JP5034664B2 - 力検知装置 - Google Patents
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本発明はまた、回路チップと第1力検知チップと第2力検知チップがこの順で積層した力検知装置であって、前記第1力検知チップは、作用する力に応じた第1電気信号を生成する第1力検知部が表面に設けられている第1半導体基板と、その第1半導体基板の表面に接合するとともに前記第1半導体基板と接する面から反対側の面まで伸びている第1貫通電極を有する絶縁性の第1ブロックとを有しており、前記第2力検知チップは、作用する力に応じた第2電気信号を生成する第2力検知部が表面に設けられている第2半導体基板と、その第2半導体基板の表面に接合するとともに前記第2半導体基板と接する面から反対側の面まで伸びている第2貫通電極を有する絶縁性の第2ブロックとを有しており、前記回路チップは、前記第1及び第2電気信号を処理する回路部が表面に設けられている半導体回路基板と、その半導体回路基板の表面に接合するとともに前記半導体回路基板と接する面から反対側の面まで伸びている回路用貫通電極を有する絶縁性の回路用ブロックとを有しており、前記第1力検知チップの前記第1ブロックと前記回路チップの前記回路用ブロックは、前記第1貫通電極と前記回路用貫通電極が電気的に接続するように接合しており、前記第1貫通電極と前記回路用貫通電極は、前記第1力検知部の前記第1電気信号を前記回路部に提供しており、前記第1半導体基板と前記第1ブロックと前記回路用ブロックには、これらの積層間を亘って伸びている積層間貫通電極が設けられており、前記第1半導体基板と前記第2ブロックは、前記第2貫通電極と前記積層間貫通電極が電気的に接続するように接合しており、前記第2貫通電極と前記積層間貫通電極は、前記第2力検知部の前記第2電気信号を前記回路部に提供しており、前記第1力検知部と前記第2力検知部は、異なる物理量を検知対象にしていることを特徴とする力検知装置。
本明細書で開示される技術では、力検知部が設けられている半導体基板と回路部が設けられている半導体基板がそれぞれ別個に用意され、力検知部が設けられている半導体基板と回路部が設けられている半導体基板の間に絶縁性のブロックが設けられていることを特徴としている。ブロックに貫通電極が設けられており、力検知部の電気信号は貫通電極を介して回路部に提供される。
力検知部用の半導体基板と回路部用の半導体基板がそれぞれ別個に用意されているので、力検知部用の半導体基板と回路部用の半導体基板のそれぞれに適した面方位を採用することができる。さらに、力検知部と回路部の間は貫通電極によって電気的に接続されるので、ワイヤを利用する場合に比して、力検知装置の信頼性が高い。この結果、力検知装置の信頼性や特性を損なわないで、力検知装置の小型化を進めることができる。
この形態によると、メサ段差は、半導体基板の表面から突出していない。このため、力検知部が設けられている半導体基板とブロックを強固に接合させることができる。
この形態によると、回路部とブロックの間に空間が設けられ、回路部とブロックが直接的に接していない。このため、回路部は安定した動作を実現することができる。
上記の形態でも、力検知部が設けられている半導体基板と回路部が設けられている半導体回路基板がそれぞれ別個に用意されているので、力検知部用の半導体基板と回路部用の半導体回路基板のそれぞれに適した面方位を採用することができる。さらに、力検知部と回路部の間は、第1貫通電極と回路用貫通電極によって電気的に接続されるので、ワイヤを利用する場合に比して、力検知装置の信頼性が高い。この結果、力検知装置の信頼性や特性を損なわないで、力検知装置の小型化を進めることができる。
また、上記の形態によると、力検知チップと回路チップをそれぞれ用意し、それらを接合することによって力検知装置を構築することができる。例えば、共通の規格で感度の異なる力検知チップを用意しておくと、測定対象に応じて必要な感度の力検知チップを選択し、その選択した力検知チップを回路チップと接合することによって、必要な感度で測定対象を検知する力検知装置を容易に構築することができる。
上記の第2の力検知チップを備えている場合は、第1力検知部と第2力検知部が、作用する力に対する電気信号の変化量が異なるように構成されていてもよい。この形態の力検知装置は、感度がそれぞれ異なる第1力検知部と第2力検知部を備えている。例えば、第1力検知部が高感度であり、第2力検知部が低感度であれば、第1力検知部で小さな力を細かい分解能で検知するとともに、第2力検知部で大きな力を粗い分解能で検知することができる。
