JP2008196960A - 半導体センサ - Google Patents

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Kentarou Mizuno
健太朗 水野
Shoji Hashimoto
昭二 橋本
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Abstract

【課題】 2つの空間の差圧を測定可能な半導体センサを提供する。
【解決手段】 半導体センサは、半導体基板と、半導体基板に接合されている受圧部材を備えている。半導体基板の受圧部材との接合面には、半導体結晶が歪むことによって電気抵抗が変化するゲージ部が形成されている。半導体基板と受圧部材の間には、両者に囲まれた封止空間が形成されている。また、半導体基板又は受圧部材の表面から伸びて封止空間に達する連通孔が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体結晶を利用する半導体センサに関する。特に、半導体結晶のピエゾ抵抗効果を利用する半導体センサに関する。
半導体結晶を利用する半導体センサが開発されている。例えば特許文献1には、半導体結晶のピエゾ抵抗効果を利用した力センサが開示されている。特許文献1の力センサは、半導体基板と、半導体基板に接合されている受圧部材を備えている。半導体基板の受圧部材との接合面には、半導体結晶が歪むことによって電気抵抗が変化するゲージ部が形成されている。この半導体センサでは、受圧部材に押圧力が加えられると、半導体基板に形成されたゲージ部が歪み、ゲージ部の電気抵抗が変化する。ゲージ部はホイートストンブリッジを構成しており、ゲージ部に一定電流を通電するか一定電圧を印加しておくことによって、押圧力に応じた出力信号を得られるようになっている。
特開平8−271363号公報
特許文献1の力センサは、十分な圧縮破壊強度を有しており、例えばエンジンのシリンダ内に配置して、シリンダ内の燃焼圧を測定することができる。しかしながら、特許文献1の力センサは、単体では、2つの空間の差圧を測定することはできない。2つの空間の差圧を測定するためには、2つの力センサを用意し、各空間の圧力のそれぞれを測定する必要がある。2つの空間の差圧を測定可能な半導体センサが必要とされている。
本発明は、上記の課題を解決する。本発明は、2つの空間の差圧を測定可能な半導体センサを提供する。
本発明によって具現化される半導体センサは、半導体基板と、半導体基板に接合されている受圧部材を備えている。半導体基板の受圧部材との接合面には、半導体結晶が歪むことによって電気抵抗が変化するゲージ部が形成されている。半導体基板と受圧部材の間には、両者に囲まれた封止空間が形成されている。また、半導体基板又は受圧部材の表面から伸びて封止空間に達する連通孔が形成されている。
ここでいう半導体基板や受圧部材の表面とは、それらの表側表面、裏側表面、側面等のすべての露出面を含む。
この半導体センサでは、封止空間に連通孔を通じて低圧又は高圧のガスを導入し、封止空間の圧力を雰囲気よりも低圧又は高圧に調整することができる。封止空間は半導体基板と受圧部材に囲まれているので、封止空間と雰囲気との差圧に応じた力が、受圧部材と半導体基板との間に作用する。例えば封止空間を雰囲気よりも低圧にすれば、その差圧に応じた力によって、受圧部材が半導体基板へ接近する方向に押される。逆に、封止空間を雰囲気よりも高圧にすれば、その差圧に応じた力によって、受圧部材が半導体基板から離反する方向に押される。
受圧部材に力が加えられると、半導体基板のゲージ部が歪み、その電気抵抗が変化する。このときの電気抵抗の変化量は、封止空間と雰囲気との差圧に対応する。そのことからゲージ部の電気抵抗を測定することによって、封止空間と雰囲気との差圧を測定することができる。例えば、この半導体センサを第1の空間に配置するとともに、第2の空間に接続された管路を連通孔に接続することによって、第1の空間と第2の空間の差圧を測定することができる。
この半導体センサによれば、2つの空間の圧力をそれぞれ測定することなく、2つの空間の差圧を測定することができる。
上記の半導体センサでは、連通孔を半導体基板に形成することができる。この場合、連通孔は、半導体基板の反受圧部材側の表面から封止空間まで伸びていることが好ましい。
それにより、半導体センサを第1の空間に配置した状態で、第2の空間に接続された管路を連通孔に接続しやすい。
あるいは、連通孔を受圧部材に形成してもよい。この場合、連通孔は、受圧部材の反半導体基板側の表面から封止空間まで伸びていることが好ましい。
この構成によっても、半導体センサを第1の空間に配置した状態で、第2の空間に接続された管路を連通孔に接続しやすい。
上記の半導体センサでは、半導体基板の受圧部材側の表面及び/又は受圧部材の半導体基板側の表面に溝を形成することによって、連通孔を形成することもできる。
この手法によると、半導体基板や受圧部材に貫通孔を形成することなく、封止空間に連通する連通孔を形成することができる。
上記の半導体センサでは、封止空間に面する受圧部材の表面範囲と、ゲージ部に面する受圧部材の表面範囲が、互いに隣接していることが好ましい。
この半導体センサでは、封止空間と雰囲気との差圧に起因する力が、受圧部材とゲージ部との接触圧によく反映される。受圧部材とゲージ部との接触圧が、封止空間と雰囲気との差圧に応じて顕著に変化することから、封止空間と雰囲気との差圧を感度よく測定することができる。
本発明により、2つの半導体センサを用いることなく、2つの空間の差圧を測定することが可能となる。また、本発明の半導体センサは、一方の空間の圧力が既知であれば、他方の空間の圧力を測定することもできる。あるいは、外部から受圧部材に加えられた力を測定することもできる。この場合、後記するように、封止空間の圧力を調整することによって、外部から受圧部材に加えられた力の測定範囲を調整することができる。
最初に、以下に説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(特徴1) 半導体基板は単結晶シリコンであり、(110)結晶面を主表面に用いる。半導体基板の主表面には、受圧部材が接合されているとともに、ゲージ部が形成されている。
(特徴2) 半導体基板は第1導電型であり、ゲージ部は第2導電型である。
(特徴3) 半導体基板の主表面には、ゲージ部に電気的に接続している一対の電極が設けられている。
(特徴4) 半導体基板に形成された連通孔は、半導体基板に対して垂直に伸びている。
(実施例1)
