JP5026373B2 - 気相成長装置及び気相成長方法 - Google Patents

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本発明は、反応炉内の被処理基板を載置するための基板保持部材に対向して配置されて被処理基板に向かってガスを供給するために設けられたシャワープレートを備えた気相成長装置及び気相成長方法に関する。
従来から、発光ダイオードおよび半導体レーザの製造においては、トリメチルガリウム(TMG)またはトリメチルアルミニウム(TMA)などの有機金属ガスと、アンモニア(NH)、ホスフィン(PH)またはアルシン(AsH)などの水素化合物ガスと、を成膜に寄与する原料ガスとして成長室に導入して化合物半導体結晶を成長させるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法及びMOCVD装置が用いられている。
MOCVD法は、上記の原料ガスを不活性ガスとともに成長室内に導入して加熱し、所定の被処理基板上で気相反応させることにより、その被処理基板上に化合物半導体結晶を成長させる方法である。MOCVD法を用いた化合物半導体結晶の製造においては、成長する化合物半導体結晶の品質を向上させながら、コストを抑えて、歩留まりと生産能力とをどのように最大限確保するかということが常に高く要求されている。
図14に、MOCVD法に用いられる従来の縦型シャワーヘッド型MOCVD装置の一例の模式的な構成を示す。このMOCVD装置においては、ガス供給源92から、反応炉91の内部の成長室に反応ガスおよび不活性ガスを導入するためのガス配管93が接続されており、反応炉91の内部の成長室81の上部には成長室に反応ガスおよび不活性ガスを導入するための複数のガス吐出孔を有するシャワープレート90がガス導入部として設置されている。また、反応炉91の成長室81の下部中央にはアクチュエータ(図示せず)によって回転自在の回転軸82が設置され、回転軸82の先端にはシャワープレート90と対向するようにしてサセプタ98が取り付けられており、サセプタ98の下部にはサセプタ98を加熱するためのヒータ99が取り付けられている。また、反応炉91の下部には反応炉91の内部の成長室81内のガスを外部に排気するためのガス排気部94が設置されており、ガス排気部94は、パージライン95を介して、排気されたガスを無害化するための排ガス処理装置96に接続されている。
上記のような構成の縦型シャワーヘッド型MOCVD装置において、化合物半導体結晶の成長の際には、サセプタ98に基板97が設置され、その後、回転軸82の回転によりサセプタ98が回転させられる。そして、ヒータ99の加熱によりサセプタ98を介して基板97が所定の温度に加熱され、シャワープレート90に形成されている複数のガス吐出孔から反応炉91の内部の成長室81に反応ガスおよび不活性ガスが導入される。
複数の反応ガスを供給して被処理基板上で反応せしめ、薄膜を形成する方法として、従来はシャワーヘッドの中で複数のガスを混合し、シャワープレートに多数設けられているガス吐出口から被処理基板に反応ガスを吹き出させる方法がとられていた。しかし、上記方法によると、反応炉91において、シャワープレート90から流れるガスは、サセプタ98の径方向に向かって排気されるため、サセプタ98の中央では、材料ガスの供給が追いつかず、材料ガスが不足したり、ガスの反応前に径方向に流れてしまったり、中央部分で成膜レートが落ちる傾向が生じる。
この問題を解決するため特許文献1では、複数のガス流路が同軸に形成されたノズルから、反応炉へガスを導入することにより、ノズルの目詰まりを防ぎつつ、基板上面で効率よく混合させ、材料効率を向上させる方法が示されている。
また、特許文献2では、シャワーヘッドのノズルにおいて、周辺部よりも中央部のノズルの分布密度を大きくすることにより、中央部で反応が不十分になることを避け、膜質の向上させる方法が示されている。
特開2000−144432号公報(平成12年5月26日公開) 特開平8−035067号公報(平成8年2月6日公開)
化合物半導体結晶の成膜において、品質の向上のためには、膜厚分布や膜質において高い均一性が要求される。また、コストを抑えるには材料効率と、歩留まり、生産性の向上も必要となる。しかしながら、特許文献1に開示された方法によると、シャワーヘッドでガスが噴出する範囲において中央部分では反応が不十分となり、膜質や成膜レートが低下し、成膜基板の品質や歩留まり、生産性が落ちる恐れがある。
また、特許文献2に開示された方法によると、中央部と周辺部とでノズル数、あるいはノズル径の異なるシャワーヘッド用いているが、いずれの場合もノズル以外の部分が小さくなる。このため、ノズル間で連通しないように高精度の加工の必要性からシャワープレートのコストが高くなる恐れがある。また、ノズル間に冷却層のあるシャワープレートでは、ノズル密度が高くなるとノズル以外の冷却層として使用できる空間が小さくなるため、冷却媒体も少なくなる。例えば水を冷却媒体とした場合、冷却層に流れる水量が少なくなるため、シャワープレートで冷却差が生じ、膜質や膜圧分布が不均一となる恐れがある。また、ノズル密度の高い部分に合わせてシャワープレートの冷却層の空間を均一に設けると、冷却層の空間が小さくなり、冷却効果が低下する。そのため、シャワープレート内で成長反応が起こり、材料効率や膜質が低下する恐れがある。
また、実際の装置では、求める成膜レートや膜質に応じて、成膜条件や成膜領域が変更されることも多い。その際、成膜条件や成膜領域に応じて、最適なノズルの分布密度も異なるが、特許文献2ではシャワーヘッドを交換しないと、ノズルの分布密度を変更するのは困難である。もし、シャワーヘッドを交換する場合、装置の基幹部分を交換するため、軸調整などの作業が複雑で手間がかかる、さらにシャワーヘッド自体も熱やガスなどに対する耐性を鑑みて、石英などコストの高い部材で作製されることが多く、何種類かのシャワーヘッドを取り揃えると、コストがかかるという問題がある。また、シャワーヘッドを交換しない場合は、成膜条件や成膜領域が限定されるため、成膜条件の最適化が困難となるという問題がある。
さらに、特許文献2の構成によると、混合室がないため異種類のガスの混合性が低いため、気相反応が均一に行われず、膜質や膜厚分布が不均一となる恐れがあるという問題がある。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、基板の成膜レート及び膜質の均一化が可能な気相成長装置及び気相成長方法を提供することにある。
本発明に係る気相成長装置は、反応炉内の被処理基板を載置する基板保持部材に対向して配置されて前記被処理基板に向かって第1ガスを供給する第1シャワープレートと、前記第1シャワープレートに対して前記基板保持部材の反対側に配置されて前記被処理基板に向かって第2ガスを供給する第2シャワープレートとを備えた気相成長装置であって、前記第1シャワープレートには、前記被処理基板に向かって前記第1ガスが流れるガス流路が形成されており、前記第2シャワープレートは、前記第2シャワープレートから突出して前記ガス流路の内部に挿入されて前記被処理基板に向かって前記第2ガスを流すガス導管を有しており、前記第1シャワープレートの中央と周縁とで、前記ガス流路と前記ガス導管とによって形成される空間の態様が互いに異なっていることを特徴とする。
この特徴によれば、前記ガス流路と前記ガス導管とによって形成される空間の態様を変えることにより、材料ガスの混合状態を第1シャワープレートの中央と周縁とで変えることができる。そのため、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中央部とで混合状態を変えることができ、基板の成膜レートや膜質の均一化が可能となる。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管の寸法が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっていることが好ましい。
上記構成によれば、ガス導管の寸法を変えることにより、材料ガスの混合状態を第1シャワープレートの中央と周縁とで変えることができる。そのため、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中央部とで混合状態を変えることができ、基板の成膜レートや膜質の均一化が可能となる。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管の長さが、前記中央と前記周縁とで互いに異なっていることが好ましい。
