JP2023140254A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不純物の熱処理による拡散を抑制できる半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】実施形態の半導体装置の製造方法は、炭化珪素層の表面に第1の開口部を有する第1のマスク材を形成し、第1のマスク材をマスクに炭素(C)を炭化珪素層に注入して第1の炭素領域を形成する第1のイオン注入を行い、炭化珪素層の表面に、表面に平行な第1の方向の両端部が、第1の炭素領域の第1の方向の両端部より内側に位置する第2の開口部を有する第2のマスク材を形成し、第2のマスク材をマスクに第1の不純物を炭化珪素層に注入して第1の不純物領域を形成する第2のイオン注入を行い、1600℃以上の熱処理を行う。【選択図】図6

Description

本発明の実施形態は、半導体装置の製造方法に関する。
次世代の半導体デバイス用の材料として炭化珪素(SiC)が期待されている。炭化珪素はシリコン(Si)と比較して、バンドギャップが約3倍、破壊電界強度が約10倍、熱伝導率が約3倍と優れた物性を有する。この特性を活用すれば低損失かつ高温動作可能な半導体デバイスを実現することができる。
炭化珪素を用いた半導体デバイスを微細化する観点から、炭化珪素中にイオン注入した不純物の熱処理による拡散を抑制することが望まれる。熱処理は、例えば、不純物の高温イオン注入や不純物の活性化アニールである。
特開2001-93985号公報 特開2001-94120号公報
本発明が解決しようとする課題は、不純物の熱処理による拡散を抑制できる半導体装置の製造方法を提供することにある。
実施形態の半導体装置の製造方法は、炭化珪素層の表面に第1の開口部を有する第1のマスク材を形成し、前記第1のマスク材をマスクに炭素(C)を前記炭化珪素層に注入して第1の炭素領域を形成する第1のイオン注入を行い、前記炭化珪素層の前記表面に、前記表面に平行な第1の方向の両端部が、前記第1の炭素領域の前記第1の方向の両端部より内側に位置する第2の開口部を有する第2のマスク材を形成し、前記第2のマスク材をマスクに第1の不純物を前記炭化珪素層に注入して第1の不純物領域を形成する第2のイオン注入を行い、1600℃以上の熱処理を行う。
第1の実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 比較例の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の第1の変形例の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の第1の変形例の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の第2の変形例の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の第3の変形例の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の第3の変形例の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の第3の変形例の半導体装置の製造方法の説明図。 第2の実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図。 第2の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第2の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第2の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第2の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第2の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第2の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第2の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第2の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第2の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第2の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第2の実施形態の変形例の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図。 第2の実施形態の変形例の半導体装置の製造方法の説明図。 第3の実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図。 第3の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第3の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第3の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第3の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第3の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第3の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第3の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第3の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第3の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材などには同一の符号を付し、一度説明した部材などについては適宜その説明を省略する。
また、以下の説明において、n、n、n及び、p、p、pの表記がある場合は、各導電型における不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわちnはnよりもn型不純物濃度が相対的に高く、nはnよりもn型不純物濃度が相対的に低いことを示す。また、pはpよりもp型不純物濃度が相対的に高く、pはpよりもp型不純物濃度が相対的に低いことを示す。なお、n型、n型を単にn型、p型、p型を単にp型と記載する場合もある。各領域の不純物濃度は、別段の記載がある場合を除き、例えば、各領域の中央部の不純物濃度の値で代表させる。
不純物濃度は、例えば、Secondary Ion Mass Spectrometry(SIMS)により測定することが可能である。また、不純物濃度の相対的な高低は、例えば、Scanning Capacitance Microscopy(SCM)で求められるキャリア濃度の高低から判断することも可能である。また、不純物領域の幅や深さ等の距離は、例えば、SIMSで求めることが可能である。また。不純物領域の幅や深さ等の距離は、例えば、SCM像から求めることが可能である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の半導体装置の製造方法は、炭化珪素層の表面に第1の開口部を有する第1のマスク材を形成し、第1のマスク材をマスクに炭素(C)を炭化珪素層に注入して第1の炭素領域を形成する第1のイオン注入を行い、炭化珪素層の表面に、表面に平行な第1の方向の両端部が、第1の炭素領域の第1の方向の両端部より内側に位置する第2の開口部を有する第2のマスク材を形成し、第2のマスク材をマスクに第1の不純物を炭化珪素層に注入して第1の不純物領域を形成する第2のイオン注入を行い、1600℃以上の熱処理を行う。
図1は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図である。第1の実施形態の半導体装置は、MPSダイオード100(Merged PiN Schottky Diode)である。MPSダイオード100は、SBDがPNダイオードに挟まれる構造を有する。
MPSダイオード100は、炭化珪素層10、アノード電極12、カソード電極14を備える。
炭化珪素層10は、n型のカソード領域16、n-型のドリフト領域18、p型のアノード領域20、n型のキャリア拡散領域22を含む。
炭化珪素層10は、単結晶のSiCである。炭化珪素層10は、例えば、4H-SiCである。
型のカソード領域16は、炭化珪素層10の裏面側に設けられる。カソード領域16は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。カソード領域16のn型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1020cm-3以下である。
-型のドリフト領域18は、カソード領域16の上に設けられる。ドリフト領域18は、MPSダイオード100のオン電流の経路として機能する。
ドリフト領域18は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。ドリフト領域18のn型不純物濃度は、例えば、1×1015cm-3以上1×1016cm-3以下である。
型のアノード領域20は、ドリフト領域18の上に設けられる。アノード領域20は、炭化珪素層10の表面に設けられる。複数のアノード領域20が互いに第1の方向に離間して設けられる。
MPSダイオード100がオフ状態の時に、隣り合うアノード領域20の間が空乏化する。したがって、MPSダイオード100の耐圧が向上する。また、アノード領域20を設けることで、順方向に高いサージ電流を流すことが可能となる。したがって、MPSダイオード100のサージ電流耐量が向上する。
アノード領域20は、例えば、アルミニウム(Al)をp型不純物として含む。アノード領域20のp型不純物濃度は、例えば、1×1017cm-3以上1×1022cm-3以下である。
n型のキャリア拡散領域22は、ドリフト領域18とアノード領域20との間に設けられる。キャリア拡散領域22は、アノード領域20の底部に設けられる。キャリア拡散領域22は、アノード領域20の底部に設けることにより、アノード領域20の底部でキャリアが横方向に拡散される。したがって、MPSダイオード100のオン抵抗が低減する。
キャリア拡散領域22は、は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。キャリア拡散領域22のn型不純物濃度は、例えば、5×1016cm-3以上1×1018cm-3以下である。
