JP5025066B2 - 徐放性医薬製剤に利用する架橋高アミローススターチとその製造方法 - Google Patents
徐放性医薬製剤に利用する架橋高アミローススターチとその製造方法 Download PDFInfo
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Description
1.発明の分野
本発明は、架橋高アミローススターチの新規形態およびその製造方法に関する。かかる架橋高アミローススターチは、医薬物質とともに錠剤に圧縮する場合に徐放性医薬製剤の賦形剤として有用である。
【0002】
2.発明の背景
錠剤または他の固体剤形で投与した薬物の吸収速度に影響を与える重要な要因の1つは、ヒトまたは動物の体液におけるその剤形の溶解速度である。
【0003】
この要因は、数時間、数日、数週、数ヶ月、または数年にわたって薬物が緩慢かつ均一に放出および吸収されるように設計したことを特徴とするいわゆる制御放出性もしくは徐放性(controlled-release)、遅延放出性(extended-release)、持続放出性(sustained-release)または長期作用性(prolonged-action)医薬調製物の基礎となるものである。徐放性製剤の利点は、通常の剤形と比較して薬物投与頻度の減少(しばしば患者コンプライアンスの改善をもたらす)、所定の時間にわたる治療効果の維持、ならびに即時放出性剤形の投与後に起こりがちな血漿濃度ピークを消失させることによって、薬物の有害な副作用の出現および/または強度を低下させることにある。
【0004】
薬物放出のマトリックスとして多くの系が提案され開発されている。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンアミド、エチルセルロース、シリコーンおよびポリ(ヒドロキシメチルメタクリレート)などのポリマー材料が、薬物の遅延放出性用ビヒクルとして提案されている。Endicottら,米国特許第3,087,860号;Levesqueら,米国特許第2,987,445号;Salomonら,Pharm. Acta Helv., 55, 174-182 (1980);Korsmeyer,「拡散制御系:ハイドロゲル(Diffusion Controlled Systems:Hydrogels)」(「薬物送達制御用ポリマー(Polymers for Controlled Drug Delivery)」, Chapt.2, pp15-37,Tarcha編,CRC Press, Boca Raton, Fla. USA (1991)に収載);Buriら, Pharm. Acta Helv. 55,189-197 (1980)を参照のこと。
【0005】
親水性および疎水性両方の様々な薬物を一貫してかつ確実に送達することが可能な徐放性組成物に対する根強いニーズがある。さらにこの組成物は、限定されるものでないが、直接圧縮、適当な硬度および摩損耐性、ならびに錠剤に配合される有効成分の混和可能性を含む打錠要件の全ての因子と適合しなければならない。また、該組成物は合成するのが容易で、生物分解性がありかつ薬物放出時に無毒である必要がある。
【0006】
徐放用として最も広く研究されている化合物の1つはスターチ、すなわちデンプンであるが、それは生分解性でありかつヒトの身体によって自然に代謝されることに一理ある(Kostら, Biomaterials 11, 695-698 (1990))。デンプンは医薬品に多くの用途がある。デンプンは希釈剤、増量剤、担体、結合剤、崩壊剤、コーティング剤、増粘剤、および吸湿剤として作用する。