上記構成によれば、ガス導管の長さを変えることにより、材料ガスの混合状態を第1シャワープレートの中央と周縁とで変えることができる。そのため、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中央部とで混合状態を変えることができ、基板の成膜レートや膜質の均一化が可能となる。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管の外径が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっていることが好ましい。
上記構成によれば、ガス導管の外径を変えることにより、材料ガスの混合状態を第1シャワープレートの中央と周縁とで変えることができる。そのため、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中央部とで混合状態を変えることができ、基板の成膜レートや膜質の均一化が可能となる。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管の内径が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっていることが好ましい。
上記構成によれば、ガス導管の内径を変えることにより、材料ガスの混合状態を第1シャワープレートの中央と周縁とで変えることができる。そのため、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中央部とで混合状態を変えることができ、基板の成膜レートや膜質の均一化が可能となる。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管の先端から前記被処理基板までの距離が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっていることが好ましい。
上記構成によれば、前記ガス導管の先端から前記被処理基板までの距離を変えることにより、材料ガスの混合状態を第1シャワープレートの中央と周縁とで変えることができる。そのため、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中央部とで混合状態を変えることができ、基板の成膜レートや膜質の均一化が可能となる。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス流路の寸法が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっていることが好ましい。
上記構成によれば、ガス流路の寸法を変えることにより、材料ガスの混合状態を第1シャワープレートの中央と周縁とで変えることができる。そのため、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中央部とで混合状態を変えることができ、基板の成膜レートや膜質の均一化が可能となる。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス流路の長さが、前記中央と前記周縁とで互いに異なっていることが好ましい。
上記構成によれば、ガス流路の長さを変えることにより、材料ガスの混合状態を第1シャワープレートの中央と周縁とで変えることができる。そのため、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中央部とで混合状態を変えることができ、基板の成膜レートや膜質の均一化が可能となる。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス流路の内径が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっていることが好ましい。
上記構成によれば、ガス流路の内径を変えることにより、材料ガスの混合状態を第1シャワープレートの中央と周縁とで変えることができる。そのため、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中央部とで混合状態を変えることができ、基板の成膜レートや膜質の均一化が可能となる。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管に形成される孔の態様が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっていることが好ましい。
上記構成によれば、ガス導管に形成される孔の態様を変えることにより、材料ガスの混合状態を第1シャワープレートの中央と周縁とで変えることができる。そのため、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中央部とで混合状態を変えることができ、基板の成膜レートや膜質の均一化が可能となる。
本発明に係る気相成長装置では、前記孔は、前記ガス導管の先端に形成されることが好ましい。
上記構成によれば、第2ガスの流路となるガス導管の先端に、複数孔を設けたことによって、第2ガスの噴出しをより広げることが可能となるため(パイプ形状の場合、直線状に噴出すのみである)、第1ガスと第2ガスとの混合性がより向上し、被処理基板面上のガス濃度分布を均一化することができ、被処理基板表面反応の制御性を向上させ、つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、材料利用効率を向上させることができる。
本発明に係る気相成長装置では、前記孔は、前記ガス導管の側壁に形成されることが好ましい。
上記構成によれば、側壁の孔位置を変えることで、ガスの混合する領域を流路毎に変えることが可能となる。また、孔を側壁に設けるために、第1ガスと第2ガスとの混合性をより向上させることができます。さらに、第1ガス導管を第2ガス導管と同じ高さに揃えることで、第2ガス導管の断面積そのままで、混合領域を設けることができるので、ガスの流速を速くすることができ、より幅の広い成膜条件に対応することができる。
本発明に係る気相成長装置では、前記第1シャワープレートは、前記ガス導管の先端の前方において前記ガス流路の内壁により形成されて前記第1ガスと前記第2ガスとを混合する混合室を有しており、前記混合室の体積が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっていることが好ましい。
上記構成によれば、混合室の体積を変えることにより、材料ガスの混合状態を第1シャワープレートの中央と周縁とで変えることができる。そのため、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中央部とで混合状態を変えることができ、基板の成膜レートや膜質の均一化が可能となる。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス流路と前記ガス導管との間の相対的空間位置関係は、前記第1シャワープレートの前記中央と、前記第1シャワープレートの前記周縁と、前記中央と前記周縁との間の中間領域とで、互いに異なっていることが好ましい。
上記構成によれば、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中間領域と中央部とでよりきめ細かく混合状態を変えることができ、基板の成膜レート及び膜質のよりきめ細かい均一化が可能となる。
本発明に係る気相成長装置では、前記第1シャワープレートと前記第2シャワープレートとの間に前記第1ガスを前記ガス流路に供給する第1ガス分配空間が形成され、前記第2シャワープレートは、前記第1ガス分配空間が露出するように前記第1シャワープレートから取り外し可能に設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、第1ガス分配空間が露出可能となる構成であるため、メンテナンス性が向上し、特に、シャワープレート内部に附加化合物が発生した場合や、異物混入があった場合においても、洗浄性が飛躍的に向上し、内部汚染を完全に除去できる。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管は、前記第2シャワープレートと嵌合するフランジを有し、前記ガス導管の前記フランジの外径は、前記ガス流路の内径よりも小さいことが好ましい。
