JP5032425B2 - 太さ斑を有するポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法および布帛および繊維製品 - Google Patents

太さ斑を有するポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法および布帛および繊維製品 Download PDF

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本発明は、染色によりフィラメントの長さ方向に濃染部分と淡染部分とが発現するだけでなく、布帛とした場合、無染色の状態でもその十分な太さ斑により視覚的特徴を呈することが可能な太さ斑を有し、しかも分繊用ポリエステルマルチフィラメントから容易に分繊可能なポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法、前記ポリエステルモノフィラメントを用いてなる布帛、および該布帛を用いてなる繊維製品に関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル長繊維は、衣料用、産業資材用等に巾広く用いられている。しかし、その製造方法の特性により、天然繊維や紡績糸に見られるような大きな太さ斑がなく、風合いや外観変化に乏しいという問題があった。
かかる問題を解消するため、例えば特許文献1では、フィラメントの長さ方向に太さ斑を有するポリエステルマルチフィラメントを用いて独特の視覚的特徴を有する布帛を得ることが提案されている。
しかしながら、かかる太さ斑を有するシックアンドシンポリエステルマルチフィラメントを用いて得られた布帛では、十分な視覚的特徴を呈するものではなかった。
なお、分繊用ポリエステルマルチフィラメントからポリエステルモノフィラメントを分繊することは、例えば特許文献2などにより知られている。
特開2000−234232号公報 特開2007−31848号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、染色によりフィラメントの長さ方向に濃染部分と淡染部分とが発現するだけでなく、布帛とした場合、無染色の状態でもその十分な太さ斑(シックアンドシン効果)により視覚的特徴を呈することが可能な太さ斑を有し、しかも分繊用ポリエステルマルチフィラメントから容易に分繊可能なポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法、前記ポリエステルモノフィラメントを用いてなる布帛、および該布帛を用いてなる繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の太さ斑を有し、かつ平均繊度が特定の範囲内であり、かつ引張り強力が大きいポリエステルモノフィラメントで布帛を構成すると、該布帛はポリエステルモノフィラメントの十分な太さ斑により無染色の状態でも視覚的特徴を呈すること、また、前記ポリエステルモノフィラメントは分繊用ポリエステルマルチフィラメントから容易に製造可能であることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「ポリエステルモノフィラメントであって、フィラメントの長さ方向にU%で5〜20%の太さ斑を有し、かつ平均繊度が5.5〜50dtexの範囲内であり、かつポリエステルモノフィラメントの引張り強力が7.0cN以上であることを特徴とする太さ斑を有するポリエステルモノフィラメント。」が提供される。
その際、前記ポリエステルモノフィラメントがポリエチレンテレフタレートからなることが好ましい。
また、本発明によれば、前記ポリエステルモノフィラメントを、分繊用ポリエステルマルチフィラメントを分繊して製造する、前記の太さ斑を有するポリエステルモノフィラメントの製造方法が提供される。
また、本発明によれば、前記のポリエステルモノフィラメントを含む布帛が提供される。その際、布帛に染色加工が施されていることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の布帛を用いてなる紳士衣料、婦人衣料、スポーツ衣料、カーテン、椅子張り、パーテーションおよびカーシートからなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、染色によりフィラメントの長さ方向に濃染部分と淡染部分とが発現するだけでなく、布帛とした場合、無染色の状態でもその十分な太さ斑により視覚的特徴を呈することが可能な太さ斑を有し、しかも分繊用ポリエステルマルチフィラメントから容易に分繊可能なポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法、前記ポリエステルモノフィラメントを用いてなる布帛、および該布帛を用いてなる繊維製品が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明のポリエステルモノフィラメント(「シックアンドシンモノフィラメント」と称することもある。)を形成するポリエステルはジカルボン酸成分とジグリコール成分とから製造される。ジカルボン酸成分としては、主としてテレフタル酸が用いられることが好ましく、ジグリコール成分としては主としてエチレングリコール、トリメチレングリコール及びテトラメチレングリコールから選ばれた1種以上のアルキレングリコールを用いることが好ましい。また、ポリエステルには、前記ジカルボン酸成分及びグリコール成分の他に第3成分を含んでいてもよい。