トリメタリン酸ナトリウムを用いて架橋した顆粒デンプンの、外科用粉剤としての用途を開示するKerrらの米国特許第2,938,901号;無処理顆粒形態の冷水膨潤性かつ冷水不溶性デンプンの、崩壊剤としての用途を開示するMcKeeらの米国特許第3,034,911号;任意に修飾されていてもよいプレゲル化デンプン又はα化デンプン(pregelinized stach)の、アスコルビン酸圧縮錠剤の結合剤としての用途を開示するMagidの米国特許第3,453,368号;コーンスターチを分画して得た非顆粒アミロース(少なくとも50%)の、直接圧縮および乾燥造粒錠剤の結合剤崩壊剤としての用途を開示するNicholsらの米国特許第3,490,742号;圧縮した顆粒デンプンから誘導される部分的に冷水可溶性でかつ冷水膨潤性のデンプンの、結合剤崩壊剤としての用途を開示するShortらの米国特許第3,622,677号;複屈折顆粒、非複屈折顆粒、ならびに若干の凝塊および分屑を有する予め圧縮したデンプンの、結合剤崩壊剤としての用途を開示するShortらの米国特許第4,072,535号;少なくとも50%アミロースを含有する水溶性デンプンエーテル(例えば、ヒドロキシアルキルエーテル)の、カプセル剤の外殻形成における用途を開示するChristenらの米国特許第4,026,986号;トウモロコシ、コメ、ジャガイモおよび修飾デンプンの、湿式造粒により調製する徐放性製剤の侵食促進剤としての用途を開示するDunnらの米国特許第4,308,251号;酸および/またはαアミラーゼ転化デンプンの、錠剤結合剤としての用途を開示するTrabianoらの米国特許第4,551,177号;デンプングリコール酸ナトリウムの、崩壊剤としての用途を開示するMehtaらの米国特許第4,904,476号;デンプンを、薬物放出を抑制または制御する架橋剤を用いてコーティングされうる多孔質微小球用の生分解性または生体分解性ポリマーとして開示するDeLucaらの米国特許第4,818,542号;デンプン、好ましくはコーンスターチ、および、デンプングリコール酸ナトリウムの、錠剤、カプセル剤、または適当な媒質中の懸濁剤の剤形の即時放出および徐放性顆粒を含有するプログラム放出Naproxen(登録商標)製剤における、即時放出の崩壊剤としての用途を開示するRotiniらの米国特許第4,888,178号;有効物質および放出剤を含有する徐放デバイスにおいて、デンプンの、医薬増量剤としての用途、ならびに架橋または非架橋カルボキシメチルデンプンナトリウムの、コーティング剤としての用途を開示するStaniforthらの米国特許第5,004,614号、を参照のこと。
【0007】
Trubianoらの米国特許第4,369,308号は、冷水中で低膨潤性であって圧縮錠剤の崩壊剤としての用途に適した修飾デンプンを開示する。これは、水の存在下で、冷水不溶性の顆粒デンプンを架橋しかつプレゲル化し、必要であれば架橋したプレゲル化デンプンを乾燥し、そして乾燥デンプンを微粉砕することによって達成する。これらのデンプンに対する徐放性特性は開示されていないまたは特許請求の範囲に記載されていない。
【0008】
架橋デンプンは既に、持続放出性物質として評価されている。Visavarungrojら[Drug Development And Industrial Pharmacy, 16(7), 1091-1108 (1990)]は様々なタイプの架橋デンプンおよびプレゲル化架橋デンプンの、親水性マトリックスとしての用途についての評価を開示している。架橋デンプンは、プレゲル化デンプンおよびプレゲル化架橋デンプンと比較して、膨潤力と分散粘度が低いことが確認されている。この研究は、架橋修飾ワックス様コーンスターチは、プレゲル化してもしなくても、純粋にプレゲル化したワックス様コーンスターチと比較して持続放出性製剤の親水性マトリックスとしての用途に適していないと結論付けている。
【0009】
Nakanoら[Chem. Pharm. Bull. 35(10), 4346-4350, (1987)]は、物理的に修飾したデンプン(プレゲル化デンプン)の、持続放出性錠剤の賦形剤としての用途を開示している。この論文はデンプン中に存在するアミロースの特異的な役割を明示していないどころか、アミロースについて触れてもいない。
【0010】
Van Aerdeら[Int. J. Pharm., 45, 145-152, (1988)]は、ドラム乾燥または押出成形プレゲル化、粒子加水分解またはトリメタリン酸ナトリウムを用いる架橋によって得られる修飾デンプンの、持続放出性錠剤の賦形剤としての用途を開示している。ここでもまた、デンプン中に存在するアミロースの特異的な役割を明示していないどころか、アミロースについて触れてもいない。
