JP2007248371A - 力検知素子 - Google Patents

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健太朗 水野
Shoji Hashimoto
昭二 橋本
Yoshiteru Omura
義輝 大村
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Abstract

【課題】 検出感度が向上した力検知素子、あるいは、作用する力と出力の間に比例関係が得られる範囲が拡大した力検知素子を提供する。
【解決手段】 基礎ブロック4と、基礎ブロックの表面に密着している受圧ブロック2を備えている。受圧ブロック2に力が作用すると、受圧ブロック2と基礎ブロック4の密着面に応力分布が生じる。最大応力と最小応力の間に設定されている閾値よりも低い応力が分布している領域(すなわち応力非集中領域)と前記閾値よりも高い応力が分布している領域(すなわち応力集中領域)のいずれか一方に、ピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗路が選択的に形成されている。ピエゾ抵抗効果が出現する抵抗路が、応力非集中領域または応力集中領域のいずれか一方にのみ形成されていると、力と出力の間に比例関係が得られる範囲が拡大し、あるいは力検知素子の検知感度が向上する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、作用する力を電気信号に変換する力検知素子に関する。
本発明者らは、素子に作用する力を電気信号に変換する素子を開発した。その技術が、特許文献1に開示されている。
特開平6−34455号公報
特許文献1の力検知素子は、図1に模式的に示すように、基礎ブロック4と、その基礎ブロック4の表面に密着している受圧ブロック2を備えている。
基礎ブロック4は不動部に固定されて用いられる。例えば、エンジンの燃焼圧力を検知する場合には、エンジンのシリンンダブロック等の不動部に固定される。受圧ブロックの表面には、検知したい力が作用する。エンジンの燃焼圧力を検知する場合には、燃焼圧力によって変形するダイアフラム状の加圧部材が受圧ブロック2の表面に押し付けられる。
図1では図示されていないが、基礎ブロック4の表面に、ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路が形成されている。基礎ブロック4は、n型のシリコン単結晶で形成されており、図3に示すように、その(110)面が基礎ブロック4の表面とされている。基礎ブロック4の表面の局所的範囲に、p型不純物がドープされた領域12が形成されている。p型ドープ領域12は浅く、p型ドープ領域12の全周囲が、n型のシリコン単結晶で取り囲まれている。p型ドープ領域12は、基礎ブロック4の表面の長辺に沿って伸びており、受圧ブロック2の密着面を横断するのみならず、密着面の左右にまで伸びている。基礎ブロック4の表面は、p型ドープ領域12をも含めて、絶縁層で覆われている。
シリコン単結晶ブロック4の長辺に沿って離れた両端部は、受圧ブロック2で被覆されていない。そこに、1対の電極パッド6,8が形成されている。電極パッド6とドープ領域12は、絶縁層に形成されているコンタクトウインドウ16を介して接触している。電極パッド8とドープ領域12は、絶縁層に形成されているコンタクトウインドウ18を介して接触している。
電極パッド6と電極パッド8の間に電位差を加えると、p型のドープ領域12を電流が流れる。p型のドープ領域12は、n型のシリコン単結晶で取り囲まれており、電流がp型のドープ領域12からn型のシリコン単結晶に漏れでることはない。p型のドープ領域12の不純物濃度は、電極パッド6と電極パッド8の間に、適当な抵抗が得られる濃度に調整されている。ドープ領域12は、電極パッド6と電極パッド8の間に形成されている抵抗路を提供する。
図3に示すように、抵抗路(ドープ領域)12は、シリコン単結晶の(110)面を<110>方向に伸びている。シリコン単結晶の(110)面を<110>方向に伸びている抵抗路12にはピエゾ抵抗効果が現れる。すなわち、抵抗路12の抵抗率は、抵抗路12に作用する応力によって変化する。
特許文献1の力検知素子10は、ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路12が表面に形成されている基礎ブロック4と、基礎ブロック4の表面に密着している受圧ブロック2を備えており、電極パッド6と電極パッド8の間の抵抗を測定することによって、受圧ブロック2に作用している力を検知する。実際には、電極パッド6と電極パッド8の間に定電流電源を接続し、電極パッド6と電極パッド8の一方を接地し、電極パッド6と電極パッド8の他方の電圧を出力電圧とする。出力電圧は、受圧ブロック2に作用している力に依存して変化する。