上記構成によれば、ガス分配空間を開放せずに反応室側から第1シャワープレートを通してガス導管を交換することができる。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管は、前記第2シャワープレートに着脱可能に設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、ガス導入管を第2シャワープレートから取り外すことができ、ガス導入管の長さを変えることによって、混合室の大きさを変えることが可能である。ガス導入管を取外し可能な構成としていることで、本体毎に再製作する必要なく、第2ガスの流路となるガス導入管の変更のみで混合室の大きさを調整することが可能となり、様々な条件の成膜に対応した装置とすることができる。また、ガス導入管の壁面に附加化合物が付着し、ガス導入管出口が詰まった場合でも、全体を洗浄することなく、詰まった箇所のガス導入管のみを交換することが可能である。そのため、装置のメンテナンス時間も大幅に短縮することが可能であり、装置の稼働率向上を図ることも可能である。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管の温度を調整する冷媒を流す冷媒流路が前記第2シャワープレートに形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、第2ガス流路を温度調整する冷媒流路が構成されることで、第2ガス流路の温度を可変することが可能となり、第2ガスの温度をコントロールすることが可能となる。つまり、第1ガスと第2ガスとを個別に温度調整することができる。これによって、被処理基板表面反応の制御性を向上させ、つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、材料利用効率を向上させることができる。
本発明に係る気相成長装置では、前記第1ガスは、III族ガスを含み、前記第2ガスは、V族ガスを含むことが好ましい。
上記構成によれば、第2ガスの流路となるガス導入管の出口は、ヒータからの熱を直接受け、冷媒流路によって温度調整される第1ガス流路に比べ、温度上昇しやすい構造である。V族系ガスは有機ガスが用いられ、高温にしないと分子が分解して成長膜にドープされない、あるいは分子のままドープされてホールを形成してしまい、膜質や成長レートの劣化に繋がる。一方で、基板や成膜室を高温にし過ぎると、基板以外の成膜室壁面等に成膜される、あるいは成膜した基板から分子が再蒸発するなど、材料効率の低下や膜質、膜厚の不均一性を引き起こす恐れがある。そのため、第2ガスの流路となるガス導入管をV族系ガスとして、予め反応室以外で加熱し、活性化されたガスを反応室に供給することにより、V族ガスの分解温度に係わらず、成膜質及び基板の温度を設定でき、均一な膜厚および膜質で材料効率の良い成膜が可能となる。
本発明に係る気相成長装置では、前記ガス導管の長手方向に沿って前記ガス導管と前記ガス流路とを相対的に昇降させる昇降機構を設けることが好ましい。
上記構成によれば、第1ガスと第2ガスとの混合室の大きさを可変することが可能となり、材料ガス混合性が向上し、被処理基板面上のガス濃度分布を均一化することができ、被処理基板表面反応の制御性を向上させ、つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、原料利用効率を向上させることができる。また、成膜中に混合室の大きさを可変することが可能となり、1回の成膜で反応ガス流量や、被処理基板温度が変わる複数の膜を成長させる場合においても、それぞれの条件に最適な混合室の大きさを設定できるため、最適な単膜を積層することが可能となり、高品質の多層膜を成膜することが可能となる。
本発明に係る気相成長方法は、反応炉内の被処理基板を載置する基板保持部材に対向して配置された第1シャワープレートによって前記被処理基板に向かって第1ガスを供給し、前記第1シャワープレートに対して前記基板保持部材の反対側に配置された第2シャワープレートによって前記被処理基板に向かって第2ガスを供給する気相成長方法であって、前記第1シャワープレートには、前記被処理基板に向かって前記第1ガスが流れるガス流路が形成されており、前記第2シャワープレートは、前記第2シャワープレートから突出して前記ガス流路の内部に挿入されて前記被処理基板に向かって前記第2ガスを流すガス導管を有しており、前記第1シャワープレートの中央と周縁とで、前記ガス流路と前記ガス導管とによって形成される空間の態様を互いに異ならせて前記第1及び第2ガスを前記被処理基板に向かって供給することを特徴とする。
この特徴によれば、前記ガス流路と前記ガス導管とによって形成される空間の態様を変えることにより、材料ガスの混合状態を第1シャワープレートの中央と周縁とで変えることができる。そのため、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中央部とで混合状態を変えることができ、基板の成膜レートや膜質の均一化が可能となる。
本発明に係る気相成長装置は、以上のように、前記第1シャワープレートの中央と周縁とで、前記ガス流路と前記ガス導管とによって形成される空間の態様が互いに異なっているので、成膜条件に応じてシャワープレート周辺と中央部とで混合状態を変えることができ、基板の成膜レートや膜質の均一化が可能となる。
本発明の一実施形態について図1ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る気相成長装置1の構成を示す断面図である。気相成長装置1は、縦型シャワーヘッド型MOCVD装置によって構成されている。気相成長装置1は、反応炉14を備えている。反応炉14の中には、被処理基板15を載置した円盤状の基板保持部材16が設けられている。基板保持部材16の下側には、軸状の回転伝達部材20が結合されており、図示しない駆動機構により、被処理基板15の表面に垂直な回転伝達部材20の周りに回転可能に基板保持部材16が設けられている。基板保持部材16の下側には、基板保持部材16を加熱する加熱ヒータ17がさらに設けられている。
反応炉14の上側には、略円筒形状をしたガス供給部18が設けられている。ガス供給部18は、シャワープレート2とシャワープレート3とを有している。シャワープレート2は、反応炉14内の被処理基板15を載置する基板保持部材16に対向して配置されて被処理基板15に向かって第1ガスを供給するために設けられている。シャワープレート3は、シャワープレート2に対して基板保持部材16の反対側に配置されて被処理基板15に向かって第2ガスを供給するために設けられている。
図2は気相成長装置1に設けられたガス供給部18の詳細な構造を示す断面図であり、図3は図2に示すA部の拡大断面図である。図4は、気相成長装置1に設けられたガス供給部18を被処理基板15側から見た平面図である。図5は、気相成長装置1に設けられたシャワープレート2・3を説明するための斜視図である。
シャワープレート2には、被処理基板15に向かって第1ガスが流れる複数個のガス流路4aが、所定の間隔を空けて配置されて形成されている。シャワープレート2は、基板保持部材16に対向する壁面26を有しており、壁面26には各ガス流路4aの流路出口25が形成されている。壁面26と反応炉14の内壁とによって反応室19が形成されている。反応炉14の側壁の基板保持部材16よりも低い位置には、ガス排出口21が形成されている。反応炉14とシャワープレート2との間には、反応室19を封止するためのOリング22aが設けられている。
第1ガスをガス流路4aに供給するためにシャワープレート2とシャワープレート3との間にガス分配空間9が形成されている。図5に示すように、シャワープレート3は、ガス分配空間9が露出するようにシャワープレート2から取り外し可能に設けられている。シャワープレート2とシャワープレート3との間に、ガス分配空間9を封止するためのOリング22bが設けられている。シャワープレート2の周縁には、ガス分配空間9に第1ガスを供給するための複数のガス導入口23が設けられている。