【0011】
Hermanら[Int. J. Pharm., 56,51-63および65-70, (1989)ならびにInt. J. Pharm., 63 201-205, (1990)]は、熱修飾したデンプンの、徐放性経口送達のための親水性マトリックスとしての用途を開示している。この文献は、含有アミロース量が低い(25%以下)熱処理デンプンが、徐放性の悪い高アミロース含量デンプンとは異なり、良好な持続放出特性を与えることを開示している。
【0012】
Nicholsらの米国特許第3,490,742号は、非顆粒のアミロースを含む結合剤崩壊剤を開示している。この物質は、デンプンを分画することによってまたは顆粒の高アミローススターチを高温で水に溶解することによって調製する。徐放特性は開示していない。
【0013】
Alwoodらの米国特許第5,108,758号は、有効化合物およびガラス質アミロースを含む経口用遅延放出性組成物を開示している。この組成物は特に、有効化合物の大腸中への選択的放出を達成するように工夫されている。遅延放出性はコーティング剤に依るものである。ガラス質アミロースは、主な非晶質アミロースの2形態の一方であって、他方はゴム状形態である。ここで、ガラス質アミロースは、水性環境において組成物からの有効化合物の放出を遅延するが、アミロースを切断可能な酵素に曝されるとそれが放出されるようになる。この組成物に使用されるアミロースは、皺なしエンドウマメ(smooth-seeded pea)のデンプンから単離し、水溶液からn-ブタノールとの複合体として沈殿させて精製する。次いで適当な加熱不活性ガスを通風して、上記複合体の水性分散液からアルコールを除去する。以上のように、放出機構は酵素反応に基づいている。消化管全体にわたっての連続放出はなく、大腸でのコーティングの分解による遅延放出だけである。さらに、ガラス質アミロースは誘導体形態においてヒドロキシ基を含有しないことが好ましいと開示されている。
【0014】
Wai-Chiuらの欧州特許出願EP-A-499,648は、錠剤賦形剤を開示している。さらに具体的には、錠剤、ペレット剤、カプセル剤または顆粒剤を製造する上で有用なデンプン結合剤および/または増量剤を開示している。錠剤賦形剤は、デンプンをα-1,6-D-グルカノヒドラーゼを用いて少なくとも20重量%の「短鎖アミロース」を生じるまで酵素を用いて脱分枝することによって調製する。この賦形剤の徐放性特定は特許請求の範囲に記載されていない。さらに、デンプン(未修飾、修飾または架橋)を、α-1,6-D-グルカノヒドラーゼを用いて脱分枝し、いわゆる「短鎖アミロース」を生じるまで酵素処理しなければならない。従って、アミロペクチン含量の高いデンプンが明らかに好ましく、アミロースは、分枝がないため脱分枝することができず、不適当として拒まれる。アミロースの役割は無視されるばかりでなく、不利であると考えられる。
【0015】
Mateescuら[米国特許第5,456,921号]およびLenaertsら[J. Controlled Rel. 15, 39-46, (1991)]は、架橋アミロースが薬物制御放出の非常に有効なツールであることを開示している。架橋アミロースは、塩基性媒質中で、アミロースとエピクロロヒドリンなどの架橋剤との反応によって生成される。反応容器中のエピクロロヒドリンとアミロースとの比を変えて、様々な架橋度を得ることができる。架橋アミロースと薬物の混合乾燥物の直接圧縮によって調製した錠剤は、溶液中で膨潤して薬物を持続放出する。マトリックスの架橋度に依存して、様々な膨潤度が得られる。アミロースの架橋度を増大すると、最初は薬物放出時間の増大が起こり、その後、薬物放出時間が低減する。薬物放出時間のピークは架橋度値7.5で観察される。さらに架橋度を増大すると、分解(侵食)過程の結果として架橋アミロース錠剤からの薬物放出の加速が起こる。7.5以上の架橋度については、アミロースの架橋度の増大は、薬物放出時間の低減を起こす。11を超える架橋度では、膨潤したポリマーマトリックスは、in vitroで約90分間にわたる崩壊を示す。