力検知素子には、検知感度が高いこと、あるいは素子に作用する力と出力の間に比例関係が成立すること等が望まれている。
図4は、素子に作用する力と出力の関係を示し、ライン92は、高感度であり、しかも広い検知範囲で比例関係が得られる関係を例示している。
それに対してライン94は感度が低い場合を例示しており、ライン96は比例関係が損なわれる場合を例示している。
従来の力検知素子は、ライン96の特性であり、感度の面でも、比例関係(直線性)の面でも、改良の余地を残している。
図2の(1)は、力検知素子の平面図を示している。本発明者らが、基礎ブロック4と受圧ブロック2の密着面に生じる応力分布を調べたところ、極めて興味深い事象が見出された。
図2の(1)に示されているように、受圧ブロック2の左右に受圧ブロック2で被覆されない基礎ブロック4が広く残っている場合、受圧ブロック2の力が加えられると、受圧ブロック2の左右両端近傍に応力が集中し、中央部では応力が低下する。図2の(2)のカーブaは、図2(1)のa―a線に沿った応力分布を示している。それに対して、受圧ブロック2の上下には受圧ブロック2で被覆されない基礎ブロック4がほとんど残っていない場合、受圧ブロック2の力が加えられた時に、受圧ブロック2の上下両端近傍に顕著な応力集中は生じない。図2の(2)のカーブbは、図2(1)のb―b線に沿った応力分布を示しており、それほど大きな応力分布は生じない。図2(2)のカーブcは、図2(1)のc―c線に沿った応力分布を示しており、やはりそれほど大きな応力分布は生じない。
図2(1)のe1,e2は、応力集中箇所を示しており、受圧ブロック2で被覆されない基礎ブロック4が広く広がっている辺に沿って応力集中箇所e1,e2が発達する。受圧ブロック2で被覆されないために基礎ブロック4が圧縮されない領域と、受圧ブロック2によって基礎ブロック4が圧縮される領域の境界(正確には、受圧ブロック2と基礎ブロック4の密着面を画定する輪郭の内側)に、応力集中領域e1,e2が現れる。
図3は、従来の力検知素子10における、ピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗路12と応力集中箇所e1,e2の関係を示しており、抵抗路12は、応力が集中する箇所e1と、応力が集中しない箇所fと、応力が集中する箇所e2を横断している。
従来の力検知素子10では、図3に示す現象が生じていることが判明したために、下記のことがわかってきた。
(1) ピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗路12が応力の弱い領域fを通過しているために、検出感度が低下していることがわかる。応力集中箇所e1及び/又はe2に、選択的にピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗路12を形成すれば、検出感度をさらに向上させられることがわかる。
(2) ピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗路12が、応力集中箇所e1,e2と、応力非集中箇所fの両者を横断しているために、素子に作用する力と出力の間に比例関係(直線性)が得られる範囲が狭い。応力集中箇所e1,e2のみに抵抗路12を形成すれば、あるいはその逆に、応力非集中箇所fのみに抵抗路12を形成すれば、比例関係が得られる範囲を拡大できる可能性がある。
本発明は、上記の知見によって創作されたものであり、検出感度が向上した力検知素子、あるいは素子に作用する力と出力の間に比例関係が得られる範囲が拡大した力検知素子を提供する。
本発明で実現された力検知素子は、ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路が表面に形成されている基礎ブロックと、基礎ブロックの表面に密着している受圧ブロックを備えている。本発明の力検知素子は、受圧ブロックに力が作用した時に受圧ブロックと基礎ブロックの密着面に現れる最大応力と最小応力の間に設定されている閾値よりも低い応力が分布している領域(即ち、応力非集中領域)と高い応力が分布している領域(即ち、応力集中領域)のいずれか一方に、ピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗路が選択的に形成されていることを特徴とする。
なお、抵抗路の中には、ピエゾ抵抗効果が現れない方向に伸びている部分が存在することがある。本発明で重要なのは、ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路の存在位置であり、ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路が応力非集中領域または応力集中領域のいずれか一方にのみ形成されていれば、本発明の構成要件を満たす。ピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗路と発揮しない抵抗路の全体を観察すると、応力非集中領域と応力集中領域の両者にまたがっていても、ピエゾ抵抗効果が出現する抵抗路について観察すると、応力非集中領域または応力集中領域のいずれか一方にのみ形成されていれば、本発明の構成要件を満たす。