アノード電極12は、炭化珪素層10の表面側に設けられる。アノード電極12は、ドリフト領域18及びアノード領域20に電気的に接続される。アノード電極12は、ドリフト領域18及びアノード領域20に接する。
アノード電極12とドリフト領域18との間の接合はショットキー接合である。アノード電極12とアノード領域20との間の接合はオーミック接合である。
アノード電極12は、例えば、金属又は金属化合物である。
カソード電極14は、炭化珪素層10の裏面側に設けられる。カソード電極14は、
カソード領域16に電気的に接続される。カソード電極14は、カソード領域16に接する。カソード電極14とカソード領域16との間の接合はオーミック接合である。
次に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図である。図2~図7、及び図9は、製造途中の断面図である。図8は、イオン注入直後のイオン注入された元素の分布を示す図である。
最初に、炭化珪素層10を準備する(図2)。炭化珪素層10は、n型のカソード領域16とn型のドリフト領域18を備える。ドリフト領域18は、例えば、カソード領域16の上にエピタキシャル成長法により形成される。
次に、炭化珪素層10の表面に第1の開口部31aを有する第1のマスク材31を形成する(図3)。第1のマスク材31は、例えば、絶縁体である。第1のマスク材31は、例えば、酸化シリコンである。
第1のマスク材31は、例えば、絶縁膜の堆積と、フォトリソグラフィー及びエッチングによる絶縁膜のパターニングにより形成する。
次に、第1のマスク材31をイオン注入マスクとして用いて、炭素(C)を炭化珪素層10に注入する第1のイオン注入を行う(図4)。第1のイオン注入により炭素領域19が形成される。炭素領域19は、第1の炭素領域の一例である。
第1のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第1のイオン注入は、例えば、炭化珪素層10の温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、第1のマスク材31を除去する。第1のマスク材31は、例えば、ウェットエッチングにより除去する。
次に、炭化珪素層10の表面に第2の開口部32aを有する第2のマスク材32を形成する(図5)。第2のマスク材32は、例えば、絶縁体である。第2のマスク材32は、例えば、酸化シリコンである。
第2の開口部32aの第1の方向の両端部(図5中のE1)は、炭素領域19の第1の方向の両端部(図5中のE2)より内側に位置する。第2の開口部32aの第1の方向の幅は、炭素領域19の第1の方向の幅よりも小さい。第1の方向は、炭化珪素層10の表面に平行な方向である。
炭素領域19の第1の方向の両端部(図5中のE2)は、第1の開口部31aの第1の方向の両端部の位置と一致する。
第2のマスク材32は、例えば、絶縁膜の堆積と、フォトリソグラフィー及びエッチングによる絶縁膜のパターニングにより形成する。
次に、第2のマスク材32をイオン注入マスクとして用いて、アルミニウム(Al)を炭化珪素層10に注入する第2のイオン注入を行う(図6)。第2のイオン注入によりアノード領域20が形成される。第2のイオン注入で注入されるアルミニウム(Al)は第1の不純物の一例である。アノード領域20は第1の不純物領域の一例である。
第2のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第2のイオン注入は、例えば、炭化珪素層10の温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、第2のマスク材32をイオン注入マスクとして用いて、窒素(N)を炭化珪素層10に注入する第3のイオン注入を行う(図7)。第3のイオン注入によりキャリア拡散領域22が形成される。窒素(N)は不純物の一例である。キャリア拡散領域22は不純物領域の一例である。
第3のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第3のイオン注入は、例えば、炭化珪素層10の温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、第2のマスク材32を除去する。第2のマスク材32は、例えば、ウェットエッチングにより除去する。
図8は、イオン注入直後の元素分布を示す図である。図8は、炭化珪素層10に中の元素の深さ方向の分布を示す。
図8は、第1のイオン注入で注入された炭素(C)の分布を示す。図8は、第1のイオン注入で形成された炭素領域19の炭素プロファイルを示す。第1のイオン注入で注入された炭素(C)の分布は、第1のイオン注入のイオン注入条件で決定される。
また、図8は、第2のイオン注入で注入されたアルミニウム(Al)の分布を示す。図8は、第2のイオン注入で形成されたアノード領域20のアルミニウムプロファイルを示す。第2のイオン注入で注入されたアルミニウム(Al)の分布は、第2のイオン注入のイオン注入条件で決定される。
また、図8は、第3のイオン注入で注入された窒素(N)の分布を示す。図8は、第3のイオン注入で形成されたキャリア拡散領域22の窒素プロファイルを示す。第3のイオン注入で注入された窒素(N)の分布は、第3のイオン注入のイオン注入条件で決定される。
図8に示すように、炭素領域19の深さは、アノード領域20の深さより深い。また、炭素領域19の深さは、キャリア拡散領域22の深さより深い。
炭素領域19の深さは、炭素をイオン注入する第1のイオン注入のイオン注入条件で決定される。また、アノード領域20の深さは、アルミニウムをイオン注入する第2のイオン注入のイオン注入条件で決定される。また、キャリア拡散領域22の深さは、窒素をイオン注入する第3のイオン注入のイオン注入条件で決定される。
また、図8に示すように、炭素領域19の炭素(C)の最大濃度は、アノード領域20のアルミニウム(Al)の最大濃度よりも高い。また、炭素領域19の炭素(C)の最大濃度は、キャリア拡散領域22の窒素(N)の最大濃度よりも高い。
炭素領域19の炭素(C)の最大濃度は、炭素をイオン注入する第1のイオン注入のイオン注入条件で決定される。また、アノード領域20のアルミニウム(Al)の最大濃度は、アルミニウムをイオン注入する第2のイオン注入のイオン注入条件で決定される。また、キャリア拡散領域22の窒素(N)の最大濃度は、窒素をイオン注入する第3のイオン注入のイオン注入条件で決定される。
第1のイオン注入の炭素のドーズ量は、例えば、第2のイオン注入のアルミニウム(Al)のドーズ量の10倍以上である。また、第1のイオン注入の炭素のドーズ量は、例えば、第3のイオン注入の窒素(N)のドーズ量の10倍以上である。
また、図8に示すように、炭素領域19の炭化珪素層10の表面の、第1のイオン注入で注入された炭素の濃度は、1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下である。炭素領域19の炭化珪素層10の表面の、第1のイオン注入で注入された炭素の濃度は、炭素をイオン注入する第1のイオン注入のイオン注入条件で決定される。
次に、炭化珪素層10の表面に炭素膜30を形成する(図9)。
次に、熱処理を行う。熱処理は、例えば、1600℃以上2000℃以下で行う。熱処理は、非酸化性雰囲気で行う。熱処理は、例えば、不活性ガス雰囲気で行う。熱処理は、例えば、アルゴンガス雰囲気で行う。
熱処理により、炭化珪素層10の中にイオン注入されたアルミニウム及び窒素が活性化される。熱処理は、アルミニウム及び窒素の活性化アニールである。また、熱処理により、炭化珪素層10への炭素イオン注入により形成された格子間炭素が、炭化珪素層10の中の炭素空孔を埋める。
熱処理後の、アノード領域20及びキャリア拡散領域22の第1の方向の幅は、第1の幅(図9中のw1)である。また、熱処理後の、キャリア拡散領域22の深さは第1の深さ(図9中のd1)である。
炭素膜30は、熱処理中に、炭化珪素層10からシリコンや炭素が雰囲気中に脱離することを抑制する。また、炭素膜30は、熱処理中に、炭化珪素層10の中の余剰の格子間炭素を吸収する。
次に、炭素膜30を除去する。その後、公知のプロセス技術を用いて、炭化珪素層10の表面にアノード電極12を形成する。また、炭化珪素層10の裏面にカソード電極14を形成する。
以上の製造方法により、図1に示すMPSダイオード100が製造される。
次に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の作用及び効果について説明する。
炭化珪素を用いた半導体デバイスを微細化する観点から、炭化珪素中にイオン注入した不純物の熱処理による拡散を抑制することが望まれる。熱処理は、例えば、不純物の高温イオン注入や不純物の活性化アニールである。
第1の実施形態の半導体装置の製造方法は、不純物がイオン注入される範囲よりも広い範囲に炭素(C)をイオン注入により導入する。上記方法により、炭化珪素層中の炭素空孔(Carbon Vacancy)密度が低減し、炭化珪素中にイオン注入した不純物の熱処理による拡散が抑制できる。以下、詳述する。
図10は、比較例の半導体装置の製造方法の説明図である。比較例の半導体装置の製造方法は、炭素(C)を炭化珪素層10に注入する第1のイオン注入を行わない点で、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と異なる。
図10は、活性化アニール直後の断面図である。図10は、第1の形態の図9に対応する図である。
図10に示すように、熱処理後の、アノード領域20及びキャリア拡散領域22の第1の方向の幅は、第2の幅(図10中のw2)である。また、熱処理後の、キャリア拡散領域22の深さは第2の深さ(図10中のd2)である。
第2の幅w2は、熱処理による不純物の横方向(第1の方向)の拡散が大きいと大きくなる。また、第2の深さd2は、熱処理による不純物の深さ方向の拡散が大きいと大きくなる。
例えば、第2の幅w2が大きくなると、隣り合う2つのアノード領域20の間の距離が短くなる。したがって、MPSダイオードのオン抵抗が増加する。よって、MPSダイオードの微細化が困難となる。
また、例えば、第2の深さd2が深くなると、キャリア拡散領域22の濃度が低下し、キャリア拡散領域22の電気抵抗が大きくなる。このため、アノード領域20の底部でキャリアの横方向の拡散が抑制される。したがって、MPSダイオードのオン抵抗が増加する。
第1の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、熱処理後の、アノード領域20及びキャリア拡散領域22の第1の方向の第1の幅w1は、比較例の第2の幅w2よりも小さくなる。したがって、MPSダイオード100のオン抵抗が低減する。
