JP5357572B2 - 外観検査方法および外観検査装置 - Google Patents

外観検査方法および外観検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、被検査物に生じるクラックを画像処理技術により検出する外観検査方法および外観検査装置に関するものである。
従来から、TVカメラのような撮像手段を用いて取得した画像に対して、コンピュータによる画像処理を施すことによって、画像内に撮像された被検査物の外観を検査する技術が知られている。たとえば、撮像手段により被検査物を含む空間領域を撮像した後、撮像手段により得られた濃淡画像である原画像の各画素の濃淡レベル(濃度)の変化を利用して被検査物の輪郭線を含むエッジ画像を生成し、さらに、原画像とエッジ画像とから被検査物の輪郭線の内側領域を対象として、被検査物の欠け、クラック、異物(ごみ)などの有無を検査する技術がある(特許文献1参照)。
特許文献1に記載された技術では、エッジ画像の中で検査領域の境界線上に検査スタートポイントを設定するとともに、検査スタートポイントを通り直線状かつ一定幅である検出エリアを設定し、検出エリアを検査スタートポイントの周りで回転させている。すなわち、検出エリアを検査領域の中で回転走査させている。
被検査物にクラックが生じているか否かは、検出エリアを回転走査したときの各位置で検出エリア内の画素の微分絶対値および微分方向値を用いることにより判断している。すなわち、微分絶対値が規定値を超えかつ微分方向値が検出エリアの角度に対して所定の角度範囲である画素が検出エリア内に存在するときに当該画素を欠陥候補点とし、検出エリア内で欠陥候補点の総数と欠陥候補点の微分絶対値の総和とがともに規定したしきい値を超えるときに、被検査物にクラックが存在すると判断している。
特許文献1には、上述の技術で検出されたクラックについて、さらに確実な判断を行うために、クラックの連続性を検証する技術も記載されている。すなわち、検査領域を複数個の分割エリアに分割し、クラックと判断された画素群が複数の分割エリアにまたがって存在しているか否かを検証している。
特開2007−147407号公報
ところで、特許文献1には、矩形状の分割エリアを検査領域に入れ子状に配置すること、横方向に延長されたクラックを検出するために検査領域を横方向に分割すること、縦方向に延長されたクラックを検出するために検査領域を縦方向に分割すること、縦方向に延長されたクラックと横方向に延長されたクラックとをともに検出するために検査領域を縦横両方向に分割することが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、クラックの発生方向に応じて分割エリアの分割方法を経験的に定めており、クラックにかかわりなく適切な分割エリアを自動的に設定することは考慮されていない。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、被検査物にクラックが生じているときにクラックの連続性の検証により確実に検出するとともに、クラックの連続性を検証するのに必要な分割エリアを自動的に設定することで、省力化を図った外観検査方法および外観検査装置を提供することにある。
請求項1の発明は、外観検査方法であって、被検査物の濃淡画像である原画像から生成したエッジ画像に対して設定した検査領域の境界線上に検査スタートポイントを設定する第1ステップと、検査スタートポイントを通る直線状かつ一定幅に設定した検出エリアを検査領域内において検査スタートポイントの周りで検出エリアを回転走査させるとともに検出エリアの各位置においてクラック候補となる画素群を抽出する第2ステップと、検査スタートポイントを通り検査領域を複数個の小区画に分割する補助分割線を設定するとともに補助分割線上の複数個の分割点を通る分割線により各小区画をそれぞれ異なる方向に分割した分割エリアを生成する第3ステップと、複数の分割エリアのうちの規定個数以上にまたがるクラック候補が存在するときに当該クラック候補をクラックと判定する第4ステップとを有することを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記分割線は、前記検査スタートポイントを中心とする多角形の輪郭線の一部であることを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項1の発明において、前記検査領域は矩形状であって前記検査スタートポイントは検査領域の1つの頂点に設定され、前記第3ステップでは、検査スタートポイントを通り前記エッジ画像の垂直軸に対して45度で交差する前記補助分割線により検査領域を2個の小区画に分割するとともに、補助分割線に設定した複数個の分割点から検査スタートポイントを挟む検査領域の2辺にそれぞれ下ろした垂線により検査領域を複数の分割エリアに分割することを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項1の発明において、前記検査領域は矩形状であって前記検査スタートポイントは検査領域の1つの頂点に設定され、前記第3ステップでは、検査スタートポイントを通る検査領域の対角線を前記補助分割線として