JP4483478B2 - 力検知装置とその製造方法 - Google Patents
力検知装置とその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4483478B2 JP4483478B2 JP2004243308A JP2004243308A JP4483478B2 JP 4483478 B2 JP4483478 B2 JP 4483478B2 JP 2004243308 A JP2004243308 A JP 2004243308A JP 2004243308 A JP2004243308 A JP 2004243308A JP 4483478 B2 JP4483478 B2 JP 4483478B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- region
- transmission block
- force transmission
- semiconductor substrate
- force
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Pressure Sensors (AREA)
Description
図11と図12に示すように、この力検知装置1010は、n型の半導体基板1022と、力伝達ブロック1032を備えている。この半導体基板1022の表面に、メサエッチングによって形成されたメサ段差1024が形成されている。このメサ段差1024の長手方向は、ピエゾ抵抗効果が現れる方向が選択されている。半導体基板1022の表面上は、絶縁性を確保するために、絶縁層1028で被覆されている(図11では図示省略)。
メサ段差1024の頂面部は、半導体基板1022と反対導電型のp型不純物がドープされており、ピエゾ領域1025を構成している。ピエゾ領域1025は、黒色のハッチングによって示されている。図12(E)に示すように、このピエゾ領域1025の両端部は、コンタクトホール1042a、1044aを介して一対の電極1042、1044と電気的に接続している。これにより、一対の電極間1042、1044は、メサ段差1024の頂面部に形成されたピエゾ領域1025を介して電気的に接続されている。
力伝達ブロック1032は、メサ段差1024の表面のピエゾ領域1025と、そのメサ領域1025を囲繞する囲繞領域1034において、半導体基板1022の表面に接している。力伝達ブロック1032は、この囲繞領域1034によって半導体基板1022の表面に固定されている。力伝達ブロック1032の形状は直方体である。
力伝達ブロック1032の半導体基板1022と対向する面と反対側の面(紙面上側の面)に荷重が作用すると、力伝達ブロック1032はその荷重の大きさに応じて、ピエゾ領域1025及びメサ段差1024に圧縮応力を伝達する。メサ段差1024はその圧縮応力の大きさに基づいて歪む。この歪みによってメサ段差1024のピエゾ領域1025の抵抗値は変化する。その変化量は荷重の大きさに比例する。定電流を流している場合、抵抗が変化すると一対の電極間1042、1044の電圧が変化することから、力伝達ブロック1032に作用する荷重を検知することができる。
図12(F)に示すように、力伝達ブロック1032と半導体基板1022との接合強度を強くして、力検知装置の機械的安定性を向上しようとすると、囲繞領域1034の面積を大きくする必要がある。一方、この種の力検知装置の検知感度を向上しようとすると、一般的に、力伝達ブロック1032と半導体基板1022の接する面(囲繞領域1034とピエゾ領域1025のいずれも)の面積を小さくしなければならないとされている。上述したように、囲繞領域1034の面積を小さくすると、力伝達ブロック1032と半導体基板1022の接合強度が弱くなり、力検知装置1010の機械的安定性を確保することが困難となる。即ち、この種の力検知装置1010では、検知感度と接合強度の間にトレードオフ関係が存在すると考えられていた。
ところが、本出願人が提案している力検知装置を詳細に研究したところ、力伝達ブロック1032と半導体基板1022の接する面のうち、ピエゾ領域1025の幅L1011を大きくし、その面積を増大した場合には、検知感度が大幅に悪化するものの、囲繞領域1034の幅L1012を大きくし、その面積を増大した場合、検知感度はそれほどには
悪化しないという現象を突き止めた。具体的に述べると、囲繞領域1034の面積を2倍に増大しても、検知感度は10%程度しか悪化しないことが判明してきた。つまり、異物対策が講じられた力伝達ブロック1032は、作用する荷重をメサ段差1024に集中して伝達し易い構造であることが判明してきた。このことから、この種の力検知装置は、検知感度をそれほど悪化させることなく、囲繞領域を広く確保し、力検知装置の機械的安定性を確保することが容易な構造であることが判明してきたのである。この種の力検知装置は、極めて特異な性質を有していると考えられる。
本発明は、この種の力検知装置の性質を利用し、接合強度を損ねないで検知感度をさらに高感度化すること、あるいは逆に、検知感度を損ねないで接合強度をさらに向上すること、さらには必要に応じて接合強度と検知感度の両者を共に向上することを目的として開発された。
