JP2010084190A - 気相成長装置および気相成長方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パージガスがシャワーヘッド内部を経由しないで、成長室に吐出されることにより、シャワーヘッドのカバープレート側の表面に原料ガスが付着することがなく、シャワーヘッド作製にかかる時間、手間、およびコストを低減し、かつメンテナンス性に優れた気相成長装置および気相成長方法を提供する。
【解決手段】シャワーヘッド20とカバープレート30との間には、パージガスが導入されるパージガス分配室32aが設けられ、パージガス分配室32aには、シャワーヘッド20の複数の原料ガス流路21bとカバープレート30のプレート原料ガス流路31bとを互いに連通する連通管31dが設けられている。カバープレート30のプレート原料ガス流路31bを除く領域には、パージガス分配室32aのパージガスを成長室7に供給するプレートパージガス流路32bが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置等の気相成長装置および気相成長方法に関するものである。
従来、発光ダイオードおよび半導体レーザの製造においては、トリメチルガリウム(TMG)又はトリメチルアルミニウム(TMA)などの有機金属ガスと、アンモニア(NH)、ホスフィン(PH)又はアルシン(AsH)などの水素化合物ガスとを、成膜に寄与する原料ガスとして成長室に導入し、化合物半導体結晶を成長させるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法およびMOCVD装置が用いられている。
MOCVD法とは、上記の原料ガスをパージガスである不活性ガスと共に成長室内に導入して加熱し、所定の被処理基板上で気相反応させることにより、その被処理基板上に化合物半導体結晶を成長させる方法である。MOCVD法を用いた化合物半導体結晶の製造においては、成長する化合物半導体結晶の品質を向上させながら、コストを抑えて、歩留まりと生産能力とをどのように最大限確保するかということが常に高く要求されている。上記パージガスとは、キャリアガスなどのように反応に寄与しないガスであり、原料ガスの搬送およびガス管および成長室の浄化に寄与するガスである。上述のように、不活性ガスが一般に使用される。
図13に、MOCVD法に用いられる従来の縦型シャワーヘッド型MOCVD装置の一例の模式的な構成を示す。
このMOCVD装置100においては、図13に示すように、ガス供給源101から、反応炉102内部の成長室103に原料ガスおよび不活性ガスが導入される。そのため、ガス配管104が接続されている。反応炉102の内部における成長室103の上部には、成長室103に原料ガスおよび不活性ガスを導入するための複数のノズルを有するシャワーヘッド105が、ガス導入部として設置されている。また、反応炉102内部の成長室103の下部中央には、アクチュエータ(図示せず)によって回転自在の回転軸106が設置されている。回転軸106の先端にはシャワーヘッド105と対向するようにしてサセプタ(基板保持部材)107が取り付けられている。上記サセプタ107の下部には、サセプタ107を加熱するためのヒーター108が取り付けられている。さらに、反応炉102の下部には反応炉102内部の成長室103内のガスを外部に排気するためのガス排気部109が設置されており、ガス排気部109は、パージガスライン110を介して、排気されたガスを無害化するための排ガス処理装置111に接続されている。
上記のような構成の縦型シャワーヘッド型のMOCVD装置100において、化合物半導体結晶を成長させるときには、サセプタ107上に被処理基板112が設置され、その後、回転軸106の回転によりサセプタ107が回転される。そして、ヒーター108の加熱によって、サセプタ107を介して被処理基板112が所定の温度に加熱される。一方、シャワーヘッド105に形成されている複数のノズルから反応炉102の内部の成長室103に原料ガスおよび不活性ガスが導入される。導入された原料ガスは、被処理基板112からの熱により加熱され、化学反応が起こり、被処理基板112上に半導体結晶が成膜される。
ところで、被処理基板112上に、均一な膜厚および組成比で半導体結晶を成膜させるには、被処理基板112付近での原料ガスから生成する中間反応物の濃度が一定となることが必要である。また、高い原料ガスの収率を得るには、なるべく被処理基板112上以外での中間反応物の成長を避ける必要があった。そのため、従来の横型MOCVD装置や中央放射型MOCVD装置に比べ、被処理基板112に原料ガスが均一な濃度で照射される縦型MOCVD装置が用いられてきた。一般的に、縦型シャワーヘッド型MOCVD装置では、膜厚や組成比の均一性と共に、原料ガスの収率も優れている。
しかし、上記の縦型シャワーヘッド型のMOCVD装置100では、被処理基板112およびサセプタ107からの熱輻射の影響により、被処理基板112に対向するシャワーヘッド105の面(以下、「シャワーヘッド表面」と呼ぶ)上でガスの気相反応が生じてしまう。
このため、生成物がシャワーヘッド表面に付着し、それが成長してガス吐出孔を覆い、やがて目詰まりが発生する問題、およびシャワーヘッド表面への付着物が被処理基板112上に落下し不良が発生する問題があった。
また、成膜レートと原料ガスの収率とを向上させるには、シャワーヘッド105と被処理基板112との距離は条件に応じて近づける必要がある。一般的には、シャワーヘッド105と被処理基板112との距離が近い方が成膜レートおよび原料ガスの収率が大きくなる。しかしながら、シャワーヘッド105を被処理基板112に近づけると、シャワーヘッド表面での原料ガスの濃度も高くなるため、原料ガスが反応しやすくなる。また、加熱されている被処理基板112により原料ガスが高温になりやすく、さらに反応が進みやすい。そのため、シャワーヘッド表面に反応物が付着したり、発生した反応物が被処理基板112上に落下したり、吐出穴付近で発生した反応物により目詰まりするなど成膜レートや原料ガスの収率の低下、および膜厚や組成比の劣化の問題があった。
これらの問題を解決するために、以下の技術が提案されている。
まず、特許文献1に開示された成膜装置200では、図14に示すように、シャワーヘッド201の原料ガス噴出細孔202に対応した吐出孔203を有するカバープレート204が用いられている。成膜装置200では、カバープレート204をねじ205・205にて留めて固定し、シャワーヘッド201を覆うことによって、付着物はシャワーヘッド201の表面ではなく、カバープレート204の表面上に付着することになる。このため、定期的にカバープレート204を交換することによって、付着物の被処理基板上への落下といった不良の発生を防いでいる。
次に、特許文献2に開示された反応容器300では、図15に示すように、複数の原料ガス膨張室301・302を設けることによって、原料ガスを分離している。また、原料ガス流路303・304を冷却室305で冷却しながら、パージガスと共に原料ガスを成長室306に導入する。これにより、成長室306内の被処理基板上でそれらを混合し、被処理基板を加熱して成膜することによって、ガス吐出孔307・308付近で原料ガスが反応しないような構成としている。
なお、上記反応容器300では、パージガスは、シャワーヘッド内部のパージガス膨張室309およびパージガス流路310を経由して成長室306に導入される。
また、特許文献3に開示されたMOCVD装置400では、図16に示すように、シャワーヘッド405の表面のIII 族ガス吐出孔401およびV族ガス吐出孔402の間にパージガス吐出孔403を設け、III 族ガス・V族ガスのどちらかのガス導入量よりもパージガスである不活性ガス量を少なく制御することによって、シャワーヘッド405の表面での反応を抑制している。
