JP2003302295A - 力検知素子 - Google Patents

力検知素子

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JP2003302295A JP2002259220A JP2002259220A JP2003302295A JP 2003302295 A JP2003302295 A JP 2003302295A JP 2002259220 A JP2002259220 A JP 2002259220A JP 2002259220 A JP2002259220 A JP 2002259220A JP 2003302295 A JP2003302295 A JP 2003302295A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲージ部の抵抗値の変化量が大きな、検知感
度の高い力検知素子を実現すること。 【解決手段】 力検知素子401は、力検知ブロック
と、力伝達ブロックを備えている。力検知ブロックは突
出部422bを有する。その突出部422bは力伝達ブ
ロックに陽極接合された接合面Mを有する。力伝達ブロ
ックは外力作用面を有する。その外力作用面に外力が作
用すると、その外力に起因する圧縮応力が突出部122
bに作用する。突出部122bには、その両側部に、作
用する応力に応じて抵抗値が変化するゲージ部124b
−1、124b−2が局部的に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、力検知素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】 図1に示す力検知素子1は、第1ブロ
ック20と、第2ブロック28を備えている。第1ブロ
ック20は、その主面21から突出する突出部22a〜
22dと、電極26a〜26dを有する。突出部22a
〜22dの頂面23a〜23dは、第2ブロック28の
底面28bと接合され、接合面(接触面の一例)Mとな
っている。また、第2ブロック28は、その接合面Mに
垂直な方向からみたときに、接合面Mと重複する位置に
ある重複領域30と、接合面Mと重複しない位置にある
非重複領域32、34を有する。重複領域30と非重複
領域32、34にはそれぞれ、接合面Mに垂直な方向の
外力が作用する外力作用面30a、32a、34aが形
成されている。これらの外力作用面30a、32a、3
4aは第2ブロック28の頂面28aである。
【0003】第1ブロック20の突出部22bには、図
1の部位Aの拡大図である図2に示すように、突出部2
2bの頂部全体に亘ってゲージ部24bが形成されてい
る。ゲージ部24bは、元々はn型の半導体層27bの
頂部にp型不純物を添加することで形成されている。p
型拡散領域であるゲージ部24bとn型半導体層27b
は、pn接合分離構造によって絶縁されている。突出部
22a、22c、22dについても図示は省略するが同
様にゲージ部24a、24c、24dが形成されてい
る。このうちゲージ部24b、24dは、ピエゾ抵抗効
果によって、作用する応力に応じて抵抗値が変化するゲ
ージ抵抗として機能する。一方、ゲージ部24a、24
cは、応力が作用しても抵抗値がほとんど変化しない基
準抵抗として機能する。
【0004】第2ブロック28の頂面28a(外力作用
面30a、32a、34a)に垂直な方向に外力が作用
して、その外力が第2ブロック28を介して突出部22
a〜22dに伝達されると、その外力は突出部22a〜
22dに圧縮応力として作用する。この結果、ゲージ部
24b、24dの抵抗値が変化する。その抵抗値の変化
量から、第2ブロック28の頂面28aに作用した外力
の大きさを検知できる。特許文献1には、この力検知素
子1に関連する構造が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平8−271363号公報
【0006】この力検知素子1の構造によると、突出部
22a〜22dの接合面M(頂面23a〜23d)に
は、重複領域30の外力作用面30aに作用する外力の
みならず、非重複領域32、34の外力作用面32a、
34aに作用する外力による圧縮応力も作用する。即
ち、この力検知素子1のように、第1ブロック20に突
出部22a〜22dを設けた構造によると、第2ブロッ
ク28の頂面28aに作用した外力に起因する応力を突
出部22a〜22dに集中させることができる。このた
め、突出部22a〜22d(ゲージ部24a〜24d)
に作用する応力を大きくできる。従って、突出部22a
〜22dを設けない場合に比較して、所定の大きさの外
力が作用したときのゲージ部24b、24dの抵抗値の
変化量を大きくできる。即ち、高感度化を実現できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 仮に第2ブロック2
8の頂面28aの面積を一定とし、その頂面28aに作
用する外力を一定とした場合、接合面Mの面積を小さく
すればするほど、接合面Mの単位面積に作用する力、即
ち、圧縮応力を大きくできる。このため、ゲージ部24
b、24dに作用する圧縮応力を大きくできる。従っ
て、ゲージ部24b、24dの抵抗値の変化量を大きく
でき、高感度化を実現できる。
【0008】しかしながら、突出部22a〜22dの接
合面Mの面積を小さくすると、作用する圧縮応力によっ
て突出部22a〜22dが損傷する可能性も生じ得る。
このため、突出部22a〜22dの接合面Mの面積を小
さくすることには限界がある。
【0009】また、力検知素子では、複数の力検知素子
間で、所定の大きさの力が作用したときのゲージ部の抵
抗値の変化量(検知感度)のばらつきを小さくすること
も重要な課題である。
【0010】本発明は、ゲージ部の抵抗値の変化量が大
きな、検知感度の高い力検知素子を実現することを第1