補助分割線により検査領域を2個の小区画に分割するとともに、補助分割線に設定した複数個の分割点から検査スタートポイントを挟む検査領域の2辺にそれぞれ下ろした垂線により検査領域を複数の分割エリアに分割することを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項1の発明において、前記検査領域は矩形状であって前記検査スタートポイントは検査領域の一辺上に設定され、前記第3ステップでは、検査スタートポイントを通り検査領域の対辺の両端点とを結ぶ2本の直線をそれぞれ前記補助分割線として2本の補助分割線により検査領域を3個の小区画に分割するとともに、各補助分割線に設定した複数個の分割点から検査領域の残りの2辺に下ろした垂線と、各補助分割線上の分割点の間を結ぶ直線とにより検査領域を複数の分割エリアに分割することを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項3〜5のいずれかの発明において、前記検査スタートポイントを中心とする複数個の同心円と前記補助分割線との交点を前記分割点とすることを特徴とする。
請求項7の発明では、請求項3〜5のいずれかの発明において、前記分割エリアは、前記小区画ごとに分割数が設定されることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかの発明において、前記第2ステップでは、前記検出エリアを回転させる角度の範囲が、前記検査領域内において指定された範囲であることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれかの発明において、前記第1ステップでは、前記検査領域に前記検査スタートポイントが複数個設定され、各検査スタートポイントごとに前記分割エリアが設定されることを特徴とする。
請求項10の発明は、外観検査方法であって、被検査物の濃淡画像である原画像から生成したエッジ画像に対して設定した検査領域の境界線上に検査スタートポイントを設定する第1ステップと、検査スタートポイントを通る直線状かつ一定幅に設定した検出エリアを検査領域内において検査スタートポイントの周りで検出エリアを回転走査させるとともに検出エリアの各位置においてクラック候補となる画素群を抽出する第2ステップと、検査スタートポイントを中心とする異なる径の複数個の円弧からなる分割線により検査領域内を分割した分割エリアを生成する第3ステップと、複数の分割エリアのうちの規定個数以上にまたがるクラック候補が存在するときに当該クラック候補をクラックと判定する第4ステップとを有することを特徴とする。
請求項11の発明は、外観検査装置であって、被検査物の濃淡画像を撮像する撮像手段と、撮像手段により得られた濃淡画像からエッジ画像を生成するエッジ画像生成部と、エッジ画像内に検査領域を設定する検査領域設定部と、検査領域の境界線上に検査スタートポイントを設定する検査スタートポイント設定部と、検査スタートポイントを通る直線状かつ一定幅の検出エリアを設定し検査スタートポイントを中心として検出エリアを検査領域の範囲内で回転走査させるとともに検出エリアの各位置においてクラック候補となる画素群を抽出する処理部と、検査スタートポイントを通り検査領域を複数個の小区画に分割する補助分割線を設定するとともに補助分割線上の複数個の分割点を通る分割線により各小区画をそれぞれ異なる方向に分割した分割エリアを生成する分割エリア生成部と、複数の分割エリアのうちの規定個数以上にまたがるクラック候補が存在するときに当該クラック候補をクラックと判定するクラック判定部とを備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、検査スタートポイントの周りで幅狭の検出エリアを回転走査することにより検出されるクラック候補について、連続性の検証によりクラックであるか否かを確認する際に、検査スタートポイントを通り検査領域を複数個の小区画に分割する補助分割線を設定し、補助分割線上の複数個の分割点を通る分割線により各小区画をそれぞれ異なる方向に分割した分割エリアを生成し、クラック候補が規定個数以上の分割エリアにまたがるときに、当該クラック候補をクラックと判定するので、クラック候補がクラックか否かを確認するために設定する分割エリアを経験的に設定することなく自動的に設定することが可能になり、分割エリアの設定作業の省力化が可能になる。また、分割エリアを一定のルールに従って自動的に生成することができるから、クラックか否かの判定精度にばらつきがなく、再現性よくクラックを検出することができる。さらに、クラック候補の延長方向によらず分割エリアの分割数がほぼ等しくなるから、クラック候補の延長方向にかかわりなくクラックの連続性をほぼ同精度で検証することが可能になる。
請求項2の発明によれば、検査スタートポイントを中心とする多角形の輪郭線の一部を分割線に用いているから、円弧の一部を分割線に用いる場合に比較すれば、方向性が生じるものの判定が容易であって負荷の少ない処理が可能になる。
請求項3の発明によれば、検査領域を45度方向の補助分割線で2個の小区画に分割するとともに、小区画ごとに分割方向を異ならせた分割エリアを設定しているから、クラック候補の延長方向によらず、ほぼ同精度でクラックの連続性を判定することができる。