力伝達ブロックと半導体基板は、直接的に接していてもよく、あるいは他部材を介在させて間接的に接していてもよい。他部材を介在させる場合は、その他部材を半導体基板の一部として評価することができる。あるいは、力伝達ブロックの一部として評価することが妥当な場合もある。
囲繞領域の外周輪郭よりも外部において、力伝達ブロックと半導体基板の間隙が十分に広い場合は、異物が実質的に蓄積されない。ここでいう異物が蓄積する間隙とは、力伝達ブロックに荷重が作用したときに、力伝達ブロックの変位を妨げるほどに異物が蓄積されてしまう間隙をいう。異物の存在の有無によって、力検知装置の検知結果が安定しない場合をいう。このような事態が生じない限りにおいて、力伝達ブロックが囲繞領域の外周輪郭よりも外部に突出している態様は、本発明の力伝達ブロックとして解釈されるべきである。典型的には、テーパ状や曲率を持って突出する場合は、本発明の力伝達ブロックとして解釈されるべきである。
なお、上記の力検知装置は、別の見方をすると、次のように捉えることができる。異物対策が講じられた力検知装置は、囲繞領域の面積を大きくすることができる。囲繞領域が幅広で構成されると、その囲繞領域に対応する力伝達ブロックも幅広で構成され得る。このような力伝達ブロックに対しては、囲繞領域の力伝達ブロックの高さを低くする本発明の構成を採用することで、力伝達ブロックに作用する荷重をピエゾ領域に集中して伝達させる現象を効果的に得ることができる。即ち、異物対策が講じられた力検知装置において、本発明の力伝達ブロックの構成は極めて有効に機能すると言える。
間隙が確保されると、ピエゾ領域と力伝達ブロックとの接触する面積が相対的に大きくなる。このため、力伝達ブロックに作用する荷重を、ピエゾ領域に集中して伝達することができ、検知感度を高感度化することができる。
上記態様によると、前記凹所が力伝達ブロックによって囲繞され、半導体基板と力伝達ブロックの間に間隙を確保することができ、ひいては、ピエゾ領域と力伝達ブロックとの接触する面積を相対的に大きくすることができる。この力伝達ブロックは、作用する荷重をピエゾ領域に集中して伝達することができ、検知感度を高感度化することができる。
この場合も同様に、前記凹所が半導体基板によって囲繞され、半導体基板と力伝達ブロックの間に間隙を確保することができ、ひいては、ピエゾ領域と力伝達ブロックとの接触する面積を相対的に大きくすることができる。この力伝達ブロックは、作用する荷重をピエゾ領域に集中して伝達することができ、検知感度を高感度化することができる。
上記の態様によると、半導体基板表面と直交する方向の高さが、ピエゾ領域において高く、囲繞領域において低く調整された力伝達ブロックが得られる。この力伝達ブロックは、作用する荷重をピエゾ領域に集中して伝達することができ、力検知装置の検知感度を高感度化することができる。
上記態様の力伝達ブロックは、外部に突出する部分が存在しないので、この突出する部分が作用する荷重によって垂れ下がり、ピエゾ領域側が反り上がるといった現象が生じない。これにより、作用する荷重をより集中してピエゾ領域に伝達することができる。したがって、より検知感度が高感度化された力検知装置を得ることができる。
本発明の力検知装置の製造方法は、半導体基板の表面に、ピエゾ抵抗効果を有するピエゾ領域とそのピエゾ領域に導通する電極で構成される単位素子構造を、格子状に複数個を作り込む工程を備えている。さらに、前記単位素子構造間の間隙を通過する格子状の溝が裏面側に形成されている板材を用意する工程を備えている。上記の工程を経た後に、その板材の裏面を半導体基板の表面に接合する工程を備えている。そして、その板材の裏面側の格子状の溝に対応する表面側の格子状の線に沿って、その板材の表面側から裏面側の溝に達する深さを持ち、裏面側の溝よりも広い幅を持つ格子状の溝を形成する工程を備えている。
上記の各工程を実施すると、各単位素子構造上の板材は、その周囲の高さが低くなった形状として得られる。本発明に係る力伝達ブロックを簡単に得ることができる。本発明の力検知装置を簡単に製造することができる。
(第1形態) ピエゾ領域は、周辺の半導体基板から電気的に絶縁された電流経路を形成する。
(第2形態) 第1形態のピエゾ領域は、半導体基板表面に形成されるとともに、ピエゾ抵抗効果が現れる方向に伸びたメサ段差に、半導体基板とは反対導電型の不純物がドープされて形成された領域である。
(第3形態) 第1形態のピエゾ領域は、平坦な半導体基板の表面の一部に半導体基板と反対導電型の不純物がドープされて形成された領域である。
(第4形態) 第1形態のピエゾ領域は、周囲の半導体基板から絶縁材料によって隔てられた内部に電流経路を形成する領域でもよい。
(第5形態) 力伝達ブロックは、半導体基板との囲繞領域に対応する部分の高さが低い段差状の形状である。
(第6形態) 第5形態の段差は、力伝達ブロックを一巡している。
(第7形態) 力伝達ブロック側壁が、半導体基板側に向けて末広がりのテーパ状に加工されている。
