以下、本発明に係る土質改良機の実施の形態について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図1ないし図8は本発明の第1の参考例を示し、1は自走式の土質改良機を示している。ここで、土質改良機1は、例えば土木工事現場等において発生した建設発生土に石灰、セメント等の土質改良材を添加して混合することにより、埋戻し材、基礎地盤材等として再利用される改良土を生成するものである。そして、土質改良機1は、後述の走行体2、本体フレーム7、土砂ホッパ8、搬送コンベヤ9、土質改良材供給装置10、混合槽14、各回転軸18、各パドル21、排出コンベヤ24、最上流側パドル31等により大略構成されている。
2は自走可能なクローラ式の走行体で、該走行体2は、トラックフレーム3と、該トラックフレーム3に設けられた駆動輪4および遊動輪5と、これら駆動輪4と遊動輪5とに巻回された左,右のクローラ(履帯)6,6等により構成されている。そして、走行体2は、後述する走行レバー27の操作に応じて前,後方向への直進走行、左,右方向への旋回走行等を行なうものである。
7は走行体2のトラックフレーム3上に設けられた本体フレームで、該本体フレーム7は、トラックフレーム3上を前,後方向に延びるベースフレーム7Aと、ベースフレーム7Aの長さ方向の一側(前側)に設けられ後述の土砂ホッパ8、搬送コンベヤ9等が取付けられる前側フレーム7Bと、ベースフレーム7Aの前,後方向の中間部に上方に立上がって設けられ後述の土質改良材供給装置10等が取付けられる中間フレーム7Cと、ベースフレーム7Aの長さ方向の他側(後側)に設けられ後述の建屋カバー25等が取付けられる後側フレーム7Dとにより、強固な支持構造体をなしている。
8は前側フレーム7Bに取付けられた土砂ホッパで、該土砂ホッパ8は、土質を改良すべき土砂が投入されるものである。ここで、土砂ホッパ8は、例えば上方から斜め下向きに傾斜した側壁によって囲まれ、その上端側は長方形状の上側開口部8Aとなっている。また、土砂ホッパ8の下端側は、上側開口部8Aよりも面積が小さい長方形状の下側開口部8Bとなり、この下側開口部8Bは、後述の搬送コンベヤ9上に開口している。
そして、例えば油圧ショベル(図示せず)によって掘削された土砂は、上側開口部8Aから土砂ホッパ8に投入され、下側開口部8Bを通じて搬送コンベヤ9に供給される構成となっている。
9は土砂ホッパ8の下側に位置して前側フレーム7Bに取付けられた搬送コンベヤで、該搬送コンベヤ9は、土砂ホッパ8の下側から後述の混合槽14に向けてほぼ水平に前,後方向に延びている。そして、搬送コンベヤ9は、図3に示すように、土砂ホッパ8から落下してきた土砂Aをベルト9A上に受取り、この土砂Aを連続的に混合槽14内に搬送するものである。
10は中間フレーム7Cに取付けられた土質改良材供給装置で、該土質改良材供給装置10は、搬送コンベヤ9により搬送される土砂Aに、石灰、セメント等の土質改良材Bを供給するものである。ここで、土質改良材供給装置10は、図3に示すように、後述の貯留タンク11、シュート12、スクリューフィーダ13等により構成されている。
11は土質改良材Bを貯留する貯留タンクで、該貯留タンク11は、例えばポリエチレン系ゴム材料等の伸縮性を有する材料により、上,下方向に折畳み可能な蛇腹状に形成されている。また、貯留タンク11の上端側には、ほぼ四角形状をなす平板状の天板11Aが設けられ、該天板11Aには、土質改良材Bを受入れる開口部11Bと、該開口部11Bを開,閉可能に覆う蓋体11Cとが設けられている。
一方、中間フレーム7C上には、貯留タンク11を取囲んで4本の支柱11Dが上,下方向にスライド可能に取付けられ、これら各支柱11Dによって貯留タンク11の天板11Aの角隅部を下側から支持することにより、蛇腹状の貯留タンク11が伸展状態に保持されている。
12は貯留タンク11の下端側に取付けられたシュートで、該シュート12は、上端側から下端側に向けて徐々に先細りとなるほぼ四角錘の漏斗状に形成され、シュート12の上端部は貯留タンク11の下端部に接続され、シュート12の下端部は後述するスクリューフィーダ13のケーシング13A内に挿入されている。そして、シュート12は、貯留タンク11内に貯留された土質改良材Bをケーシング13A内に投入するものである。
13はシュート12の下端側に設けられたスクリューフィーダで、該スクリューフィーダ13は、図3に示すように、シュート12の下端側に取付けられた円筒状のケーシング13Aと、該ケーシング13A内に回転可能に設けられたスクリュー軸13Bとにより大略構成されている。
ここで、ケーシング13Aは、シュート12の下端側から搬送コンベヤ9に向けて斜め上向きに傾斜しつつ前,後方向に延びている。そして、ケーシング13Aの後部上面側には、シュート12の下端部が挿入される導入口13Cが形成され、該導入口13Cは、シュート12から投入されてくる土質改良材Bをケーシング13A内に導入するものである。また、ケーシング13Aの前部下面側には、搬送コンベヤ9(ベルト9A)の後部上面側に開口する導出口13Dが形成され、該導出口13Dは、土質改良材Bをベルト9A上の土砂Aへと導出するものである。