請求項4の発明によれば、検査領域を対角線である補助分割線で2個の小区画に分割するとともに、小区画ごとに分割方向を異ならせた分割エリアを設定しているから、クラック候補の延長方向によらず、ほぼ同精度でクラックの連続性を判定することができる。しかも、対角線を補助分割線に用いているから、補助分割線の設定が容易である。
請求項5の発明によれば、検査領域を2本の補助分割線で3個の小区画に分割するとともに、小区画ごとに分割方向を異ならせた分割エリアを設定しているから、クラック候補の延長方向によらず、ほぼ同精度でクラックの連続性を判定することができる。しかも、3個の小区画に分割することによって、検査領域の一辺上の検査スタートポイント付近から延長されたクラックについて連続性を精度よく判定することができる。
また、請求項3〜5の発明では、検査領域が矩形状であり、直線状の補助分割線により検査領域を2〜3個の小区画に分割しているから、クラックの連続性の判定が容易であり、処理負荷の小さい高速な判断が可能になる。
請求項6の発明によれば、補助分割線上の分割点を検査スタートポイントを中心とした複数個の同心円により規定しているから、分割線を幾何学的に設定することができ、被検査物ごとの検査精度のばらつきを防止できる。
請求項7の発明によれば、小区画ごとに分割数を設定しているから、クラック候補の延長方向によらず、クラックの連続性を検証する精度が一定になるように分割数を規定することが可能になる。あるいはまた、クラック候補の延長方向に応じて、クラックの連続性を検証する精度を異ならせるように分割数を設定することも可能である。
請求項8の発明によれば、検出エリアの回転操作の範囲を制限することができるから、不要な範囲についてクラック候補を検出することによる誤検出の可能性を低減することができる。
請求項9の発明によれば、検査スタートポイントを検査領域に複数個設定することにより、1個の検査領域で複数のクラックについて検査することが可能になる。
請求項10の発明によれば、
検査スタートポイントの周りで幅狭の検出エリアを回転走査することにより検出されるクラック候補について、連続性の検証によりクラックであるか否かを確認する際に、検査スタートポイントを中心とする径の異なる複数個の円弧を分割線に用いて検査領域を複数の分割エリアに分割し、クラック候補が規定個数以上の分割エリアにまたがるときに、当該クラック候補をクラックと判定するので、クラック候補がクラックか否かを確認するために設定する分割エリアを経験的に設定することなく自動的に設定することが可能になり、分割エリアの設定作業の省力化が可能になる。また、分割エリアを一定のルールに従って自動的に生成することができるから、クラックか否かの判定精度にばらつきがなく、再現性よくクラックを検出することができる。しかも、分割線が検査スタートポイントを中心とする円弧の一部であるから、検査領域の中でクラックの連続性を方向性なく検出することができる。さらに、クラック候補の延長方向によらず分割エリアの分割数がほぼ等しくなるから、クラック候補の延長方向にかかわりなくクラックの連続性をほぼ同精度で検証することが可能になる。
請求項11の発明の構成によれば、検査スタートポイントの周りで幅狭の検出エリアを回転走査することにより検出されるクラック候補について、連続性の検証によりクラックであるか否かを確認する際に、検査スタートポイントを通り検査領域を複数個の小区画に分割する補助分割線を設定するとともに、補助分割線上の複数個の分割点を通る分割線により各小区画をそれぞれ異なる方向に分割した分割エリアを生成し、さらに、クラック候補が規定個数以上の分割エリアにまたがるときに、当該クラック候補をクラックと判定するので、クラック候補がクラックか否かを確認するために設定する分割エリアを経験的に設定することなく自動的に設定することが可能になり、分割エリアの設定作業の省力化が可能になる。また、分割エリアを一定のルールに従って自動的に生成することができるから、クラックか否かの判定精度にばらつきがなく、再現性よくクラックを検出することができる。また、クラック候補の延長方向によらず分割エリアの分割数がほぼ等しくなるから、クラック候補の延長方向にかかわりなくクラックの連続性をほぼ同精度で検証することが可能になる。
実施形態を示すブロック図である。 同上における検査スタートポイントの概念を示す図である。 同上における検出エリアの概念を示す図である。 同上における分割エリアの設定例を示す図である。 同上における分割エリアの別の設定例を示す図である。 同上における分割線の設定方法を示す図である。 同上の動作説明図である。 同上における分割エリアの他の設定例を示す図である。 同上における分割エリアのさらに他の設定例を示す図である。 同上の動作説明図である。
本発明では、合成樹脂成形品のような被検査物に生じるクラックと、被検査物の表面に付着しているごみのような異物とを区別する技術について説明する。被検査物に付着している異物は拭き取ることにより除去することができるから、異物が付着している被検査物を良品として扱うことにより、いわゆる無駄はねを防止することができる。すなわち、異物の付着している被検査物とクラックの生じている被検査物とを区別することにより、無駄はねによる歩留まりの低下を抑制することができる。