【0016】
Mateescuら[国際公開特許出願WO 94/02121号]およびDumoulinら[Intern. Symp. Control. Rel. Bioact. Mater. 20,306-307, (1993)]は、架橋アミロース錠剤中におけるα-アミラーゼの添加に基づく酵素薬物制御放出系を開示している。α-アミラーゼは、架橋アミロース半合成基質中に存在するα-1,4-グルコシド結合を加水分解できる。錠剤中のα-アミラーゼ量を増大すると(5EUから25EU)、放出時間は24時間から6時間に有意に減少する。従って、薬物放出は2つの逐次的機構によって制御される:(a)架橋アミロース錠剤の水和と膨潤、続いて起こる(b)水和ゲル相の内部酵素による加水分解。
【0017】
Cartilierら[国際公開特許出願WO 94/21236号]は、特定の架橋度を有する架橋アミロース粉末の、錠剤結合剤および/または崩壊剤としての用途を開示している。この錠剤は直接圧縮によって調製する。錠剤中の架橋アミロースの濃度は、35重量%より低い。崩壊特性が必要なときは、6〜30、そして特に15〜30の架橋度が好ましい。
【0018】
Kasicaらの米国特許第5,830,884号は、希釈剤、増量剤、担体、結合剤、崩壊剤、増粘剤、およびコーティング剤として医薬品に使用する熱抑制デンプンを開示している。熱抑制デンプンは、デンプンを脱水和して実質的に無水または無水状態にし、デンプンを抑制するのに十分な時間と温度で、無水または実質的に無水状態のデンプンを熱処理することによって調製する。実質的に熱的抑制したデンプンは、糊化に対する抵抗性を示して化学架橋デンプンを模擬するだけである。
【0019】
Cartilierらの米国特許第5,879,707号は、置換アミロースの、薬物持続放出性マトリックスとしての用途に関する。持続放出性マトリックスは置換アミロースから作製され、この置換アミロースは塩基性媒質中でアミロースをアミロース分子のヒドロキシ基と反応する反応性官能基を有する有機置換基と反応させて調製する。この置換基は好ましくはエポキシまたはハロゲンアルカンまたはアルコールである。しかし、直鎖置換したアミロースだけが利用され、本発明で使用する架橋アミロースとは区別される。
【0020】
Dumoulinら[国際公開特許出願WO 98/35992号]は、錠剤またはペレット剤の調製に使用するための、徐放特性を有する架橋アミロースを主成分とする遅延放出性賦形剤の製造を開示している。最初に、高含量のアミロースを有するデンプン(高アミローススターチ)を糊化する。糊化高アミローススターチを、乾燥基準糊化高アミローススターチ100g当たり1〜3gの架橋剤を用いて塩基性媒質中で架橋し、架橋高アミローススターチスラリーからなる反応生成物を含有する反応媒質を作製する。次に、得られる反応媒質を中和し、生成する副産物の塩を反応媒質から除去する。次いで回収した架橋高アミローススターチスラリーを少なくとも60℃の温度で熱処理し、熱処理産物を乾燥して実質的な量の不純物を含有する遅延放出性賦形剤を得る。
【0021】
Lenaertsら[J. Controlled Release 53, 225-234 (1998)]は、糊化架橋高アミローススターチが、薬物の経口送達用の徐放性固体剤形の製剤化に有用な賦形剤であることを実証している。これらの賦形剤は、侵食がなく、膨潤が限られていて、架橋度の増大が水吸収、薬物放出速度および平衡膨潤の増大をもたらす事実を示す。その研究者はまた、架橋高アミローススターチマトリックスが、試験した系の中では患者間の変動性が最も低いことおよび食事効果が全体に不在であることも実証している。Lenaertsらはまた、架橋度が増大すると、薬物はより迅速に放出されうるとも結論づけている。この著者らは、糊化架橋高アミローススターチは、それが組込まれた薬物の徐放性を有するために必要な特性を持つには、アミロペクチンクラスターの表面が、架橋過程によってアミロペクチンと化学結合するアミロースによりコーティングされる必要があると結論付けている。この構造は、実際、最初に高アミローススターチを糊化してアミロースを顆粒から抽出し、次いで、化学反応を実施してアミロペクチンクラスターの表面にアミロースを化学結合することによって得られるものであって、DumoulinらがWO 98/35992号に記載した方法を利用した場合に得られる構造である。