図1〜図4を参照して、実施例1の半導体センサ10を説明する。図1は、半導体センサ10の斜視図を示している。図2は、半導体センサ10の上面図を示している。図3は、図2中のIII−III線断面図を示している。図4は、図2中のIV−IV線断面図を示している。半導体センサ10は、半導体基板20と、半導体基板20の主表面20aに接合されている受圧部材12を備えている。半導体基板20の主表面20aには、歪むことによって電気抵抗が変化するゲージ部28と、ゲージ部28に電気的に接続している一対の電極14、16が形成されている。半導体基板20と受圧部材12の間には、半導体基板20と受圧部材12に囲まれた封止空間40が形成されている。半導体基板20には、露出している半導体基板20の裏側表面20bから伸びて封止空間40に達する連通孔42が形成されている。
半導体基板20は、n型の単結晶シリコンである。半導体基板20の主表面20a(以下、基板主表面20aと記すことがある)は、(110)結晶面である。また、基板主表面20aでは、その長手方向が<110>方向となっており、長手方向に直交する幅方向が<100>方向となっている。
基板主表面20aには、一対の電極配置部22、24と、周壁部26と、ゲージ部28が形成されている。一対の電極配置部22、24と周壁部26とゲージ部28は、基板主表面20aの他の部分に対して、1〜4μmの高さでメサ状に突出している。電極配置部22、24と周壁部26とゲージ部28は、例えばドライエッチングによって形成することができる。なお、基板主表面20aは、シリコン酸化膜(図示省略)によって被覆されている。
一対の電極配置部22、24は、基板主表面20aの長手方向の両側に分かれて配置されている。一対の電極配置部22、24は、受圧部材12が接合されない範囲に形成されている。即ち、一対の電極配置部22、24は、受圧部材12の両側に分かれて位置している。一対の電極配置部22、24の上には、一対の電極14、16がそれぞれ配置されている。一対の電極14、16は、金属材料で形成されている。電極14、16を形成する金属は特に限定されないが、本実施例(および他の実施例についても)ではアルミニウムを使用している。
周壁部26は、一対の電極配置部22、24の間に位置している。周壁部26は、四角形状に周回する壁状に形成されており、周壁部26の内側に封止空間40を構成する凹形状の基板主表面20aが形成されている。周壁部26の頂面には、その全周に亘って受圧部材12が接合されており、周壁部26が取り囲む空間によって2つの封止空間40が形成されている。
ゲージ部28は、基板主表面20aの幅方向の略中央の位置で、基板主表面20aの長手方向に伸びている。ゲージ部28は、一対の電極配置部22、24を互いに接続するとともに、周壁部26が取り囲む空間を通過している。ゲージ部28と周壁部26は同じ高さで形成されており、ゲージ部28にも受圧部材12が接合されている。ゲージ部28は、2つの封止空間40の間に位置しており、2つの封止空間40を区分する隔壁となっている。即ち、2つの封止空間40が、ゲージ部28に両側から隣接している。
ゲージ部28は、半導体基板20にp型不純物を導入したp型半導体領域である。ゲージ部28に導入するp型不純物には、例えばボロンを使用することができる。ゲージ部28は導電性を有するとともに、歪むことによって電気抵抗が変化する。この電気抵抗の変化は、ピエゾ抵抗効果に起因する。特に、不純物にボロンを使用する場合、その不純物濃度を1018cm-3のオーダー若しくは1021cm-3のオーダーとすると、定電流動作させたときに良好な感度を得ることができる。ゲージ部28は、一対の電極14、16と電気的に接続されている。p型のゲージ部28は、pn接合によって、n型の半導体基板20から実質的に絶縁されている。
受圧部材12は、直方体形状を有しており、ガラス材料で形成されている。受圧部材12の下側表面12a(図3、図4参照)は、基板主表面20aの周壁部26とゲージ部28に接合されている。受圧部材12の下側表面12aと基板主表面20aは気密(液密)に接合されており、封止空間40が受圧部材12と半導体基板20の間を通じて外部と連通することはない。受圧部材12の下側表面12aと基板主表面20aは、例えば静電接合によって強固に接合することができる。
封止空間40は、半導体基板20に形成されている連通孔42を通じて外部と連通している。連通孔42は、半導体基板20に対して略垂直に伸びている。なお、本実施例の半導体センサ10では、2つの封止空間40が互いに独立していることから、それぞれの封止空間40に対して連通孔42が形成されている。
半導体センサ10では、封止空間40に連通孔42を通じて低圧又は高圧のガスを導入し、封止空間40の圧力を雰囲気よりも低圧又は高圧に維持することができる。封止空間40は、受圧部材12の下側表面12aに面している。従って、封止空間40内を雰囲気よりも低圧にすれば、その差圧に応じた力によって、受圧部材12は半導体基板20に接近する方向に押される。逆に、封止空間40内を雰囲気よりも高圧にすれば、その差圧に応じた力によって、受圧部材12は半導体基板20から離反する方向に押される。
受圧部材12に力が加えられると、受圧部材12の下側表面12aに接合されているゲージ部28は変形する。先に説明したように、ゲージ部28は、変形ないし歪むことによって電気抵抗が変化する。ゲージ部28の電気抵抗の変化量は、ゲージ部28の変形量に対応することから、ゲージ部28の電気抵抗の変化量は、封止空間40と雰囲気との差圧に対応する。従って、ゲージ部28の電気抵抗を測定することにより、封止空間40と雰囲気との差圧を測定することができる。例えば、半導体センサ10を自動車の燃料タンク(図示省略)内に配置するとともに、封止空間40に大気圧を導入することによって、燃料タンク内の圧力と大気圧との差圧を測定することができる。なお、ゲージ部28の電気抵抗を測定するためには、一対の電極14、16間に一定電流を通電し、一対の電極14、16間の電圧値を測定すればよい。あるいは、一対の電極14、16間に一定電圧を印加し、一対の電極14、16間を流れる電流値を測定してもよい。
図4に示すように、受圧部材12の下側表面12aでは、封止空間40に面する範囲Xが、ゲージ部28に面する範囲Yに隣接している。それにより、封止空間40と雰囲気との差圧に起因する力が、受圧部材12とゲージ部28との接触圧によく反映される。受圧部材12とゲージ部28との接触圧が、封止空間40と雰囲気との差圧に応じて顕著に変化することから、封止空間40と雰囲気との差圧を感度よく測定することができる。