また、上記の第2の力検知チップを備えている場合は、第1力検知部と第2力検知部が、異なる物理量を検知対象とするように構成されていてもよい。この形態の力検知装置は、各々が異なる物理量を検知することが可能な第1力検知部と第2力検知部を備えている。ここでいう物理量には、圧力、加速度、角速度等が含まれる。例えば、第1力検知部が圧力を検知対象にし、第2力検知部が加速度を検知対象にしていると、1つの力検知装置で圧力と加速度を検知することができる。また、力検知チップの温度依存性を利用して温度を検知することもできる。
この形態によると、第2メサ段差は、第2半導体基板の表面から突出していない。このため、第2力検知部が設けられている第2半導体基板と第2ブロックは、強固に接合することができる。
(第1特徴) 力検知部は、メサ段差を備えている。メサ段差は、半導体基板の表面に突出するタイプでもよく、半導体基板の表面の溝によって画定されるタイプでもよい。後者の場合は、半導体基板とブロックを強固に接合することができる。
(第2特徴) 力検知装置は、シリーズ化された力検知チップを備えているのが好ましい。シリーズ化された力検知チップでは、回路チップと電気的にコンタクトする電極の配置が共通の規格に沿って設計されている。これにより、測定対象に応じて好適な感度の力検知チップを用意し、その力検知チップを回路チップに接合することで、必要な感度で測定可能な力検知装置を構築することができる。
(第3特徴) 力検知装置は、シリーズ化された回路チップを備えているのが好ましい。シリーズ化された回路チップは、力検知チップ及び/又は他の回路チップと電気的にコンタクトする電極の配置が共通の規格に沿って設計されている。これにより、必要な演算処理に応じて必要な種類の回路チップを用意し、その回路チップを組み合わせることで、必要な演算処理を実行可能な力検知装置を構築することができる。
図1に、大気、油圧機構の油圧ポンプ内、燃料パイプ内、内燃機関内等の検知空間内の圧力を測定する力検知装置1の斜視図を模式的に示す。図1に示すように、力検知装置1は、力検知チップ10と回路チップ200を備えており、力検知チップ10と回路チップ200が一体化した形態を備えている。力検知チップ10は、回路チップ200の表面の一部に積層している。力検知チップ10と回路チップ200は、陽極接合を利用して接合している。力検知チップ10は、検知空間内の圧力に応じた電気信号を生成する。その電気信号は回路チップ200に提供され、回路チップ200はその電気信号からノイズを除去するとともにアナログ信号をデジタル信号に変換する。得られたデジタル信号は、検知空間内の圧力を反映しており、目的に応じた制御に利用される。
半導体基板20はn型の不純物を含んでおり、その不純物濃度は約1×1014〜1×1017cm-3である。半導体基板20の表面には、荷重に応じた電気信号を生成する力検知部60が設けられている。力検知部60は、半導体基板20の表面に設けられている矩形状の溝40を横断するメサ段差24と、そのメサ段差24を通過して半導体基板20の表面を伸びている不純物導入領域22とを備えている。溝40は、絶縁層30の厚みよりも深く形成されている。溝40は、エッチング技術を利用して半導体基板20の表面に形成することができる。溝40は、隣接する分散溝42、44によって構成されており、その分散溝42と分散溝44の間にメサ段差24が形成されている。分散溝42と分散溝44は、メサ段差24を対称軸とする線対称な形状を有している。半導体基板20の表面は(110)面である。メサ段差24は、ピエゾ抵抗効果が大きく現れる<110>方向に伸びている。
図5には、陽極接合を実施する前の段階が示されている。図5に示すように、正側コンタクト領域32と負側コンタクト領域34は、絶縁層30に形成されている貫通孔よりも幅狭で貫通孔から突出した状態で形成されている。次に、第1ブロック50を絶縁層30の表面に接触させると、正側コンタクト領域32と負側コンタクト領域34は押し圧され、貫通孔内を伸展する。正側コンタクト領域32と負側コンタクト領域34の材料はアルミニウムであり、柔らかい。この結果、図3に示すように、正側コンタクト領域32と負側コンタクト領域34は、絶縁層30の貫通孔内に充填された状態になる。次に、高温下において、第1ブロック50と半導体基板20の間に高静電界を印加する。これにより、第1ブロック50と絶縁層30の間には共有結合が形成され、第1ブロック50と絶縁層30が強固に接合される。