本発明の力検知素子では、ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路について観察すると、応力非集中領域または応力集中領域のいずれか一方にのみ形成されているために、素子に作用する力と出力の間に比例関係が得られる範囲が拡大する。特に、ピエゾ抵抗効果が出現する抵抗路が応力非集中領域のみに選択的に形成されていると、比例関係が得られる力の範囲が大きく拡大する。
あるいは、ピエゾ抵抗効果が出現する抵抗路が応力集中領域のみに選択的に形成されていると、力検知素子の検知感度が向上する。
受圧ブロックに覆われていない電極パッドに抵抗路を接続する必要があることから、抵抗路の全体を、応力非集中領域または応力集中領域のいずれか一方に形成することは難しい。
そのために、ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路が応力非集中領域または応力集中領域の一方に選択的に形成されており、ピエゾ抵抗効果が現れない抵抗路が応力非集中領域または応力集中領域の他方に選択的に形成されていることが好ましい。
この場合、比較的簡単に、受圧ブロックに覆われていない電極パッドに抵抗路を接続することが可能となる。しかも、力検知素子に求められる特性を悪化させることもない。
本発明の一つの態様では、ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路が、閾値よりも高い応力が分布している領域に選択的に形成されている。力検知素子の検知感度が向上する。
本発明の他の一つの態様では、ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路が、閾値よりも低い応力が分布している領域に選択的に形成されている。素子に作用する力と出力の間に比例関係が得られる範囲が拡大した力検知素子が得られる。
本発明の力検知素子を別の観点で説明すると、下記のように説明することができる。すなわち、本発明の力検知素子は、シリコン単結晶ブロックと、そのシリコン単結晶ブロックの表面に密着している受圧ブロックを備えている。シリコン単結晶ブロックは、長辺と短辺を有する長方形の表面を備えている。受圧ブロックは、前記した長辺の中間部の一部においてシリコン単結晶ブロックに密着しているとともに、前記した短辺のほぼ全長においてシリコン単結晶ブロックに密着している。受圧ブロックで被覆されていないシリコン単結晶ブロックの長辺に沿って離れた両端部に、1対の電極パッドが形成されている。シリコン単結晶ブロックの表面に、一対の電極パッド間に亘って伸びる抵抗路が形成されている。シリコン単結晶ブロックの表面は(110)面であり、短辺が<110>方向である。
図3に示したように、従来の力検知素子は長辺が<110>方向である。そのために、一対の電極パッド間に亘って伸びる抵抗路が、応力集中領域e1,e2と応力非集中領域fの両者を横断する。それに対して、短辺が<110>方向であると、ピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗路は短辺に沿って伸びることになる。すなわち、応力集中領域e1,e2と平行に伸びる抵抗路がピエゾ抵抗効果を発揮するために、ピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗路を、応力集中領域e1,e2内のみに配置する関係、あるいは、応力集中領域e1,e2を避けて配置する関係が得やすい。短辺が<110>方向であると、検知感度が高い力検知素子、あるいは素子に作用する力と出力の間に比例関係が得られる範囲が拡大した力検知素子が得られる。
本発明によれば、ピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗路を、応力集中領域内のみに選択的に配置して高い感度を得ること、あるいは、応力集中領域を避けて配置することによって素子に作用する力と出力の間に比例関係が得られる範囲を拡大すること等、素子に必要とされる特性に柔軟に対応することが可能となる。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。
(第1特徴) ピエゾ抵抗効果を発揮しない抵抗路については、その幅を広げることによって低抵抗化している。
(第2特徴) ピエゾ抵抗効果を発揮しない抵抗路については、電極パッドとのコンタクトを確保することによって低抵抗化している。
(第1実施例)
