8aとインターミディエイトシャフト9(ピニオンシャフト10)側の第2シャフト8bとを、トーションバー33を介して連結することにより形成されている。そして、トルクセンサ31は、トーションバー33、及び同トーションバー33の両端(第1シャフト8aの端部及び第2シャフト8bの端部)に設けられた一対の角度センサ34a,34b(レゾルバ)により構成されている。
即ち、本実施形態のトルクセンサ31は、ツインレゾルバ型のトルクセンサとして構成されており、ECU23は、第1の角度センサ34aにより第1シャフト8aの回転角(操舵角θs)を検出するとともに、第2の角度センサ34bにより第2シャフト8bの回転角(ピニオン角θp)を検出する。そして、これら両角度センサ34a,34bにより検出された両回転角の差分、即ちトーションバー33の捻れ角に基づいて、操舵トルクτを検出する。
また、本実施形態では、ECU23には、車速センサ35により検出された車速Vが入力される。そして、ECU23は、これらの各センサにより検出される車両状態量に基づいて、操舵系に付与すべき目標アシスト力を決定し、当該目標アシスト力をEPSアクチュエータ22に発生させるべく、モータ21に対する駆動電力の供給を実行する。
次に、本実施形態のEPSにおけるアシスト制御の態様について説明する。
図2に示すように、ECU23は、モータ制御信号を出力するマイコン41と、そのモータ制御信号に基づいて、EPSアクチュエータ22の駆動源であるモータ21に駆動電力を供給する駆動回路42とを備えて構成されている。
本実施形態では、ECU23には、モータ21に通電される実電流値Iを検出するための電流センサ43、及びモータ回転角θmを検出するための回転角センサ44(図1参照)が接続されている。そして、マイコン41は、上記各車両状態量、並びにこれら電流センサ43及び回転角センサ44の出力信号に基づき検出されたモータ21の実電流値I及びモータ回転角θmに基づいて、駆動回路42に出力するモータ制御信号を生成する。
詳述すると、マイコン41は、操舵系に付与するアシスト力の目標値、すなわち目標アシスト力に対応する電流指令値Iq*を演算する電流指令値演算部45と、電流指令値演算部45により算出された電流指令値Iq*(Iq**)に基づいてモータ制御信号を出力するモータ制御信号出力部46とを備えている。
本実施形態の電流指令値演算部45は、目標アシスト力の基礎的制御成分である基本アシスト制御量Ias*を演算する基本アシスト制御部47と、その補償成分として、操舵トルクτの微分値(操舵トルク微分値dτ)に基づくトルク慣性補償量Iti*を演算するトルク慣性補償制御部48とを備えている。
本実施形態では、基本アシスト制御部47には、操舵トルクτ及び車速Vが入力されるようになっている。そして、該基本アシスト制御部47は、これら操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、その操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きな基本アシスト制御量Ias*を演算する。
一方、本実施形態のトルク慣性補償制御部48には、操舵トルク微分値dτに加え、車速Vが入力される。そして、トルク慣性補償制御部48は、これらの各状態量に基づいてトルク慣性補償制御を実行する。尚、「トルク慣性補償制御」は、モータやアクチュエータ等、EPSの慣性による影響を補償する制御、即ちステアリング操作における「切り始め」時の「引っ掛かり感(追従遅れ)」、及び「切り終わり」時の「流れ感(オーバーシュート)」を抑制するための制御である。そして、このトルク慣性補償制御には、操舵系に生じた振動を抑制する効果がある。
具体的には、図3に示すように、本実施形態のトルク慣性補償制御部48は、操舵トルク微分値dτと基礎補償量εtiとが関連付けられたマップ48a、及び車速Vと補間係数Aとが関連付けられたマップ48bを備えている。マップ48aにおいて、基礎補償量εtiは、入力される操舵トルク微分値dτの絶対値が大きいほど、基本アシスト制御部47において演算された基本アシスト制御量Ias*(の絶対値)をより増加させる値となるように設定されている。また、マップ48bにおいて、補間係数Aは、低車速領域では車速Vが大きくなるほど大きな値となるように、高車速領域では、車速が大きくなるほど小さな値となるように設定されている。そして、トルク慣性補償制御部48は、これらの各マップ48a,48bを参照することにより求められた基礎補償量εti及び補間係数Aを乗ずることによりトルク慣性補償量Iti*を演算する。
図2に示すように、基本アシスト制御部47において演算された基本アシスト制御量Ias*、及びトルク慣性補償制御部48において演算されたトルク慣性補償量Iti*は、加算器49に入力される。そして、電流指令値演算部45は、この加算器49において基本アシスト制御量Ias*にトルク慣性補償量Iti*を重畳することにより、目標アシスト力としての電流指令値Iq*を演算する。
電流指令値演算部45が出力する電流指令値Iq*(Iq**)は、電流センサ43により検出された実電流値I、及び回転角センサ44により検出されたモータ回転角θmとともに、モータ制御信号出力部46に入力される。そして、モータ制御信号出力部46は、この目標アシスト力に対応する電流指令値Iq*(Iq**)に実電流値Iを追従させるべくフィードバック制御を実行することによりモータ制御信号を演算する。
具体的には、本実施形態では、モータ21には、三相(U,V,W)の駆動電力の供給により回転するブラシレスモータが用いられている。そして、モータ制御信号出力部46は、実電流値Iとして検出されたモータ21の相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q座標系のd,q軸電流値に変換(d/q変換)することにより、上記電流フィードバック制御を行う。
即ち、電流指令値Iq*(Iq**)は、q軸電流指令値としてモータ制御信号出力部46に入力され、モータ制御信号出力部46は、回転角センサ44により検出されたモータ回転角θmに基づいて相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q変換する。また、モータ制御信号出力部46は、そのd,q軸電流値及びq軸電流指令値に基づいてd,q軸電圧指令値を演算する。そして、そのd,q軸電圧指令値をd/q逆変換することにより相電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*)を演算し、当該相電圧指令値に基づいてモータ制御信号を生成する。