の目的とする。本発明はまた、複数の力検知素子間での
ゲージ部の抵抗値の変化量(検知感度)のばらつきを小
さくすることを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用と効果】 第1
ブロックが突出部を有する構造において、従来は、その
突出部に作用する応力の分布については、確かな知見は
得られていなかった。従来は、突出部に作用する応力の
分布は一様であろうという仮定の元に、前記したように
第1ブロックの突出部の頂部全体に亘ってゲージ部を形
成していた。なお、上記したように、ゲージ部は、作用
する応力に応じて抵抗値が変化し、作用する応力が大き
いほど抵抗値の変化量が大きい。このゲージ部の抵抗値
の変化量は、ゲージ部が形成された領域の全体に作用す
る応力の平均値に基づいて求める。
【0012】これに対し、本発明者らは、力検知素子に
ついて鋭意研究を進めた結果、突出部に作用する応力の
分布は一様でないという知見を新たに得た。この知見に
基づいて、本発明者らは種々の態様に具現化された発明
を創作し、その発明によって、力検知素子の特性のさら
なる向上を実現した。
【0013】本発明を具現化した第1の態様の力検知素
子は、第1ブロックと、第2ブロックを備えている。第
1ブロックは突出部を有し、第2ブロックは前記突出部
の頂面に接触している。そして、前記突出部の所定高さ
の部位のうち、第2ブロックに作用した外力に起因して
前記所定高さの部位全体に作用する応力の平均値よりも
作用する応力の平均値が大きな領域に、作用する応力に
応じて抵抗値が変化する部位を含むゲージ部が局部的に
形成されている。
【0014】本発明者らは、第1ブロックの突出部の所
定高さの部位に作用する応力の分布は一様ではないこと
を見出した。この知見に基づいてなされた上記第1の態
様によると、所定高さの部位全体にゲージ部を形成する
場合に比べて、ゲージ部の抵抗値の変化量の大きな、検
知感度の高い力検知素子を実現できる。このように本発
明者らは、突出部の接触面(典型的には頂面全体)の面
積を小さくせずに、さらなる高感度化の実現に成功した
のである。
【0015】本発明を具現化した第2の態様の力検知素
子は、第1ブロックと、第2ブロックを備えている。第
1ブロックは突出部を有する。第2ブロックは前記突出
部の頂面に接触している。そして、前記突出部の所定高
さの部位のうち、第2ブロックに作用した外力に起因し
て前記所定高さの部位に作用する応力の分布が概ね平坦
な領域に、作用する応力に応じて抵抗値が変化する部位
を含むゲージ部が局部的に形成されている。ここで、
「作用する応力の分布が概ね平坦な領域」は、その領域
全体に作用する応力の平均値に対して、作用する応力の
変動率が±20%以内、より好適には±10%以内の領
域であることが好ましい。
【0016】本発明者らはまた、第1ブロックの突出部
の所定高さの部位に作用する応力の分布は一様でないに
しても、応力の分布が概ね平坦な領域が局部的に存在し
得るということを見出した。この知見に基づいてなされ
た上記第2の態様によると、上記ゲージ部を形成した複
数の力検知素子間でのゲージ部の抵抗値の変化量(検知
感度)のばらつきを小さくできる。
【0017】本発明を具現化した第3の態様の力検知素
子は、第1ブロックと、第2ブロックを備えている。第
1ブロックは突出部を有し、その突出部の頂面には第2
ブロックの底面に接触する接触面が形成されている。第
2ブロックは、その頂面に形成された外力作用面と、接
触面垂直方向からみたときに接触面と重複しない位置に
ある非重複領域を有し、その非重複領域の頂面は外力作
用面の少なくとも一部を構成する。そして、前記突出部
のうち、接触面垂直方向からみたときに接触面と重複す
る領域であって、かつ、その重複領域の幅方向の非重複
領域側の側部又は幅方向の中間部に、作用する応力に応
じて抵抗値が変化する部位を含むゲージ部が局部的に形
成されている。
【0018】また、本発明者らは、第2ブロックが上記
したような非重複領域を有する構造では、第1ブロック
の突出部のうち、接触面垂直方向からみたときに接触面
と重複する領域であって、かつ、その重複領域の非重複
領域側の側部には、重複領域の中間部に比べて、大きな
応力が作用することを見出した。これは、第2ブロック
の上記非重複領域の頂面に作用した外力に起因する応力
は、第1ブロックの突出部の上記重複領域の中でも、非
重複領域に近い領域ほど大きく作用するためと考えられ
る。この知見に基づいてなされた上記第3の態様による
と、ゲージ部の抵抗値の変化量の大きな、検知感度の高
い力検知素子を実現できる。
【0019】本発明者らはまた、上記重複領域の幅方向
の中間部は、非重複領域側の側部に比べて作用する応力
は小さいものの、複数の力検知素子間での作用する応力
のばらつきが小さいことを見出した。この知見に基づい
てなされた上記第3の態様によると、上記ゲージ部を形
成した複数の力検知素子間でのゲージ部の抵抗値の変化
量(検知感度)のばらつきを小さくできる。
【0020】本発明を具現化した第4の態様の力検知素
子は、第1ブロックと、第2ブロックを備えている。第
1ブロックは突出部を有する。第2ブロックは前記突出
部の頂面に取付けられている。そして、前記突出部の高
さ方向の中間部に、作用する応力に応じて抵抗値が変化
する部位を含むゲージ部が局部的に形成されている。
【0021】本発明者らはまた、第2ブロックが第1ブ
ロックの突出部に単に接触しているのみならず、取付け
られている構造では、その突出部の高さ方向の中間部の
方が、その突出部の頂部又は底部に比べて、第2ブロッ
クに作用した外力に起因して作用する応力が大きくなる
ことを見出した。この知見に基づいてなされた上記第4
の態様によると、突出部の頂部にゲージ部を形成する場
合に比べて、ゲージ部に作用する応力を大きくできる。
従って、ゲージ部の抵抗値の変化量の大きな、検知感度