この結果、力検知チップ10は、絶縁層30と第1ブロック50の間の空間の影響を排除することができ、製造毎に均一な特性を得ることができる。
図8に示すように、回路チップ200は、単結晶シリコンの半導体回路基板220と、酸化膜の絶縁層230と、絶縁性の回路用ブロック250を備えている。半導体回路基板220と回路用ブロック250は、絶縁層230を介して接合している。
半導体回路基板220の表面には、回路部222が設けられている。回路部222は、半導体回路基板220の表面に導入された不純物導入領域や、半導体回路基板220の表面に作成された配線等によって構成されており、例えば、トランジスタ、抵抗素子、キャパシタ、スイッチング素子等の回路素子が構成されている。回路部222には、複数種類の回路素子によって、増幅回路とフィルタ回路とA/D変換回路が構築されている。回路部222は、力検知チップ10が生成した電気信号を処理する。絶縁層230は、回路部222に対応する領域に窓が設けられている。半導体回路基板220の表面は(100)面である。半導体回路基板220の表面には、回路部222に適した面方位が採用されている。
符号232は正側コンタクト領域であり、符号234は負側コンタクト領域であり、符号236は出力コンタクト領域であり、符号237は負側電源コンタクト領域であり、符号238は正側電源コンタクト領域である。
図9に示すように、力検知チップ10と回路チップ200が積層した状態では、力検知チップ10の正側第1貫通電極52と回路チップ200の正側回路用貫通電極252が電気的に接続している。同様に、他の断面において、力検知チップ10の負側第1貫通電極54と回路チップ200の負側回路用貫通電極254が電気的に接続している。このため、力検知チップ10の力検知部60が生成した電気信号は、力検知チップ10の貫通電極52、54と回路チップ200の貫通電極252、254を介して回路チップ200の回路部222に提供される。回路部222は、提供された電気信号を増幅、ノイズ除去、そしてデジタル信号に変換する。
圧力センサ2は、回路チップ200の出力貫通電極256に固定されている出力リード256aと、負側電源貫通電極257に固定されている負側電源リード257aと、正側電源貫通電極258に固定されている正側電源リード258aとを備えている。出力貫通電極256と出力リード256a、負側電源貫通電極257と負側電源リード257a及び正側電源貫通電極258と正側電源リード258aの固定には、はんだが利用されている。なお、はんだに代えて導電性の接着剤を利用してもよい。
圧力センサ2では、力検知装置10の全体がコート剤で被覆されている(図示しない)。コート剤の材料には、シリコン系材料又はフッ素系材料が用いられる。出力リード256aの一部、負側電源リード257aの一部及び正側電源リード258aの一部は、そのコート剤から外に伸びている。
図11に示すように、力検知装置1は、ハーメチックシール端子11に搭載されて用いることもできる。
図12に、別例の回路チップ100の分解斜視図を模式的に示す。図13に、図12のXIII-XIII線の縦断面図を示す。
図12に示すように、回路チップ100は、単結晶シリコンの半導体基板120と、熱酸化膜の絶縁層130と、絶縁性の第1ブロック150を備えている。半導体基板120と第1ブロック150は、絶縁層130を介して接合している。
半導体基板120はp型の不純物を含んでおり、その不純物濃度は約1×1018〜2×1020cm-3である。半導体基板120の表面には、荷重に応じた電気信号を生成する力検知部160が設けられている。力検知部160は、半導体基板120の表面に設けられている円形状の溝140を横断するメサ段差124と、そのメサ段差124を通過して半導体基板120の表面を伸びている不純物導入領域122とを備えている。溝140は、絶縁層130の厚みよりも深く形成されている。溝140は、エッチング技術を利用して半導体基板120の表面に形成することができる。溝140は、隣接する分散溝142と分散溝144によって構成されており、その分散溝142と分散溝144の間にメサ段差124が形成されている。分散溝142と分散溝144は、メサ段差124を対称軸とする線対称な形状を有している。回路チップ100では、分散溝142、144の側面において、溝140を平面視したときに多角形の項点に相当するコーナー部が形成されていない。したがって、溝140の周囲の半導体基板120とブロック150が、幾何学的に安定した状態で接合している。この結果、ブロック150に作用する荷重とメサ段差124の圧縮荷重の間の比例関係が向上する。半導体基板120の表面は(110)面である。メサ段差124は、ピエゾ抵抗効果が大きく現れる<110>方向に伸びている。