炭化珪素層10中の不純物の拡散は、炭化珪素層10中の炭素空孔によって促進される。炭素のイオン注入により炭素領域19が形成されることで、炭化珪素層10中の炭素空孔密度が低減する。したがって、不純物の拡散が抑制され、第1の幅w1が小さくなる。
特に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、第2のマスク材32を形成する際、第2の開口部32aの第1の方向の両端部(図5中のE1)が、炭素領域19の第1の方向の両端部(図5中のE2)より内側に位置するように形成する。このため、イオン注入後のアノード領域20及びキャリア拡散領域22は、横方向において、炭素領域19に覆われることになる。
第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、不純物が拡散する熱処理の前に、不純物の横方向の拡散が予定される領域に炭素領域19が形成されている。したがって、不純物の横方向の拡散が効果的に抑制される。
また、第1の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、熱処理後の、キャリア拡散領域22の第1の深さd1は、比較例の第2の深さd2よりも小さくなる。したがって、MPSダイオード100のオン抵抗が低減する。
炭化珪素層10中の不純物の拡散は、炭化珪素層10中の炭素空孔によって促進される。炭素のイオン注入により炭素領域19が形成されることで、炭化珪素層10中の炭素空孔密度が低減する。したがって、不純物の拡散が抑制され、第1の深さd1が小さくなる。
特に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、炭素領域19の深さが、キャリア拡散領域22の深さより深くなるように形成される。このため、イオン注入後は、キャリア拡散領域22は、深さ方向において、炭素領域19に覆われることになる。
第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、不純物が拡散する熱処理の前に、不純物の深さ方向の拡散が予定される領域に炭素領域19が形成されている。したがって、不純物の深さ方向の拡散が効果的に抑制される。
第1の実施形態の半導体装置の製造方法は、不純物がイオン注入される範囲よりも広い範囲に炭素(C)をイオン注入により導入する。したがって、炭化珪素中にイオン注入した不純物の熱処理による拡散が効果的に抑制できる。よって、MPSダイオード100の微細化が可能となる。
また、第1の実施形態の半導体装置の製造方法は、炭素をイオン注入する際、第1のマスク材31で、後にショットキー接合が形成される領域を覆う。したがって、後にショットキー接合が形成される領域には炭素のイオン注入は行われない。したがって、例えば、炭素のイオン注入によるダメージにより、ショットキー接合の特性が劣化することを抑制できる。
不純物の深さ方向の拡散を抑制する観点から、炭素領域19の深さは、アノード領域20の深さより深いことが好ましい、また、不純物の深さ方向の拡散を抑制する観点から、炭素領域19の深さは、キャリア拡散領域22の深さより深いことが好ましい。
炭素を注入する第1のイオン注入は、1000℃以上の温度で行われることが好ましい。1000℃以上の温度で炭化珪素層10中に炭素を導入することで、イオン注入時に格子間炭素が炭素空孔に入り、炭素空孔密度を低減できる。したがって、例えば、続く不純物のイオン注入を高温で行う際の不純物の拡散を抑制できる。
また、1000℃以上の温度で炭素をイオン注入することで、炭素のイオン注入によるダメージを低減できる。したがって、MPSダイオード100の特性が向上する。
アルミニウム(Al)を注入する第2のイオン注入、及び、窒素(N)を注入する第3のイオン注入は、1000℃以上の温度で行われることが好ましい。1000℃以上の温度で不純物をイオン注入することで、不純物のイオン注入によるダメージを低減できる。ダメージによる炭化珪素層10のアモルファス化を抑制でき、結晶性を高く保てるため、活性化アニール後の活性化効率を高くすることができる。
イオン注入の温度が高いほど炭化珪素層10の結晶性を高く保てるため、イオン注入の温度は、1100℃以上であることがより好ましい。一方で、イオン注入のマスクとして用いられるレジストは耐熱性が低い。レジストの耐熱性は、例えば、500℃以下である。そのため、1000℃以上の温度でイオン注入を行う場合、酸化シリコン、窒化シリコン、又は窒化アルミニウムなどの耐熱性の高い材料にてマスクを形成することが望まれる。耐熱性の観点から、例えば、イオン注入の温度は、酸化シリコンをマスクの材料として用いる場合は1300℃以下、窒化シリコン又は窒化アルミニウムを用いる場合は1400℃以下であることが好ましい。炭化珪素層10とのエッチング選択比などを考えると、酸化シリコンをマスクの材料として用いることが好ましい。不純物のイオン注入は、酸化シリコンをマスクの材料として用い、温度が1000℃以上1300℃以下であることが好ましく、1100℃以上1200以下であることがより好ましい。
なお、不純物のイオン注入に先立ち、炭素のイオン注入により炭素領域19を形成するため、高温のイオン注入による不純物の拡散を抑えることができる。
アルミニウムの拡散を抑制する観点から、第1のイオン注入で注入される炭素の炭化珪素層10の中の最大濃度は、第2のイオン注入で注入されるアルミニウムの炭化珪素層10の中の最大濃度よりも高いことが好ましい。また、窒素の拡散を抑制する観点から、第1のイオン注入で注入される炭素の炭化珪素層10の中の最大濃度は、第3のイオン注入で注入される窒素の炭化珪素層10の中の最大濃度よりも高いことが好ましい。
アルミニウムの拡散を抑制する観点から、第1のイオン注入の炭素のドーズ量は、第2のイオン注入のアルミニウムのドーズ量の10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。また、窒素の拡散を抑制する観点から、第1のイオン注入の炭素のドーズ量は、第3のイオン注入の窒素のドーズ量の10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。
アルミニウムの横方向の拡散を抑制する観点から、第1のイオン注入で注入される炭素の炭化珪素層10の表面の濃度は、1×1015cm-3以上であることが好ましく、1×1016cm-3以上であることがより好ましく、1×1017cm-3以上であることが更に好ましい。
熱処理の温度は、1850℃以上であることが好ましい。熱処理を、1850℃以上で行うことで、不純物の活性化率が向上する。なお、不純物のイオン注入に先立ち、炭素のイオン注入により炭素領域19を形成するため、熱処理が1850℃以上であっても不純物の拡散を抑えることができる。
(第1の変形例)
第1の実施形態の第1の変形例の半導体装置の製造方法は、第2のマスク材の形成は、第1の開口部の側壁に側壁材を形成することにより行う点で、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と異なる。
図11、図12は、第1の実施形態の第1の変形例の半導体装置の製造方法の説明図である。図11は、第2のマスク材32を形成した直後の断面図である。図11は、第1の実施形態の図5に対応する図である。図12は、第1の実施形態の図6に対応する図である。
第2のマスク材32の形成は、図11に示すように、第1のマスク材31の第1の開口部31aの側壁に側壁材を形成することにより行う。側壁材は、例えば、側壁材となる絶縁膜の堆積と、異方性エッチングにより形成できる。
側壁材が第2のマスク材32となる。側壁材により形成される開口部が第2の開口部32aとなる。第2の開口部32aの第1の方向の両端部(図11中のE1)は、炭素領域19の第1の方向の両端部(図11中のE2)より内側に位置する。第1の開口部31aの側壁に形成される側壁材は、第1の側壁材の一例である。
次に、第1のマスク材31及び第2のマスク材32をイオン注入マスクとして用いて、アルミニウムを炭化珪素層10に注入する第2のイオン注入を行う(図12)。第2のイオン注入によりアノード領域20が形成される。第2のイオン注入で注入されるアルミニウムは第1の不純物の一例である。
アノード領域20の形成後は、第1の実施形態と同様の製造方法である。
第1の実施形態の第1の変形例の半導体装置の製造方法によれば、第2の開口部32aが第1の開口部31aに対してセルフアラインで形成できる。したがって、第2の開口部32aを形成する際に、炭素領域19との合わせ余裕の考慮が不要となる。よって、MPSダイオードを更に微細化できる。
(第2の変形例)
第1の実施形態の第2の変形例の半導体装置の製造方法は、第2のイオン注入の前に、第2のマスク材をマスクに炭素をイオン注入する第3のイオン注入を行う点で、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と異なる。
図13は、第1の実施形態の第2の変形例の半導体装置の製造方法の説明図である。図13は、第2のマスク材32を形成した後に、炭素のイオン注入を行う際の断面図である。
第2のマスク材32の形成後、アルミニウムを注入する第2のイオン注入の前に、炭素を炭化珪素層10に注入する第3のイオン注入を行う。炭素を炭化珪素層10に注入する第3のイオン注入により、炭素領域21が形成される。
次に、アルミニウムを炭化珪素層10に注入する第2のイオン注入を行う。アルミニウムを炭化珪素層10に注入する第2のイオン注入の後は、第1の実施形態と同様の製造方法である。
第2のマスク材32の形成後は、第1の実施形態と同様の製造方法である。
第1の実施形態の第2の変形例の半導体装置の製造方法によれば、炭素を追加するイオン注入により、不純物の拡散を更に抑制できる。よって、MPSダイオードを更に微細化できる。
(第3の変形例)
第1の実施形態の第3の変形例の半導体装置の製造方法は、炭素領域19の深さは、アノード領域20の深さより浅く、炭素領域19の深さは、キャリア拡散領域22の深さより浅い点で、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と異なる。
図14、図15、図16は、第1の実施形態の第3の変形例の半導体装置の製造方法の説明図である。図14は、第1の実施形態の図4に対応する図である。図15は、第1の実施形態の図7に対応する図である。図16は、第1の実施形態の図9に対応する図である。
第1のマスク材31をイオン注入マスクとして用いて、炭素(C)を炭化珪素層10に注入する第1のイオン注入を行う(図14)。第1のイオン注入により炭素領域19が形成される。形成される炭素領域19の深さは、第1の実施形態の場合よりも浅い。
形成される炭素領域19の深さが浅いため、炭素領域19の深さは、アノード領域20の深さより浅く、炭素領域19の深さは、キャリア拡散領域22の深さより浅くなる(図15)。
