JP5032885B2 - 作業車の走行装置 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明の特徴構成は、車輪を夫々備えた一対の車輪ケースと機体フレームに支持された単一の受けフレームとに亘って、前記車輪ケースを独立して上下動可能に構成する一対のサスペンション機構を設けるとともに、前記受けフレームを前記機体フレームに対して単一の前後向きの軸芯回りにローリング作動自在に支持し、前記一対の車輪ケースに渡って、前記車輪同士の高さ位置が異なることに対して抵抗を与えて同一高さ位置となる方向に付勢するとともに前記車輪ケース同士の設置間隔の広がりを阻止する開き防止機構を掛け渡してあり、前記開き防止機構が機体前後方向において前記サスペンション機構より前方に位置してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、一対の車輪ケースは、受けフレームのローリング作動及びサスペンション機構によって、車輪の走行凹凸面に接地追従することによる走行車体への振動伝達を抑制するとともに、独立して上下動可能であるので、固定車軸式のものに比べて、上下動する部分の重量が軽く、凹凸面に対する接地追従性が良好で、乗り心地がよい。
車輪ケースは例えば基端部をミッションケースに連結し先端側を前記基端部より片持ち状に延出するように構成されたものがあるが、車輪ケース同士に開き防止機構が掛け渡されているので、車輪ケース同士の間隔の変動を抑制できる。
しかも、この開き防止機構は、車輪同士の高さ位置が異なることに対して抵抗を与えて同一高さ位置となる方向に付勢するスタビライザ機能を備えているので、走行機体がローリングすることを抑制できる。
したがって、サスペンション機構による凹凸走行面への良好な追従性を維持しながら、車輪ケース同士の間隔の変動を抑制できて、車輪ケースの基端部付近の耐久性を向上させることができた。
中立付勢手段を作用させることによって、受けフレームがローリング作動することに対して抵抗を付与して、細かい凹凸に追従することを抑制でき、走行機体の走行状態を安定したものにできる。
サスペンション機構の下向き付勢力を前記中立付勢手段の付勢力より大きくしてある。これによって、サスペンション機構を硬く作動し難いものとすることによって、例えば乗用型田植機において苗のせ台に十分な量の苗を載置した場合にも、走行機体が後下がり状態となりにくい。
サスペンション機構の上下作動に比べて受けフレームがローリング作動し易いので、通常の凹凸では主に受けフレームがローリング作動して対処することができる。大きな凹凸では、受けフレームのローリング作動と、サスペンション機構の上下作動との協働で対処することができる。
左右ともに略同一高さの凹凸が有る場合には受けフレームのローリング作動では対処できないので、サスペンション機構の上下作動によって、その高さ変動を吸収することができる。
受止融通機構を設けることによって、受けフレームがローリング作動等しても、サスペンション機構はその受けフレームに対して基準姿勢から傾斜する姿勢に切り換わり、サスペンション機構は接地面に対する垂直姿勢を維持することができ、車輪の接地安定性を確保できる。
しかも、受止融通機構を設けることによって、受けフレームとサスペンション機構との取り付け形態が固定されないので、サスペンション機構に傾斜する方向への荷重が掛かった場合であっても、その荷重方向にサスペンション機構が変位して、サスペンション機構に作用する荷重を吸収することができ、サスペンション機構自体の保護及び、受けフレームとの取り付け構造を保護することができる。
図1及び図2に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の後部に単一のトップリンク3及び左右一対のロアリンク4からなる昇降リンク機構が上下に揺動自在に支持され、トップリンク3及びロアリンク4を昇降駆動する油圧シリンダ5が備えられており、トップリンク3及びロアリンク4の後部に苗植付装置6が支持されて、水田作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。
これにより、油圧シリンダ5が収縮作動すると、トップリンク3及びロアリンク4が上方に揺動駆動されて、苗植付装置6が上昇駆動される。油圧シリンダ5が伸長作動すると、トップリンク3及びロアリンク4が下方に揺動駆動されて、苗植付装置6が下降駆動される。