また、ケーシング13A内に回転可能に設けられたスクリュー軸13Bは、その外周側に螺旋状の羽根が設けられ、油圧モータ等の駆動モータ13Eによってケーシング13A内で回転するものである。
そして、スクリューフィーダ13は、駆動モータ13Eによってスクリュー軸13Bをケーシング13A内で回転させることにより、導入口13Cからケーシング13A内に導入された土質改良材Bを、スクリュー軸13Bによって前方へと送出し、ケーシング13Aの導出口13Dを通じて下方へと投下するものである。これにより、搬送コンベヤ9のベルト9Aによって搬送されてくる土砂Aに対し、適量の土質改良材Bが連続的に供給される構成となっている。
14は土質改良材供給装置10の下側に位置してベースフレーム7Aに取付けられた混合槽で、該混合槽14は、図4等に示すように、土砂と土質改良材とを混合する槽本体15と、該槽本体15の上面側に設けられ、土砂と土質改良材とを槽本体15内に受入れる受入口16と、槽本体15の底面側に設けられ、槽本体15内で混合された土砂と土質改良材との混合物(改良土)を排出する排出口17とにより大略構成されている。
この場合、混合槽14の槽本体15内には後述の回転軸18、パドル21が設けられ、土砂と土質改良材とは、パドル21によって攪拌混合されつつ受入口16から排出口17に向けて矢示F方向に移送される構成となっている。従って、混合槽14の受入口16側が、土砂と土質改良材の移送方向(図4中の矢示F方向)における上流側となり、混合槽14の排出口17側が、土砂と土質改良材の移送方向の下流側となっている。
ここで、槽本体15は、図4及び図5に示すように、前,後方向に延びる底面15Aと、該底面15Aの左,右両側から上向きに立上がる左,右の側壁15B,15Cと、受入口16の近傍に位置して底面15Aの前,後方向の一端側から上向きに立上がる上流壁15Dと、排出口17の近傍に位置して底面15Aの前,後方向の他端側から上向きに立上がる下流壁15Eと、左,右の側壁15B,15Cの上端部に着脱可能に設けられた蓋状の上壁15Fとにより大略構成されている。
この場合、槽本体15の底面15Aは、パドル21の回転を許すように2つの円弧が左,右方向に並んだ凹湾曲状に形成されている(図15参照)。また、槽本体15の上流壁15Dと下流壁15Eとは、後述する各回転軸18の軸方向の両端側を支持する構成となっている。
18,18は混合槽14内に回転可能に設けられた左,右の回転軸で、これら2本の回転軸18は、例えばパイプ材等を用いて形成され、左,右方向に並んで混合槽14内を前,後方向に延びている。そして、図4に示すように、回転軸18の軸方向の両端側には前,後の支軸18A,18Bが接続され、前側支軸18Aは混合槽14の上流壁15Dに軸受を介して回転可能に支持され、後側支軸18Bは混合槽14の下流壁15Eに軸受を介して回転可能に支持されている。また、左,右の回転軸18には、後述する多数のパドル21が軸方向に並んで設けられる構成となっている。
ここで、後側支軸18Bの後端部には、混合槽14の下流壁15Eに取付けられた駆動モータ19が接続され、左,右の回転軸18は、駆動モータ19によって互いに逆向きに回転駆動される構成となっている。また、後側支軸18Bの後端側にはタイミングギヤ20が取付けられ、該タイミングギヤ20は、左,右の回転軸18が回転するときに互いに噛合するものである。これにより、左,右の回転軸18が始動、停止するタイミングを一致させ、各回転軸18に設けた後述のパドル21が互いに干渉するのを防止できる構成となっている。
21,21,…は左,右の回転軸18にそれぞれ設けられた複数のパドルで、該各パドル21は、混合槽14内で回転することにより、土砂と土質改良材とを攪拌混合しつつ混合槽14の受入口16から排出口17へと、図4中の矢示F方向に移送するものである。
ここで、左,右の回転軸18に設けられた複数のパドル21のうち、土砂と土質改良材との移送方向(図4中の矢示F方向)における最上流側、即ち、混合槽14の上流壁15Dに最も接近して配置されたものは、後述の最上流側パドル31として構成され、該最上流側パドル31は、他のパドル21とは異なる構成を有している。
そして、後述の最上流側パドル31を除いた各パドル21は、図6及び図8等に示すように、回転軸18に固着され径方向に突出した支持アーム21Aと、該支持アーム21Aの取付面21Bにボルト21Cとナット21Dとを用いて着脱可能に取付けられた板状の攪拌羽根22とにより大略構成されている。
ここで、支持アーム21Aは、回転軸18の軸方向に一定の間隔をもって配置されると共に、回転軸18の周方向に一定の角度間隔(例えば180度)をもって配置されている。また、図6に示すように、支持アーム21Aの取付面21Bは、回転軸18の軸線O−Oに対して一定の角度αだけ傾斜している。
一方、攪拌羽根22は、図6及び図8に示すように、支持アーム21Aの軸方向に延びる長方形の板状に形成され、支持アーム21Aの取付面21Bにボルト21Cとナット21Dとを用いて取付けられている。そして、攪拌羽根22は、支持アーム21Aの取付面21Bに当接し混合槽14の上流壁15D側に位置する上流攪拌面22Aと、該上流攪拌面22Aとは反対側に位置する下流攪拌面22Bと、回転軸18と直交する方向の一端側に位置し攪拌羽根22が回転するときの外径側に位置する外径面22Cと、回転軸18と直交する方向の他端側に位置し攪拌羽根22が回転するときの内径側に位置する内径面22Dと、混合槽14の上流壁15D側に位置する上流側面22Eと、該上流側面22Eとは反対側に位置する下流側面22Fとを有している。