熱処理後は、炭化珪素層10の表面のアノード領域20の横方向の拡散が抑制される(図16)。炭素領域19と重なっている炭化珪素層10の表面のアノード領域20の横方向の拡散のみが抑制される。
以上、第1の実施形態及び変形例の半導体装置の製造方法によれば、炭素のイオン注入により、不純物の熱処理による拡散を抑制できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の半導体装置の製造方法は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を製造する点で、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
図17は、第2の実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図である。第2の実施形態の半導体装置は、MOSFET200である。
MOSFET200は、炭化珪素層10、ゲート絶縁層40、ゲート電極42、層間絶縁膜44、ソース電極46、ドレイン電極48を備える。
炭化珪素層10は、n型のドレイン領域50、n-型のドリフト領域52、p型のウェル領域54、n型のソース領域56、p型のウェルコンタクト領域58を備える。
炭化珪素層10は、例えば、4H-SiCの単結晶である。炭化珪素層10は、ソース電極46とドレイン電極48との間に位置する。
炭化珪素層10は、単結晶のSiCである。炭化珪素層10は、例えば、4H-SiCである。
型のドレイン領域50は、炭化珪素層10の裏面側に設けられる。ドレイン領域50は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。ドレイン領域50のn型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1020cm-3以下である。
-型のドリフト領域52は、ドレイン領域50の上に設けられる。ドリフト領域52は、MOSFET200のオン電流の経路として機能する。
ドリフト領域52は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。ドリフト領域52のn型不純物濃度は、例えば、1×1015cm-3以上1×1016cm-3以下である。
ドリフト領域52の厚さは、例えば、5μm以上100μm以下である。
p型のウェル領域54は、ドリフト領域52の上に設けられる。ウェル領域54は、ドリフト領域52とゲート絶縁層40との間に位置する。ウェル領域54は、MOSFET200のチャネル領域として機能する。
ウェル領域54は、例えば、アルミニウム(Al)をp型不純物として含む。ウェル領域54のp型不純物濃度は、例えば、1×1016cm-3以上1×1020cm-3以下である。
型のソース領域56は、ウェル領域54の上に設けられる。ソース領域56は、例えば、リン(P)をn型不純物として含む。ソース領域56のn型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1022cm-3cm以下である。
型のウェルコンタクト領域58は、ウェル領域54の上に設けられる。ウェルコンタクト領域58は、ソース領域56の側方に設けられる。
ウェルコンタクト領域58は、例えば、アルミニウムをp型不純物として含む。ウェルコンタクト領域58のp型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1022cm-3以下である。
ゲート絶縁層40は、炭化珪素層10とゲート電極42との間に設けられる。ゲート絶縁層40は、例えば、酸化シリコンを含む。
ゲート電極42は、ゲート絶縁層40の上に設けられる。ゲート電極42は、例えば、n型不純物又はp型不純物を含む多結晶シリコンである。
層間絶縁膜44は、ゲート電極42上に形成される。層間絶縁膜44は、ゲート電極42とソース電極46との間に位置する。層間絶縁膜44は、例えば、酸化シリコン膜である。
ソース電極46は、炭化珪素層10の表面側に設けられる。ソース電極46は、ソース領域56及びウェルコンタクト領域58に電気的に接続される。ソース電極46は、例えば、ソース領域56及びウェルコンタクト領域58に接する。
ドレイン電極48は、炭化珪素層10のソース電極46と反対側、すなわち、裏面側に設けられる。ドレイン電極48は、ドレイン領域50に電気的に接続される。ドレイン電極48は、例えば、ドレイン領域50に接する。
次に、第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
図18、図19、図20、図21、図22、図23、図24、図25、図26、図27は、第2の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図である。図18~図27は、製造途中の断面図である。
最初に、炭化珪素層10を準備する(図18)。炭化珪素層10は、n型のドレイン領域50とn-型のドリフト領域52を備える。ドリフト領域52は、例えば、ドレイン領域50の上にエピタキシャル成長法により形成される。
次に、炭化珪素層10の表面に第1の開口部31aを有する第1のマスク材31を形成する(図19)。第1のマスク材31は、例えば、絶縁体である。第1のマスク材31は、例えば、酸化シリコンである。
第1のマスク材31は、例えば、絶縁膜の堆積と、フォトリソグラフィー及びエッチングによる絶縁膜のパターニングにより形成する。
次に、第1のマスク材31をイオン注入マスクとして用いて、炭素(C)を炭化珪素層10に注入する第1のイオン注入を行う(図20)。第1のイオン注入により炭素領域19が形成される。
第1のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第1のイオン注入は、例えば、炭化珪素層10の温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、炭化珪素層10の表面に第2の開口部32aを有する第2のマスク材32を形成する(図21)。第2のマスク材32は、例えば、絶縁体である。第2のマスク材32は、例えば、酸化シリコンである。
第2の開口部32aの第1の方向の両端部(図21中のE1)は、炭素領域19の第1の方向の両端部(図21中のE2)より内側に位置する。第2の開口部32aの第1の方向の幅は、炭素領域19の第1の方向の幅よりも小さい。第1の方向は、炭化珪素層10の表面に平行な方向である。
第2のマスク材32の形成は、図21に示すように、第1のマスク材31の第1の開口部31aの側壁に側壁材を形成することにより行う。側壁材は、例えば、側壁材となる絶縁膜の堆積と、異方性エッチングにより形成できる。
次に、第1のマスク材31及び第2のマスク材32をイオン注入マスクとして用いて、アルミニウム(Al)を炭化珪素層10に注入する第2のイオン注入を行う(図22)。第2のイオン注入によりウェル領域54が形成される。第2のイオン注入で注入されるアルミニウム(Al)は第1の不純物の一例である。ウェル領域54は第1の不純物領域の一例である。
第2のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第2のイオン注入は、例えば、炭化珪素層10の温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、炭化珪素層10の表面に第3の開口部33aを有する第3のマスク材33を形成する(図23)。第3のマスク材33は、例えば、絶縁体である。第3のマスク材33は、例えば、酸化シリコンである。
第3のマスク材33の形成は、図23に示すように、第2のマスク材32の第2の開口部32aの側壁に側壁材を形成することにより行う。側壁材は、例えば、側壁材となる絶縁膜の堆積と、異方性エッチングにより形成できる。
次に、第1のマスク材31、第2のマスク材32、及び第3のマスク材33をイオン注入マスクとして用いて、リン(P)を炭化珪素層10に注入する第3のイオン注入を行う(図24)。第3のイオン注入によりソース領域56が形成される。第3のイオン注入で注入されるリン(P)は第1の不純物の一例である。ソース領域56は第1の不純物領域の一例である。
第3のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第3のイオン注入は、例えば、炭化珪素層10の温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、炭化珪素層10の表面に第4の開口部34aを有する第4のマスク材34を形成する(図25)。第4のマスク材34は、例えば、絶縁体である。第4のマスク材34は、例えば、酸化シリコンである。
第4のマスク材34の形成は、図25に示すように、第3のマスク材33の第3の開口部33aの側壁に側壁材を形成することにより行う。側壁材は、例えば、側壁材となる絶縁膜の堆積と、異方性エッチングにより形成できる。
次に、第1のマスク材31、第2のマスク材32、第3のマスク材33、及び第4のマスク材34をイオン注入マスクとして用いて、アルミニウムを炭化珪素層10に注入する第4のイオン注入を行う(図26)。第4のイオン注入によりウェルコンタクト領域58が形成される。第4のイオン注入で注入されるアルミニウムは第1の不純物の一例である。ウェルコンタクト領域58は第1の不純物領域の一例である。
第4のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第4のイオン注入は、例えば、炭化珪素層10の温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、第1のマスク材31、第2のマスク材32、第3のマスク材33、及び第4のマスク材34を除去する。
次に、炭化珪素層10の表面に炭素膜30を形成する(図27)。
次に、熱処理を行う。熱処理は、例えば、1600℃以上2000℃以下で行う。熱処理は、非酸化性雰囲気で行う。熱処理は、例えば、不活性ガス雰囲気で行う。熱処理は、例えば、アルゴンガス雰囲気で行う。
熱処理により、炭化珪素層10の中にイオン注入されたアルミニウム及びリンが活性化される。熱処理は、アルミニウム及びリンの活性化アニールである。また、熱処理により、炭化珪素層10への炭素イオン注入により形成された格子間炭素が、炭化珪素層10の中の炭素空孔を埋める。
次に、炭素膜30を除去する。その後、公知のプロセス技術を用いて、炭化珪素層10の表面に、ゲート絶縁層40、ゲート電極42、層間絶縁膜44、ソース電極46を形成する。また、炭化珪素層10の裏面にドレイン電極48を形成する。
以上の製造方法により、図17に示すMOSFET200が製造される。
第2の実施形態の半導体装置の製造方法は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と同様、不純物がイオン注入される範囲よりも広い範囲に炭素(C)をイオン注入により導入する。上記方法により、炭化珪素層中の炭素空孔密度が低減し、炭化珪素中にイオン注入した不純物の熱処理による拡散が抑制できる。
