JP5038604B2 - 易剥離性ウィンドウ用フィルムおよびその貼着方法 - Google Patents

易剥離性ウィンドウ用フィルムおよびその貼着方法 Download PDF

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本発明は、ウィンドウに貼着する易剥離性ウィンドウ用フィルムおよびその貼着方法に関する。
従来から、窓ガラス等のウィンドウには、種々の機能を有するウィンドウ用フィルムと呼ばれるフィルムが貼着されている。このようなフィルムとしては、例えば広告宣伝や装飾等を目的に表示や装飾が施された表示用もしくは装飾用フィルム、室内の展示商品や家具等の退色の原因となる紫外線を遮断する機能を有するフィルム、省エネルギーの観点から熱線を遮断して断熱効果を有するフィルム等が挙げられる。
しかし、ウィンドウ用フィルムを板状のウィンドウに、皺や気泡等が発生しないように貼着することは困難である。皺や気泡等の発生は、見た目の美観を損なうので好ましくない。
皺や気泡等を発生させることなく、フィルムをウィンドウに貼着する方法として、例えばウィンドウに界面活性剤等の水溶液をスプレーし、その上からウィンドウ用フィルムを貼着し、さらにヘラ等を使用してフィルムの皺を伸ばすと共に、ウィンドウとフィルムとの間から水溶液や気泡を押し出して貼着する方法がある。
しかしながら、この方法は熟練した技術を必要とし、さらに貼着に要する施行時間が長いので、簡単に貼着することができない。また、通常の感圧粘着剤を塗布したフィルムでは、ガラス面からの引き剥がしが困難であり、また剥がした際には、粘着剤が凝集破壊し、ガラス面に該粘着剤が残るおそれがある。
このような問題を解決するために、特許文献1には、基材フィルムに塗布される粘着剤が所定の微小球を含有した粘着フィルムが記載されている。この文献によると、貼着の際には、該微小球が気泡の逃げ道を確保するので、粘着剤層と被着体との間の気泡を簡単に抜くことができ、さらに、被着体から再剥離することが可能であると記載されている。
また、特許文献2には、基材フィルムの粘着剤層に所定の極細溝を網目状に形成し、所定の独立島部を形成してなる窓貼りフィルムが記載されている。この文献によると、該極細溝から空気を排出できるので、気泡や皺の発生が防止できると記載されている。
しかしながら、特許文献1,2に記載されているようなフィルムは、室温下で高い粘着性を有しているので、誤ってフィルム同士が貼り付いたり、貼着位置を誤った場合には手直しが難しく、位置決めが困難である。
特開平8−113768号公報 特開2002−327157号公報
本発明の課題は、皺や気泡等を発生させずに簡単にウィンドウに貼着することができ、しかも剥離が容易な易剥離性ウィンドウ用フィルムおよびその貼着方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するには、ウィンドウへの位置決め時には粘着力がなく、位置決め後に適度な粘着力が発現するような粘着剤を用いればよいと考え、鋭意検討を重ねた結果、ウィンドウ用フィルムの粘着剤として特定の感温性粘着剤を使用するという新たな解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の易剥離性ウィンドウ用フィルムおよびその貼着方法は、以下の構成からなる。
(1)基材フィルムの片面に被着体であるウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度で流動性を示しかつウィンドウの表面温度で結晶化する感温性粘着剤を塗布してなり、ウィンドウに貼着した状態において、剪断方向への1cm2当たり1kgの荷重でずれることがない固定力を有し、180°剥離強度が30〜1600g/100mmであることを特徴とする易剥離性ウィンドウ用フィルム。
(2)前記感温性粘着剤の融点が30〜70℃であり、融点未満で結晶化する前記(1)記載の易剥離性ウィンドウ用フィルム。
(3)前記感温性粘着剤が、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル30〜100重量部と、炭素数1〜4のアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル0〜70重量部と、極性モノマー0〜10重量部とを重合させて得られる重合体である前記(1)または(2)記載の易剥離性ウィンドウ用フィルム。
(4)前記重合体の重量平均分子量が20万〜100万である前記(3)記載の易剥離性ウィンドウ用フィルム。