この場合、支持アーム21Aの取付面21Bは、回転軸18の軸線O−Oに対し角度αだけ傾斜しているため、攪拌羽根22の上流攪拌面22Aと下流攪拌面22Bとは、回転軸18の軸線O−Oに対し角度αだけ傾斜している。
23,23は攪拌羽根22を構成する下流攪拌面22Bのうち外径面22Cの近傍部位と内径面22Dの近傍部位とにそれぞれ設けられた2箇所の板状の耐摩耗部材で、該耐摩耗部材23は、攪拌羽根22よりも硬度の高い材料を用いて形成され、ろう付け等の手段を用いて固着されている。そして、各耐摩耗部材23は、回転軸18を中心として攪拌羽根22が回転するときに、この攪拌羽根22を構成する下流攪拌面22Bの外径部分と内径部分が早期に摩耗するのを抑え、攪拌羽根22の寿命を延ばすものである。
そして、左,右の回転軸18が駆動モータ19によって互いに逆向きに回転すると、混合槽14内に供給された土砂と土質改良材とは、回転軸18に設けられた各パドル21の攪拌羽根22によって攪拌混合される。このとき、攪拌羽根22は回転軸18の軸線O−Oに対し角度αだけ傾斜した上流攪拌面22A、下流攪拌面22Bを有しているので、土砂と土質改良材とは、攪拌羽根22によって攪拌されつつ混合槽14の受入口16側から排出口17に向けて移送される。そして、土砂と土質改良材とが適度に混合されて生成された改良土は、混合槽14の排出口17を通じて後述の排出コンベヤ24に排出される構成となっている。
24は混合槽14の下側に配置された排出コンベヤで、該排出コンベヤ24は、混合槽14の下側から斜め上向きに傾斜しつつ前,後方向に延びている。そして、排出コンベヤ24は、図3に示すように、混合槽14内で生成され排出口17から排出された改良土をベルト24A上に受取り、この改良土を連続的に土質改良機1の外部に排出するものである。
25は排出コンベヤ24の上側に配設された建屋カバーで、該建屋カバー25は、図1及び図2に示すように、本体フレーム7の後側フレーム7D上に取付けられている。そして、建屋カバー25内には、エンジン、該エンジンによって駆動される油圧ポンプ等(いずれも図示せず)の動力源が収容されている。
26は建屋カバー25の近傍に設けられた運転台、27は運転台26に配設された走行レバーで、運転台26に搭乗したオペレータが、走行レバー27を操作して走行体2の左,右のクローラ6を駆動することにより、土質改良機1が作業現場を自走する構成となっている。
28は土質改良材供給装置10の近傍に配設されたクレーン装置で、該クレーン装置28は、図2に示すように、土質改良材供給装置10の右側方に位置してベースフレーム7A上に立設されている。そして、クレーン装置28は、例えば袋詰めされた土質改良材(図示せず)を上方へと吊上げ、土質改良材供給装置10の貯留タンク11内に搬送するものである。
31,31は左,右の回転軸18にそれぞれ設けられた2個の最上流側パドルで、該各最上流側パドル31は、混合槽14内での土砂と土質改良材の移送方向(図4中の矢示F方向)における最上流側に配置され、混合槽14の上流壁15Dと対向するものである。
ここで、各最上流側パドル31は、回転軸18に固着され径方向に突出した支持アーム31Aと、該支持アーム31Aの取付面31Bにボルト31Cとナット31Dとを用いて着脱可能に取付けられた板状の攪拌羽根32と、後述の耐摩耗部材33とにより大略構成されている。
この場合、支持アーム31Aは、回転軸18の周方向に一定の角度間隔(例えば180度)をもって配置されている。また、図8に示すように、支持アーム31Aの取付面31Bは、回転軸18の軸線O−Oに対して一定の角度αだけ傾斜している。
32は支持アーム31Aに着脱可能に取付けられる攪拌羽根で、該攪拌羽根32は、図6ないし図8に示すように、パドル21の攪拌羽根22とほぼ同様な長方形の板状に形成され、支持アーム31Aの取付面31Bにボルト31Cとナット31Dとを用いて取付けられている。
ここで、攪拌羽根32は、支持アーム31Aの取付面31Bに当接し混合槽14の上流壁15Dと対面する上流攪拌面32Aと、該上流攪拌面32Aとは反対側に位置する下流攪拌面32Bと、回転軸18と直交する方向の一端側に位置し攪拌羽根32が回転するときの外径側に位置する外径面32Cと、回転軸18と直交する方向の他端側に位置し攪拌羽根32が回転するときの内径側に位置する内径面32Dと、混合槽14の上流壁15Dと対面する上流側面32Eと、該上流側面32Eとは反対側に位置する下流側面32Fとを有している。
この場合、支持アーム31Aの取付面31Bは、回転軸18の軸線O−Oに対し角度αだけ傾斜しているため、攪拌羽根32の上流攪拌面32Aと下流攪拌面32Bとは、回転軸18の軸線O−Oに対し角度αだけ傾斜している(図8参照)。従って、最上流側パドル31も他のパドル21と同様に、混合槽14内で土砂と土質改良材とを攪拌しつつ、これら土砂と土質改良材とを混合槽14の受入口16側から排出口17に向けて移送する構成となっている。
