JPH0657223A - 感熱性ディレードタック型粘着剤 - Google Patents

感熱性ディレードタック型粘着剤

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JPH0657223A
JPH0657223A JP23291692A JP23291692A JPH0657223A JP H0657223 A JPH0657223 A JP H0657223A JP 23291692 A JP23291692 A JP 23291692A JP 23291692 A JP23291692 A JP 23291692A JP H0657223 A JPH0657223 A JP H0657223A
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JP
Japan
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sensitive
pressure
sensitive adhesive
plasticizer
coated
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JP23291692A
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English (en)
Inventor
Keiichi Sato
馨一 佐藤
Masako Yamamoto
雅子 山本
Akira Kikuchi
明 菊池
Yasuhito Kuwabara
泰人 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐ブロッキング性、粘着特性に優れ、可塑剤
がチョーキングしない感熱性ディレードタック型粘着剤
の提供を目的とする。 【構成】 表面を無機化合物によりコーティングした結
晶性可塑剤、熱可塑性樹脂および粘着付与剤を含む感熱
性ディレードタック型粘着剤。 【効果】 本発明により、従来の感熱性ディレードタッ
ク型粘着剤を塗工してなる粘着剤シートと比較して、耐
ブロッキング性が向上し、可塑剤のチョーキングを起こ
さず、粘着性発現時間も長くならず、接着力および保持
力とも実用特性を満足することができる粘着剤シートが
得られるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温では非粘着性であ
るが加熱により粘着性が発現し、しかも粘着性発現後、
加熱源を取り去っても暫くの間、粘着性が持続する感熱
性ディレードタック型粘着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の感熱性ディレードタック型粘着剤
は、「接着便覧」(第12版、昭和55年、高分子刊行会発
行)に記載されているように、熱可塑性樹脂と粘着付与
樹脂および固体可塑剤を基本骨格としている。熱可塑性
樹脂は粘着剤の基本をなすものであり、これがなければ
使用時の凝集力は得られない。また、固体可塑剤は常温
では樹脂に可塑性を与えず、加熱により最初にこれが溶
融して樹脂中に溶け込み樹脂を膨潤あるいは軟化させる
ので、常温では非粘着性の粘着剤に、加熱により粘着性
を発現させる作用をする。この際、粘着付与樹脂が存在
していると粘着性が一層顕著に現れ、実用特性が向上す
る。しかしながら、耐ブロッキング性、可塑剤のチョー
キングの点で問題があった。
【0003】耐ブロッキング性の改善を目的として、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、粘着付与樹脂、結晶性可
塑剤およびワックスを配合してなる感熱接着剤が、特公
昭62-21835号公報に開示されている。しかし、常温での
粘着性を抑制する目的で添加されているワックスのみで
は、耐ブロッキング性が不充分である。さらに耐ブロッ
キング性を向上させるために、シート上に感熱性粘着剤
を塗工する際、塗工面の平滑度をある数値範囲に入れる
方法が特開昭 63-172784号公報に開示されているが、塗
工面の平滑度をこの記載通りにコントロールすること
は、実用上困難である。また、粘着剤に含有されている
可塑剤のチョーキング(粉吹き現象)を防止する方法が
特開平1-144479に開示されているが、コスト上あるいは
工業用品としての視点では実用上甚だ問題点を有する。
【0004】すなわち、従来の感熱性ディレードタック
型粘着剤は、 1)耐ブロッキング性が悪い、耐ブロッキング性が悪い
ために、粘着剤を塗工して作製した感熱性ディレードタ
ック型粘着剤シートを巻重ねて保管する場合に、粘着剤