なお、上記MOCVD装置400の構成では、図17に示すように、パージガスである不活性ガスは、パージガス供給源406からシャワーヘッド405の内部を経由して成長室407に導入される。
さらに、特許文献4に開示された気相成長装置500では、図18に示すように、ガス吐出孔501以外の、シャワーヘッド502の表面から成長室503に臨む面が、通気性のあるポーラス部材からなる噴射板504により構成されている。ポーラス部材からなる噴射板504にガスを流すことによって、反応物が噴射板504に付着することを防いでいる。
なお、上記シャワーヘッド500では、パージガスはパージガス供給源505からシャワーヘッド502の内部を経由して、成長室503に導入される。
特開平11−131239号公報(1999年5月18日公開) 特開平8−91989号公報(1996年4月9日公開) 特開2008−91617号公報(2008年4月17日公開) 特開2008−66413号公報(2008年3月21日公開)
しかしながら、上記従来の特許文献2〜特許文献5の気相成長装置によれば、パージガスを流すためには、シャワーヘッド内部にパージガス用の分配室および流路を設ける必要がある。この場合、シャワーヘッド作製にかかる時間、手間、およびコストが大きくなるという問題を有している。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、パージガスがシャワーヘッド内部を経由しないで、成長室に吐出されることにより、シャワーヘッドのカバープレート側の表面に原料ガスが付着することがなく、シャワーヘッド作製にかかる時間、手間、およびコストを低減し、かつメンテナンス性に優れた気相成長装置および気相成長方法を提供することにある。
本発明の気相成長装置は、上記課題を解決するために、成長室内に設けられた被処理基板に対して原料ガスをシャワー状に供給するために複数の原料ガス流路を有するシャワーヘッドと、上記シャワーヘッドの被処理基板側に設けられかつ上記シャワーヘッドの原料ガス流路の出口の対向位置にプレート原料ガス流路を有するカバープレートとを備えた気相成長装置において、上記シャワーヘッドとカバープレートとの間には、パージガスが導入されるパージガス分配室が設けられ、上記パージガス供給室には、上記シャワーヘッドの複数の原料ガス流路と上記カバープレートのプレート原料ガス流路とを互いに連通する連通管が設けられていると共に、上記カバープレートの各プレート原料ガス流路の間には、パージガス供給室のパージガスを成長室に供給するプレートパージガス流路が設けられていることを特徴としている。
本発明の気相成長方法は、上記課題を解決するために、複数の原料ガス流路を有するシャワーヘッドから原料ガスを、該シャワーヘッドにおける原料ガス流路の出口の対向位置にプレート原料ガス流路を有するカバープレートを介して成長室内に設けられた被処理基板にシャワー状に供給して成膜する気相成長方法であって、上記シャワーヘッドとカバープレートとの間に、パージガスが導入されるパージガス分配室を設け、上記パージガス分配室には、上記シャワーヘッドの複数の原料ガス流路と上記カバープレートのプレート原料ガス流路とを互いに連通する連通管を設けると共に、上記カバープレートのプレート原料ガス流路を除く領域に設けたプレートパージガス流路にて、パージガス分配室のパージガスを成長室に供給して成膜することを特徴としている。
上記の発明によれば、シャワーヘッドの原料ガス流路の原料ガスは、パージガス分配室に設けられた連通管を通してカバープレートのプレート原料ガス流路に流れ、このプレート原料ガス流路から成長室に吐出される。従って、シャワーヘッドのカバープレート側の表面に原料ガスが付着することはない。
そして、本発明では、シャワーヘッドとカバープレートとの間に、パージガスが導入されるパージガス分配室が設けられているので、パージガスはシャワーヘッドの内部を経由することなく、成長室へ吐出される。これにより、シャワーヘッドの内部にパージガス用の分配室、および流路を設ける必要がなくなり、シャワーヘッドの内部にパージガス用の分配室、および流路を有するシャワーヘッド作製にかかる時間や手間、コストを削減できる。
さらに、本発明では、カバープレートのプレート原料ガス流路を除く領域には、パージガス分配室のパージガスを成長室に供給するプレートパージガス流路が設けられているので、カバープレートのプレート原料ガス流路から吐出される原料ガスの周辺からパージガスが吐出されることになる。このため、カバープレートの成長室に面する表面への反応物の付着を防止できる。さらに、成長室に面するカバープレートの表面から、プレートパージガス流路を経たパージガスが吐出されるため、カバープレートの表面付近での原料ガス濃度を下げることができ、反応物の付着量が軽減できる。このため、カバープレートを交換する頻度が減少する。
さらに、カバープレートは、シャワーヘッドとは別体に設けられている。このため、カバープレートの成長室に面するカバープレートの表面に反応した原料ガスが付着しても、カバープレートをシャワーヘッドから取り外すことが可能である。従って、カバープレートを交換又は洗浄することも可能であるので、メンテナンス性がよくなる。
また、パージガスの導入条件を大きく変えることができるので、より広い範囲での成膜が可能となる。このため、成膜レートや材料効率の良い成膜条件を選択することができる。
従って、パージガスがシャワーヘッド内部を経由しないで、成長室に吐出されることにより、シャワーヘッドのカバープレート側の表面に原料ガスが付着することがなく、シャワーヘッド作製にかかる時間、手間、およびコストを低減し、かつメンテナンス性に優れた気相成長装置および気相成長方法を提供することができる。
ところで、カバープレートの各プレート原料ガス流路の出口における間は、原料ガスが合流する部分であり、原料ガスが滞留しやすい。このため、原料ガス同士の反応による付着物が生じ易くなる。
そこで、本発明の気相成長装置では、前記プレートパージガス流路は、前記カバープレートの各プレート原料ガス流路の間にそれぞれ配置されていることが好ましい。
これにより、カバープレートのプレートパージガス流路から吐出されるパージガスによって、カバープレートの各プレート原料ガス流路の出口付近での原料ガス同士の反応を効果的に抑制できる。このため、カバープレートへの付着物の発生を効果的に抑制できる。
また、本発明の気相成長装置では、前記シャワーヘッドには、異なる種類の複数の原料ガスを成長室へシャワー状に供給するための2以上の原料ガス分配室が積層して設けられていると共に、上層の原料ガス分配室からは該上層の原料ガス分配室よりも下層の原料ガス分配室を貫通する管状の原料ガス流路がそれぞれ設けられ、各原料ガス流路は、前記パージガス分配室に設けられた連通管を介して前記カバープレートのプレート原料ガス流路にそれぞれ連通されていることが可能である。
上記発明によれば、異なる種類の原料ガスはシャワーヘッド内で混合されず、成長室に吐出後に初めて混合される。このため、カバープレートの各プレート原料ガス流路の出口付近での異なる種類の原料ガスの反応を軽減できる。また、パージガスの作用により、カバープレートの各プレート原料ガス流路の出口付近での異なる種類の原料ガスの反応が抑制される。
このため、カバープレートへの付着物の発生を効果的に抑制できると共に、原料ガスの収率を高めることができる。
ところで、より均一な成膜レートおよび組成比を得るためには、異なる種類の原料ガスが、成長室の被処理基板上で、均一に混合されている必要がある。
この点、本発明の気相成長装置では、前記上層の原料ガス分配室から該上層の原料ガス分配室よりも下層の原料ガス分配室を貫通する管状の原料ガス流路は、内管と外管とからなる多重管として同軸上にそれぞれ形成されていることが可能である。