シャワープレート3は、被処理基板15に向かって第2ガスを流すために設けられてシャワープレート3から突出して各ガス流路4aの内部に挿入された複数のガス導管5を有している。ガス導管5には、第2ガスが流れるガス流路4bが形成されている。
シャワープレート3は、ベース7と上方プレート8とを有している。ベース7と上方プレート8との間にガス分配空間10が形成されている。上方プレート8は、ガス分配空間10が露出するようにベース7から取り外し可能に設けられている。ベース7と上方プレート8との間には、ガス分配空間10を封止するためのOリング22cが設けられている。上方プレート8には、ガス分配空間10に第2ガスを供給するための第2ガス導入口24が形成されている。
シャワープレート2には、ガス導管5の温度を調整する冷媒を流すための冷媒流路11が、ガス流路4aの周りを通って形成されている。
シャワープレート2には、第1ガスと第2ガスとが混合される混合室12が、ガス導管5の先端のガスの下流側(前方)においてガス流路4aの内壁により形成されている。
図7は、シャワープレート2に形成されたガス流路4aと、シャワープレート3に設けられたガス導管5との位置関係を示す断面図である。左側に示したガス流路4a及びガス導管5は、シャワープレート2の中央に設けられたガス流路4a及びガス導管5の位置関係を示している。右側に示したガス流路4a及びガス導管5は、シャワープレート2の周縁に設けられたガス流路4a及びガス導管5の位置関係を示している。ガス導管5の突出長さは、シャワープレート2の中央と周縁とで異なっており、周縁のガス導管5の長さは、中央のガス導管5の長さよりも長くなっている。
このように、混合室12の体積が、シャワープレート2の周縁部分に比べて中央部分で大きくなるように、ガス導管5の突出長さを中央部分で短くなるように調節してある。ガス導管5の突出長さは、成膜条件によって適宜調節すれば良い。
このように、中央から周縁に向かって成膜レートが速くなるような条件でも、中央で、第1ガスと第2ガスとの混合性を高めることで、中央部分の成膜レートを速くすることができ、膜厚の均一化が可能となる。逆に、中央から周縁に向かって成膜レートが遅くなる場合は、中央と周縁とのパーツを逆にすれば良い。
なお、シャワープレート2の中央部分と、周縁部分とで2種類の突出長さのガス導入管5にするだけでなく、3種類以上の多種類の突出長さのガス導入管5を用いても良い。例えば、ガス流路4aとガス導管5との間の相対的空間位置関係は、シャワープレート2の中央と、シャワープレート2の周縁と、前記中央と前記周縁との間の中間領域とで、互いに異なっているように構成してもよい。また、流量や成長圧によっては、周縁部付近で成膜レートが小さくなる場合がある。その際には、周縁部の突出長さを大きくすることも考えられる。
混合室12およびガス導入管5の部分を拡大した図3に示すように、ガス導管5の流路出口27の反対端の外周には、雄ネジ加工が施してある。ガス導管5に形成された雄ネジの流路出口27側には、フランジ40が形成されている。
下方プレート34aに形成された貫通孔41には、ガス導管5の雄ネジに対応する雌ネジ加工が施してあり、更に、ザグリ孔42が、フランジ40に対応するように形成されている。このように、ガス導管5は、ネジ構造によって、下方プレート34aに固定することが可能となる。更に、フランジ40を設けることによって、ガス導管5の突出長さDを正確に規定することが可能である(フランジ40が無いと、ネジの締め込み具合に応じて突出長さDが変化してしまう)。更に、下方プレート34aのザグリ孔42に、前記フランジ40を挿入することで、ガス分配空間9に余分な突起を生じることが無く、ガス分配空間9内の流れを乱すことが無い。また、ネジ部を通じて、第1ガスと第2ガスとが拡散し混合する可能性もあるため、ネジ部には、グラファイトシートを挟み、封止構造をとることもできる。また、グラファイトシート以外に、白金薄膜シート等の材料ガスに対して耐食性を有する金属薄膜シートも使用可能である。但し、フランジ40の高さが、ガス分配空間9内の流れを乱さない程度の突起であれば、ザグリ孔42を設けることは必須では無い。
上記構成によれば、ガス導管5は、下方プレート34aから取り外し(着脱)可能な構成になっており、ガス導管5の突出長さDを容易に変えることが可能となる。このため、求める成膜レートや膜質に応じた、流量や成膜温度、成長圧などの様々な成膜条件に対応して、混合室12の体積を調節することが可能である。また、成膜時に反応精製物が流路口壁面に付着し、流路出口が詰まることがあり、膜質や膜厚分布の均一性、成膜レートの低下を引き起こす恐れがある。しかし、着脱可能な構成であれば、ガス導管5の壁面に付着物が発生し、流路出口が詰まった場合でも、全体を洗浄することなく、詰まった箇所のガス導管5aのみを交換することが可能である。そのため、装置のメンテナンス時間も大幅に短縮することが可能であり、装置の稼働率向上を図ることも可能である。
なお、ガス導管5は、上記のように着脱可能でなくとも、混合室12の体積を調節することで、本発明の効果は得られる。この場合、第2ガス流路の下方プレート(ベース7)に、多数の貫通孔が配置される。複数のガス導管5は、気密を保つよう、真空ロウ付や電子ビーム溶接、TIG溶接、拡散接合等によって接合される。第2ガス流路下方プレート(ベース7)に直接、ガス導管5を切削加工等により形成してもよい。しかし、先に記載したように、様々な成膜条件に対応する場合や、メンテナンス性を考えると着脱可能な構成とした方が好ましい。
図8(a)(b)(c)、図9(a)(b)、図10(a)(b)は、第1シャワープレート2に形成されたガス流路4aと、第2シャワープレート3に設けられたガス導管5との他の関係を示す断面図である。図7に示した例は、ガス導管5の長さを中央と周縁とで互いに異ならせる例を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、図8(a)に示すように、ガス導管5の内径dを、中央では大きくし、周縁では小さくするように構成してもよい。この構成により、周縁での第2ガスの流量が中央での第2ガスの流量よりも少なくなる。このため、膜厚や組成比の分布を、流量などの条件に応じて、均一となるように調整することができる。例えば、AlGaAsの成膜の場合、第1ガスの原料ガスとしてTMGとTMA、第2ガスの原料ガスとしてAsHが用いられており、V/III比が小さくなる(AsHガスを少なくする)と成膜レートが上がるため、周縁で成膜レートが低くなる場合は、周縁でのAsH導入量を少なくすることで、成長レートを上げることができ、膜厚均一性が増す。また、V/III比が小さくなる(AsH導入量が少なく)と、AlよりもGaが入りこみやすくなるため、周縁で内管の内径を小さくすることで、Gaの組成比を高くすることができ、組成比も適宜調整することができる。
また、図8(b)に示すように、ガス導管5の外径eを、中央では小さくし、周縁では大きくするように構成してもよい。この構成により、周縁での第1ガスの流量が中央での第1ガスの流量よりも少なくなる。また、流量などの条件に応じて、中央と周縁とのパーツを逆にすることも考えられる。この構成によれば、膜厚や組成比の分布を、流量などの条件に応じて、均一となるように調整できる。例えば、AlGaAsの成膜の場合、第1ガスの原料ガスとしてIII族ガスであるTMGとTMA、第2ガスの原料ガスとしてV族ガスであるAsHが用いられており、一般的に成膜レートはIII族ガスの導入量で決まる条件で成膜されることが多いため、中央部分で成膜レートが遅くなる条件で成膜する場合、中央部分でのIII族ガス導入量が多く、周縁で少なくすることにより、膜厚の均一化が可能となる。また、中央部と周縁部でV/III比を変えることができるため、組成比も適宜調整することができる。なお、流量などの条件に応じ、中央と周縁とのパーツを逆にすることも考えられる。
さらに、図8(c)に示すように、ガス導管5に形成する孔を、中央ではガス導管5の先端に形成し、周縁ではガス導管5の側壁に形成し、かつ、周縁では、ガス導管5の先端をガス流路4aの先端まで伸ばすように構成してもよい。この構成により、周縁での導入ガスの流量が中央での導入ガスの流量よりも少なくなる。中央で成膜レートが遅い成膜条件の場合、周縁の導入ガス流量を少なくして、成膜レートを遅くすることで、膜厚の均一化が可能である。なお、中央で成膜レートが速い場合は、中央と周縁とのパーツを逆にすれば良い。