図5は、第1実施例の力検知素子20の平面図を示している。図示の明瞭化のために、受圧ブロック2を取り外した状態を図示している。全体構成は、図1と同様である。
図5に示すように、シリコン単結晶ブロック(基礎ブロック)4は、長方形の表面を備えており、その短辺が<110>方向となっている。シリコン単結晶ブロック4は、(110)面が表面に露出している。シリコン単結晶ブロック4の(110)面に形成されている抵抗路22は、<110>方向(短辺に平行な方向)に伸びている部分ではピエゾ抵抗効果が現れ、長辺に平行な方向に伸びている部分ではピエゾ抵抗効果が現れない。
n型シリコン単結晶ブロック4の(110)面には、局所的にp型不純物が導入されて抵抗路22が形成されている。抵抗路22は、長辺方向に伸びているためにピエゾ抵抗効果が現れない抵抗部分22aと、短辺方向に伸びているためにピエゾ抵抗効果が現れる抵抗部分22bと、長辺方向に伸びているためにピエゾ抵抗効果が現れない抵抗部分22cと、短辺方向に伸びているためにピエゾ抵抗効果が現れる抵抗部分22dと、長辺方向に伸びているためにピエゾ抵抗効果が現れない抵抗部分22eが直列に接続されて構成されている。ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗部分22b、22dは、応力集中箇所e1,e2内にのみに形成されている。なお、参照符号6,8は電極パッドであり、26,28はコンタクトウインドウであり、これらは従来技術と同一であるので、重複説明はしない。
第1実施例の力検知素子20では、ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗部分22b、22dが、応力集中箇所e1,e2内にのみに形成されているために、受圧ブロック2に作用する力に対して、抵抗路22の抵抗が敏感に変動する。図4のライン92に示すように、高い感度を得ることができる。
抵抗部分22a,22c,22eは、主として応力非集中箇所fに形成されている。しかしながら抵抗部分22a,22c,22eは、ピエゾ抵抗効果を有しないために、応力非集中箇所fに形成されていれも、力検知素子20の検出感度を低下させることはない。
(第2実施例)
図6は、第2実施例の力検知素子30の平面図を示している。図示の明瞭化のために、受圧ブロック2を取り外した状態を図示している。全体構成は、図1と同様である。
図6に示すように、シリコン単結晶ブロック(基礎ブロック)4は、長方形の表面を備えており、その短辺が<110>方向となっている。シリコン単結晶ブロック4は、(110)面が表面に露出している。シリコン単結晶ブロック4の(110)面に形成されている抵抗路32は、<110>方向(短辺に平行な方向)に伸びている部分ではピエゾ抵抗効果が現れ、長辺に平行な方向に伸びている部分ではピエゾ抵抗効果が現れない。
n型シリコン単結晶ブロック4の(110)面には、局所的にp型不純物が導入されて抵抗路32が形成されている。抵抗路32は、長辺方向に伸びているためにピエゾ抵抗効果が現れない抵抗部分32aと、短辺方向に伸びているためにピエゾ抵抗効果が現れる抵抗部分32bと、長辺方向に伸びているためにピエゾ抵抗効果が現れない抵抗部分32cが直列に接続されて構成されている。ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗部分32bは、応力非集中箇所f内にのみに形成されている。なお、参照符号6,8は電極パッドであり、36,38はコンタクトウインドウであり、これらは従来技術と同一であるので、重複説明はしない。
第2実施例の力検知素子30では、ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗部分32bが、応力集中非箇所f内にのみに形成されているために、受圧ブロック2に作用する力に対して、抵抗路22の抵抗が敏感には変動しない。しかしながら、ピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗部分32bが、応力非集中箇所f内にのみに形成されているために、受圧ブロック2に作用する力と出力の間に比例関係が得られる範囲を拡大することができる。図4のライン94に示すように、直線性に優れた特性を得ることができる。
抵抗部分32a,32cは、応力集中箇所e1,e2を横切っている。しかしながら抵抗部分32a,32cは、ピエゾ抵抗効果を有しないために、応力集中箇所e1,e2を横切っていても、力検知素子30の直線性(作用する力と出力の間に成立する比例関係)を損ねることはない。
(第3実施例)
図7は、第3実施例の力検知素子40の平面図を示している。図示の明瞭化のために、受圧ブロック2を取り外した状態を図示している。