これにより、異なる種類の原料ガスの管状の原料ガス流路が同軸上に設けられているため、被処理基板上で、より均一に、異なる種類の原料ガスが混合される。また、異なる種類の原料ガスは成長室への吐出直前に初めて混合されるため、混合は未だ不十分であり、カバープレートの各プレート原料ガス流路の出口付近での異なる種類の原料ガスの反応を軽減できる。また、パージガスの作用により、カバープレートの各プレート原料ガス流路の出口付近での異なる種類の原料ガスの反応が抑制されている。
これにより、均一な成膜レートおよび組成比を得ることができると共に、カバープレートへの付着物の発生を効果的に抑制できる。
本発明の気相成長装置では、前記シャワーヘッドには、原料ガス流路の原料ガスを冷却する冷媒を導入する冷媒分配室が設けられていることが好ましい。
上記の発明によれば、パージガスはシャワーヘッドの内部を経由することなく、成長室へ吐出される。これにより、シャワーヘッドの内部にパージガス用の分配室、および流路を設ける必要がなくなり、シャワーヘッドの内部における冷却媒体の占める割合が小さくなるのを防止できる。また、原料ガスの温度低下により、被処理基板以外での反応を防止できる。その結果、冷却効率、成膜レートおよび原料ガスの収率効の低下を防止することができる。
本発明の気相成長装置では、前記パージガス分配室は、厚みのあるカバープレートのシャワーヘッド側表面に形成した格子状の溝からなっていると共に、上記格子状の溝の周辺にはカバープレートの材質にてなる隔壁柱が格子状に立設されているとすることができる。
これにより、格子状の溝の周辺には該溝を形成するときに残ったカバープレートの材質にてなる隔壁柱が格子状に立設されている。このため、パージガス分配室を、例えば、厚みのあるカバープレートのシャワーヘッド側表面の全体に凹部を形成して設け、そこに連通管を新たに設けるよりも強度面で優れたものとなる。
本発明の気相成長装置では、前記シャワーヘッドの原料ガス流路およびカバープレートのプレート原料ガス流路に連通するパージガス分配室の連通管は、前記隔壁柱を貫通して形成されているとすることができる。
これにより、連通管のピッチを小さくできるので、被処理基板の膜質・膜厚の均一性をよくすることができる。すなわち、隔壁柱とは異なる部分に連通管を設けると、隔壁柱の存在により、連通管のピッチを小さくすることができない。
本発明の気相成長装置では、前記シャワーヘッドの原料ガス流路およびカバープレートのプレート原料ガス流路に連通するパージガス分配室の連通管は、カバープレートに形成されたプレートパージガス流路に挿入されているとすることができる。
これにより、原料ガス流路およびプレート原料ガス流路に連通する連通管の周囲に離散的にプレートパージガス流路を配置させるよりも、連通管をカバープレートに形成されたプレートパージガス流路に挿入する方が、隣接するプレート原料ガス流路からの影響を受けずに、原料ガスを均一に効率よく反応させることができる。
本発明の気相成長装置は、以上のように、シャワーヘッドとカバープレートとの間には、パージガスが導入されるパージガス分配室が設けられ、上記パージガス分配室には、上記シャワーヘッドの複数の原料ガス流路と上記カバープレートのプレート原料ガス流路とを互いに連通する連通管が設けられていると共に、上記カバープレートのプレート原料ガス流路を除く領域には、パージガス分配室のパージガスを成長室に供給するプレートパージガス流路が設けられているものである。
本発明の気相成長方法は、以上のように、シャワーヘッドとカバープレートとの間に、パージガスが導入されるパージガス分配室を設け、上記パージガス分配室には、上記シャワーヘッドの複数の原料ガス流路と上記カバープレートのプレート原料ガス流路とを互いに連通する連通管を設けると共に、上記カバープレートのプレート原料ガス流路を除く領域に設けたプレートパージガス流路にて、パージガス分配室のパージガスを成長室に供給して成膜する方法である。
それゆえ、パージガスがシャワーヘッド内部を経由しないで、成長室に吐出されることにより、シャワーヘッドのカバープレート側の表面に原料ガスが付着することがなく、シャワーヘッド作製にかかる時間、手間、およびコストを低減し、かつメンテナンス性に優れた気相成長装置および気相成長方法を提供するという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図8に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、本実施の形態における縦型シャワーヘッド型MOCVD装置からなる気相成長装置10を示す断面模式図である。
上記気相成長装置10は、図1に示すように、内部を大気側と隔離し、気密状態を保持する反応炉2と、被処理基板3を載置する基板保持部材4、および被処理基板3を加熱する基板加熱ヒーター5を有する成長室7と、基板保持部材4と対向する位置に設けられて、被処理基板3に向けて複数の原料ガスを供給する複数の原料ガス流路21bを有するシャワーヘッド20と、シャワーヘッド20の下側に設けられたカバープレート30とによって構成されている。
基板保持部材4は、回転伝達部材6の一端に備え付けられており、回転伝達部材6は、図示しない回転機構によって、自転可能となっている。
被処理基板3の主表面に薄膜を形成させるときは、原料ガスを、シャワーヘッド20の原料ガス流路21bを通じ、カバープレート30の原料ガス吐出孔31cを介して、成長室7へ導入する。このとき、基板加熱ヒーター5によって、基板保持部材4を介して被処理基板3が加熱され、被処理基板3上での成膜化学反応が促進される。これにより、被処理基板3に薄膜が形成される。被処理基板3上を通過した原料ガスは、ガス排出口8から排出される。
次に、シャワーヘッド20、およびカバープレート30の構造について説明する。
図1に示すように、シャワーヘッド20と反応炉2とは、Oリング11によって、気密状態を保持するよう封止されており、これらシャワーヘッド20と反応炉2とは取外し可能なように構成されている。
シャワーヘッド20は、原料ガスを供給するための原料ガス導入口21・21と、原料ガス導入口21・21から供給された原料ガスを原料ガス流路出口21cから均一に供給するためのバッファ層である原料ガス分配室21aと、原料ガス分配室21aから複数に分離された管状の原料ガス流路21bとを有している。また、原料ガス流路21bとシャワーヘッド表面20aとの間に、原料ガス流路21bを温度調整する冷媒分配室としての冷媒流路22が構成されている。
カバープレート30は、昇降機構9によって支えられており、昇降機構9を駆動することによりカバープレート30の着脱を行うことができる。この昇降機構9と図示しない搬送機構とを組み合わせることによって、成長室7を大気開放することなくカバープレート30を搬送することが可能である。なお、カバープレート30は、シャワーヘッド表面20aにねじ等によって固定され、設置されることも可能である。
カバープレート30には、成長室7に原料ガスを供給するための原料ガス吐出孔31cが設けられている。なお、シャワーヘッド20の原料ガスが成長室7に導入されるように、シャワーヘッド20の原料ガス流路21bとカバープレート30のプレート原料ガス流路31bとを連通する連通管31dが後述するパージガス分配室32aに設けられている。そして、原料ガス流路21b、連通管31dおよびプレート原料ガス流路31bの各中心軸は、図示しない当て面を用いて、ほぼ一致するようにアライメントされている。