(5)前記感温性粘着剤がウィンドウの表面温度では粘着力がなく、ウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に加温して圧着した後、ウィンドウの表面温度に戻すと貼着し、剪断方向への1cm2当たり1kgの荷重でずれることがない固定力を有し、180°剥離強度で30〜1600g/100mmの力で剥がすことが可能な前記(1)〜(4)のいずれかに記載した易剥離性ウィンドウ用フィルム。
(6)前記基材フィルムが、表示用または装飾用フィルムである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の易剥離性ウィンドウ用フィルム。
(7)前記基材フィルムが、紫外線を遮断する機能を有するフィルムである前記(1)〜(6)のいずれかに記載の易剥離性ウィンドウ用フィルム。
(8)前記基材フィルムが、熱線を遮断する機能を有するフィルムである前記(1)〜(7)のいずれかに記載の易剥離性ウィンドウ用フィルム。
(9)前記(1)〜(8)のいずれかに記載の易剥離性ウィンドウ用フィルムを、ウィンドウの表面に該ウィンドウの表面温度で重ね合わせて位置決めを行い、ついでウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に加温して圧着することによりウィンドウに貼着することを特徴とする易剥離性ウィンドウ用フィルムの貼着方法。
上記(1),(9)によれば、基材フィルムに塗布する粘着剤が所定の感温性粘着剤であり、該粘着剤はウィンドウの表面温度では粘着力がないので、位置決めが簡単にできると共に、皺や気泡等のない状態にも簡単にできる(たとえ皺や気泡等があっても、粘着力がないので、簡単にそれらを除去することができる)。さらに、前記粘着剤を前記表面温度より高い融点以上の温度に加温し流動させて圧着した後、前記表面温度に戻すと、再び結晶化して固定力が発現し、該フィルムをウィンドウに貼着することができる。しかも、貼着時には剪断方向への1cm2当たり1kgの荷重においてもずれることがない強固な固定力で固定されると共に、前記表面温度で該フィルムが剥離可能な程度の弱い180°剥離強度なので、該フィルムを簡単に剥がすことができ、フィルムの張り替えが容易である。
上記(2)によれば、本発明にかかる感温性粘着剤をウィンドウの表面温度で粘着力のない状態とすることができる。上記(3)〜(5)によれば、本発明にかかる感温性粘着剤の凝集力を高くすることができるので、該フィルムをウィンドウに長期間貼着してもずれることがなく、優れた貼着安定性が得られる。
上記(6)によれば、基材フィルムが表示用または装飾用フィルムであるので、ウィンドウへの広告宣伝や装飾が容易であり、かつ表示や装飾の変更にも簡単に対応できるようになる。上記(7)のように基材フィルムが紫外線遮断機能を有する場合や、上記(8)のように熱線遮断機能を有する場合には、本発明の易剥離性ウィンドウ用フィルムの有用性がより向上する。
<易剥離性ウィンドウ用フィルム>
本発明の易剥離性ウィンドウ用フィルムは、基材フィルムの片面に被着体であるウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度で流動性を示しかつウィンドウの表面温度で結晶化する感温性粘着剤を塗布したものである。
ここで、本発明における感温性粘着剤とは、温度変化に対応して結晶状態と流動状態とを可逆的に起こす粘着剤のことを意味する。本発明の感温性粘着剤は、被着体であるウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度で流動性を示しかつウィンドウの表面温度で結晶化する必要がある。
具体的には、前記感温性粘着剤の融点が30〜70℃、好ましくは40〜60℃であり、融点未満で結晶化するのがよい。感温性粘着剤の融点をこの範囲内でウィンドウの表面温度より高く設定することで、ウィンドウの表面温度では、前記感温性粘着剤に粘着力がないので、位置決めが簡単にできると共に、皺や気泡等も簡単に除去できる。そして、ウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に加温すると、該粘着剤は結晶状態から流動状態へ相変化し、圧着するとガラス面とフィルムとの間が真空状態となるため、フィルムがガラス面に固定される。
一方、前記感温性粘着剤の融点が30℃より低いと、ウィンドウの表面温度で前記感温性粘着剤がすでに流動状態となって、位置合せが困難となるおそれがある。また、前記融点が70℃より高くなると、前記感温性粘着剤が相変化しにくくなるので好ましくない。
本発明において融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていた重合体の特定部分が無秩序状態となる温度を意味するものであり、前記感温性粘着剤を示差熱走査熱量計(DSC)で、10℃/分の測定条件で測定して得られる値である。
