JP2021098475A - 作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】地面の凹凸や傾斜の方向にかかわらず、簡単な構成で車体フレームを水平に近づけるようにし得る作業機を提供する。【解決手段】左右一対の前輪と、左右一対の後走行装置と、が備えられ、前輪と後走行装置とのそれぞれに、車体フレーム10をローリング作動可能に支持する揺動支持装置4Aが備えられ、車体フレーム10に対する前輪又は後走行装置の相対高さを、上下高さ方向における所定長さ範囲内で、左右各別に変更調節可能な車高調節機構4Cが、前輪と後走行装置のうちのいずれか一方に備えられている。【選択図】図3

Description

本発明は、左右一対の前走行装置と左右一対の後走行装置とで支持された車体フレームを備え、凹凸や傾斜面が存在する地面を走行しながら作業するのに適した作業機に関する。
この種の作業機において、従来では、左右一対の前走行装置に動力を伝達する前車軸ケース、及び左右一対の後走行装置に動力を伝達する後車軸ケースを、前後軸心回りで揺動自在に構成してある。このように、車体フレームに対して左右の前走行装置及び後走行装置を地面の凹凸や傾斜に沿うようにローリング作動させることにより、車体フレームの水平姿勢からの傾きを抑制し得るようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−94907号公報(段落0014,0018、図2乃至図4参照)
上記従来構成では、地面の凹凸や傾斜の方向が左右方向である場合には、前走行装置及び後走行装置のローリング作動により対応し得るが、地面の凹凸や傾斜の方向が前後方向である場合は対応させることができず、走行機体が大きくピッチング作動する可能性がある点で改善の余地がある。
本発明では、地面の凹凸や傾斜の方向にかかわらず、簡単な構成で車体フレームを水平に近づけるようにし得る作業機を提供しようとするものである。
本発明の特徴は、作業機において次のように構成したことである。
車体フレームの前部を支持する左右一対の前走行装置と、前記車体フレームの後部を支持する左右一対の後走行装置と、が備えられ、
前記前走行装置と前記後走行装置とのそれぞれに、前記車体フレームをローリング作動可能に支持する揺動支持装置が備えられ、
前記車体フレームに対する前記前走行装置又は前記後走行装置の相対高さを、上下高さ方向における所定長さ範囲内で、左右各別に変更調節可能な車高調節機構が、前記前走行装置と前記後走行装置のうちのいずれか一方に備えられている。
本発明によれば、車体フレームをローリング作動可能に支持する揺動支持装置の他に、車体フレームに対する前走行装置又は後走行装置の相対高さを、上下高さ方向における所定長さ範囲内で、左右各別に変更調節可能な車高調節機構が備えられている。これによって、前走行装置及び後走行装置をローリング作動させて左右方向での車体フレームの姿勢を水平に近づける方向に調節することができるとともに、車体フレームに対する前走行装置又は後走行装置の相対高さも左右各別に変更調節して、前後方向での車体フレームの姿勢を水平に近づける方向に調節し得る。
したがって、地面の凹凸や傾斜が左右方向であるか前後方向であるかの如何にかかわらず、作業走行中の車体フレームの水平姿勢を維持するように姿勢調節を行い易い。そして、このような姿勢維持のために用いられる揺動支持装置と車高調節機構の組み合わせ構造が、前走行装置と後走行装置のうちのいずれか一方に備えられるものであるから、揺動支持装置と車高調節機構の組み合わせ構造が、前走行装置及び後走行装置の双方に設けられる場合に比べて、車体の軽量化やコスト低減を図ることもできる。
本発明においては、前記車高調節機構は、前記後走行装置に備えられていると好適である。
本構成によれば、後走行装置に車高調節機構が備えられることにより、走行機体の後部に備えられる各種装置の姿勢変化を抑制し易い点で有用である。
本発明においては、前記前走行装置又は前記後走行装置のうち、前記揺動支持装置と前記車高調節機構の双方が備えられたものにおいて、前記揺動支持装置の揺動作動範囲内で、前記車体フレームを前記揺動作動範囲の中央側へ復帰付勢する付勢部材が備えられていると好適である。
本構成によれば、車体フレームを揺動作動範囲の中央側へ復帰付勢する付勢部材が、揺動支持装置と車高調節機構の双方が備えられた前走行装置又は後走行装置に対して備えられている。これによって、揺動支持装置と車体フレームとの間の相対揺動を全くの自由状態とするのではなく、付勢部材の付勢力によって車体フレームを揺動作動範囲の中央側へ復帰付勢し、車体フレームの姿勢を安定させている。