当接面が粘着してしまう危険性がある。 2)可塑剤がチョーキングする、可塑剤がチョーキング
するために、粘着性が低下する。 3)1)または2)の改善を行なうと接着力あるいは保
持力が低下する、 等の欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記欠
点を克服すべく鋭意研究を行なった結果、表面を無機化
合物によりコーティングした結晶性可塑剤を用いること
により、耐ブロッキング性、粘着特性に優れ、可塑剤が
チョーキングしない感熱性ディレードタック型粘着剤が
得られることを見出し、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、表
面を無機化合物によりコーティングした結晶性可塑剤、
熱可塑性樹脂および粘着付与剤を含むことを特徴とする
感熱性ディレードタック型粘着剤を提供する。表面を無
機化合物によりコーティングすることにより、結晶性可
塑剤の軟化が抑制されるために、耐ブロッキング性が向
上する。さらに詳しくは、無機化合物を可塑剤表面にコ
ーティングすることで、通常耐ブロッキング性を向上さ
せるために添加される無機化合物の量以上に無機化合物
を添加しても、結晶性可塑剤の融点以上の加温による粘
着性発現処理をした場合に、溶融した可塑剤の樹脂中へ
の溶け込みを妨げる働きをせず、逆に促進する作用をす
ると推定され、粘着剤の接着力および保持力が低下する
ことなく耐ブロッキング性が向上する。さらに、無機化
合物をコーティングすることによって、結晶性可塑剤の
分散、安定性が向上し、チョーキングも抑制されると考
えられる。
【0007】結晶性可塑剤の表面を無機化合物でコーテ
ィングする方法としては、 1)熱により可塑剤の表面を軟化あるいは溶融させて、
無機化合物をコーティングする方法、 2)バインダーにより無機化合物をコーティングする方
法、 3)機械的衝撃手段により無機化合物をコーティングす
る方法、 等を挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。上記方法および装置については、「造粒ハンド
ブック」(第1版、平成3年、オーム社発行)に具体的
に記載されている。
【0008】例えば、1)の方法としては、流動コーテ
ィング装置、転動コーティング装置あるいはパンコーテ
ィング装置を使用して、熱媒体(水等)の熱により装置
全体を加温させることによって可塑剤の表面を軟化ある
いは溶融させるか、または、熱風等により直接可塑剤の
表面を軟化あるいは溶融させることによって、無機化合
物をコーティングする方法を挙げることができる。2)
のバインダーにより無機化合物をコーティングする方法
としては、流動コーティング装置、転動コーティング装
置あるいはパンコーティング装置を使用して、バインダ
ーを装置内に供給することにより無機化合物を可塑剤に
コーティングする方法を挙げることができる。また、
3)の機械的衝撃手段により無機化合物をコーティング
する方法としては、高速気流中衝撃法が挙げられ、直接
可塑剤の表面に無機化合物をコーティングできる上記バ
インダーとしては可塑剤と無機化合物とを結合可能なも
のであれば良く、例えばポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、アラビアゴム、デキストリン、天然ガム、アルギン
酸ソーダ等を挙げることができる。
【0009】無機化合物としては、例えば、酸化物、水
和物、無機酸塩、アンモニウム塩あるいは金属化合物等
を挙げることができるが、好ましくは酸化物、水酸化
物、オキシ水酸化物、硝酸塩、炭酸塩、リン酸、硫酸
塩、有機酸塩のシュウ酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、クエン
酸塩が用いられる。酸化物としては、例えば、酸化マグ
ネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化バリウ
ム、酸化チタンバリウム、酸化アルミニウムバリウム、
酸化アルミニウムマグネシウム、酸化ケイ素アルミニウ
ムが挙げられる。さらに本発明において使用される無機
化合物の例としては、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化バリウム、タルク、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム等が挙げられる。
【0010】結晶性可塑剤としては、例えばフタル酸ジ
フェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキ
シル、フタル酸ジヒドロアビエチル、イソフタル酸ジメ
チル、安息香酸スクロ−ス、二安息香酸エチレングリコ
−ル、三安息香酸トリメチロ−ルエタン、三安息香酸グ
リセリド、四安息香酸ペンタエリトリット、八酢酸スク
ロ−ス、クエン酸トリシクロヘキシル、N−シクロヘキ
シル−p−トルエンスルホンアミド等が挙げられるが、
フタル酸ジシクロヘキシルが好ましい熱可塑性樹脂とし
ては、例えばアクリル酸エステル、スチレン−アクリル
酸エステル、スチレン−ブタジエン、酢酸ビニル、エチ
レン−酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル、
エチレン−塩化ビニル、エチレン−アクリル酸エステ
ル、エチレン−アクリル酸、ポリブタジエン、ウレタ
ン、スチレン−イソプレンブロックポリマ−等が挙げら
れる。
【0011】さらに、粘着剤の粘着性能を向上させる粘
着付与剤としては、例えばテルペン樹脂、脂肪族系石油
樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、ス
チレン系樹脂、フェノ−ル樹脂、テルペン−フェノ−ル
樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジン
およびそれらのグリセリン、ペンタエリスリト−ル等と
のエステル、樹脂酸ダイマ−等)が挙げられる。上記結
晶性可塑剤、熱可塑性樹脂および粘着性付与剤は、水性
エマルジョンまたは有機溶剤溶液として、単独あるいは
2種類以上の混合物で使用することができる。また、必
要に応じて分散剤や消泡剤、増粘剤等を使用することも
できる。
【0012】
【実施例】以下実施例を挙げて、本発明を具体的に説明
する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施例により何
等限定されるものではない。例中、部とは重量部を、%
とは重量%をそれぞれ表わす。 〔実施例1〕流動コーティング装置(不二パウダル社製
ニューマルメライザー NQ-LABO)に、フタル酸ジフェ
ニル 316部と酸化チタン95部を仕込み、熱風によりフタ
ル酸ジフェニル表面に酸化チタンをコーティングした。
酸化チタンをコーティングしたフタル酸ジフェニルのコ
ーティング状況を走査型電子顕微鏡により観察した結
果、コーティングされていることが確認された。次い
で、表1に示した組成物をガラスビーカーに入れ、ホモ
ジナイザーにより混合を行ない、粘着剤を調製した。得
られた粘着剤を塗布量が、20g/m2となるように片面アー
ト紙上に直接塗布し、40℃で2分間乾燥した。この状態
では粘着性は確認できなかった。塗工物について、ブロ
ッキング性およびチョーキングの評価を行った結果を表
1に示す。さらに、塗工物を 120℃で25秒間加熱し粘着
性を発現させた後、初期接着力および保持力の測定を行
った結果を表1に示す。
【0013】〔実施例2〕実施例1と同様に、熱風によ
りフタル酸ジフェニル 316部表面に酸化マグネシウム95
部をコーティングし、酸化マグネシウムがコーティング
されていることを実施例1と同様に確認した。次いで、
表1に示した組成で実施例1と同様に粘着剤を調製し、
片面アート紙上に直接塗布、乾燥後、塗工物の評価を行
った結果を表1に示す。 〔実施例3〕実施例1と同様な装置に、フタル酸ジフェ
ニル 316部と酸化チタン95部を仕込み、バインダーとし
て3%アクリルポリマーのn-ブチルアルコール溶液を使
用して、フタル酸ジフェニル表面に酸化チタンをコーテ
ィングした。酸化チタンがコーティングされていること
は、実施例1と同様に確認した。次いで、表1に示した
組成で実施例1と同様に粘着剤を調製し、片面アート紙
上に直接塗布、乾燥後、塗工物の評価を行った結果を表
1に示す。
【0014】〔実施例4〕実施例3と同様に、バインダ
ーによりフタル酸ジフェニル 316部表面に酸化チタンバ
リウム32部をコーティングし、酸化チタンバリウムがコ
ーティングされていることを実施例1と同様に確認し
た。次いで、表1に示した組成で実施例1と同様に粘着
剤を調製し、片面アート紙上に直接塗布、乾燥後、塗工
物の評価を行った結果を表1に示す。 〔実施例5〕転動コーティング装置(深江工業社製 ハ
イスピードミキサー LFS-1)に、フタル酸ジフェニル 3
16部と酸化チタンバリウム32部を仕込み、熱風によりフ
タル酸ジフェニル表面に酸化チタンバリウムをコーティ
ングした。酸化チタンバリウムがコーティングされてい
ることは、実施例1と同様に確認した。次いで、表1に
示した組成で実施例1と同様に粘着剤を調製し、片面ア
ート紙上に直接塗布、乾燥後、塗工物の評価を行った結