の高い力検知素子を実現できる。
【0022】上記第1〜第3の態様の力検知素子におい
ては、第2ブロックは、前記突出部の頂面に取付けられ
ており、ゲージ部は、前記突出部の高さ方向の中間部に
局部的に形成されていることが好ましい。これらの態様
によると、検知感度のより高い力検知素子を実現でき
る。
【0023】上記各態様の力検知素子においては、前記
突出部は細長状であり、複数本設けられていることが好
ましい。ここで、「細長状」の突出部とは、平面視した
ときに長手方向と短手方向の長さの比が4以上、より好
適には8以上の突出部であることが好ましい。細長状の
突出部は、湾曲していてもよい。この態様によると、第
2ブロックと突出部群の接触面の面積を小さくして検知
感度を高くしながらも、複数本の突出部群によって第2
ブロックが安定的に支持された構造の実現が容易とな
る。
【0024】
【発明の実施の形態】 後記する本発明の実施例から把
握される、特許請求の範囲に記載した発明以外の技術的
思想を記載する。 (形態1) 第1ブロックの(110)面に突出部が形
成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
に記載の力検知素子。この態様によると、、他の結晶面
に突出部を形成する場合に比較して、作用した応力に対
するゲージ部の抵抗値の変化量を大きくできる。即ち、
高感度化を実現できる。 (形態2) 第1ブロックの(100)面に突出部が形
成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
に記載の力検知素子。この態様によると、ある程度高感
度化を実現でき、しかも、集積化が容易であるという効
果も得られる。
【0025】
【実施例】(第1実施例) 図3に第1実施例の力検知
素子401の斜視図を示す。この力検知素子401は、
力検知ブロック(半導体ブロック、第1ブロックに相
当)420と、力伝達ブロック(第2ブロックに相当)
428を備えている。力検知ブロック420は、n型の
シリコン単結晶ブロック等によって形成されている。力
検知ブロック420は、平面視したときに正方形状の直
方体であり、幅は約1.4mm、高さは約0.5mmで
ある。なお、力検知ブロック420はガリウムヒ素等で
構成してもよい。力検知ブロック420は、その主面4
21から突出する突出部422a〜422dを有する。
突出部422a〜422dは、図4によく示すように、
頂面が平坦なメサ状である。また、突出部422a〜4
22dは細長状であり、厚さは比較的薄く形成されてい
る。4本の突出部422a〜422dは長さが等しく、
ロの字状に配置されている。そのロの字状の突出部42
2a〜422dの4隅付近にはそれぞれ、電極426a
〜426dが形成されている。電極426a〜426d
は、対角方向に形成された1組の入力電極426a、4
26cと、1組の出力電極426b、426dによって
構成されている。これらの電極426a〜426dは、
後述するゲージ部424(図4参照)の端部に電気的に
接続されている。なお、以下では、複数の突出部のう
ち、1つの突出部を例示して説明する箇所があるが、そ
の説明は他の突出部についても当てはまる。
【0026】力伝達ブロック428は、絶縁性材料で構
成され、平面視したときに正方形状の直方体であり、幅
は約1.0mm、高さは約0.5mmである。絶縁性材
料としては、硼珪酸ガラス、結晶化ガラス等の可動イオ
ンを含むガラス類や、表面に絶縁膜を形成したシリコン
基板等を用いることができる。上記したロの字状の突出
部422a〜422dの頂面423a〜423dは、こ
の力伝達ブロック428の底面428bの一部(後述す
る重複領域430の底面430b)に、陽極接合で強固
に取付けられている。突出部422の頂面423の全体
が接合面(接触面の一例)Mとなっている。なお、これ
らのブロック420、428は、陽極接合で接合するこ
とが好ましいが、陽極接合以外の手段では、半田接合や
希フッ酸接合(希フッ酸で溶かした表面の酸化膜をボン
ドとして接合する手段)などで取付けることが有効であ
る。また、これらのブロック420、428は、単に接
触している状態であってもよい。
【0027】力伝達ブロック428は、その接合面Mに
垂直な方向(図示上下方向)からみたときに接合面M
(突出部422の頂面423)と重複する領域にある重
複領域430と、重複しない領域にある非重複領域43
2、434を有する。非重複領域432は、接合面Mに
垂直な方向からみたときに各突出部422a〜422d
の接合面Mの一方の側にあり、非重複領域434は他方
の側にある。即ち、非重複領域432、434は、各突
出部422a〜422dの接合面Mの両側にある。重複
領域430と非重複領域432、434にはそれぞれ、
接合面Mに平行な方向に伸びる外力作用面430a、4
32a、434aが形成されている。これらの外力作用
面430a、432a、434aは、力伝達ブロック4
28の頂面428aである。力伝達ブロック428の底
面428bは全体が平面状である。その底面428b
は、重複領域430の底面430bと非重複領域43
2、434の底面432b、434bによって構成され
ている。
【0028】力検知ブロック420の突出部422の半
導体部分はn型シリコンブロックの一部であるため、元
々はn型半導体層である。図4の突出部422bに例示
されるように、突出部422bを構成するn型半導体層
427bのうち、頂部の両側部にゲージ部424b−
1、424b−2が局部的に形成されている。このゲー
ジ部424b−1、424b−2は、n型半導体層42
7にp型不純物を添加することで形成されたp型拡散領
域である。p型のゲージ部424bとn型の半導体層4
27bは、pn接合分離構造によって絶縁されている。
【0029】ゲージ部424のp型不純物濃度は1×1