【0022】
架橋高アミローススターチに関する以上の参考文献は、出発アミロース材料を架橋の前に糊化することを教示する。乾燥状態のデンプン顆粒の整合性(integrity)は、アミロペクチンとアミロースとの間の水素結合によるものである。デンプンの水性懸濁液をある特定の温度まで加熱すると、アミロペクチンとアミロースの間の水素結合は弱まって顆粒は膨潤し、ついに崩壊する。このプロセスを「糊化」と呼ぶ。このプロセスの最初の工程が架橋剤による反応の前にデンプン顆粒からのアミロースの浸出を可能にし、次いでこのアミロースが徐放特性を有する架橋アミロースとなる。さらに、架橋前の高アミローススターチの糊化が所望の徐放特性を有する生成物を調製するために必要であると記載されている。Dumoulinら,WO 98/35992号を参照されたい。
【0023】
3.発明の概要
本発明者は、高アミローススターチを顆粒状態で非常に低濃度の化学試薬を用いて化学処理(すなわち、架橋およびヒドロキシプロピル化)し次いで糊化と乾燥を行って、高アミローススターチを第1工程で糊化し次いで化学処理および乾燥を行う方法によって生成された高アミローススターチ賦形剤よりも優れた放出特性を有する徐放性賦形剤が得られることを見出した。
【0024】
本明細書に記載する新規の方法、組成物および徐放活性は、当業者が一般的に周知であることとは直感的には反するものである。高アミローススターチを糊化前に化学処理(すなわち、架橋)することによって、当業者は徐放特性を示す生成物の生成を予想しないであろう。架橋高アミローススターチは徐放能力のあるマトリックスを支持できないので、糊化前の高アミローススターチの架橋は恐らく徐放特性を示す材料をもたらすのでなく、即時放出プロフィールに似るであろう。従って、両方の架橋生成物の間には本質的な構造的な差異が示されることになる。Lenaertsら(J. Controlled Rel., 1998)によれば、そのような構造的な差異は徐放特性を有しない材料をもたらすであろう。Janeら[Cereal Chemistry, 69 (4), 405-409 (1992)]は、α化して分散したデンプンの架橋と天然の顆粒デンプンの架橋との可溶性アミロースとアミロペクチンの比率にはわずかな差しかないことを開示している。Janeらは、デンプンを顆粒状で架橋した後の2以上のアミロース分子間の架橋の結果であるアミロースサイズの増大を報じることはなく、かつ顆粒状で架橋したデンプンの徐放特性について一切記述していない。さらに、Mateescuら(米国特許第5,456,921号)は、例えば最適徐放は100g乾燥デンプン当たり7.5gの量の架橋剤で得られると記載しているのに対して、本発明においては、100g乾燥デンプン当たり0.3gより少量の架橋剤を添加することも可能である。この少量の架橋剤は、得られる製品がまた、米国食品医薬品庁(US Food and Drug Administration)の修飾食品用デンプンに対する単行書および食品化学品規格(Food Chemicals Codex)ならびに着色剤と甘味剤を除く食品添加剤についての1995年2月20日付け欧州議会理事会指令(European Parliament and Council Directive)Nr/95/2/EC(雑指令)に当てはまることにもなり、好ましいことである。
【0025】
注目すべきことに、新規の徐放性賦形剤は次の工程で調製できることを見出した:
(1)高アミローススターチの顆粒の架橋およびさらなる化学修飾(例えば、ヒドロキシプロピル化)工程;
(2)工程(1)からのスターチの熱糊化工程;および
(3)工程(2)からのスターチを乾燥し、徐放性賦形剤として使用し得る粉末の取得工程。
【0026】
