JP5025442B2 - タイヤ形状検査方法とその装置 - Google Patents
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Description
一方、図6に示すように、タイヤサイド部50Kの文字71が形成されている部分にデザインとして、ローレット加工を施す場合がある。上記のように、文字71は上記教師画像を用いて除去できるが、通常、上記教師画像には、ローレット加工部分72に関する情報がないため、上記ローレット加工部分72を除去することが困難であった。その結果、上記ローレット加工部分72とこのローレット加工部分72の近傍にある汚れや傷などとを区別することができず、誤判定の原因となっていた。
本願の請求項1に記載の発明は、タイヤの形状を検査する方法であって、ローレット加工が施されたタイヤサイド部表面の画像を採取するステップと、このタイヤサイド部の画像をフーリエ変換するステップと、上記フーリエ変換された画像のタイヤ周方向に沿ったフーリエ成分とタイヤ幅方向に沿ったフーリエ成分とが1つの直線上にあり、かつ、上記2つのフーリエ成分が上記直線上において所定の形状でかつ所定の間隔で出現するときに、上記フーリエ成分を上記ローレット加工部分に対応するフーリエ成分であるとしてこれを除去するステップと、上記ローレット加工部分に対応するフーリエ成分が除去された画像を逆フーリエ変換してローレット加工部分が除去されたタイヤサイド部の画像を得るステップと、上記ローレット加工部分が除去された画像と基準となるタイヤサイド部の画像とを比較して当該タイヤの形状の良否を判定するステップ、とを備えたこと特徴とするものである。
なお、フーリエ成分は、実画像をフーリエ変換した時のピークの周波数成分で、上記ピークが幅を持っている場合には、上記ピーク周波数を含む上記ピーク幅の周波数領域を含む周波数成分(領域)を指す。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤ形状検査方法において、上記直線上のフーリエ成分の形状が十字形であるときに、上記フーリエ成分をローレット加工部分に対応するフーリエ成分であると判定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のタイヤ形状検査方法において、上記ローレット部分が除去されたタイヤサイド部の画像の各画素データに対して、2値化処理を行って、上記ローレット加工部分の残像を除去するようにしたものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のタイヤ形状検査装置において、上記ローレット部分除去手段は、上記直線上のフーリエ成分の形状が十字形であるときに、上記フーリエ成分をローレット加工部分に対応するフーリエ成分であると特定する手段を備えていることを特徴とするものである。
図1は本最良の形態に係るローレット加工部分を除去するための画像処理手段20の機能ブロック図で、図2は、この画像処理手段20を用いたタイヤ形状検査装置の概要を示す図である。各図において、11は検査対象であるタイヤ10をタイヤ軸周りに回転させる回転装置、12は上記回転するタイヤ10の回転角を検出する回転角検出手段、13は上記タイヤ10のサイド部10Kに当該タイヤ10の周方向と直交する方向に延長するスリット光を照射する投光手段、14は上記スリット光の照射されたタイヤ表面の映像(スリット像)を撮影するCCDカメラ(エリアカメラ)、15は上記スリット光の照射角度と上記スリット像Sの撮影角度との位置関係、及び、上記座標変換されたスリット像の2次元標と上記回転角検出手段12で検出したタイヤ回転角とから、上記スリット像の3次元座標を演算する座標演算手段、16は上記座標変換されたスリット像の3次元座標を繋ぎ合せて、サイド部10Kのタイヤ1周分の画像を構成するタイヤ形状画像構成手段、17は上記タイヤ形状画像構成手段16で得られたタイヤサイド部10Kの画像と、記憶手段18に予め記憶しておいた正常なタイヤのサイド部の形状を画像化した検査画像Gとを比較して、当該タイヤ10の形状の良否を判定するタイヤ形状判定手段である。
なお、上記検査画像Gにはローレット加工部分はないものとする。
本例では、上記タイヤ形状画像構成手段16の後段で、上記タイヤ形状判定手段17の前段に、ローレット加工部分を除去するための画像処理手段20を設け、上記タイヤ形状画像構成手段16で得られたタイヤサイド部10Kの画像からローレット加工部分を除去した画像を作成し、これを上記タイヤ形状判定手段17に送るようにしている。
これにより、タイヤ形状判定手段17では、上記ローレット加工部分を除去した画像と上記検査画像Gとを比較することができるので、ローレット加工部分があるために判別が難しかった汚れや傷、あるいは、文字等を確実に検出することができる。