図1に示すように、被検査物1を含む空間領域を撮像する撮像手段としてTVカメラ2を用いる。TVカメラ2により撮像された原画像は、画像処理装置10に入力される。画像処理装置10は、コンピュータにより適宜のプログラムを実行することで実現される。したがって、図1に示していないが、操作入力装置として少なくともキーボードとマウスとを利用でき、またモニタ装置としてCRTや液晶表示器を用いることができる。操作入力装置は入力インターフェイス21に接続され、モニタ装置は画像出力部22に接続される。
TVカメラ2により撮像された画像は、コンピュータに装着されるビデオキャプチャボードからなる画像撮込部23を通して取り込まれ、デジタル画像として画像記憶部11に格納される。画像記憶部11としては、通常は半導体メモリを用いるが、必要に応じてハードディスク装置のような大容量記憶装置を併用してもよい。
原画像は濃淡画像であり、画像記憶部11に格納された原画像に対しエッジ画像生成部12において周知の微分や細線化を施すことによりエッジ画像が生成される。エッジ画像は画像記憶部11に格納される。エッジ画像を生成する際には、濃度勾配の大きさに相当する微分絶対値(微分値)が求められ、また濃度の勾配方向に直交する方向が微分方向値(基準方向に対する角度または方向ごとに割り当てたコードを用いる)として求められる。微分方向値はエッジの延長方向に対応する。
なお、微分絶対値および微分方向値は、本実施形態では、着目する画素を中心とする3×3画素の正方領域(言い換えると、8近傍)の濃度を用いて求める。微分絶対値は、正方領域において水平方向に沿った各辺の3個ずつの画素の濃度の和同士の差分と、正方領域において垂直方向に沿った各辺の3個ずつの画素の濃度の和同士の差分との比として求めることができる。また、微分方向値には、微分絶対値の逆正接によって求めた角度を90度回転させ、45度ずつの8個の角度区間に0〜7のコードを割り当てた値を用いる。たとえば、−22.5〜22.5度を0とし、157.5〜202.5度を4とする。上述した微分絶対値および微分方向値の求め方は一例であり、周知の他の求め方を用いることも可能である。
ところで、エッジ画像は被検査物1の着目する領域についてのみ求めればよいから、領域を限定するために検査領域設定部13が設けられている。検査領域設定部13では、原画像またはエッジ画像において着目する検査領域を設定する。検査領域は、被検査物1においてTVカメラ2に対面する一面の範囲内で設定する。また、検査領域の形状についてとくに制限はなく、検出しようとする形状に合わせて円形状や楕円形状の検査領域を設定することが可能であるが、以下の説明では、設定が容易である矩形状の検査領域を用いる。
検査領域設定部13では、原画像またはエッジ画像を出力装置であるモニタ装置の画面で確認しながら入力装置を用いて人手により検査領域を設定する。TVカメラ2に対する被検査物1の位置は、通常は別装置により制御されているから、検査領域を一旦設定した後は検査領域を画像内の定位置に固定しておくことが可能である。ただし、この構成を採用する場合には、検査領域は定期的に修正する必要がある。検査領域設定部13としては、原画像の濃度変化などを利用して画像処理により検査領域を自動的に抽出する構成を採用してもよい。
以下では、被検査物1を撮像した原画像が画像記憶部11に格納され、さらに原画像において検査領域が指定され、検査領域内の濃度を用いて生成されたエッジ画像が画像記憶部11に格納されているものとする。また、検査領域内について、エッジ画像の生成に用いた微分絶対値を画素値に持つ微分絶対値画像と、微分方向値を画素値に持つ微分方向値画像とが画像記憶部11に格納されているものとする。
上述したように、クラックは異物に比較すると長く、またクラックの延長方向は被検査物1の部位に応じてほぼ決まっているから、延長方向と長さとの情報を抽出すれば、クラックと異物とを区別できると考えられる。以下では、クラックとごみのような異物との形状の特徴を利用して両者を識別する技術について説明する。
被検査物1は、たとえば、合成樹脂成形品の器体を備える配線器具を想定し、器体が2部材(ボディとカバーと呼ぶ)を結合して形成されているものとする。すなわち、ボディの外側面に組立爪が突設され、カバーから延設した組立脚に設けた矩形状の組立孔が組立爪に係合することにより、ボディとカバーとが結合される周知構成の配線器具を被検査物1とする。この構成の配線器具では、組立脚の弾性を利用してボディとカバーとを結合しているから、組立脚の変形時にクラックが生じる場合がある。とくに、組立孔が矩形状であるから、クラックは組立孔の角付近に生じる可能性が高くなる。
本実施形態では、図2に示すように、検査領域Ddを長方形状とし、検査領域Ddの長辺を原画像の水平方向に一致させ、短辺を原画像の垂直方向に一致させている。
検査領域Ddが設定されると、検査スタートポイント設定部14により、検査領域Ddを囲む境界線Lbの上に複数個の検査スタートポイントPsが設定される。検査スタートポイント設定部14は、検査領域設定部13により設定される検査領域Ddに対してあらかじめ定められている位置に検査スタートポイントPsを設定する。検査スタートポイントPsは、図2に示す複数位置に設定することができる。ただし、以下に説明する実施形態では、検査スタートポイントPsを、検査領域Ddの左上角に設定する場合と、検査領域Ddの左辺に設定する場合とについてのみ例示する。
検査スタートポイントPsが設定されると、処理部15により、図3に示すように、検査スタートポイントPsを通る直線状かつ一定幅である狭幅の検出エリアEcが設定され、検査スタートポイントPsの周りで検出エリアEcが走査される。ただし、検出エリアEcの走査範囲は、検査領域Ddの中に制限される。
以下では、検査スタートポイントPsを中心として検出エリアEcを走査する処理を回転走査と呼ぶ。検出エリアEcの回転走査の際には、たとえば1度刻みで検出エリアEcの位置を変化させる。ここに、検出エリアEcは検査領域Ddの中のみを走査範囲とするから、検出エリアEcの長さは回転位置に応じて伸縮する。
図3の例では、検出エリアEcが検査領域Ddの長辺に接しているときには、検出エリアEcの長さは検査領域Ddの長辺の長さ寸法に一致し、検出エリアEcが検査領域Ddの短辺に接しているときには、検出エリアEcの長さは検査領域Ddの短辺の長さ寸法に一致する。
図示例では、検出エリアEcが回転走査される範囲は90度であって、検出エリアEcの長さが最大になるのは、検出エリアEcが検査領域Ddの対角線に重なる場合である。検出エリアEcは検査領域Ddの中で時計回りに回転走査させる。したがって、図3に示す例では、検出エリアEcが検査領域Ddの長辺に重なる位置から回転走査が開始され、短辺に重なる位置で回転走査が終了する。
上述の動作は、検査領域Ddの全領域について検出エリアEcの回転走査を行うことを想定しているが、検出エリアEcの回転走査を行う角度範囲を制限することにより誤検出を防止することができる上に、回転走査に伴う処理時間が短縮される。回転走査の角度範囲は、回転走査角度設定部16により設定可能になっている。すなわち、入力インターフェイス21に接続された走査入力装置により回転走査の角度範囲を指示すると、回転走査角度設定部16に回転走査の角度範囲が設定され、処理部15では当該角度範囲において検出エリアEcの回転走査を行う。
検出エリアEcの幅は、クラックの幅よりやや大きくなる程度に経験的に設定される。すなわち、検出エリアEcがクラックに重なったときに、クラックの大部分が検出エリアEcに含まれるように検出エリアEcの幅が設定される。ただし、検出エリアEcの幅が大きすぎると、1つの検出エリアEcに複数のクラックが含まれる場合があるから、検出エリアEcの幅は1個のクラックが含まれる程度に設定される。
検出エリアEcの回転走査を行う間には、検出エリアEcの各位置ごとに検出エリアEcの中でラスター走査を行い、微分絶対値が規定値を超える画素を抽出する。つまり、クラックなどの欠陥部のエッジ上に存在する画素の有無を探索する。微分絶対値に対する規定値は、クラックに相当するエッジが検出できるように経験的に決定される。
検出エリアEcの中で微分絶対値が規定値を超える画素が存在するときには、当該画素について微分方向値を規定の角度範囲と比較する。つまり、検出エリアEcの回転走査が行われる間に、検出エリアEcの位置(角度)ごとにクラックの延長方向に相当する角度範囲(要するに、検出エリアEcの延長方向に対して所定の角度範囲)をあらかじめ規定しておき、上述のようにして微分方向値を求めたときに、当該微分方向値がこの角度範囲内であるときには、当該画素を欠陥候補点として記憶する。欠陥候補点の検出は、処理部15において行う。また、欠陥候補点が抽出されると、処理部15において欠陥候補点の微分絶対値を積算する。
処理部15では、検出エリアEcの各位置ごとに欠陥候補点の総数および欠陥候補点の微分絶対値の総和を求め、欠陥候補点の総数と欠陥候補点の微分絶対値の総和との両方が、それぞれに対して規定されたしきい値を超える場合は、当該検出エリアEcにおける欠陥候補点の連結領域をクラック候補と判断する。
ここにおいて、狭幅の検出エリアEcを設定していることにより、検査領域Ddの中で被検査物1に付着している異物とクラックとを分離することができるから、クラックと異物とのそれぞれの特徴量について検査することでクラックと異物とを識別することが可能になる。
ところで、上述の処理では、欠陥候補点の総数と欠陥候補点に関する微分絶対値の総和とをそれぞれしきい値と比較することによってクラック候補を検出しているが、本実施形態では、クラック候補がクラックであることを検証するために、クラック候補の連続性についても確認している。
クラック候補の連続性を確認するために、本実施形態では、検査領域Ddの中を複数個の分割エリアに分割し、クラック候補として抽出された画素群(連結領域)が複数の分割エリアにまたがって存在しているか否かを判定する方法を採用する。本実施形態は、クラックの延長方向によらずクラックの連続性を確認することができるように分割エリアを設定する技術に特徴を有している。
すなわち、理想的な状態としてクラックの一端に検査スタートポイントPsが設定されている場合には、クラックは、検査領域Ddの中で検査スタートポイントPsから延長されることになる。言い換えると、クラックの延長方向は、検査スタートポイントPsを中心とする円の半径方向にほぼ沿っていると言える。