そして、本実施形態のECU23は、上記のように生成されたモータ制御信号をマイコン41が駆動回路42に出力し、該駆動回路42がその当該モータ制御信号に基づく三相の駆動電力をモータ21に供給することにより、EPSアクチュエータ22の作動を制御する構成となっている。
[ラトル音抑制制御]
次に、本実施形態のEPSにおけるラトル音(歯打ち音)抑制制御の態様について説明する。
上述のように、モータトルクをステアリングシャフトに伝達することにより操舵系にアシスト力を付与する所謂コラム型(ピニオン型)EPSの多く、即ち第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介してモータとステアリングシャフトとが駆動連結されたEPSには、逆入力応力印加時、減速機構において歯打ち音が発生するという問題がある。
この点を踏まえ、本実施形態のEPS1では、ECU23(マイコン41)は、その操舵系、具体的にはステアリングシャフト3に生ずる振動について周波数解析を実行する。そして、当該周波数解析に基づいて、上記減速機構24における歯打ち音(ラトル音)の発生を抑制すべく、モータ制御を実行、即ちEPSアクチュエータ22の作動を制御する。
詳述すると、図2に示すように、本実施形態のマイコン41には、入力される信号から特定の周波数成分を抽出可能な特定周波数抽出手段としての特定周波数抽出部51が設けられている。本実施形態では、この特定周波数抽出部51には、操舵系の状態を示す信号として、該操舵系を構成するピニオンシャフト10の回転角を示すピニオン角θpが入力されるようになっている。そして、特定周波数抽出部51は、その入力されるピニオン角θpから、操舵系に生じた振動に対応した特定の周波数成分、具体的には、減速機構24を構成するリダクションギヤ25及びモータギヤ26の噛合部分における歯打ち音(ラトル音)の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を抽出する。
本実施形態では、特定周波数抽出部51は、上記抽出された特定の周波数成分の実効値をパワースペクトルSpとして出力するように構成されている。そして、本実施形態のマイコン41は、その特定周波数抽出部51の出力するパワースペクトルSpが、所定の閾値以上である場合には、操舵系に付与するアシスト力を低減すべく、そのモータ制御信号の出力を実行する。
即ち、逆入力応力印加時、減速機構24に生ずる歯打ち音は、当該逆入力応力の印加によりステアリングシャフト3が振動することによって、第1のギヤとしてのリダクションギヤ25(の歯)と第2のギヤとしてのモータギヤ26(の歯)とが相反する方向に回転し、繰り返し衝突することにより引き起こされる(図17参照)。そして、そのステアリングシャフトの振動を打ち消すべくパワーアシスト制御が実行されることにより、こうした二つのギヤの相対回転速度差が増大、即ち歯打ち音の発生が助長される。
しかしながら、上記のように、このような歯打ち音(ラトル音)の発生を助長する振動に対応した周波数成分が顕著となった場合には、操舵系に付与するアシスト力を低減し、モータギヤ26の回転速度を抑えることにより、当該モータギヤ26とリダクションギヤ25と相対回転速度差の増大を抑制して、その衝突エネルギーを小さく抑えることができる。そして、本実施形態では、これにより上記歯打ち音の発生を抑制する構成となっている。
さらに詳述すると、図4のフローチャートに示すように、特定周波数抽出部51は、入力されるピニオン角θp(ステップ101)について、先ず、バンドパスフィルタ処理を実行し、歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分として8〜12Hzの周波数成分を抽出する(ステップ102)。次に、特定周波数抽出部51は、RMS(Root Means square:平均自乗平方根)演算により、上記ステップ102において抽出された周波数成分の実効値を求める(ステップ103)。そして、ローパスフィルタ処理を実行し(ステップ104)、当該ローパスフィルタ処理した後の値をパワースペクトルSpとして出力する(ステップ105)。
図2に示すように、本実施形態のマイコン41には、低減ゲイン演算部52が設けられており、特定周波数抽出部51において演算されたパワースペクトルSpは、この低減ゲイン演算部52に入力される。そして、この低減ゲイン演算部52において、電流指令値演算部45の出力する電流指令値Iq*(の絶対値)を低減、即ち操舵系に付与するアシスト力を低減させるための低減ゲインKが演算される。
図5に示すように、本実施形態の低減ゲイン演算部52は、パワースペクトルSpと低減ゲインKとが関連付けられたマップ52aを有しており、同マップ52aにおいて、低減ゲインKは、パワースペクトルSpが第1の閾値Sth1以上の領域において、該パワースペクトルSpが大きいほど、より大きく電流指令値Iq*を低減する値に設定されている。そして、低減ゲイン演算部52は、入力されるパワースペクトルSpを、このマップ52aに参照することにより、低減ゲインKを演算する。つまり、本実施形態では、低減ゲイン演算部52は、パワースペクトルSpの値が大きいほど、より大きく電流指令値Iq*を低減する低減ゲインKを演算するように構成されている。
具体的には、マップ52aにおいて、低減ゲインKは、上記第1の閾値Sth1以上、第2の閾値Sth2以下の領域(Sth≦Sp≦Sth2)において、パワースペクトルSpが大となるに従って、その値が「0」から「1」まで変化するとともに、第2の閾値Sth2を超える領域においては、その値が「1」となるように設定されている。即ち、本実施形態の低減ゲイン演算部52は、入力されるパワースペクトルSpの値に応じて、「0」から「1」までの値を有する低減ゲインKを演算する。次に、この低減ゲイン演算部52により演算された低減ゲインKは、減算器53に入力される。そして、この減算器53において「1」から当該低減ゲインKを減算した値「1−K」が乗算器54に入力され、同乗算器54において上記電流指令値演算部45の出力する電流指令値Iq*に乗ぜられることにより、電流指令値Iq*(の絶対値)が低減されるようになっている。