本発明においては、前記車高調節機構と共に備えられた側の前記揺動支持装置の揺動作動量が、前記車高調節機構が備えられていない側の前記揺動支持装置の揺動作動量よりも小さく設定されていると好適である。
本構成によれば、車高調節機構を揺動支持装置と併用することにより、揺動支持装置の揺動作動量を少なくしても、車高調節機構の作動量で補うことができるので、揺動支持装置自体の揺動作動可能範囲は少なくして、車体フレームの大きな揺動姿勢変化を制限し得る。
作業機の全体側面図である。 作業機の車輪支持構造を示す平面図である。 車輪支持構造を示す背面図である。 最大伸長状態の車高調節機構の横断背面図である。 最短状態の車高調節機構の横断背面図である。 側面視における作業機の動作説明図である。 正面視における作業機の動作説明図である。 正面視における作業機の動作説明図である。 正面視における作業機の動作説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように定義している。つまり、本発明の作業機における作業走行時の前進側の進行方向(図1,2における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1,2における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図2における矢印L参照)が「左」である。
〔全体構成〕
図1に本実施形態に係る作業機としての乗用管理機が示されている。この乗用管理機は、四輪走行型の走行機体1の後部に作業装置としての薬剤散布装置2が備えられている。この乗用管理機は、既に作物が植え付けられている圃場において、作物の植付条を跨いで走行しながら作物に対して薬剤を散布する作業を行うものである。尚、本実施形態では本発明を乗用管理機に適用した場合の例について説明するが、本発明の適用対象はこれに限られるものではない。
走行機体1の前部の左右両側に旋回操作可能な走行車輪3としての一対の前輪3F(前走行装置に相当する)が備えられ、走行機体1の後部の左右両側に旋回操作可能な走行車輪3としての一対の後輪3R(後走行装置に相当する)が備えられている。このように四輪が全て旋回可能であり、例えば、二つの前輪3Fだけを旋回させる二輪操舵状態と、前輪3Fと後輪3Rとを逆方向に旋回させて小さい旋回半径で走行する四輪操舵状態とに切り換え可能である。
前輪3F及び後輪3Rは、作物条の間、つまり条間を走行することができるように設けられている。走行機体1における車体フレーム10の前部にエンジン11が搭載され、走行機体1の後部に運転部12が備えられている。走行機体1の下部には、エンジン11の動力を変速する図示しない変速装置を内装するミッションケース7が備えられている。ミッションケース7は、エンジン11の後下部から側面視で後輪3Rに対応する箇所まで前後方向に延びる状態で設けられている。
エンジン11の下部側には外周部を覆う状態で前部側フレーム体8が備えられている。ミッションケース7と前部側フレーム体8とが一体的に連結されており、これらにより車体全体を支持する車体フレーム10が構成されている。運転部12には、運転者が着座する運転座席12aと、運転座席12aの前方に位置してステアリング操作を行うステアリングハンドル12bとが備えられている。運転部12には、それ以外に、薬剤散布装置2を昇降するための昇降レバー12cや変速レバー12d等も備えられている。
エンジン11の動力は、ミッションケース7内の変速装置にて変速されたのち、左右の前輪3F及び左右の後輪3Rに伝達される。従って、走行機体1は、四つの走行車輪3が駆動される四輪駆動型に構成されている。
〔車輪支持部4〕
前輪3Fの車輪支持部4、及び後輪3Rの車輪支持部4には、それぞれに、車体フレーム10をローリング作動可能に支持する揺動支持装置4A、及び操向操作装置4Bが備えられている。そして後輪3Rの車輪支持部4には、前記揺動支持装置4A、及び操向操作装置4Bの他に、車体フレーム10に対する後輪3Rの相対高さを、上下高さ方向における所定長さ範囲内で、左右各別に変更調節可能な車高調節機構4Cも備えられている。
〔揺動支持装置〕
前輪3F及び後輪3Rのそれぞれに備えられる揺動支持装置4Aについて説明する。