(第1実施例) 図1と図2に、第1実施例の力検知装置を示す。なお、図1と図2に示すように、力伝達ブロック32は、図の明瞭化のために2点破線で図示されている。また、図2の断面図は、図1のA、B、C線に対応している。
図1と図2に示すように、この力検知装置10は、結晶面(110)面のn型のシリコン単結晶を主成分とする半導体基板22と、力伝達ブロック32を備えている。半導体基板22の表面にメサエッチングによって形成されたメサ段差24を備えている。このメサ段差24は、半導体基板22に形成された凹所26の残部として形成されている。メサ段差24は、凹所26のほぼ中心を横断して伸びている。このメサ段差24の長手方向は、ピエゾ抵抗効果が現れる方向が選択されている。この例では、メサ段差24の長手方向は、結晶方向<110>と一致する。この凹所26は、力伝達ブロック32によって封止され、閉じた間隙26を形成する(後に詳細する)。
半導体基板22の表面上は、絶縁性を確保するために、絶縁層28で被覆されている(図1では図示省略)。メサ段差24の頂面部は、半導体基板22と反対導電型のp型不純物がドープされており、ピエゾ領域25を構成している。このピエゾ領域25は、黒色のハッチングによって図示されている。図2(B)に示すように、このピエゾ領域25の両端部は、コンタクトホール42a、44aを介して一対の電極42、44と電気的に接続している。これにより、一対の電極間42、44は、メサ段差24の頂面部に形成されたピエゾ領域25を介して電気的に接続されている。
力伝達ブロック32は、囲繞領域34の外周輪郭33よりも外部に突出していない。力伝達ブロック32の側壁は、囲繞領域34の外周輪郭33から半導体基板22表面と直交する方向に伸びている。したがって、囲繞領域34の外周輪郭33より外部において、力伝達ブロック32と半導体基板22表面との間には間隙が形成されていない。異物対策が講じられている。
また、別の見方をすると、この力伝達ブロック32は、次のように表現することもできる。半導体基板22と平行方向の力伝達ブロック32の幅は、図1と図2に示すように、半導体基板22との囲繞領域34の外周輪郭33を越えない範囲内であると表現することもできる。
さらに、この力伝達ブロック32は、ピエゾ領域25側で高く、囲繞領域34側で低い段差で形成されている。図1と図2に示すように、半導体基板22の表面と直交する方向の力伝達ブロック32の高さは、囲繞領域34に対応する部分おける高さH12が残部よりも低くなっている。より詳細には、前記高さH12の部分は、力伝達ブロック32を一巡して形成されており、この領域の幅38は囲繞領域34の幅と略一致している。また、その高さH12は、メサ段差24のピエゾ領域25に対応する部分の高さH11よりも低く調整されている。
なお、力伝達ブロック32の半導体基板22と対向する面と反対側の面(紙面上側の面である。以下、上側面という)に、図示しない半球が固定されている。
なお、図2に示すように、力伝達ブロック32の高さが低い部分の幅38を調整すると、検知感度を調整することが可能である。この幅38を大きくすると、検知感度はさらに向上する。
また、力伝達ブロック32と半導体基板22との接合強度を強固にしようとすると、囲繞領域34を幅広で構成するのが好ましい。囲繞領域34を幅広で構成するほど、検知感度は悪化し易くなるが(もちろん、異物対策が講じられている本実施例は、異物対策が講じられていない場合に比して悪化しない)、力伝達ブロック32の周囲が低く構成されている本実施例では、検知感度の悪化が抑制されている。場合によっては、囲繞領域34を幅広で構成したとしても、検知感度が高感度化され得る。したがって、検知感度を悪化させないで、あるいは検知感度を高感度化するとともに、接合強度が強固な力検知装置10を得ることができる。
また、囲繞領域34の接合面積を従来と同等であっても、段差状の力伝達ブロック32を利用することで、検知感度を高感度化することができる。接合強度を損ねないで、検知感度を高感度化することができる。
例えば、力伝達ブロックが、囲繞領域よりも外側に突出している場合(異物対策が講じられていない場合)、この力伝達ブロックは、その突出している部分の自らの重量及び作用する荷重に基づいて垂れ下がることによって、中心側が反り上がった状態になっていると考えられる。これにより、中心側に荷重が伝達され難い構造であると考えられる。
一方、本実施例の力伝達ブロック32は、その外周輪郭33よりも外側に突出して形成されていない。力伝達ブロック32の外周輪郭33が、半導体基板22の表面と接合している。これにより、本実施例の力伝達ブロック32は、もとより作用する力を中心側に集中し易い構造であると考えられる。したがって、本実施例の力伝達ブロックで32は、囲繞領域34の面積を大きくしても、検知感度をそれほど悪化させない現象を得ることができると考えられる。
まず、図3(a)に示すように、n型の単結晶シリコンを主成分とする半導体ウエハ22を準備する。この半導体ウエハ22の表面をエッチング処理し、凹所(後の閉じた空間26)を形成する。この凹所の残部は、図示されないメサ段差となる。このメサ段差の頂面部にp型不純物を注入し、図示しないピエゾ領域を形成する。次に、この半導体基板22の表面を酸化し、絶縁層28で被覆した後に、図示しないコンタクトホールを形成し、そのコンタクトホールを覆う電極42、44を形成する。この半導体ウエハ22には、上記単位素子構造が、格子状に複数個作り込まれている。