図14に示すように、回路チップ300は、単結晶シリコンの半導体回路基板320と、酸化膜の絶縁層330と、絶縁性の回路用ブロック350を備えている。半導体回路基板320と回路用ブロック350は、絶縁層330を介して接合している。
半導体回路基板320の表面には、回路部322が設けられている。回路部322は、半導体回路基板320の表面に導入された不純物導入領域や、半導体回路基板320の表面に作成された配線等によって構成されており、例えば、抵抗素子、キャパシタ、スイッチング素子等の回路素子が構成されている。回路部320には、複数種類の回路素子によって、増幅回路とフィルタ回路とA/D変換回路が構築されている。回路部322は、力検知チップ100が生成した電気信号を処理する。絶縁層330は、回路部322に対応する領域に窓が設けられている。半導体回路基板320の表面は(100)面である。半導体回路基板320の表面には、回路部322に適した面方位が採用されている。
符号332は正側コンタクト領域であり、符号336は出力コンタクト領域であり、符号337は負側電源コンタクト領域であり、符号338は正側電源コンタクト領域である。
図15に示すように、力検知チップ100と回路チップ300が積層した状態では、力検知チップ100の正側第1貫通電極152と回路チップ300の正側回路用貫通電極352が電気的に接続している。このため、力検知チップ100の力検知部160が生成した電気信号は、正側第1貫通電極152と正側回路用貫通電極352を介して回路チップ300の回路部322に提供される。回路部322は、提供された電気信号を増幅、ノイズ除去、そしてデジタル信号に変換する。
圧力センサ4は、回路チップ300の出力貫通電極356に固定されている出力リード356aと、負側電源貫通電極357に固定されている負側電源リード357aと、正側電源貫通電極358に固定されている正側電源リード358aと、力検知チップ100の裏面負側電極126に固定されている裏面負側電極リード126aとを備えている。出力貫通電極356と出力リード356a、負側電源貫通電極357と負側電源リード357a、正側電源貫通電極358と正側電源リード358a及び裏面負側電極126と裏面負側電極リード126aの固定は、はんだが利用されている。なお、はんだに代えて導電性の接着剤を利用してもよい。なお、裏面負側電極リード126aの電位は、負側電源リード357aの電位と共通である。
圧力センサ4では、力検知装置3の全体がコート剤で被覆されている(図示しない)。コート剤の材料には、シリコン系材料又はフッ素系材料が用いられる。出力リード356aの一部、負側電源リード357aの一部、正側電源リード358aの一部及び裏面負側電極リード126aの一部は、そのコート剤から外に伸びている。
図17に、2種類の力検知チップ400、500が回路チップ600の表面に積層した力検知装置5の縦断面図を模式的に示す。図18に、力検知装置5の上面図を示す。図18のXVII-XVII線に対応する縦断面が、図17の縦断面図に相当する。なお、各図面に付されている符号の下二桁が上記した実施例の下二桁と同一の場合は、同様の機能を有する構成要素であり、以下ではその説明を省略する。
第1力検知チップ500の力検知部は、油圧パイプ内の圧力に応じた電気信号を生成し、その電気信号は回路チップ600の回路部622に提供される。第2力検知チップ400の力検知部も、油圧パイプ内の圧力に応じた電気信号を生成し、その電気信号も回路チップ600の回路部622に提供される。回路チップ600は、それら電気信号からノイズを除去するとともにアナログ信号をデジタル信号に変換する。得られたデジタル信号は、図18に示すように、第1力検知チップ500の結果を反映したデジタル信号が第1出力貫通電極656から外部に提供され、第2力検知チップ400の結果を反映したデジタル信号が第2出力貫通電極657から外部に提供される。符号658は負側電源貫通電極であり、符号659は正側電源貫通電極である。