また、図9(a)に示すように、ガス導管5の側壁に形成する孔の位置を、中央ではガス導管5の先端から離れた位置に孔6cを形成し、周縁ではガス導管5の先端に近い位置に孔6dを形成するように構成してもよい。この構成により、第1ガスと第2ガスとが混合する領域が、周縁よりも中央において大きくなり、図7に示す構成と同様の効果を奏する。
図9(b)に示すように、ガス導管5の側壁に形成する孔の大きさを中央と周縁とで変えてもよい。具体的には、中央のガス導管5の側壁には大きい孔6eを形成し、周縁のガス導管5の側壁には小さい孔6fを形成してもよい。この構成により、第2ガスの流量が、周縁において中央よりも少なくなり、図8(a)に示す構成と同様の効果を奏する。
また、図10(a)に示すように、ガス導管5の先端に形成する孔の大きさを中央と周縁とで異ならせてもよい。具体的には、中央のガス導管5の先端には大きい孔6gを形成し、周縁のガス導管5の先端には小さい孔6hを形成し、周縁のガス導管5の突出長さを中央のガス導管5の突出長さよりも短く構成してもよい。この構成により、第2ガスの流量が、周縁において中央よりも少なくなり、図8(a)に示す構成と同様の効果を奏する。
図10(b)に示すように、ガス導管5に形成する孔の態様を中央と周縁とで異ならせてもよい。具体的には、中央では、ガス導管5の先端に孔を形成し、周縁では、ガス導管5の側壁に孔を形成し、孔は、ガス導管5の内側から外側に向かってガス導管5の先端に近づく斜め方向に沿って形成してもよい。この構成により、周縁での導入ガスの流量が中央での導入ガスの流量よりも少なくなり、図8(c)に示す構成と同様の効果を奏する。
なお、ガス導管5におけるガス流出口(先端)から被処理基板15までの距離が、シャワープレートの中央と周縁とで互いに異なっているように構成してもよい。
シャワープレート2は、基板保持部材16に対向して設けられた下方プレート29と、下方プレート29と所定の間隔を空けて基板保持部材16の反対側に設けられた上方プレート28と、下方プレート29及び上方プレート28を貫通して設けられてガス流路4aを形成するガス導管30とを有している。
シャワープレート2には、第1ガスを導入する第1ガス導入口23と、第1ガスをガス分配空間9に導く導入経路31とが形成されたフランジ部32が設けられている。ベース7と上方プレート8とは、その周縁において固定ネジ39によってフランジ部32に固定されている。
冷媒流路11には、冷媒を各ガス流路4aの周りに均等に供給するための冷媒調整リング33が設けられている。ガス分配空間9には、第1ガスを各ガス流路4aに均等に供給するための第1ガス調整リング36が設けられている。ガス分配空間10には、第2ガスを各ガス導管5に均等に供給可能とするための第2ガス調整リング35が設けられている。
このように、気相成長装置1においては、内部を大気側と隔離し、気密状態を保持する反応炉14と、被処理基板15を載置する基板保持部材16と、被処理基板15を加熱する基板加熱ヒータ17と、基板保持部材16と対向する位置に設けられて被処理基板15に向けて複数の原料ガスを供給する複数のガス流路出口を有するガス供給部18とによって、反応室19を構成している。
基板保持部材16は、回転伝達部材20の一端に備え付けられており、回転伝達部材20は、図示しない回転機構によって、自転可能となっている。
被処理基板15の主表面に薄膜を形成するときは、原料ガス(以下単にガスと称する)をガス供給部18から反応室19へ導入する。このとき加熱ヒータ17により、基板保持部材16を介して被処理基板15が加熱され、被処理基板15上での成膜化学反応が促進されることにより、被処理基板15上に薄膜が形成される。被処理基板15上を通過したガスは、ガス排出口21より排出される。
次に、ガス供給部18の構造を、より具体的に説明する。図1において、ガス供給部18は、反応炉14と、Oリング22aによって、気密状態を保持するよう封止されており、ガス供給部18と反応炉14とは取り外し可能なように構成されている。
ガス供給部18には、第1ガス導入口23と第2ガス導入口24とが設置されており、それぞれ異なる原料ガスが供給される。
第1ガス、及び第2ガスが分離され、ガス分配空間9とガス分配空間10とに、各ガスを独立に吐出するシャワープレート形状の複数のガス流路(第1ガス流路4a、第2ガス流路4b)によって構成され、個々の第1ガス流路4a内に第2ガス流路4bが(同芯状に)内包されて配設され、第1ガス流路出口25は、反応炉壁面26に形成され、第2ガス流路出口27は、第1ガス流路出口25よりも、ガス供給源側、(つまり、被処理基板15より遠い側)に構成され、配置されることにより、個々の第1ガスと第2ガスとの混合室12を構成し、第1ガス流路4aと反応炉壁面26との間に、第1ガス流路4aを温度調整する冷媒流路11が構成される。
第1ガス流路の上方プレート28と第1ガス流路の下方プレート29とは、多数の貫通穴が形成され、距離Aを保って配設されており、ガス流路4aとなるガス導管30が、気密を保つよう、真空ロウ付や電子ビーム溶接、TIG溶接、拡散接合等によって貫通穴に接合されている。図3中には、ガス導管30の両端を、それぞれ第1ガス流路の上方プレート28と第1ガス流路の下方プレート29とに接合する形状を示しているが、本発明はこれに限定されない。上方プレート28、もしくは下方プレート29に直接、ガス導管30を切削加工等により形成してもよい。
上記のように構成することで、ガス流路4aを温度調整することが可能な冷媒流路11が形成される。
更に、第1ガス流路の上方プレート28、下方プレート29、及びガス導管30によって構成された部材に、第1ガス導入流路31、冷媒流路11を形成した第1ガス流路のフランジ部32が接合される。フランジ部32は、ここでは別体としているが、上方プレート28、下方プレート29のいずれか、もしくは両方に形成しても良い。また、接合方法は、真空ロウ付や電子ビーム溶接、TIG溶接、拡散接合等いずれの方法を用いても良い。
また、冷媒流路11には、冷媒調整リング33が配設されており、冷媒を均等に供給することを可能としている。冷媒調整リング33には、冷媒を均等に供給可能とするための、穴が複数個形成されている。各穴の径は、冷媒を均等に供給できるよう適宜調整されている。形状も、円形状でも良いし、矩形、多角形いずれでもよい。
以上のように、構成された部材をシャワープレート2と呼ぶ。
第2ガス流路の下方プレート(ベース7)には、多数の貫通穴が設置され、複数のガス導管5が、気密を保つよう、真空ロウ付や電子ビーム溶接、TIG溶接、拡散接合等によって接合されている。図3中には、第2ガス流路下方プレート(ベース7)へガス導管5を接合する形状を示しているが、本発明はこれに限定されない。第2ガス流路下方プレート(ベース7)に直接、ガス導管5を切削加工等により形成してもよい。
ベース7と上方プレート8とは、距離Bを保って配設されており、Oリング22cにより、取り外し可能状態で固定ネジ39にて封止されている。以上のように構成することで、ガス分配空間10が形成される。また、ガス分配空間10には、調整リング35が配設され、調整リング35は、第2ガスを均等に供給可能とするための穴が複数形成されている。各穴の径は、第2ガスを均等に供給できるよう適宜調整されている。形状も、円形状でも良いし、矩形、多角形いずれでもよい。
以上のように、構成された部材をシャワープレート3と呼ぶ。
シャワープレート2上に、シャワープレート3を設置し、距離cのガス分配空間9を形成する。シャワープレート2と、シャワープレート3は、Oリング22cによって気密を保つように固定される。
ガス分配空間9には、調整リング36が配設され、調整リング36は、第1ガスを均等に供給可能とするための、穴が複数形成されている。各穴の径は、第1ガスを均等に供給できるよう適宜調整されている。形状も、円形状でも良いし、矩形、多角形いずれでもよい。
ガス流路4a内に同芯状に内包されたガス流路4bのガス流路出口27は、ガス流路出口25と距離Lの位置に形成される。このように構成することで、ガス流路4a内に、第1ガスと第2ガスとの混合室12が形成される。
上記のように構成することで、反応ガスの混合性が向上し、被処理基板面上のガス濃度分布を均一化することができ、被処理基板表面反応の制御性を向上させ、つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、原料利用効率を向上させることができる。
また、冷媒流路11が構成されることによって、被処理基板に到達する前に附加化合物が発生するのを防ぐことができる。