例えば、MOSFET200では、ソース領域56のn型不純物の横方向(第1の方向)の拡散が大きくなると、MOSFET200のチャネル長(図17のL)が短くなり、MOSFET200の閾値電圧が低下する。このため、MOSFET200の微細化が困難となる。
第2の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、ソース領域56のn型不純物の横方向(第1の方向)の拡散が抑制される。したがって、MOSFET200のチャネル長Lが短くなることを抑制できる。よって、MOSFET200の微細化が実現できる。
また、MOSFET200では、ウェル領域54のp型不純物の横方向(第1の方向)の拡散が大きくなると、MOSFET200のチャネル長Lのばらつきが大きくなる。チャネル長Lのばらつきが大きくなるとMOSFET200の閾値電圧のばらつきが大きくなる。
第2の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、ウェル領域54のp型不純物の横方向(第1の方向)の拡散が抑制される。したがって、MOSFET200のチャネル長Lのばらつきを抑制できる。よって、MOSFET200の閾値電圧のばらつきが抑制される。
(変形例)
図28は、第2の実施形態の変形例の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図である。
第2の実施形態の変形例の半導体装置は、MOSFET201である。MOSFET201は、ショットキーバリアダイオード(SBD)を内蔵する点で、第2の実施形態のMOSFET200と異なる。また、MOSFET201は、炭化珪素層10がn型のキャリア拡散領域60を含む点で、第2の実施形態のMOSFET200と異なる。
MOSFET201のソース電極46は、第1の部分46aを含む。第1の部分46aは、ドリフト領域52に接する。第1の部分46aとドリフト領域52との間はショットキー接触である。
ソース電極46の第1の部分46a、ドリフト領域52、ドレイン領域50、及びドレイン電極48が、MOSFET201に内蔵されるSBDを構成する。また、ソース電極46、ウェルコンタクト領域58、ウェル領域54、ドリフト領域52、ドレイン領域50、及びドレイン電極48がMOSFET201に内蔵されるpn接合ダイオードを構成する。
例えば、MOSFET201が、誘導性負荷に接続されたスイッチング素子として用いられる場合を考える。MOSFET201のオフ時に、誘導性負荷に起因する誘導電流により、ソース電極46にドレイン電極48に対し正となる電圧が印加される場合がある。この場合、内蔵ダイオードに順方向電流が流れる。この状態は、逆導通状態とも称される。
仮にMOSFET201がSBDを備えない場合、pn接合ダイオードに順方向電流が流れる。pn接合ダイオードはバイポーラ動作をする。バイポーラ動作するpn接合ダイオードを用いて還流電流を流すと、キャリアの再結合エネルギーにより炭化珪素層中に積層欠陥が成長する。炭化珪素層中に積層欠陥が成長すると、MOSFET201のオン抵抗が増大するという問題が生ずる。MOSFET201のオン抵抗の増大は、MOSFET201の信頼性の低下を招く。
MOSFET201は、SBDを備える。SBDに順方向電流が流れ始める順方向電圧(Vf)は、pn接合ダイオードの順方向電圧(Vf)よりも低い。したがって、pn接合ダイオードに先立ち、SBDに順方向電流が流れる。
SBDはユニポーラ動作をする。このため、順方向電流が流れても、キャリアの再結合エネルギーにより炭化珪素層10中に積層欠陥が成長することはない。したがって、MOSFET201のオン抵抗の増大が抑制される。よって、MOSFET201の信頼性が向上する。
MOSFET201の炭化珪素層10は、n型のキャリア拡散領域60を含む。キャリア拡散領域60は、ドリフト領域52とウェル領域54との間に設けられる。キャリア拡散領域60は、ウェル領域54の底部に設けられる。
キャリア拡散領域60は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。キャリア拡散領域60のn型不純物濃度は、例えば、5×1016cm-3以上1×1018cm-3以下である。
キャリア拡散領域60がウェル領域54の底部に設けることにより、ウェル領域54の底部でキャリアが横方向に拡散される。ウェル領域54の底部でキャリアが横方向に拡散されることで、MOSFET201が逆導通状態になった時に、内蔵されるpn接合ダイオードがオン動作しにくくなる。これは、ウェル領域54の底部でキャリアが横方向に拡散されることで、内蔵されるpn接合ダイオードの間に印加される電圧が低減され、pn接合ダイオードの順方向電圧(Vf)を超えにくくなるためである。MOSFET201に内蔵されるpn接合ダイオードのオン動作が抑制されることで、MOSFETのオン抵抗の増大が抑制される。
第2の実施形態の変形例の半導体装置の製造方法は、第1のマスク材31及び第2のマスク材32をイオン注入マスクとして用いて、アルミニウム(Al)を炭化珪素層10に注入する第2のイオン注入を行った後に、第1のマスク材31及び第2のマスク材32をイオン注入マスクとして用いて、窒素(N)を炭化珪素層10に注入する点で、第2の実施形態の半導体装置の製造方法と異なる。
図29は、第2の実施形態の変形例の半導体装置の製造方法の説明図である。図29は、製造途中の断面図である。第1のマスク材31及び第2のマスク材32をイオン注入マスクとして用いて、アルミニウム(Al)を炭化珪素層10に注入する第2のイオン注入を行った後(第2の実施形態の図22の後)に、第1のマスク材31及び第2のマスク材32をイオン注入マスクとして用いて、窒素(N)を炭化珪素層10に注入する(図29)。窒素(N)のイオン注入により、キャリア拡散領域60が形成される。
窒素のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。窒素のイオン注入は、例えば、炭化珪素層10の温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
その後、第2の実施形態と同様、炭化珪素層10の表面に第3の開口部33aを有する第3のマスク材33を形成する(第2の実施形態の図23)。その後の工程は、例えば、ゲート電極42のパターンを変更する以外は、第2の実施形態と同様である。
第2の実施形態の変形例の半導体装置の製造方法は、不純物が拡散する熱処理の前に、不純物の縦方向の拡散が予定される領域に炭素領域19が形成されている。したがって、不純物の縦方向の拡散が効果的に抑制される。具体的には、キャリア拡散領域60を形成する窒素(N)の縦方向の拡散が効果的に抑制される。
このため、キャリア拡散領域60の深さが浅くなり、キャリア拡散領域60の電気抵抗が小さくなる。このため、内蔵されるSBDダイオードに順方向電流が流れる場合、ウェル領域54の底部でキャリアの横方向の拡散が促進される。したがって、MOSFET201に内蔵されるpn接合ダイオードのオン動作が更に抑制され、MOSFET201のオン抵抗の増大が抑制される。
以上、第2の実施形態及び変形例の半導体装置の製造方法によれば、炭素のイオン注入により、不純物の熱処理による拡散を抑制できる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の半導体装置の製造方法は、ゲート電極がトレンチ内に設けられたトレンチゲート構造を有するMOSFETを製造する点で、第2の実施形態の半導体装置の製造方法と異なる。以下、第1の実施形態又は第2の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
図30は、第3の実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図である。第3の実施形態の半導体装置は、MOSFET300である。MOSFET300は、ゲート電極がトレンチ内に設けられたトレンチゲート構造を有する。
MOSFET300は、炭化珪素層10、ゲート絶縁層40、ゲート電極42、層間絶縁膜44、ソース電極46、ドレイン電極48を備える。
炭化珪素層10は、トレンチ11、n型のドレイン領域50、n-型のドリフト領域52、p型のウェル領域54、n型のソース領域56、p型のウェルコンタクト領域58を備える。
炭化珪素層10は、例えば、4H-SiCの単結晶である。炭化珪素層10は、ソース電極46とドレイン電極48との間に位置する。
炭化珪素層10は、単結晶のSiCである。炭化珪素層10は、例えば、4H-SiCである。
トレンチ11は、炭化珪素層10のソース電極46側に設けられる。トレンチ11は、炭化珪素層10の表面に設けられた溝である。
型のドレイン領域50は、炭化珪素層10の裏面側に設けられる。ドレイン領域50は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。ドレイン領域50のn型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1020cm-3以下である。
-型のドリフト領域52は、ドレイン領域50の上に設けられる。ドリフト領域52は、MOSFET300のオン電流の経路として機能する。
ドリフト領域52は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。ドリフト領域52のn型不純物濃度は、例えば、1×1015cm-3以上1×1016cm-3以下である。
ドリフト領域52の厚さは、例えば、5μm以上100μm以下である。
p型のウェル領域54は、ドリフト領域52の上に設けられる。ウェル領域54は、トレンチ11の側面に接する。トレンチ11の側面のウェル領域54は、MOSFET300のチャネル領域として機能する。
ウェル領域54は、例えば、アルミニウム(Al)をp型不純物として含む。ウェル領域54のp型不純物濃度は、例えば、1×1016cm-3以上1×1020cm-3以下である。
型のソース領域56は、ウェル領域54の上に設けられる。ソース領域56は、トレンチ11の側面に接する。ソース領域56は、例えば、リン(P)をn型不純物として含む。ソース領域56のn型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1022cm-3cm以下である。
型のウェルコンタクト領域58は、ウェル領域54の上に設けられる。ウェルコンタクト領域58は、ソース領域56の側方に設けられる。ウェルコンタクト領域58は、2つのソース領域56の間に挟まれる。
ウェルコンタクト領域58は、例えば、アルミニウムをp型不純物として含む。ウェルコンタクト領域58のp型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1022cm-3以下である。