この賦形剤の利点としては、限定されるものでないが、(1)加工の容易さ、(2)製法における一切の有機溶媒の回避、(3)FDA規制および食品化学品規格ならびに着色剤と甘味剤を除く食品添加剤についての1995年2月20日付け欧州議会理事会指令Nr/95/2/EC(雑指令)に適合する高純度製品を取得する能力、(4)直接圧縮錠剤を製造する能力、(5)親水性および疎水性薬物との混和性、(6)広範囲の薬物濃度および溶解度との適合性、(7)架橋高アミローススターチの安全性、(8)製造および溶解パラメーターに対する優れたロバスト性、(9)優れたバッチ対バッチ再現性、ならびに(10)簡単かつ予想し得るスケールアップ、が挙げられる。
【0027】
特に、高アミローススターチから上記の逐次転化を経て生成した粉末賦形剤を用いて薬物の徐放を達成し得ることを見出した。この修飾スターチを錠剤のマトリックスとして利用すると、著しいほとんど直線の放出プロフィールおよび2時間〜24時間の放出時間がもたらされる。
【0028】
この修飾スターチはまた、1〜3日から3〜4週の期間にわたってin vivo放出することを特徴とする薬物の局所持続送達用の植込錠の生産にも利用できることを見出した。
【0029】
本発明によって提供される医薬製剤は徐放性錠剤を含むものであり、さらに、薬物の徐放性賦形剤として架橋しさらに修飾した高アミローススターチの粉末と少なくとも1種の薬物の粉末との直接混合圧縮物を含むものである。該徐放性マトリックスは、本質的に、高アミローススターチを適当な架橋剤を用いて架橋することによって得た架橋高アミローススターチから構成される。さらに、該架橋高アミローススターチは化学修飾されている。あるいはこの2つの反応(すなわち、架橋反応とさらなる化学修飾)は、逆の順にまたは同時に実施してもよい。
【0030】
架橋高アミローススターチは、100g乾燥スターチ当たり約0.005〜0.3gの範囲の量の架橋剤を用いて得るのが好ましい。
【0031】
本発明に使用する医薬がごく僅かに水溶性であれば、その薬物の粉末は錠剤重量の約70%〜約90%であってもよい。もし使用する医薬が高溶解性であれば、錠剤重量の約30%〜50%を超えてはならない。
【0032】
本発明の錠剤はまたドライコーティング型であってもよい。この場合、錠剤のコアに上記薬物の粉末の大部分が配合される。外殻は、特別な送達プロフィール(例えば、2相または2重パルス)を必要とする場合を除けば、徐放性賦形剤を主成分とする。
【0033】
従って、本発明を広く定義すると、錠剤の製造に使用するための架橋高アミローススターチを主成分とする新規の徐放性賦形剤の製造方法を提供する。その方法は、
(a)高アミローススターチ(好ましくはその高アミローススターチは少なくとも70%w/wのアミロースを含有する)を、100g乾燥基準高アミローススターチ当たり、好ましくは約0.005g〜約0.3g、さらに好ましくは約0.01g〜約0.12g、よりさらに好ましくは約0.04g〜約0.1g、最も好ましくは約0.075gの架橋剤を用いて、塩基性水性媒質中で適当な温度(好ましくは約10℃〜約90℃、さらに好ましくは約20℃〜約80℃、よりさらに好ましくは約20℃〜約60℃、最も好ましくは約30℃)にて、適当な反応時間(好ましくは約1分間〜約24時間、さらに好ましくは約15分間〜約4時間、よりさらに好ましくは約30分間〜約2時間、最も好ましくは約60分間)かけて架橋し、それによって架橋高アミローススターチスラリー(好ましくは約5%〜約45%、より好ましくは約20%〜約42%、よりさらに好ましくは約30%〜約40%、最も好ましくは約35%の濃度のもの)からなる反応生成物を含有する反応媒質を生成する工程;
(b)工程(a)からの架橋高アミローススターチスラリーを、好ましくは約10℃〜約90℃、さらに好ましくは約20℃〜約80℃、さらに好ましくは約20℃〜約50℃、最も好ましくは約40℃の温度にて、好ましくは約1時間〜約72時間、さらに好ましくは約2時間〜約48時間、なおさらに好ましくは約10時間〜約40時間、最も好ましくは約29時間かけて化学修飾(例えば、酸化プロピレン、好ましくは約0.5%〜20%、より好ましくは1%〜10%、よりさらに好ましくは3%〜9%、最も好ましくは約6%の酸化プロピレンによるヒドロキシプロピル化)する工程;あるいは、工程(a)と工程(b)を逆にまたは同時に実施し、