つまり、「0」から「1」までの値を有する低減ゲインKを「1」から減算することで、その減算後の値「1−K」は、当該低減ゲインKの値が大きいほど小さな「1.0」以下の値となる。従って、「1−K」を乗ずることにより補正された補正後の電流指令値Iq**は、低減ゲインKが大きな値であるほど、その値(絶対値)が大きく低減され、低減ゲインKが「1」である場合、即ち、低減ゲイン演算部52に入力されるパワースペクトルSpが上記第2の閾値Sth2よりも大きい場合には、その値が「0」となる。そして、本実施形態では、この補正後の電流指令値Iq**に基づいて、モータ制御信号出力部46がモータ制御信号の出力を実行することにより、操舵系に付与するアシスト力を低減する構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)ECU23(マイコン41)は、その操舵系、具体的にはステアリングシャフト3に生ずる振動について周波数解析を実行する。そして、その周波数解析の結果に基づいて、上記減速機構24における歯打ち音(ラトル音)の発生を抑制すべく、モータ制御を実行、即ちEPSアクチュエータ22の作動を制御する。
上記構成によれば、逆入力応力の印加時、操舵系(ステアリングシャフト3)に生ずる振動がラトル音(歯打ち音)として顕在化する前に、いち早くその発生を検知して速やかに抑制することができる。その結果、高い静粛性と良好な操舵フィーリングを実現することができるようになる。
(2)マイコン41は、入力される信号から特定の周波数成分を抽出可能な特定周波数抽出部51を備え、特定周波数抽出部51は、操舵系の状態を示す信号としてのピニオン角θpから、減速機構24における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を抽出し、その実効値をパワースペクトルSpとして出力する。そして、マイコン41は、その特定周波数抽出部51の出力するパワースペクトルSpが、所定の閾値以上である場合には、EPSアクチュエータ22の発生するアシスト力を低減すべく、そのモータ制御信号の出力を実行する。
即ち、逆入力応力印加時、減速機構24に生ずる歯打ち音は、当該逆入力応力の印加によりステアリングシャフト3が振動することによって、第1のギヤとしてのリダクションギヤ25(の歯)と第2のギヤとしてのモータギヤ26(の歯)とが相反する方向に回転し、繰り返し衝突することにより引き起こされる。そして、そのステアリングシャフト3の振動を打ち消すべくパワーアシスト制御が実行されることにより、こうした二つのギヤ間の相対回転速度差が増大、即ち歯打ち音の発生が助長される。
しかしながら、上記のように歯打ち音(ラトル音)の発生を助長する振動に対応した周波数成分が顕著となった場合には、操舵系に付与するアシスト力を低減し、モータギヤ26の回転速度を抑えることで、当該モータギヤ26とリダクションギヤ25と相対回転速度差の増大を抑制して、その衝突エネルギーを小さく抑えることができる。その結果、減速機構24における歯打ち音の発生を効果的に抑制することができる。
(3)低減ゲイン演算部52は、パワースペクトルSpの値が大きいほど、より大きく電流指令値Iq*を低減する低減ゲインKを演算する。
即ち、EPS本来の機能、即ち適切なアシスト力付与の観点からみた場合、アシスト力の低減は、必ずしも好ましいものではない。この点、上記構成のように、その歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分の実効値、即ちパワースペクトルSpの大きさに応じてアシスト力を低減することで、適切なアシスト力付与を行いつつ、効果的に歯打ち音の発生を抑制することができるようになる。加えて、アシスト力の低減時においても、そのアシスト力の変化を穏やかなものとして、良好な操舵フィーリングを維持することができるという利点がある。
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。
尚、本実施形態と上記第1の実施形態との主たる相違点は、ラトル音抑制制御の態様である。このため、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付すこととして、その説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態のマイコン61は、入力信号に含まれる特定の周波数成分を除去可能な特定周波数除去手段としてのノッチフィルタ70を備えており、当該ノッチフィルタ70は、上記のような減速機構24における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を除去する機能を有している。そして、本実施形態のマイコン61では、電流指令値演算部45には、このノッチフィルタ70を通過した後の操舵トルクτ´が入力されるようになっている。
換言すると、本実施形態のマイコン61は、目標アシスト力に対応する電流指令値Iq*の演算に用いられる操舵トルクτに含まれた上記歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を除去可能なノッチフィルタ70を備えている。そして、このノッチフィルタ70を通過した後の操舵トルクτ´に基づいて目標アシスト力に対応する電流指令値Iq*を演算することにより、転舵輪12に対する逆入力応力の印加時、減速機構24に生ずる歯打ち音の抑制を図る構成となっている。
即ち、減速機構24に発生する歯打ち音は、逆入力応力の印加により生じたステアリングシャフト3の振動を打ち消すべくアシスト力付与が行われることによって増大する。従って、上記構成のように、そのパワーアシスト制御の基礎となる操舵トルクτから、予め歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を除去することで、操舵系(ステアリングシャフト3)の振動を打ち消すためのアシスト力付与が抑制される。そして、本実施形態では、これにより、減速機構24における歯打ち音の発生を抑制する構成となっている。