ゲート絶縁層40は、炭化珪素層10とゲート電極42との間に設けられる。ゲート絶縁層40は、トレンチ11の中に設けられる。ゲート絶縁層40は、例えば、酸化シリコンを含む。
ゲート電極42は、ゲート絶縁層40の上に設けられる。ゲート電極42は、トレンチ11の中に設けられる。ゲート電極42は、例えば、n型不純物又はp型不純物を含む多結晶シリコンである。
層間絶縁膜44は、ゲート電極42上に形成される。層間絶縁膜44は、ゲート電極42とソース電極46との間に位置する。層間絶縁膜44は、例えば、酸化シリコン膜である。
ソース電極46は、炭化珪素層10の表面側に設けられる。ソース電極46は、ソース領域56及びウェルコンタクト領域58に電気的に接続される。ソース電極46は、例えば、ソース領域56及びウェルコンタクト領域58に接する。
ドレイン電極48は、炭化珪素層10のソース電極46と反対側、すなわち、裏面側に設けられる。ドレイン電極48は、ドレイン領域50に電気的に接続される。ドレイン電極48は、例えば、ドレイン領域50に接する。
次に、第3の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
図31、図32、図33、図34、図35、図36、図37、図38、及び図39は、第3の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図である。図31~図39は、製造途中の断面図である。
最初に、炭化珪素層10を準備する(図31)。炭化珪素層10は、n型のドレイン領域50とn-型のドリフト領域52を備える。ドリフト領域52は、例えば、ドレイン領域50の上にエピタキシャル成長法により形成される。
次に、炭化珪素層10にウェル領域54及びウェルコンタクト領域58を形成する(図32)。ウェル領域54及びウェルコンタクト領域58は、炭化珪素層10の表面からアルミニウム(Al)をイオン注入することにより形成する。アルミニウム(Al)のイオン注入は、例えば、図示しないマスク材をマスクとして行われる。
次に、炭化珪素層10の表面に第1の開口部31aを有する第1のマスク材31を形成する(図33)。第1のマスク材31は、例えば、絶縁体である。第1のマスク材31は、例えば、酸化シリコンである。
第1のマスク材31は、例えば、絶縁膜の堆積と、フォトリソグラフィー及びエッチングによる絶縁膜のパターニングにより形成する。
次に、第1のマスク材31をイオン注入マスクとして用いて、炭素(C)を炭化珪素層10に注入する第1のイオン注入を行う(図34)。第1のイオン注入により炭素領域19が形成される。炭素領域19は、第1の炭素領域の一例である。
第1のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第1のイオン注入は、例えば、炭化珪素層10の温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、炭化珪素層10の表面に第2の開口部32aを有する第2のマスク材32を形成する(図35)。第2のマスク材32は、例えば、絶縁体である。第2のマスク材32は、例えば、酸化シリコンである。
第2の開口部32aの第1の方向の両端部(図35中のE1)は、炭素領域19の第1の方向の両端部(図35中のE2)より内側に位置する。第2の開口部32aの第1の方向の幅は、炭素領域19の第1の方向の幅よりも小さい。第1の方向は、炭化珪素層10の表面に平行な方向である。
第2のマスク材32の形成は、図35に示すように、第1のマスク材31の第1の開口部31aの側壁に側壁材を形成することにより行う。側壁材は、例えば、側壁材となる絶縁膜の堆積と、異方性エッチングにより形成できる。第1のマスク材31の第1の開口部31aの側壁に形成される側壁材は、第1の側壁材の一例である。
次に、第1のマスク材31及び第2のマスク材32をイオン注入マスクとして用いて、リン(P)を炭化珪素層10に注入する第2のイオン注入を行う(図36)。第2のイオン注入によりソース領域56が形成される。第2のイオン注入で注入されるリン(P)は第1の不純物の一例である。ソース領域56は第1の不純物領域の一例である。
第2のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第2のイオン注入は、例えば、炭化珪素層10の温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、炭化珪素層10の表面に第3の開口部33aを有する第3のマスク材33を形成する(図37)。第3のマスク材33は、例えば、絶縁体である。第3のマスク材33は、例えば、酸化シリコンである。
第3のマスク材33の形成は、図37に示すように、第2のマスク材32の第2の開口部32aの側壁に側壁材を形成することにより行う。側壁材は、例えば、側壁材となる絶縁膜の堆積と、異方性エッチングにより形成できる。第2のマスク材32の第2の開口部32aの側壁に形成される側壁材は、第2の側壁材の一例である。
次に、第1のマスク材31、第2のマスク材32、及び第3のマスク材33をエッチングマスクとして用いて、炭化珪素層10にトレンチ11を形成する(図38)。トレンチ11は、例えば、反応性イオンエッチング法を用いて行う。
次に、第1のマスク材31、第2のマスク材32、及び第3のマスク材33を除去する(図39)。
次に、炭化珪素層10の表面に図示しない炭素膜を形成する。
次に、熱処理を行う。熱処理は、例えば、1600℃以上2000℃以下で行う。熱処理は、非酸化性雰囲気で行う。熱処理は、例えば、不活性ガス雰囲気で行う。熱処理は、例えば、アルゴンガス雰囲気で行う。
熱処理により、炭化珪素層10の中にイオン注入されたアルミニウム及びリンが活性化される。熱処理は、アルミニウム及びリンの活性化アニールである。また、熱処理により、炭化珪素層10への炭素イオン注入により形成された格子間炭素が、炭化珪素層10の中の炭素空孔を埋める。
次に、炭素膜を除去する。その後、公知のプロセス技術を用いて、炭化珪素層10の表面に、ゲート絶縁層40、ゲート電極42、層間絶縁膜44、ソース電極46を形成する。また、炭化珪素層10の裏面にドレイン電極48を形成する。
以上の製造方法により、図30に示すMOSFET300が製造される。
第3の実施形態の半導体装置の製造方法は、第1及び第2の実施形態の半導体装置の製造方法と同様、不純物がイオン注入される範囲よりも広い範囲に炭素(C)をイオン注入により導入する。上記方法により、炭化珪素層中の炭素空孔密度が低減し、炭化珪素中にイオン注入した不純物の熱処理による拡散が抑制できる。
例えば、MOSFET300では、ソース領域56のn型不純物の横方向(第1の方向)の拡散が大きくなると、隣り合うトレンチ11の間のウェルコンタクト領域58の第1の方向の幅、又は、隣り合うトレンチ11の間のウェル領域54の第1の方向の幅が小さくなる。隣り合うトレンチ11の間のウェルコンタクト領域58の第1の方向の幅、又は、隣り合うトレンチ11の間のウェル領域54の第1の方向の幅が小さくなると、例えば、MOSFET300のアバランシェ耐量が劣化する。また、ウェルコンタクト領域58の第1の方向の幅、又は、ウェル領域54の第1の方向の幅が小さくなると、例えば、ウェル領域54の電位が不安定になり、MOSFET300の動作が不安定になる。このため、MOSFET300の微細化が困難となる。
第3の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、ソース領域56のn型不純物の横方向(第1の方向)の拡散が抑制される。したがって、MOSFET300のウェルコンタクト領域58の第1の方向の幅、又は、ウェル領域54の第1の方向の幅が小さくなることを抑制できる。よって、MOSFET300の微細化が実現できる。
また、MOSFET300では、ソース領域56のn型不純物の縦方向の拡散が大きくなると、MOSFET300のチャネル長(図30中のL)が短くなる。チャネル長Lが短くなると、MOSFET300の閾値電圧が低下する。
第3の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、ソース領域56のn型不純物の縦方向の拡散が抑制される。したがって、MOSFET200のチャネル長Lが短くなることを抑制できる。よって、MOSFET300の閾値電圧の低下を抑制できる。
以上、第3の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、炭素のイオン注入により、不純物の熱処理による拡散を抑制できる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態の半導体装置の製造方法は、スーパージャンクション構造を有するMOSFETを製造する点で、第2の実施形態の半導体装置の製造方法と異なる。以下、第1の実施形態又は第2の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
図40は、第4の実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図である。第4の実施形態の半導体装置は、MOSFET400である。MOSFET400は、スーパージャンクション構造を有する。
MOSFET400は、炭化珪素層10、ゲート絶縁層40、ゲート電極42、層間絶縁膜44、ソース電極46、ドレイン電極48を備える。
炭化珪素層10は、n型のドレイン領域50、n-型のドリフト領域52、p型のピラー領域53、p型のウェル領域54、n型のソース領域56、p型のウェルコンタクト領域58を備える。p型のピラー領域53は、第1のp型領域53a、第2のp型領域53b、及び第3のp型領域53cを含む。
炭化珪素層10は、例えば、4H-SiCの単結晶である。炭化珪素層10は、ソース電極46とドレイン電極48との間に位置する。
炭化珪素層10は、単結晶のSiCである。炭化珪素層10は、例えば、4H-SiCである。
型のドレイン領域50は、炭化珪素層10の裏面側に設けられる。ドレイン領域50は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。ドレイン領域50のn型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1020cm-3以下である。
-型のドリフト領域52は、ドレイン領域50の上に設けられる。ドリフト領域52は、MOSFET300のオン電流の経路として機能する。
ドリフト領域52は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。ドリフト領域52のn型不純物濃度は、例えば、1×1015cm-3以上1×1016cm-3以下である。