該第3成分としては、カチオン染料可染性アニオン成分、例えば、ナトリウムスルホイソフタル酸;テレフタル酸以外のジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸;及びアルキレングリコール以外のグリコール化合物、例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンの1種以上を用いることができる。かかるポリエステルとしては、ポリ乳酸などの生分解性を有するポリエステル、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。また、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。さらには、ポリ乳酸やステレオコンプレックスポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルであってもよい。なかでも、後記のような引張り強力を得る上でポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。なお、前記ポリエステルポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
本発明のポリエステルモノフィラメントにおいて、フィラメントの長さ方向にU%で5〜20%の太さ斑(「シックアンドシン」と称することもある。)を有することが肝要である。該太さ斑がU%で5%より小さい場合は、ポリエステルモノフィラメントを用いて布帛を得た際、該布帛が、ポリエステルモノフィラメントの太さ斑による視覚的特徴を十分に呈さないおそれがあり好ましくない。逆に、ポリエステルモノフィラメントにおいて、太さ斑が20%よりも大きい場合は、シックアンドシン加工(太細加工)の加工性が困難となるおそれがあり好ましくない。なお、U%はZellweger Uster社製のUSTER−TESTER3を用い、測定速度100m/分、測定時間1分で測定することができる。
また、本発明のポリエステルモノフィラメントにおいて、ポリエステルモノフィラメントの引張り強力が7.0cN以上(好ましくは8.0〜100.0cN)であることが肝要である。該引張り強力が7.0cNより小さいと、分繊工程で断糸等のトラブル発生しやすくなり工程性が低下するため好ましくない。
また、本発明のポリエステルモノフィラメントにおいて、平均繊度(すなわち平均単繊維繊度)が5.5〜50dtexの範囲内であることが肝要である。該平均繊度が5.5dtexよりも小さいと、引張り強力が7.0cN未満となり強力不足で分繊できないおそれがある。逆に、該平均繊度が50dtexよりも大きいと、分繊は可能ではあるが、ポリエステルモノフィラメントを用いて得られた布帛の風合いが硬くなり商品価値が低下するおそれがあるので好ましくない。なお、前記の平均繊度は長さ90mあたりの平均繊度を求めるものとする。
本発明のポリエステルモノフィラメントは、例えば、固有粘度0.40〜0.80のポリエステルを常法により紡糸して得られたポリエステル未延伸糸(マルチフィラメント)を用いて、特開2000−234232号公報に記載された方法(シックアンドシン加工)で、フィラメントの長さ方向に太さ斑を有するポリエステルマルチフィラメントを得た後、分繊することにより製造することができる。
すなわち、図1に模式的に示すように、供給ローラーR1と中間ローラーR2との間に熱処理装置を配置し、中間ローラーR2と引き取りローラーR3との間にヤーンガイドなどの抵抗体を設け延伸点を固定する方法である。
ここで、R2がニップした場合、R1〜R2において糸は過剰供給のまま加熱収縮させられて供給原糸より太いシック部を形成すると同時に、R2〜R3間においては延伸されとりわけ延伸ガイド部においてシン部を形成する。つづいてR2が非ニップの状態の場合、R1〜R3間においては低倍率の延伸が行われ、やはり延伸ガイド点において軽度のシン部を形成する。これらの現象がランダムに発生することで糸条中に様々な太細さを散在させることができる。
前記の熱処理装置は、R1〜R2間において過剰供給された糸条を収縮せしめるだけの熱量が与えられるものであれば、その種類や形式を問わないが、本工程における糸条の張力変動と加工速度から、非接触形式の高温型ヒーター(600℃以下)であることが望ましい。
このようにして得られた、太さ斑のあるポリエステルマルチフィラメントを分繊することにより、本発明のポリエステルモノフィラメントを製造することができる。なお、分繊は市販の分繊機(例えば、アイキリオテック社製KA−524ST型分繊機)により分繊することができる。
本発明の布帛は前記のポリエステルモノフィラメントを用いてなる布帛である。かかる布帛は前記ポリエステルモノフィラメントのみで構成されることが好ましいが、布帛重量に対して70重量%以下であれば、他の繊維が含まれていてもよい。
前記の布帛において、布帛の織編組織は特に限定されず、織物の織組織は、平織、斜文織、朱子織等の三原組織、変化組織、変化斜文織等の変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロード、タオル、ベロア等のたてパイル織、別珍、よこビロード、ベルベット、コール天等のよこパイル織などが例示される。なお、これらの織組織を有する織物は、レピア織機やエアージェット織機など通常の織機を用いて通常の方法により製織することができる。層数も特に限定されず単層でもよいし2層以上の多層構造を有する織物でもよい。