また、本実施の形態では、原料ガスは、III 族の原料ガスとV族の原料ガスとを用いている。III 族の原料ガスとしては、Ga(ガリウム)およびAl(アルミニウム)をそれぞれ含む、トリメチルガリウム(TMG)とトリメチルアルミニウム(TMA)とを用い、V族の原料ガスとしてはAs(ヒ素)を含むアルシン(AsH)を用いている。また、それそれぞれのキャリアガスとして、水素ガス、および窒素ガスを用いている。そして、これらを事前に混合し、原料ガス導入口21から混合ガスを供給している。
III 族系ガスとしては、その他にIn(インジウム)を含むトリメチルガリウム(TMG)などの有機金属ガスをよく用いることができる。また、V族系ガスとしては、その他にN(窒素)を含むアンモニア(NH)や、P(リン)を含むホスフィン(PH)などを用いることができる。
なお、本実施の形態では、異なる種類の原料ガスである上記III 族の原料ガスとV族の原料ガスとを、一つの原料ガス分配室21aに導入している。しかしながら、本発明では、必ずしもこれに限らず、異なる種類の原料ガスを事前に混合せずに、成長室7までIII 族ガスおよびV族ガスを別々の流路で供給し、成長室7で混合させるタイプや、成長室7の上流で混合室を設けるタイプなどとすることが可能である。これらについては、後述する実施の形態2および実施の形態3に記載する。
ここで、本実施の形態のカバープレート30について、図2を用いてさらに詳しく説明する。図2はカバープレート30の平面図である(図1はA−A´線断面図である)。
図2に示すように、本実施の形態のカバープレート30には、上記シャワーヘッド20の原料ガス流路21bと同軸の位置に連通管31d、および原料ガス吐出孔31cが形成されている。そして、原料ガス吐出孔31c以外の部分に、シャワーヘッド20に接する面に溝加工により形成されたパージガス(キャリアガスなどのように反応に寄与しないガス)分配室32aが設けられている。
本実施の形態では、パージガス分配室32aの形成方法として、厚いカバープレート30のシャワーヘッド20に向かう面に格子状の溝からなる凹部を形成することにより、パージガス分配室32aを形成している。したがって、連通管31dは、角柱状にてなっており、カバープレート30において削り残しの隔壁柱となっている。
なお、パージガス分配室32aの形成方法としては、上述のように、厚いカバープレート30のシャワーヘッド20に向かう面に格子状の溝からなる凹部を形成することにより、パージガス分配室32aを形成する方法の他、厚いカバープレート30のシャワーヘッド20に向かう面の全面に凹部を形成することにより、パージガス分配室32aを形成する方法、シャワーヘッド20の底面においてカバープレート30に向かう面に凹部を形成する方法、さらに、その両方、又はシャワーヘッド20とカバープレート30との外周に立設壁を設ける方法等が考えられる。
また、パージガス分配室32aにおいて、各原料ガス吐出孔31cの間の位置に穴加工により形成されたパージガス吐出孔32cが設置されている。なお、図2では、全ての各原料ガス吐出孔31cの間において、格子状にパージガス分配室32aにパージガス吐出孔32cが存在している。しかし、本発明においては、必ずしもこれに限らず、各原料ガス吐出孔31cの間の一部にパージガス吐出孔32cが存在しないものがあってもよい。
上記パージガス分配室32aへのパージガス供給は、シャワーヘッド20の外環部分にパージガスの図示しないバッファ室を設け、このバッファ室からパージガス分配室32aへと導入管からなるパージガス導入口32を通して供給している。
上記の構成によれば、パージガスは、シャワーヘッド20内部を経由することなく成長室7に導入されるため、シャワーヘッド20の内部にパージガス用の分配室、および流路を設ける必要がなくなり、シャワーヘッド20の内部における冷却媒体の占める割合が維持できる。そのため、冷却効率、成膜レートおよび原料ガスの収率の低下を防止することができる。また、カバープレート30への反応物の付着が軽減でき、さらにメンテナンス性も向上する。
例えば、カバープレート30を用いない構成によるMOCVD装置によって成膜を行うと、シャワーヘッド表面20aに、反応物が付着する。付着した反応物がシャワーヘッド20の原料ガス流路21bに入り込むと、原料ガスの流れが滞るため、成長室7にガス供給が追いつかずに成膜レートが遅くなり、被処理基板3の膜厚や組成比が不均一となる恐れがある。また、発生した反応物が被処理基板3に落下することによって、被処理基板3を損傷する。あるいは落下した反応物が被処理基板3上に存在する部分では、成膜され難く、膜厚が不均一となる恐れがある。
そこで、シャワーヘッド20を着脱可能なカバープレート30にて覆うことによって、反応物が付着した場合、カバープレート30を容易に取り外して洗浄が可能となり、メンテナンス作業が軽減される。カバープレート30の部材としては、メンテナンス時に再利用することを考えると、石英のようなある程度の強度を持つ部材が好ましい。また、再利用しない場合では、モリブデン(Mo)など多少脆弱性のある部材でも使用可能である。
また、カバープレート30には、シャワーヘッド20の保護だけでなく、発生した反応物を被処理基板3上に落下させないように保持する役割も果たす。その場合、カバープレート30の表面粗さを粗くすることによって、反応物をより吸着しやすくなる。また、反応物は温度の高い部分では、吸着しやすくなるため、モリブデン(Mo)や、有機汚染の少ない純度の高い炭素(C)などの断熱性のある部材を用いてもよい。
なお、本発明においては、MOCVD装置を構成する反応炉2、シャワーヘッド20およびその他の部材の形状が図1に示す形状に限定されないことは言うまでもない。
例えば、本実施の形態で使用されるカバープレート30では、図2に示すように、パージガス分配室32aが格子状である。つまり、原料ガス吐出孔31cが格子状に設けられている。これは本発明の一形状であり、パージガス分配室32aを格子状の形状に限定するものではない。本発明は、シャワーヘッド20とカバープレート30との間に設けられた、連通管31dを除く部分をパージガス分配室32aとするものである。
なお、図2では、パージガス分配室32aの形成方法として、厚いカバープレート30のシャワーヘッド20に向かう面に格子状の溝からなる凹部を形成することにより、パージガス分配室32aを形成している。したがって、連通管31dは、カバープレート30において削り残しの角柱状の隔壁柱となっていた。
しかし、本発明では、必ずしもこれに限らず、例えば、図3に示すように、連通管31dを、カバープレート30において削り残しの角柱状の隔壁柱とせずに、削り残しの円筒管の隔壁柱とすることが可能である。
また、図2および図3では、カバープレート30において削り残しの角柱状の隔壁柱又は削り残しの円柱に連通管31dを形成していた。
しかし、連通管31dは、必ずしも削り残しの角柱状33又は削り残しの円柱の隔壁柱33の内部に形成する必要はなく、例えば、図4に示すように、隔壁柱33以外のパージガス分配室32aに設けることが可能である。
これにより、カバープレート30のパージガス分配室32aは、穴のない隔壁柱33にて支持されるので、カバープレート30のパージガス分配室32aの強度を増強することができる。
また、連通管31dを角柱状等の隔壁柱33以外のパージガス分配室32a形成する場合に、図5に示すように、連通管31dをパージガス吐出孔32cの内部に挿入することが可能である。これにより、パージガスは、連通管31dにおける原料ガス吐出孔31cの周囲から上記成長室7に吐出されることになる。この結果、原料ガス流路周辺をパージガスで囲うので、各原料ガス吐出孔31cからの原料ガスが混合し難く、効率良く成長室7内で反応させることができる。
一方、前述したように、パージガス分配室32aの形成方法として、厚いカバープレート30のシャワーヘッド20に向かう面の全面に凹部を形成することにより、パージガス分配室32aを形成する方法等が存在することを述べた。