図5は、半導体センサ10を用いた差圧センサのパッケージ例を示している。図5に示す差圧センサ50は、第1空間(例えば自動車の燃料タンク)の圧力P1と第2空間(例えば大気中)の圧力P2の差圧P1−P2を測定することができる。
図5に示すように、差圧センサ50は、半導体センサ10と、半導体センサ10を収容するケース52を備えている。ケース52は、半導体センサ10を固定したハーメチック端子54と、ハーメチック端子54に被せられたキャップ部材56を備えている。ハーメチック端子54とキャップ部材56は、気密に接合されている。
ハーメチック端子54には、少なくとも一対の端子ピン60、62と、貫通孔64が設けられている。一方の端子ピン60は、電線70を用いて半導体センサ10の一方の電極14にワイヤボンディングされている。また、他方の端子ピン62は、電線72を用いて半導体センサ10の他方の電極16にワイヤボンディングされている。半導体基板12の裏側表面12bは、ハーメチック端子54に気密に接合されている。貫通孔64は、半導体センサ10の連通孔42に連通しているとともに、ケース52内の空間とは遮蔽されている。貫通孔64には、第2空間(例えば大気中)に接続された配管66が接続される。
キャップ部材56には、貫通孔74が形成されている。貫通孔74は、ケース52内の空間に連通している。貫通孔74には、第1空間(例えば燃料タンク)に接続された配管76が接続されている。
以上の構成により、差圧センサ50では、ケース52内が第1空間の圧力P1となり、半導体センサ10の封止空間40が第2空間の圧力P2となる。半導体センサ10では、第1空間の圧力P1と第2空間の圧力P2との差圧に応じた力(P1−P2)・S1が、受圧部材12に加えられる。ここで、S1は、受圧部材12の下側表面12aの、2つの封止空間40に面する範囲の面積である。本実施例では、それぞれの封止空間40の長手方向の寸法が0.8mmであり、幅寸法の寸法が0.4mmであり、面積S1=(0.8×0.4)×2=0.64mm2となっている。なお、ゲージ部28の幅寸法は、0.02mmとなっている。ゲージ部28の電気抵抗は、受圧部材12に加えられている力(P1−P2)・S1に応じて変化する。従って、一対の端子ピン60、62間の電気抵抗を測定することにより、第1空間の圧力P1と第2空間の圧力P2との差圧を測定することができる。実施例1の半導体センサ10によれば、第1空間の圧力P1と第2空間の圧力P2をそれぞれ測定する必要がなく、両者の差圧を直接的に測定することができる。ここで、封止空間40の長手方向や幅寸法に比して、ゲージ部28の幅寸法を小さくするほど、半導体センサ10の感度を向上させることができる。
半導体センサ10は、図5に示す差圧センサのみならず、力センサとして使用することもできる。即ち、測定する力を受圧部材12に加えるとともに、ゲージ部28の電気抵抗を測定することによって、受圧部材12に加えている力を測定することができる。
半導体センサ10では、上記した力の測定時に、封止空間40内の圧力を雰囲気の圧力と相違させることができる。先に説明したように、封止空間40内の圧力を雰囲気の圧力と相違させると、その差圧に応じた力が受圧部材12に加えられる。そのことから、封止空間40内の圧力を調整することによって、力を測定する際の基準点(ゼロ点)を調整することができる。それにより、様々な大きさの力を、ゲージ部28の電気抵抗が比較的に大きく変化する範囲(即ち、分解能が高い範囲)で測定することが可能となる。例えば、比較的に大きな力を測定する場合には、封止空間40内の圧力を雰囲気よりも高圧にすればよく、比較的に小さな力を測定する場合には、封止空間40内の圧力を雰囲気よりも低圧にすればよい。測定する力の大きさは、ゲージ部28の電気抵抗と封止空間40に与えた差圧に基づいて、算出することができる。あるいは、封止空間40内の圧力を雰囲気よりも高圧にすることによって、本来であれば測定不能となるような非常に大きな力を測定することも可能となる。このように、半導体センサ10は、測定する力の大きさに応じて、その測定レンジを調整することができる。それにより、同一に設計された半導体センサ10を、様々な大きさの力を測定する力センサに採用することができる。
(実施例2)
図6は、実施例2の半導体センサ110を示している。実施例2の半導体センサ110は、実施例1の半導体センサ10の一部を改変したものである。図6に示すように、実施例2の半導体センサ110では、受圧部材12の上側表面12bから封止空間40に伸びる連通孔142が形成されている。連通孔142は、露出している受圧部材12の上側表面12bから垂直に伸びている。その一方において、実施例2の半導体センサ110では、実施例1の半導体センサ10とは異なり、半導体基板20に連通孔42が形成されていない。このように、実施例2の半導体センサ110は、実施例1との半導体センサ110と比較して、連通孔142の形成位置が変更されている。なお、その他の構成については、図1〜図4に示す実施例1の半導体センサ10と同様である。
実施例2の半導体センサ110においても、実施例1の半導体センサ10と同様に、封止空間40に連通孔142を通じて低圧又は高圧のガスを導入し、封止空間40の圧力を雰囲気よりも低圧又は高圧に調整することができる。受圧部材12は、封止空間40と雰囲気との差圧に応じた力を受け、ゲージ部28を変形させる。その結果、ゲージ部28の電気抵抗は、封止空間40と雰囲気との差圧に応じて変化する。一対の電極14、16間の電気抵抗を測定することにより、封止空間40と雰囲気との差圧を測定することができる。
受圧部材12は、上側表面12bのみならず、4つの側面も露出している。そのことから、連通孔142を、受圧部材12の側面から封止空間40に斜めに伸びるように形成してもよい。
図7は、半導体センサ110を用いた差圧センサのパッケージ例を示している。図7に示す差圧センサ150は、第1空間(例えば自動車の燃料タンク)に配置され、第1空間の圧力P1と第2空間(例えば大気中)の圧力P2の差圧P1−P2を測定することができる。
図7に示すように、差圧センサ150は、半導体センサ110と、半導体センサ110を固定したハーメチック端子154を備えている。
ハーメチック端子154には、少なくとも一対の端子ピン160、162が設けられている。一方の端子ピン160は、電線170を用いて、半導体センサ110の一方の電極14にワイヤボンディングされている。また、他方の端子ピン162は、電線172を用いて、半導体センサ110の他方の電極16にワイヤボンディングされている。