ドリフト領域52の厚さは、例えば、5μm以上100μm以下である。
p型のピラー領域53は、ドレイン領域50とウェル領域54との間に設けられる。ピラー領域53は、第1の方向に繰り返し配置される。隣り合うピラー領域53の間にドリフト領域52が設けられる。
ピラー領域53は、第1の方向にドリフト領域52と交互に配置され、いわゆるスーパージャンクション構造を形成する。MOSFET400は、スーパージャンクション構造を有することで、耐圧が向上する。
ピラー領域53は、例えば、アルミニウム(Al)をp型不純物として含む。ピラー領域53のp型不純物濃度は、例えば、1×1016cm-3以上1×1020cm-3以下である。
p型のウェル領域54は、ドリフト領域52及びピラー領域53の上に設けられる。ウェル領域54は、ドリフト領域52とゲート絶縁層40との間に位置する。ウェル領域54は、MOSFET400のチャネル領域として機能する。
ウェル領域54は、例えば、アルミニウム(Al)をp型不純物として含む。ウェル領域54のp型不純物濃度は、例えば、1×1016cm-3以上1×1020cm-3以下である。
型のソース領域56は、ウェル領域54の上に設けられる。ソース領域56は、例えば、リン(P)をn型不純物として含む。ソース領域56のn型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1022cm-3cm以下である。
型のウェルコンタクト領域58は、ウェル領域54の上に設けられる。ウェルコンタクト領域58は、ソース領域56の側方に設けられる。
ウェルコンタクト領域58は、例えば、アルミニウムをp型不純物として含む。ウェルコンタクト領域58のp型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1022cm-3以下である。
ゲート絶縁層40は、炭化珪素層10とゲート電極42との間に設けられる。ゲート絶縁層40は、例えば、酸化シリコンを含む。
ゲート電極42は、ゲート絶縁層40の上に設けられる。ゲート電極42は、例えば、n型不純物又はp型不純物を含む多結晶シリコンである。
層間絶縁膜44は、ゲート電極42上に形成される。層間絶縁膜44は、ゲート電極42とソース電極46との間に位置する。層間絶縁膜44は、例えば、酸化シリコン膜である。
ソース電極46は、炭化珪素層10の表面側に設けられる。ソース電極46は、ソース領域56及びウェルコンタクト領域58に電気的に接続される。ソース電極46は、例えば、ソース領域56及びウェルコンタクト領域58に接する。
ドレイン電極48は、炭化珪素層10のソース電極46と反対側、すなわち、裏面側に設けられる。ドレイン電極48は、ドレイン領域50に電気的に接続される。ドレイン電極48は、例えば、ドレイン領域50に接する。
次に、第4の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
図41、図42、図43、図44、図45、図46、図47、図48、図49、図50、図51、図52、図53、図54、図55、図56、図57、図58、図59、及び図60は、第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図である。図41~図60は、製造途中の断面図である。
最初に、炭化珪素層10aを準備する(図41)。炭化珪素層10aは、n型のドレイン領域50とn-型のドリフト領域52aを備える。ドリフト領域52aは、例えば、ドレイン領域50の上にエピタキシャル成長法により形成される。
次に、炭化珪素層10aの表面に第1の開口部31aを有する第1のマスク材31を形成する(図42)。第1のマスク材31は、例えば、絶縁体である。第1のマスク材31は、例えば、酸化シリコンである。
次に、第1のマスク材31をイオン注入マスクとして用いて、炭素(C)を炭化珪素層10aに注入する第1のイオン注入を行う(図43)。第1のイオン注入により第1の炭素領域19aが形成される。
第1のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第1のイオン注入は、例えば、炭化珪素層10の温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、炭化珪素層10aの表面に第2の開口部32aを有する第2のマスク材32を形成する(図44)。第2のマスク材32は、例えば、絶縁体である。第2のマスク材32は、例えば、酸化シリコンである。
第2のマスク材32の形成は、図44に示すように、第1のマスク材31の第1の開口部31aの側壁に側壁材を形成することにより行う。側壁材は、例えば、側壁材となる絶縁膜の堆積と、異方性エッチングにより形成できる。第1のマスク材31の第1の開口部31aの側壁に形成される側壁材は、第1の側壁材の一例である。
側壁材が第2のマスク材32となる。側壁材により形成される開口部が第2の開口部32aとなる。第2の開口部32aの第1の方向の両端部(図44中のE1)は、第1の炭素領域19aの第1の方向の両端部(図44中のE2)より内側に位置する。
次に、第1のマスク材31及び第2のマスク材32をイオン注入マスクとして用いて、アルミニウムを炭化珪素層10aに注入する第2のイオン注入を行う(図45)。第2のイオン注入により第1のp型領域53aが形成される。第2のイオン注入で注入されるアルミニウムは、第1の不純物の一例である。第1のp型領域53aは、第1の不純物領域の一例である。
第2のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第2のイオン注入は、例えば、炭化珪素層10aの温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、第1のマスク材31及び第2のマスク材32を除去する。第1のマスク材31及び第2のマスク材32は、例えば、ウェットエッチングにより除去する。
次に、熱処理を行う(図46)。熱処理は、例えば、1600℃以上2000℃以下で行う。熱処理は、非酸化性雰囲気で行う。熱処理は、例えば、不活性ガス雰囲気で行う。熱処理は、例えば、アルゴンガス雰囲気で行う。
熱処理により、炭化珪素層10aの中にイオン注入されたアルミニウムが活性化される。熱処理は、アルミニウムの活性化アニールである。また、熱処理により、炭化珪素層10aへの炭素イオン注入により形成された格子間炭素が、炭化珪素層10aの中の炭素空孔を埋める。また、熱処理により、イオン注入により炭化珪素層10aに形成された欠陥が修復される。なお、熱処理の前に炭化珪素層10aの上に炭素層を形成することで、熱処理の際の炭化珪素層10aの表面荒れを抑制できる。炭素層は熱処理の後にアッシングにより除去する。
次に、炭化珪素層10aの上に、n型の第1の炭化珪素膜10bを形成する(図47)。第1の炭化珪素膜10bは、エピタキシャル成長法を用いて形成する。
次に、第1の炭化珪素膜10bの表面に第3の開口部33aを有する第3のマスク材33を形成する(図48)。第3のマスク材33は、例えば、絶縁体である。第3のマスク材33は、例えば、酸化シリコンである。
次に、第3のマスク材33をイオン注入マスクとして用いて、炭素(C)を第1の炭化珪素膜10bに注入する第3のイオン注入を行う(図49)。第3のイオン注入により第2の炭素領域19bが形成される。
第3のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第3のイオン注入は、例えば、第1の炭化珪素膜10bの温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、第1の炭化珪素膜10bの表面に第4の開口部34aを有する第4のマスク材34を形成する(図50)。第4のマスク材34は、例えば、絶縁体である。第4のマスク材34は、例えば、酸化シリコンである。
第4のマスク材34の形成は、図50に示すように、第3のマスク材33の第3の開口部33aの側壁に側壁材を形成することにより行う。側壁材は、例えば、側壁材となる絶縁膜の堆積と、異方性エッチングにより形成できる。第3のマスク材33の第3の開口部33aの側壁に形成される側壁材は、第2の側壁材の一例である。
側壁材が第4のマスク材34となる。側壁材により形成される開口部が第4の開口部34aとなる。第4の開口部34aの第1の方向の両端部(図50中のE1)は、第2の炭素領域19bの第1の方向の両端部(図50中のE2)より内側に位置する。
次に、第3のマスク材33及び第4のマスク材34をイオン注入マスクとして用いて、アルミニウムを第1の炭化珪素膜10bに注入する第4のイオン注入を行う(図51)。第4のイオン注入により第2のp型領域53bが形成される。第2のp型領域53bは、第1のp型領域53aに接する。第4のイオン注入により注入されるアルミニウムは、第2の不純物の一例である。第1の不純物と第2の不純物は同一導電形である。第2のp型領域53bは、第2の不純物領域の一例である。
第4のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第4のイオン注入は、例えば、第1の炭化珪素膜10bの温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、第3のマスク材33及び第4のマスク材34を除去する。第3のマスク材33及び第4のマスク材34は、例えば、ウェットエッチングにより除去する。
次に、熱処理を行う(図52)。熱処理は、例えば、1600℃以上2000℃以下で行う。熱処理は、非酸化性雰囲気で行う。熱処理は、例えば、不活性ガス雰囲気で行う。熱処理は、例えば、アルゴンガス雰囲気で行う。
熱処理により、第1の炭化珪素膜10bの中にイオン注入されたアルミニウムが活性化される。熱処理は、アルミニウムの活性化アニールである。また、熱処理により、第1の炭化珪素膜10bへの炭素イオン注入により形成された格子間炭素が、第1の炭化珪素膜10bの中の炭素空孔を埋める。また、熱処理により、イオン注入により第1の炭化珪素膜10bに形成された欠陥が修復される。なお、熱処理の前に第1の炭化珪素膜10bの上に炭素層を形成することで、熱処理の際の第1の炭化珪素膜10bの表面荒れを抑制できる。炭素層は熱処理の後にアッシングにより除去する。
次に、第1の炭化珪素膜10bの上に、n型の第2の炭化珪素膜10cを形成する(図53)。第2の炭化珪素膜10cは、エピタキシャル成長法を用いて形成する。
次に、第2の炭化珪素膜10cの表面に第5の開口部35aを有する第5のマスク材35を形成する(図54)。第5のマスク材35は、例えば、絶縁体である。第5のマスク材35は、例えば、酸化シリコンである。
次に、第5のマスク材35をイオン注入マスクとして用いて、炭素(C)を第2の炭化珪素膜10cに注入する第5のイオン注入を行う(図55)。第5のイオン注入により第3の炭素領域19cが形成される。