33は下流攪拌面32Bを取囲んで攪拌羽根32の外周面に全周に亘って設けられた耐摩耗部材で、該耐摩耗部材33は、攪拌羽根32よりも硬度の高い材料を用いて形成され、攪拌羽根32が土砂と土質改良材とを攪拌することにより早期に摩耗するのを抑えるものである。
ここで、耐摩耗部材33は、図7等に示すように、攪拌羽根32を構成する下流攪拌面32Bのうち外径面32Cの近傍部位、内径面32Dの近傍部位の2箇所に、それぞれろう付け等の手段を用いて固着された板状の攪拌面用耐摩耗部材33A,33Bと、攪拌羽根32を構成する上流側面32E、下流側面32Fに、それぞれこれらを覆った状態でろう付け等の手段を用いて固着された板状の側面用耐摩耗部材33C,33Dとにより構成されている。
そして、攪拌面用耐摩耗部材33A,33Bは、パドル21の攪拌羽根22に設けられた耐摩耗部材23と同様に、回転軸18を中心として攪拌羽根32が回転するときに、この攪拌羽根32を構成する下流攪拌面32Bの外径部分と内径部分が早期に摩耗するのを抑えるものである。
一方、攪拌羽根32の上流側面32Eに固着された側面用耐摩耗部材33Cは、図6及び図8に示すように、混合槽14の上流壁15Dと対面している。これにより、上流壁15Dに土砂と土質改良材とからなる付着物が付着したとしても、攪拌羽根32が回転軸18を中心として回転するときに、側面用耐摩耗部材33Cによって付着物を掻き落とすことができる。このため、攪拌羽根32の上流側面32Eが直接的に付着物に擦れて摩耗するのを抑えることができる構成となっている。
第1の参考例による土質改良機1は上述の如き構成を有するもので、以下、土質改良機1を用いた土質改良作業について説明する。
まず、土質改良機1が作業現場に停止した状態で、袋詰めされた石灰、コンクリート等の土質改良材を、図2に示すクレーン装置28を用いて吊上げ、この袋詰めされた土質改良材を、土質改良材供給装置10の貯留タンク11内に投入する。
このとき、貯留タンク11内に設けられたカッター(図示せず)によって土質改良材を詰込んだ袋が切裂かれ、図3に示すように、貯留タンク11内には粉末状の土質改良材が貯留される。そして、貯留タンク11内の土質改良材は、シュート12を通じてスクリューフィーダ13のケーシング13A内に導入される。
一方、土砂ホッパ8内には、油圧ショベル等(図示せず)を用いて改質すべき土砂が投入される。これにより、土砂は、図3に示すように、土砂ホッパ8の上側開口部8Aから下側開口部8Bへと導かれ、下側開口部8Bを通じて搬送コンベヤ9のベルト9A上に落下する。
そして、搬送コンベヤ9のベルト9A上に落下した土砂は、ベルト9Aにより混合槽14に向けて搬送される。また、スクリューフィーダ13のケーシング13A内に導入された土質改良材は、スクリュー軸13Bによってケーシング13Aの導出口13Dへと送出され、該導出口13Dから搬送コンベヤ9上の土砂に供給される。このように、搬送コンベヤ9によって搬送される土砂に対し、混合槽14の手前で土質改良材が添加され、これら土砂と土質改良材とは、受入口16を通じて混合槽14内に一緒に投入される。
このとき、混合槽14内では2本の回転軸18が回転しており、混合槽14内に投入された土砂と土質改良材とは、回転軸18に設けられた最上流側パドル31の攪拌羽根32と複数のパドル21の攪拌羽根22とによって攪拌混合される。これにより、混合槽14内では、土砂と土質改良材とが適度に混合された改良土が生成され、この改良土は、各パドル21の攪拌羽根22によって混合槽14の排出口17へと移送される。
そして、混合槽14内で生成された改良土は、排出口17から排出コンベヤ24のベルト24A上に落下し、該ベルト24Aによって搬送されることにより、土質改良機1の外部に排出される。
このようにして、土質改良機1を用いた一連の土質改良作業を行うことにより、土木作業等によって発生した建設発生土等から、埋戻し材、基礎地盤材等として用いるのに適した改良土を生産することができる。
ここで、上述した土質改良作業においては、受入口16を通じて混合槽14内に土砂と土質改良材とが連続的に投入されるので、受入口16の近傍部位では土砂と土質改良材とで過密状態となっている。また、混合槽14のうち土砂等の移送方向の上流側に位置する上流壁15Dの内側面には、土砂と土質改良材とが押付けられて強固に付着するようになる。
これに対し、第1の参考例では、混合槽14内での土砂と土質改良材の移送方向(図4中の矢示F方向)における最上流側に配置され、混合槽14の上流壁15Dと対向する最上流側パドル31を、上流攪拌面32A、下流攪拌面32B、外径面32C、内径面32D、上流側面32E、下流側面32Fを有する攪拌羽根32と、下流攪拌面32Bを取囲んで攪拌羽根32の外周面に全周に亘って設けられた耐摩耗部材33とにより構成している。
この場合、耐摩耗部材33を構成する攪拌面用耐摩耗部材33A,33Bは、攪拌羽根32を構成する下流攪拌面32Bのうち外径面32Cの近傍部位と内径面32Dの近傍部位との2箇所に配設されている。このため、回転軸18を中心として攪拌羽根32が回転するときに、この攪拌羽根32を構成する下流攪拌面32Bの外径部分と内径部分が早期に摩耗するのを、攪拌面用耐摩耗部材33A,33Bによって抑えることができる。