次に、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2の支持構造について説明する。
図1及び図6に示すように、機体の左右中央に幅狭のミッションケース40が機体前後方向に備えられ、ミッションケース40の前部から右及び左の前車軸ケース41が延出されて、右及び左の前輪1を支持する前輪支持ケース7が、右及び左の前車軸ケース41の端部に操向自在に支持されている。ミッションケース40の後部の機体左右方向の横軸芯P1周りに、右及び左の後車輪ケース(車輪ケースの一例)8が独立に上下に揺動自在に支持され、右及び左の後車輪ケース8が後方に延出されて、右及び左の後車輪ケース8の後部に右及び左の後輪2が支持されている。
図3及び図4に示すように、アジャスタ部材29における芯ロッド材27の上端部を外嵌する部分には挿通孔29aを形成してあり、アジャスタ部材29に対する芯ロッド材27の相対上下動を許容するように構成してある。アジャスタ部材29を貫通して芯ロッド材27に螺合しているアジャスタボルト31は、アジャスタ部材29に対する芯ロッド材27の相対上下動に伴って一体で上下動し、受けフレーム24に対して相対上下動可能に構成してある。
以上のような構成によって、水田での作業走行や路上走行等において、凹凸に応じて右及び左の後車輪ケース8(右及び左の後輪2)が独立に上下に揺動し、右及び左のサスペンション機構25、25によりショックが吸収される
ここに、半球状のアジャスタ部材29の上端面と受けフレーム24の半球状受け面24bとで受止融通機構を構成する。
このような構成によって、アジャスタ部材29の傾きに対しても、受けフレーム24での保持を安定して行えるように構成してある。
中立復帰バネ34は左右一対配置されて、受けフレーム24を水平状態に中立復帰させるべく作動している。
一方、左右の凹凸が同じものである場合には、サスペンション機構25、25が作動して、接地追従性を確保している。
(1)開き防止機構としては、板バネ部材42だけでなく、コイルスプリングを両ブラケット8b、8bに架設したものでもよい。
(2)前輪1に対して前記したサスペンション機構25、開き防止機構等を施してもよい。
(3)サスペンション機構25としては、複数個のゴムリング材28を重ねて使用しているが、コイルスプリングを使用してもよい。
(4)受けフレーム24を、機体フレームとしての横フレーム21に対するローリングをしていない中立姿勢に保持するものとして中立復帰バネ34を一対配置しているが、単一のコイルバネで中立復帰バネ34を採用してもよい。
(5)本発明は乗用型田植機ばかりではなく、機体の後部に直播装置を上下動自在に支持した水田作業機や、機体の後部に代掻きロータリを上下動自在に支持した水田作業機にも適用できる。
8 後車輪ケース
21 横フレーム(機体フレーム)
24 受けフレーム
25 サスペンション機構
34 中立復帰バネ(中立付勢手段)
42 板バネ部材(開き防止機構)
G 田面
Claims (4)
- 車輪を夫々備えた一対の車輪ケースと機体フレームに支持された単一の受けフレームとに亘って、前記車輪ケースを独立して上下動可能に構成する一対のサスペンション機構を設けるとともに、受けフレームを前記機体フレームに対して単一の前後向きの軸芯回りにローリング作動自在に支持し、前記一対の車輪ケースに渡って、前記車輪同士の高さ位置が異なることに対して抵抗を与えて同一高さ位置となる方向に付勢するとともに前記車輪ケース同士の設置間隔の広がりを阻止する開き防止機構を掛け渡してあり、前記開き防止機構が機体前後方向において前記サスペンション機構より前方に位置してある作業車の走行装置。
- 前記受けフレームに、その受けフレームを前記機体フレームに対してローリング作動していない中立姿勢に復帰させる中立付勢手段を作用させてある請求項1記載の作業車の走行装置。
- 前記サスペンション機構の下向き付勢力を前記中立付勢手段の中立付勢力より大きくしてある請求項2記載の作業車の走行装置。
- 前記サスペンション機構の上端部を受け止める前記受けフレームと前記上端部に、前記サスペンション機構の前記受けフレームに対する基準姿勢から傾斜する姿勢への変化を許容する受止融通機構を設けてある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の作業車の走行装置。
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