第5のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第5のイオン注入は、例えば、第2の炭化珪素膜10cの温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、第2の炭化珪素膜10cの表面に第6の開口部36aを有する第6のマスク材36を形成する(図56)。第6のマスク材36は、例えば、絶縁体である。第6のマスク材36は、例えば、酸化シリコンである。
第6のマスク材36の形成は、図56に示すように、第5のマスク材35の第5の開口部35aの側壁に側壁材を形成することにより行う。側壁材は、例えば、側壁材となる絶縁膜の堆積と、異方性エッチングにより形成できる。
側壁材が第6のマスク材36となる。側壁材により形成される開口部が第6の開口部36aとなる。第6の開口部36aの第1の方向の両端部(図56中のE1)は、第3の炭素領域19cの第1の方向の両端部(図56中のE2)より内側に位置する。
次に、第5のマスク材35及び第6のマスク材36をイオン注入マスクとして用いて、アルミニウムを第2の炭化珪素膜10cに注入する第6のイオン注入を行う(図57)。第6のイオン注入により第3のp型領域53cが形成される。第3のp型領域53cは、第2のp型領域53bに接する。
第6のイオン注入は、例えば、1000℃以上1300℃以下の温度で行う。第6のイオン注入は、例えば、第2の炭化珪素膜10cの温度が1000℃以上1300℃以下の状態で行う。
次に、第5のマスク材35及び第6のマスク材36を除去する。第5のマスク材35及び第6のマスク材36は、例えば、ウェットエッチングにより除去する。
次に、熱処理を行う(図58)。熱処理は、例えば、1600℃以上2000℃以下で行う。熱処理は、非酸化性雰囲気で行う。熱処理は、例えば、不活性ガス雰囲気で行う。熱処理は、例えば、アルゴンガス雰囲気で行う。
熱処理により、第2の炭化珪素膜10cの中にイオン注入されたアルミニウムが活性化される。熱処理は、アルミニウムの活性化アニールである。また、熱処理により、第2の炭化珪素膜10cへの炭素イオン注入により形成された格子間炭素が、第2の炭化珪素膜10cの中の炭素空孔を埋める。また、熱処理により、イオン注入により第2の炭化珪素膜10cに形成された欠陥が修復される。なお、熱処理の前に第2の炭化珪素膜10cの上に炭素層を形成することで、熱処理の際の第2の炭化珪素膜10cの表面荒れを抑制できる。炭素層は熱処理の後にアッシングにより除去する。
次に、第2の炭化珪素膜10cの上に、n型の第3の炭化珪素膜10dを形成する(図59)。第3の炭化珪素膜10dは、エピタキシャル成長法を用いて形成する。
次に、例えば、第2の実施形態の製造方法と同様の製造方法を用いて、p型のウェル領域54、n型のソース領域56、p型のウェルコンタクト領域58を第3の炭化珪素膜10dに形成する。
その後、公知のプロセス技術を用いて、炭化珪素層10の表面に、ゲート絶縁層40、ゲート電極42、層間絶縁膜44、ソース電極46を形成する。また、炭化珪素層10の裏面にドレイン電極48を形成する。
以上の製造方法により、図40に示すMOSFET400が製造される。
第4の実施形態の半導体装置の製造方法は、第1ないし第3の実施形態の半導体装置の製造方法と同様、不純物がイオン注入される範囲よりも広い範囲に炭素(C)をイオン注入により導入する。上記方法により、炭化珪素層中の炭素空孔密度が低減し、炭化珪素中にイオン注入した不純物の熱処理による拡散が抑制できる。
例えば、MOSFET400では、ピラー領域53のp型不純物の横方向(第1の方向)の拡散が大きくなると、隣り合うピラー領域53との間のドリフト領域52の第1の方向の幅が小さくなる。ドリフト領域52の第1の方向の幅が小さくなるとMOSFET400のオン抵抗が増加する。このため、MOSFET400の微細化が困難となる。
第4の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、ピラー領域53のp型不純物の横方向(第1の方向)の拡散が抑制される。したがって、MOSFET400のドリフト領域52の第1の方向の幅が小さくなることを抑制できる。よって、MOSFET400の微細化が実現できる。
以上、第4の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、炭素のイオン注入により、不純物の熱処理による拡散を抑制できる。
なお、第1ないし第4の実施形態において、n型不純物は、例えば、窒素やリンである。n型不純物としてヒ素(As)又はアンチモン(Sb)を適用することも可能である。
また、第1ないし第4の実施形態において、p型不純物は、例えば、アルミニウムである。p型不純物として、ボロン(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)を適用することも可能である。
以上、第1ないし第4の実施形態では、炭化珪素の結晶構造として4H-SiCの場合を例に説明したが、本発明は6H-SiC、3C-SiCなど、その他の結晶構造の炭化珪素に適用することも可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 炭化珪素層
10b 第1の炭化珪素膜
10c 第2の炭化珪素膜
11 トレンチ
19 炭素領域(第1の炭素領域)
19a 第1の炭素領域
19b 第2の炭素領域
20 アノード領域(第1の不純物領域)
22 キャリア拡散領域(第1の不純物領域)
31 第1のマスク材
31a 第1の開口部
32 第2のマスク材
32a 第2の開口部
33 第3のマスク材
33a 第3の開口部
34 第4のマスク材
34a 第4の開口部
54 ウェル領域(第1の不純物領域)
53a 第1のp型領域(第1の不純物領域)
53b 第2のp型領域(第2の不純物領域)
56 ソース領域(第1の不純物領域)
58 ウェルコンタクト領域(第1の不純物領域)
100 MPSダイオード(半導体装置)
200 MOSFET(半導体装置)
300 MOSFET(半導体装置)
400 MOSFET(半導体装置)

Claims (15)

  1. 炭化珪素層の表面に第1の開口部を有する第1のマスク材を形成し、
    前記第1のマスク材をマスクに炭素(C)を前記炭化珪素層に注入して第1の炭素領域を形成する第1のイオン注入を行い、
    前記炭化珪素層の前記表面に、前記表面に平行な第1の方向の両端部が、前記第1の炭素領域の前記第1の方向の両端部より内側に位置する第2の開口部を有する第2のマスク材を形成し、
    前記第2のマスク材をマスクに第1の不純物を前記炭化珪素層に注入して第1の不純物領域を形成する第2のイオン注入を行い、
    1600℃以上の熱処理を行う、半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1の炭素領域の深さは、前記第1の不純物領域の深さより深い、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1のイオン注入は1000℃以上の温度で行う、請求項1又は請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第2のイオン注入は1000℃以上の温度で行う、請求項1又は請求項2いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1のイオン注入で注入される前記炭素の前記炭化珪素層の中の最大濃度は、前記第2のイオン注入で注入される前記第1の不純物の前記炭化珪素層の中の最大濃度よりも高い、請求項1又は請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記第1のイオン注入で注入される前記炭素のドーズ量は、前記第2のイオン注入で注入される前記第1の不純物のドーズ量の10倍以上である、請求項1又は請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記第1のイオン注入で注入される前記炭素の前記炭化珪素層の表面の濃度は、1×1015cm-3以上である、請求項1又は請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記熱処理の温度は1850℃以上である、請求項1又は請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第2のマスク材の形成は、前記第1の開口部の側壁に第1の側壁材を形成することにより行う請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記第2のイオン注入の前に、前記第2のマスク材をマスクに炭素をイオン注入する第3のイオン注入を行う、請求項1又は請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記第1の不純物は、アルミニウム(Al)、窒素(N)、又はリン(P)である、請求項1又は請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記第2のイオン注入の後に、前記第2の開口部の側壁に第2の側壁材を形成することにより第3の開口部を有する第3のマスク材を形成し、
    前記第3のマスク材をマスクに、前記炭化珪素層にトレンチを形成する、請求項9記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記第1の不純物は、窒素(N)又はリン(P)である、請求項12記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記第2のイオン注入の後に、前記第2のマスク材を除去し、
    前記炭化珪素層の上にエピタキシャル成長法を用いて第1の炭化珪素膜を形成し、
    前記第1の炭化珪素膜の上に第3の開口部を有する第3のマスク材を形成し、
    前記第3のマスク材をマスクに、炭素(C)を前記第1の炭化珪素膜に注入して第2の炭素領域を形成する第3のイオン注入を行い、
    前記第3のイオン注入の後に、前記第3の開口部の側壁に第2の側壁材を形成することにより第4の開口部を有する第4のマスク材を形成し、
    前記第4のマスク材をマスクに、前記第1の不純物と同一導電形の第2の不純物を前記第1の炭化珪素膜に注入して前記第1の不純物領域に接する第2の不純物領域を形成する第4のイオン注入を行い、
    前記炭化珪素層の上にエピタキシャル成長法を用いて第2の炭化珪素膜を形成する、請求項9記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記第1の不純物及び前記第2の不純物は、アルミニウム(Al)である請求項14記載の半導体装置の製造方法。
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