半導体センサ110の受圧部材12の連通孔142には、管状部材166が接続されている。管状部材166と連通孔142は、シール材170によって気密に接続されている。管状部材166には、第2空間に接続された配管168が接続されている。
以上の構成により、差圧センサ150では、第1空間の圧力P1と第2空間の圧力P2との差圧に応じた力(P1−P2)・S2が、受圧部材12に加えられる。ここで、S2は、受圧部材12の下側表面12aの、2つの封止空間40が面する範囲の面積である。この面積S2は、実施例1で説明した面積S1と比較して、連通孔142の断面積だけ小さくなる。ゲージ部28の電気抵抗は、受圧部材12に加えられた力(P1−P2)・S2に応じて変化する。従って、一対の端子ピン160、162間の電気抵抗を測定することにより、第1空間の圧力P1と第2空間の圧力P2との差圧を測定することができる。実施例2の半導体センサ110によれば、第1空間の圧力P1と第2空間の圧力P2をそれぞれ測定する必要がなく、両者の差圧を直接的に測定することができる。
(実施例3)
図8〜図10を参照して、実施例3の半導体センサ210を説明する。図8は、半導体センサ210の斜視図を示している。図9は、半導体センサ210の上面図を示している。図10は、図9中のX−X線断面図を示している。半導体センサ210は、半導体基板220と、半導体基板220の主表面220aに接合されている受圧部材212を備えている。半導体基板220の主表面220aには、歪むことによって電気抵抗が変化するゲージ部228と、ゲージ部228に電気的に接続している一対の電極214、216が形成されている。半導体基板220と受圧部材212の間には、半導体基板220と受圧部材212に囲まれた封止空間240が形成されている。半導体基板220には、露出している半導体基板220の裏側表面220bから伸びて封止空間240に達する連通孔242が形成されている。
半導体基板220は、n型の単結晶シリコンである。半導体基板220の主表面220a(以下、基板主表面220aと記すことがある)は、(110)結晶面である。基板主表面220aでは、その長手方向が<110>方向となっており、長手方向に直交する幅方向が<100>方向となっている。
基板主表面220aには、2つの凹部226と、2つの凹部226の間に伸びるゲージ部228と、ゲージ部228の両端に位置する一対の電極214、216が設けられている。2つの凹部226は、基板主表面220aの他の部分に対して、1〜4μmの深さで沈下している。それぞれの凹部226は、受圧部材212の下側表面212aと対向しており、封止空間240を形成している。2つの凹部226は、例えばドライエッチングによって形成することができる。基板主表面220aは、シリコン酸化膜(図示省略)によって被覆されている。
ゲージ部228は、半導体基板220にp型不純物を導入したp型半導体領域である。
ゲージ部228は、基板主表面220aの幅方向の略中央の位置で、基板主表面220aの長手方向に伸びている。ゲージ部228は、導電性を有するとともに、歪むことによって電気抵抗が変化する。ゲージ部228の両端は、一対の電極214、216に電気的に接続されている。ゲージ部228には、2つの封止空間240が両側から隣接している。
受圧部材212は、直方体形状を有しており、ガラス材料で形成されている。受圧部材212の下側表面212aは、基板主表面220aの2つの凹部226を覆うように、基板主表面220aに接合されている。受圧部材212の下側表面212aと基板主表面220aは、気密(液密)に接合されている。受圧部材212の下側表面212aでは、封止空間240に面する範囲が、ゲージ部228に面する範囲に隣接している。
封止空間240は、半導体基板220に形成されている連通孔242を通じて外部と連通している。なお、本実施例の半導体センサ210では、2つの封止空間240が互いに独立していることから、それぞれの封止空間240に対して連通孔242が形成されている。
実施例3の半導体センサ210においても、実施例1の半導体センサ10と同様に、封止空間240に連通孔242を通じて低圧又は高圧のガスを導入し、封止空間240の圧力を雰囲気よりも低圧又は高圧に維持することができる。受圧部材212は、封止空間240と雰囲気との差圧に応じた力を受け、ゲージ部228を変形させる。その結果、ゲージ部228の電気抵抗は、封止空間240と雰囲気との差圧に応じて変化する。一対の電極214、216間の電気抵抗を測定することにより、封止空間240と雰囲気との差圧を測定することができる。実施例3の半導体センサ210は、実施例1の半導体センサ10に替えて、図5に示す差圧センサ50に用いることができる。半導体センサ210を用いた差圧センサ50によっても、第1空間と第2空間の差圧P1−P2を測定することができる。
(実施例4)
図11〜図13を参照して、実施例4の半導体センサ310を説明する。図11は、半導体センサ310の斜視図を示している。図12は、半導体センサ310の上面図を示している。図13は、図12中のXIII−XIII線断面図を示している。半導体センサ310は、半導体基板320と、半導体基板320の主表面320aに接合されている受圧部材312を備えている。半導体基板320の主表面320aには、歪むことによって電気抵抗が変化するゲージ部328と、ゲージ部328に電気的に接続している4つの電極314a、314b、314c、314dが形成されている。半導体基板20と受圧部材12の間には、半導体基板320と受圧部材312に囲まれた封止空間340が形成されている。半導体基板320には、露出している半導体基板320の裏側表面320bから伸びて封止空間340に達する連通孔342が形成されている。
半導体基板320は、n型の単結晶シリコンである。半導体基板320の主表面320a(以下、基板主表面320aと記すことがある)は、(110)結晶面である。また、基板主表面320aは略正方形であり、対向する一対の辺が<110>方向に伸びており、対向する他の一対の辺が<100>方向に伸びている。
基板主表面320aには、4つの電極配置部322a、322b、322c、322dと、4つのリード部326a、326b、326c、326dと、ゲージ部328が形成されている。4つの電極配置部322a〜322dと4つのリード部326a〜326dとゲージ部328は、基板主表面320aの他の部分に対して、1〜4μmの高さでメサ状に突出している。これらは、例えばドライエッチングによって形成することができる。なお、基板主表面320aは、シリコン酸化膜(図示省略)によって被覆されている。