本実施例では、力伝達ブロック32と半導体基板22の囲繞領域34の面積を大きく形成しても、検知感度がそれほど悪化しない。したがって、この囲繞領域34を幅広で形成することができる。このことは、ガラスウエハ32aと半導体基板22を接合する工程において、両者の位置ずれを許容する幅が広くなるということでもある。したがって、本実施例の力検知装置10の構造は、製造の面からも作りやすい構造であるという特徴を備えている。
上述したように、本実施例では、前記囲繞領域34が幅広で形成されている。したがって、このダイシングソー92でガラスウエハ32aに段差を形成する工程は、正確な制御を必要とせずに、容易に実施することができる。段差状の力伝達ブロック32を容易に得ることができる。
次に、図3(e)に示すように、ダイシングソー94を用いて、各々の力検知装置に沿って切り出す。
上記の各工程を経て、本実施例の力検知装置を得ることができる。
なお、図3(d)に示す保護膜82の形成は必ずしも必要ではなく、省略することも可能である。
図4の力伝達ブロック132は、その断面が台形状である。側壁が半導体基板122の表面に向けて末広がりのテーパ状に加工されている。力伝達ブロック132は、囲繞領域134における高さH112(囲繞領域134の幅内で変動するが、どの高さが選択されてもよい)が、メサ段差124のピエゾ領域125における高さH111よりも低く調整されている。この変形例も、力伝達ブロック132の上側面に作用する荷重は、メサ段差124に集中して伝達されるので、その作用する荷重を高感度に検知することができる。
力伝達ブロック232は、囲繞領域234における高さH212が、ピエゾ領域225における高さH211よりも低く調整されている。したがって、力伝達ブロック232の上側面に作用する荷重は、ピエゾ領域225に集中して伝達されるので、作用する荷重を高感度に検知することができる。
図6の力検知装置の力伝達ブロック332は、囲繞領域334における高さH312が、ピエゾ領域325における高さH311よりも低く調整されている。したがって、力伝達ブロック332に作用する荷重は、ピエゾ領域325により集中して伝達されるので、作用する荷重を高感度に検知することができる。
図7に示すように、力伝達ブロック432は、囲繞領域434における高さH412が、ピエゾ領域425における高さH411よりも低く調整されている。これにより、力伝達ブロック432に作用する荷重は、ピエゾ領域425に集中して伝達されるので、作用する荷重を高感度に検知することができる。
(第2実施例) 図8は、第2実施例の力検知装置510の平面図を示す。なお、力伝達ブロック532の形状は、第1実施例と同様に段差状の形状をしている。図8では、図の明瞭化のため2点破線で示されている。
この実施例のメサ段差524は、結晶面(110)面のn型の半導体基板522の表面をメサエッチングして形成されている。このメサ段差524は、エッチングされた凹所526の残部として形成される。メサ段差524の頂面部には、半導体基板522と反対導電型のp型不純物が導入され、ピエゾ領域525が形成されている。ピエゾ領域525は、黒色のハッチングによって図示されている。メサ段差524は、一対の電極542、544方向に伸びるとともに、間隙526の中心を一巡する円形状に形成されている。このため、円中心に対して対向するメサ段差524は実質的に平行であり、そのため、この対向するメサ段差524の結晶方向も平行となっている。したがって、一対の電極542、544間の等価回路は、ピエゾ抵抗効果によって可変する抵抗が並列に構成されていると評価できる。この円形状のメサ段差524の構造は、圧縮荷重に対して感度の高い<110>方向の成分と、感度のない(あるいは小さい)<100>方向の成分の合成となる。そのため、感度は低下するものの2つの可変抵抗の変化量を利用することから、変化量を安定して検知することができる。したがって、力伝達ブロック532に作用する荷重の大きさと、抵抗値の変化量の比例関係が極めて線形性を示すことになる。力伝達ブロック532に作用する荷重を正確に検知する力伝達装置を得ることができる。
この実施例のメサ段差624a、624b、624c、624dは、結晶面(110)面のn型の半導体基板622の表面をメサエッチングして形成されている。このメサ段差624a、624b、624c、624dは、エッチングされた凹所626の残部として形成される。メサ段差624a、624b、624c、624dの頂面部には、半導体基板622と反対導電型のp型不純物が導入され、ピエゾ領域625が形成されている。対向するメサ段差同士(624aと624b、624cと624d)の長手方向は平行に伸びている。メサ段差624a、624bの長手方向は、メサ段差624c、624dの長手方向と直交しており、各々の結晶方向は<110>方向と<100>方向である。これにより、メサ段差624a、624b、624c、624dは、正四角形からなるホイーストンブリッジを構成している。この正四角形のそれぞれの角に、電極642、644、646、648が接続している。