そして、上述した厚いカバープレート30のシャワーヘッド20に向かう面の全面に凹部を形成する構成においては、図6に示すように、シャワーヘッド20に設けられている管からなる原料ガス流路21bをカバープレート30のパージガス分配室32aにまで延設することが可能である。この結果、この構成では、パージガス分配室32aにまで延設された連通管31dとして機能する原料ガス流路21bにて、パージガス分配室32aでの支持強度を確保することになる。
なお、図6においては、パージガス吐出孔32cは、連通管31dの周囲における隣接する連通管31dの間において+の位置に設けられていたが、必ずしもこれに限らず、例えば、図7に示すように、隣接する連通管31dの間において×の位置である斜めに設けることが可能である。
また、この図6および図7の構成においても、例えば、図8に示すように、シャワーヘッド20に設けられている管からなる原料ガス流路21bをカバープレート30のパージガス分配室32aにまで延設した連通管31dを、パージガス吐出孔32cの内部に挿入することが可能である。これにより、パージガスは、連通管31dにおける原料ガス吐出孔31cの周囲から上記成長室7に吐出されることになる。この結果、原料ガス流路周辺をパージガスにて囲うので、各原料ガス吐出孔31cからの原料ガスが混合し難く、原料ガスを効率良く成長室7内で反応させることができる。
さらに、本実施の形態では、原料ガス吐出孔31cおよびパージガス吐出孔32cがそれぞれ円形である場合について説明したが、本発明においては、原料ガス吐出孔31cおよびパージガス吐出孔32cの形状は特に限定されず、たとえば、矩形又は楕円形などの形状にすることができる。また、本発明においては、原料ガス吐出孔31cおよびパージガス吐出孔32cの形状はそれぞれ同一であってもよく、その少なくとも一部が異なっていてもよい。
このように、本実施の形態の気相成長装置10および気相成長方法では、シャワーヘッド20の原料ガス流路21bの原料ガスは、パージガス分配室32aに設けられた連通管31dを通してカバープレート30のプレート原料ガス流路31bに流れ、このプレート原料ガス流路31bから成長室7に吐出される。従って、シャワーヘッド20のカバープレート30側の表面に原料ガスが付着することはない。
そして、本実施の形態では、シャワーヘッド20とカバープレート30との間に、パージガスが導入されるパージガス分配室32aが設けられているので、パージガスはシャワーヘッド20の内部を経由することなく、成長室7へ吐出される。これにより、シャワーヘッド20の内部にパージガス用の分配室、および流路を設ける必要がなくなり、シャワーヘッド20の内部にパージガス用の分配室、および流路を有するシャワーヘッド作製にかかる時間や手間、コストを削減できる。
さらに、本実施の形態では、カバープレート30のプレート原料ガス流路31bを除く領域には、パージガス分配室32aのパージガスを成長室7に供給するプレートパージガス流路32bが設けられているので、カバープレート30のプレート原料ガス流路31bから吐出される原料ガスの周辺からパージガスが吐出されることになる。このため、カバープレート30の成長室7に面する表面への反応物の付着を防止できる。さらに、成長室7に面するカバープレート30の表面から、プレートパージガス流路32bを経たパージガスが吐出されるため、カバープレート30の表面付近での原料ガス濃度を下げることができ、反応物の付着量が軽減できる。このため、カバープレート30を交換する頻度が減少する。
さらに、カバープレート30は、シャワーヘッド20とは別体に設けられている。このため、カバープレート30の成長室に面するカバープレート30の表面に反応した原料ガスが付着しても、カバープレート30をシャワーヘッド20から取り外すことが可能である。このため、カバープレート30を交換又は洗浄することも可能であるので、メンテナンス性がよくなる。
また、パージガスの導入条件を大きく変えることができるので、より広い範囲での成膜が可能となる。このため、成膜レートや材料効率の良い成膜条件を選択することができる。
さらに、後述する実施の形態2に示すように、異なる原料ガスを別々に導入している場合は、パージガスにより効率的に成長室7内にて混合することができるため、成膜レートおよび材料効率を向上させることができる。
また、例えば、冷媒空間22によって冷却されているシャワープレート21との間に、断熱層となるパージガス分配室32aを設けてパージガスを流すことによって、カバープレート30の表面の温度を上げて、成膜時に成長室7にて発生した浮遊性のフレークを密着させることができる。すなわち、カバープレート30の表面の温度が高い方が、カバープレート30にフレークが吸着され易い。この結果、浮遊性のフレークが被処理基板3上に落下するのを防ぐことができる。また、これにより、被処理基板3の膜厚の均一性を向上させることができる。
以上の結果、パージガスがシャワーヘッド20の内部を経由しないで、成長室7に吐出されることにより、シャワーヘッド20のカバープレート30側の表面に原料ガスが付着することがなく、シャワーヘッド20の作製にかかる時間、手間、およびコストを低減し、かつメンテナンス性に優れた気相成長装置10および気相成長方法を提供することができる。
ここで、例えば、シャワーヘッド20の最も下層に、パージガス分配室を設けるものも考えることができる。しかしながら、この構成は、シャワーヘッド20の強度低下に繋がる。すなわち、強度保持のためにパージガス分配流路のピッチを広くすれば、パージ性が悪くなる。つまり、付着物が付きやすくなる。また、前述したように、冷却多寡による付着増加も生じ、その結果、付着物除去のメンテナンス困難を引き起こす。
このような冷却多寡に対して、本実施の形態では、シャワーヘッド20とカバープレート30とは互いに固定するのではなく、カバープレート30をシャワーヘッド20へ近接又は密着させた状態で下方から支持するので、カバープレート30の交換が容易である。
また、カバープレート30について、適切な熱伝導率の材料のものを選択できる。例えば、熱伝導率コントロールのためにサンドイッチも可能である。この結果、カバープレート30の付着を抑制できる。
ところで、カバープレート30の各プレート原料ガス流路31bの出口における各間は、原料ガスが合流する部分であり、原料ガスが滞留しやすい。このため、原料ガス同士の反応による付着物が生じ易くなる。
そこで、本実施の形態の気相成長装置10では、プレートパージガス流路32bは、カバープレート30の各プレート原料ガス流路31bの間にそれぞれ配置されている。
これにより、カバープレート30のプレートパージガス流路32bから吐出されるパージガスによって、カバープレート30の各プレート原料ガス流路31bの出口付近での原料ガス同士の反応を効果的に抑制できる。このため、カバープレート30への付着物の発生を効果的に抑制できる。
また、本実施の形態の気相成長装置10では、シャワーヘッド20には、原料ガス流路21bの原料ガスを冷却する冷媒を導入する冷媒空間22が設けられている。
これにより、シャワーヘッド20の内部にパージガス用の分配室、および流路を設ける必要がなくなり、シャワーヘッド20の内部における冷却媒体の占める割合が小さくなるのを防止できる。また、原料ガスの温度低下により、被処理基板3以外での反応を防止できる。その結果、冷却効率、成膜レートおよび原料ガスの収率効の低下を防止することができる。
また、本実施の形態の気相成長装置10では、パージガス分配室32aは、厚みのあるカバープレート30のシャワーヘッド側表面に形成した格子状の溝からなっていると共に、上記格子状の溝の周辺にはカバープレート30の材質にてなる隔壁柱33が格子状に立設されているとすることができる。