図2及び図3に示すように、左右の後輪3Rの左右中間部に筒状の後部横向き伝動ケース13が位置し、この後部横向き伝動ケース13の内部に横向き伝動軸14が備えられる。ミッションケース7での変速後の動力が前後向きの中間軸16、横向き伝動軸14を介して左右両側の後輪3Rに伝達される。後部横向き伝動ケース13は、車体フレーム10に対して中間軸16と同一軸芯である前後軸芯X周りでローリング(回動)自在に支持されている。
図2に示すように、左右の前輪3Fの左右中間部に、筒状の前部横向き伝動ケース15が備えられ、ミッションケース7からの動力が前後向きの中間軸16、前部横向き伝動ケース15内に備えられた差動機構(図示せず)と横向き伝動軸14とを介して左右の前輪3Fに伝達される。前部横向き伝動ケース15は、車体フレーム10に対して中間軸16と同一軸芯である前後軸芯X周りでローリング(回動)自在に支持されている。
上記のように、前輪3Fには、前後軸芯X周りでローリング自在に支持されている前部横向き伝動ケース15と、前部横向き伝動ケース15内に備えられた差動機構と、前部横向き伝動ケース15内に備えられた横向き伝動軸14と、を有した揺動支持装置4Aが備えられている。前輪3Fは、揺動支持装置4Aの左右端部から下向きに延出された縦向き伝動ケース19の下部に支持されている。
図2に示すように、左右の後輪3Rの左右中間部に、筒状の後部横向き伝動ケース13が備えられ、ミッションケース7からの動力が前後向きの中間軸16、後部横向き伝動ケース13内に備えられた横向き伝動軸14とを介して左右の後輪3Rに伝達される。後部横向き伝動ケース13は、車体フレーム10に対して中間軸16と同一軸芯である前後軸芯X周りでローリング(回動)自在に支持されている。
後輪3Rには、前後軸芯X周りでローリング自在に支持されている後部横向き伝動ケース13と、後部横向き伝動ケース13の内部に備えられた横向き伝動軸14と、を有した揺動支持装置4Aが備えられている。後輪3Rは、揺動支持装置4Aの左右端部から下向きに延出された縦向き伝動ケース19の下部に支持されている。
この後輪3Rの揺動支持装置4Aでは、図3に仮想線で示すように、後部横向き伝動ケース13の上面と、車体フレーム10の下面との間に、走行機体1の水平姿勢で、その後部横向き伝動ケース13の上面と車体フレーム10の下面との両方に当接させた状態で弾性材(付勢部材)5が介装されている。弾性材5は、体積弾性変形可能なブロック状の防振ゴム材で構成されている。なお、弾性材5は、後部横向き伝動ケース13に取り付けられていてもよく、車体フレーム10に取り付けられていてもよく、両方に取り付けられていてもよく、後部横向き伝動ケース13及び車体フレーム10とは異なる部材に取り付けられていてもよい。
この弾性材5が存在することで、走行機体1は、水平姿勢からの姿勢変化が生じると、直ちに圧縮される側の弾性材5の弾性復元力が作用し、後部横向き伝動ケース13の前後軸芯X周りでの姿勢変化に抵抗を与える状態となる。
〔操向操作機構〕
前輪3F及び後輪3Rのそれぞれに備えられる操向操作装置4Bについて説明する。
図4及び図5に、後輪3Rのうちの、右側の後輪3Rの車輪支持部4を示す。二個の後輪3Rの夫々は、左右対称に設けられているが、同じ構成であるから、左側の後輪3Rの説明は省略する。
図4及び図5に示すように、後部横向き伝動ケース13の端部は、上側のベベルギア機構21を覆う状態で正面視で湾曲状に折れ曲がる形状となっており、下向きに開放する開口が形成されている。縦向き伝動ケース19の上端部に一体的に連結された上部接続体23が、開口を覆うように後部横向き伝動ケース13の端部に、縦向き伝動軸20の回転軸芯Y周りで回動可能に嵌合接続されている。縦向き伝動ケース19の下端部には、下側のベベルギア機構22を覆うとともに、後輪3Rの回転軸3aを支持するための車輪支持ケース24が連結されている。
図5に示すように、上部接続体23が嵌合接続されている状態で抜け外れるのを防止する抜け止め具25が備えられている。抜け止め具25は、帯板状の部材からなり、一端部が上部接続体23の外周部にボルト26で連結され、後部横向き伝動ケース13の端部に係合して抜け外れを防止する。
図3,4に示すように、後部横向き伝動ケース13の前方に位置して後部横向き伝動ケース13に対して平行な姿勢で、ステアリング操作用の複動型の油圧シリンダ(以下、ステアリングシリンダ27と称する)が備えられている。ステアリングシリンダ27のシリンダチューブ28がブラケット29を介して後部横向き伝動ケース13に連結されている。ステアリングシリンダ27のピストンロッド30がタイロッド32の一端部に連動連結され、タイロッド32の他端部がボールジョイント33を介して上部接続体23に設けられたナックルアーム34に連動連結されている。
