JP5032425B2 - 太さ斑を有するポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法および布帛および繊維製品 - Google Patents
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なお、分繊用ポリエステルマルチフィラメントからポリエステルモノフィラメントを分繊することは、例えば特許文献2などにより知られている。
その際、前記ポリエステルモノフィラメントがポリエチレンテレフタレートからなることが好ましい。
また、本発明によれば、前記のポリエステルモノフィラメントを含む布帛が提供される。その際、布帛に染色加工が施されていることが好ましい。
Zellweger Uster社製のUSTER−TESTER3を用い、測定速度100m/分、測定時間1分で測定した。
糸長90mの質量を測定し、平均繊度(dtex)を求めた。
オリエンテック社製のTENSILON RTA−100(引っ張り試験機)を用い、試料糸長:200mm、引っ張り速度:100mm/分、初荷重:1.1/30cN/dtex(1/30gf/de)として伸張破断した引張り強力を求めた。
ポリエステルマルチフィラメントの未延伸糸を特開2000−234232号公報の実施例1に記載の方法でシックアンドシン加工(太細加工)することにより、シックアンドシンマルチフィラメントとした。すなわち、図1において、用いたヒーターには、糸条を加熱する部分が内径9mm、長さ350mmのパイプであり、これを高温に加熱することのできるパイプ型ヒーターを用いた。また、ローラーR2にはローラー表面に直径10mmの穴を10個ランダムに配置したものと、穴を有しないローラーとからなる一対のニップローラーを用い、ローラーR2とR3との間にはセラミック製ヤーンガイドの抵抗体を設けた。また、R1〜R3間の延伸倍率は1.1倍、またR2〜R3間の延伸倍率を2.5倍とした。このときパイプ型ヒーターの温度は420℃とした。そして、巻き取り速度300m/分にて連続2時間以上巻き取れないものをNG、それ以外のものをOKとした。
アイキリオテック社製のKA−524ST型分繊機を用い、シックアンドシンマルチフィラメント1チーズ(5kg)を12フィラメントに分繊する際に、単糸切れがなかったものを○、1回単糸切れしたものを△、2回以上単糸切れしたものを×と3段階に評価した。
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定した。単位はdL/gである。
5人のパネラーが、モノフィラメントでつくった経糸密度:96本/2.54cm、緯糸密:80本/2.54cmの無染色の織物(平組織織物)表面を観察し、糸の太さ斑の視覚効果が極めて強いものを◎、強いものを○、少ないものを△、全くないものを×、と4段階に評価した。
5人のパネラーが、モノフィラメントでつくった経糸密度:経糸密度:96本/2.54cm、緯糸密:80本/2.54cmの無染色の織物(平組織織物)の風合いを、衣料用途やカーテン用途に適した織物という観点から、柔軟性に富み極めて良好なものを◎、良好なものを○、若干硬いものを△、硬くて不適切なものを×と4段階に評価した。
該評価項目を総合して、シックアンドシンモノフィラメントとして極めて良好なものを◎、良好なものを○、工程性悪く加工できないものや布帛評価で不適切なものを×と評価した。
繊度440dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸(POY)を特開2000−234232号公報の実施例1に記載の方法でシックアンドシン加工することにより、シックアンドシンマルチフィラメントとした。すなわち、固有粘度が0.64のポリエチレンテレフタレートペレットを紡糸速度3300m/分で紡糸した未延伸糸(POY)を用いて、図1に示す装置でシックアンドシン加工を行った。図1において、用いたヒーターには、糸条を加熱する部分が内径9mm、長さ350mmのパイプであり、これを高温に加熱することのできるパイプ型ヒーターを用いた。また、ローラーR2にはローラー表面に直径10mmの穴を10個ランダムに配置したものと、穴を有しないローラーとからなる一対のニップローラーを用い、ローラーR2とR3との間にはセラミック製ヤーンガイドの抵抗体を設けた。また、R1〜R3間の延伸倍率は1.1倍、またR2〜R3間の延伸倍率を2.5倍とした。このときパイプ型ヒーターの温度は420℃とした。そして、巻き取り速度300m/分で巻き取った。次いで、該シックアンドシンマルチフィラメントをアイキリオテック社製のKA−524ST型分繊機を用いて分繊し、単糸繊度30dtex、太さ斑U%が7%、12%、18%となるようなシックアンドシンモノフィラメント(ポリエステルモノフィラメント)を得た。