これにより、格子状の溝の周辺には該溝を形成するときに残ったカバープレート30の材質にてなる隔壁柱33が格子状に立設されている。このため、パージガス分配室32aを、例えば、厚みのあるカバープレート30のシャワーヘッド側表面の全体に凹部を形成して設け、そこに連通管31dを新たに設けるよりも強度面で優れたものとなる。
また、本実施の形態の気相成長装置10では、シャワーヘッド20の原料ガス流路21bおよびカバープレート30のプレート原料ガス流路31bに連通するパージガス分配室32aの連通管31dは、隔壁柱33を貫通して形成されているとすることができる。
これにより、連通管31dのピッチを小さくできるので、被処理基板3の膜質・膜厚の均一性をよくすることができる。すなわち、隔壁柱33とは異なる部分に連通管31dを設けると、隔壁柱33の存在により、連通管31dのピッチを小さくすることができない。
また、本実施の形態の気相成長装置10では、シャワーヘッド20の原料ガス流路21bおよびカバープレート30のプレート原料ガス流路31bに連通するパージガス分配室32aの連通管31dは、カバープレート30に形成されたプレートパージガス流路32bに挿入されているとすることができる。
これにより、原料ガス流路21bおよびプレート原料ガス流路31bに連通する連通管31dの周囲に離散的にプレートパージガス流路32bを配置させるよりも、連通管31dをカバープレート30に形成されたプレートパージガス流路32bに挿入する方が、隣接するプレート原料ガス流路31bからの影響を受けずに、原料ガスを均一に効率よく反応させることができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図9および図10に基づいて説明すると、以下の通りである。
なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の気相成長装置40について、図9および図10に基づいて説明する。図9は縦型シャワーヘッド型MOCVD装置からなる気相成長装置の断面模式図である。また、図10はカバープレート30の平面図である(図9はB−B´線断面図である)。
前記実施の形態1の気相成長装置10は、図1に示すように、異なる種類の原料ガスである上記III 族の原料ガスとV族の原料ガスとを、一つの原料ガス分配室21aに導入していたが、本実施の形態の気相成長装置40は、図9に示すように、異なる種類の原料ガスを事前に混合せずに、成長室7までIII 族ガスおよびV族ガスを別々の流路で供給している点が異なっている。
すなわち、本実施の形態の気相成長装置40では、図9に示すように、シャワーヘッド20には、異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスを成長室7へシャワー状に供給するための2つの第1原料ガス分配室26aおよび第2原料ガス分配室27aが積層して設けられている。そして、上層の第2原料ガス分配室27aからは下層の第1原料ガス分配室26a、および冷媒流路22を貫通する管状の原料ガス流路としての第2原料ガス流路27bが設けられている。また、第1原料ガス分配室26aからは下層の冷媒流路22を貫通する管状の原料ガス流路としての第1原料ガス流路26bが設けられている。
そして、本実施の形態では、第1原料ガス流路26bおよび第2原料ガス流路27bは、パージガス分配室32aに設けられた連通管31d…を介してカバープレート30のプレート第1原料ガス流路36bおよびプレート第2原料ガス流路37bにそれぞれ連通されている。
上記構成の気相成長装置40では、第1原料ガスおよび第2原料ガスのように、異なる種類の原料ガスを分離して成長室7に供給する。また、パージガス(キャリアガスなどのように反応に寄与しないガス)は、カバープレート30の側面のパージガス導入口32から供給され、パージガス分配室32aおよびプレートパージガス流路32bを経て、パージガス吐出孔32cから成長室7に吐出される。さらに、図10に示すように、第1原料ガス吐出孔36cおよび第2原料ガス吐出孔37cの間にパージガス吐出孔32cが形成されている。
従来の気相成長装置では、パージガス層をシャワーヘッドの内部に新たに設ける場合は、冷媒流路での冷却媒体の容積が小さくなるため、冷却効果が落ちる。一方、本実施の形態の気相成長装置40では、パージガスがシャワーヘッド20の内部を経由しないで成長室7に吐出されることによって、シャワーヘッド20の内部の冷媒流路22での冷却媒体の容積を維持できる。このため、冷却効果を落とさずに、パージガスの導入が可能となる。また、原料ガスの分離、およびパージガスの作用によって、カバープレート30の表面での原料ガスの混合が抑制される。これにより、被処理基板3付近以外での反応を阻害することができるため、原料ガスの収率が高まり、成膜レートも速くなる。
さらに、カバープレート30は着脱が容易であるため、メンテナンスも容易となる。
このような原料ガスを分離して供給する構成について、さらに詳しく説明する。
気相成長装置40は、図9に示すように、シャワーヘッド20には、第1原料ガス導入口26および第2原料ガス導入口27が設置されており、それぞれに異なる種類の原料ガスが供給される。さらに、異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスは、それぞれ第1原料ガス分配室26aと第2原料ガス分配室27aとから、それぞれ第1原料ガス流路26b又は第2原料ガス流路27bを通り、パージガス分配室32aの連通管31dを通り、カバープレート30のプレート第1原料ガス流路36bおよびプレート第2原料ガス流路37bを通り、第1原料ガス吐出孔36cおよび第2原料ガス吐出孔37cからそれぞれ成長室7に供給される。
このように、異なる種類の原料ガスを別々に成長室7に供給することによって、シャワーヘッド20付近での反応を避け、シャワーヘッド20表面への反応物の付着を防ぎ、被処理基板3付近以外での反応を軽減することができるため、原料ガスの収率を高めることができる。
さらに、気相成長装置40では、第1原料ガス吐出孔36cおよび第2原料ガス吐出孔37cの間にパージガスを流すことによって、カバープレート30表面への反応物の付着を抑制している。従来の気相成長装置では、パージガスを流すには、各シャワーヘッド流路の間にパージガス流路を設ける必要がある。このため、冷却媒体を通る流路においてもパージガス流路の分だけ余分に形成する必要がある。その結果、シャワーヘッド内部における冷却媒体の占める割合も少なくなるため、冷却効率が落ち、成膜レートおよび原料ガスの収率の低下を引き起こしてしまう。
また、シャワーヘッド内部にパージガス流路を追加する場合、パージガス用の分配室も必要となり、シャワーヘッド作製にかかる時間や手間、コストが大きくなる。
そこで、本実施の形態の気相成長装置40によれば、2種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスを別々に供給するシャワーヘッド20の構成のまま、冷却効率を落とすことなく、パージガスを異なる種類の第1原料ガス吐出孔36cおよび第2原料ガス吐出孔37cの間から容易に供給できる。また、溝および穴加工を行ったカバープレート30とパージガス導入口32を追加するだけでパージガス分配室32a、およびプレートパージガス流路32bを備えられるので、シャワーヘッド内部にパージガス流路を有する3層構造のシャワーヘッド作製に比べ、作製時間や手間、コストも少なく済む。
なお、本実施の形態では、第1原料ガスとしてIII 族原料ガスのTMGおよびTMAとキャリアガスとを供給し、第2原料ガスとしてV族原料ガスのAsHを用いたが、勿論、実施の形態1のように、その他のガスを用いてもよい。