編物の種類は、よこ編物であってもよいしたて編物であってもよい。よこ編組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が好ましく例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等が好ましく例示される。なお、製編は、丸編機、横編機、トリコット編機、ラッシェル編機等など通常の編機を用いて通常の方法により製編することができる。層数も特に限定されず単層でもよいし2層以上の多層構造を有する編物でもよい。
前記の布帛は、無染色の状態でもポリエステルモノフィラメントの十分な太さ斑により視覚的特徴を呈するが、染色加工を施すことは好ましいことである。さらには、常法の精練、リラックス、プレセット、ファイナルセット、起毛加工、撥水加工、カレンダー加工、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
次に、本発明の繊維製品は、前記の布帛を用いてなる、紳士衣料、婦人衣料、スポーツ衣料、カーテン、椅子張り、パーテーションおよびカーシートからなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。かかる繊維製品は、前記の布帛を用いているので、無染色の状態でもポリエステルモノフィラメントの十分な太さ斑により視覚的特徴を呈する。
以下、本発明を、実施例を用いて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の物性は下記の方法により測定した。
<太さ斑U%>
Zellweger Uster社製のUSTER−TESTER3を用い、測定速度100m/分、測定時間1分で測定した。
<平均繊度>
糸長90mの質量を測定し、平均繊度(dtex)を求めた。
<引張り強力>
オリエンテック社製のTENSILON RTA−100(引っ張り試験機)を用い、試料糸長:200mm、引っ張り速度:100mm/分、初荷重:1.1/30cN/dtex(1/30gf/de)として伸張破断した引張り強力を求めた。
<シックアンドシン加工性>
ポリエステルマルチフィラメントの未延伸糸を特開2000−234232号公報の実施例1に記載の方法でシックアンドシン加工(太細加工)することにより、シックアンドシンマルチフィラメントとした。すなわち、図1において、用いたヒーターには、糸条を加熱する部分が内径9mm、長さ350mmのパイプであり、これを高温に加熱することのできるパイプ型ヒーターを用いた。また、ローラーR2にはローラー表面に直径10mmの穴を10個ランダムに配置したものと、穴を有しないローラーとからなる一対のニップローラーを用い、ローラーR2とR3との間にはセラミック製ヤーンガイドの抵抗体を設けた。また、R1〜R3間の延伸倍率は1.1倍、またR2〜R3間の延伸倍率を2.5倍とした。このときパイプ型ヒーターの温度は420℃とした。そして、巻き取り速度300m/分にて連続2時間以上巻き取れないものをNG、それ以外のものをOKとした。
<分繊性>
アイキリオテック社製のKA−524ST型分繊機を用い、シックアンドシンマルチフィラメント1チーズ(5kg)を12フィラメントに分繊する際に、単糸切れがなかったものを○、1回単糸切れしたものを△、2回以上単糸切れしたものを×と3段階に評価した。
<固有粘度>
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定した。単位はdL/gである。
<シックアンドシン効果>
5人のパネラーが、モノフィラメントでつくった経糸密度:96本/2.54cm、緯糸密:80本/2.54cmの無染色の織物(平組織織物)表面を観察し、糸の太さ斑の視覚効果が極めて強いものを◎、強いものを○、少ないものを△、全くないものを×、と4段階に評価した。
<風合い>
5人のパネラーが、モノフィラメントでつくった経糸密度:経糸密度:96本/2.54cm、緯糸密:80本/2.54cmの無染色の織物(平組織織物)の風合いを、衣料用途やカーテン用途に適した織物という観点から、柔軟性に富み極めて良好なものを◎、良好なものを○、若干硬いものを△、硬くて不適切なものを×と4段階に評価した。
<総合評価>
該評価項目を総合して、シックアンドシンモノフィラメントとして極めて良好なものを◎、良好なものを○、工程性悪く加工できないものや布帛評価で不適切なものを×と評価した。
[実施例1〜3]
繊度440dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸(POY)を特開2000−234232号公報の実施例1に記載の方法でシックアンドシン加工することにより、シックアンドシンマルチフィラメントとした。すなわち、固有粘度が0.64のポリエチレンテレフタレートペレットを紡糸速度3300m/分で紡糸した未延伸糸(POY)を用いて、図1に示す装置でシックアンドシン加工を行った。図1において、用いたヒーターには、糸条を加熱する部分が内径9mm、長さ350mmのパイプであり、これを高温に加熱することのできるパイプ型ヒーターを用いた。また、ローラーR2にはローラー表面に直径10mmの穴を10個ランダムに配置したものと、穴を有しないローラーとからなる一対のニップローラーを用い、ローラーR2とR3との間にはセラミック製ヤーンガイドの抵抗体を設けた。また、R1〜R3間の延伸倍率は1.1倍、またR2〜R3間の延伸倍率を2.5倍とした。このときパイプ型ヒーターの温度は420℃とした。そして、巻き取り速度300m/分で巻き取った。次いで、該シックアンドシンマルチフィラメントをアイキリオテック社製のKA−524ST型分繊機を用いて分繊し、単糸繊度30dtex、太さ斑U%が7%、12%、18%となるようなシックアンドシンモノフィラメント(ポリエステルモノフィラメント)を得た。