したがって、検査スタートポイントPsを中心とした異なる直径の複数個の円弧を設定し、当該円弧を分割線に用いて検査領域Ddを分割線で分割した分割エリアを形成すると、クラックの延長方向にかかわらず、クラックが分割線に交差する可能性が高くなる。すなわち、検査スタートポイントPsを中心とする複数個の同心円を設定し、同心円の輪郭線のうち検査領域Ddに含まれる部位を分割線に用い、検査領域Ddを分割線により複数個の分割エリアに区分するのである。なお、各分割線は、等間隔で設定するのが望ましい。
上述のような複数個の分割エリアを形成しておけば、クラックは複数個の分割エリアにまたがって検出されることが予想されるから、クラック候補が通った分割エリアの個数に対して閾値を規定しておくことにより、クラック候補の連続性を確認することができ、クラックか否かを判別することが可能になる。つまり、分割エリア生成部17において分割エリアを設定し、さらにクラック判定部18においてクラック候補がまたがっている分割エリアの個数を閾値と比較し、閾値を超えていれば、クラックが存在すると判定するのである。
ところで、上述のように、円弧の一部である分割線を用いて分割エリアを形成すると、分割線の座標位置とクラック候補に含まれる画素の座標位置とを比較する処理の負荷が大きくなる。そこで、図4(b)に示すように、分割線Ldとして多角形の輪郭線の一部を用いてもよい。
このような分割線Ldを設定する際には、各多角形の辺同士がそれぞれ平行になるように各多角形の頂点位置を設定するのが望ましい。このような分割線Ldを設定する場合は、図4(a)に示すように、検査スタートポイントPsを通る直線状の補助分割線Laにより検査領域Ddを複数個の小区画Bsに分割し、図4(b)のように、小区画Bsごとに補助分割線Laに交差しかつ互いに平行な複数本の部分分割線Lpを設定する。図示例では4本の補助分割線Laにより5個の小区画Bsに分割している。
ここで、隣接する小区画Bsの一対の部分分割線Lpが補助分割線Laの上で交点を持つように位置を設定することにより、隣接する小区画Bsの部分分割線Lpを連結した分割線Ldを形成することができる。すなわち、多角形の輪郭線の一部を分割線Ldとする複数個の分割エリアEdが検査領域Ddの中に形成される。
図4(b)に示す分割線Ldにより検査領域Ddを分割した分割エリアEdを用いると、同心円状の分割線Ldで検査領域Ddを分割した場合と同様に、クラック候補がまたがっている分割エリアEdの個数を閾値と比較することによりクラックの連続性を確認することができる。
多角形の輪郭線の一部を用いた図4(b)のような分割線Ldは、円弧の一部を分割線Ldに用いる場合に比較すると処理負荷が少なくなるものの、補助分割線Laの本数が多くなるほど処理負荷が増加するから、依然として処理負荷は比較的大きい。
ここで、多角形の輪郭線の一部を分割線Ldに用いている場合の処理負荷を軽減するには、部分分割線Lpをエッジ画像の水平方向または垂直方向に平行になるように設定することが有効と考えられる。これは、部分分割線Lpが水平方向に設定されていれば、クラック候補の連続性を垂直方向の座標位置のみに着目して確認することができ、部分分割線Lpが垂直方向に設定されていれば、クラック候補の連続性を水平方向の座標位置のみに着目して確認することができるからである。
そこで、検査領域Ddの角部に検査スタートポイントPsを設定しているときには、図5(a)のように、検査スタートポイントPsを通り、検査領域Ddを2個の小区画Bsに分割する直線状の補助分割線Laを設定し、図5(b)のように、補助分割線Laを複数に分割する分割点から水平方向と垂直方向とに部分分割線Lpを延長することにより分割エリアEdを形成する。つまり、各小区画Bsにおける部分分割線Lpの交点は補助分割線Laの上の分割点に一致する。
補助分割線Laの上に分割点を設定するには、図6に示すように、検査スタートポイントPsを中心とする複数個の円弧Ccを等間隔で設定し、各円弧Ccと補助分割線Laとの交点を分割点に用いればよい。
いま、図7(a)のように、被検査物1の左上角付近からクラックC1,C2が生じている場合を想定する。ここで、図7(b)に示すように、矩形状の検査領域Ddを垂直方向の分割線Ld′により分割し水平方向において複数の分割エリアEd′を設けている場合と、図7(c)に示すように、矩形状の検査領域Ddの1つの対角線を補助分割線LaとしてL字状の分割線Ldを用いて分割エリアEdを設けている場合とを比較する。
クラック候補の連続性を確認するための閾値を5とすれば、図7(b)のような短冊状の分割エリアEd′を用いると、水平方向に沿って延長されているクラックC1は5個の分割エリアEd′にまたがっていることにより連続性があると判断されてクラックとして検出される。一方、垂直方向に沿って延長されているクラックC2は3個の分割エリアEd′にしかまたがっていないから連続性がないと判断される。
これに対して、図7(c)のようなL字状の分割エリアEdを用いると、水平方向に沿って延長されているクラックC1と、垂直方向に沿って延長されているクラックC2とがともに5個の分割エリアEdにまたがっているから、いずれも連続性があると判断される。