このように、本実施の形態の気相成長装置40では、異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスはシャワーヘッド20内で混合されず、成長室7に吐出後に初めて混合される。このため、カバープレート30のプレート第1原料ガス流路36bおよびプレート第2原料ガス流路37bの出口付近での異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスの反応を軽減できる。また、パージガスの作用により、カバープレート30のプレート第1原料ガス流路36bおよびプレート第2原料ガス流路37bの出口付近での異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスの反応が抑制される。
このため、カバープレート30への付着物の発生を効果的に抑制できると共に、原料ガスの収率を高めることができる。
また、本実施の形態の気相成長装置40では、シャワーヘッド20には、原料ガス流路21bの原料ガスを冷却する冷媒を導入する冷媒空間22が設けられている。
これにより、シャワーヘッド20の内部にパージガス用の分配室、および流路を設ける必要がなくなり、シャワーヘッド20の内部における冷却媒体の占める割合が小さくなるのを防止できる。また、原料ガスの温度低下により、被処理基板3以外での反応を防止できる。その結果、冷却効率、成膜レートおよび原料ガスの収率効の低下を防止することができる。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について、図11および図12に基づいて説明すると、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1および実施の形態2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1および実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図11は、本実施の形態における、縦型シャワーヘッド型MOCVD装置からなる気相成長装置50の断面模式図である。なお、図12はカバープレート30の平面図を示す(図11はC−C´線断面図である)。
前記実施の形態2の気相成長装置40は、異なる種類の原料ガスを事前に混合せずに、成長室7までIII 族ガスおよびV族ガスを別々の流路で供給していたが、本実施の形態の気相成長装置50は、図11に示すように、成長室7へ供給される直前に設けられた混合室28でIII 族ガスおよびV族ガスが混合され、混合原料ガス吐出孔38cから混合された状態で成長室7に供給される点が異なっている。
すなわち、本実施の形態の気相成長装置50では、図11に示すように、第1原料ガス分配室26aおよび第2原料ガス分配室27aまでは実施の形態2の気相成長装置40と同様である。つまり、シャワーヘッド20には、第1原料ガス導入口26および第2原料ガス導入口27が設置されており、それぞれ異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスが供給される。さらに、第1原料ガスおよび第2原料ガスは、それぞれ第1原料ガス分配室26aと第2原料ガス分配室27aとから、第1原料ガス流路26B又は第2原料ガス流路27Bにそれぞれ流れる。
ここで、本実施の形態の気相成長装置50では、第2原料ガス流路出口27Cを、第1原料ガス流路26B内に設けることによって、第1原料ガス流路26B内に第1原料ガスと第2原料ガスとが混合する混合室28が形成される。これによって、異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスは、混合室28で混合される。従って、カバープレート30の表面の混合原料ガス吐出孔38cから供給されるガスは、混合された原料ガスとなる。
このため、本実施の形態の気相成長装置50では、実施の形態2の気相成長装置40と比較して、成長室7内の被処理基板3上で、異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスが均一に混合される。従って、均一な成膜レートと組成比とが期待できる。
一方、このような構成においても、カバープレート30の表面への反応物の付着は効果的に避けられない。
そこで、本実施の形態の気相成長装置50には、パージガス分配室32aには、混合室28からカバープレート30のプレート混合ガス流路38bに連通する連通管31dが設けられており、異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスは、混合室28、連通管31dおよび混合原料ガス吐出孔38cを通して、成長室7に吐出される。そして、混合原料ガス吐出孔38c・38cの間にパージガス吐出孔32cが設けられている。これにより、パージガス吐出孔32cから吐出されるパージガスによって、カバープレート30の表面付近での反応が抑制されるので、カバープレート30の表面付近での反応物付着を防止することができる。また、シャワーヘッド表面20aはパージガス分配室32aとなっており、反応物が付着しない。
さらに、パージガスが、シャワーヘッド20の内部を経由しないで成長室7に導入されるため、シャワーヘッド20の内部における冷却媒体の占める割合が維持される。このため、冷却効率、および原料ガスの収率の低下を防止できる。
なお、本実施の形態では、第1原料ガスとしてIII 族原料ガスのTMGおよびTMAとキャリアガスとを供給し、第2原料ガスとしてV族原料ガスのAsH用いたが、勿論、実施の形態1のように、その他のガスを用いてもよい。
このように、本実施の形態の気相成長装置50では、上層の第2原料ガス分配室27aから下層の第1原料ガス分配室26aを貫通する管状の原料ガス流路は、内管と外管とからなる多重管として同軸上にそれぞれ形成されている。
これにより、異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスの管状の原料ガス流路が同軸上に設けられているため、被処理基板3上で、より均一に、異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスが混合される。また、異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスは成長室7への吐出直前に初めて混合されるため、混合は未だ不十分であり、カバープレート30の混合原料ガス吐出孔38c・38cの出口付近での異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスの反応を軽減できる。また、パージガスの作用により、カバープレート30の混合原料ガス吐出孔38c・38cの出口付近での異なる種類の第1原料ガスおよび第2原料ガスの反応が抑制されている。
これにより、均一な成膜レートおよび組成比を得ることができると共に、カバープレート30への付着物の発生を効果的に抑制できる。
また、本実施の形態の気相成長装置50では、シャワーヘッド20には、原料ガス流路21bの原料ガスを冷却する冷媒を導入する冷媒空間22が設けられている。
これにより、シャワーヘッド20の内部にパージガス用の分配室、および流路を設ける必要がなくなり、シャワーヘッド20の内部における冷却媒体の占める割合が小さくなるのを防止できる。また、原料ガスの温度低下により、被処理基板3以外での反応を防止できる。その結果、冷却効率、成膜レートおよび原料ガスの収率効の低下を防止することができる。