18/cmのオーダー又は1×1020/cmのオー
ダーである。抵抗率は0.001Ω・cmである。ゲー
ジ部424の不純物濃度は十分に高いために、特開平8
−271363号公報の段落0058〜0062に記載
の温度補償作用が得られる。ゲージ部424b、424
dは高濃度であるものの、細長く、薄いために抵抗値が
高い。このため、抵抗値の変化量が大きい。
【0030】図3に示す力検知ブロック420の主面4
21は(110)面である。突出部422b、422d
(ゲージ部424b、424d)は、長手方向が<11
0>方向に伸びている。一方、突出部422a、422
c(ゲージ部424a、424c)は、長手方向が<1
00>方向に伸びている。このように突出部422a〜
422dを配置することで、各ゲージ部424a〜42
4dは、ピエゾ抵抗係数がπ13に従って変化する。こ
れらの4本のゲージ部424a〜424dによってホイ
ートストンブリッジが構成されている。
【0031】ピエゾ抵抗係数がπ13の場合、(11
0)面の<110>方向で抵抗値の変化量(感度)が最
大であり、<100>方向では抵抗値の変化量(感度)
はゼロである。従って、長手方向が<110>方向に伸
びるゲージ部424b、424dに(110)面から圧
縮応力が作用すると、ピエゾ抵抗効果によってその応力
に応じて抵抗値が変化(増加)する。即ち、ゲージ部4
24b、424dはゲージ抵抗として機能する。一方、
長手方向が<100>方向に伸びるゲージ部424a、
424cは、(110)面から圧縮応力が作用しても抵
抗値がほとんど変化しない。即ち、ゲージ部424a、
424cは基準抵抗として機能する。
【0032】図4の圧縮応力の分布に示すように、突出
部422bの両側部には、中間部に比べて大きな圧縮応
力が作用する。第1実施例の力検知素子401は、図4
の突出部422b(ゲージ部424b)に例示されるよ
うに、突出部422の頂部のうち、頂部全体に作用する
応力の平均値よりも、作用する応力の平均値が大きな頂
部の両側部に、ゲージ部424a〜424dを局部的に
形成している。
【0033】なお、力検知ブロック420の主面421
と突出部422は、図示は省略するが、実際にはシリコ
ン酸化膜(絶縁膜)で覆われている。絶縁膜で覆うこと
で、突出部422に形成されたゲージ部424を流れる
電流がリークすることを防止している。
【0034】第1実施例の力検知素子401の動作を説
明する。対角方向に形成された1組の入力電極426
a、426cについて、例えば電極426a側に正電圧
を印加して電極426c側を接地する。この状態で力伝
達ブロック428の頂面428aに垂直方向に外力が作
用すると、その外力が力伝達ブロック428を介して突
出部422に伝達される。その外力は圧縮応力として突
出部422a〜422dに作用する。この結果、その圧
縮応力の大きさに応じてゲージ部424b、424dの
抵抗値が変化(増加)する。上記したように、ゲージ部
424b、424dは、大きな圧縮応力が作用する領域
に局部的に形成されているので、ゲージ部424b、4
24dの抵抗値の変化量は大きい。一方、ゲージ部42
4a、424cの抵抗値はほとんど変化しない。
【0035】この結果、出力電極426bに現れる電圧
値はゲージ部424b、424cの分圧値となるので所
定値だけ減少する。一方、出力電極426dに現れる電
圧値は前記所定値と同じ値だけ増加する。従って、出力
電極426bと426dに現れた電圧値の差(差動の出
力電圧値)から力伝達ブロック428の頂面428aに
作用した外力の大きさを検知できる。第1実施例による
と、高感度のゲージ部424b、424dに基づく電圧
値を、差動出力によってさらに2倍にすることができ
る。また、差動出力によってノイズの影響を相殺するこ
とができる。
【0036】第1実施例のように、力検知ブロック42
0の突出部422の頂部のうち、その頂部全体に作用す
る応力の平均値よりも、作用する応力の平均値が大きな
頂部の両側部にゲージ部424を局部的に形成すること
で、図2に示す従来の力検知素子1のように突出部の頂
部全体にゲージ部を形成する場合に比べて、ゲージ部4
24の抵抗値の変化量の大きな、検知感度の高い力検知
素子401を実現できる。第1実施例によると、突出部
422の接合面Mの面積を小さくせずに、高感度化を実
現し得る
【0037】第1実施例の力検知素子401によると、
細長状の突出部422a〜422dの幅をある程度広く
しつつも、高感度化を実現できる。幅をある程度広くす
ることができるので、作用する圧縮応力によって突出部
422a〜422dが損傷する可能性を非常に低くでき
る。また、その突出部422a〜422dによって、力
伝達ブロック428を安定的に支持できる。また、ゲー
ジ部424を突出部422の頂部の両側部に形成するこ
とで、一方の側部のみに形成するよりも安定した感度が
得られる。
【0038】ゲージ部424bを形成する領域は、図4
に示した領域の他、例えば以下のような領域であっても
よい。ゲージ部424bを形成する領域の幅は、図4に
示す領域よりも狭くしてもよいし、広くしてもよい。但
し、狭くする場合は、大きな圧縮応力が作用する範囲A
の領域(突出部422bの縁部周辺)にゲージ部424
bを局部的に形成することが好ましい。この構成による
と、抵抗値の変化量をより大きくできる。即ち、より高
感度化を実現できる。一方、広くする場合は、高感度化
を実現するためには、突出部422bの頂部全体にゲー
ジ部424bを形成した場合よりも、ゲージ部424b
の抵抗値の変化量が小さくならない領域に形成する必要
がある。
【0039】また、例えば、範囲Cの領域にゲージ部4
24bを局部的に形成したときに、突出部422bの頂
部全体にゲージ部424bを形成した場合に比べてゲー
ジ部422bの抵抗値の変化量が大きい場合は、範囲C
の領域にゲージ部424を局部的に形成し、非重複領域