また、本発明の感温性粘着剤は、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル30〜100重量部と、炭素数1〜4のアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル0〜70重量部と、極性モノマー0〜10重量部とを重合させて得られる重合体であるのが好ましい。この重合体は、ホモポリマーまたはコーポリマーのいずれであってもよい。
前記炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル[以下、(メタ)アクリレートという]としては、例えばセチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数16〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上を用いることができる。前記炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上を用いることができるが、このうち炭素数1のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが好適である。前記極性モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有エチレン不飽和単量体や;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するエチレン不飽和単量体等の1種又は2種以上を用いることができるが、このうち特に好適なものはアクリル酸である。
前記重合体の重量平均分子量は20万〜100万、好ましくは40万〜80万であるのがよい。これにより、感温性粘着剤が高い凝集力を示すようになり、優れた貼着安定性が得られる。これに対し、前記重合体の重量平均分子量が20万より小さいと、該粘着剤の凝集力が不足して前記貼着安定性が低下するおそれがある。また、剥がした際には、凝集破壊してウィンドウに該粘着剤が残るおそれがある。一方、前記重量平均分子量が100万を超えると、凝集力が必要以上に高くなるので好ましくない。前記重量平均分子量は、前記重合体をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
本発明のウィンドウ用フィルムは、ウィンドウに貼着した状態において、剪断方向への1cm2当たり1kgの荷重でずれることがない固定力を有し、180°剥離強度が30〜1600g/100mmである。具体的には、上記のような感温性粘着剤を基材フィルムに塗布した本発明の易剥離性ウィンドウ用フィルムは、該感温性粘着剤がウィンドウの表面温度では粘着力がなく、ウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に加温して圧着し、ウィンドウの表面温度に戻すと貼着し、剪断方向への1cm2当たり1kgの荷重でずれることがない固定力を有し、180°剥離強度で30〜1600g/100mm、好ましくは50〜200g/100mmの力で剥がすことが可能である。
これにより、貼着された該ウィンドウ用フィルムは、ウィンドウに確実に固定されるので、優れた貼着安定性を示すと共に、180°剥離強度が所定の範囲であるので、ウィンドウの表面温度で簡単に剥がすことができる。これに対し、前記固定力が剪断方向への1cm2当たり1kgの荷重より小さい荷重でずれる力である場合には、該フィルムがウィンドウから剥がれるおそれがある。また、前記180°剥離強度が30g/100mmより小さいと、該フィルムがウィンドウから剥がれるおそれがあり、1600g/100mmより大きいと、容易に剥離することができなくなるおそれがある。
ここで、本発明における固定力とは、該ウィンドウ用フィルムをガラス面に貼着した状態において、剪断方向への1cm2当たり1kgの荷重においてもずれることがない力を意味している。
前記固定力および180°剥離強度は、前記(メタ)アクリレートや極性モノマーの選択、後述する感温性粘着剤層の厚み、架橋剤の添加量等で調整することができる。また、前記180°剥離強度は、例えば後述のように、本発明の易剥離性ウィンドウ用フィルムをウィンドウに所定の方法で貼着し、ロードセルを用いて300mm/分の速度で前記フィルムを180°剥離した時の強度を測定して得られる値である。
基材フィルムとしては、ウィンドウ用フィルムの基材として使用できるものであれば各種の公知のものが採用可能であり、具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリオレフィン等の合成樹脂フィルム等が挙げられる。なお、本発明における基材フィルムは、必ずしも合成樹脂フィルムに限定されるものではなく、ガラス表面に貼着できる基材であれば適用可能であり、例えば紙などであってもよい。