画像入力部21は、上記タイヤ形状画像構成手段16で得られたタイヤサイド部10Kの3次元の画像データ(以下、実画像という)を入力してフーリエ変換画像作成部22に送る。フーリエ変換画像作成部22では、上記実画像をフーリエ変換して、フーリエ変換画像を作成する。ローレット成分特定部23は、フーリエ変換画像上に現われるローレット加工部分10Rに起因するピークを特定する。ローレット成分除去部24は、上記フーリエ変換画像から上記ローレット成分特定部23で特定されたピークを除去する。逆フーリエ変換部25では、上記ローレット加工部分10Rに起因するピークが除去されたフーリエ変換画像に逆フーリエ変換処理を施して、実画像を得る。画像出力部26では、上記ローレット加工部分10Rに起因するピークが除去された実画像を上記タイヤ形状判定手段17に出力する。
まず、回転装置11により計測するタイヤ10を回転させる。そして、投光手段13から、上記タイヤ10のサイド部10Kにスリット光を照射しながら、CCDカメラ14により、上記サイド部10Kのスリット像Sを撮影する。
上記撮影されたスリット像Sの画像データは座標演算手段15に送られる。座標演算手段15では、従来の光切断法と同様の手法により、上記スリット光の照射角度と、上記スリット像Sの撮影角度との位置関係と上記回転角検出手段12で検出したタイヤ回転角とから、上記タイヤ10のスリット像の3次元座標を演算してこれをタイヤ形状画像構成手段16に送る。
タイヤ形状画像構成手段16では、タイヤの所定の回転角度毎のスリット像の3次元座標を合成して、タイヤサイド部10Kの立体画像を作成する。
図3は画像処理手段20の画像入力部21に入力された、上記実画像中のローレット加工部分10Rの一例を示す図である。同図において、右方向(+x軸方向)がタイヤ周方向、下方向(+y方向)がタイヤ径方向で、紙面に垂直な方向がタイヤサイド面に垂直な方向である。この例のローレット加工部分10Rは、y軸方向に進行する波型の模様がx軸方向に所定の間隔で形成されているローレット模様になっている。
フーリエ変換画像作成部22では、上記入力された実画像をフーリエ変換し、図4に示すような、フーリエ変換画像を作成する。上記ローレット加工部分10Rは、図3に示すように、その断面をみると、x軸に沿ってもy軸に沿っても、タイヤサイド面から突出して、先端に行くに従って幅の狭くなる形状の突起部30を有している。このローレット加工部分10Rの突起部30は、x軸方向とy軸方向とにそれぞれ周期的に形成されており、x軸方向には間隔mで、y軸方向には間隔nで並んでいる。この画像を、まず、各行毎、すなわち、x軸方向に沿ったライン毎に1次元フーリエ変換し、次にその結果を各列毎と、すなわち、y軸に沿ったライン毎に1次元フーリエ変換すると、図4に示すような、上記間隔mに対応する周波数、及び、間隔nに対応する周波数にそれぞれピークを有する2次元フーリエ変換されたローレット加工部分10Rの振幅特性画像が得られる。なお、上記突起部30の形状は、単一の正弦波では近似できないので、フーリエ変換すると、x軸方向、y軸方向ともに、基本波のピークの他に、2倍波のピーク、3倍波のピーク、……が出現する。
ここで、上記フーリエ変換画像の+x軸は、上記実画像を+x方向にスキャンしたときにピークが出現する周波数を示し、−x軸は、上記実画像を−x方向にスキャンしたときにピークが出現する周波数を示す。また、+y軸は、上記実画像を+y方向にスキャンしたときにピークが出現する周波数を示し、−y軸は、上記実画像を−y方向にスキャンしたときにピークが出現する周波数を示す。なお、スキャン速度は、タイヤサイド部10Kを撮影したときのタイヤの回転速度としてもよいし、これとは別に任意に設定してもよいが、x軸方向のスキャン速度とy軸方向のスキャン速度は同じにすることが好ましい。これにより、フーリエ変換画像の上記直線の傾きが実画像のA部もしくはB部の傾きと同じになる。
したがって、図3の符号Aで示すローレット模様の角度αで右下がりに延長している部分(以下、A部という)に対応するピークは、上記Aの傾きαに相当する傾きを有する直線(図4の実線で示す右上がりの直線)上に離散的に現れ、符号Bで示すローレット模様の右上がりの部分(以下、B部という)に対応するピークは、上記Bの傾きに相当する直線(図4の破線で示す左上がりの直線)上に離散的に現れる。
また、ローレット模様の特徴として、上記ピークは周波数幅を有するので、ローレット加工部分10Rに起因するピークは、上記直線上に、十字形状で、かつ、所定の周波数間隔(詳細には、基本波の周波数に等しい周波数間隔)で離散的に現れる。また、上記十字の大きさは周波数が高い方ほど小さい。