第3実施例の力検知素子40は、第2実施例の抵抗部分32a,32cの抵抗値を減少させたものである。そのために、第2実施例の抵抗部分32a,32cに相当する抵抗部分42a,42cの上方に、電極パッド6,8から延長部分6a,8aが伸びている。抵抗部分42aと延長部分6aは、広い範囲でコンタクトウインドウ46によって導通しており、抵抗部分42cと延長部分8aは、広い範囲でコンタクトウインドウ48によって導通している。
図8は、図7のVIII−VIII線断面図を示している。図8の(a)は、基礎ブロック4に受圧ブロック2を密着固定する前段階を示している。図示4Pは、p型不純物がドープされた領域を示しており、この場合、抵抗路42aに相当する。図示44は、絶縁膜である。抵抗路42a上では絶縁膜44が除去されており、コンタクトウインドウ46が形成されている。そのコンタクトウインドウ46にアルミ配線6bが伸びてきている。アルミ配線6bは、アルミで形成されている電極パッド6から伸びてきている。アルミ配線6bは、絶縁膜44よりも厚く、コンタクトウインドウ46よりも幅が狭く形成されている。
図8(b)は、基礎ブロック4に受圧ブロック2を密着固定した状態を示している。アルミ配線6bは受圧ブロック2によって押しつぶされ、コンタクトウインドウ46を充填し、受圧ブロック2に密着している。この状態で、電極パッド6の延長部分6aとなっている。電極パッド6の延長部分6aが、長く伸びているコンタクトウインドウ46を介して、抵抗路42aに接触しているので、図7の抵抗路42aが伸びている範囲での実質的な抵抗は低い。なお、電極パッド8側でも同じ処理と構成となっている。
図7の第3実施例の力検知素子40によると、電極パッド6,8間の抵抗は、実質的にピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗部分42bによる抵抗のみとなり、出力から力に変換する回路を簡単に構成することができる。
図9は、第4実施例の力検知素子50の平面図を示している。図示の明瞭化のために、受圧ブロック2を取り外した状態を図示している。
第4実施例の力検知素子50は、第2実施例の抵抗部分32a,32cの抵抗値を減少させたものである。そのために、第2実施例の抵抗部分32a,32cに相当する抵抗部分52a,52eが極めて幅広に形成されている。スリット52b、52dによって、ピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗部分52cが形成されており、残部が抵抗部分52a,52eとされている。
図9の第4実施例の力検知素子50によると、電極パッド6,8間の抵抗の大部分は、ピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗部分52cによる抵抗となり、出力から力に変換する回路を簡単に構成することができる。
(第5実施例)
図10は、第5実施例の力検知素子70の平面図を示している。図示の明瞭化のために、受圧ブロック2を取り外した状態を図示している。全体構成は、図1と同様である。
図10に示すように、シリコン単結晶ブロック(基礎ブロック)4は、長方形の表面を備えており、その長辺が<110>方向となっている。この点において、いままでの実施例と相違する。シリコン単結晶ブロック4は、(110)面が表面に露出している。シリコン単結晶ブロック4の(110)面に形成されている抵抗路72は、<110>方向(長辺に平行な方向)に伸びている部分ではピエゾ抵抗効果が現れ、短辺に平行な方向に伸びている部分ではピエゾ抵抗効果が現れない。
図10に示すように、第5実施例の力検知素子70では、ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路72が、応力非集中領域f内にのみ形成されている。応力集中部e1,e2を、電極パッド6,8が通過しており、抵抗路72は通過していない。なお、76,78は、コンタクトウインドウである。
第5実施例の力検知素子70でもピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗部分72が、応力非集中箇所f内にのみに形成されているために、力と出力の間に比例関係が得られる範囲を拡大することができる。図4のライン94に示すように、直線性に優れた特性を得ることができる。
(第6実施例)
図11は、第6実施例の力検知素子60の平面図を示している。図示の明瞭化のために、受圧ブロック2を取り外した状態を図示している。全体構成は、図1と同様である。
図11に示すように、第6実施例の力検知素子60は、4個の電極パッド5,6,7,8と、4個の抵抗路62b,62d,62g,62eを備えている。抵抗路62d,62eはピエゾ抵抗効果を発揮するものであり、応力集中領域e1,e2に形成されている。抵抗路62b,62gはピエゾ抵抗効果を発揮しないものであり、応力非集中領域fに形成されている。なお、抵抗62a、62c、62f、62hは、4個の電極パッド5,6,7,8に接続するものであり、ピエゾ抵抗効果を発揮しない。
