JP5028749B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5028749B2
JP5028749B2 JP2005119791A JP2005119791A JP5028749B2 JP 5028749 B2 JP5028749 B2 JP 5028749B2 JP 2005119791 A JP2005119791 A JP 2005119791A JP 2005119791 A JP2005119791 A JP 2005119791A JP 5028749 B2 JP5028749 B2 JP 5028749B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
layer
film
conductivity type
type semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005119791A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006100779A (ja
Inventor
巧裕 伊倉
学 武井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2005119791A priority Critical patent/JP5028749B2/ja
Publication of JP2006100779A publication Critical patent/JP2006100779A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5028749B2 publication Critical patent/JP5028749B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching, or capacitors or resistors with at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof  ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66007Multistep manufacturing processes
    • H01L29/66075Multistep manufacturing processes of devices having semiconductor bodies comprising group 14 or group 13/15 materials
    • H01L29/66227Multistep manufacturing processes of devices having semiconductor bodies comprising group 14 or group 13/15 materials the devices being controllable only by the electric current supplied or the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched, e.g. three-terminal devices
    • H01L29/66234Bipolar junction transistors [BJT]
    • H01L29/66325Bipolar junction transistors [BJT] controlled by field-effect, e.g. insulated gate bipolar transistors [IGBT]
    • H01L29/66333Vertical insulated gate bipolar transistors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching, or capacitors or resistors with at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof  ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/02Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/06Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor characterised by their shape; characterised by the shapes, relative sizes, or dispositions of the semiconductor regions ; characterised by the concentration or distribution of impurities within semiconductor regions
    • H01L29/0603Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor characterised by their shape; characterised by the shapes, relative sizes, or dispositions of the semiconductor regions ; characterised by the concentration or distribution of impurities within semiconductor regions characterised by particular constructional design considerations, e.g. for preventing surface leakage, for controlling electric field concentration or for internal isolations regions
    • H01L29/0642Isolation within the component, i.e. internal isolation
    • H01L29/0649Dielectric regions, e.g. SiO2 regions, air gaps
    • H01L29/0653Dielectric regions, e.g. SiO2 regions, air gaps adjoining the input or output region of a field-effect device, e.g. the source or drain region
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching, or capacitors or resistors with at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof  ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/68Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by only the electric current supplied, or only the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched
    • H01L29/70Bipolar devices
    • H01L29/72Transistor-type devices, i.e. able to continuously respond to applied control signals
    • H01L29/739Transistor-type devices, i.e. able to continuously respond to applied control signals controlled by field-effect, e.g. bipolar static induction transistors [BSIT]
    • H01L29/7393Insulated gate bipolar mode transistors, i.e. IGBT; IGT; COMFET
    • H01L29/7395Vertical transistors, e.g. vertical IGBT
    • H01L29/7396Vertical transistors, e.g. vertical IGBT with a non planar surface, e.g. with a non planar gate or with a trench or recess or pillar in the surface of the emitter, base or collector region for improving current density or short circuiting the emitter and base regions
    • H01L29/7397Vertical transistors, e.g. vertical IGBT with a non planar surface, e.g. with a non planar gate or with a trench or recess or pillar in the surface of the emitter, base or collector region for improving current density or short circuiting the emitter and base regions and a gate structure lying on a slanted or vertical surface or formed in a groove, e.g. trench gate IGBT