また、本実施の形態においては、シャワープレート3はOリング22bによって封止されており、取り外しが可能であるため、第1ガス分配空間9が露出可能となる構成となっている。上記構成により、メンテナンス性が向上し、特に、ガスシャワープレート2内部に附加化合物が発生した場合や、異物混入があった場合においても、洗浄性が飛躍的に向上し、内部汚染を完全に除去できる。従来の特許文献2に記載の構造によると、ロウ付等により接合しているため、内部の完全な洗浄は不可能である。穴が小さく(φ0.5mm)、洗浄液が十分に流れ難い、よどみができるため、異物がたまる可能性が高い。
なお、本実施の形態では、シャワープレート3がOリング22bによって封止されて取り外し可能な構成例を示したが、本発明はこれに限定されない。他の機構によって、シャワープレート3をシャワープレート2から取り外し可能に構成してもよい。
他の構成としては、『ナイフエッジ型メタルシールフランジ』(ICFフランジ、コンフラットフランジとも言われる)によって、シャワープレート3をシャワープレート2から取り外し可能に構成することができる。一般的に真空封止可能なフランジ型式により、取り外し可能に構成することができる。
『ナイフエッジ型メタルシールフランジ』は、バリアン社が超高真空用のフランジとして開発し、超高真空の標準フランジのように使われている。日本では日本真空協会が日本真空協会規格のJVIS003「真空装置用ベーカブルフランジの形状・寸法」に名称を「ナイフエッジ型メタルシールフランジ」と称して寸法図を参考図面として記述している。一方、ISO規格は現在規格制定中であり、ISO/CD3669ベーカブルフランジとしてドラフト段階で検討が進んでいる。
なお、ISOで規格化しようとしているベーカブルフランジはナイフエッジ型、中空メタル"O"リング型、メタル"C"リングなど他のタイプのシール機構も含め、外形寸法、ボルト数、シール機構部の寸法などを規格化しようとしている。
ナイフエッジ型メタルシールフランジは、内側に先の尖ったエッジが付いており、通常は銅製のガスケットを挟んで塑性変形させることによってシールする、全金属製の継手である。このようなナイフエッジ型メタルシールフランジの構成は、例えば、特開2003−294146号公報に開示されている。
また、シャワープレート3の上方プレート8は、Oリング22cによって封止されており、取り外しが可能であるため、ガス分配空間10が露出可能となる構成となっている。上記構成によれば、ガス分配空間10が露出可能となる構成であるため、メンテナンス性が向上し、特に、ガス分配空間10、ガス流路4b内部に附加化合物が発生した場合や、異物混入があった場合においても、洗浄性が飛躍的に向上し、内部汚染を完全に除去できる。
なお、本実施の形態では、シャワープレート3の上方プレート8がOリング22cによって封止されて取り外し可能な構成例を示したが、本発明はこれに限定されない。他の機構によって、上方プレート8をベース7から取り外し可能に構成してもよい。例えば、上述した『ナイフエッジ型メタルシールフランジ』により、上方プレート8をベース7から取り外し可能に構成することができる。
また本実施の形態では、ガス分配空間9、10が反応室19の上側に設けられた構成を示したが、本発明はこれに限定されない。逆に、反応室が上方にあり、下方にあるガス分配空間側からシャワーを吹き上げるように、装置をさかさまに構成してもよい。後述する他の実施の形態においても同様である。
また、本実施の形態では、ガス導管5の先端が、ガス流路4aの途中まで挿入されて、ガス導管5の先端の前方においてガス流路4aの内壁により混合室12が形成されている例を示したが、本発明はこれに限定されない。ガス導管5の先端と壁面26とが同一平面上にあるように構成しても良いし、ガス導管5の先端が壁面26から被処理基板15に向かって突出するように構成してもよく、これらの場合は混合室12は形成されない。後述する他の実施の形態においても同様である。
このような構成によって作製された気相成長装置(MOCVD装置)1によって、成膜実験を行った。なお、シャワープレート2・3は、略円盤状であり、約2400個のノズルをピッチ7.5mmの格子上に配置した。また、ガス導管5の流路出口はφ1.5mmのノズル径とし、混合室12の流路出口25はφ4.0mmのノズル径とした。また、突出し長さDは、シャワープレート2の中央部分の約300個のノズルにおいて、ガス導管5の突出し長さDを他の周縁部分より15mm短くし、混合室の高さLは、中央部分約300個のノズルを20mm、その他の周縁部分を5mmとした。これから混合室12の体積は周縁部よりも中央部分の方が大きくなる。成膜する基板はノズル部分とほぼ同じ範囲内に、19枚の4インチ基板を配置した。用いた材料ガスは、III族のTMGを流量10sccm(Standard cc/min)にて導入し、V族にAsHを流量60sccmにて導入するように、流量を調節した。また、キャリアガスとして流量260slm(Standard liter/min)の水素を、III族、V族それぞれに同量ずつ材料ガスと混合させて導入し、GaAs結晶をGaAs基板上に成膜した。
このときの、成膜レートの分布を図11に示す。図11は、曲線C1が本実施の形態にいて混合室12の大きさをシャワープレートの中央と周縁とで調節した場合であり、曲線C2は混合室12の大きさを中央と周縁とで調節していない従来の(混合室12が同じ)場合のグラフである。横軸は、シャワープレート中心からの距離を表しており、縦軸は、GaAs成長レートを表している。従来では(図中曲線C2)、シャワープレート中央部分で成長レートが小さく、径方向に沿って周縁に近づくにしたがって、成長レートが増加する傾向にある。一方、混合室12をシャワープレート中央部分で大きくすることにより(図中曲線C1)、中央部分の成膜レートが上がり、均一性が向上する。
(実施の形態2)
図12は、実施の形態2に係る気相成長装置1aの構成を示す断面図である。前述した構成要素と同一の構成要素には、同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
前述した実施の形態1の気相成長装置1と異なる点は、シャワープレート2とシャワープレート3との間に昇降機構13を設けた点である。昇降機構13は、ベローズによって構成されている。「ベローズ(Bellows)」とは、金属で製作した筒状のものにひだを設け、伸縮性・気密性・バネ性を持たせたものを言う。つまり、「ベローズ」は「伸縮管」であるということができる。
昇降機構13は、ガス導管5の先端とガス流路4aとによって形成されて第1ガスと第2ガスとが混合される混合室12の容積を調整するために、ガス導管5の長手方向に沿ってガス導管5とガス流路4aとを相対的に昇降させるように構成されている。昇降機構13がシャワープレート2とシャワープレート3とをガス導管5の長手方向に沿って相対的に昇降させる例を図12は示しているが、本発明はこれに限定されない。昇降機構13は、ガス導管5とシャワープレート3とをガス導管5の長手方向に沿って相対的に昇降させるように構成してもよい。
このように、シャワープレート2とシャワープレート3との接合を、昇降機構13を介して行うことができる。上記構成によると、シャワープレート3の位置を昇降機構13のベローズの屈曲を利用し、可変することが可能となる。また、図示しない駆動機構によって、自動駆動させることも可能である。
上記構成によれば、混合室12の大きさを変化させることが可能となり、原料ガス混合性が向上し、被処理基板15の面上のガス濃度分布を均一化することができ、被処理基板15の表面反応の制御性を向上させることができる。つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、原料利用効率を向上させることができる。また、成膜中に混合室12の大きさを可変することが可能となる。このため、1回の成膜で、反応ガス流量や、被処理基板15の温度が変わる複数の膜を成長させる場合においても、それぞれの条件に最適な混合室12の大きさを設定できる。その結果、最適な単膜を積層することが可能となり、高品質の多層膜を成膜することが可能となる。
さらに、ガス導管5とガス流路4aとの相対位置移動により、ガス導管5のガス流路4aからの突出程度、被処理基板15へのガス導管5の先端からの距離、ガス流路4aの出口からの距離が変わりうるので、膜質や成長速度の変更が可能となる。