ステアリングシリンダ27が作動することにより、ナックルアーム34と上部接続体23を介して、縦向き伝動ケース19、車輪支持ケース24及び後輪3Rの夫々が一体的に縦向き伝動軸20の回転軸芯Y周りで回動して、後輪3Rが向き変更操作される。ステアリングシリンダ27は、ステアリングハンドル12bの操作に応じて切り換え操作されて、直進走行用の中立位置から左方向あるいは右方向に油圧によってスライド操作される。
前輪3Fにおける操向操作装置4Bは、図示はしないが、縦向き伝動ケース19や縦向き伝動軸20が、長さ方向の途中で分断されずに一体のもので構成されている以外は、後輪3Rにおける操向操作装置4Bと同一の構造である。
〔車高調節機構〕
図4及び図5に、右側の後輪3Rの車輪支持部4に備えられる車高調節機構4Cを示す。この車高調節機構4Cは、左右の後輪3Rの車輪支持部4に備えられているが、左右対称で同じ構成であるから、左側の後輪3Rにおける車高調節機構4Cの説明は省略する。
縦向き伝動軸20及び縦向き伝動ケース19の夫々が、縦向き伝動軸20の軸芯方向に摺動しながら伸縮可能な内外二重構造に構成されている。図4,5に示すように、縦向き伝動ケース19は、外筒部材19Aと内筒部材19Bとを有し、それらが摺動しながら伸縮可能となるように構成されている。縦向き伝動ケース19は、外筒部材19Aが下側に位置し、内筒部材19Bが上側に位置する状態で備えられ、外筒部材19Aの下端部が車輪支持ケース24に一体的に連結され、内筒部材19Bの上端部が上部接続体23に一体的に連結されている。
縦向き伝動軸20は、筒軸20Aと、筒軸20Aの内部にスプライン嵌合して一体回転する状態を維持しながら軸芯方向にスライド可能な内軸20Bとを有している。内軸20Bの上端部が上側のベベルギア機構21に一体回転可能に連結されている。筒軸20Aの下端部が下側のベベルギア機構22に一体回転可能に連結されている。
縦向き伝動軸20及び縦向き伝動ケース19を、縦向き伝動軸20の回転軸芯Y方向に伸縮操作して、後輪3Rの車体フレーム10に対する相対高さを複数段階に切り換え可能な油圧操作式の車高調節機構4Cが備えられている。図3に示すように、車高調節機構4Cに、縦向き伝動軸20の軸芯方向に沿って延びる油圧シリンダ41が備えられている。
油圧シリンダ41は、上部接続体23と車輪支持ケース24の下部に設けられた支持ブラケット42とに亘って設けられている。油圧シリンダ41のシリンダチューブ41Aの上端部が上部接続体23に一体的に連結され、油圧シリンダ41のピストンロッド41Bの下端部が車輪支持ケース24に連結されている。従って、上部接続体23と車輪支持ケース24とが、油圧シリンダ41を介して一体的に連結されている。
油圧シリンダ41を伸縮操作することにより、図4に示すように最も伸長した状態と、図5に示すように最も縮退した状態と、にわたり車高を所定範囲(例えば、数十cm程度)で変更調節することができる。縦向き伝動ケース19が最も伸長した状態において、外筒部材19Aと内筒部材19Bとが重なり合う重合部50の外周側が筒状のベース部材45により支持されている。このように、縦向き伝動ケース19が伸長することにより重合部50の上下幅が狭い場合であっても、ベース部材45によって外周側を支持することにより、支持強度の低下を防止している。
支持ボス部51は、内筒部材19Bの上下方向の中間部よりも下方側に至るまで下方に長く延びる状態で設けられている。このように上下方向に長い支持ボス部51により内周側から縦向き伝動ケース19を支持することにより、縦向き伝動ケース19の支持強度の低下を防止している。
〔姿勢調節について〕
上記の揺動支持装置4A、及び車高調節機構4Cを用いての姿勢調節形態を説明する。
図6及び図7に示すように、走行機体1が水平な地面G0に位置しているときは、揺動支持装置4A、及び車高調節機構4Cのいずれも、基準位置にあり、車体フレーム10が水平に維持されている。
図6で仮想線G1で示すように、後ろ上がり(前下がり)の傾斜面を走行する際には、後輪3Rの車高調節機構4Cを用いて走行機体1の後部の車高を低くした姿勢に調節する。
図6で仮想線G2で示すように、後ろ下がり(前上がり)の傾斜面を走行する際には、後輪3Rの車高調節機構4Cを用いて走行機体1の後部の車高を高くした姿勢に調節する。
このようにして、走行地面の前後方向の傾斜に対応した姿勢変更を行って、走行機体1のピッチング作動を抑制し得る。