432により近い範囲Aの領域にゲージ部を形成しない
という構成も可能である。
【0040】(第2実施例) 図5に第2実施例の力検
知素子501の突出部522bの拡大斜視図を示す。以
下では、第1実施例に比較して第2実施例に固有の特徴
点を中心に説明する。以下の実施例も同様である。図5
の拡大図は、図4に示した第1実施例の力検知素子40
1の突出部422bの拡大図に対応するものである。図
5の突出部522bに例示されるように、第2実施例で
は、突出部522bを構成するn型半導体層527bの
うち、頂部の中間部にp型拡散領域であるゲージ部52
4bが局部的に形成されている。
【0041】図5の圧縮応力の分布に示すように、突出
部522bの中間部は、突出部522bの側部に比べて
作用する圧縮応力は小さい。しかし、突出部522bの
中間部は、突出部522bの側部に比べて、点線で示さ
れるような複数の力検知素子間での圧縮応力のばらつき
が小さい。従って、第2実施例のように、突出部522
の幅方向の中間部にゲージ部524を局部的に形成する
ことで、そのゲージ部524を形成した複数の力検知素
子間でのゲージ部524の抵抗値の変化量(検知感度)
のばらつきを小さくできる。
【0042】ゲージ抵抗524bを形成する領域は、図
5に示した領域の他、例えば以下のような領域であって
もよい。ゲージ抵抗524bを形成する領域の幅は、図
5に示す領域よりも狭くしてもよいし、広くしてもよ
い。但し、狭くする場合は、作用する圧縮応力がより平
坦に分布する範囲Eの領域(突出部522bの中央周
辺)にゲージ抵抗524bを局部的に形成することが好
ましい。この構成によると、複数の力検知素子間での抵
抗値の変化量のばらつきをより小さくできる。また、例
えば、範囲Gの領域にゲージ部524bを局部的に形成
して、範囲Eの領域(突出部522bの中央周辺)ゲー
ジ部を形成しないという構成も可能である。この構成に
よっても、複数の力検知素子間でのゲージ部524bの
抵抗値の変化量522bのばらつきを小さくできる。
【0043】(第3実施例) 図6に第3実施例の力検
知素子601の断面図を示す。図6の断面図は、図3の
第1実施例の力検知素子401の突出部422b、42
2dを有する部位での断面図に対応する。但し、突出部
622b、622d等を局部的に強調して拡大した断面
図として示している。図6の力検知素子601の力伝達
ブロック628は、図3の力検知素子401を構成する
力伝達ブロック428の外側の非重複領域434に相当
する領域を有しない。即ち、接合面Mに垂直な方向から
みたときに、接合面Mの片側のみに非重複領域632が
ある。また、力伝達ブロック628の底面は平面状では
なく段差が形成されている。力伝達ブロック628の重
複領域630には、非重複領域632の底面632bに
対して力検知ブロック620側に突出した突出部630
cが形成されている。
【0044】図6に示すように、力検知ブロック620
の突出部622b、622dの全領域は、接合面Mに垂
直な方向からみたときに接合面Mと重複している。図6
の突出部622b、622dに例示されるように、力検
知ブロック620の突出部622b、622dの非重複
領域632側(内側)の側部のみにゲージ部624b、
624dが形成されている。他の見方をすると、ゲージ
部624b、624dの形成された領域の中央Yが、突
出部622b、622dの中央Xよりも非重複領域63
2と近い位置にある。ゲージ部624b、624dは、
必ずしも突出部622b、622dの内側半分の領域の
みに形成されている必要はなく、突出部622b、62
2dの中央Xを超えて外側に伸びていてもよい。
【0045】第3実施例の力検知素子601では、第1
実施例の力検知素子401と異なり、力伝達ブロック6
28の非重複領域632の底面632bが、接合面M
(重複領域630の底面630b)に対し窪んだ位置に
ある。このため、非重複領域632の外力作用面632
aに作用した外力に起因する圧縮応力は、非重複領域6
32に近い領域の中でも広い領域に分散して作用する。
よって、圧縮応力の分布は緩やかになる。この結果、突
出部622b、622dの内側の領域には、比較的大き
な圧縮応力が作用する。一方、突出部622b、622
dの外側の領域には、比較的小さな圧縮応力が作用す
る。このように、第3実施例の力検知素子601は、突
出部622b、622dのうち、比較的大きな圧縮応力
が作用する領域にゲージ部624b、624dを局部的
に形成したものである。
【0046】また、非重複領域632の底面632b
は、重複領域630の底面630bに対して窪んでい
る。このため、力伝達ブロック628の頂面に大きな外
力が作用して非重複領域632の底面632bが力検知
ブロック620側にたわんだときでも、その非重複領域
632の底面632bが力検知ブロック620の主面6
21に接触することを防止できる。
【0047】(第4実施例) 図7に第4実施例の力検
知素子701の断面図を示す。図7の断面図は、図3の
第1実施例の力検知素子401の突出部422b、42
2dを有する部位での断面図に対応する。図7の力検知
素子701では、力伝達ブロック728の底面の全体は
平面状ではなく、段差が形成されている。力伝達ブロッ
ク728の重複領域730には、非重複領域732、7
34に対して力検知ブロック720側に突出した突出部
730cが形成されている。また、突出部722b、7
22dの頂面723b、723dの面積は、重複領域7
30の底面730bの面積よりも大きい。即ち、突出部
722b、722dの頂面723b、723dの面積
は、接合面Mの面積よりも大きい。
【0048】図7の突出部722b、722dに例示さ
れるように、突出部722b、722dのうち、接合面
Mに垂直な方向からみたときに接合面Mと重複する領域
内であって、かつ、その重複領域の両側部にゲージ部7
24b−1、724b−2、724d−1、724d−