一方、側面用耐摩耗部材33C,33Dは、それぞれ攪拌羽根32を構成する上流側面32E、下流側面32Fを覆うように設けられ、上流側面32Eに固着された側面用耐摩耗部材33Cは、図6及び図8に示すように、混合槽14の上流壁15Dと対面している。これにより、上流壁15Dに土砂と土質改良材とからなる付着物が付着したとしても、攪拌羽根32が回転軸18を中心として回転するときに、側面用耐摩耗部材33Cによって付着物を掻き落とすことができる。このため、攪拌羽根32の上流側面32Eが直接的に付着物に擦れて摩耗するのを抑えることができる。
かくして、第1の参考例によれば、最上流側パドル31を構成する攪拌羽根32の外周面に、全周に亘って攪拌面用耐摩耗部材33A,33B、側面用耐摩耗部材33C,33Dからなる耐摩耗部材33を設ける構成としたので、攪拌羽根32が、上流壁15Dに付着した土砂等の付着物に接触して早期に摩耗するのを耐摩耗部材33によって抑え、その寿命を延ばすことができる。これにより、土砂と土質改良材との攪拌動作を長期に亘って円滑に行うことができ、土質改良機1の信頼性を高めることができる。
次に、図9ないし図11は本発明の第2の参考例を示し、第2の参考例の特徴は、最上流側パドルを構成する攪拌羽根に、混合槽の上流壁に向けて突出する上流向き突出部を設ける構成としたことにある。なお、第2の参考例では、上述した第1の参考例と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、41,41は各回転軸18に設けられた2個の最上流側パドルで、該各最上流側パドル41は、第1の参考例による最上流側パドル31と同様に、混合槽14内での土砂と土質改良材の移送方向(図9中の矢示F方向)における最上流側に配置され、混合槽14の上流壁15Dと対向するものである。
ここで、各最上流側パドル41は、回転軸18に固着され径方向に突出した支持アーム41Aと、該支持アーム41Aの取付面41Bにボルト41Cとナット41Dとを用いて着脱可能に取付けられた板状の攪拌羽根42と、後述の上流向き突出部44とにより大略構成されている。
この場合、支持アーム41Aは、回転軸18の周方向に一定の角度間隔(例えば180度)をもって配置されている。また、図11に示すように、支持アーム41Aの取付面41Bは、回転軸18の軸線O−Oに対して角度αだけ傾斜している。
42は支持アーム41Aに着脱可能に取付けられる攪拌羽根で、該攪拌羽根42は、支持アーム41Aの軸方向に延びる長方形の板状に形成され、支持アーム41Aの取付面41Bにボルト41Cとナット41Dとを用いて取付けられている。
ここで、攪拌羽根42は、混合槽14の上流壁15D側に位置する上流攪拌面42Aと、該上流攪拌面42Aとは反対側に位置する下流攪拌面42Bと、攪拌羽根42が回転するときの外径側に位置する外径面42Cと、攪拌羽根42が回転するときの内径側に位置する内径面42Dと、混合槽14の上流壁15D側に位置する上流側面42Eと、該上流側面42Eとは反対側に位置する下流側面42Fとを有している。
ここで、支持アーム41Aの取付面41Bは、回転軸18の軸線O−Oに対し角度αだけ傾斜しているため、攪拌羽根42の上流攪拌面42Aと下流攪拌面42Bとは、回転軸18の軸線O−Oに対し角度αだけ傾斜している。また、攪拌羽根42のうち混合槽14の上流壁15Dと対面する上流側面42Eには、後述の上流向き突出部44が一体形成されている。
43,43は攪拌羽根42の下流攪拌面42Bに設けられた2枚の板状の耐摩耗部材で、該耐摩耗部材43は、攪拌羽根42よりも硬度の高い材料を用いて形成され、下流攪拌面42Bのうち外径面42Cの近傍部位と内径面42Dの近傍部位との2箇所に、ろう付け等の手段を用いて固着されている。そして、各耐摩耗部材43は、回転軸18を中心として攪拌羽根42が回転するときに、この攪拌羽根42を構成する下流攪拌面42Bの外径部分と内径部分が早期に摩耗するのを抑え、攪拌羽根42の寿命を延ばすものである。
44は攪拌羽根42に設けられた上流向き突出部で、該上流向き突出部44は、攪拌羽根42の上流側面42Eに一体形成され、混合槽14の上流壁15Dに向けて突出している。ここで、図11に示すように、上流向き突出部44の先端部(突出端部)44Aと上流壁15Dとの間の距離L1は、攪拌羽根42を支持アーム41Aに締結するナット41Dと上流壁15Dとの間の距離L2よりも小さく設定されている。即ち、上流向き突出部44の先端部44Aは、最上流側パドル41のナット41Dよりも上流壁15D側に配置されている。
これにより、上流壁15Dの内側面に土砂、土質改良材等の付着物が付着したとしても、この付着物を攪拌羽根42に設けた上流向き突出部44によって掻き落とすことができ、最上流側パドル41のナット41Dが付着物に擦れて摩耗するのを抑えることができる構成となっている。
45は上流向き突出部44の先端側に設けられた切欠き面で、該切欠き面45は、図11に示すように、混合槽14の上流壁15Dに対してほぼ垂直方向に延びる面を形成している。即ち、切欠き面45は、回転軸18の軸線O−Oと平行な直線O1−O1に沿って延びている。そして、切欠き面45は、上流向き突出部44の先端側を支持アーム41Aの軸方向に沿って面取りすることにより、上流向き突出部44の長さ方向の全域に亘って帯状に形成されている。