すなわち、L字状の分割エリアEdを用いることにより、クラックC1,C2の延長方向にかかわらずクラックの連続性を確認することが可能になる。
図示例では検査領域Ddの対角線を補助分割線Laに用いているが、検査スタートポイントPsを通り水平方向に対して45度をなす直線を補助分割線Laに用いることもできる。前者の補助分割線Laは設定が容易であり、後者の補助分割線Laでは、各小区画Bsにおいて補助分割線Laが等間隔になるから、クラック候補の延長方向によらず同じ精度で連続性を確認することができる。
前者のように検査領域Ddの対角線を補助分割線Laに用いている場合において、クラック候補の延長方向によらずに連続性の確認の精度を等しくするには、図8に示すように、各小区画Bsごとに部分分割線Lpを等間隔で設定してもよい。この場合、各小区画Bsの部分分割線Lpは補助分割線Laの上で交差しないが、各小区画Bsの中ではクラック候補の連続性を同精度で確認することができる。
ところで、上述の例では検査スタートポイントPsを検査領域Ddの角部に設定している場合について説明したが、検査スタートポイントPsは、図9に示すように、検査領域Ddの一辺に設定する場合もある。検査スタートポイントPsを検査領域Ddの一辺に設定することは、角部に検査スタートポイントPsを設定している検査領域Ddを2個連接したことと等価であるから、角部に検査スタートポイントPsを備える2個の検査領域Ddとみなして分割線Ldを設定すればよい。
図9に示す例は、検査領域Ddの対角線を補助分割線Laに用いる場合と同様に、検査スタートポイントPsを通る直線状の補助分割線Laを設定する。ここで、図9に示す検査領域Ddを、検査スタートポイントPsを通る水平方向の直線で上下に分ければ、角部に検査スタートポイントPsを設定した2個の検査領域を連接したものとみなせるから、連接した各検査領域ごとに検査スタートポイントPsを通る対角線を補助分割線Laに用いることにより、図5に示した例と同様の手順で分割線Ldを設定することができる。
この例では、図9(a)のように、検査領域Ddに2本の補助分割線Laが設定されることにより3個の小区画Bsが形成され、各小区画Bsを水平方向または垂直方向の部分分割線Lpで分割することにより、分割エリアEdを形成することができる。上述した例と同様に、隣接する小区画Bsにおける部分分割線Lpの交点が補助分割線Laの上に位置するように部分分割線Lpを設定すればよいが、隣接する小区画Bsに設定した部分分割線Lpが補助分割線Laの上に交点を持つことは必須ではなく、各小区画Bsける部分分割線Lpの間隔を等しくしてもよい。
上述した分割線Ldの間隔は被検査物1に応じて設定され、たとえば1〜2mmの間隔に設定される。また、検査領域Ddに形成する分割エリアEdの個数は、たとえば上限を16個として、任意に個数が設定される。クラック候補の連続性を確認してクラックと判定するための閾値は、たとえば5〜8に設定しておけばよい。すなわち、クラック候補が5〜6個の分割エリアEdにまたがっていることが確認されると、当該クラック候補をクラックと判定するのである。
上述したクラックの検出技術について処理の手順をまとめると、図10のようになる。まず、TVカメラ2により被検査物1を撮像し(S1)、被検査物1の濃淡画像を用いてエッジ画像を生成する(S2)。検査領域設定部13ではエッジ画像において検査領域Ddを設定し、さらに検査スタートポイント設定部6では検査領域Ddについて検査スタートポイントPsを設定する。さらに、処理部15において、検出エリアEcを設定し、検出エリアEcの回転走査を行う(S4)。検出エリアEcの回転走査を行う間に、微分絶対値および微分方向値を用いてクラック候補を検出する(S3)。
クラック候補が検出されると、分割エリア生成部17により検査領域Ddを複数に分割した分割エリアEdが設定され、クラック判定部18においてクラック候補の連続性が確認される(S5)。クラック候補がまたがっている分割エリアEcの個数が閾値以上であると(つまり、連続性があると)、クラック候補をクラックと判定する(S6)。一方、クラック候補が存在しないか(S3:NO)、クラック候補に連続性がないと(S5:NO)、クラックのない良品と判定する(S7)。
上述の例では、検査領域Ddにおける1個の検査スタートポイントPsに着目して説明したが、上述したように、検査領域Ddには複数個の検査スタートポイントPsが設定されるから、各検査スタートポイントPsごとに検出エリアEcを設定することで、1個の検査領域Ddを用いて複数箇所の検査を行うことが可能になる。
1 被検査物
2 TVカメラ
10 画像処理装置
11 画像記憶部
12 エッジ画像生成部
13 検査領域設定部
14 検査スタートポイント設定部
15 処理部
16 回転走査角度設定部
17 分割エリア生成部
18 クラック判定部
Bs 小区画
C1,C2 クラック
Dd 検査領域
Ec 検出エリア
Ed 分割エリア
La 補助分割線
Ld 分割線
Lp 部分分割線
Ps 検査スタートポイント

Claims (11)