図8に示すように、走行機体1が右下がり(左上がり)の地面GRを走行する場合には、揺動支持装置4Aにより、後部横向き伝動ケース13が前後軸心X回りで右下がり(左上がり)に揺動するとともに、車高調節機構4Cにより、右の縦向き伝動ケース19を伸長させて(左の縦向き伝動ケース19を収縮させて)、走行機体1を水平姿勢に沿わせるように調節する。
図9に示すように、走行機体1が左下がり(右上がり)の地面GLを走行する場合には、揺動支持装置4Aにより、後部横向き伝動ケース13が前後軸心X回りで左下がり(右上がり)に揺動するとともに、車高調節機構4Cにより、右の縦向き伝動ケース19を収縮させて(左の縦向き伝動ケース19を伸長させて)、走行機体1を水平姿勢に沿わせるように調節する。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、後輪3Rの車輪支持部4に車高調節機構4Cを設けた構造のものを例示したが、必ずしも、この構造に限定されるものではない。
例えば、前輪3Fの車輪支持部4に車高調節機構4Cを設けて、前輪3Fで車高調節を行うようにしたものであっても良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
(2)上記実施形態では、弾性材5として、体積弾性変形可能なブロック状の防振ゴムを用いて、走行機体1の水平姿勢で、後部横向き伝動ケース13の上面と車体フレーム10の下面との両方に当接する構造のものを例示したが、必ずしも、この構造に限られるものではない。
例えば、ブロック状の防振ゴムが、後部横向き伝動ケース13の上面と車体フレーム10の下面とのうちの、一方に当接し、他方の面との間に僅かな隙間を有したものであってもよい。
また、弾性材5として、ブロック状の防振ゴムに限らず、例えば、コイルスプリングや、屈曲変形する板バネを用いたものであってもよい。
(3)上記実施形態では、作業装置として走行車体の後部に薬剤散布装置2が備えられる構成としたが、作業装置としては施肥装置や他の種類の作業装置を備える構成としてもよい。又、作業装置が走行車体において前輪3Fと後輪3Rとの前後中間位置に位置する状態で備えられる構成としてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
(4)上記実施形態では、前走行装置及び後走行装置として、前輪3F及び後輪4Fを備えた構造のものを例示したが、これに限らず、前輪3F及び後輪4Fの何れかを、もしくは両方をクローラ走行装置で構成しても良い。
(5)上記実施形態では、付勢部材としての弾性材5が後部横向き伝動ケース13の上面と車体フレーム10の下面との間に配置されているものを例示したが、これに限らず、付勢部材は、走行機体1の後部横向き伝動ケース13の前後軸芯X周りでの姿勢変化に抵抗を与えることができればよい。例えば、付勢部材が中間軸16に付勢力を付与するように備えられていてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
本発明は、乗用管理機に限らず、トラクタやコンバイン等の農機、あるいは運搬車などの各種の作業機に適用できる。
3F 前走行装置
3R 後走行装置
4A 揺動支持装置
4C 車高調節機構
5 弾性材(付勢部材)
10 車体フレーム

Claims (4)

  1. 車体フレームの前部を支持する左右一対の前走行装置と、前記車体フレームの後部を支持する左右一対の後走行装置と、が備えられ、
    前記前走行装置と前記後走行装置とのそれぞれに、前記車体フレームをローリング作動可能に支持する揺動支持装置が備えられ、
    前記車体フレームに対する前記前走行装置又は前記後走行装置の相対高さを、上下高さ方向における所定長さ範囲内で、左右各別に変更調節可能な車高調節機構が、前記前走行装置と前記後走行装置のうちのいずれか一方に備えられている作業機。
  2. 前記車高調節機構は、前記後走行装置に備えられている請求項1記載の作業機。
  3. 前記前走行装置又は前記後走行装置のうち、前記揺動支持装置と前記車高調節機構の双方が備えられたものにおいて、
    前記揺動支持装置の揺動作動範囲内で、前記車体フレームを前記揺動作動範囲の中央側へ復帰付勢する付勢部材が備えられている請求項1又は2記載の作業機。
  4. 前記車高調節機構と共に備えられた側の前記揺動支持装置の揺動作動量が、前記車高調節機構が備えられていない側の前記揺動支持装置の揺動作動量よりも小さく設定されている請求項1〜3のいずれか一項記載の作業機。
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