このように、上流向き突出部44の先端側に、上流壁15Dに対してほぼ垂直方向となり、回転軸18の軸線O−Oと平行な直線O1−O1に沿って延びる切欠き面45を設けることにより、上流向き突出部44の先端側が上流壁15Dに対し傾斜した状態で対面することがない。これにより、攪拌羽根42が回転するときに、上流向き突出部44の先端が土砂等を上流壁15Dに押付けてしまうことがなく、上流向き突出部44に設けた切欠き面45によって、上流壁15Dに付着した付着物を確実に除去することができる構成となっている。
第2の参考例による土質改良機は、上述の如き最上流側パドル41を有するもので、その基本的作動については第1の参考例によるものと格別差異はない。
然るに、第2の参考例によれば、最上流側パドル41を構成する攪拌羽根42の上流側面42Eに、混合槽14の上流壁15Dに向けて突出する上流向き突出部44を設ける構成としたので、攪拌羽根42が混合槽14内で回転するときに、この攪拌羽根42に設けた上流向き突出部44によって、混合槽14の上流壁15Dに付着した土砂、土質改良材等からなる付着物を掻き落とすことができる。これにより、攪拌羽根42が上流壁15Dに付着した付着物に擦れて摩耗するのを抑えることができ、その寿命を延ばすことができる。
また、上流向き突出部44の先端側に、混合槽14の上流壁15Dに対してほぼ垂直方向となり、回転軸18の軸線O−Oと平行な直線O1−O1に沿って延びる切欠き面45を設けたので、攪拌羽根42が回転するときに、上流向き突出部44の先端が土砂等を上流壁15Dに押付けてしまうことがなく、上流向き突出部44に設けた切欠き面45によって、上流壁15Dに付着した土砂等の付着物を確実に除去することができる。
次に、図12ないし図15は本発明の第1の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、最上流側パドルを構成する攪拌羽根に、混合槽の上流壁に向けて突出する第1の突出部と、回転軸に向けて内向きに突出する第2の突出部とを設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の参考例と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、51,51は各回転軸18に設けられた2個の最上流側パドルで、該各最上流側パドル51は、第1の参考例による最上流側パドル31と同様に、混合槽14内での土砂と土質改良材の移送方向(図12中の矢示F方向)における最上流側に配置され、混合槽14の上流壁15Dと対向するものである。
ここで、各最上流側パドル51は、支持アーム51Aと、該支持アーム51Aの取付面51Bにボルト51Cとナット51Dとを用いて着脱可能に取付けられた板状の攪拌羽根52と、後述する第1の突出部54と、第2の突出部55とにより大略構成されている。この場合、支持アーム51Aは、回転軸18の周方向に一定の角度間隔(例えば180度)をもって配置され、支持アーム51Aの取付面51Bは、回転軸18の軸線O−Oに対して角度αだけ傾斜している(図14参照)。
52は支持アーム51Aに着脱可能に取付けられる攪拌羽根で、該攪拌羽根52は、支持アーム51Aの軸方向に延びる長方形の板状に形成され、上流攪拌面52A、下流攪拌面52B、外径面52C、内径面52D、上流側面52E、下流側面52F等を有している。そして、攪拌羽根52は、ボルト51Cとナット51Dとを用いて支持アーム51Aの取付面51Bに取付けられている。
ここで、攪拌羽根52の上流攪拌面52Aと下流攪拌面52Bとは、回転軸18の軸線O−Oに対して角度αだけ傾斜している。また、攪拌羽根52のうち混合槽14の上流壁15Dと対面する上流側面52Eには、後述する第1の突出部54が一体形成され、攪拌羽根52の内径面52Dには、後述する第2の突出部55が一体形成されている。
53は攪拌羽根52の下流攪拌面52Bのうち外径面52Cの近傍部位に設けられた板状の耐摩耗部材で、該耐摩耗部材53は、攪拌羽根52よりも硬度の高い材料を用いて形成され、下流攪拌面52Bのうち外径面52Cの近傍部位に固着されている。そして、耐摩耗部材53は、回転軸18を中心として攪拌羽根52が回転するときに、この攪拌羽根52を構成する下流攪拌面52Bの外径部分が早期に摩耗するのを抑え、攪拌羽根52の寿命を延ばすものである。
54は攪拌羽根52に設けられた上流向き突出部である第1の突出部で、該第1の突出部54は、攪拌羽根52の上流側面52Eに一体形成され、該上流側面52Eから混合槽14の上流壁15Dに向けて突出している。ここで、図14に示すように、第1の突出部54の先端部(突出端部)54Aと上流壁15Dとの間の距離L1は、攪拌羽根52を支持アーム51Aに締結するナット51Dと上流壁15Dとの間の距離L2よりも小さく設定されている。
即ち、第1の突出部54の先端部54Aは、最上流側パドル51のナット51Dよりも上流壁15D側に配置され、上流壁15Dに付着した付着物を第1の突出部54によって掻き落とすことにより、最上流側パドル51のナット51Dが付着物に擦れて摩耗するのを抑えることができる構成となっている。
55は攪拌羽根52に設けられた内向き突出部である第2の突出部で、該第2の突出部55は、攪拌羽根52の内径面52Dと第1の突出部54とに一体形成され、回転軸18に向けて内向きに突出している。ここで、図12及び図15に示すように、第2の突出部55の先端部(突出端部)55Aは、最上流側パドル51の支持アーム51Aと回転軸18との取付部位(回転軸18の外周面)よりも回転軸18の軸中心側に延在している。
従って、回転軸18が回転したときには、図15に示すように、第2の突出部55の先端部55Aのうち最も上流壁15D側の角部55B(図12参照)が描く円軌跡C1の半径R1は、最も回転軸18側のボルト51Cに螺合するナット51D(図12参照)が描く円軌跡C2の半径R2よりも小さくなる。これにより、混合槽14の上流壁15Dに付着した付着物が、攪拌羽根52の内径面52Dと回転軸18の外周面との間に形成される隙間を通じて、支持アーム51Aの付け根付近まで堆積するのを抑え、最上流側パドル51を構成する支持アーム51A、あるいは支持アーム51Aに攪拌羽根52を取付けるボルト51C、ナット51D等が、上流壁15Dに付着した付着物に擦れて摩耗するのを抑えることができる構成となっている。
本実施の形態による土質改良機は、上述の如き最上流側パドル51を有するもので、その基本的作動については第1の参考例によるものと格別差異はない。
然るに、本実施の形態によれば、最上流側パドル51を構成する攪拌羽根52の上流側面52Eに、混合槽14の上流壁15Dに向けて突出する第1の突出部54を設けると共に、攪拌羽根52の内径面52Dに、回転軸18に向けて内向きに突出する第2の突出部55を設ける構成としている。このため、攪拌羽根52が混合槽14内で回転するときに、攪拌羽根52に設けた第1,第2の突出部54,55によって、混合槽14の上流壁15Dに付着した土砂、土質改良材等からなる付着物を掻き落とすことができるので、攪拌羽根52の摩耗を抑え、その寿命を延ばすことができる。
この場合、第2の突出部55の先端部(突出端部)55Aが、最上流側パドル51の支持アーム51Aと回転軸18との取付部位(回転軸18の外周面)よりも回転軸18の軸中心側に延在している。これにより、図15に示すように、第2の突出部55の先端部55Aのうち最も上流壁15D側の角部55B(図12参照)が描く円軌跡C1の半径R1を、最も回転軸18側のボルト51Cに螺合するナット51D(図12参照)が描く円軌跡C2の半径R2よりも小さく設定することができる。このため、上流壁15Dに付着した付着物が、攪拌羽根52の内径面52Dと回転軸18の外周面との間に形成される隙間を通じて、支持アーム51Aの付け根付近まで堆積するのを抑えることができる。これにより、最上流側パドル51を構成する支持アーム51A、あるいは支持アーム51Aに攪拌羽根52を取付けるボルト51C、ナット51D等を付着物から保護することができる。
次に、図16ないし図18は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、最上流側パドルを構成する攪拌羽根に、混合槽の上流壁に向けて突出する第1の突出部と、回転軸に向けて内向きに突出する第2の突出部とを設け、かつ、第1の突出部の先端側に切欠き面を設け、この切欠き面には耐摩耗部材を設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の参考例と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、61,61は各回転軸18に設けられた2個の最上流側パドルで、該各最上流側パドル61は、第1の参考例による最上流側パドル31と同様に、混合槽14内での土砂と土質改良材の移送方向(図16中の矢示F方向)における最上流側に配置され、混合槽14の上流壁15Dと対向するものである。
ここで、各最上流側パドル61は、支持アーム61Aと、該支持アーム61Aの取付面61Bにボルト61Cとナット61Dとを用いて着脱可能に取付けられた板状の攪拌羽根62と、後述する第1の突出部64と、第2の突出部65とにより大略構成されている。この場合、支持アーム61Aは、回転軸18の周方向に一定の角度間隔(例えば180度)をもって配置され、支持アーム61Aの取付面61Bは、回転軸18の軸線O−Oに対して角度αだけ傾斜している(図16参照)。
62は支持アーム61Aに着脱可能に取付けられる攪拌羽根で、該攪拌羽根62は、支持アーム61Aの軸方向に延びる長方形の板状に形成され、上流攪拌面62A、下流攪拌面62B、外径面62C、内径面62D、上流側面62E、下流側面62F等を有している。そして、攪拌羽根62は、ボルト61Cとナット61Dとを用いて支持アーム61Aの取付面61Bに取付けられている。
ここで、攪拌羽根62の上流攪拌面62Aと下流攪拌面62Bとは、回転軸18の軸線O−Oに対して角度αだけ傾斜している。また、攪拌羽根62のうち混合槽14の上流壁15Dと対面する上流側面62Eには、後述する第1の突出部64が一体形成され、攪拌羽根62の内径面62Dには、後述する第2の突出部65が一体形成されている。
63は攪拌羽根62の下流攪拌面62Bのうち外径面62Cの近傍部位に設けられた板状の耐摩耗部材で、該耐摩耗部材63は、攪拌羽根62よりも硬度の高い材料を用いて形成され、下流攪拌面62Bのうち外径面62Cの近傍部位に固着されている。そして、耐摩耗部材63は、回転軸18を中心として攪拌羽根62が回転するときに、この攪拌羽根62を構成する下流攪拌面62Bの外径部分が早期に摩耗するのを抑え、攪拌羽根62の寿命を延ばすものである。
64は攪拌羽根62に設けられた上流向き突出部である第1の突出部で、該第1の突出部64は、攪拌羽根62の上流側面62Eに一体形成され、該上流側面62Eから混合槽14の上流壁15Dに向けて突出している。ここで、図18に示すように、第1の突出部64の先端部(突出端部)64Aと上流壁15Dとの間の距離L1は、攪拌羽根62を支持アーム61Aに締結するナット61Dと上流壁15Dとの間の距離L2よりも小さく設定されている。即ち、第1の突出部64の先端部64Aは、最上流側パドル61のナット61Dよりも上流壁15D側に配置され、上流壁15Dに付着した付着物を第1の突出部64によって確実に掻き落とすことができる構成となっている。
65は攪拌羽根62に設けられた内向き突出部である第2の突出部で、該第2の突出部65は、攪拌羽根62の内径面62Dと第1の突出部64とに一体形成され、回転軸18に向けて内向きに突出している。ここで、図16に示すように、第2の突出部65の先端部(突出端部)65Aは、最上流側パドル61の支持アーム61Aと回転軸18との取付部位(回転軸18の外周面)よりも回転軸18の軸中心側に延在している。これにより、混合槽14の上流壁15Dに付着した付着物が、攪拌羽根62の内径面62Dと回転軸18の外周面との間に形成される隙間を通じて支持アーム61Aの付け根付近まで堆積するのを抑え、支持アーム61Aに攪拌羽根62を取付けるボルト61C、ナット61D等が付着物に擦れて摩耗するのを抑えることができる構成となっている。
66は第1の突出部64の先端側に設けられた切欠き面で、該切欠き面66は、図18に示すように、混合槽14の上流壁15Dに対してほぼ垂直方向に延びる面を形成している。即ち、切欠き面66は、回転軸18の軸線O−Oと平行な直線O2−O2に沿って延びている。そして、切欠き面66は、第1の突出部64の先端側を支持アーム61Aの軸方向に沿って面取りすることにより、第1の突出部64の長さ方向の全域に亘って帯状に形成され、この切欠き面66には後述の耐摩耗部材67が取付けられる構成となっている。
67は第1の突出部64の切欠き面66に設けられた耐摩耗部材で、該耐摩耗部材67は、攪拌羽根62よりも硬度の高い材料を用いて切欠き面66に対応する長方形の板状に形成されている。そして、耐摩耗部材67は、ろう付け等の手段を用いて切欠き面66に固着されることにより、混合槽14の上流壁15Dに対してほぼ垂直方向となり、回転軸18の軸線O−Oと平行な直線O2−O2に沿って延びている。
このように、第1の突出部64の先端側に上流壁15Dに対してほぼ垂直方向に延びる切欠き面66を設け、この切欠き面66に板状の耐摩耗部材67を取付けることにより、攪拌羽根62が回転するときに、第1の突出部64は、土砂等を上流壁15Dに押付けてしまうことなく上流壁15Dに付着した付着物を確実に除去することができ、かつ、第1の突出部64の先端が摩耗するのを耐摩耗部材67によって抑え、その寿命を延ばすことができる構成となっている。
本実施の形態による土質改良機は、上述の如き最上流側パドル61を有するもので、その基本的作動については第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
然るに、本実施の形態によれば、最上流側パドル61を構成する攪拌羽根62の上流側面62Eに、混合槽14の上流壁15Dに向けて突出する第1の突出部64を設けると共に、攪拌羽根62の内径面62Dに、回転軸18に向けて内向きに突出する第2の突出部65を設ける構成としている。このため、攪拌羽根62が混合槽14内で回転するときに、第1,第2の突出部64,65によって、混合槽14の上流壁15Dに付着した土砂、土質改良材等からなる付着物を掻き落とすことができるので、攪拌羽根62の摩耗を抑え、その寿命を延ばすことができる。
また、第1の突出部64の先端側に上流壁15Dに対してほぼ垂直方向となり、回転軸18の軸線O−Oと平行な直線O2−O2に沿って延びる切欠き面66を設け、この切欠き面66には板状の耐摩耗部材67を取付ける構成としている。これにより、攪拌羽根62が回転するときに、第1の突出部64が土砂等を上流壁15Dに押付けてしまうことがないので、第1,第2の突出部64,65によって上流壁15Dに付着した付着物を確実に除去することができ、かつ、第1の突出部64の先端が摩耗するのを耐摩耗部材67によって抑えることができ、その寿命を延ばすことができる。
なお、上述した第1の実施の形態では、最上流側パドル51を構成する攪拌羽根52に、混合槽14の上流壁15Dに向けて突出する第1の突出部54と、回転軸18に向けて内向きに突出する第2の突出部55とを設ける構成としている。これに対し、例えば図19に示す第3の参考例は、攪拌羽根71に内向き突出部72のみを設ける構成としている。即ち、図19に示すように、上流攪拌面71A、下流攪拌面71B、外径面71C、内径面71D、上流側面71E、下流側面71Fからなる攪拌羽根71の内径面71Dに、回転軸18に向けて内向きに突出する内向き突出部72のみを設ける構成としている。