対角をなす一対の電極642、646間に一定電流を流すとともに、もう一方の対角をなす一対の電極644、648間で電圧値を測定する。このような、ホイーストンブリッジで構成されるメサ段差624a、624b、624c、624dを利用すると、力伝達ブロック632に作用する荷重の大きさと、抵抗値の変化量との比例関係が極めて線形性を示す。力伝達ブロック632に作用する荷重を正確に検知することができる。
図10は、第3実施例の変形例であり、ホイーンストンブリッジが円形で構成された例である。円中心に対して対向するメサ段差(724aと724b、724cと724d)は実質的に平行であり、そのため、この対向するメサ段差(724aと724b、724cと724d)の結晶方向は、各々<110>方向と<100>方向が主成分となっている。したがって、ホイーンストンブリッジとして機能し、第3実施例と同様の作用効果を得ることができる。力伝達ブロック732に作用する荷重を、正確に、そして高感度に検知することができる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
24:メサ段差
25:ピエゾ領域
26:間隙
32:力伝達ブロック
33:力伝達ブロックの外周輪郭
34:囲繞領域
42、44:電極
Claims (7)
- 半導体基板と、半球と、半導体基板と半球の間に設けられているとともにガラス製の力伝達ブロックを備えており、
半導体基板の表面の一部の領域に、その領域が歪むと抵抗が変化するピエゾ領域が形成されており、
力伝達ブロックの下側面は、ピエゾ領域とそのピエゾ領域を囲繞する囲繞領域において、半導体基板の表面に接しており、
力伝達ブロックは、ピエゾ領域側で高く形成された部分と囲繞領域側で低く形成された部分を有しており、その高く形成された部分の上側面が平面であり、その平面で半球を介して伝達された荷重を受圧しており、
力伝達ブロックと囲繞領域とが接している箇所の最外周よりも外側には、半導体基板の表面と力伝達ブロックとの間に異物を蓄積する間隙が存在しないことを特徴とする力検知装置。 - ピエゾ領域と囲繞領域の間の領域の少なくとも一部で、半導体基板と力伝達ブロックの間に間隙が確保されていることを特徴とする請求項1の力検知装置。
- ピエゾ領域と囲繞領域の間の領域の少なくとも一部で、半導体基板の表面に凹所が形成されていることを特徴とする請求項2の力検知装置。
- ピエゾ領域と囲繞領域の間の領域の少なくとも一部で、力伝達ブロックの裏面に凹所が形成されていることを特徴とする請求項2の力検知装置。
- 力伝達ブロックには、ピエゾ領域と囲繞領域の間の領域において、ピエゾ領域側で高く囲繞領域側で低い段差が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかの力検知装置。
- 力伝達ブロックの側壁は、力伝達ブロックと囲繞領域とが接している箇所の最外周から半導体基板の表面と直交する方向に伸びていることを特徴とする請求項1から5のいずれかの力検知装置。
- 半導体ウエハの表面に、ピエゾ抵抗効果を有するピエゾ領域とそのピエゾ領域に導通する電極で構成される単位素子構造を、格子状に複数個を作り込む工程と、
前記単位素子構造間の間隙を通過する格子状の溝が裏面側に形成されている板材を用意する工程と、
その板材の裏面を半導体ウエハの表面に接合する工程と、
その板材の裏面側の格子状の溝に対応する表面側の格子状の線に沿って、その板材の表面側から裏面側の溝に達する深さを持ち、裏面側の溝よりも広い幅を持つ格子状の溝を形成する工程を備えている力検知装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004243308A JP4483478B2 (ja) | 2004-08-24 | 2004-08-24 | 力検知装置とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004243308A JP4483478B2 (ja) | 2004-08-24 | 2004-08-24 | 力検知装置とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006058266A JP2006058266A (ja) | 2006-03-02 |
JP4483478B2 true JP4483478B2 (ja) | 2010-06-16 |
Family
ID=36105825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004243308A Active JP4483478B2 (ja) | 2004-08-24 | 2004-08-24 | 力検知装置とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4483478B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4952202B2 (ja) * | 2006-11-09 | 2012-06-13 | 株式会社豊田中央研究所 | 力検知装置 |