4つの電極配置部322a〜322dは、基板主表面320aの周縁に沿って形成されている。4つの電極配置部322a〜322dは、受圧部材312が接合されない範囲に形成されている。即ち、4つの電極配置部322a〜322dは、受圧部材312の周囲に位置している。4つの電極配置部322a〜322dの上には、4つの電極314a〜314dがそれぞれ形成されている。
ゲージ部328は、基板主表面320aの略中央の位置で四角形状に周回しており、封止空間340を取り囲んでいる。ゲージ部328の対向する一対の辺部分は<110>方向に伸びており、対向する他の一対の辺部分は<100>方向に伸びている。ゲージ部328には、受圧部材312が接合されている。
ゲージ部328は、半導体基板320にp型不純物を導入したp型半導体領域である。ゲージ部328は、導電性を有するとともに、歪むことによって電気抵抗が変化する。このときの電気抵抗の変化量は、<110>方向に伸びる辺部分と、<100>方向に伸びる辺部分で相違する。ゲージ部328は、それぞれの辺部分が抵抗器として機能するホイートストンブリッジを構成している。
4つのリード部326a〜326dは、ゲージ部328の4つの角部と4つの電極配置部322a〜322dとの間にそれぞれ形成されている。リード部326a〜326dは、ゲージ部328と同じp型半導体領域である。それぞれのリード部326a〜326dは、ゲージ部328の1つの角部を、1つの電極314a〜314dに電気的に接続している。
受圧部材312は、直方体形状を有しており、ガラス材料で形成されている。受圧部材312は、その下側表面312aが、基板主表面320aのゲージ部328とリード部322a〜322bの一部に接合されている。受圧部材312の下側表面312aとゲージ部328は気密に接合されており、封止空間340が受圧部材312と半導体基板320の間を通じて外部と連通することはない。
封止空間340は、半導体基板320に形成されている連通孔342を通じて外部と連通している。
実施例4の半導体センサ310においても、実施例1の半導体センサ10と同様に、封止空間340に連通孔342を通じて低圧又は高圧のガスを導入し、封止空間340の圧力を雰囲気よりも低圧又は高圧に維持することができる。受圧部材312は、封止空間340と雰囲気との差圧に応じた力を受け、ゲージ部328を変形させる。その結果、ゲージ部328の電気抵抗は、封止空間340と雰囲気との差圧に応じて変化する。ゲージ部328の電気抵抗の変化量は、<110>方向に伸びる辺部分と、<100>方向に伸びる辺部分で相違する。ゲージ部328はホイートストンブリッジを構成しているので、一対の電極314a、314c間に一定電流を通電(あるいは一定電圧を印加)しておくと、他の一対の電極314b、314d間の電圧が、封止空間340と雰囲気との差圧に応じて変化する。従って、一対の電極314b、314d間の電圧値を測定することによって、封止空間340と雰囲気との差圧を測定することができる。例えば、半導体センサ310を第1空間(例えば燃料タンク)に配置するとともに、封止空間340を第2空間(例えば大気中)に接続することによって、第1空間と第2空間の差圧を測定することができる。
(実施例5)
図14、図15を参照して、実施例5の半導体センサ410を説明する。図14は、半導体センサ410の上面図を示している。図15は、図14中のXV−XV線断面図を示している。半導体センサ410は、半導体基板420と、半導体基板420の主表面420aに接合されている受圧部材412を備えている。半導体基板420の主表面420aには、歪むことによって電気抵抗が変化する4つのゲージ部428a、428b、428c、428dと、4つのゲージ部428a〜428dに電気的に接続している4つの電極414a、414b、414c、414dが形成されている。半導体基板420と受圧部材412の間には、半導体基板420と受圧部材412に囲まれた封止空間440が形成されている。半導体基板420には、露出している半導体基板420の裏側表面420bから封止空間440に伸びる連通孔442が形成されている。
半導体基板420は、n型のシリコン単結晶である。半導体基板420の主表面420a(以下、基板主表面420aと記すことがある)は、(110)結晶面である。また、基板主表面420aは略正方形であり、対向する一対の辺が<110>方向に伸びており、対向する他の一対の辺が<100>方向に伸びている。
基板主表面420aには、開口形状が略円形の凹部426と、凹部426の周縁から中心に向けて張り出している4つのゲージ形成部427a、427b、427c、427dと、凹部426の周囲に配置された4つの電極414a、414b、414c、414dが設けられている。凹部426は、基板主表面420aの他の部分に対して、1〜4μmの深さで沈下している。凹部426は、例えばドライエッチングによって形成することができる。凹部426は、受圧部材412の下側表面412aと対向しており、封止空間440を形成している。基板主表面420aは、シリコン酸化膜(図示省略)によって被覆されている。
4つのゲージ部428a〜428dは、半導体基板420にp型不純物を導入したp型半導体領域である。それぞれのゲージ部428a〜428dは、導電性を有するとともに、歪むことによって電気抵抗が変化する。このときの電気抵抗の変化量は、<110>方向に伸びる部分と、<100>方向に伸びる部分で相違する。
第1のゲージ部428aは、第1の電極414aと第2の電極414bに電気的に接続している。第1のゲージ部428aは、第1の電極414aから第1のゲージ形成部427a上を往復して第2の電極414bまで伸びている。第1のゲージ形成部427aは<110>方向に伸びているので、第1のゲージ部428aの略全体も<110>方向に伸びている。第2のゲージ部428bは、第2の電極414bと第3の電極414cに電気的に接続している。第2のゲージ部428bは、第2の電極414bから第2のゲージ形成部427b上を往復して第3の電極414cまで伸びている。第2のゲージ形成部427bは<100>方向に伸びているので、第2のゲージ部428bの略全体も<100>方向に伸びている。第3のゲージ部428cは、第3の電極414cと第4の電極414dに電気的に接続している。第3のゲージ部428cは、第3の電極414cから第3のゲージ形成部427c上を往復して第4の電極414dまで伸びている。第3のゲージ形成部427cは<110>方向に伸びているので、第3のゲージ部428cの略全体も<110>方向に伸びている。第4のゲージ部428dは、第4の電極414dと第1の電極414aに電気的に接続している。第4のゲージ部428dは、第4の電極414dから第4のゲージ形成部427dを往復して第1の電極414aまで伸びている。第4のゲージ形成部427dは<100>方向に伸びているので、第4のゲージ部428dの略全体も<100>方向に伸びている。4つのゲージ部428a〜428dと4つの電極414a〜414dは閉回路を構成しており、この閉回路はそれぞれのゲージ部428a〜428dが抵抗器として機能するホイートストンブリッジを構成している。