逆フーリエ変換部25では、上記ローレット加工部分10Rに起因するピークが除去されたフーリエ変換画像に逆フーリエ変換処理を施して、実画像を得る。この実画像は上記ローレット加工部分10Rに起因するピークが除去されている。したがって、この画像を画像出力部26からタイヤ形状判定手段17に出力し、タイヤ形状判定手段17にて、上記ローレット加工部分を除去した画像と上記記憶手段18に記憶されている検査画像Gとを比較することができるので、ローレット加工部分があるために判別が難しかった汚れや傷、あるいは、文字等を確実に検出することができる。
また、上記例では、逆フーリエ変換処理を施して得られた実画像を用いて、タイヤサイド部の形状の良否を判定するようにしたが、ローレット模様によっては上記実画像にローレット模様の残像が残ることがある。この場合には、上記実画像に2値化処理して上記残像を消去した後、タイヤサイド部の形状の良否を判定することが好ましい。
また、上記例では、タイヤサイド部の画像からローレット加工部分を除去する方法について説明したが、本発明は、タイヤサイド部の画像に限らず、上記ローレット加工部分のような、様々な周期性のパターンを有する画像から上記周期性のパターンを除去する場合にも適用可能である。
11 回転装置、12 回転角検出手段、13 投光手段、14 CCDカメラ、
15 座標演算手段、16 タイヤ形状画像構成手段、17 タイヤ形状判定手段、
18 記憶手段、20 画像処理手段、21 画像入力部、
22 フーリエ変換画像作成部、23 ローレット成分特定部、
24 ローレット成分除去部、25 逆フーリエ変換部、26 画像出力部。
Claims (5)
- ローレット加工が施されたタイヤサイド部表面の画像を採取するステップと、
このタイヤサイド部の画像をフーリエ変換するステップと、
上記フーリエ変換された画像のタイヤ周方向に沿ったフーリエ成分とタイヤ幅方向に沿ったフーリエ成分とが1つの直線上にあり、かつ、上記2つのフーリエ成分が上記直線上において所定の形状でかつ所定の間隔で出現する場合に、上記フーリエ成分を上記ローレット加工部分に対応するフーリエ成分であるとしてこれを除去するステップと、
上記ローレット加工部分に対応するフーリエ成分が除去された画像を逆フーリエ変換してローレット加工部分が除去されたタイヤサイド部の画像を得るステップと、
上記ローレット加工部分が除去された画像と基準となるタイヤサイド部の画像とを比較して当該タイヤの形状の良否を判定するステップ、
とを備えたこと特徴とするタイヤ形状検査方法。 - 上記直線上のフーリエ成分の形状が十字形である場合に、上記フーリエ成分をローレット加工部分に対応するフーリエ成分であると判定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ形状検査方法。
- 上記ローレット部分が除去されたタイヤサイド部の画像の各画素データに対して、2値化処理を行って、上記ローレット加工部分の残像を除去するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ形状検査方法。
- ローレット加工が施されたタイヤサイド部表面の凹凸の画像を撮影する撮像手段と、上記撮像手段で撮影された画像を入力して画像処理する画像処理手段と、この画像処理されたタイヤサイド部表面の凹凸の画像と基準となる画像と比較してその形状の良否を検査する検査手段とを備えたタイヤ形状検査装置であって、上記画像処理手段は、上記入力されたタイヤサイド部の画像をフーリエ変換する手段と、このフーリエ変換された画像からローレット加工部分に対応するフーリエ成分を除去するローレット部分除去手段と、上記ローレット加工部分に対応するフーリエ成分が除去された画像を逆フーリエ変換してローレット加工部分が除去されたタイヤサイド部の画像を出力する手段とを備えており、上記ローレット部分除去手段は、タイヤ周方向に沿ったフーリエ成分とタイヤ幅方向に沿ったフーリエ成分とが1つの直線上にあり、かつ、上記2つのフーリエ成分が上記直線上において所定の形状でかつ所定の間隔で出現するときに、上記フーリエ成分を上記ローレット加工部分に対応するフーリエ成分であるとしてこれを除去することを特徴とするタイヤ形状検査装置。
- 上記ローレット部分除去手段は、上記直線上のフーリエ成分の形状が十字形である場合に、上記フーリエ成分をローレット加工部分に対応するフーリエ成分であると特定する手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載のタイヤ形状検査装置。
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