前記基材フィルムの厚みとしては、例えば9〜200μm、好ましくは12〜50μmであるのがよい。また、基材フィルムの表面は、前記感温性粘着剤の固定強度を向上させる上で、例えばコロナ放電、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理等が施されているのが好ましい。
さらに、本発明にかかる基材フィルムは、種々の機能を有するフィルムであるのが好ましく、具体的には、例えば装飾が可能な装飾用フィルム、紫外線を遮断する機能を有するフィルム、熱線を遮断する機能を有するフィルム等であるのが好ましい。前記表示用・装飾用フィルムとしては、例えば各種の公知の顔料を基材フィルムに含有させて、所定の色彩にフィルム自体を着色したフィルムや、表面を塗料等で表示・装飾したフィルム等が挙げられる。また、前記紫外線を遮断する機能を有するフィルムとしては、例えば各種の公知の紫外線吸収剤を基材フィルムに所定量で含有させたフィルム等が挙げられる。前記熱線を遮断する機能を有するフィルムとしては、例えば基材フィルムの少なくとも片面に熱線を遮断する金属層が形成されたフィルム等が挙げられる。
本発明の易剥離性ウィンドウ用フィルムの製造方法は、例えば上記基材フィルムの片面に、上記感温性粘着剤を所定の溶剤に加えた塗布液を塗布し、乾燥させることにより作製することができる。ここで、形成された感温性粘着剤層の厚みは2〜100μm、好ましくは5〜20μmであるのがよい。これにより、該フィルムをウィンドウに所定の固定力で貼着することができる。これに対し、前記厚みが2μmより薄いと固定力が不足して貼着安定性が低下するおそれがあり、100μmより厚いと、基材フィルムに塗工する際に気泡が入りやすく、塗工された粘着剤層の乾燥性が低下するので好ましくない。
前記塗布液は、基材フィルムの片面に塗布される感温性粘着剤として、所定の重合体からなる感温性粘着剤の他に、例えば耐熱性や凝集力を向上させるためのイソシアネート系化合物・アジリジン系化合物・エポキシ系化合物・金属キレート系化合物などの架橋剤を添加するのが好ましい。さらに必要に応じてタッキファイヤー、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を添加してもよい。各添加剤としては、各種の公知のものが採用可能である。
本発明の易剥離性ウィンドウ用フィルムは、可視光領域(400〜800nm)における透過率が80%以上であるのが好ましい。これにより、ウィンドウの視界を確保することができる。前記透過率は、例えば上記ウィンドウ用フィルムを可視分光光度計で測定して得られる値である。
本発明におけるウィンドウとは、ガラス製の板状のものを意味する。このため、ウィンドウの表面は平滑、凹凸のいずれであってもよく、該ウィンドウの透明、不透明は問わない。このようなウィンドウとしては、例えば住宅やビル等の窓ガラス、ガラス製のドア、ガラス棚、ガラスケース等の他、例えば自動車、列車等の車両のウィンドウ等も含まれる。このようなウィンドウに、本発明の易剥離性ウィンドウ用フィルムは、簡単に貼着および剥離することができる。
<貼着方法>
次に、本発明の易剥離性ウィンドウ用フィルムの貼着方法について説明する。まず、易剥離性ウィンドウ用フィルムの感温性粘着剤層をウィンドウの所定位置に配置する。このとき、該フィルムには粘着力がないので、誤ってシート同士が貼りつくことがなく、貼着位置を誤った場合でも、自在に動かして簡単に手直しすることができる。また、ウィンドウの面積が大きい場合であっても、簡単に位置決めが行える。
ついで、ローラー等を用いて該フィルムの皺を伸ばしたり、該フィルムとウィンドウとの間の気泡を押し出すが、上記の通り、該フィルムには粘着力がないので、簡単に皺や気泡のない状態にすることができる。
この状態で、感温性粘着剤層の温度をウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に、例えばドライヤーやヒートガン等で加温すると、該粘着剤は結晶状態から流動状態へ相変化する。その状態において、ウィンドウ用フィルムをウィンドウに圧着する。ついでウィンドウの表面温度に戻すと再び結晶化して所定の固定力が発現し、該フィルムがウィンドウに貼着される。
上記のようにしてウィンドウのガラス面に貼着されたフィルムは、長期間貼着してもずれることがなく、優れた貼着安定性を示すことができる。
一方、本発明のフィルムは弱い180°剥離強度なので、フィルムを剥がす際には、ガラスの表面を傷つけることなく簡単に剥がすことができる。なお、剥がしたフィルムは、上記と同様の操作をすることで、何度も繰り返して使用することができる。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明で「部」は重量部を意味する。