受圧部材412は、直方体形状を有しており、ガラス材料で形成されている。受圧部材412の下側表面412aは、基板主表面420aの凹部424を覆うように、基板主表面420aに接合されている。受圧部材412の下側表面412aと基板主表面420aは気密に接合されており、封止空間440が受圧部材412と半導体基板420の間を通じて外部と連通することはない。封止空間440は、半導体基板420に形成されている連通孔442のみを通じて外部と連通している。
実施例5の半導体センサ410においても、実施例1の半導体センサ10と同様に、封止空間440に連通孔442を通じて低圧又は高圧のガスを導入し、封止空間440の圧力を雰囲気よりも低圧又は高圧に維持することができる。受圧部材412は、封止空間440と雰囲気との差圧に応じた力を受け、4つのゲージ部428a〜428bを変形させる。その結果、4つのゲージ部428a〜428bの電気抵抗は、封止空間440と雰囲気との差圧に応じて変化する。このとき、主に<110>方向に伸びるゲージ部428a、428cと、主に<100>方向に伸びるゲージ部428b、428dでは、電気抵抗の変化量が相違する。4つのゲージ部428a〜428bはホイートストンブリッジを構成しているので、一対の電極414a、414c間に一定電流を通電(あるいは一定電圧を印加)しておくと、他の一対の電極414b、414d間の電圧が、封止空間440と雰囲気との差圧に応じて変化する。従って、一対の電極414b、414d間の電圧を測定することによって、封止空間440と雰囲気との差圧を測定することができる。例えば、半導体センサ410を第1空間(例えば燃料タンク)に配置するとともに封止空間440を第2空間(例えば大気中)に接続することによって、第1空間と第2空間の差圧を測定することができる。
(実施例6)
図16を参照して、実施例6の半導体センサ510を説明する。図16は、半導体センサ510の斜視図を示している。半導体センサ510は、半導体基板520と、半導体基板520の主表面520aに接合されている受圧部材512を備えている。半導体基板520の主表面520aには、歪むことによって電気抵抗が変化するゲージ部528と、ゲージ部528に電気的に接続している一対の電極514、516が形成されている。半導体基板520と受圧部材512の間には、半導体基板520と受圧部材512に囲まれた2つの封止空間540が形成されている。受圧部材512には、露出している受圧部材512の側面512cから伸びて封止空間540に達する連通孔542が形成されている。
半導体基板520は、n型の単結晶シリコンである。半導体基板520の主表面520a(以下、基板主表面220aと記すことがある)は、(110)結晶面である。基板主表面520aでは、その長手方向が<110>方向となっており、長手方向に直交する幅方向が<100>方向となっている。
基板主表面520aには、電極配置部522と、周壁部526と、ゲージ形成部527と、連通溝対向部529が形成されている。電極配置部522と周壁部526とゲージ形成部527と連通溝対向部529は、基板主表面520aの他の部分に対して、1〜4μmの高さでメサ状に突出している。基板主表面520aは、シリコン酸化膜(図示省略)によって被覆されている。
電極配置部522は、基板主表面520aの長手方向の一方側に位置している。電極配置部522は、受圧部材512が接合されない範囲に形成されている。電極配置部522の上には、一対の電極514、516が配置されている
周壁部526は、基板主表面520aの長手方向の中間部に位置している。周壁部526は、四角形状に周回する壁状に形成されている。周壁部526にはその全周に亘って受圧部材512が接合されており、周壁部526が取り囲む空間によって封止空間540が形成されている。
ゲージ形成部527は、基板主表面520aの幅方向の略中央の位置で、基板主表面520aの長手方向に伸びている。ゲージ形成部527は、電極配置部522から周壁部526が取り囲む領域内に伸びている。本実施例のゲージ形成部527は、周壁部526が取り囲む領域を完全に横断しているが、その必要は必ずしもない。ゲージ形成部527は、少なくとも周壁部26が取り囲む領域内まで伸びていればよい。
連通溝対向部529は、基板主表面520aの幅方向の略中央の位置で、基板主表面520aの長手方向に伸びている。連通溝対向部529は、周壁部526から基板主表面520aの周縁まで伸びている。連通溝対向部529は、周壁部526を基準に、電極配置部522の反対側に位置している。
ゲージ形成部527には、ゲージ部528が形成されている。ゲージ部528は、半導体基板520にp型不純物を導入したp型半導体領域である。ゲージ部528に導入するp型不純物には、例えばボロンを使用することができる。ゲージ部528は導電性を有するとともに、歪むことによって電気抵抗が変化する。ゲージ部528は、一対の電極514、516に電気的に接続している。ゲージ部528は、一方の電極514からゲージ形成部527上を往復して他方の電極516まで伸びている。ゲージ形成部527は<110>方向に伸びているので、ゲージ部528の略全体も<110>方向に伸びている。
受圧部材512は、直方体形状を有しており、ガラス材料で形成されている。受圧部材512の下側表面512aは、基板主表面520aの周壁部526とゲージ形成部527と連通溝対向部529に接合されている。受圧部材212の下側表面212aと基板主表面520aは、気密(液密)に接合されている。
受圧部材512の下側表面512aには、連通溝542aが形成されている。連通溝542aは、基板主表面520aの連通溝対向部529と対向する位置に形成されている。連通溝542aは、受圧部材512の側面512cから、基板主表面520aの周壁部526を越える位置まで伸びている。それにより、受圧部材512の側面512cから封止空間540に伸びる連通孔542が形成されている。