シャワープレート2の天面とシャワープレート3の底面との間に、ベローズ(昇降機構13)を溶接もしくはフランジ接続にて設置することで、ガス分配空間9は、外部(大気)から隔離され、内部を気密に保つことが可能となり、かつ、シャワープレート3の高さ位置は、ベローズ(昇降機構13)の屈曲を利用して調整可能に構成できる。シャワープレート3の高さ位置の駆動は、ボールネジ、エアシリンダ、高さ調整ボルトなど様々な方法で駆動可能である。
(実施の形態3)
図13は、実施の形態3に係る気相成長装置に設けられたガス供給部の構成を示す拡大断面図である。ガス導管5aの流路出口27aの反対端の外周には、雄ネジ加工が施してある。ガス導管5aに形成された雄ネジの流路出口27a側には、フランジ40が形成されている。
下方プレート42に形成された貫通穴41には、ガス導管5aの雄ネジに対応する雌ネジ加工が施してあり、更に、ザグリ穴42が、フランジ40に対応するように形成されている。このように、ガス導管5aは、ネジ構造によって、下方プレート42に固定することが可能となる。更に、フランジ40を設けることによって、ガス導管5aの突出長さDを正確に規定することが可能である(フランジ40が無いと、ネジの締め込み具合に応じて突出長さDが変化してしまう)。更に、下方プレート34aのザグリ穴42に、前記フランジ40を挿入することで、ガス分配空間9に余分な突起を生じることが無く、ガス分配空間9内の流れを乱すことが無い。また、ネジ部を通じて、第1ガスと第2ガスとが拡散し混合する可能性もあるため、ネジ部には、グラファイトシートを挟み、封止構造をとることもできる。また、グラファイトシート以外に、白金薄膜シート等の原料ガスに対して耐食性を有する金属薄膜シートも使用可能である。
但し、フランジ40の高さが、ガス分配空間9内の流れを乱さない程度の突起であれば、ザグリ穴42を設けることは必須では無い。
上記構成によれば、ガス導管5aは、下方プレート34aから取り外し(着脱)可能な構成になっており、ガス導管5aの突出長さDを変えることによって、混合室12の大きさを変えることが可能である。実施の形態2に記載の方法によっても、ガス導管5aの位置を変えることが可能であるが、ガス分配空間9の大きさも可変となるため、条件によっては、均一なシャワープレートからの反応ガス供給が出来ない場合がある(ガス分配空間9が極端に狭くなるような条件のとき)。そのような場合、ガス導管5aを取り外し可能な構成としていることで、本体毎に再製作する必要がなく、ガス導管5aの変更のみで調整することが可能となり、様々な条件の成膜に対応した装置とすることができる。
また上記構成によれば、第二ガス流路出口27の直径の変更が容易となる。例えば、基板保持部材16上に設置された複数の被処理基板15の内、外周側の被処理基板15の膜厚が中央部と比べて異なった場合、通常は、基板保持部材16上の温度分布を変化させ(外周側に配置された被処理基板15の温度を上げるもしくは下げる)、気相の温度を変えることで、均一な膜を成膜する。しかし、温度を変えると、成膜組成も変わってしまう。そこで、被処理基板15に供給される反応ガスの流速を変化させて調整することが考えられるが、シャワープレート方式の場合、流量を変更することによって、全体の流速が変化してしまうため、エリア毎の流速調整は、穴径を変化させたシャワープレートを作り直す必要があった。
しかし、ガス導管5aを取り外して交換可能とすることで、様々な穴径を有するガス流路4bを容易に形成することが可能である。また、ガス流路出口27aの外径、つまり、ガス導管5aの外径を変更することで、ガス流路4aの断面積も変えることが可能であり、エリア毎に細かな流速調整が可能である。以上のことから、様々な条件の成膜に対応した気相成長装置とすることができる。
また、ガス流路4bの一部において、附加化合物が発生し、ガス流路4b内の壁面に附加化合物が付着し、流路出口27aが詰まった場合でも、全体を洗浄することなく、詰まった箇所のガス流路4b(ガス導管5a)のみを交換することが可能である。そのため、装置のメンテナンス時間も大幅に短縮することが可能であり、装置の稼働率向上を図ることも可能である。
本実施の形態では、ガス導管5aにネジを形成することによって、下方プレート34aから取り外し(着脱)可能に構成する例を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。他の機構によってガス導管5aを下方プレート34aから取り外し(着脱)可能に構成してもよい。
また、混合室12が形成される場合は、混合室12の大きさを調整することができるばかりでなく、下記の調整が可能になる。例えば、長さが同じガス導管5aであれば、その先端から前方の空間(混合室12)の大きさは同じになるが、図6に示す先端全面開口の寸胴型ガス導管(ガス導管5a)であっても、その内径の違いに応じて、ガスが混合された状態(混合程度、出口から流出する速度、流出方向等)を様々に調整することができる。また、図13(a)に示すような先端の閉面に開口があるタイプでは、その開口の配置、大きさ及び数に応じて、ガスが混合された状態(混合程度、出口から流出する速度、流出方向等)を様々に調整することができる。また、ガス導管の噴出しの方向が、図13(a)に示すように端面から噴出す方向であるか、図13(b)に示すように側面から噴出する方向であるかに応じて、ガスが混合された状態(混合程度、出口から流出する速度、流出方向等)を様々に調整することができる。さらに、図13(a)に示す先端の閉面に開口が形成されているタイプのガス導管であっても、先端の閉面に対して垂直に開口するのか、斜めに開口するのかに応じて、ガスが混合された状態(混合程度、出口から流出する速度、流出方向等)を様々に調整することができる。
図13(a)は上記気相成長装置のガス供給部に設けられたガス導管5aの構成を示す斜視図であり、(b)は他のガス導管5bの構成を示す斜視図である。図13(a)に示す構成によると、ガス導管5aの流路出口に複数個の孔6を形成することによって、第2ガスの噴出しをより広げることが可能となり(パイプ形状の場合、直線状に噴出すのみである)、各孔6からの第二ガス流出速度は、従来よりも増加し、かつ、狭ピッチの細かな噴出しが実現できる。このため、流出した第二ガスの乱れが増加し、より、第一ガスとの混合性が向上する。また、被処理基板面上のガス濃度分布を均一化することができ、被処理基板表面反応の制御性を向上させ、つまり、成膜厚や組成比を向上させると共に、原料利用効率を向上させることができる。
図13(b)の構成によると、ガス導管5bの側面に複数個の孔6を形成することによって、第2ガスを側面方向の第1ガス流路へ噴出させる。各孔6からの第2ガス流出速度は従来よりも増加し、かつ、第1ガス流路へ噴出させるため、流出した第2ガスと第1ガスとの混合性がより向上する。
また、本発明においては、MOCVD装置を構成する反応炉、シャワープレートおよびその他の部材の形状が図1に示す形状に限定されないことは言うまでもない。
上述の実施の形態1〜3において、第一ガスとして、III族ガス、第二ガスとしてV族ガスを原料ガスとすることができる。
なお、本発明において、III族元素としては、たとえば、Ga(ガリウム)、Al(アルミニウム)またはIn(インジウム)などがあり、III族元素を含むIII族系ガスとしては、たとえば、トリメチルガリウム(TMG)またはトリメチルアルミニウム(TMA)などの有機金属ガスの1種類以上を用いることができる。
V族元素としては、たとえば、N(窒素)、P(リン)またはAs(ヒ素)などがあり、V族元素を含むV族系ガスとしては、たとえば、アンモニア(NH)、ホスフィン(PH)またはアルシン(AsH)などの水素化合物ガスの1種類以上を用いることができる。
上記構成によれば、第二ガス流路出口27は、加熱ヒータからの熱を直接受け、冷媒流路11によって温度調整される第一ガス流路4aに比べ、温度上昇しやすい構造である。V族系ガスは有機ガスが用いられ、高温にしないと、分子が分解して成長膜にドープされない、あるいは分子のままドープされてホールを形成してしまい、膜質や成長レートの劣化に繋がる。そのため、第二ガス流路4bをV族系ガスとすることで、予め反応炉14以外で加熱し、活性化されたガスを反応炉14に供給することにより、被処理基板15の温度が、III族系ガスが熱分解しない程度の温度を保ったまま、気相反応を進行させることが可能となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、反応炉内の被処理基板を載置するための基板保持部材に対向して配置されて被処理基板に向かってガスを供給するために設けられたシャワープレートを備えた気相成長装置及び気相成長方法に適用することができる。
実施の形態1に係る気相成長装置の構成を示す断面図である。 上記気相成長装置に設けられたガス供給部の詳細な構造を示す断面図である。 図2に示すA部の拡大断面図である。 上記気相成長装置に設けられたガス供給部を被処理基板側から見た平面図である。 上記気相成長装置に設けられた第1及び第2シャワープレートを説明するための斜視図である。 上記第2シャワープレートを説明するための斜視図である。 上記第1シャワープレートに形成されたガス流路と、上記第2シャワープレートに設けられたガス導管との関係を示す断面図である。 (a)(b)(c)は、上記第1シャワープレートに形成されたガス流路と、上記第2シャワープレートに設けられたガス導管との他の関係を示す断面図である。 (a)(b)は、上記第1シャワープレートに形成されたガス流路と、上記第2シャワープレートに設けられたガス導管とのさらに他の関係を示す断面図である。 (a)(b)は、上記第1シャワープレートに形成されたガス流路と、上記第2シャワープレートに設けられたガス導管とのさらに他の関係を示す断面図である。 上記気相成長装置によるGaAs成長レートとシャワープレート中心からの距離との間の関係を示すグラフである。 実施の形態2に係る気相成長装置の構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る気相成長装置のガス供給部の構成を示す拡大断面図であり、(a)は上記気相成長装置のガス供給部に設けられたガス導管の構成を示す斜視図であり、(b)は他のガス導管の構成を示す斜視図である。 従来の気相成長装置の構成を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 気相成長装置
2 シャワープレート(第1シャワープレート)
3 シャワープレート(第2シャワープレート)
4a、4b ガス流路
5 ガス導管
6 孔
7 ベース
8 上方プレート(カバープレート)
9 ガス分配空間(第1ガス分配空間)
10 ガス分配空間(第2ガス分配空間)
11 冷媒流路
12 混合室
13 昇降機構
14 反応炉
15 被処理基板
16 基板保持部材
40 フランジ

Claims (21)

  1. 反応炉内の被処理基板を載置する基板保持部材に対向して配置されて前記被処理基板に向かって第1ガスを供給する第1シャワープレートと、
    前記第1シャワープレートに対して前記基板保持部材の反対側に配置されて前記被処理基板に向かって第2ガスを供給する第2シャワープレートとを備えた気相成長装置であって、
    前記第1シャワープレートには、前記被処理基板に向かって前記第1ガスが流れるガス流路が形成されており、
    前記第2シャワープレートは、前記第2シャワープレートから突出して前記ガス流路の内部に挿入されて前記被処理基板に向かって前記第2ガスを流すガス導管を有しており、
    前記第1シャワープレートの中央において前記ガス流路と前記ガス導管とにより形成される空間の態様と、前記第1シャワープレートの周縁において前記ガス流路と前記ガス導管とにより形成される空間の態様とが、成膜条件に応じて、前記第1シャワープレートの中央における成膜レートと前記第1シャワープレートの周縁における成膜レートとの間の差を小さくするように異なっていることを特徴とする気相成長装置。
  2. 前記ガス導管の長さ、外径、または内径が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっている請求項1記載の気相成長装置。
  3. 前記ガス導管の長さが、前記中央と前記周縁とで互いに異なっている請求項1記載の気相成長装置。
  4. 前記ガス導管の外径が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっている請求項1記載の気相成長装置。
  5. 前記ガス導管の内径が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっている請求項1記載の気相成長装置。
  6. 前記ガス導管の先端から前記被処理基板までの距離が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっている請求項1記載の気相成長装置。
  7. 前記ガス流路の長さまたは内径が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっている請求項1記載の気相成長装置。
  8. 前記ガス流路の長さが、前記中央と前記周縁とで互いに異なっている請求項1記載の気相成長装置。
  9. 前記ガス流路の内径が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっている請求項1記載の気相成長装置。
  10. 前記ガス導管に形成される孔の態様が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっている請求項1記載の気相成長装置。
  11. 前記孔は、前記ガス導管の先端に形成される請求項10記載の気相成長装置。
  12. 前記孔は、前記ガス導管の側壁に形成される請求項10記載の気相成長装置。
  13. 前記第1シャワープレートは、前記ガス導管の先端の前方において前記ガス流路の内壁により形成されて前記第1ガスと前記第2ガスとを混合する混合室を有しており、
    前記混合室の体積が、前記中央と前記周縁とで互いに異なっている請求項1記載の気相成長装置。
  14. 前記ガス流路と前記ガス導管との間の相対的空間位置関係は、前記第1シャワープレートの前記中央と、前記第1シャワープレートの前記周縁と、前記中央と前記周縁との間の中間領域とで、互いに異なっている請求項1記載の気相成長装置。
  15. 前記第1シャワープレートと前記第2シャワープレートとの間に前記第1ガスを前記ガス流路に供給する第1ガス分配空間が形成され、
    前記第2シャワープレートは、前記第1ガス分配空間が露出するように前記第1シャワープレートから取り外し可能に設けられている請求項1記載の気相成長装置。
  16. 前記ガス導管は、前記第2シャワープレートと嵌合するフランジを有し、
    前記ガス導管の前記フランジの外径は、前記ガス流路の内径よりも小さい請求項1記載の気相成長装置。
  17. 前記ガス導管は、前記第2シャワープレートに着脱可能に設けられている請求項1記載の気相成長装置。
  18. 前記ガス導管の温度を調整する冷媒を流す冷媒流路が前記第シャワープレートに形成されている請求項1記載の気相成長装置。
  19. 前記第1ガスは、III族ガスを含み、
    前記第2ガスは、V族ガスを含む請求項1記載の気相成長装置。
  20. 前記ガス導管の長手方向に沿って前記ガス導管と前記ガス流路とを相対的に昇降させる昇降機構を設けた請求項1記載の気相成長装置。
  21. 反応炉内の被処理基板を載置する基板保持部材に対向して配置された第1シャワープレートによって前記被処理基板に向かって第1ガスを供給し、
    前記第1シャワープレートに対して前記基板保持部材の反対側に配置された第2シャワープレートによって前記被処理基板に向かって第2ガスを供給する気相成長方法であって、
    前記第1シャワープレートには、前記被処理基板に向かって前記第1ガスが流れるガス流路が形成されており、
    前記第2シャワープレートは、前記第2シャワープレートから突出して前記ガス流路の内部に挿入されて前記被処理基板に向かって前記第2ガスを流すガス導管を有しており、
    前記第1シャワープレートの中央において前記ガス流路と前記ガス導管とにより形成される空間の態様と、前記第1シャワープレートの周縁において前記ガス流路と前記ガス導管とにより形成される空間の態様とを、成膜条件に応じて、前記第1シャワープレートの中央における成膜レートと前記第1シャワープレートの周縁における成膜レートとの間の差が小さくなるように、互いに異ならせて前記第1及び第2ガスを前記被処理基板に向かって供給することを特徴とする気相成長方法。
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