また、本実施形態のマイコン61は、上記第1の実施形態と同様に、特定周波数抽出手段としての特定周波数抽出部71を備えている。本実施形態では、特定周波数抽出部71には、操舵系の状態を示す信号として、操舵トルクτが入力されるようになっており、該特定周波数抽出部71は、入力された操舵トルクから、減速機構24における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した周波数成分を抽出し、その実効値をパワースペクトルSpとして出力する。尚、この特定周波数抽出部71による特定の周波数成分の抽出、及びその実効値としてのパワースペクトルSpの出力に関する処理手順は、上記第1の実施形態における特定周波数抽出部51と同様である(図4参照)。そして、本実施形態のマイコン61は、その特定周波数抽出部71の出力するパワースペクトルSpが、所定の閾値以下である場合には、上記ノッチフィルタ70の効力を低減するように構成されている。
詳述すると、本実施形態のマイコン61は、特定周波数抽出部71の出力する特定の周波数成分の実効値、即ちパワースペクトルSpに基づいて、上記ノッチフィルタ70の効力を規定するフィルタゲインKfを演算するフィルタゲイン演算部72を備えている。そして、ノッチフィルタ70は、このフィルタゲイン演算部72から入力されるフィルタゲインKfに応じて、その特定周波数除去手段としての効力を発揮する。
図7に示すように、本実施形態のフィルタゲイン演算部72は、パワースペクトルSpとフィルタゲインKfとが関連付けられたマップ72aを有しており、同マップ72aにおいて、フィルタゲインKfは、パワースペクトルSpが第2の閾値Sth2以下の領域では、「1」よりも小さな値に設定されている。尚、パワースペクトルSpが第2の閾値Sth2よりも大きな領域では、フィルタゲインKfの値は「1」、パワースペクトルSpが第1の閾値Sth1よりも小さな領域では「0」となるように設定されている。即ち、このマップ72aにおいて、フィルタゲインKfは、パワースペクトルSpが第2の閾値Sth2以下の領域では、ノッチフィルタ70の効力を低減する値に設定されている。そして、フィルタゲイン演算部72は、入力されるパワースペクトルSpを、このマップ72aに参照することにより、フィルタゲインKfを演算する。
つまり、本実施形態では、フィルタゲイン演算部72は、パワースペクトルSpの値が第2の閾値Sth2以下の領域では、当該パワースペクトルSpの値が小さいほど、より大きくノッチフィルタ70の効力を低減するフィルタゲインKfを演算するように構成されている。そして、そのフィルタゲインKfに基づいて、ノッチフィルタ70が特定周波数除去手段としての効力を発揮することにより、特定周波数抽出部71の出力するパワースペクトルSpが第2の閾値Sth2以下である場合には、当該ノッチフィルタ70の効力が低減されるようになっている。
即ち、如何に歯打ち音の発生を抑制するためとはいえ、操舵系の振動を打ち消すためのアシスト力付与の過度な制限は、操舵フィーリングの悪化を招くことになる。この点を踏まえ、本実施形態では、上記のように、歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分の実効値、即ちパワースペクトルSpの大きさに応じて、ノッチフィルタ70の効力を変化させる。そして、減速機構24において歯打ち音が発生しやすい状況にあるほど、ノッチフィルタ70が、その効力を発揮するように構成することにより、良好な操舵フィーリングを確保しつつ、効果的に歯打ち音の発生を抑制する構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)マイコン61は、目標アシスト力に対応する電流指令値Iq*の演算に用いられる操舵トルクτに含まれた上記歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を除去可能なノッチフィルタ70を備える。そして、このノッチフィルタ70を通過した後の操舵トルクτ´に基づいて目標アシスト力に対応する電流指令値Iq*を演算する。
上記構成によれば、そのパワーアシスト制御の基礎となる操舵トルクτから、予め歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を除去することで、操舵系(ステアリングシャフト3)の振動を打ち消すためのアシスト力付与が抑制される。そして、これにより、当該振動を打ち消すためのアシスト力付与による歯打ち音の増大を回避して、効果的に、その発生を抑制することができる。
(2)マイコン61は、入力される操舵系の状態を示す信号としての操舵トルクτから、減速機構24における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を抽出し、その実効値をパワースペクトルSpとして出力する特定周波数抽出部71を備える。そして、マイコン61は、その特定周波数抽出部71の出力するパワースペクトルSpが、所定の閾値以下である場合には、上記ノッチフィルタ70の効力を低減する。
即ち、操舵系の振動を打ち消すためのアシスト力付与の過度な制限は、操舵フィーリングの悪化を招くことになる。この点、上記構成によれば、当該振動を打ち消すためのアシスト力付与の制限は、減速機構24において歯打ち音が発生しやすい状況にある場合に限定される。その結果、良好な操舵フィーリングを確保しつつ、効果的に歯打ち音の発生を抑制することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、本発明を所謂コラム型のEPS1に具体化したが、本発明は、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介してモータとステアリングシャフトとが駆動連結される構成を有するものであれば、例えばピニオンシャフトに対してアシスト力を付与する所謂ピニオン型のEPSに適用してもよい。
・上記各実施形態では、本発明を、操舵トルクτの微分値(操舵トルク微分値dτ)に基づく補償制御(トルク慣性補償制御)を行うEPS1に具体化したが、本発明は、このような操舵トルクτの微分値に基づく補償制御を行わないものについて適用してもよい。
・上記各実施形態では、リダクションギヤ25を第1のギヤとし、モータギヤ26を第2のギヤとしたが、これを逆転させてもよい。
・上記各実施形態では、特定周波数抽出手段としての特定周波数抽出部51(71)は、マイコン41(61)内に設けられることとした。しかし、これに限らず、マイコン41(61)の外部、更にはECU23の外部に設ける構成としてもよい。
・特定の周波数成分を抽出する対象となる「操舵系の状態を示す信号」として、上記第1の実施形態では、当該操舵系を構成するピニオンシャフト10の回転角を示すピニオン角θpを用い、上記第2の実施形態では、トルクセンサ31により検出される操舵トルクτを用いた。しかし、これに限らず、減速機構24における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数を含むような「操舵系の状態を示す信号」であればよく、例えば、ステアリング2側の回転角である操舵角θs(ハンドル角)を用いてもよい。尚、周波数解析におけるピニオン角θp、操舵角θs、操舵トルクτの位置づけは、瞬間値ではなく、連続信号としての位置付けであることはいうまでもない。
・上記第2の実施形態では、マイコン61は、目標アシスト力に対応する電流指令値Iq*の演算に用いられる操舵トルクτに含まれた上記歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を除去可能なノッチフィルタ70を備えることとした。しかし、これに限らず、図8に示すように、電流指令値演算部45とモータ制御信号出力部46との間にノッチフィルタ70を設ける。そして、このノッチフィルタ70により、アシスト力を発生させるための制御信号である電流指令値Iq*に含まれた上記歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を除去した後の電流指令値Iq**に基づいて、モータ制御信号の出力を実行する構成としてもよい。このような構成としても、上記第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
・上記第2の実施形態では、マイコン61は、特定周波数抽出部71及びフィルタゲイン演算部72を備え、特定周波数抽出部71の出力するパワースペクトルSpが、所定の閾値以下である場合には、上記ノッチフィルタ70の効力を低減することとした。しかし、これに限らず、こうしたノッチフィルタ70の効力の低減は、必ずしも行わなくともよい。
・更に、上記第1の実施形態のようなアシスト力の低減、及び上記第2の実施形態のような特定周波数除去手段としてのノッチフィルタ70の活用は、車速Vが所定の車速領域にある場合に限定して行う構成にするとよい。
具体的には、図9に示すように、例えば、マイコン41(61)に、車速Vに基づいて車速ゲインKvを演算する車速ゲイン演算部81を設け、上記減算器53(又はノッチフィルタ70)には、当該車速ゲインKvを乗ずることにより補正された補正後の低減ゲインK´(又はフィルタゲインKf´)が入力されるように構成する。そして、車速Vが所定の車速領域にない場合(V>V1又はV<V2)には、車速ゲイン演算部81が、車速ゲインKvとして「0」を演算する構成すればよい(図10参照)。
尚、この例においては、車速Vが所定の車速V1´以上、所定の車速V2´以下である場合(V1´≦V≦V2´)、車速ゲインKvは「1」となるように設定されている。また、車速Vが車速V1から車速V1´までの範囲にある場合(V1≦V<V1´)には、車速ゲインKvは、車速Vが速いほど大となるように(「0」→「1」)、車速Vが車速V2´から車速V2までの範囲にある場合(V2´<V≦V2)には、車速ゲインKvは車速Vが速いほど小となる(「1」→「0」)ように設定されている。
即ち、操舵系に振動として残留する逆入力応力の振幅は、転舵輪12を支承するサスペンションの振動特性に依存し、当該サスペンションに共振が発生する所定の車速領域(V1≦V≦V2)において増幅される。そして、減速機構24において発生する歯打ち音もまた、この所定の車速領域において特に顕著となる傾向がある。つまり、逆説的にいえば、車速Vが当該所定の車速領域にない場合(V>V1又はV<V2)には、減速機構24における歯打ち音は特に問題にならない。従って、こうした場合には、操舵系に付与するアシスト力を低減せず、車速Vが所定の車速領域にある場合(V1≦V≦V2)に限定して上記アシスト力の低減を行うことにより、操舵フィーリングを損ねることなく、効果的に減速機構24における歯打ち音の発生を抑制することができる。そして、上記第2の実施形態のように、特定周波数除去手段としてノッチフィルタ70を備えた構成においても、車速Vが所定の車速領域にある場合(V1≦V≦V2)に限定して当該ノッチフィルタ70の効力を有効とすることにより、同様の効果を得ることができる。
・更に、ステアリング操作時には、上記第1の実施形態のように歯打ち音の発生を抑制すべくアシスト力の低減を行うものにおいては当該アシスト力の低減を行わない、また上記第2の実施形態のように特定周波数除去手段を備えたものにおいては当該特定周波数除去手段の効力を低減する構成にするとよい。
具体的には、図9に示すように、例えば、マイコン41(61)に、操舵角θsに基づいて舵角ゲインKθを演算する舵角ゲイン演算部82、操舵速度ωsに基づいて操舵速度ゲインKωを演算する車速ゲイン演算部83、操舵トルクτに基づいてトルクゲインKτを演算するトルクゲイン演算部84、及びヨーレイトγに基づいてヨーレイトゲインKγを演算するヨーレイトゲイン演算部85を設ける。
図11〜図14に示すように、これらの各ゲイン演算部(82〜85)は、それぞれ、その対応する状態量の絶対値が、所定の閾値以上である場合(|θs|≧θ1,|ωs|≧ω1,|τ|≧τ1,|γ|≧γ1)には、その出力する各補正ゲイン(Kθ,Kω,Kτ,Kγ)の値が「1.0」より小さくなるように構成される。詳しくは、対応する各状態量の絶対値が上記各閾値から第2の閾値までの領域(θ1<|θs|<θ2,ω1<|ωs|<ω2,τ1<|τ|<τ2,γ1<|γ|<γ2)においては、各補正ゲイン(Kθ,Kω,Kτ,Kγ)の値は、各状態量の絶対値が大となるほど小さくなるように設定される。そして、対応する各状態量の絶対値が第2の閾値以上の領域(|θs|≧θ2,|ωs|≧ω2,|τ|≧τ2,|γ|≧γ2)においては、各補正ゲイン(Kθ,Kω,Kτ,Kγ)の値は「0」となるように設定される。