以下の実施例および比較例で使用した共重合体は、以下の3種類である。
(合成例1)
ベヘニルアクリレート(日本油脂社製)を45部、アクリル酸メチル(日本触媒社製)を50部、アクリル酸を5部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.2部の割合で、それぞれ酢酸エチル230部に加えて混合し、55℃で4時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は63万、融点は57℃であった。
(合成例2)
ベヘニルアクリレート(日本油脂社製)を20部、ステアリルアクリレート(日本油脂社製)を55部、アクリル酸メチル(日本触媒社製)を20部、アクリル酸を5部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.2部の割合で、それぞれ酢酸エチル230部に加えて混合し、55℃で4時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は57万、融点は49℃であった。
(合成例3)
アクリル酸ブチル(日本触媒社製)を45部、アクリル酸2−エチルヘキシル(日本触媒社製)を50部、アクリル酸を5部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.5部の割合で、それぞれ酢酸エチル230部に加えて混合し、55℃で4時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は66万であった。
上記合成例1〜3で得られた各共重合体を表1に示す。
Figure 0005038604
<ウィンドウ用フィルムの作製>
上記合成例1で得られた共重合体を、酢酸エチルを用いて固形分が30%となるように共重合体溶液を調製した。ついで、この共重合体溶液に、架橋剤としてアジリジン化合物(日本触媒社製の商品名「PZ−33」)を固形分換算で前記共重合体100部に対して8.0部添加して感温性粘着剤組成物を得た。この感温性粘着剤組成物を基材フィルム(厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の片面に塗布し、乾燥させて厚さ10μmの感温性粘着剤層が形成されたウィンドウ用フィルムを作製した。
合成例1で得られた共重合体に代えて合成例2で得られた共重合体を用い、架橋剤の添加量を8.0部に代えて5.0部にした以外は、実施例1と同様にして感温性粘着剤組成物を調製した。ついで、この感温性粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして厚さ10μmの感温性粘着剤層が形成されたウィンドウ用フィルムを作製した。
[比較例1]
合成例1で得られた共重合体に代えて合成例3で得られた共重合体を用い、架橋剤の添加量を8.0部に代えて3.0部にした以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。ついで、この粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして厚さ10μmの粘着剤層が形成されたウィンドウ用フィルムを作製した。
[比較例2]
合成例1で得られた共重合体に代えて合成例2で得られた共重合体を用い、架橋剤の添加量を8.0部にした以外は、実施例1と同様にして感温性粘着剤組成物を調製した。ついで、この感温性粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして厚さ1μmの感温性粘着剤層が形成されたウィンドウ用フィルムを作製した。
<ウィンドウ用フィルムの評価>
上記実施例1,2および比較例1,2で得られた各ウィンドウ用フィルムについて、180°剥離強度、固定力、貼着状態、貼着安定性および剥離性を評価した。各評価方法を以下に示すと共に、その評価結果を表2に示す。
(180°剥離強度の評価方法)
上記で得られた各ウィンドウ用フィルムの粘着剤層が形成された面を、表面温度23℃のガラス板に押し当て、ロードセルを用いて300mm/分の速度で前記フィルムを180°剥離し、180°剥離強度を測定した。
また、上記と同様にして各フィルムをガラス板に押し当て、温度を23℃から60℃に加温して圧着した後、23℃に冷却し、上記と同様にして180°剥離強度を測定した。
(固定力の評価方法)