2が局部的に形成されている。
【0049】第4実施例の力検知素子701について
も、第3実施例と同様に、圧縮応力の分布は緩やかにな
る。この結果、突出部722b、722dのうち、接合
面Mに垂直な方向からみたときに接合面Mと重複する領
域であり、かつ、その重複領域の両側部には、比較的大
きな圧縮応力が作用する。一方、その重複領域の中央部
には、比較的小さな圧縮応力が作用する。このように、
第4実施例の力検知素子701は、突出部722b、7
22dのうち、比較的大きな圧縮応力が作用する領域に
ゲージ部724b、724dを局部的に形成したもので
ある。
【0050】また、力検知素子701によると、力検知
ブロック720の突出部722b、722dの幅(ある
いは頂面723b、723dの面積)が、力伝達ブロッ
ク728の重複領域730の突出部730cの幅(ある
いは底面730bの面積)よりも広い。このため、力伝
達ブロック728に突出部730cが形成されている場
合でも、力検知ブロック720の突出部722によっ
て、力伝達ブロック728は安定的に支持される。
【0051】(第5実施例) 図8に第5実施例の力検
知素子801の斜視図を示す。第5実施例の力検知素子
801では、力検知ブロック820は主面821から突
出する4つの突出部822a〜822dを有する。各突
出部822a〜822dは、平面視すると長方形状に形
成されている。突出部(822a、822c)と(82
2b、822d)はそれぞれ長手方向に向かい合った位
置に配置され、全体としては中央に空間が形成された十
字状に配置されている。力伝達ブロック828の底面8
28bの一部(後述する重複領域830の底面830b
等)は、突出部822a〜822dの頂面823a〜8
23dに陽極接合等の技術で強固に接合され、その頂面
823a〜823dの全体が接合面Mとなっている。
【0052】力伝達ブロック828は、接合面Mに垂直
な方向からみたときに接合面Mと重複する位置にある重
複領域830と、重複しない位置にある第1〜第3の非
重複領域832、834、836を有する。なお、図8
では図示の明瞭化のため、力伝達ブロック828には、
突出部822bとの重複領域830のみ示しているが、
実際には、突出部822a、822c、822dとの重
複領域も存在する。重複領域830と第1〜第3の非重
複領域832、834、836にはそれぞれ、接合面M
に平行な外力作用面830a、832a、834a、8
36aが形成されている。これらの外力作用面830
a、832a、834a、836aは力伝達ブロック8
28の頂面828aである。力伝達ブロック828の底
面828bは全体が平面状である。その底面828b
は、重複領域830の底面830bと、第1〜第3の非
重複領域832、834、836の底面832b、83
4b、836bによって構成されている。
【0053】図8に示すように、例えば突出部822b
については、接合面Mに垂直な方向からみると、突出部
822bの短手方向の両側に非重複領域832、836
がある。突出部822bの長手方向の片側に非重複領域
834がある。そして、非重複領域832、836に対
応して突出部822bの側部にゲージ部824b−1、
824b−3が形成され、非重複領域834に対応して
突出部822bの側部にゲージ部824b−2が形成さ
れている。ゲージ部824b−1〜824b−3は全体
としては、接合面Mに垂直な方向からみるとコの字状の
領域に形成されている。この意味では、第5実施例は、
第1実施例と第3実施例を組合せたような構造となって
いる。
【0054】図8の圧縮応力の分布に示すように、突出
部822bの第1〜第3の側部824b−1〜824b
−3には、中間部825bに比べて、大きな圧縮応力が
作用する。第5実施例は、突出部822a〜822dの
うち、大きな圧縮応力が作用する、接合面Mに垂直な方
向からみるとコの字状の領域にゲージ部824a〜82
4dを局部的に形成したものである。
【0055】半導体ブロック820の主面821は(1
10)面であり、突出部822b、822d(ゲージ部
824b、824d)は、長手方向が<110>方向に
伸びている。一方、突出部822a、822c(ゲージ
部824a、824c)は、長手方向が<100>方向
に伸びている。このように突出部822a〜822d
(ゲージ部824a〜824d)を配置することで、各
ゲージ部824a〜824dは、ピエゾ抵抗係数がπ
13に従って変化する。これらの4本のゲージ部824
a〜824dによってホイートストンブリッジが構成さ
れている。
【0056】上記第4及び第5実施例の変形例として、
突出部の重複領域の幅方向の中間部(第4実施例では符
号725の部位(図7参照)、第5実施例では符号82
5の部位(図8参照))にゲージ部を局部的に形成する
ことで、第2実施例と同様に、そのゲージ部を形成した
複数の力検知素子間での、ゲージ部の抵抗値の変化量
(検知感度)のばらつきを小さくすることができる。
【0057】(第6実施例) 図9に第6実施例の力検
知素子901の断面図を示す。図9の断面図は、図3の
第1実施例の力検知素子401の突出部422b、42
2dを有する部位での断面図に対応する。図9に示すよ
うに、第6実施例の力検知素子901では、力検知ブロ
ック920の突出部922b、922dのうち、高さ方
向の中間部にゲージ部924b、924dが局部的に形
成されている。力伝達ブロック928の底面の一部は、
力検知ブロック920の突出部922の頂面に陽極接合
等に技術で強固に取付けられ、その頂面の全体が接合面
Mとなっている。
【0058】力伝達ブロック928が力検知ブロック9
20の突出部922に取付けられている構造では、その
突出部922の高さ方向の中間部の方が、頂部又は底部
に比べて、作用する圧縮応力が大きくなる(図9の圧縮
応力分布を参照)。よって、力伝達ブロック928が力