Description

この発明は、半導体装置の製造方法に関し、特にIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を構成するパワー半導体装置の製造方法に関する。
IGBTについては、これまで数多くの改良によって、その性能の向上が図られてきている。ここで、IGBTの性能とは、オフ時には、電圧を保持して電流を完全に遮断し、一方、オン時には、できる限り小さい電圧降下、すなわち、オン抵抗で電流を流すというスイッチとしての性能のことである。なお、IGBTの動作の本質に鑑みて、本明細書では、コレクタを「アノード」と表記し、エミッタを「カソード」と表記する。以下に、IGBTの特性等について説明する。
(IGBT性能のトレードオフについて)
IGBTの保持可能な最大電圧、すなわち耐圧の大きさと、オン時の電圧降下との間には、二律背反の関係(いわゆるトレードオフ関係)が存在し、高耐圧のIGBTほどオン電圧が高くなる。最終的には、このトレードオフ関係の限界値は、シリコンの物性で決まる。このトレードオフを限界まで向上させるためには、電圧保持時に局所的な電界集中が生じるのを防ぐなど、設計面での工夫が必要である。
また、IGBTの性能を表すもう一つの重要な指標として、オン電圧とスイッチング損失(特に、ターンオフ損失)のトレードオフ関係がある。IGBTは、スイッチングデバイスであるため、オンからオフまたはオフからオンの動作を行う。このスイッチング動作の瞬間に、時間当たり大きな損失が発生する。一般に、オン電圧の低いIGBTほどターンオフが遅いので、ターンオフ損失が大きい。以上のようなトレードオフ関係を改善することによって、IGBTの性能の向上を図ることができる。なお、ターンオン損失のオン電圧に対する依存性は小さい。ターンオン損失は、組み合わせて使われる還流ダイオードの特性に大きく左右される。
(卜レードオフの改善について)
オン電圧とターンオフ損失のトレードオフ関係(以下、オン電圧−ターンオフ損失の関係とする)を最適化するには、IGBTがオン状態のときの内部の過剰キャリア分布を最適化することが有効である。オン電圧を下げるには、過剰キャリア量を増やしてドリフト層の抵抗値を下げればよい。しかし、ターンオフ時には、この過剰キャリアをすべてデバイスの外に掃き出すか、または、電子−ホール再結合により消滅させる必要がある。そのため、ターンオフ損失が増加してしまう。従って、このトレードオフ関係を最適化するには、同じオン電圧でターンオフ損失を最小にすればよい。
最適なトレードオフを実現するには、アノード側のキャリア濃度を下げるとともに、カソード側のキャリア濃度を上げることによって、アノード側とカソード側のキャリア濃度の比率が1:5程度になるようにすればよい。さらに、ドリフト層のキャリアライフタイムをできるだけ大きく保つことによって、ドリフト層内の平均キャリア濃度が高くなるようにすればよい。
IGBTのターンオフ時には、空乏層は、カソード側のpn接合からドリフト層内部に拡がり、裏面のアノード層へ向かって進展する。その際、ドリフト層内の過剰キャリアのうち、ホールは、電界によって空乏層端から引き抜かれる。このようにして電子過剰状態となり、余った電子は、中性領域を抜けてp型のアノード層に注入される。そして、アノード側pn接合がやや順バイアスされることになるので、注入された電子に応じてホールが逆注入される。この逆注入されたホールは、上述した電界によって引き抜かれるホールと合流して、空乏層に入っていく。
電荷の担い手であるキャリア(ここでは、ホール)が電界領域を通過してカソード側に抜けるため、電界はキャリアに対して仕事をすることになる。キャリアが電界から受けた仕事は、最終的には、シリコンなどの結晶格子との衝突による格子振動となり、熱として散逸する。この散逸するエネルギーがターンオフ損失となる。ところで、空乏層が伸びきらないうちに引き抜かれるキャリアによって散逸するエネルギーは、空乏層が伸びきったときに引き抜かれるキャリアによって散逸するエネルギーよりも小さい。これは、空乏層が伸びきっていないと、キャリアが空乏層を通過する際の電位差が小さいため、空乏層の電界から受ける仕事が少ないからである。
ミクロの観点で見ると以上のようになる。これを、デバイスの端子電圧というマクロの観点で見ると、アノード−カソード間電圧が上がり終わる前、すなわち上昇中に流れる電流の方が、上がり終わった後に流れる電流よりも、電圧と電流の積(電圧×電流)で表される損失に対する寄与が少ないということを意味する。以上のことから、後述するIE効果によりカソード側に偏重したキャリア分布は、低電圧で引き抜かれるキャリアの割合が多く、オン電圧が同じであるという条件下では、アノード側偏重のキャリア分布よりもターンオフ損失が小さいということがわかる。
アノード側のキャリア濃度を下げるには、アノード層の総不純物量を下げればよい。これ自体は、特に困難なことではない。ただし、600Vなどのように定格耐圧の低いIGBTでは、アノード層の総不純物量を下げるためには、製造工程中に、100μm程度の厚さ、あるいはそれよりも薄いウェハを扱う必要があるため、生産技術上の困難が存在する。一方、カソード側のキャリア濃度を上げるメカニズムは、IE効果と呼ばれている。
IE効果の大きいカソード構造として、プレーナ構造のpベースを囲むように高濃度n層を挿入したHiGT構造などが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。また、トレンチゲート構造において、隣り合うトレンチ間のメサ部に、ドリフト層よりも高濃度のn層を挿入したCSTBT構造や、IEGT(インジェクション エンハンスメント ゲート トランジスタ)構造などが提案されている(例えば、特許文献3、非特許文献1参照。)。一般に、トレンチ型におけるIE効果の方がプレーナ型におけるIE効果よりも大きい。
(IE効果について)
IE効果については、その本質が議論され、報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。よく描かれるIGBTの等価回路は、MOSFET(金属−酸化膜−半導体構造を有する絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)とバイポーラトランジスタの組み合わせである。しかし、実際のデバイス動作を考えると、図1に示す等価回路のように、MOSFET1とpnpバイポーラトランジスタ2とpinダイオード3の組み合わせであると考えられる。
図2は、プレーナ型IGBTの要部の構成を示す断面図である。図2において、符号4はpnpバイポーラトランジスタ領域(以下、pnp−BJT領域とする)であり、符号5はpinダイオード領域である。また、図2において、実線の矢印は電子電流の流れを表し、点線の矢印はホール電流の流れを表す。なお、本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、n+またはp+の領域(層を含む)は、それぞれ「+」が付されていないnまたはpの領域(層を含む)よりも高不純物濃度であることを意味する。さらに、n++領域(層を含む)は、n+領域(層を含む)よりも高不純物濃度であることを意味する。
図2に示すように、電子は、MOS部の表面のn++領域6から、n++領域6を囲むp層7の表面のn+反転層8と、n-ドリフト層9の表面のn+電子蓄積層10を経由して、裏面のpアノード層11に向かって流れる。この電子電流の一部は、pnp−BJT領域4のベース電流となる。pnp−BJT領域4では、pアノード層11から拡散またはドリフトによってやってきたホールがp層7にコレクトされるだけであり、そのpn接合部は、若干逆バイアスされている。従って、そのpn接合部付近のn-ドリフト層9中の少数キャリア、すなわちホールの濃度は、極めて低い。
一方、pinダイオード領域5のnカソードは、n-ドリフト層9の表面のn+電子蓄積層10である。このn+/n-接合は、若干順バイアスされているので、n-ドリフト層9中に電子が注入される。大電流時には、電子濃度は、n-ドリフト層9のドーピング濃度よりも遥かに高くなる(高注入状態)。そして、電荷中性条件を満たすため、電子と同じ濃度のホールも存在する。従って、n+/n-接合付近のn-ドリフト層9中の少数キャリア、すなわちホールの濃度は、極めて高い。
IGBTにおいて、カソード側偏重の最適キャリア分布を実現するためには、pnp−BJT領域を減らして、pinダイオード領域を増やすことが重要である。また、n+/n-順バイアス量を増やして、電子注入を促進することが非常に重要である。これまで提案されたIE効果を有する構造は、pinダイオード領域の比率を増やすと同時に、n+/n-順バイアスの増加も実現されている。
ところで、プレーナ構造において、セルピッチに占めるpベースの比率が小さくなると、オン電圧が低減する。これは、pinダイオード領域の比率が大きくなったことに加えて、表面付近での横方向電流密度が高くなり、電圧降下が大きくなったことによって、n+/n-接合の順バイアスが大きくなった効果が大きいと考えられる。n+/n-接合の順バイアスが大きくなるのは、n+層は低抵抗であるため、その電位はカソード電位に等しいが、n-層は高抵抗であるため、その電位が大電流により持ち上がるからである。
同様に、トレンチ構造において、pnp−BJT領域の比率を減らすことによって、IE効果を高めることができる。pnp−BJT領域の比率を減らすには、例えば一部のメサ部において、pベース領域をフローティング状態とすればよい。また、トレンチを深くして、トレンチ底部をpn接合から離すことによっても、IE効果が大きくなる。さらに、メサ部の幅を狭くすることによっても、IE効果が大きくなる。これらは、いずれの場合も、メサ部を流れるホール電流密度が大きくなり、電圧降下によるn+/n-順バイアスが強くなったためと考えられる。
ここで、ドリフト層のドーピング濃度をNdとし、n+/n-接合にかかる順バイアスをVnとすると、n+/n-接合のn-層側の電子濃度nは、次式で表される。ただし、kはボルツマン定数であり、Tは絶対温度である。
n=Nd*exp(Vn/kT)
上記式より明らかなように、n+/n-接合に印加される順バイアスに応じて、カソード側の電子濃度nは、指数関数的に増大する。順バイアス量を増やす手段として、上述したように、大電流による電圧降下を利用するものがある。また、上記特許文献1〜3に記載されているように、n+濃度を増やすことによっても、順バイアス量を増やすことができる。ただし、特許文献1に記載されているHiGT構造は、プレーナ構造であるため、表面側のn+バッファ層の濃度が高すぎると、順耐圧が大きく低下してしまう。
一方、特許文献3に記載されているCSTBT構造では、表面側のn+バッファ層は、トレンチゲート酸化膜により挟まれており、そのゲート酸化膜を介してポリシリコン電位へと続いている。そのため、順電圧保持時、すなわちブロッキングモード時には、表面側のn+バッファ層は、pn接合だけでなく、両側のトレンチゲート酸化膜との境界からも空乏化するので、低い順バイアスで完全に空乏化する。従って、表面側のn+バッファ層は高濃度であるにもかかわらず、その内部の電界は緩和されている。順バイアスをさらに上げても、トレンチ間のメサ部の電界が緩和されていることによって、局所的なピーク電界が現れにくい。
これは、一様、かつ単一の導電型層よりなるドリフト層の代わりに、不純物濃度を高めた縦形層状のn型領域と縦形層状のp型領域を交互に繰り返し接合した並列pn構造をドリフト部に備える超接合構造のMOSFETの原理にも通ずるものである。このように、CSTBT構造は、IE効果を高めつつも、順耐圧が低下しにくいという特性を有する。表面側のn+バッファ層は、n-ドリフト層との間に拡散電位を作り、ホールにとっての電位障壁となるので、ドリフト層中のホール濃度が上昇する。
もう一つの説明として、表面側のn+バッファ層とn-層との間が順バイアスされるので、n+層から電子が注入されるからであるということができる。つまり、n+/n-接合において、n+層が高濃度であれば、電子注入効率が向上するので、n+層に入るホール電流に対して、n-層に注入される電子電流の比率が大きくなる。ホールがn+層中を少数キャリアとして拡散して流れるためには、n+/n-接合が順バイアスされる必要がある。n+層濃度が高いほど、熱平衡状態における少数キャリアとしてのホール濃度が小さいため、同じホール電流を流すためには、より高い順バイアス量が必要となる。順バイアス量が大きいと、n-層に流れ込む電子電流が増えるので、電子濃度が増える。この第2の説明は
、物理的には、先の第1の説明を言い換えたものである。
ところで、シリコン半導体を用いた電力用半導体装置では、高周波、大電力の制御を目的として、種々の工夫により高性能化が進められている。しかし、理論的な限界に近づいてきていることと、高温環境下や放射線に曝される環境下での使用に適していないため、シリコンに代わる新しい半導体材料を用いることが検討されている。例えば、ガリウム砒素などのシリコン以外の半導体材料を用いたMIS半導体装置(金属−絶縁膜−半導体構造を有する絶縁ゲート型半導体装置)が公知である(例えば、特許文献4、特許文献5参照。)。