本発明は上述した実施の形態1〜3に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、シャワープレート上部の空間に周辺部よりガスを導入し、シャワープレートの複数のガス吐出孔から基板表面に原料ガスを供給するシャワープレートを用いた縦型のMOCVD装置等の気相成長装置および気相成長方法に利用できる。
本発明における気相成長装置の実施の一形態を示すものであって、気相成長装置の構成を示すものであり、図2のA−A´線断面図である。 上記気相成長装置におけるカバープレートの構成を示す平面図である。 上記気相成長装置におけるカバープレートの変形例の構成を示すものであり、表面に格子状の溝を形成してパージガス分配室を設けたカバープレートを示す平面図である。 上記気相成長装置におけるカバープレートの他の変形例の構成を示すものであり、表面に格子状の溝を形成してパージガス分配室を設けたカバープレートを示す平面図である。 上記気相成長装置におけるカバープレートのさらに他の変形例の構成を示すものであり、表面に格子状の溝を形成してパージガス分配室を設けたカバープレートを示す平面図である。 上記気相成長装置におけるカバープレートのさらに他の変形例の構成を示すものであり、表面の全体に凹部を形成してパージガス分配室を設けたカバープレートを示す平面図である。 上記気相成長装置におけるカバープレートのさらに他の変形例の構成を示すものであり、表面の全体に凹部を形成してパージガス分配室を設けたカバープレートを示す平面図である。 上記気相成長装置におけるカバープレートのさらに他の変形例の構成を示すものであり、表面の全体に凹部を形成してパージガス分配室を設けたカバープレートを示す平面図である。 本発明における気相成長装置の他の実施の形態を示すものであって、気相成長装置の構成を示すものであり、図10のB−B´線断面図である。 上記気相成長装置におけるカバープレートの構成を示す平面図である。 本発明における気相成長装置のさらに他の実施の形態を示すものであって、気相成長装置の構成を示すものであり、図12のC−C´線断面図である。 上記気相成長装置におけるカバープレートの構成を示す平面図である 従来の気相成長装置を示す断面図である。 特許文献1に記載の気相成長装置のカバープレートを示す断面図である。 特許文献2に記載の気相成長装置のシャワーヘッドを示す断面図である。 特許文献3に記載の気相成長装置のシャワーヘッドを示す平面図である。 上記特許文献3に記載の気相成長装置を示す断面図である。 特許文献4に記載の気相成長装置を示す断面図である。
符号の説明
2 反応炉
3 被処理基板
4 基板保持部材
5 加熱ヒーター
6 回転伝達部材
7 成長室
8 ガス排出口
9 昇降機構
10 相成長装置
11 Oリング
20 シャワーヘッド
20a シャワーヘッド表面
21 原料ガス導入口
21a 原料ガス分配室
21b 原料ガス流路
21c 原料ガス流路出口
22 冷媒流路(冷媒分配室)
26 第1原料ガス導入口
26a 第1原料ガス分配室
26b 第1原料ガス流路
26B 第1原料ガス流路
26c 第1原料ガス流路出口
27 第2原料ガス導入口
27a 第2原料ガス分配室
27b 第2原料ガス流路
27B 第2原料ガス流路
27c 第2原料ガス流路出口
27C 第2原料ガス流路出口
28 混合室
30 カバープレート
31b プレート原料ガス流路
31c 原料ガス吐出孔
31d 連通管
32 パージガス導入口
32a パージガス分配室
32b プレートパージガス流路
32c パージガス吐出孔
33 隔壁柱
36b プレート第1原料ガス流路
36c 第1原料ガス吐出孔
37b プレート第2原料ガス流路
37c 第2原料ガス吐出孔
38b プレート混合原料ガス流路
38c 混合原料ガス吐出孔
40 気相成長装置
50 気相成長装置

Claims (9)

  1. 成長室内に設けられた被処理基板に対して原料ガスをシャワー状に供給するために複数の原料ガス流路を有するシャワーヘッドと、上記シャワーヘッドの被処理基板側に設けられかつ上記シャワーヘッドの原料ガス流路の出口の対向位置にプレート原料ガス流路を有するカバープレートとを備えた気相成長装置において、
    上記シャワーヘッドとカバープレートとの間には、パージガスが導入されるパージガス分配室が設けられ、
    上記パージガス分配室には、上記シャワーヘッドの複数の原料ガス流路と上記カバープレートのプレート原料ガス流路とを互いに連通する連通管が設けられていると共に、
    上記カバープレートのプレート原料ガス流路を除く領域には、パージガス分配室のパージガスを成長室に供給するプレートパージガス流路が設けられていることを特徴とする気相成長装置。
  2. 前記プレートパージガス流路は、前記カバープレートの各プレート原料ガス流路の間にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
  3. 前記シャワーヘッドには、異なる種類の複数の原料ガスを成長室へシャワー状に供給するための2以上の原料ガス分配室が積層して設けられていると共に、上層の原料ガス分配室からは該上層の原料ガス分配室よりも下層の原料ガス分配室を貫通する管状の原料ガス流路がそれぞれ設けられ、
    各原料ガス流路は、前記パージガス分配室に設けられた連通管を介して前記カバープレートのプレート原料ガス流路にそれぞれ連通されていることを特徴とする請求項1又は2記載の気相成長装置。
  4. 前記上層の原料ガス分配室から該上層の原料ガス分配室よりも下層の原料ガス分配室を貫通する管状の原料ガス流路は、内管と外管とからなる多重管として同軸上にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項3記載の気相成長装置。
  5. 前記シャワーヘッドには、原料ガス流路の原料ガスを冷却する冷媒を導入する冷媒分配室が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  6. 前記パージガス分配室は、厚みのあるカバープレートのシャワーヘッド側表面に形成した格子状の溝からなっていると共に、上記格子状の溝の周辺にはカバープレートの材質にてなる隔壁柱が格子状に立設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  7. 前記シャワーヘッドの原料ガス流路およびカバープレートのプレート原料ガス流路に連通するパージガス分配室の連通管は、前記隔壁柱を貫通して形成されていることを特徴とする請求項6記載の気相成長装置。
  8. 前記シャワーヘッドの原料ガス流路およびカバープレートのプレート原料ガス流路に連通するパージガス分配室の連通管は、カバープレートに形成されたプレートパージガス流路に挿入されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  9. 複数の原料ガス流路を有するシャワーヘッドから原料ガスを、該シャワーヘッドにおける原料ガス流路の出口の対向位置にプレート原料ガス流路を有するカバープレートを介して成長室内に設けられた被処理基板にシャワー状に供給して成膜する気相成長方法であって、
    上記シャワーヘッドとカバープレートとの間に、パージガスが導入されるパージガス分配室を設け、
    上記パージガス分配室には、上記シャワーヘッドの複数の原料ガス流路と上記カバープレートのプレート原料ガス流路とを互いに連通する連通管を設けると共に、
    上記カバープレートのプレート原料ガス流路を除く領域に設けたプレートパージガス流路にて、パージガス分配室のパージガスを成長室に供給して成膜することを特徴とする気相成長方法。
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