検知ブロック920の突出部922に取付けられている
構造では、第6実施例のように、突出部922の高さ方
向の中間部にゲージ部924を局部的に形成すること
で、突出部の頂部にゲージ部を形成する場合に比べて、
ゲージ部924に作用する圧縮応力を大きくできる。従
って、ゲージ部924の抵抗値の変化量の大きな、検知
感度の高い力検知素子901を実現できる。
【0059】第6実施例の力検知素子901の第1の製
造方法について説明する。まず、図10に示すように、
n型シリコン基板952の表面にイオン注入法等によっ
てp型不純物を添加してゲージ部となるp型高濃度拡散
層954を形成する。次に、図11に示すように、p型
拡散層954上に、エピタキシャル成長法によってシリ
コン薄膜であるエピタキシャル層956を形成する。次
に、図12に示すように、突出部922b、922d等
として残す部分をマスクした状態で、図11のエピタキ
シャル層956と、p型拡散層954と、p型拡散層9
54よりも深い位置のシリコン基板952の頂部をRI
E(Reactive Ion Etching)等によりエッチングする。
この結果、高さ方向の中間部にゲージ部924b、92
4dが形成された突出部922b、922d等が形成さ
れる。次に、図9に示すように、力検知ブロック920
の突出部922の頂面と力伝達ブロック928の底面を
陽極接合する。この結果、力検知素子901が製造され
る。
【0060】第6実施例の力検知素子901の第2の製
造方法について説明する。まず、図13に示すように、
第1のn型シリコン基板972の表面に、第1の製造方
法と同様にして、p型高濃度拡散層954を形成する。
次に、図14に示すように、第1のn型シリコン基板9
72に、第2のn型シリコン基板976を接合する。次
に、図15に示すように、第2のn型シリコン基板97
6を薄板状になるまで、上側から研削する。この状態で
は、第1の製造方法の図11の状態と類似した構造とな
る。その後は、上記した第1の製造方法の同様の製造工
程を経ることで(図12、図9参照)、力検知素子90
1を製造できる。
【0061】第6実施例の力検知素子901の第3の製
造方法として、イオン注入法等によって、n型シリコン
基板の表面からやや深い位置のみに局部的にp型不純物
を添加することで、図11に示すような状態を形成して
もよい。この場合も、上記した第1の製造方法の同様の
製造工程を経ることで(図12、図9参照)、力検知素
子901を製造できる。
【0062】(第7実施例) 図16に第7実施例の力
検知素子1001の突出部1022の斜視図を示す。図
16は、図4に示した第1実施例の力検知素子401の
突出部422bの拡大斜視図に対応するものである。第
7実施例の力検知素子1001は、第1実施例と第6実
施例を組合せたような構造となっている。突出部102
2を構成するn型半導体層1027には、その高さ方向
の中間部であって、かつ、その両側部にp型拡散領域で
あるゲージ部1024が局部的に形成されている。第1
実施例の力伝達ブロック428と同様の力伝達ブロック
の底面(図示省略)と、力検知ブロック1020の突出
部1022の頂面1023は、陽極接合等の技術で強固
に取付けられ、その頂面1023の全体が接合面Mとな
っている。
【0063】第7実施例の構造では、第1実施例で説明
したように、突出部1022の中間部に比べて、突出部
1022の側部に大きな圧縮応力が作用する。また、第
7実施例のように、力伝達ブロックと、力検知ブロック
1020の突出部1022の頂面1023が陽極接合等
で取付けられた構造では、第6実施例で説明したよう
に、突出部1022の頂部又は底部に比べて、突出部1
022の高さ方向の中間部に大きな圧縮応力が作用す
る。従って、第7実施例のように、突出部1022の高
さ方向の中間部であって、かつ、その両側部にゲージ部
1024を局部的に形成することで、そのゲージ部10
24にさらに大きな圧縮応力を作用させることができ
る。よって、ゲージ部1024の抵抗値の変化量のより
大きな、より検知感度の高い力検知素子1001を実現
できる。
【0064】以上、本発明の具体例を詳細に説明した
が、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定する
ものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上
に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれ
る。
【0065】本発明の適用範囲は、上記した結晶面、結
晶方向、ブリッジ構成に限定されない。即ち、上記した
(110)面、<110>方向、<100>方向に代え
て、他の結晶面または結晶方向を用いてもよい。例え
ば、結晶面としては(100)面を用いてもよい。(1
00)面を用いると、ゲージ部の抵抗値の変化量を比較
的大きくすることができ、しかも、集積化が容易であ
る。また、特にホイートストンブリッジを構成せずに、
単ゲージ構造等を採用してもよい。上記した(110)
面、<110>方向、<100>方向を用いる場合は、
これらと等価な結晶面または結晶方向を採用してもよ
い。これらと等価な結晶面または結晶方向は、特開20
01−304997公報の表1〜表3に示されている。
【0066】上記した実施例で説明した突出部の形状に
特に限定はない。例えば突出部の頂面は、力検知ブロッ
クの主面に対して傾斜していてもよい。また、突出部の
頂面は湾曲していてもよい。また、突出部の側面は、例
えばテーパ状の末広がりの形状になっていてもよい。ま
た、上記実施例では、凸状の突出部を例として説明して
いるが、突出部は例えば段差状に突出していてもよい。
また、突出部を配置する形態についても特に限定はな
い。例えば図4に示す第1実施例の力検知素子401で
は、4本の突出部422a〜422dがロの字状に配置