実施例6の半導体センサ510においても、実施例1の半導体センサ10と同様に、封止空間540に連通孔542を通じて低圧又は高圧のガスを導入し、封止空間540の圧力を雰囲気よりも低圧又は高圧に維持することができる。受圧部材512は、封止空間540と雰囲気との差圧に応じた力を受け、ゲージ形成部527を変形させる。その結果、ゲージ部528の電気抵抗は、封止空間540と雰囲気との差圧に応じて変化する。一対の電極514、516間の電気抵抗を測定することにより、封止空間540と雰囲気との差圧を測定することができる。例えば、半導体センサ510を第1空間(例えば燃料タンク)に配置するとともに、封止空間540を第2空間(例えば大気中)に接続することによって、第1空間と第2空間の差圧を測定することができる。
実施例6の力検知センサ510では、連通孔542を形成するための連通溝542aを、基板主表面520a側に設けることもできる。この場合、その溝542aを基板主表面520aのみに設けてもよいし、基板主表面520aと受圧部材512の下側表面512aの両方に設けることもできる。
図17は、半導体センサ510を用いた差圧センサのパッケージ例を示している。図17に示す差圧センサ550は、第1空間(例えば自動車の燃料タンク)に配置され、第1空間の圧力P1と第2空間(例えば大気中)の圧力P2の差圧P1−P2を測定することができる。図17に示すように、差圧センサ550は、半導体センサ510と、半導体センサ510を収容している開放ケース554を備えている。
開放ケース554は、その上部が開口しているとともに、その側壁部に貫通孔564が設けられている。貫通孔564は、半導体センサ510の連通孔542に連通している。開放ケース554の貫通孔564と半導体センサ510の連通孔542は、シール材570によって気密に接続されている。半導体センサ510の長手方向(図中の左右方向)に関して、シール材570が設けられている長さ範囲と、封止空間540が形成されている長さ範囲が相違しているので、シール材570が半導体センサ510の感度に与える影響は非常に小さい。開放ケース554の貫通孔564には、第2空間に接続された管路566が接続されている。
開放ケース554には、その底部を貫通する少なくとも一対の端子ピン560、562が設けられている。一方の端子ピン560は、電線570を用いて半導体センサ510の一方の電極514にワイヤボンディングされている。他方の端子ピン562は、電線572を用いて半導体センサ510の一方の電極516にワイヤボンディングされている。
以上の構成により、差圧センサ550では、第1空間の圧力P1と第2空間の圧力P2との差圧に応じた力が、受圧部材512に加えられる。ゲージ部528の電気抵抗は、受圧部材12に加えられた力に応じて変化する。従って、一対の端子ピン560、562間の電気抵抗を測定することにより、第1空間の圧力P1と第2空間の圧力P2との差圧を測定することができる。この差圧センサ550によれば、第1空間の圧力P1と第2空間の圧力P2をそれぞれ測定することなく、両者の差圧を測定することができる。
図18は、半導体センサ510を用いた差圧センサの他のパッケージ例を示している。図18に示す差圧センサ650は、第1空間(例えば自動車の燃料タンク)の圧力P1と第2空間(例えば大気中)の圧力P2の差圧P1−P2を測定することができる。
図18に示す差圧センサ650は、図17に示す差圧センサ550に、開放ケース554の上部開放部を覆うキャップ部材656を付加したものである。キャップ部材656は、開放ケース554の上部開放部を気密に封止している。開放ケース554とキャップ部材656は、半導体センサ510を密封する密閉ケース652を構成している。また、差圧センサ650では、開放ケース554の側壁部に、第2の貫通孔665が設けられている。第2の貫通孔665は、密閉ケース652内の間、即ち、半導体センサ510が配置されている空間に連通している。第2の貫通孔665には、第1空間に接続された管路667が接続されている。それにより、半導体センサ510の雰囲気は、第1空間の圧力P1に等しくなる。
以上の構成による差圧センサ650によっても、一対の端子ピン560、562間の電気抵抗を測定することにより、第1空間の圧力P1と第2空間の圧力P2との差圧を測定することができる。このとき、差圧センサ650は、第1空間(燃料タンク内)に配置しておくこともできるし、第2空間(大気中)に配置しておくこともできるし、別の第3の空間に配置しておくこともできる。
図19は、半導体センサ510を用いた差圧センサの他のパッケージ例を示している。図19に示す差圧センサ750は、第2空間に配置し、第1空間(例えば自動車の燃料タンク)の圧力P1と第2空間(例えば大気中)の圧力P2の差圧P1−P2を測定することができる。
図19に示す差圧センサ750は、図18に示す差圧センサ650と比較して、半導体センサ510が密閉ケース652内に完全に収容されておらず、半導体センサ510の一部が密閉ケース652の外に露出している。図19に示すように、差圧センサ750では、開放ケース554の側壁に貫通孔774が形成されており、その貫通孔774に半導体センサ510が嵌合されている。半導体センサ510と貫通孔774の間の隙間は、シール材770によって気密に封鎖されている。半導体センサ510の長手方向(図中の左右方向)に関して、貫通孔774内に位置する長さ範囲とシール材770が設けられている長さ範囲は、封止空間540が形成されている長さ範囲と相違している。また、封止空間540が形成されている長さ範囲は、密閉ケース652内に位置している。
以上の構成による差圧センサ750によっても、一対の端子ピン560、562間の電気抵抗を測定することにより、第1空間の圧力P1と第2空間の圧力P2との差圧を測定することができる。
(実施例7)
図20を参照して、実施例7の半導体センサ610を説明する。図20は、半導体センサ610の斜視図を示している。半導体センサ610は、半導体基板620と、半導体基板620の主表面620aに接合されている受圧部材612を備えている。半導体基板620の主表面620aには、歪むことによって電気抵抗が変化するゲージ部628と、ゲージ部628に電気的に接続している一対の電極614、616が形成されている。半導体基板620と受圧部材612の間には、半導体基板620と受圧部材612に囲まれた2つの封止空間640が形成されている。受圧部材612には、露出している受圧部材612の側面612cから封止空間640に伸びる連通孔642が形成されている。