  1. 被検査物の濃淡画像である原画像から生成したエッジ画像に対して設定した検査領域の境界線上に検査スタートポイントを設定する第1ステップと、検査スタートポイントを通る直線状かつ一定幅に設定した検出エリアを検査領域内において検査スタートポイントの周りで検出エリアを回転走査させるとともに検出エリアの各位置においてクラック候補となる画素群を抽出する第2ステップと、検査スタートポイントを通り検査領域を複数個の小区画に分割する補助分割線を設定するとともに補助分割線上の複数個の分割点を通る分割線により各小区画をそれぞれ異なる方向に分割した分割エリアを生成する第3ステップと、複数の分割エリアのうちの規定個数以上にまたがるクラック候補が存在するときに当該クラック候補をクラックと判定する第4ステップとを有することを特徴とする外観検査方法。
  2. 前記分割線は、前記検査スタートポイントを中心とする多角形の輪郭線の一部であることを特徴とする請求項1記載の外観検査方法。
  3. 前記検査領域は矩形状であって前記検査スタートポイントは検査領域の1つの頂点に設定され、前記第3ステップでは、検査スタートポイントを通り前記エッジ画像の垂直軸に対して45度で交差する前記補助分割線により検査領域を2個の小区画に分割するとともに、補助分割線に設定した複数個の分割点から検査スタートポイントを挟む検査領域の2辺にそれぞれ下ろした垂線により検査領域を複数の分割エリアに分割することを特徴とする請求項1記載の外観検査方法。
  4. 前記検査領域は矩形状であって前記検査スタートポイントは検査領域の1つの頂点に設定され、前記第3ステップでは、検査スタートポイントを通る検査領域の対角線を前記補助分割線として補助分割線により検査領域を2個の小区画に分割するとともに、補助分割線に設定した複数個の分割点から検査スタートポイントを挟む検査領域の2辺にそれぞれ下ろした垂線により検査領域を複数の分割エリアに分割することを特徴とする請求項1記載の外観検査方法。
  5. 前記検査領域は矩形状であって前記検査スタートポイントは検査領域の一辺上に設定され、前記第3ステップでは、検査スタートポイントを通り検査領域の対辺の両端点とを結ぶ2本の直線をそれぞれ前記補助分割線として2本の補助分割線により検査領域を3個の小区画に分割するとともに、各補助分割線に設定した複数個の分割点から検査領域の残りの2辺に下ろした垂線と、各補助分割線上の分割点の間を結ぶ直線とにより検査領域を複数の分割エリアに分割することを特徴とする請求項1記載の外観検査方法。
  6. 前記検査スタートポイントを中心とする複数個の同心円と前記補助分割線との交点を前記分割点とすることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の外観検査方法。
  7. 前記分割エリアは、前記小区画ごとに分割数が設定されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の外観検査方法。
  8. 前記第2ステップでは、前記検出エリアを回転させる角度の範囲が、前記検査領域内において指定された範囲であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の外観検査方法。
  9. 前記第1ステップでは、前記検査領域に前記検査スタートポイントが複数個設定され、各検査スタートポイントごとに前記分割エリアが設定されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の外観検査方法。
  10. 被検査物の濃淡画像である原画像から生成したエッジ画像に対して設定した検査領域の境界線上に検査スタートポイントを設定する第1ステップと、検査スタートポイントを通る直線状かつ一定幅に設定した検出エリアを検査領域内において検査スタートポイントの周りで検出エリアを回転走査させるとともに検出エリアの各位置においてクラック候補となる画素群を抽出する第2ステップと、検査スタートポイントを中心とする異なる径の複数個の円弧からなる分割線により検査領域内を分割した分割エリアを生成する第3ステップと、複数の分割エリアのうちの規定個数以上にまたがるクラック候補が存在するときに当該クラック候補をクラックと判定する第4ステップとを有することを特徴とする外観検査方法。
  11. 被検査物の濃淡画像を撮像する撮像手段と、撮像手段により得られた濃淡画像からエッジ画像を生成するエッジ画像生成部と、エッジ画像内に検査領域を設定する検査領域設定部と、検査領域の境界線上に検査スタートポイントを設定する検査スタートポイント設定部と、検査スタートポイントを通る直線状かつ一定幅の検出エリアを設定し検査スタートポイントを中心として検出エリアを検査領域の範囲内で回転走査させるとともに検出エリアの各位置においてクラック候補となる画素群を抽出する処理部と、検査スタートポイントを通り検査領域を複数個の小区画に分割する補助分割線を設定するとともに補助分割線上の複数個の分割点を通る分割線により各小区画をそれぞれ異なる方向に分割した分割エリアを生成する分割エリア生成部と、複数の分割エリアのうちの規定個数以上にまたがるクラック候補が存在するときに当該クラック候補をクラックと判定するクラック判定部とを備えることを特徴とする外観検査装置。
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