JP2008196960A (ja) * | 2007-02-13 | 2008-08-28 | Toyota Central R&D Labs Inc | 半導体センサ |
JP5034664B2 (ja) * | 2007-05-09 | 2012-09-26 | 株式会社豊田中央研究所 | 力検知装置 |
JP6028677B2 (ja) * | 2013-05-28 | 2016-11-16 | 株式会社豊田中央研究所 | 力検知素子 |
CN106164634A (zh) * | 2014-03-26 | 2016-11-23 | 株式会社电装 | 力检测装置 |
JP6430327B2 (ja) * | 2015-04-22 | 2018-11-28 | 株式会社豊田中央研究所 | 力検知装置 |
CN107407610A (zh) * | 2015-04-06 | 2017-11-28 | 株式会社电装 | 力检测装置 |
JP6333208B2 (ja) * | 2015-04-06 | 2018-05-30 | 株式会社豊田中央研究所 | 力検知装置 |
JP6285889B2 (ja) * | 2015-04-22 | 2018-02-28 | 株式会社豊田中央研究所 | 力検知装置 |
-
2004
- 2004-08-24 JP JP2004243308A patent/JP4483478B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006058266A (ja) | 2006-03-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7540198B2 (en) | Semiconductor device | |
JP5867820B2 (ja) | 圧力センサ | |
JP5286153B2 (ja) | 圧力センサの製造方法 | |
JP4483478B2 (ja) | 力検知装置とその製造方法 | |
US11180361B2 (en) | MEMS device and method for producing the same | |
KR100580440B1 (ko) | 도핑된 반도체층을 배선으로 사용한 반도체 가속도 센서 | |
JP5081071B2 (ja) | 半導体圧力センサ | |
JPH06213743A (ja) | 半導体圧力センサ | |
US7666699B2 (en) | Semiconductor strain gauge and the manufacturing method | |
WO2017002306A1 (ja) | 圧力センサ | |
KR101633027B1 (ko) | Mems 센서 | |
JP4035519B2 (ja) | 半導体圧力センサおよびその製造方法 | |
WO2011155506A1 (ja) | 加速度センサ | |
WO2010079662A1 (ja) | ピエゾ抵抗型圧力センサ | |
JP4450548B2 (ja) | 力検知素子と力検知素子の製造方法 | |
JP5191030B2 (ja) | 半導体歪みゲージ | |
JP2006030158A (ja) | 半導体装置およびその製造方法 | |
JP6075222B2 (ja) | 力検知素子 | |
JP6028677B2 (ja) | 力検知素子 | |
WO2009096407A1 (ja) | 圧力センサ | |
JP4019910B2 (ja) | 力検知素子とその製造方法 | |
JP5023558B2 (ja) | 加速度センサおよびその製造方法 | |
JP7337218B1 (ja) | 半導体圧力センサ | |
KR20180108090A (ko) | 스트레인 게이지 및 그를 포함하는 스트레인 센서 | |
JP2010002224A (ja) | 力検知素子とその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070601 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090827 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091006 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091130 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100302 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100315 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402 Year of fee payment: 4 |