第6実施例の力検知素子60は、ブリッジを構成しており、電極パッド5,8間に電圧を加え、電極パッド6,7間に生じる電位差を検出する。この場合、温度による影響を補償することができる。
第6実施例の力検知素子60は、ピエゾ抵抗効果を発揮する抵抗路62d,62eが応力集中領域e1,e2に選択的に形成されているために、検出感度が高い。
以上では、表面が長方形の基礎ブロック4を用いる場合を説明した。図12に示すように、正方形の表面を有する基礎ブロック90を用いる場合にも本発明は、有用である。
図13(b)は、図12の受圧ブロック2の表面に力が作用したときに生じる応力分布であり、図13(a)の種々の断面における応力分布を示している。図13(a)に示す場合、参照番号80,82,84,86で示す領域は応力集中領域となり、参照番号88で示す領域は応力非集中領域となる。図13のx軸方向が、<110>の結晶方位であれば、領域80,82内をx軸方向に伸びる抵抗路を形成することによって、高感度の素子を実現することができる。領域88内をx軸方向に伸びる抵抗路を形成することによって、作用する力の広い範囲で線形性を有する素子を実現することができる。領域84,86内をy軸方向に伸びる抵抗路は、応力集中領域に配置されていても、ピエゾ抵抗効果を発揮しない。これらの特性を活用しながら抵抗路の配置位置と抵抗路の伸びる方向を選択することによって、力検知素子に多様な特性を具備することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
力検知素子の全体概観斜視図を示す。 力検知素子の平面図と応力分布を示す。 従来の力検知素子の抵抗路パターンを示す。 力検知素子に作用する力と出力の関係を示す。 第1実施例の力検知素子の抵抗路パターンを示す。 第2実施例の力検知素子の抵抗路パターンを示す。 第3実施例の力検知素子の抵抗路パターンを示す。 図7のVIII−VIII線断面図を示す。 第4実施例の力検知素子の抵抗路パターンを示す。 第5実施例の力検知素子の抵抗路パターンを示す。 第6実施例の力検知素子の抵抗路パターンを示す。 基礎ブロックの表面が正方形である力検知素子の全体概観斜視図を示す。 基礎ブロックの表面が正方形である力検知素子の応力分布を示す。
符号の説明
2: 受圧ブロック
4: 基礎ブロック(シリコン単結晶ブロック)
6: 電極パッド
8: 電極パッド
10,20,30,40,50,60,70:力検知素子
12,22,32,42,52,62,72:抵抗路

Claims (5)

  1. ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路が表面に形成されている基礎ブロックと、
    その基礎ブロックの表面に密着している受圧ブロックを備えており、
    その受圧ブロックに力が作用した時に受圧ブロックと基礎ブロックとの密着面に現れる最大応力と最小応力の間に設定されている閾値よりも低い応力が分布している領域と高い応力が分布している領域のいずれか一方に、前記抵抗路が選択的に形成されていることを特徴とする力検知素子。
  2. ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路が一方の領域に選択的に形成されており、
    ピエゾ抵抗効果が現れない抵抗路が他方の領域に選択的に形成されていることを特徴とする請求項1の力検知素子。
  3. ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路が、閾値よりも高い応力が分布している領域に選択的に形成されていることを特徴とする請求項2の力検知素子。
  4. ピエゾ抵抗効果が現れる抵抗路が、閾値よりも低い応力が分布している領域に選択的に形成されていることを特徴とする請求項2の力検知素子。
  5. シリコン単結晶ブロックと、
    そのシリコン単結晶ブロックの表面に密着している受圧ブロックを備えており、
    そのシリコン単結晶ブロックは、長辺と短辺を有する長方形の表面を備えており、
    その受圧ブロックは、前記長辺の中間部の一部と前記短辺のほぼ全長において、シリコン単結晶ブロックに密着しており、
    受圧ブロックで被覆されていないシリコン単結晶ブロックの長辺に沿って離れた両端部に1対の電極パッドが形成されており、
    シリコン単結晶ブロックの表面に、一対の電極パッド間に亘って伸びる抵抗路が形成されており、
    シリコン単結晶ブロックの表面は(110)面であり、短辺が<110>方向であることを特徴とする力検知素子。
JP2006074808A 2006-03-17 2006-03-17 力検知素子 Pending JP2007248371A (ja)

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