そして、上記減算器53(又はノッチフィルタ70)には、これら舵角ゲインKθ、操舵速度ゲインKω、トルクゲインKτ、及びヨーレイトゲインKγを乗ずることにより補正された補正後の低減ゲインK´(又はフィルタゲインKf´)が入力されるように構成する。
これにより、上記第1の実施形態のように歯打ち音の発生を抑制すべくアシスト力の低減を行う構成では、上記各状態量の絶対値が第1の閾値以上の領域(|θs|≧θ1,|ωs|≧ω1,|τ|≧τ1,|γ|≧γ1)において、補正前の低減ゲインKよりも補正後の低減ゲインK´が小さくなる。そして、上記各状態量の絶対値が第2の閾値以上の領域(|θs|≧θ2,|ωs|≧ω2,|τ|≧τ2,|γ|≧γ2)においては、補正後の低減ゲインK´が「0」となる。つまり、アシスト力の低減が行われなくなる。
同様に、上記第2の実施形態のように特定周波数除去手段を備える構成では、上記各状態量の絶対値が第1の閾値以上の領域(|θs|≧θ1,|ωs|≧ω1,|τ|≧τ1,|γ|≧γ1)において、補正前のフィルタゲインKf´よりも補正後のフィルタゲインKf´が小さくなる。つまり、特定周波数除去手段としてのノッチフィルタ70の効力が低減される。そして、上記各状態量の絶対値が第2の閾値以上の領域(|θs|≧θ2,|ωs|≧ω2,|τ|≧τ2,|γ|≧γ2)において、補正後のフィルタゲインKf´が「0」となり、ノッチフィルタ70の効力は無効となる。
即ち、運転者によるステアリング操作が発生している場合には、歯打ち音の抑制よりも当該ステアリング操作のアシストを優先することが望ましい。従って、このような場合には、ステアリング操作のアシストを優先することで、操舵フィーリングを損ねることなく、効果的に減速機構における歯打ち音の発生を抑制することができる。
尚、上記の例における各閾値は、上記第1の実施形態のように歯打ち音の発生を抑制すべくアシスト力の低減を行う構成と、上記第2の実施形態のように特定周波数除去手段を備える構成とで、それぞれ最適化することが望ましいことはいうまでもない。
また、上記の例においては、ステアリング操作の有無に関する推定(各補正ゲインの演算)は、操舵角θs、操舵速度ωs、操舵トルクτ、及びヨーレイトγに基づき行われることとした。しかし、これに限らず、ステアリング操作の推定は、これらの状態量の任意の組み合わせにより行ってもよい。そして、上記に示した各状態量以外の状態量を用いて行うこととしてもよい。
・更に、車両制動時には、上記第1の実施形態のように歯打ち音の発生を抑制すべくアシスト力の低減を行うものにおいては当該アシスト力の低減を行わない、また上記第2の実施形態のように特定周波数除去手段を備えたものにおいては当該特定周波数除去手段の効力を低減する構成にするとよい。
具体的には、図9に示すように、例えば、マイコン41(61)に、前後加速度Gに基づいて加速度ゲインKgを演算する加速度ゲイン演算部86を設ける。図15に示すように、この加速度ゲイン演算部86は、前後加速度Gが、所定の閾値G1以下の負の値である場合には、加速度ゲインKgとして「1.0」より小さな値を演算するように構成される。詳しくは、前後加速度Gが上記第1の閾値G1から第2の閾値G2までの領域(G2<G≦G1)においては、前後加速度Gが大きな負の値を示すほど、小さな値を有する加速度ゲインKgが演算され、前後加速度Gが第2の閾値G2以下の領域(G≦G2)においては、加速度ゲインKgとして「0」が演算されるように構成される。そして、上記減算器53(又はノッチフィルタ70)には、その加速度ゲインKgを乗ずることにより補正された補正後の低減ゲインK´(又はフィルタゲインKf´)が入力されるように構成する。
これにより、上記第1の実施形態のように歯打ち音の発生を抑制すべくアシスト力の低減を行う構成では、前後加速度Gが上記第1の閾値G1以下の領域(大きな負の値を有する領域)において、補正前の低減ゲインKよりも補正後の低減ゲインK´が小さくなる。そして、前後加速度Gが上記第2の閾値G2以下の領域(大きな負の値を有する領域)において、補正後の低減ゲインK´が「0」、つまりアシスト力の低減が行われなくなる。
同様に、上記第2の実施形態のように特定周波数除去手段を備える構成では、前後加速度Gが上記第1の閾値G1以下の領域(大きな負の値を有する領域)において、補正前のフィルタゲインKf´よりも補正後のフィルタゲインKf´が小さくなる。つまり、特定周波数除去手段としてのノッチフィルタ70の効力が低減される。そして、前後加速度Gが上記第2の閾値G2以下の領域(大きな負の値を有する領域)において、補正後のフィルタゲインKf´が「0」となり、ノッチフィルタ70の効力は無効となる。
即ち、車両制動時には、操舵系へのアシスト力付与を優先することにより、当該制動に伴い操舵系に伝達される振動にも対処することができる。その結果、操舵フィーリングを損ねることなく、効果的に減速機構における歯打ち音の発生を抑制することができる。
尚、上記第1及び第2の閾値G1,G2は、上記第1の実施形態のように歯打ち音の発生を抑制すべくアシスト力の低減を行う構成と、上記第2の実施形態のように特定周波数除去手段を備える構成とで、それぞれ最適化することが望ましいことはいうまでもない。
また、上記の例では、車両が制動状態にあるか否かの推定(加速度ゲインKgの演算)は、前後加速度Gに基づき行われることとしたが、より直接的にブレーキ信号によりブレーキ操作の有無を推定する構成としてもよい。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想をその効果とともに記載する。
(付記1)請求項〜請求項の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記制御手段は、操舵角の絶対値が所定の閾値以上である場合には、前記アシスト力の低減を行わないこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
(付記2)請求項〜請求項、上記付記1の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記制御手段は、操舵速度の絶対値が所定の閾値以上である場合には、前記アシスト力の低減を行わないこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