また、別の材料として、SiC(シリコンカーバイド)がある。SiCは、シリコンと比較して、バンドギャップが広く、最大絶縁電界が約1桁大きいので、次世代の電力用半導体装置への応用が期待されている。最近では、SiCを用いた電力用半導体装置として、ショットキーダイオード、縦型MOSFET、サイリスタまたはCMOS−ICが試作されており、従来のシリコン半導体装置よりも非常に良好な特性を有することが確認されている。
特開2003−347549号公報 特表2002−532885号公報 特開平8−316479号公報 特開2002−158356号公報 特開2002−208701号公報 アイ. オームラ(I. Omura)、他3名、「キャリア インジェクション エンハンスメント エフェクト オブ ハイ ボルテージ MOS デバイシズ −デバイス フィジックス アンド デザイン コンセプト−(Carrier injection enhancement effect of high voltage MOS devices -Device physics and design concept-)」、ISPSD’97、p.217−220 フロリン・ウドレア、他1名、「ア ユニファイド アナリティカル モデル フォア ザ キャリア ダイナミクス イン トレンチ インシュレイテッド ゲート バイポーラ トランジスタズ(TIGBT)(A unified analytical model for the carrier dynamics in Trench Insulated Gate Bipolar Transistors(TIGBT))」、ISPSD’95、p.190−195
上述したように、従来のIGBTでも、IE効果によるカソード側に偏重したキャリア分布が実現されている。しかしながら、オン電圧−ターンオフ損失のトレードオフを最適化するには、オン状態におけるカソード側のキャリア濃度をさらに高くする必要がある。つまり、従来のIGBTでは、IE効果がまだ不十分である。CSTBT構造やIEGT構造のように、トレンチゲート構造を採用したものでもトレードオフ特性が向上しているが、それでもなお、さらなる微細化によって特性を改善することができる余地がある。
しかし、トレンチ構造の製造プロセスは、プレーナ構造の製造プロセスに比べて、長く、複雑である。そのため、トレンチ型デバイスの良品率は、プレーナ型デバイスの良品率よりも低い。従って、トレンチ型デバイスの製品コストは高い。それにもかかわらず、特性の向上を図るため、より一層の微細化を進めると、製造コストはさらに高くなってしまう。なお、トレンチゲート構造では、トレンチ底部に電界が集中しやすく、アバランシェ降伏を起こしやすいため、オン電圧−耐圧のトレードオフが悪化しやすい。また、構造上、ゲートをカソードに対して負電位にした場合に、トレンチ底部の電界強度が増し、さらに耐圧が劣化してしまうという問題を抱えている。
SiCを用いた半導体装置では、熱酸化によってゲート絶縁膜を形成すると、熱酸化膜中に含まれるC原子によってSiC層と熱酸化膜の界面付近に界面準位が形成されるため、酸化膜の固定電荷によって電子がトラップされやすくなる。そのため、チャネル層(反転層)における電子の移動度が非常に低いという問題点がある。また、SiC層にボロン以外の拡散係数の小さい不純物をイオン注入する際には、最適な接合深さにするために加速エネルギーを調整する必要がある。そして、SiC層の深い領域にイオン注入するには加速エネルギーを数MeVという極めて高いエネルギーにする必要があるため、SiC層中に非常に多数の欠陥が生じてしまう。特に、オーミック電極に対するコンタクト領域を形成する場合には、そのコンタクト抵抗を低減するために非常に高密度のイオンを注入するため、SiC層中に発生する欠陥の密度が高くなる。
このような欠陥は、逆バイアス電圧が印加されたときにリーク電流が流れたり、絶縁破壊が起こる原因となる。SiC層中に発生した欠陥を修復するためには、1500〜2000℃でアニールを行う必要があるが、高い加速エネルギーで注入された不純物イオンによって発生した欠陥を完全に修復することは困難である。従って、SiCが本来有する優れた物性値から期待されるような高耐圧の半導体装置を作製することは極めて困難である。また、高エネルギーで不純物イオンを注入するための大型のイオン注入装置や、非常に高温でアニールするためのアニール装置が必要であるという問題点もある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、従来よりもIE効果の大きい半導体装置、すなわちオン電圧−ターンオフ損失のトレードオフが最適化された半導体装置を提供することを目的とする。また、電圧保持時に、局所的な電界集中を防ぐことによって、オン電圧−耐圧のトレードオフの悪化を招くことのない半導体装置を提供することを目的とする。さらに、このような特性を有する半導体装置を、極端に微細でない低コストの製造プロセスを用いて、高良品率で製造することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。さらにまた、SiCの優れた特性を備えた半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、表面からの電子注入が促進されるような構造、すなわちIE効果の大きい構造を検討した結果、次のような特徴を有する構造が有効であることがわかった。第1に、表面側のpベース層とドリフト層との間に、高濃度のn+バッファ層を挿入する。ただし、順バイアス時に電界強度が大きくなりすぎないようにするため、電界が緩和されるような構造にする。第2に、pnp−BJTの面積比率をできるだけ小さくする。ただし、チャネルの実効周辺長が小さくなりすぎると、チャネル部のオン電圧降下が大きくなってしまうので注意が必要である。第3に、ホールがpベース層にコレクトされるまでの電流経路を細く、かつ長くする。このような構造とすることによって、オン電圧−ターンオフ損失のトレードオフを改善することができる。
の発明にかかる半導体装置の製造方法は、第1導電型SiC基板の第1の主面上に第1の絶縁膜および多結晶半導体膜を順次形成する第1の工程と、前記多結晶半導体膜の一部を除去して窓部を形成する第2の工程と、前記多結晶半導体膜の露出部分を覆う第2の絶縁膜を形成した後、前記窓部において前記SiC基板の一部を露出させる第3の工程と、前記SiC基板の、前記窓部において露出した部分、および前記第2の絶縁膜の上に第1導電型半導体膜を積層する第4の工程と、前記第1導電型半導体膜の、前記SiC基板と接触する第1の第1導電型半導体領域の隣に第1の第2導電型半導体領域を形成し、さらに該第1の第2導電型半導体領域を挟んで前記第1の第1導電型半導体領域の反対側に第2の第1導電型半導体領域を形成する第5の工程と、前記第1の第1導電型半導体領域、前記第1の第2導電型半導体領域および前記第2の第1導電型半導体領域の上に第3の絶縁膜を積層し、該第3の絶縁膜にコンタクトホールを開口して前記第2の第1導電型半導体領域および前記第1の第2導電型半導体領域の一部を露出させる第6の工程と、前記第3の絶縁膜の上に、前記コンタクトホールを介して前記第2の第1導電型半導体領域および前記第1の第2導電型半導体領域の一部に接触する第1の電極を形成した後に、前記SiC基板の第2の主面を研削し、その研削面に沿って第2の第2導電型半導体領域を形成する第7の工程と、前記第2の第2導電型半導体領域に接触する第2の電極を形成する第8の工程を含むことを特徴とする。
この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第4の工程において、前記第1導電型半導体膜を、前記SiC基板よりも高濃度の第1導電型にドープすることを特徴とする。
この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第7の工程において、前記SiC基板の第2の主面を研削した後に、その研削面に沿って前記SiC基板よりも高不純物濃度の第3の第1導電型半導体領域を前記第2の第2導電型半導体領域よりも深く形成することを特徴とする。
この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第1導電型半導体膜を多結晶シリコンで形成することを特徴とする。
この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第1導電型半導体膜の一部または全部を単結晶シリコンで形成することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、第1導電型SiC基板の第1の主面上に第1の絶縁膜を形成する第1の工程と、前記第1の絶縁膜の一部を除去して窓部を形成する第2の工程と、前記第1の絶縁膜および前記SiC基板の、前記窓部において露出した部分の上に第1導電型半導体膜を積層する第3の工程と、前記第1導電型半導体膜の上に第2の絶縁膜および多結晶半導体膜を順次形成する第4の工程と、前記多結晶半導体膜の一部を除去して、前記第1導電型半導体膜の、前記SiC基板と接触する第1の第1導電型半導体領域の上の部分に前記多結晶半導体膜を残し、前記第1導電型半導体膜の、前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜との間に第1の第2導電型半導体領域を形成し、さらに該第1の第2導電型半導体領域内の前記第2の絶縁膜側に第2の第1導電型半導体領域を形成する第5の工程と、前記多結晶半導体膜の上に第3の絶縁膜を積層し、該第3の絶縁膜にコンタクトホールを開口して前記第2の第1導電型半導体領域および前記第1の第2導電型半導体領域の一部を露出させ、前記第3の絶縁膜の上に、前記コンタクトホールを介して前記第2の第1導電型半導体領域および前記第1の第2導電型半導体領域の一部に接触する第1の電極を形成する第6の工程と、前記SiC基板の第2の主面を研削し、その研削面に沿って第2の第2導電型半導体領域を形成する第7の工程と、前記第2の第2導電型半導体領域に接触する第2の電極を形成する第8の工程を含むことを特徴とする。
この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第3の工程において、前記第1導電型半導体膜を、前記SiC基板よりも高濃度の第1導電型にドープすることを特徴とする。
この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第7の工程において、前記SiC基板の第2の主面を研削した後に、その研削面に沿って前記SiC基板よりも高不純物濃度の第3の第1導電型半導体領域を前記第2の第2導電型半導体領域よりも深く形成することを特徴とする。
この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第1導電型半導体膜を多結晶シリコンで形成することを特徴とする。
この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第1導電型半導体膜の一部または全部を単結晶シリコンで形成することを特徴とする。
この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第1導電型半導体膜をエピタキシャル成長法により形成することを特徴とする。
発明にかかる半導体装置の製造方法によれば、カソード領域が第1の絶縁膜によってドリフト層(第1導電型SiC基板)から隔てられているので、カソード領域の設計寸法は、ドリフト領域の特性に直接は寄与しない。従って、ソース領域を従来よりも微細化しなくても、トレードオフ特性は不変である。
さらに、SiC中にゲート絶縁膜と、イオン注入による不純物層を形成する必要がないので、SiC本来の優れた特性を備えた半導体装置が得られる。また、第1の第1導電型半導体領域がSiC基板よりも高濃度の第1導電型にドープされていることにより、IGBTがオン状態のときのキャリア分布が表面側で多い分布となるので、オン電圧が低下する。
さらに、SiC基板よりも高不純物濃度の第3の第1導電型半導体領域が設けられていることにより、耐圧を保ったままn-ドリフト層を薄くすることができるので、オン電圧が低下する。また、第1導電型半導体膜をSiC基板の表面に形成することにより、SiC基板中にカソードを形成する場合に発生する製造上の技術的な困難を回避することができる。
本発明にかかる半導体装置の製造方法によれば、低コストの製造プロセスを用いて、高良品率で、オン電圧−ターンオフ損失トレードオフおよびオン電圧−耐圧トレードオフの非常に良好なIGBT等の半導体装置を得ることができるという効果を奏する。また、主たる半導体材料としてSiCを用いたIGBT等の半導体装置を得ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型として説明するが、本発明はその逆の場合にも成り立つ。また、以下の説明およびすべての添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図3は、実施の形態1のIGBTの構成を示す断面図である。図3に示すように、ドリフト層となるn-SiC基板29の第1の主面上に、例えば酸化膜(第1の絶縁膜)21が選択的に形成されている。そして、この酸化膜21の上に、ゲート電極となるポリシリコン(以下、ゲートポリシリコンとする)22が堆積されている。ゲートポリシリコン22の表面は、ゲート酸化膜(第2の絶縁膜)23で覆われている。