(c)工程(b)で得た反応媒質を、酸(好ましくは希薄な無機酸水溶液)を用いて中和し、生成したスラリーを洗浄し、任意により脱水または乾燥する工程;
(d)スラリーを、約2%〜約40% w/w、好ましくは約5%〜約35% w/w、さらに好ましくは約5%〜約25% w/w、最も好ましくは約9% w/wの濃度で生成し、pHを3〜12の間の所望の値(好ましくは約6.0)に調節し、そして該スラリーを、約80℃〜約180℃、好ましくは約120℃〜約170℃、さらに好ましくは約140℃〜約165℃、最も好ましくは約160℃の温度にて、約1秒間〜約120分間、好ましくは約30秒間〜約60分間、さらに好ましくは約1分間〜約20分間、最も好ましくは約8分間かけて糊化する工程;ならびに
(e)工程(d)で得た熱処理産物を乾燥し、化学修飾しかつ架橋した高アミローススターチを主成分とする粉末形態の徐放性賦形剤を得る工程;
を含むものである。
【0034】
4.図面の簡単な説明
図面の簡単な説明については以下参照。
【0035】
5.発明の詳細な説明
スターチ、すなわちデンプンは地球上で最も広範に存在するバイオポリマーである。デンプンは、主に2つの異なる部分から構成される炭水化物である。その1つはアミロースであって、これは本質的にα-D-(1,4)結合により連結されたグルコピラノース単位の直鎖状ポリマーである。第2の成分はアミロペクチンであって、これはアミロースのある特定のグルコース部分のC-6ヒドロキシル位置とα-D-(1,6)結合により連結している高度に分枝したポリマーである。アミロースは約4,000個のグルコース単位を有する。アミロペクチンは約100,000個のグルコース単位を有する。
【0036】
デンプンの架橋は、デンプンを修飾するための代表的な強力な方法である。通常、デンプン顆粒を架橋して、剪断または熱に対するペーストの抵抗性を増大させる。そのような化学架橋したデンプンは望ましい平面組織を与え、加工操作および通常の有効寿命にわたって粘度安定性を保持する。上述したように、本発明によって、高アミローススターチを架橋し続いて糊化することが非常に望ましいことが見出された。さらに具体的には、糊化前に、高アミローススターチをさらなる化学修飾(例えばヒドロキシプロピル化)を有している状態で架橋すると、所望の徐放性特性を有する新規な賦形剤が得られることを発見した。
【0037】
高アミローススターチの架橋は、当技術分野で報告されている方法によって実施することができる。例えば、アミロースの架橋は、Mateescu [BIOCHEMIE, 60, 535-537 (1978)]が記載した方法で、アミロースをエピクロロヒドリンと塩基性媒質中で反応させることによって実施することができる。同様に、エピクロロヒドリン、無水アジピン酸、トリメタリン酸ナトリウムおよびオキシ塩化リン、または他の架橋剤、例えば限定されるものでないが、2,3-ジブロモプロパノール、酢酸と二もしくは三塩基性カルボン酸との直鎖混合無水物(linear mixed anhydride)、ビニルスルホン、ジエポキシド、塩化シアヌール、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリスアクリロイル-s-トリアジン、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエン-2,4-ジイソシアネート、N,N-メチレンビスアクリルアミド、N,N'-ビス(ヒドロキシメチル)エチレン尿素、混合炭酸−カルボン酸無水物、炭酸およびポリ塩基性カルボン酸のイミダゾリド、ポリ塩基性カルボン酸のイミダゾリウム塩、ならびにポリカルボン酸のグアニジン誘導体などからなる群より選択される試薬を用いてデンプンの架橋を行うこともできる。
【0038】
採用する反応条件は、使用する架橋剤の種類と量、ならびに塩基濃度、デンプンの量および種類によって変わりうる。