(付記3)請求項〜請求項、上記付記1、付記2の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記制御手段は、操舵トルクの絶対値が所定の閾値以上である場合には、前記アシスト力の低減を行わないこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
(付記4)請求項〜請求項、上記付記1〜付記3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記制御手段は、車両のヨーレイトの絶対値が所定の閾値以上である場合には、前記アシスト力の低減を行わないこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
(付記5)請求項〜請求項の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記制御手段は、操舵角の絶対値が所定の閾値以上である場合には、前記特定周波数除去手段の効力を低減すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
(付記6)請求項〜請求項、上記付記5の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記制御手段は、操舵速度の絶対値が所定の閾値以上である場合には、前記特定周波数除去手段の効力を低減すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
(付記7)請求項〜請求項、上記付記5、付記6の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記制御手段は、操舵トルクの絶対値が所定の閾値以上である場合には、前記特定周波数除去手段の効力を低減すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
(付記8)請求項〜請求項、上記付記5〜付記7の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記制御手段は、車両のヨーレイトの絶対値が所定の閾値以上である場合には、前記特定周波数除去手段の効力を低減すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
上記各構成によれば、運転者によるステアリング操作の有無を推定して、ステアリング操作時には、当該ステアリング操作のアシストを優先することができる。その結果、操舵フィーリングを損ねることなく、効果的に減速機構における歯打ち音の発生を抑制することができる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 第1の実施形態におけるEPSの制御ブロック図。 トルク慣性補償制御部の制御ブロック図。 特定周波数抽出の処理手順を示すフローチャート。 低減ゲイン演算部の概略構成図。 第2の実施形態におけるEPSの制御ブロック図。 フィルタゲイン演算部の概略構成図。 別例のEPSの制御ブロック図。 別例のEPSの制御ブロック図。 車速ゲイン演算部の概略構成図。 舵角ゲイン演算部の概略構成図。 操舵速度ゲイン演算部の概略構成図。 トルクゲイン演算部の概略構成図。 ヨーレイトゲイン演算部の概略構成図。 加速度ゲイン演算部の概略構成図。 トルクセンサの構成を概略的に示す模式図。 減速機構における歯打ち音(ラトル音)の発生メカニズムを示す説明図。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、2…ステアリング、3…ステアリングシャフト、8…コラムシャフト、8a…第1シャフト、8b…第2シャフト、9…インターミディエイトシャフト、10…ピニオンシャフト、12…転舵輪、21…モータ、21a…モータ軸、22…EPSアクチュエータ、23…ECU、24…減速機構、25…リダクションギヤ、26…モータギヤ、31…トルクセンサ、35…車速センサ、41,61…マイコン、42…駆動回路、45…電流指令値演算部、46…モータ制御信号出力部、51,71…特定周波数抽出部、52…低減ゲイン演算部、70…ノッチフィルタ、72…フィルタゲイン演算部、Sp…パワースペクトル、K,K´…低減ゲイン、Kf,Kf´…フィルタゲイン、Iq*,Iq**…電流指令値、θp…ピニオン角、θs…操舵角、θ1,θ2…閾値、Kθ…舵角ゲイン、ωs…操舵速度、ω1,ω2…閾値、Kω…操舵速度ゲイン、V,V1,V1´,V2,V2´…車速、Kv…車速ゲイン、τ…操舵トルク、τ1,τ2…閾値、Kτ…トルクゲイン、γ…ヨーレイト、γ1,γ2…閾値、Kγ…ヨーレイトゲイン、G…前後加速度、G1,G2…閾値、Kg…加速度ゲイン。

Claims (11)

  1. モータを駆動源としてステアリングシャフトを回転駆動することにより操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、
    前記ステアリングシャフトの途中に設けられたトーションバーの捻れ角に基づき操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    前記モータへの駆動電力の供給を通じて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、
    前記モータは、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介して前記ステアリングシャフトに駆動連結され、
    前記制御手段は、前記ステアリングシャフトの回転状態を示す信号の周波数解析に基づいて、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を抑制すべく、前記操舵力補助装置の作動を制御する電動パワーステアリング装置であって、
    前記操舵系に付与するアシスト力の制御は、前記トルクセンサによって検出された操舵トルクに基づき行われるものであって、
    前記ステアリングシャフトの回転状態を示す信号から、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を抽出可能な特定周波数抽出手段を備え、