図17に示すように、第1力検知チップ500はさらに、第2力検知チップ400の力検知部が生成した電気信号を回路チップ600の回路部622に提供するために、第1半導体基板520を貫通する正側スルーホール電極522と、第1ブロック550を貫通する正側スルー電極551を備えている。正側スルーホール電極522は、第1半導体基板520に設けられた貫通孔の内壁に金属を蒸着することによって形成することができる。
回路チップ600は、回路用ブロック650を貫通する正側回路用スルー電極651を備えている。正側回路用スルー電極651は、第1力検知チップ500の正側スルー電極551に電気的に接続されている。第1力検知チップ500の正側スルーホール電極522と正側スルー電極551、及び回路チップ600の正側回路用スルー電極651によって正側積層間貫通電極が構成されており、この積層間貫通電極は、正側コンタクト領域631を介して回路部622に電気的に接続されている。なお、図18に示すように、同様の構成が負側積層間貫通電極524、554、654として設けられている。
この結果、第2力検知チップ400の力検知部が生成した電気信号は、第1力検知チップ500と回路チップ600を貫通している正側と負側の双方の積層間貫通電極を介して回路チップ600の回路部622に提供される。
図19に、回路チップ700の半導体回路基板720にスルーホール電極724、726が設けられている力検知装置6の縦断面図を模式的に示す。なお、この力検知装置6には、第1実施例の力検知チップ10が用いられている。なお、各図面に付されている符号の下二桁が上述実施例の下二桁と同一の場合は、同様の機能を有する構成要素であり、以下ではその説明を省略する。
回路チップ700の半導体回路基板720には、3個のスルーホール電極724、726が設けられている(図19の縦断面図では2個のみが図示されているが、他の縦断面に残りの1個が設けられている)。これらのスルーホール電極724、726は、電源の正側端子、電源の負側端子、及び出力端子に対応している。
図21に、本明細書で開示される技術の特徴を概略的に説明するための圧力センサ7を示す。圧力センサ7は、回路チップ920と、3つの力検知チップ911、912、913を備えている。3つの力検知チップ911、912、913に設けられている力検知部の感度は、それぞれ異なっている。
例えば、図17及び図21の実施例では、感度の異なる複数種類の力検知チップで構成された力検知装置又は力検知センサを説明した。この技術思想は、異なる物理量を検知対象にした複合型の検知装置又はセンサにも有用である。例えば、圧力を検知対象とする力検知チップと加速度を検知対象にする力検知チップを利用すれば、圧力と加速度を同時に測定する複合型の検知装置又はセンサを得ることができる。
本実施例では、メサ段差に作用する力を電気信号に変換する技術を中心に説明した。しかし、本明細書で開示される技術の適用範囲はメサ段差に限られない。例えば、作用する加速度又は角速度(本明細書では、加速度及び角速度は力と等価であるとする)によってマスが変位する変位量を測定し、作用する加速度又は角速度を検知する力検知装置又は力検知センサも、本明細書の技術の範疇に含まれる。あるいは、力検知チップの温度依存性を利用して温度を検知する力検知装置又は力検知センサも、本明細書の技術の範疇に含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
200、300、600、700、920、921、922、923:回路チップ
20、120、420、520:半導体基板
60、160:力検知部
222、322、622、722:回路部
50、150、550:第1ブロック
450:第2ブロック
250、350、650、750:回路用ブロック
220、320、620、720:半導体回路基板
52、54、152、552、554:第1貫通電極
452、454:第2貫通電極
252、254、352、652、752、754:回路用貫通電極
Claims (5)
- 回路チップと第1力検知チップと第2力検知チップがこの順で積層した力検知装置であって、
前記第1力検知チップは、
作用する力に応じた第1電気信号を生成する第1力検知部が表面に設けられている第1半導体基板と、その第1半導体基板の表面に接合するとともに前記第1半導体基板と接する面から反対側の面まで伸びている第1貫通電極を有する絶縁性の第1ブロックとを有しており、
前記第2力検知チップは、
作用する力に応じた第2電気信号を生成する第2力検知部が表面に設けられている第2半導体基板と、その第2半導体基板の表面に接合するとともに前記第2半導体基板と接する面から反対側の面まで伸びている第2貫通電極を有する絶縁性の第2ブロックとを有しており、