ゲート酸化膜23の表面、およびn-SiC基板29の、酸化膜21で覆われていない部分は、ドリフト層(n-SiC基板29)よりも高濃度にn型ドープされたカソード膜24で覆われている。カソード膜24は、例えばポリシリコンでできていてもよいし、n-SiC基板29の、酸化膜21で覆われていない部分からエピタキシャル成長させたn型の単結晶シリコンでできていてもよい。カソード膜24の、n-SiC基板29と接触する部分は、n+バッファ領域(第1の第1導電型半導体領域)25となる。
カソード膜24において、n+バッファ領域25に隣接し、かつゲート酸化膜23に接する部分には、選択的に高濃度p型にドープされたpベース領域(第1の第2導電型半導体領域)27が設けられている。pベース領域27の内部の、n+バッファ領域25から離れた部分には、非常に高濃度のn+ソース領域(第2の第1導電型半導体領域)26が形成されている。カソード膜24の上には、例えばBPSG等の酸化膜よりなる層間絶縁膜(第3の絶縁膜)28が選択的に形成されている。
層間絶縁膜28、n+ソース領域26およびpベース領域27の上には、エミッタ電極(第1の電極)30となるアルミニウム層が形成されている。エミッタ電極30は、n+ソース領域26の一部または全部とコンタクトしているとともに、pベース領域27の一部とコンタクトしている。n-SiC基板29の第2の主面には、p+アノード層(第2の第2導電型半導体領域)31が形成されている。p+アノード層31の表面には、アノード電極(第2の電極)32となるアルミニウム層が形成されている。なお、特に図示しないが、ドリフト層とp+アノード層31との間に、ドリフト層(n-SiC基板29)よりも高不純物濃度のn+バッファ層(第3の第1導電型半導体領域)が設けられていてもよい。
ここで、阻止時に耐圧を保持し、導通時には電流を流すn-ドリフト層をn-SiC基板29で構成しているのは、以下の理由による。すなわち、ドリフト層は1次元的であり、複雑な構造をもたない。従って、物理特性がデバイスそのものの特性を左右する部分であり、物性定数(キャリア移動度およびキャリア寿命)を最大値に保つ必要があるからである。一方、カソードおよびアノードに関しては、それを構成する材料の物性定数は最重要ではなく、その構造の方が重要である。本実施の形態によるIGBTでは、カソード領域をドリフト層と構造的に分離している点に特徴があり、IE効果向上に有効である。
次に、実施の形態1の作用および効果について説明する。ここでは、カソード膜24がポリシリコンでできているとする。
(定常オン状態について)
ゲート電極(ゲートポリシリコン22)にエミッタに対して正の電位を印加すると、pベース領域27の、ゲート酸化膜23との界面付近の領域がn型に反転し、チャネルができる。コレクタ−エミッタ間に順バイアスを加えると、電子は、チャネルおよび電子蓄積層(n+バッファ領域25)を経由して、ドリフト層(n-SiC基板29)に流れ込み、裏面(第2の主面)のp+アノード層31に達する。それによって、裏面のpn接合、すなわちp+アノード層31とドリフト層との接合は順バイアスされるので、p+アノード層31からドリフト層にホールが注入される。
注入されたホールは、ドリフト層の表面(第1の主面)に来ると、n+バッファ領域25に入る。n+バッファ領域25に入ったホールの一部は、n+バッファ領域25内で電子と再結合して消滅する。残りのホールは、n+バッファ領域25を通過してpベース領域27にコレクトされる。ホール電流は、狭くて長いポリシリコン領域(カソード膜24)を流れるため、電圧降下が発生する。従って、電子蓄積層であるn+バッファ領域25とn-ドリフト層とからなるn+/n-接合が順バイアスされる。これにより、電子が注入されて、カソード側の電子濃度が上昇し、それに応じて、電荷中性条件を満たすために同濃度のホールが蓄積される。
また、ホールは、n+バッファ領域25に注入されるので、このn+/n-接合も順バイアスされることになり、電子が注入される。なお、ポリシリコン領域(カソード膜24)とn-SiC基板29とは、そのほとんどの部分において酸化膜21により分離されている。従って、pnp−BJT領域は、デバイス全体の僅かな部分であり、大部分は、pinダイオード領域である。また、面積を十分に使ってチャネルを形成することができ、チャネル周辺長も自在に大きくすることができる。ただし、周辺長が大きすぎると、伝達特性が高くなりすぎて、短絡時の制限電流が増大し、短絡耐量が低下してしまうので、この点を考慮して周辺長を決定する必要がある。
(順方向ブロッキング状態について)
次に、ゲート電位をエミッタ電位に比べて同じか負にして、コレクタ−エミッタ間に順バイアスを印加するブロッキングモード時の動作について説明する。pベース領域27とn+バッファ領域25からなるpn接合から空乏層が広がると同時に、ゲート酸化膜23からも空乏層が広がる。これは、ゲート電極がエミッタ電位以下であるのに対して、n+バッファ領域25が正にバイアスされるからである。n+バッファ領域25は、カソード膜24となるポリシリコンの厚さ分のみであるので、僅かな順バイアスで完全に空乏化する。n+バッファ領域25の総不純物量を一定値以下に設定しておけば、n+バッファ領域25中の最大電界強度を抑えることができる。
順バイアスをさらに増やしていくと、空乏層は、n-ドリフト層中に伸びる。印加した順バイアスの大部分は、n-ドリフト層によって担われる。カソード領域中の電界強度の局所的なピークを抑えることができるので、局所的なアバランシェ降伏が起こりにくい。従って、十分な耐圧を確保することができる。この結果として、オン電圧−耐圧トレードオフが悪化することはない。これは、従来のプレーナ型またはトレンチ型のIGBTと比べて、大変に優れている点である。従来のプレーナ型またはトレンチ型のIGBTでは、局所的な電界集中を避けることは困難である。
(トレードオフ特性について)
ポリシリコンは、単結晶シリコンに比べて移動度およびキャリア寿命の点で劣る。しかし、1000℃以上の高温でアニールすることによって、ポリシリコンの移動度およびキャリア寿命は、相当程度、回復する。レーザーアニールによって結晶粒径を制御しつつ移動度を回復する技術も開発されている。このような技術を用いれば、閾値や伝達特性などの特性バラツキを低減することが可能であると考えられる。
図3に示す構成のIGBTのオン状態における電位分担を説明する。図3に示すように、IGBTのオン電圧は、n+ソース領域26内での電圧降下(矢印41で示す)と、チャネル領域(pベース領域27)内での電圧降下(矢印42で示す)と、n+バッファ領域25内での電圧降下(矢印43で示す)と、n+バッファ領域25とn-ドリフト層(n-単結晶シリコン基板29)との間の順バイアス(矢印44で示す)と、n-ドリフト層中での電圧降下(矢印45で示す)と、n-ドリフト層とp+アノード層31との間の電圧降下(矢印46で示す)とを足した値となる。
+ソース領域26内では、ドーピング濃度が非常に高いため、移動度が低くても抵抗が低いので、電圧降下はほとんどない。また、本実施の形態では、チャネル領域(pベース領域27)の周辺長を比較的自在に設定することができるため、移動度劣化分を補うように周辺長を長くすることによって、電圧降下を従来のIGBTと同じ程度にすることができる。n+バッファ領域25内では、ポリシリコンが低移動度であるため、電圧降下がやや増加するが、後のシミュレーションで示すように、全オン電圧への寄与は小さい。逆に、n+バッファ領域25内での電圧降下により、n-ドリフト層の電位がエミッタ電位に対して上昇する。一方、n+バッファ領域25の表面の電子蓄積層では、電子濃度が非常に高く(〜1×1019cm-3)、電気抵抗が低いので、電圧降下が少ない。
このため、n+電子蓄積層とn-ドリフト層とからなる接合がより順バイアスされるので、電子が注入されやすくなる。つまり、n+バッファ領域25において電圧降下が生じることにより、n-ドリフト層中のキャリア分布が表面偏重型になる。これによって、オン電圧−ターンオフ損失のトレードオフが最適化される。これは、特に高耐圧IGBTにおけるオン電圧分担の大部分を占めるn-ドリフト層中の電圧降下を、ある一定のターンオフ損失に対して最小化することを意味する。
(ラッチアップ耐量について)
+バッファ領域25中のキャリア寿命および移動度が低いと、少数キャリアであるホールの拡散長が短くなり、n+バッファ領域25中でのキャリアの再結合が増える。その結果、pベース領域27を通り抜けてエミッタ電極30にコレクトされるホール電流が減少する。このため、ラッチアップに寄与するホール電流が減少し、ラッチアップ耐量が向上する。
ここで、ポリシリコンの物性を敢えて回復させない場合には、n+バッファ領域25中のホール拡散長がn+バッファ領域25の長さよりも遥かに短くなる。従って、ホールのほとんどがn+バッファ領域25内で再結合により消滅するので、pベース領域27に到達するホール電流はゼロになる。この場合には、ラッチアップ・フリーのIGBTが実現される。これは、従来のIGBTとは動作が本質的に異なっている。この場合、pベース領域27は、BJTのコレクタとしては動作しないので、MOSFETとBJTとを組み合わせた従来のIGBTの等価回路モデルは成り立たない。このようなIGBTを等価回路で表すと、MOSFETとpinダイオードとを組み合わせた回路になる。
(微細プロセスについて)
上述したIGBTの構造には、極端な微細化が不要であるという設計上の長所がある。カソード領域は、酸化膜21によりドリフト層と電気的に分離されており、酸化膜21のない部分、すなわち酸化膜21の窓部においてのみドリフト層に接続している。そのため、カソード領域の設計寸法は、ドリフト層の特性には直接は寄与しない。これは、従来のプレーナ型またはトレンチ型のIGBTとは対称的である。従来のIGBTでは、カソード領域のすべてが直接的にドリフト層に接続しており、その設計寸法が直接的に特性に結びついている。従って、本実施の形態では、n+ソース領域26を特に微細化しなくても
、トレードオフ特性は不変である。
実施の形態2.
図4は、実施の形態2のノンパンチスルー型IGBTの構成を示す断面図である。図4に示すように、アノード層となる低濃度のp-SiC基板51の第1の主面上に、ドリフト層となる低濃度のn-SiCエピタキシャル層49が形成されている。このn-SiCエピタキシャル層49の上に酸化膜21が選択的に形成されている。酸化膜21の表面、およびn-SiCエピタキシャル層49の、酸化膜21で覆われていない部分は、ポリシリコンでできたカソード膜24で覆われている。
カソード膜24の、n-SiCエピタキシャル層49と接触する部分は、ドリフト層(n-SiCエピタキシャル層49)よりも高濃度にn型ドープされたn+バッファ領域25となる。カソード膜24において、酸化膜21の窓部の外側、すなわち酸化膜21の上には、選択的に高濃度p型にドープされたpベース領域27が設けられている。pベース領域27の内部の、n+バッファ領域25から離れた表面領域には、非常に高濃度のn+ソース領域26が形成されている。
カソード膜24の表面、すなわちn+バッファ領域25、pベース領域27およびn+ソース領域26の表面には、ゲート酸化膜23が選択的に形成されている。ゲート酸化膜23上には、ゲートポリシリコン22が形成されている。ゲートポリシリコン22の表面は、例えばBPSG等の酸化膜よりなる層間絶縁膜28により覆われている。
層間絶縁膜28、n+ソース領域26およびpベース領域27の上には、エミッタ電極30となるアルミニウム層が形成されている。エミッタ電極30は、n+ソース領域26の一部または全部とコンタクトしているとともに、pベース領域27の一部とコンタクトしている。p-SiC基板51の第2の主面には、アノード電極32となるアルミニウム層が形成されている。
実施の形態2では、ゲート電極(ゲートポリシリコン22)をカソードに対して正電位にすると、pベース領域27の、ゲート酸化膜23との界面付近の領域に電子が誘起されて、チャネルが形成される。電子は、このチャネルを通ってn+バッファ領域25に入る。n+バッファ領域25の表面には、極めて高濃度の電子蓄積層が形成されているので、電子電流の多くはこの電子蓄積層を経由して流れる。そして、電子は、ドリフト層(n-SiCエピタキシャル層49)に入ると、電界ドリフトにより裏面のアノード層(p-SiC基板51)に注入される。アノード層に注入された電子は、拡散によってアノード電極32まで移動する。
ドリフト層とアノード層との接合が順バイアスされるので、ホールがアノードから注入されて、n-ドリフト層中を電界ドリフトにより移動し、n+バッファ領域25に入る。ホールの大部分は、その拡散長が短いため、n+バッファ領域25およびn+バッファ領域25の電子蓄積層において電子と再結合して、消滅する。電子蓄積層とn-ドリフト層とからなる接合が順バイアスされるので、電子蓄積層からの電子注入が促進される(IE効果)。このため、カソード側のキャリア濃度が高まり、オン電圧−スイッチング損失のトレードオフが良好となる。