    前記制御手段は、抽出された前記特定の周波数成分の実効値が所定の閾値以上である場合には、前記操舵系に付与するアシスト力を低減すべく制御すること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、前記実効値が大きいほど、前記アシスト力を大きく低減すること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、前記操舵系に付与するアシスト力をゼロに低減すること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項〜請求項の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、車速が所定の車速領域にある場合に限定して、前記アシスト力の低減を行うこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項〜請求項の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、車両制動時には、前記アシスト力の低減を行わないこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項〜請求項の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、ステアリング操作時には、前記アシスト力の低減を行わないこと、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  7. モータを駆動源としてステアリングシャフトを回転駆動することにより操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、
    前記ステアリングシャフトの途中に設けられたトーションバーの捻れ角に基づき操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    前記モータへの駆動電力の供給を通じて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、
    前記モータは、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介して前記ステアリングシャフトに駆動連結され、
    前記制御手段は、前記ステアリングシャフトの回転状態を示す信号の周波数解析に基づいて、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を抑制すべく、前記操舵力補助装置の作動を制御する電動パワーステアリング装置であって、
    前記制御手段は、前記トルクセンサによって検出された操舵トルクに含まれた前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を除去可能な特定周波数除去手段を備え
    前記ステアリングシャフトの回転状態を示す信号から、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を抽出可能な特定周波数抽出手段を備え、
    前記制御手段は、抽出された前記特定の周波数成分の実効値が所定の閾値以下である場合には、前記特定周波数除去手段の効力を低減すること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. モータを駆動源としてステアリングシャフトを回転駆動することにより操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、
    前記モータへの駆動電力の供給を通じて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、
    前記モータは、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介して前記ステアリングシャフトに駆動連結され、
    前記制御手段は、前記ステアリングシャフトの回転状態を示す信号の周波数解析に基づいて、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を抑制すべく、前記操舵力補助装置の作動を制御する電動パワーステアリング装置であって、
    前記制御手段は、前記アシスト力を発生させるための制御信号に含まれた前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を除去可能な特定周波数除去手段を備え
    前記ステアリングシャフトの回転状態を示す信号から、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を助長する振動に対応した特定の周波数成分を抽出可能な特定周波数抽出手段を備え、
    前記制御手段は、抽出された前記特定の周波数成分の実効値が所定の閾値以下である場合には、前記特定周波数除去手段の効力を低減すること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  9. 請求項7又は請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、車速が所定の車速領域にある場合に限定して、前記特定周波数除去手段の効力を有効とすること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  10. 請求項〜請求項の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、車両制動時には、前記特定周波数除去手段の効力を低減すること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  11. 請求項〜請求項1の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、ステアリング操作時には、前記特定周波数除去手段の効力を低減すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
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