前記回路チップは、
前記第1及び第2電気信号を処理する回路部が表面に設けられている半導体回路基板と、その半導体回路基板の表面に接合するとともに前記半導体回路基板と接する面から反対側の面まで伸びている回路用貫通電極を有する絶縁性の回路用ブロックとを有しており、
前記第1力検知チップの前記第1ブロックと前記回路チップの前記回路用ブロックは、前記第1貫通電極と前記回路用貫通電極が電気的に接続するように接合しており、
前記第1貫通電極と前記回路用貫通電極は、前記第1力検知部の前記第1電気信号を前記回路部に提供しており、
前記第1半導体基板と前記第1ブロックと前記回路用ブロックには、これらの積層間を亘って伸びている積層間貫通電極が設けられており、
前記第1半導体基板と前記第2ブロックは、前記第2貫通電極と前記積層間貫通電極が電気的に接続するように接合しており、
前記第2貫通電極と前記積層間貫通電極は、前記第2力検知部の前記第2電気信号を前記回路部に提供しており、
前記第1力検知部の前記第1電気信号と前記第2力検知部の前記第2電気信号は、作用する力に対する変化量が異なることを特徴とする力検知装置。 - 前記第1力検知部は、前記第1半導体基板の表面に設けられている溝を横断する第1メサ段差と、その第1メサ段差を通過して前記第1半導体基板の表面を伸びている第1不純物導入領域とを有しており、
前記第1ブロックは、少なくとも前記溝の周囲に位置する前記第1半導体基板の表面と前記第1不純物導入領域の一端に当接して前記溝を封止しており、
前記第1貫通電極と前記回路用貫通電極は、前記第1不純物導入領域の一端と前記回路部とを電気的に接続していることを特徴とする請求項1の力検知装置。 - 前記回路用ブロックは、前記半導体回路基板と接する面に凹部を有しており、
その凹部内に前記回路部が配置されていることを特徴とする請求項1又は2の力検知装置。 - 前記第2力検知部は、前記第2半導体基板の表面に設けられている溝を横断する第2メサ段差と、その第2メサ段差を通過して前記第2半導体基板の表面を伸びている第2不純物導入領域とを有しており、
前記第2ブロックは、少なくとも前記溝の周囲に位置する前記第2半導体基板の表面と前記第2不純物導入領域の一端に当接して溝を封止しており、
前記第2貫通電極と前記積層間貫通電極は、前記第2不純物導入領域の一端と前記回路部とを電気的に接続していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の力検知装置。 - 回路チップと第1力検知チップと第2力検知チップがこの順で積層した力検知装置であって、
前記第1力検知チップは、
作用する力に応じた第1電気信号を生成する第1力検知部が表面に設けられている第1半導体基板と、その第1半導体基板の表面に接合するとともに前記第1半導体基板と接する面から反対側の面まで伸びている第1貫通電極を有する絶縁性の第1ブロックとを有しており、
前記第2力検知チップは、
作用する力に応じた第2電気信号を生成する第2力検知部が表面に設けられている第2半導体基板と、その第2半導体基板の表面に接合するとともに前記第2半導体基板と接する面から反対側の面まで伸びている第2貫通電極を有する絶縁性の第2ブロックとを有しており、
前記回路チップは、
前記第1及び第2電気信号を処理する回路部が表面に設けられている半導体回路基板と、その半導体回路基板の表面に接合するとともに前記半導体回路基板と接する面から反対側の面まで伸びている回路用貫通電極を有する絶縁性の回路用ブロックとを有しており、
前記第1力検知チップの前記第1ブロックと前記回路チップの前記回路用ブロックは、前記第1貫通電極と前記回路用貫通電極が電気的に接続するように接合しており、
前記第1貫通電極と前記回路用貫通電極は、前記第1力検知部の前記第1電気信号を前記回路部に提供しており、
前記第1半導体基板と前記第1ブロックと前記回路用ブロックには、これらの積層間を亘って伸びている積層間貫通電極が設けられており、
前記第1半導体基板と前記第2ブロックは、前記第2貫通電極と前記積層間貫通電極が電気的に接続するように接合しており、
前記第2貫通電極と前記積層間貫通電極は、前記第2力検知部の前記第2電気信号を前記回路部に提供しており、
前記第1力検知部と前記第2力検知部は、異なる物理量を検知対象にしていることを特徴とする力検知装置。
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