図5〜図11は、実施の形態2の製造方法を説明するための断面図である。まず、低濃度のp-SiC基板51上に低濃度のn-SiCエピタキシャル層49が形成されているエピタキシャルウェハを用意する。そして、n-SiCエピタキシャル層49の表面に、LTO(低温熱CVD酸化)膜やONO(SiO2/Si34/SiO2)膜などの酸化膜21を例えば0.1μmの厚さに堆積する(図5)。
熱酸化により酸化膜21を形成することもできる。その場合には、SiO2/SiC界面に過剰なC原子などに起因する界面準位が発生するのを防ぐために、熱酸化後にO2アニール処理を行って、過剰なC原子を減少させるとよい。次いで、パターニングおよびエッチングを行って、酸化膜21の一部を除去する(図6)。
次いで、酸化膜21およびn-SiCエピタキシャル層49の、酸化膜21の窓部において露出する部分の上に、例えば1×1016cm-3の濃度でn型にドープされたポリシリコンを例えば0.25μmの厚さに堆積する。このポリシリコンは、カソード膜24であり、後にソース領域、チャネル領域およびバッファ領域となる(図7)。次いで、熱酸化を行って、カソード膜24の表面を酸化し、例えば0.1μmの厚さのゲート酸化膜23を形成する。その際、ポリシリコンが例えば0.05μmほど膜減りするので、カソード膜24の厚さは、例えば0.2μmとなる。
次いで、ゲート酸化膜23の上に、ゲート電極となるゲートポリシリコン22を例えば0.5μmの厚さに堆積する。そして、例えばPOCl3雰囲気中で900℃の熱処理を行い、ゲートポリシリコン22を高濃度n型にドープする(図8)。次いで、パターニングおよびエッチングを行って、ゲートポリシリコン22とゲート酸化膜23の一部を除去する。残ったゲートポリシリコン22とゲート酸化膜23をマスクとして、カソード膜24に、例えば5×1014cm-2のドーズ量のボロンをイオン注入する。
続いて、パターニングしたレジストをマスクとして、カソード膜24に、例えば1×1015cm-2のドーズ量の砒素をイオン注入する。そして、例えば窒素雰囲気中で1150℃、2時間のドライブを行い、チャネル領域となるpベース領域27とn+ソース領域26を形成する(図9)。次いで、層間絶縁膜28として例えば1μmの厚さのBPSGを堆積し、パターニングおよびエッチングを行って、層間絶縁膜28およびゲート酸化膜23を貫通するコンタクトホールを形成する(図10)。
次いで、層間絶縁膜28の上に、アルミニウム等の金属を例えば5μmの厚さにスパッタする。そして、アルミニウム等の金属のパターニングおよびエッチングを行い、エミッタ電極30を形成する(図11)。次いで、p-SiC基板51の裏面にアルミニウム、チタン、ニッケルおよび金等の金属を蒸着してアノード電極32を形成すると、図4に示す構成のIGBTができあがる。最後に、ウェハをダイシングしてチップが完成する。
実施の形態3.
図12は、実施の形態3のパンチスルー型IGBTの構成を示す断面図である。図12に示すように、実施の形態3は、アノード層となる低濃度のp-SiC基板51の第1の主面上に、バッファ層となる高濃度のn+SiCエピタキシャル層53が積層され、さらにその上にドリフト層となる低濃度のn-SiCエピタキシャル層49が積層されており、このn-SiCエピタキシャル層49の上に、実施の形態1と同様の構成のゲート構造とエミッタ構造が形成されたものである。ゲート構造とエミッタ構造については、説明を省略する。p-SiC基板51の第2の主面には、アルミニウム層よりなるアノード電極32が形成されている。
実施の形態3では、ゲート電極(ゲートポリシリコン22)をカソードに対して正電位にすると、pベース領域27の、ゲート酸化膜23との界面付近の領域に電子が誘起されて、チャネルが形成される。また、n+バッファ領域25の、ゲート酸化膜23と接する領域に極めて高濃度の電子蓄積層が形成される。さらに、n-SiCエピタキシャル層49の、ゲート電極(ゲートポリシリコン22)の下で酸化膜21に接する領域にも電子蓄積層が形成される。
電子は、n+ソース領域26からチャネルを通ってn+バッファ領域25に入る。そして、電子電流の多くは、電子蓄積層を経由して流れてドリフト層(n-SiCエピタキシャル層49)に入る。ドリフト層(n-SiCエピタキシャル層49)では、電子は、電界ドリフトにより裏面のアノード層(p-SiC基板51)に注入される。アノード層に注入された電子は、拡散によってアノード電極32まで移動する。
ドリフト層とアノード層との接合が順バイアスされるので、ホールがアノードから注入されて、n-ドリフト層中を電界ドリフトにより移動し、カソード膜24に入る。ホールの大部分は、その拡散長が短いため、n+バッファ領域25およびn+バッファ領域25の電子蓄積層において電子と再結合して、消滅する。電子蓄積層とn-ドリフト層とからなる接合が順バイアスされるので、電子蓄積層からの電子注入が促進される(IE効果)。上述したように、図12に示す構成では、n-SiCエピタキシャル層49の、酸化膜21との界面にも電子蓄積層が形成されるので、図4に示す実施の形態2の構成よりもIE効果が大きい。
IE効果によりカソード側のキャリア濃度が高まり、オン電圧−スイッチング損失のトレードオフが良好となる。また、アノード層(p-SiC基板51)の上にバッファ層(n+SiCエピタキシャル層53)が設けられているので、耐圧を保持するためにドリフト層(n-SiCエピタキシャル層49)を厚くする必要がない。従って、図4に示す構成のIGBTよりもオン電圧−耐圧のトレードオフが良好となる。
図13〜図19は、実施の形態3の製造方法を説明するための断面図である。まず、低濃度のp-SiC基板51上に高濃度のn+SiCエピタキシャル層53が形成され、さらにその上に低濃度のn-SiCエピタキシャル層49が形成されているエピタキシャルウェハを用意する。そして、n-SiCエピタキシャル層49の表面に、LTO(低温熱CVD酸化)膜やONO(SiO2/Si34/SiO2)膜などの酸化膜21を例えば0.1μmの厚さに堆積する。
続いて、酸化膜21の上にゲートポリシリコン22を例えば0.5μmの厚さに堆積する。そして、例えばPOCl3雰囲気中で900℃の熱処理を行い、ゲートポリシリコン22を高濃度n型にドープする(図13)。次いで、パターニングおよびエッチングを行って、ゲートポリシリコン22の一部を除去する(図14)。次いで、熱酸化を行って、ゲートポリシリコン22の表面を酸化し、例えば0.1μmの厚さのゲート酸化膜23を形成する。続いて、パターニングおよびエッチングを行って、ゲート酸化膜23および酸化膜21の、ゲートポリシリコン22のない部分を除去する(図15)。
次いで、ゲート酸化膜23およびn-SiCエピタキシャル層49の露出部分の上に、例えば1×1016cm-3の濃度でn型にドープされたポリシリコンを例えば0.25μmの厚さに堆積する(図16)。このポリシリコンは、カソード膜24であり、後にソース領域、チャネル領域およびバッファ領域となる。次いで、パターニングしたレジストをマスクとして、カソード膜24に、例えば5×1014cm-2のドーズ量のボロンと、例えば1×1015cm-2のドーズ量の砒素をイオン注入する。
そして、レジストを灰化した後に、例えば窒素雰囲気中で1150℃、2時間のドライブを行い、チャネル領域となるpベース領域27とn+ソース領域26を形成する。その際、ポリシリコン(カソード膜24)の結晶粒径が大きくなり、移動度が回復する(図17)。次いで、層間絶縁膜28として例えば1μmの厚さのBPSGを堆積し、パターニングおよびエッチングを行って、層間絶縁膜28を貫通するコンタクトホールを形成する(図18)。
次いで、層間絶縁膜28の上に、アルミニウム等の金属を例えば5μmの厚さにスパッタする。そして、アルミニウム等の金属のパターニングおよびエッチングを行い、エミッタ電極30を形成する(図19)。次いで、p-SiC基板51の裏面にアルミニウム、チタン、ニッケルおよび金等の金属を蒸着してアノード電極32を形成すると、図12に示す構成のIGBTができあがる。最後に、ウェハをダイシングしてチップが完成する。
実施の形態4.
図20は、実施の形態4のノンパンチスルー型IGBTの構成を示す断面図である。図20に示すように、実施の形態4は、ドリフト層となる低濃度のn-SiC基板59の第1の主面上に、実施の形態1と同様の構成のゲート構造とエミッタ構造が形成されたものである。ただし、n+バッファ領域25は、pベース領域27に隔てられており、層間絶縁膜28に接していない。
ゲート構造とエミッタ構造については、説明を省略する。n-SiC基板59の第2の主面側には、アノード層となる高濃度のp+拡散層61が設けられている。p+拡散層61の表面、すなわちn-SiC基板59の第2の主面には、アルミニウム層よりなるアノード電極32が形成されている。
実施の形態4では、ゲート電極(ゲートポリシリコン22)をカソードに対して正電位にすると、pベース領域27の、ゲート酸化膜23との界面付近の領域に電子が誘起されて、チャネルが形成される。また、n+バッファ領域25の、ゲート酸化膜23と接する領域に極めて高濃度の電子蓄積層が形成される。さらに、n-SiC基板59の、ゲート電極(ゲートポリシリコン22)の下で酸化膜21に接する領域にも電子蓄積層が形成される。
電子は、n+ソース領域26からチャネルを通ってn+バッファ領域25に入る。そして、電子電流の多くは、電子蓄積層を経由して流れてドリフト層(n-SiC基板59)に入る。ドリフト層(n-SiC基板59)では、電子は、電界ドリフトにより裏面のアノード層(p+拡散層61)に注入される。アノード層に注入された電子は、拡散によってアノード電極32まで移動する。
ドリフト層とアノード層との接合が順バイアスされるので、ホールがアノードから注入されて、n-ドリフト層中を電界ドリフトにより移動し、カソード膜24に入る。ホールの大部分は、その拡散長が短いため、n+バッファ領域25およびn+バッファ領域25の電子蓄積層において電子と再結合して、消滅する。電子蓄積層とn-ドリフト層とからなる接合が順バイアスされるので、電子蓄積層からの電子注入が促進される(IE効果)。上述したように、図20に示す構成では、n-SiC基板59の、酸化膜21との界面にも電子蓄積層が形成されるので、図4に示す実施の形態2の構成よりもIE効果が大きい。IE効果によりカソード側のキャリア濃度が高まり、オン電圧−スイッチング損失のトレードオフが良好となる。
図21〜図27は、実施の形態4の製造方法を説明するための断面図である。まず、低濃度のn-SiC基板59となるFZウェハを用意する。そして、n-SiC基板59の表面に、LTO(低温熱CVD酸化)膜やONO(SiO2/Si34/SiO2)膜などの酸化膜21を例えば0.1μmの厚さに堆積する。続いて、酸化膜21の上にゲートポリシリコン22を例えば0.5μmの厚さに堆積し、例えばPOCl3雰囲気中で900℃の熱処理を行い、ゲートポリシリコン22を高濃度n型にドープする(図21)。
次いで、パターニングおよびエッチングを行って、ゲートポリシリコン22の一部を除去する(図22)。次いで、熱酸化を行って、ゲートポリシリコン22の表面を酸化し、例えば0.1μmの厚さのゲート酸化膜23を形成する。続いて、パターニングおよびエッチングを行って、ゲート酸化膜23および酸化膜21の、ゲートポリシリコン22のない部分を除去する(図23)。
次いで、n-SiC基板59の開口部分から、例えば1×1016cm-3濃度のリンを含む単結晶シリコン層をエピタキシャル法により成長させる。エピタキシャル成長層は、まずSiC基板59の開口部分から上方向に向かって成長し、ゲート酸化膜23上には成長しない。そして、エピタキシャル成長層は、ゲート酸化膜23の上面の高さまで成長すると、上方向および横方向に向かって成長を続ける。やがて、SiC基板59の隣り合う開口部分から成長してきたエピタキシャル成長層同士が接触し、ゲート酸化膜23の上面がエピタキシャル成長層で完全に覆われる。このエピタキシャル成長した単結晶シリコン層は、カソード膜24であり、後にソース領域、チャネル領域およびバッファ領域となる(図24)。
次いで、カソード膜24に、例えば1.5×1014cm-2のドーズ量のボロンをイオン注入する。続いて、パターニングしたレジストをマスクとして、カソード膜24に、例えば1×1015cm-2のドーズ量の砒素をイオン注入する。そして、レジストを灰化した後に、例えば窒素雰囲気中で1150℃、2時間のドライブを行い、チャネル領域となるpベース領域27とn+ソース領域26を形成する(図25)。次いで、層間絶縁膜28として例えば1μmの厚さのBPSGを堆積し、パターニングおよびエッチングを行って、層間絶縁膜28を貫通するコンタクトホールを形成する(図26)。
次いで、層間絶縁膜28の上に、アルミニウム等の金属を例えば5μmの厚さにスパッタする。そして、アルミニウム等の金属のパターニングおよびエッチングを行い、エミッタ電極30を形成する。次いで、n-SiC基板59の裏面を研削して、ウェハ厚を例えば100μmにする。その後、その研削面に、例えば1×1014cm-2のドーズ量のボロンをイオン注入する。