されているが、ひし形状に配置してもよいし、あるいは
湾曲して伸びる突出部を円形状に配置してもよい。ま
た、例えば細長状の突出部を2本以上配置することで、
力伝達ブロックを安定的に支持するようにしてもよい。
【0067】また、本発明の適用範囲は、力検知ブロッ
クの突出部と力伝達ブロックの接触面と、力伝達ブロッ
クの外力作用面が平行な場合に限られない。例えば、接
触面と外力作用面が垂直になっており、その外力作用面
に作用した外力によって曲げモーメントが働き、その曲
げモーメントによって接触面に圧縮応力が作用するとい
う態様であってもよい。また、突出部の接触面に作用す
る応力が圧縮応力の場合だけでなく、引張り応力の場
合、あるいは圧縮応力と引張り応力の両方が作用する場
合にも適用できる。
【0068】また、本明細書または図面に説明した技術
要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有
用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せ
に限定されるものではない。また、本明細書または図面
に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであ
り、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的
有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の力検知素子の斜視図を示す。
【図2】 従来の力検知素子の突出部の拡大斜視図を示
す。
【図3】 第1実施例の力検知素子の斜視図を示す。
【図4】 第1実施例の力検知素子の突出部の拡大斜視
図を示す。
【図5】 第2実施例の力検知素子の突出部の拡大斜視
図を示す。
【図6】 第3実施例の力検知素子の断面図を示す。
【図7】 第4実施例の力検知素子の断面図を示す。
【図8】 第5実施例の力検知素子の斜視図を示す。
【図9】 第6実施例の力検知素子の断面図を示す。
【図10】 第6実施例の力検知素子の第1の製造方法
の説明図を示す(1)。
【図11】 第6実施例の力検知素子の第1の製造方法
の説明図を示す(2)。
【図12】 第6実施例の力検知素子の第1の製造方法
の説明図を示す(3)。
【図13】 第6実施例の力検知素子の第2の製造方法
の説明図を示す(1)。
【図14】 第6実施例の力検知素子の第2の製造方法
の説明図を示す(2)。
【図15】 第6実施例の力検知素子の第2の製造方法
の説明図を示す(3)。
【図16】 第7実施例の力検知素子の突出部の斜視図
を示す。
【符号の説明】
401:力検知素子 420:力検知ブロック 422:突出部 424:ゲージ部 426:電極 428:力伝達ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚田 厚志 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 坂田 二郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ブロックと、第2ブロックを備え、 第1ブロックは突出部を有し、 第2ブロックは前記突出部の頂面に接触しており、 前記突出部の所定高さの部位のうち、第2ブロックに作
    用した外力に起因して前記所定高さの部位全体に作用す
    る応力の平均値よりも作用する応力の平均値が大きな領
    域に、作用する応力に応じて抵抗値が変化する部位を含
    むゲージ部が局部的に形成されていることを特徴とする
    力検知素子。
  2. 【請求項2】 第1ブロックと、第2ブロックを備え、 第1ブロックは突出部を有し、 第2ブロックは前記突出部の頂面に接触しており、 前記突出部の所定高さの部位のうち、第2ブロックに作
    用した外力に起因して前記所定高さの部位に作用する応
    力の分布が概ね平坦な領域に、作用する応力に応じて抵
    抗値が変化する部位を含むゲージ部が局部的に形成され
    ていることを特徴とする力検知素子。
  3. 【請求項3】 第1ブロックと、第2ブロックを備え、 第1ブロックは突出部を有し、その突出部の頂面には第
    2ブロックの底面に接触する接触面が形成され、 第2ブロックは、その頂面に形成された外力作用面と、
    接触面垂直方向からみたときに接触面と重複しない位置
    にある非重複領域を有し、その非重複領域の頂面は外力
    作用面の少なくとも一部を構成し、 前記突出部のうち、接触面垂直方向からみたときに接触
    面と重複する領域であって、かつ、その重複領域の幅方
    向の非重複領域側の側部又は幅方向の中間部に、作用す
    る応力に応じて抵抗値が変化する部位を含むゲージ部が
    局部的に形成されていることを特徴とする力検知素子。
  4. 【請求項4】 第2ブロックは、前記突出部の頂面に取
    付けられており、 ゲージ部は、前記突出部の高さ方向の中間部に局部的に
    形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の力検知素子。
  5. 【請求項5】 第1ブロックと、第2ブロックを備え、 第1ブロックは突出部を有し、 第2ブロックは前記突出部の頂面に取付けられており、 前記突出部の高さ方向の中間部に、作用する応力に応じ
    て抵抗値が変化する部位を含むゲージ部が局部的に形成
    されていることを特徴とする力検知素子。
  6. 【請求項6】 前記突出部は細長状であり、複数本設け
    られていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の力検知素子。
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