JP4250604B2 - 作業車の後輪支持構造 - Google Patents
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Description
右及び左の後輪を機体にサスペンション機構を介して支持する構造としては、特許文献1に開示されているように、独立に上下揺動自在な右及び左の支持ケースの後端に右及び左の後輪を支持する構造や、右及び左の後輪を備えた後車軸ケースを機体にサスペンション機構を介して支持する構造がある。
本発明は右及び左の後輪を機体にサスペンション機構を介して支持するように構成した作業車の後輪支持構造において、機体の姿勢を安定したものにすることができるように構成することを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は作業車の後輪支持構造において次のように構成することにある。
右及び左の前輪と、右及び左の後輪とを備えて、右及び左の後輪を機体に左右各別にサスペンション機構を介して支持し、機体の後部に昇降駆動されるリンク機構を備え、リンク機構の後部に作業装置を連結すると共に、リンク機構を下降させた作業装置の標準的な作業姿勢からこれよりも高いリンク機構の所定高さ位置と最上昇位置との間の高さ位置にリンク機構が上昇駆動されると、前記右及び左の後輪の予め設定された高さよりも上昇側への移動を規制するとともに右及び左の後輪の下降側への移動は許容するように、左右のサスペンション機構の伸縮範囲を規制する規制手段を備えてある。
本発明の第1特徴によると、左右各別にサスペンション機構が機体上昇限度及び機体下降限度の全範囲で作動している状態において、リンク機構を所定高さ以上に上昇させたときに、規制手段により右及び左の後輪の予め設定された高さよりも上昇側への移動が規制されるとともに右及び左の後輪の下降側への移動が許容されるように、左右のサスペンション機構の伸縮範囲が規制される。これにより、リンク機構を所定高さ以上に上昇させたときに機体が所望の姿勢から外れる側にサスペンション機構が作動することが規制されるのであり、機体が所望の姿勢となる範囲でサスペンション機構が作動するように規制することが可能になる。
本発明の第1特徴によれば、機体の後部に昇降駆動自在に連結された作業装置が所定高さ以上に上昇駆動されると、規制手段により右及び左の後輪の予め設定された高さよりも上昇側への移動が規制されるとともに右及び左の後輪の下降側への移動が許容されるように、左右のサスペンション機構の伸縮範囲が規制されて作動することになるので、リンク機構を所定高さ以上に上昇させたときに機体の後部が下がる状態(サスペンション機構が規制された伸縮範囲を越えて機体後部が下降側に作動する状態)が防止される。
これにより、作業車の一例である乗用型田植機において、例えば深い水田に入って走行する場合、機体の後部が田面に入り込んで田面を荒らしてしまう状態を防止することができるのであり、水田から畦を乗り越えて出て行く場合、機体の後部が下がって、水田から畦を乗り越えて出て行くことが困難になる状態を防止することができる。
本発明の第1特徴によると、右及び左の後輪を機体に左右各別にサスペンション機構を介して支持するように構成した作業車の後輪支持構造において、規制手段により右及び左の後輪の予め設定された高さよりも上昇側への移動が規制されるとともに右及び左の後輪の下降側への移動が許容されるように、左右のサスペンション機構の伸縮範囲を規制することにより、機体を所望の姿勢に安定したものにすることが可能になって、作業車の走行性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、第1特徴の作業車の後輪支持構造において次のように構成することにある。
規制手段は、リンク機構が所定高さ位置まで上昇駆動されると、前記リンク機構の右及び左のロアリンクの前端部が右及び左の後輪の後車軸ケースに形成した右及び左の規制部材に接当する構造によって構成されている。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明によれば、既存の構造と言ってよいリンク機構によって左右のサスペンション機構の伸縮範囲が規制されるので、左右のサスペンション機構の伸縮範囲を規制する為の専用の機構が不要になる。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、機体の後部に昇降駆動自在に連結された作業装置を上昇駆動して走行する場合、左右のサスペンション機構の伸縮範囲を規制する為の専用の機構が不要になって、構造の簡素化の面で有利なものとなった。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられており、リンク機構3の後部に苗植付装置5(作業装置に相当)が支持されて、作業車の一例である乗用型田植機が構成されている。