半導体基板620は、n型のシリコン単結晶である。半導体基板620の主表面620a(以下、基板主表面220aと記すことがある)は、(110)結晶面である。基板主表面620aでは、半導体基板620の長手方向が<110>方向となっており、長手方向に直交する幅方向が<100>方向となっている。
基板主表面520aには、2つの凹部626と、2つの凹部626の間に伸びるゲージ形成部627と、一対の電極614、616が形成されている。2つの凹部626は、基板主表面620aの他の部分に対して、1〜4μmの深さで沈下している。それぞれの凹部626は、受圧部材612の下側表面612aと対向しており、封止空間640を形成している。ゲージ形成部627は、基板主表面620aの幅方向の略中央の位置で、基板主表面620aの長手方向に伸びている。ゲージ形成部627の両側には、封止空間640が位置している。一対の電極614、616は、基板主表面620aの長手方向の一方側に配置されている。
ゲージ形成部627には、ゲージ部628が形成されている。ゲージ部628は、半導体基板620にp型不純物を導入したp型半導体領域である。ゲージ部628は、導電性を有するとともに、歪むことによって電気抵抗が変化する。ゲージ部628は、一対の電極614、616に電気的に接続している。ゲージ部628は、一方の電極614からゲージ形成部627上を往復して他方の電極616まで伸びている。ゲージ形成部627は<110>方向に伸びているので、ゲージ部628の略全体も<110>方向に伸びている。
受圧部材612は、直方体形状を有しており、ガラス材料で形成されている。受圧部材612の下側表面612aは、基板主表面620aの2つの凹部626を覆うように、基板主表面620aに接合されている。受圧部材612の下側表面612aと基板主表面620aは、気密に接合されている。
受圧部材612の下側表面612aには、連通溝642aが形成されている。連通溝642aは、受圧部材612の側面612cから、基板主表面620aの2つの凹部626に対向する位置まで伸びている。それにより、受圧部材612の側面612cから封止空間640に伸びる連通孔642が形成されている。
実施例7の半導体センサ610においても、実施例1の半導体センサ10と同様に、封止空間640に連通孔642を通じて低圧又は高圧のガスを導入し、封止空間640の圧力を雰囲気よりも低圧又は高圧に維持することができる。受圧部材612は、封止空間640と雰囲気との差圧に応じた力を受け、ゲージ形成部627を変形させる。その結果、ゲージ部628の電気抵抗は、封止空間640と雰囲気との差圧に応じて変化する。従って、一対の電極614、616間の電気抵抗を測定することにより、封止空間640と雰囲気との差圧を測定することができる。実施例7の半導体センサ610は、実施例6の半導体センサ510に替えて、図17、図18、図19に示す差圧センサ650、750、850に用いることができる。実施例7の半導体センサ610を用いた差圧センサ650、750、850によっても、第1空間と第2空間の差圧P1−P2を測定することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、半導体基板の主表面は、必ずしも(110)結晶面である必要はない。そして、ゲージ部は、必ずしも<110>方向又は<100>方向に伸びている必要はない。基板主表面の結晶面およびゲージ部が伸びる結晶方向は、それらがピエゾ抵抗効果に影響を与えることに留意し、設計に応じて適宜選定することができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
実施例1の半導体センサの斜視図。 実施例1の半導体センサの上面図。 図2中のIII−III線断面図。 図2中のIV−IV線断面図。 実施例1の半導体センサを用いた差圧センサを示す図。 実施例2の半導体センサの構成を示す壇面図。 実施例2の半導体センサを用いた差圧センサを示す図。 実施例3の半導体センサの斜視図。 実施例3の半導体センサの上面図。 図9中のX−X線断面図。 実施例4の半導体センサの斜視図。 実施例4の半導体センサの上面図。 図12中のXIII−XIII線断面図。 実施例5の半導体センサの上面図。 図14中のXV−XV線断面図。 実施例6の半導体センサの斜視図。ただし、受圧部材を基板主表面から仮想的に離反させた状態で図示する。 実施例6の半導体センサを用いた差圧センサの一例を示す図。 実施例6の半導体センサを用いた差圧センサの一例を示す図。 実施例6の半導体センサを用いた差圧センサの一例を示す図。 実施例7の半導体センサの斜視図。ただし、受圧部材を基板主表面から仮想的に離反させた状態で図示する。
符号の説明
・10、110、210、310、410、510、610:半導体センサ
・12、212、312、412、512、612:受圧部材
・14、16、214、216、314a〜314d、414a〜414d、514、516、614、616:電極
・28、228、328、428a〜428d、528、628:ゲージ部
・40、240、340、440、540、640:封止空間
・42、242、342、442、542、642:連通孔

Claims (5)

  1. 半導体基板と、
    半導体基板に接合されている受圧部材を備えており、
    半導体基板の受圧部材との接合面には、半導体結晶が歪むことによって電気抵抗が変化するゲージ部が形成されており、
    半導体基板と受圧部材の間には、両者に囲まれた封止空間が形成されており、
    半導体基板又は受圧部材の表面から伸びて封止空間に達する連通孔が形成されていることを特徴とする半導体センサ。
  2. 前記連通孔は、前記半導体基板に形成されており、前記半導体基板の反受圧部材側の表面から前記封止空間まで伸びていることを特徴とする請求項1の半導体センサ。
  3. 前記連通孔は、前記受圧部材に形成されており、前記受圧部材の反半導体基板側の表面から封止空間まで伸びていることを特徴とする請求項1の半導体センサ。
  4. 前記連通孔は、前記半導体基板の受圧部材側の表面及び/又は前記受圧部材の半導体基板側の表面に形成された溝によって形成されていることを特徴とする請求項1の半導体センサ。
  5. 前記封止空間に面する前記受圧部材の表面範囲と、前記ゲージ部に面する前記受圧部材の表面範囲が、互いに隣接することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の半導体センサ。
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