そして、例えば380℃で1時間のアニールを行い、アノード層となるp+拡散層61を形成する(図27)。次いで、p+拡散層61の表面にアルミニウム、チタン、ニッケルおよび金等の金属を蒸着し、アノード電極32を形成すると、図20に示す構成のIGBTができあがる。最後に、ウェハをダイシングしてチップが完成する。最後に、ウェハをダイシングしてチップが完成する。
実施の形態5.
図28は、実施の形態5のパンチスルー型IGBTの構成を示す断面図である。図28に示すように、ドリフト層となる低濃度のn-SiC基板59の第1の主面から所定の深さの所に、埋め込み酸化膜層41が選択的に形成されている。n-SiC基板59の第1の主面と埋め込み酸化膜層41の間のSiC層は、pベース領域27となっている。pベース領域27の、SiC部分から離れた表面領域には、高濃度のn+ソース領域26が形成されている。
-SiC基板59の第1の主面上には、pベース領域27の表面とn-SiC基板59の表面を覆うようにゲート酸化膜23が選択的に形成されている。ゲート酸化膜23上には、高濃度にドープされたゲートポリシリコン22が形成されている。ゲートポリシリコン22の表面は、例えばBPSG等の酸化膜よりなる層間絶縁膜28により覆われている。層間絶縁膜28、n+ソース領域26およびpベース領域27の上には、エミッタ電極30となるアルミニウム層が形成されている。
エミッタ電極30は、n+ソース領域26の一部または全部とコンタクトしているとともに、pベース領域27の一部とコンタクトしている。n-SiC基板59の第2の主面の表面層は、バッファ層となる高濃度のn+拡散層63となっている。さらに、このn+拡散層63の表面層は、アノード層となる高濃度のp+拡散層61となっている。p+拡散層61の表面、すなわちn-SiC基板59の第2の主面には、アノード電極32となるアルミニウム層が形成されている。
実施の形態5では、ゲート電極(ゲートポリシリコン22)をカソードに対して正電位にすると、pベース領域27の、ゲート酸化膜23との界面付近の領域に電子が誘起されて、チャネルが形成される。また、n-SiC基板59の、ゲート酸化膜23と接する領域(他の実施の形態のn+バッファ領域25に相当する領域)に極めて高濃度の電子蓄積層が形成される。さらに、n-SiC基板59の、ゲート電極(ゲートポリシリコン22)の下で埋め込み酸化膜層41に接する領域にも電子蓄積層が形成される。
電子は、n+ソース領域26からチャネルを通ってn-SiC基板59に入る。そして、電子電流の多くは、電子蓄積層を経由して流れてドリフト層(n-SiC基板59)に入る。ドリフト層(n-SiC基板59)では、電子は、電界ドリフトにより裏面のアノード層(p+拡散層61)に注入される。アノード層に注入された電子は、拡散によってアノード電極32まで移動する。
ドリフト層とアノード層との接合が順バイアスされるので、ホールがアノードから注入されて、n-ドリフト層中を電界ドリフトにより移動し、n-SiC基板59の、ゲート酸化膜23と接する領域、すなわち隣り合うpベース領域27に挟まれる領域に入る。ホールの大部分は、その拡散長が短いため、その隣り合うpベース領域27に挟まれる領域およびその領域の電子蓄積層において電子と再結合して、消滅する。電子蓄積層とn-ドリフト層とからなる接合が順バイアスされるので、電子蓄積層からの電子注入が促進される(IE効果)。
上述したように、図28に示す構成では、n-SiC基板59の、埋め込み酸化膜層41との界面にも電子蓄積層が形成されるので、図4に示す実施の形態2の構成よりもIE効果が大きい。IE効果によりカソード側のキャリア濃度が高まり、オン電圧−スイッチング損失のトレードオフが良好となる。また、アノード層(p+拡散層61)の上にバッファ層(n+拡散層63)が設けられているので、図4に示す構成のIGBTよりもオン電圧−耐圧のトレードオフが良好となる。
図29〜図35は、実施の形態5の製造方法を説明するための断面図である。まず、低濃度のn-SiC基板59となるFZウェハを用意する。そして、n-SiC基板59の表面に、例えば1μmの厚さのLTO(低温熱CVD酸化)膜やONO(SiO2/Si34/SiO2)膜などの酸化膜34を堆積する(図29)。次いで、パターニングおよびエッチングを行って、酸化膜34の一部を除去する。
残った酸化膜34をマスクとして、n-SiC基板59に、例えば100keVの加速電圧で1×1015cm-2のドーズ量の酸素をイオン注入する(図30)。図30において、符号35で示すハッチング領域は、酸素イオンの注入領域である。次いで、1300℃でアニールを行い、結晶欠陥を回復させる。これによって、図31に示すように、例えば0.3μmの厚さの単結晶SiCの下に、例えば0.1μmの厚さの埋め込み酸化膜層41が選択的に形成される。この0.3μmの厚さの単結晶SiC層が他の実施の形態におけるカソード膜24に相当する。
マスクとした酸化膜34を除去した後、その表面にLTO(低温熱CVD酸化)膜やONO(SiO2/Si34/SiO2)膜などのゲート酸化膜23を例えば0.1μmの厚さに堆積する。次いで、ゲート酸化膜23の上にゲートポリシリコン22を例えば0.5μmの厚さに堆積する。そして、例えばPOCl3雰囲気中で900℃の熱処理を行い、ゲートポリシリコン22を高濃度n型にドープする(図31)。次いで、パターニングおよびエッチングを行って、ゲートポリシリコン22およびゲート酸化膜23の一部を除去する(図32)。
残ったゲートポリシリコン22をマスクとして、カソード膜24に相当するSiC層に、例えば5×1014cm-2のドーズ量のボロンと、例えば1×1015cm-2のドーズ量の砒素をイオン注入する。そして、例えば窒素雰囲気中で1150℃、2時間のドライブを行い、チャネル領域となるpベース領域27とn+ソース領域26を形成する(図33)。次いで、層間絶縁膜28として例えば1μmの厚さのBPSGを堆積し、パターニングおよびエッチングを行って、層間絶縁膜28を貫通するコンタクトホールを形成する(図34)。
次いで、層間絶縁膜28の上に、アルミニウム等の金属を例えば5μmの厚さにスパッタする。そして、アルミニウム等の金属のパターニングおよびエッチングを行い、エミッタ電極30を形成する。次いで、n-SiC基板59の裏面を研削して、ウェハ厚を例えば100μmにする。その後、その研削面に、例えば2×1012cm-2のドーズ量のリン、および例えば5×1014cm-2のドーズ量のボロンをイオン注入する。
そして、例えば1000℃で5時間のアニールを行い、n+拡散層63およびp+拡散層61を形成する。n+拡散層63はp+拡散層61よりも深い位置に形成される(図35)。次いで、p+拡散層61の表面にアルミニウム、チタン、ニッケルおよび金等の金属を蒸着し、アノード電極32を形成すると、図28に示す構成のIGBTができあがる。最後に、ウェハをダイシングしてチップが完成する。
以上説明したように、実施の形態1〜5によれば、n-SiC基板29、n-SiCエピタキシャル層49またはn-SiC基板59よりなるドリフト層中のキャリア分布が表面偏重型になるので、オン電圧−ターンオフ損失のトレードオフが最適化される。その一方で、カソード領域中の電界強度の局所的なピークを抑えることによって、局所的なアバランシェ降伏が起こりにくくなり、十分な耐圧を確保することができるので、オン電圧−耐圧のトレードオフが悪化するのを防ぐことができる。
また、カソード領域が酸化膜21または埋め込み酸化膜層41によってドリフト層から隔てられていることによって、カソード領域の設計寸法がドリフト領域の特性に直接、寄与しないので、従来よりも微細化しなくても、トレードオフ特性は不変である。従って、低コストの製造プロセスを用いて、高良品率で、オン電圧−ターンオフ損失トレードオフおよびオン電圧−耐圧トレードオフの非常に良好なIGBTを得ることができる。
特に、実施の形態2〜5によれば、カソード膜24をSiC基板の表面に形成することにより、あるいはSiC基板の表面層をカソード膜とすることにより、SiC基板中にカソードを形成する場合に発生する製造上の技術的な困難を回避することができる。従って、SiC本来の優れた特性を備えたIGBT等の半導体装置を得ることができる。
以上において、本発明は、上述した実施の形態に限らず、種々変更可能である。例えば、IGBTの耐圧クラス、各部の寸法や濃度、およびドーズ量などは一例であり、変更可能である。
以上のように、本発明にかかる半導体装置およびその製造方法は、電力変換装置などに使用されるパワー半導体装置に有用であり、特に、IGBTに適している。
IGBTの等価回路を示す図である。 プレーナ型IGBTの要部の構成を示す断面図である。 実施の形態1のIGBTの構成を示す断面図である。 実施の形態2のIGBTの構成を示す断面図である。 実施の形態2の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態2の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態2の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態2の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態2の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態2の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態2の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態3のIGBTの構成を示す断面図である。 実施の形態3の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態3の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態3の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態3の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態3の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態3の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態3の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態4のIGBTの構成を示す断面図である。 実施の形態4の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態4の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態4の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態4の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態4の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態4の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態4の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態5のIGBTの構成を示す断面図である。 実施の形態5の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態5の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態5の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態5の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態5の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態5の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態5の製造方法を説明するための断面図である。
21 第1の絶縁膜(酸化膜)
22 多結晶半導体領域(ゲートポリシリコン)
23 第2の絶縁膜(ゲート酸化膜)
24 第1導電型半導体膜(カソード膜)
25 第1の第1導電型半導体領域(n+バッファ領域)
26 第2の第1導電型半導体領域(n+ソース領域)
27 第1の第2導電型半導体領域(pベース領域)
28 第3の絶縁膜(層間絶縁膜)
29 第1導電型SiC基板(n-SiC基板)
30 第1の電極(エミッタ電極)
31 第2の第2導電型半導体領域(p+アノード層)
32 第2の電極(アノード電極)
33 第3の第1導電型半導体領域(n+バッファ層)
49 n-SiCエピタキシャル層
51,59 SiC基板