次に、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2の支持構造について説明する。
図1,3,5に示すように、機体の前部にミッションケース17が固定され、ミッションケース17の前部に連結された支持フレーム18に、エンジン19が支持されている。角パイプ状の右及び左の機体フレーム21が、ミッションケース17の後部の上部に連結されて後方に延出されており、ミッションケース17の後部と右及び左の機体フレーム21とに亘って、側面視三角形状の補強部材20が連結されている。
次に、右及び左の前輪1への伝動構造について説明する。
図1及び図5に示すように、ミッションケース17の左の横側部に静油圧式無段変速装置33が連結されており、エンジン19の動力が静油圧式無段変速装置33に伝動ベルト35を介して伝達されている。静油圧式無段変速装置33の動力が、ギヤ型式の副変速装置(図示せず)及び前輪デフ機構(図示せず)を介して、図7に示すように、右及び左の前車軸ケース23の内部に配置された伝動軸63に伝達される。右及び左の前車軸ケース23の支持部23aに、ベアリング67を介してベベルギヤ68(上側)及び受け部材69(下側)が支持され、伝動軸63に固定されたベベルギヤ66とベベルギヤ68とが咬合している。伝動軸70がスプライン構造によりベベルギヤ68及び受け部材69と一体回転及びスライド自在に取り付けられ、伝動軸70の下端にベベルギヤ71が固定されている。
次に、後車軸ケース28の右及び左の後輪2への伝動構造について説明する。
図2,3,5に示すように、ミッションケース17の後部の下部に走行出力軸78が備えられ後向き突出して、前輪デフ機構(図示せず)の直前から分岐した動力が走行出力軸78に伝達されている。走行出力軸78の端部に自在継手82が取り付けられ、伝動軸84が円筒継手83(動力を伝達しながら自在継手82に対する伝動軸84のスライドを許容する)を介して自在継手82に接続されている。後車軸ケース28の前部に入力軸38が前向きに突出しており、伝動軸84と入力軸38とが自在継手82を介して接続されている。
図1及び図3に示すように、リンク機構3はトップリンク3a及び右及び左のロアリンク3bによって構成されており、右及び左の機体フレーム21の後端部の横軸芯P9周りに、リンク機構3の右及び左のロアリンク3bが上下に揺動自在に支持されている。図3,4,5に示すように、後車軸ケース28の右及び左のフランジ部28aに、右及び左の規制部材36(規制手段に相当)がボルトによって連結されており、リンク機構3の右及び左のロアリンク3bの前端部に、右及び左のブラケット37(規制手段に相当)が連結されて、右及び左のブラケット37に規制ピン37aが横外向きに連結されている。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、図8に示すように、支持ピン31に固定されたアーム31bと右及び左の機体フレーム21とに亘って、ダンパー50(ショックアブソーバ)(ガススプリング)を接続する構成を追加してもよい。
2 右及び左の後輪
3 リンク機構
5 作業装置
32 サスペンション機構
36,37 規制手段
Claims (2)
- 右及び左の前輪と、右及び左の後輪とを備えて、右及び左の後輪を機体に左右各別にサスペンション機構を介して支持し、
機体の後部に昇降駆動されるリンク機構を備え、前記リンク機構の後部に作業装置を連結すると共に、
前記リンク機構を下降させた作業装置の標準的な作業姿勢からこれよりも高い前記リンク機構の所定高さ位置と最上昇位置との間の高さ位置に前記リンク機構が上昇駆動されると、前記右及び左の後輪の予め設定された高さよりも上昇側への移動を規制するとともに右及び左の後輪の下降側への移動は許容するように、左右の前記サスペンション機構の伸縮範囲を規制する規制手段を備えてある作業車の後輪支持構造。 - 規制手段は、リンク機構が所定高さ位置まで上昇駆動されると、前記リンク機構の右及び左のロアリンクの前端部が右及び左の後輪の後車軸ケースに形成した右及び左の規制部材に接当する構造によって構成されている請求項1記載の作業車の後輪支持構造。
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