果を表1に示す。
【0015】〔実施例6〕実施例5と同様な装置に、フ
タル酸ジフェニル 316部と酸化アルミニウム95部を仕込
み、バインダーとして3%アクリルポリマーのn-ブチル
アルコール溶液を使用して、フタル酸ジフェニル表面に
酸化アルミニウムをコーティングした。酸化アルミニウ
ムがコーティングされていることは、実施例1と同様に
確認した。次いで、表1に示した組成で実施例1と同様
に粘着剤を調製し、片面アート紙上に直接塗布、乾燥
後、塗工物の評価を行った結果を表1に示す。 〔実施例7〕高速気流中衝撃法を利用した粉体の表面改
質装置(奈良機械製作所社製 ハイブリダイゼーション
システム NHS-O)に、フタル酸ジシクロヘキシル 316
部と酸化チタン95部を仕込み、機械的衝撃によりフタル
酸ジシクロヘキシル表面に酸化チタンをコーティングし
た。酸化チタンがコーティングされていることは、実施
例1と同様に確認した。次いで、表1に示した組成で実
施例1と同様に粘着剤を調製し、片面アート紙上に直接
塗布、乾燥後、塗工物の評価を行った結果を表1に示
す。
【0016】〔比較例1〕フタル酸ジフェニル表面を無
機化合物等でコーティングせずに、表1に示した組成で
実施例1と同様に粘着剤を調製し、片面アート紙上に直
接塗布、乾燥後、塗工物の評価を行った結果を表1に示
す。 〔比較例2〕フタル酸ジシクロヘキシル表面を無機化合
物等でコーティングせずに、表1に示した組成で実施例
1と同様に粘着剤を調製し、片面アート紙上に直接塗
布、乾燥後、塗工物の評価を行った結果を表1に示す。
【0017】実施例および比較例におけるチョーキン
グ、初期接着力および保持力は、以下の方法によって評
価した。 ブロッキング性;粘着剤塗工物に500g/cm2の荷重をかけ
て、55℃に1時間保存後に剥離し、以下の基準で判定し
た。 ◎・・・・・・剥離抵抗なし。 ○・・・・・・剥離時に若干音がする。 ×・・・・・・剥離時に紙の繊維を引っ張る。 チョーキング ;粘着剤塗工物を40℃で30日間保温した
後、以下の基準で判定した。 ○・・・・・・チョーキングの発生なし。 △・・・・・・塗工物の糊面を黒布でやや強く擦ると白い粉が
布に付着する。
【0018】初期接着力 ;加熱による粘着性発現後、
粘着剤塗工物を速やかにステンレス鋼鈑に貼り付け、JI
S K-6848に準じて 180度剥離により接着強度を測定し、
以下の基準で判定した。ただし糊付け部は 100mmとし
た。 ◎・・・・・・1200g/25mm以上 ○・・・・・・1000g/25mm以上、1200g/25mm未満 ×・・・・・・1000g/25mm未満 保 持 力 ;加熱による粘着性発現後、粘着剤塗工物
を速やかにステンレス鋼鈑に貼り付け、JIS K-6848に準
じてクリープ試験を行い、以下の基準で判定した。ただ
し糊付け部は25mmとした。 ○・・・・・・2000sec 以上 △・・・・・・1000sec 以上、2000sec 未満 ×・・・・・・1000sec 未満
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明により、従来の感熱性ディレード
タック型粘着剤を塗工してなる粘着剤シートと比較し
て、耐ブロッキング性が向上し、可塑剤のチョーキング
を起こさず、粘着性発現時間も長くならず、接着力およ
び保持力とも実用特性を満足することができる粘着剤シ
ートが得られるようになった。剥離紙の要らないラベ
ル、テープ、包装物のシール等として、省資源化で経済
的な有益性を追求することができるようになったことの
産業的意義は、極めて多大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 泰人 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面を無機化合物によりコーティングし
    た結晶性可塑剤、熱可塑性樹脂および粘着付与剤を含む
    ことを特徴とする感熱性ディレードタック型粘着剤。
JP23291692A 1992-08-07 1992-08-07 感熱性ディレードタック型粘着剤 Pending JPH0657223A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000096021A (ja) * 1998-09-25 2000-04-04 Arakawa Chem Ind Co Ltd ディレードタック型粘着剤組成物用粘着付与樹脂およびディレードタック型粘着剤組成物
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