Claims (11)

  1. 第1導電型SiC基板の第1の主面上に第1の絶縁膜および多結晶半導体膜を順次形成する第1の工程と、
    前記多結晶半導体膜の一部を除去して窓部を形成する第2の工程と、
    前記多結晶半導体膜の露出部分を覆う第2の絶縁膜を形成した後、前記窓部において前記SiC基板の一部を露出させる第3の工程と、
    前記SiC基板の、前記窓部において露出した部分、および前記第2の絶縁膜の上に第1導電型半導体膜を積層する第4の工程と、
    前記第1導電型半導体膜の、前記SiC基板と接触する第1の第1導電型半導体領域の隣に第1の第2導電型半導体領域を形成し、さらに該第1の第2導電型半導体領域を挟んで前記第1の第1導電型半導体領域の反対側に第2の第1導電型半導体領域を形成する第5の工程と、
    前記第1の第1導電型半導体領域、前記第1の第2導電型半導体領域および前記第2の第1導電型半導体領域の上に第3の絶縁膜を積層し、該第3の絶縁膜にコンタクトホールを開口して前記第2の第1導電型半導体領域および前記第1の第2導電型半導体領域の一部を露出させる第6の工程と、
    前記第3の絶縁膜の上に、前記コンタクトホールを介して前記第2の第1導電型半導体領域および前記第1の第2導電型半導体領域の一部に接触する第1の電極を形成した後に、前記SiC基板の第2の主面を研削し、その研削面に沿って第2の第2導電型半導体領域を形成する第7の工程と、
    前記第2の第2導電型半導体領域に接触する第2の電極を形成する第8の工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第4の工程において、前記第1導電型半導体膜を、前記SiC基板よりも高濃度の第1導電型にドープすることを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第7の工程において、前記SiC基板の第2の主面を研削した後に、その研削面に沿って前記SiC基板よりも高不純物濃度の第3の第1導電型半導体領域を前記第2の第2導電型半導体領域よりも深く形成することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第1導電型半導体膜を多結晶シリコンで形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1導電型半導体膜の一部または全部を単結晶シリコンで形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  6. 第1導電型SiC基板の第1の主面上に第1の絶縁膜を形成する第1の工程と、
    前記第1の絶縁膜の一部を除去して窓部を形成する第2の工程と、
    前記第1の絶縁膜および前記SiC基板の、前記窓部において露出した部分の上に第1導電型半導体膜を積層する第3の工程と、
    前記第1導電型半導体膜の上に第2の絶縁膜および多結晶半導体膜を順次形成する第4の工程と、
    前記多結晶半導体膜の一部を除去して、前記第1導電型半導体膜の、前記SiC基板と接触する第1の第1導電型半導体領域の上の部分に前記多結晶半導体膜を残し、前記第1導電型半導体膜の、前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜との間に第1の第2導電型半導体領域を形成し、さらに該第1の第2導電型半導体領域内の前記第2の絶縁膜側に第2の第1導電型半導体領域を形成する第5の工程と、
    前記多結晶半導体膜の上に第3の絶縁膜を積層し、該第3の絶縁膜にコンタクトホールを開口して前記第2の第1導電型半導体領域および前記第1の第2導電型半導体領域の一部を露出させ、前記第3の絶縁膜の上に、前記コンタクトホールを介して前記第2の第1導電型半導体領域および前記第1の第2導電型半導体領域の一部に接触する第1の電極を形成する第6の工程と、
    前記SiC基板の第2の主面を研削し、その研削面に沿って第2の第2導電型半導体領域を形成する第7の工程と、
    前記第2の第2導電型半導体領域に接触する第2の電極を形成する第8の工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記第3の工程において、前記第1導電型半導体膜を、前記SiC基板よりも高濃度の第1導電型にドープすることを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記第7の工程において、前記SiC基板の第2の主面を研削した後に、その研削面に沿って前記SiC基板よりも高不純物濃度の第3の第1導電型半導体領域を前記第2の第2導電型半導体領域よりも深く形成することを特徴とする請求項6または7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第1導電型半導体膜を多結晶シリコンで形成することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記第1導電型半導体膜の一部または全部を単結晶シリコンで形成することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記第1導電型半導体膜をエピタキシャル成長法により形成することを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
JP2005119791A 2004-09-02 2005-04-18 半導体装置の製造方法 Expired - Fee Related JP5028749B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005119791A JP5028749B2 (ja) 2004-09-02 2005-04-18 半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004256251 2004-09-02
JP2004256251 2004-09-02
JP2005119791A JP5028749B2 (ja) 2004-09-02 2005-04-18 半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006100779A JP2006100779A (ja) 2006-04-13
JP5028749B2 true JP5028749B2 (ja) 2012-09-19