得られたシックアンドシンモノフィラメントは、表1に示すとおり、シックアンドシン加工性、分繊性が良好で、布帛でのシックアンドシン効果、風合いも良好であった。
繊度120dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸を実施例1と同様の方法でシックアンドシン加工した後分繊して、単糸繊度8dtex、単糸強力9cN、太さ斑U%が10%となるようなシックアンドシンモノフィラメント(ポリエステルモノフィラメント)を得た。
得られたシックアンドシンモノフィラメントは、表1に示すとおり、シックアンドシン加工性が良好で、分繊性も1回単糸切れがあったものの比較的良好であった。更に、布帛でのシックアンドシン効果、風合いも良好であった。
繊度660dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸を実施例1と同様の方法でシックアンドシン加工した後分繊して、単糸繊度45dtex、太さ斑U%が15%となるようなシックアンドシンモノフィラメント(ポリエステルモノフィラメント)を得た。
得られたシックアンドシンモノフィラメントは、表1に示すとおり、シックアンドシン加工性、分繊性が良好で、布帛でのシックアンドシン効果も良好であった。また、風合いは、若干硬いが、許容範囲であり良好であった。
繊度440dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸を実施例1と同様の方法でシックアンドシン加工した後分繊して、単糸繊度30dtex、太さ斑U%が3%となるようなシックアンドシンモノフィラメントを得た。
得られたシックアンドシンモノフィラメントは、表1に示すとおり、シックアンドシン加工性、分繊性が良好であったが、布帛でのシックアンドシン効果がなく、商品価値の低いものであった。
繊度440dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸を実施例1と同様の方法で単糸繊度30dtex、太さ斑U%が25%となるようなシックアンドシンモノフィラメントを得ようとしたが、表1に示すとおり、シックアンドシン加工性が悪く断糸が多発し加工困難であった。
繊度440dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸を実施例1と同様の方法でシックアンドシン加工した後分繊して、単糸繊度4dtex、太さ斑U%が9%となるようなシックアンドシンモノフィラメントを得ようとしたが、表1に示すとおり、分繊工程において単糸強力が弱く単糸切れが多発し、加工困難であった。分繊工程で断糸しなかったシックアンドシンモノフィラメントの単糸強力を測定すると6cNであった。
繊度800dtex/12filのポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)マルチフィラメントの未延伸糸を実施例1と同様の方法でシックアンドシン加工した後分繊して、単糸繊度55dtex、太さ斑U%が14%%となるようなシックアンドシンモノフィラメントを得た。
得られたシックアンドシンモノフィラメントは、表1に示すとおり、シックアンドシン加工性、分繊性が良好であったが、布帛での風合いが極めて硬く、商品価値の低いものであった。
Claims (6)
- ポリエステルモノフィラメントであって、フィラメントの長さ方向にU%で5〜20%の太さ斑を有し、かつ平均繊度が5.5〜50dtexの範囲内であり、かつポリエステルモノフィラメントの引張り強力が7.0cN以上であることを特徴とする太さ斑を有するポリエステルモノフィラメント。
- 前記ポリエステルモノフィラメントがポリエチレンテレフタレートからなる、請求項1に記載のポリエステルモノフィラメント。
- 前記ポリエステルモノフィラメントを、分繊用ポリエステルマルチフィラメントを分繊して製造する、請求項1または請求項2に記載の太さ斑を有するポリエステルモノフィラメントの製造方法。
- 請求項1または請求項2に記載のポリエステルモノフィラメントを含む布帛。
- 布帛に染色加工が施されている、請求項4に記載の布帛。
- 請求項4または請求項5に記載の布帛を用いてなる、紳士衣料、婦人衣料、スポーツ衣料、カーテン、椅子張り、パーテーションおよびカーシートからなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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