上記で得られた各ウィンドウ用フィルムの粘着剤層が形成された面を表面温度60℃のガラス板に圧着して、23℃に冷却した後、剪断方向に1cm2当たり1kgの荷重を1時間かけた。このときの剥がれた時間と剥がれなかった場合はずれた距離を測定した。
(貼着状態の評価方法)
上記で得られた各ウィンドウ用フィルムを50cm×100cmの形状に加工して試験片を作製し、この試験片をガラス板に貼着した際の状態を目視にて観察した。なお、貼着条件および評価基準は以下のように設定した。
貼着条件
実施例1,2および比較例2:表面温度23℃のガラス板に押し当て、60℃に加温して圧着した後、23℃に冷却した。
比較例1:表面温度23℃のガラス板に貼着した。
評価基準
○:皺、気泡が発生することなく貼着できる
×:皺、気泡が発生する
(貼着安定性の評価方法)
上記貼着状態の評価でガラス板に貼着した各試験片の表面を、水を含ませたウエスで拭いた際の状態を目視にて観察した。なお、評価基準は以下のように設定した。
評価基準
○:ずれ、剥がれなし
×:ずれ、剥がれが発生する
(剥離性の評価方法)
上記貼着状態の評価でガラス板に貼着した各試験片を1年間放置し、ガラス板の表面温度が23℃の状態で、各試験片を剥がした際のガラス板の表面状態を目視にて観察した。なお、評価基準は以下のように設定した。
評価基準
○:糊残りなし
△:糊残りが一部あり
×:糊残りが全面にあり
Figure 0005038604
表2から明らかなように、実施例1および実施例2のウィンドウ用フィルムは、位置決め時において粘着力がなく、貼着状態も優れているのがわかる。また、貼着安定性および剥離性にも優れているのがわかる。これに対し、比較例1では位置決め時に粘着力を示しており、貼着状態が悪いのがわかる。また、比較例2は固定力が弱く、貼着安定性が劣る結果を示した。

Claims (8)

  1. 基材フィルムの片面に感温性粘着剤を塗布してなり、
    前記感温性粘着剤は、
    炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル30〜100重量部と、
    炭素数1〜4のアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル0〜70重量部と、
    カルボキシル基を有するエチレン不飽和単量体およびヒドロキシル基を有するエチレン不飽和単量体から選ばれる少なくとも1種0〜10重量部と、
    を重合させて得られる融点が30〜70℃の重合体であり、
    表面温度が前記融点以上の温度のガラス板に前記感温性粘着剤を介して圧着し、前記表面温度を23℃に冷却して前記ガラス板に貼着した状態において、
    剪断方向へ1cm2当たり1kgの荷重を1時間かけたときにずれることがない固定力を有し、
    かつ300mm/分の速度で前記基材フィルムを180°剥離したときの180°剥離強度が30〜1600g/100mmであることを特徴とする易剥離性ウィンドウ用フィルム。
  2. 表面温度が23℃のガラス板に前記感温性粘着剤を介して押し当てた状態における前記180°剥離強度が0g/100mmである請求項1記載の易剥離性ウィンドウ用フィルム。
  3. 前記重合体の重量平均分子量が20万〜100万である請求項1または2記載の易剥離性ウィンドウ用フィルム。
  4. 前記感温性粘着剤は、前記重合体の融点未満の温度では粘着力がなく、前記重合体の融点以上の温度に加温して圧着した後、前記重合体の融点未満の温度に戻すと貼着する請求項1〜のいずれかに記載易剥離性ウィンドウ用フィルム。
  5. 前記基材フィルムが、表示用または装飾用フィルムである請求項1〜のいずれかに記載の易剥離性ウィンドウ用フィルム。
  6. 前記基材フィルムが、紫外線を遮断する機能を有するフィルムである請求項1〜のいずれかに記載の易剥離性ウィンドウ用フィルム。
  7. 前記基材フィルムが、熱線を遮断する機能を有するフィルムである請求項1〜のいずれかに記載の易剥離性ウィンドウ用フィルム。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の易剥離性ウィンドウ用フィルムを、
    表面温度が前記重合体の融点未満の温度であるウィンドウの表面に前記感温性粘着剤を介して重ね合わせて位置決めを行い、
    ついで前記表面温度を前記重合体の融点以上の温度に加温して圧着した後、前記表面温度を前記重合体の融点未満の温度に冷却することによりウィンドウの表面に貼着することを特徴とする易剥離性ウィンドウ用フィルムの貼着方法。
JP2005220674A 2005-07-29 2005-07-29 易剥離性ウィンドウ用フィルムおよびその貼着方法 Active JP5038604B2 (ja)

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