Family

ID=36240247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005119791A Expired - Fee Related JP5028749B2 (ja) 2004-09-02 2005-04-18 半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5028749B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5114832B2 (ja) * 2004-09-02 2013-01-09 富士電機株式会社 半導体装置およびその製造方法
EP2541604A4 (en) 2010-02-25 2016-04-20 Renesas Electronics Corp SEMICONDUCTOR COMPONENT AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
US9142662B2 (en) * 2011-05-06 2015-09-22 Cree, Inc. Field effect transistor devices with low source resistance
CN112331715B (zh) * 2019-08-05 2024-04-02 广东美的白色家电技术创新中心有限公司 绝缘栅双极型晶体管及其制作方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6457675A (en) * 1987-08-27 1989-03-03 Nec Corp Vertical field-effect transistor
JPH0555593A (ja) * 1991-08-29 1993-03-05 Sanyo Electric Co Ltd 絶縁ゲート形電界効果トランジスタの製造方法
JPH05160407A (ja) * 1991-12-09 1993-06-25 Nippondenso Co Ltd 縦型絶縁ゲート型半導体装置およびその製造方法
JP3307112B2 (ja) * 1994-09-21 2002-07-24 株式会社豊田中央研究所 半導体装置の製造方法
JPH09153609A (ja) * 1995-11-29 1997-06-10 Nec Yamagata Ltd 縦型絶縁ゲート電界効果トランジスタ
JPH10256529A (ja) * 1997-03-14 1998-09-25 Fuji Electric Co Ltd 絶縁ゲート型炭化ケイ素サイリスタ
JP4967200B2 (ja) * 2000-08-09 2012-07-04 富士電機株式会社 逆阻止型igbtを逆並列に接続した双方向igbt
JP4783975B2 (ja) * 2000-11-21 2011-09-28 富士電機株式会社 Mis半導体装置およびその製造方法
JP2002231820A (ja) * 2001-01-30 2002-08-16 Sanyo Electric Co Ltd パワー半導体装置及び半導体装置の製造方法
JP3573149B2 (ja) * 2002-10-16 2004-10-06 日産自動車株式会社 炭化珪素半導体装置
JP3617510B2 (ja) * 2002-10-18 2005-02-09 日産自動車株式会社 炭化珪素半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006100779A (ja) 2006-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10347735B2 (en) Semiconductor device with lifetime killers and method of manufacturing the same
US7157785B2 (en) Semiconductor device, the method of manufacturing the same, and two-way switching device using the semiconductor devices
JP6844163B2 (ja) 炭化珪素半導体装置
US10418445B2 (en) Silicon carbide semiconductor device and method of manufacturing a silicon carbide semiconductor device
US7569431B2 (en) Semiconductor device and manufacturing method thereof
US10516017B2 (en) Semiconductor device, and manufacturing method for same
JP2004363328A (ja) 半導体装置およびその製造方法
CN114744049B (zh) 碳化硅mosfet半导体器件及制作方法
JPWO2018117061A1 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP2019216223A (ja) 半導体装置
JP5114832B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP5028749B2 (ja) 半導体装置の製造方法
WO2021005903A1 (ja) 炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
JP5135668B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP2006190730A (ja) 逆阻止型絶縁ゲート形バイポーラトランジスタの製造方法
WO2015111177A1 (ja) 半導体装置,パワーモジュール,電力変換装置,および鉄道車両
US20170005183A1 (en) Trenched and implanted bipolar junction transistor
JP5119589B2 (ja) 半導体装置
JP7379880B2 (ja) 半導体装置
US20230307236A1 (en) Method for manufacturing semiconductor device
JP2008288350A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2023114929A (ja) 炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2022120263A (ja) 炭化珪素半導体装置
JP2022176737A (ja) 炭化珪素半導体装置
JP2023140254A (ja) 半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080204

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080204

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080205

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080215

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20091112

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20091112

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091112

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111107

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120217

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120529

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120611

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees