JP3628885B2 - 泥土固化処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は回転ドラムの内壁面に周方向に沿って複数突設された掻揚翼により回転ドラム内の泥土と固化材が撹拌混合されて固化し、排土機構部より排出されるように構成された泥土固化処理装置に関する。
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は板状の搬送翼が内壁面に複数個突設された回転ドラムが回転駆動されることにより、泥土と固化材が撹拌混合され、固化した土砂が排出されるように構成された泥土固化処理装置の技術分野に属する。
【0003】
【従来の技術】
都市部での上下水管や電気・通信配線の埋設工事等の施行においては交通障害や各種建設公害の発生防止のため、シールド工法が多く採用されるようになっている。シールド工法では地中で掘削した掘削土砂を坑道内を経て坑外に排出しなければならないという特有の排土処理上の問題点を有している。そして、この掘削土砂の排土効率の如何が工事全体の作業効率を左右する程になっている。そこで、掘削土砂を効率よく排出するために多くの工法が開発され、提案されているが、作業効率の良さ等から泥水式シールド工法や加泥型土圧式シールド工法が多く採用されている。
【0004】
ところで、掘削土砂の排出に土砂と水を混合して流体搬送する工法を用いた場合には、坑外に排出された土砂の含水率が高いため、取扱いや地上搬送が不便であるばかりでなく、再利用可能な一般残土として扱われない。このような含水率の高い掘削土砂が抱える困難は上記流体搬送工法の導入を難しくしているため、排出された含水率の高い掘削土砂を固形化する技術が求められている。例えば、特開平2−167995号公報や特公平8−22432号公報には坑内から土砂圧送管を経て排出された含水率の高い掘削土砂を回転式混練機中に導いて、高含水処理剤と補助剤を添加し撹拌混合することにより、固形状の処理残土を得るようにした泥土固化処理に関する発明が開示されている。
【0005】
図11は従来例に係る稼働状態のシールド掘進機と泥土固化処理装置を示す坑道部分の縦断面図である。坑道17先端部のシールド掘進機18で掘削された土砂は管輸送可能な性状にしてスクリュー搬送装置19でシールド掘進機18の後方に送られ、圧送ポンプ12で輸送管13内に押し込まれる。輸送管13内に押し込まれた泥土は輸送管13内を圧送されて坑道17外に移送され、排土口14より泥土溜15上に排出される。泥土溜15内に溜置かれた泥土はその下部に設けられた搬送装置16により所定量ずつ泥土固化処理装置1内に送り込まれる。泥土固化処理装置1内では送り込まれた泥土と、固化材投入機2により投入された固化材が撹拌混合され、固化処理される。固化して固形状になった土砂は排土機構部9から土砂貯留溜11内に排出され、貯留される。
【0006】
泥土固化処理装置1の主要部は図示しない駆動装置により回転する回転ドラムで構成されていて、この回転ドラムの内壁面には複数の掻揚翼と回転軸に対して所定の傾斜角を有した複数の搬送翼とが回転方向に沿って突設されている。そして、回転ドラムが回転することにより上記掻揚翼に掻き上げられた泥土が自重により落下する動作を繰り返すことにより撹拌され、搬送翼が傾斜角を有しているために泥土が落下する過程で排土機構部9側に除々に移動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、上記従来技術においては泥土固化処理装置1内に送り込まれた泥土は掻揚翼により掻き揚げられた後、自重で落下する際に回転ドラム内の底面や他の土礫に衝突して破砕される。このような、泥土の掻き揚げ−落下−破砕の動作を繰り返すことにより、均質な土質の泥土が得られ、泥土と固化材との十分な混合が行われる。このように、従来技術においては泥土の破砕と混合は泥土の自由落下に依存しているため、回転軸に垂直な方向の断面図を示す図12において、泥土の落下開始地点から落下到達地点までの高さH、つまり、回転ドラムの外径を建造費や設置場所等の関係で十分大きく取ることができない場合は、泥土の破砕が不十分になり、泥土と固化材とを十分混合することができない。その結果、泥土の固化が不十分な侭、排土機構部9から土砂貯留溜11内に排出されてしまう。
【0008】
このような泥土は上述のように、一般残土として扱われないため、産業廃棄物として廃棄しなければならず、廃棄費用が高価になるばかりでなく、環境汚染物質を増加させてしまう。本発明は従来技術におけるかかる問題点に鑑みて為されたものであり、回転ドラムの外径を大きく取れない場合であっても、泥土を十分粉砕して固化材と共に撹拌混合できる泥土固化処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、
一端側に泥土と固化材が搬入される搬入口がそれぞれ設けられて回転駆動される回転ドラムの内壁面に軸方向に延設された複数の板状の掻揚翼が周方向に沿って突設されており、前記回転ドラムの回転に連れて前記掻揚翼により前記回転ドラム内の泥土と固化材が掻き揚げられて落下することにより、泥土が固化材と撹拌混合されて固化し、回転ドラムの他端側に設けられた排土機構部のスクリュー搬送手段により排出口側に導かれて排出されるように構成された泥土固化処理装置において、
回転駆動される回転軸とこの回転軸に取り付けられた複数の撹拌棒とを備え、この回転軸により少なくとも前記回転ドラムの回転軸に近い位置に軸支され、回転することによって前記掻揚翼から落下した泥土と固化材に撹拌棒を下方から打ち当てて両者を粉砕、撹拌する打当て手段を設けて、この打当て手段の回転軸がスクリュー搬送手段の回転数とは異なるこれよりも高い回転数で回転駆動されるようにしたものである。
【0010】
こうした手段を採用した本発明の泥土固化処理装置では、回転ドラムの一端側の搬入口から搬入された回転ドラム内の泥土と固化材は、回転ドラムの回転に伴って掻揚翼により掻き揚げられて落下するが、これらの泥土と固化材は、落下する過程において、打当て手段の回転軸の回転数に応じた頻度で打当て手段の撹拌棒に下方から打ち当てられて粉砕されながら撹拌棒で撹拌されて落下する。こうして粉砕、撹拌されて落下した泥土と固化材 は、再度、掻揚翼により掻き揚げられ、その後、以上の動作と同様の動作を繰り返すことにより、泥土は、粉砕されつつ固化材と撹拌混合されて固化する。こうして固化した泥土は、回転ドラムの他端側に設けられた排土機構部のスクリュー搬送手段により、その回転数に応じた速度で排出口側に搬送されて排出される。
【0011】
本発明の泥土固化処理装置では、泥土を粉砕、撹拌混合する場合、従来技術のように自由落下だけに依存するのではなく、前記のように、回転する打当て手段の撹拌棒を、落下する泥土にその下方から打ち当てて粉砕しながら撹拌棒で撹拌するようにしているので、回転ドラムの径に関わりなく泥土を効率よく粉砕して撹拌混合することができる。そのため、回転ドラムの外径を大きく取れない場合であっても、泥土を十分粉砕して固化材と共に撹拌混合することができて、本発明の所期の目的が達成される。特に、本泥土固化処理装置では、打当て手段の回転軸がスクリュー搬送手段の回転数とは異なるこれよりも高い回転数で回転駆動されるようにしているので、スクリュー搬送手段を適度な回転数で回転させることにより、固化処理済みの泥土を適正な速度で回転ドラムの排出口側に搬送することができる一方、打当て手段の回転軸をスクリュー搬送手段よりも高速で回転させることにより、泥土を一層効率よく粉砕して固化材と共に撹拌混合することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を具体化した具体例を詳細に説明する。図1は、第1の具体例に係る回転ドラムの回転軸に沿った縦断面図、図2は、図1における切断線 III − III に沿った前記回転軸に垂直な方向の横断面図、図3は、撹拌篭の部分斜視図である。従来例と同一または同一と見做せる個所には同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。これらの図において、1aは後述する回転ドラムの泥土受入れ側の端縁を塞ぐ側面固定板、1bは該側面固定板1aの中心部に穿設された貫通孔内に設けられ、後述する駆動軸を回転自在に軸止する軸受け、2は固化材が投入されこの固化材を回転ドラムの一端側の搬入口に導く固化材投入機、3は搬送装置により送り込まれた泥土を泥土固化処理装置1の回転ドラムの一端側の搬入口に導く泥土導入管、4は回転ドラムを転動自在に支持する4箇の回転ローラー、5は後述する底板の上面の4箇所に設けられ、回転ローラー4をそれぞれ回転自在に支持するローラー受、6は回転ドラムを支持する土台となる底板、7は回転ドラムの内壁面の軸方向に延設され、かつ、回転方向に沿って複数個突設された板状の掻揚翼、8は同様に、回転方向に沿って回転軸方向にやや傾きをもって複数個突設された板状の搬送翼である。
【0013】
また、9は回転ドラムの他端側に設けられた排土機構部、9aは回転ドラムの中心部を貫いて回転可能に配設され、排土機構部9のスクリュー軸を成す駆動軸、9bは駆動軸9aを回転駆動する駆動部、10は泥土固化処理装置1の主要部を成し、一端側に泥土と固化材が搬入される搬入口がそれぞれ設けられて回転軸の周りに回転自在に支持された回転ドラム、30は回転ドラム10の回転により掻揚翼7から滑落する泥土MDを粉砕撹拌する撹拌篭、30aは駆動軸9aと同軸上に設けられた撹拌篭30の回転軸、30bは回転軸30aおよび後述する回転軸30dに対して垂直方向に十字状を成して取り付けられた支持棒、30cは両側の支持棒30bの外周方向先端部間を繋ぐように、回転軸30a,30dに平行に設けられた4つの撹拌棒、30dは撹拌篭30の回転軸30aと対向する側の回転軸、31は排土機構部9の駆動軸9aの回転を増速して撹拌篭30の回転軸30dに伝達する増速機構、91は排土機構部9の下部に設けられた固化処理済みの土砂が排出される排出口、MDは回転ドラム10内で処理される泥土、SDは固化材である。
【0014】
次に、この具体例の動作を説明する。始めに、回転ドラム10を回転させた後、搬送装置により泥土導入管3を経て回転ドラム10内に泥土MDを搬入させると共に、固化材投入機2により固化材SDを投入させる。そして、回転ドラム10にやや遅れて駆動軸9aを回転させる。これにより、図1に示すように、図2の矢印RD方向に回転する回転ドラム10内に泥土MDと固化材SDが搬入され、回転ドラム10の内壁に突設された掻揚翼7により上方に掻き揚げられ、所定の高さまで達した時、掻揚翼7の上面に沿って滑落する。滑落した固化材SDを含む泥土MDは矢印RS方向に高速回転する撹拌篭30の撹拌棒30cに打ち当たって破砕されながら撹拌棒30cで撹拌され、落下して掻揚翼7により再度上方に掻き揚げられる動作を繰り返す。搬送翼8は泥土MDの一部を掻き揚げて、排土機構部9の駆動軸9a方向に傾いた傾斜面に沿って落下させることにより撹拌しながら排土機構部9側に徐々に搬送する。
【0015】
回転ドラム10および駆動軸9aの回転数はそれぞれ例えば、 4.4回/分および60回/分に設定され、撹拌篭30の回転軸30dには、その駆動軸9aの回転が増速機構31により増速されて伝達されるから、掻揚翼7から滑落した泥土MDは撹拌篭30の撹拌棒30cに確実に打ち当たって破砕される。このように、この具体例では泥土MDの粉砕は従来例のように自重落下による回転ドラム10底面への打ち付けを利用したものではなく、落下してくる泥土MDを撹拌棒30cが下方から高速で打ち砕くようにしているから、回転ドラム10の径に関わりなく泥土MDを常に効率よく粉砕でき、粒径が均質な粉砕土砂を得ることができると共に、泥土MDの撹拌棒30c近辺部分への付着を抑えながら、撹拌棒30cでの撹拌により泥土MDの撹拌効率を高め、従って、泥土MDの処理効率を高めることができる。
【0016】
こうしたことから、本具体例では、回転ドラム10の外径を大きく取れない場合であっても、泥土MDを十分粉砕して固化材SDと共に撹拌混合することができる。特に、本具体例では、撹拌篭30の回転軸30aが排土機構部9の駆動軸9aの回転数よりも高い回転数で回転駆動されるようにしたので、排土機構部9の駆動軸9aを比較的ゆっくりとした適度な回転数で回転させることにより、固化処理済みの泥土MDを適正な速度で回転ドラム10の排出口91方向に搬送することができる一方、撹拌篭30の回転軸30aを排土機構部9の駆動軸9aよりも高速で回転させることにより、泥土MDを一層効率よく粉砕して固化材SDと共に撹拌混合することができる。撹拌篭30の回転軸30aは、駆動軸9aと同軸上に設けずに、所定の偏芯位置にずらして少なくとも回転ドラム10の回転軸に近い位置に設けて、駆動軸9aとは増速機能をもつ任意の駆動力伝達機構を介して接続するようにしてもよい。
【0017】
上述の具体例では泥土MDを打ち砕く撹拌棒30cは、回転軸30a,30dに対して平行な方向に配設されるように取り付けられているが、必ずしもこのような形態である必要はなく、駆動軸9aの回転が増速機構31を介して伝達される回転軸に対して放射状に取り付けられていてもよい。図4は、第2の具体例に係る図2と同様の横断面図である。図4において、20は駆動軸9aの回転が増速機構31を介して伝達される回転軸の軸方向に所定距離ずつ離間し、回転方向に90°の取付角をもって複数個、順次放射状に取り付けられた撹拌棒である。本具体例において説明を省略した他の構成は、第1の具体例のものと変わらない。本具体例でも、既述の第1の具体例の作用効果と同様の作用効果を奏する。本具体例では撹拌棒20の断面形状は正方形としてあるが、円形、三角形等任意の形状でよく、例えば、円形の場合は泥土MDの付着が生じ難く、また、三角形の場合は固い塊状の泥土MDを効率良く砕くことができる。
【0018】
回転ドラム10内に搬入される泥土MDの土質が変化する場合には、撹拌篭30の回転と排土機構部9の駆動軸9aの回転を独立して制御できる方が好ましい。図5および図6はかかる構成を具えた本発明の第3の具体例に係るそれぞれ回転ドラムの回転軸に沿った縦断面図および図5中の排土機構部9の駆動軸9aと撹拌篭30の回転軸30dの軸受け部分の拡大縦断面図である。これらの図において、9cは排土機構部9の土砂搬入側端縁の側板、40は側板9cの中央部に取り付けられた軸受け、40aは軸受け40の外筒、40b,40cは外筒40aに対して駆動軸9aおよび回転軸30dをそれぞれ回転自在に支持する軸受け部、50は側面固定板1aの中央部に取り付けられ、回転軸30aを介して撹拌篭30を回転駆動するインバーター制御の駆動モーターである。本具体例の動作は撹拌篭30が駆動モーター50により、排土機構部9が駆動部9bによりそれぞれ独立して駆動される点を除いて第1の具体例のものと変わらない。
【0019】
以上述べた第1乃至第3の具体例では掻揚翼7により掻き揚げられて滑落する泥土MDは撹拌棒20または撹拌篭30の撹拌棒30cにより打ち砕かれ、撹拌されるが、排土機構部9側への搬送は搬送翼8による掻き揚げ搬送によっている。しかし、回転ドラム10の径が小さいと搬送力も弱く、また、泥土MD処理を続けていると、搬送翼8に泥土MDが付着して、搬送翼8の搬送力が次第に低下する。搬送翼8の搬送力が低下すると、排土機構部9からの泥土MDの排出量が低下し、回転ドラム10内に滞留する泥土MD量が増加して、益々搬送翼8への泥土MDの付着量が増加するという悪循環が起きてしまう。そこで、回転ドラム10内の泥土MDを安定して搬送することができるようにした本発明の第4の具体例を説明する。
【0020】
図7は、本発明の第4の具体例に係る回転ドラムの回転軸に沿った縦断面図、図8は、図7における切断線IV−IVに沿った前記回転軸に垂直な方向の横断面図、図9は、図7中の撹拌スクリュー機構部分の拡大縦断面図、図10は、図9中の撹拌棒が略水平方向を向いたときの径方向に垂直な断面図である。これらの図において、60は掻揚翼7により掻き揚げられて滑落する泥土MDを打ち砕いて撹拌すると共に、排土機構部9側へ搬送する撹拌スクリュー機構、60aはその回転軸、60b〜60kは回転軸60aの軸方向に所定の間隔を以て、また、回転方向に沿って所定の取付け角を以て全体が螺旋形状を成すように取り付けられた多数(この例では9個)の撹拌棒である。
【0021】
個々の撹拌棒60b〜60kは第1の具体例と同様に矢印RS方向に高速回転して、掻揚翼7から滑落する泥土MDを打ち砕いて掻き混ぜるが、撹拌棒60b〜60kは断面が三角形を成し、略水平方向を向いた時には図10に示すように、泥土MDの打ち当て面LSが排土機構部9側へ傾斜した斜面となるから、打ち当て面LSに打ち当った泥土MDは矢印RSと直角な方向Vの力、即ち、排土機構部9側へ向かう力を受けて撥ね飛ばされる。個々の撹拌棒60b〜60kが掻揚翼7から滑落する泥土MDの落下位置に順次に到達すると、上述のように泥土MDを打ち砕いて掻き混ぜながら排土機構部9側へ撥ね飛ばすから、撹拌棒60b〜60k全体、つまり、撹拌スクリュー機構60が泥土MDの粉砕、撹拌機能と排土機構部9側への搬送機能を果たすことになる。
【0022】
この具体例では撹拌スクリュー機構60は一条の螺旋形状で構成されているが、勿論、複数螺旋形状であっても良い。このように、この具体例では撹拌スクリュー機構60は排土機構部9の駆動部9bとは独立して駆動系が設けられているので、駆動モーター50の回転数を変えることにより、泥土MDの回転ドラム10内の搬送速度を土質等に応じて任意の値に設定することができる。また、泥土MDの回転ドラム10内の滞留時間を調整することにより、排土機構部9から排出される泥土MDの性状を制御することもできる。
【0023】
さらに、撹拌棒60b〜60k全体で螺旋形状を成す撹拌スクリュー機構60を構成するようにしたが、必ずしもこうした形態の撹拌スクリュー機構とする必要はなく、それぞれの撹拌棒が排土機構部9側へ傾斜した斜面から成る打ち当て面LSを具えるだけでも排土機構部9側への搬送機能を有することができる。また、回転軸に放射状に取り付けた複数の撹拌棒20に排土機構部9側へ傾斜した斜面から成る打ち当て面LSを設けるばかりでなく、第1の具体例で述べた撹拌篭30の撹拌棒30cを回転軸30a,30d方向に捩ったスクリュー形状にして、滑落する泥土MDが打ち当たる面が排土機構部9側へ傾斜した斜面を成すようにしても良い。なお、この具体例では撹拌スクリュー機構60が排土機構部9側への搬送機能を有することから、回転ドラム10内に突設される搬送翼8を省いて撹拌スクリュー機構60のみで泥土MDの搬送機能を担うようにしても良い。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、泥土固化処理装置において、回転駆動される回転軸とこの回転軸に取り付けられた複数の撹拌棒とを備え、この回転軸により少なくとも前記回転ドラムの回転軸に近い位置に軸支され、回転することによって前記掻揚翼から落下した泥土と固化材に撹拌棒を下方から打ち当てて両者を粉砕、撹拌する打当て手段を設けたので、回転ドラムの外径を大きく取れない場合であっても、泥土を十分粉砕して固化材と共に撹拌混合できる泥土固化処理装置を得ることができる。この泥土固化処理装置では、特に、打当て手段の回転軸がスクリュー搬送手段の回転数とは異なるこれよりも高い回転数で回転駆動されるようにしたので、スクリュー搬送手段を適度な回転数で回転させることにより、固化処理済みの泥土を適正な速度で回転ドラムの排出口側に搬送することができる一方、打当て手段の回転軸をスクリュー搬送手段よりも高速で回転させることにより、泥土を一層効率よく粉砕して固化材と共に撹拌混合することができる。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、打当て手段の回転軸をスクリュー搬送手段の回転軸とは異なる駆動源により回転駆動するようにしたので、打当て手段の回転数を任意の値に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の具体例に係る回転ドラムの回転軸に沿った縦断面図である。
【図2】図1における切断線 III − III に沿った前記回転軸に垂直な方向の横断面図である。
【図3】図1中の撹拌篭の部分斜視図である。
【図4】本発明の第2の具体例に係る図2と同様の横断面図である。
【図5】本発明の第3の具体例に係る回転ドラムの回転軸に沿った縦断面図である。
【図6】図5中の排土機構部の駆動軸と撹拌篭の回転軸の軸受け部分の拡大縦断面図である。
【図7】本発明の第4の具体例に係る回転ドラムの回転軸に沿った縦断面図である。
【図8】図7における切断線 IV − IV に沿った前記回転軸に垂直な方向の横断面図である。
【図9】図7中の撹拌スクリュー機構部分の拡大縦断面図である。
【図10】図9中の撹拌棒が略水平方向を向いたときの径方向に垂直な断面図である。
【図11】従来例に係る稼働状態のシールド掘進機と泥土固化処理装置を示す坑道部分の縦断面図である。
【図12】従来例に係る泥土固化処理装置の回転軸に垂直な方向の断面図である。
【符号の説明】
1 泥土固化処理装置
1a 側面固定板
2 固化材投入機
3 泥土導入管
6 底板
7 掻揚翼
8 搬送翼
9 排土機構部
9a 駆動軸
9b 駆動部
9c 側板
10 回転ドラム
20,30c,60b〜60k 撹拌棒
30 撹拌篭
30a,30d 回転軸
40 軸受け
50 駆動モーター
60 撹拌スクリュー機構
91 排出口
Claims (2)
- 一端側に泥土と固化材が搬入される搬入口がそれぞれ設けられて回転駆動される回転ドラムの内壁面に軸方向に延設された複数の板状の掻揚翼が周方向に沿って突設されており、前記回転ドラムの回転に連れて前記掻揚翼により前記回転ドラム内の泥土と固化材が掻き揚げられて落下することにより、泥土が固化材と撹拌混合されて固化し、回転ドラムの他端側に設けられた排土機構部のスクリュー搬送手段により排出口側に導かれて排出されるように構成された泥土固化処理装置において、回転駆動される回転軸とこの回転軸に取り付けられた複数の撹拌棒とを備え、この回転軸により少なくとも前記回転ドラムの回転軸に近い位置に軸支され、回転することによって前記掻揚翼から落下した泥土と固化材に撹拌棒を下方から打ち当てて両者を粉砕、撹拌する打当て手段を設けて、この打当て手段の回転軸がスクリュー搬送手段の回転数とは異なるこれよりも高い回転数で回転駆動されるようにしたことを特徴とする泥土固化処理装置。
- 打当て手段の回転軸はスクリュー搬送手段の回転軸とは異なる駆動源により回転駆動されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の泥土固化処理装置。
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