得られたシックアンドシンモノフィラメントは、表1に示すとおり、シックアンドシン加工性、分繊性が良好で、布帛でのシックアンドシン効果、風合いも良好であった。
[実施例4]
繊度120dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸を実施例1と同様の方法でシックアンドシン加工した後分繊して、単糸繊度8dtex、単糸強力9cN、太さ斑U%が10%となるようなシックアンドシンモノフィラメント(ポリエステルモノフィラメント)を得た。
得られたシックアンドシンモノフィラメントは、表1に示すとおり、シックアンドシン加工性が良好で、分繊性も1回単糸切れがあったものの比較的良好であった。更に、布帛でのシックアンドシン効果、風合いも良好であった。
[実施例5]
繊度660dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸を実施例1と同様の方法でシックアンドシン加工した後分繊して、単糸繊度45dtex、太さ斑U%が15%となるようなシックアンドシンモノフィラメント(ポリエステルモノフィラメント)を得た。
得られたシックアンドシンモノフィラメントは、表1に示すとおり、シックアンドシン加工性、分繊性が良好で、布帛でのシックアンドシン効果も良好であった。また、風合いは、若干硬いが、許容範囲であり良好であった。
[比較例1]
繊度440dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸を実施例1と同様の方法でシックアンドシン加工した後分繊して、単糸繊度30dtex、太さ斑U%が3%となるようなシックアンドシンモノフィラメントを得た。
得られたシックアンドシンモノフィラメントは、表1に示すとおり、シックアンドシン加工性、分繊性が良好であったが、布帛でのシックアンドシン効果がなく、商品価値の低いものであった。
[比較例2]
繊度440dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸を実施例1と同様の方法で単糸繊度30dtex、太さ斑U%が25%となるようなシックアンドシンモノフィラメントを得ようとしたが、表1に示すとおり、シックアンドシン加工性が悪く断糸が多発し加工困難であった。
[比較例3]
繊度440dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸を実施例1と同様の方法でシックアンドシン加工した後分繊して、単糸繊度4dtex、太さ斑U%が9%となるようなシックアンドシンモノフィラメントを得ようとしたが、表1に示すとおり、分繊工程において単糸強力が弱く単糸切れが多発し、加工困難であった。分繊工程で断糸しなかったシックアンドシンモノフィラメントの単糸強力を測定すると6cNであった。
[比較例4]
繊度800dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸を実施例1と同様の方法でシックアンドシン加工した後分繊して、単糸繊度55dtex、太さ斑U%が14%%となるようなシックアンドシンモノフィラメントを得た。
得られたシックアンドシンモノフィラメントは、表1に示すとおり、シックアンドシン加工性、分繊性が良好であったが、布帛での風合いが極めて硬く、商品価値の低いものであった。
Figure 0005032425
本発明によれば、染色によりフィラメントの長さ方向に濃染部分と淡染部分とが発現するだけでなく、布帛とした場合、無染色の状態でもその十分な太さ斑により視覚的特徴を呈することが可能な太さ斑を有し、しかも分繊用ポリエステルマルチフィラメントから容易に分繊可能なポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法、前記ポリエステルモノフィラメントを用いてなる布帛、および該布帛を用いてなる繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
本発明において用いることができるシックアンドシン加工装置の一例である。

Claims (6)

  1. ポリエステルモノフィラメントであって、フィラメントの長さ方向にU%で5〜20%の太さ斑を有し、かつ平均繊度が5.5〜50dtexの範囲内であり、かつポリエステルモノフィラメントの引張り強力が7.0cN以上であることを特徴とする太さ斑を有するポリエステルモノフィラメント。
  2. 前記ポリエステルモノフィラメントがポリエチレンテレフタレートからなる、請求項1に記載のポリエステルモノフィラメント。
  3. 前記ポリエステルモノフィラメントを、分繊用ポリエステルマルチフィラメントを分繊して製造する、請求項1または請求項2に記載の太さ斑を有するポリエステルモノフィラメントの製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載のポリエステルモノフィラメントを含む布帛。
  5. 布帛に染色加工が施されている、請求項4に記載の布帛。
  6. 請求項4または請求項5に記載の布帛を用いてなる、紳士衣料、婦人衣料、スポーツ衣料、カーテン、椅子張り、パーテーションおよびカーシートからなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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