【0039】
40% w/wを超えるアミロースを含有する全ての入手可能なデンプンを使用することができ、例えば、エンドウマメおよび皺ありエンドウマメ(wrinkled pea)デンプン、マメ(bean)デンプン、ハイブリッドもしくは遺伝子組換えタピオカもしくはジャガイモデンプン、または任意の他の根、塊茎または穀類デンプンが挙げられる。好ましくは約70% w/wアミロースを含有する高アミローススターチを原料に利用することである。実施例1および2においては、高アミローススターチであるCIAmyloGel 03003(Cerestar U.S.A. Inc.)を用いている。反応は、通常、硫酸ナトリウムまたは塩化ナトリウムなどのナトリウム塩およびナトリウム塩基の存在下で実施する。これらの試薬を水中に分散して約35%〜約42%乾燥物質のスラリーとする。次いでスラリーを加熱または冷却して約10℃〜約90℃、好ましくは約20℃〜約80℃、さらに好ましくは約20℃〜約40℃、最も好ましくは30℃の温度とする。本発明においては、架橋工程に対して、約0.005%〜約0.3% w/wの架橋剤、0.01〜0.2%(w/w)の量のオキシ塩化リンまたは0.05〜0.3%(w/w)の量のトリメタリン酸ナトリウム(STMP)を用いるのが好ましい。実施例1においては0.075%の量のオキシ塩化リンを、また実施例2においては0.15%の量のトリメタリン酸ナトリウムを使用している。
【0040】
架橋反応は、pH10〜14の塩基性水性媒質中で約0.2〜40時間(好ましくは約15分間〜約4時間、さらに好ましくは約30分間〜約2時間、最も好ましくは約60分間)、約15〜約90℃の温度にて実施する。架橋高アミローススターチスラリーを含有する反応混合物が形成される。スラリー濃度は好ましくは約5%〜約45%、さらに好ましくは約20%〜約42%、最も好ましくは約30%〜約40%である。
【0041】
架橋高アミローススターチをさらに化学修飾する。好ましい修飾は、約0.5%〜約20%、好ましくは約1〜約10%乾燥基準の濃度の酸化プロピレンを用いるヒドロキシプロピル化である。反応混合物を、約10℃〜約90℃、好ましくは約20℃〜約80℃、さらに好ましくは約20℃〜約50℃、最も好ましくは約40℃の温度にて、約1時間〜約72時間、好ましくは約2時間〜約48時間、さらに好ましくは約10時間〜約40時間、最も好ましくは約20時間にわたり保持する。あるいは架橋と化学修飾を、逆の順でまたは同時に実施してもよい。反応混合物を希薄な酸水溶液を用いて中和する。硫酸および塩酸が中和を行うのに好ましい酸である。
【0042】
塩基性媒質中で実施する架橋反応と続いて行う中和によって、主に塩類からなる副産物が生成する。架橋高アミローススターチの水性スラリーから塩類を除去するための多数の方法を利用することができ、例えば濾過、遠心分離、デカンテーション、または連続ドル・クローンズ(Dorr Clones)洗浄が挙げられる。
【0043】
本発明によれば、これらの公知の方法のいずれを利用してもよい。得られたスターチスラリーまたはケーキを任意により脱水または乾燥して、スターチケーキまたは乾燥粉末を得る。
【0044】
デンプン顆粒は、デンプン分子間で起こる水素結合によって互いに保持しあう。デンプンの水性懸濁液をある特定の温度まで加熱すると、この水素結合は弱まって顆粒は膨潤して最後は崩壊する。この過程を糊化、α化またはゲル化(gelatinization)と呼ぶ。
【0045】
当技術分野では多数の糊化の方法が知られている。それらの方法としては、デンプンの水性分散液の直接または間接的な加熱または蒸気噴射、強アルカリを用いる該分散液の化学処理、あるいは機械処理と熱処理の組合せが挙げられる。
【0046】
本発明によれば、架橋高アミローススターチの糊化は、スターチスラリー、スターチケーキまたは粉末を水中に希釈して約2%〜約40%w/wの濃度のスラリーを生成して実施することが好ましい。修飾スターチスラリーのpHは3〜12の間の所望の値に調節する。本発明の事例においてはpHは約6.0が望ましい。次に、約80℃〜約180℃、好ましくは約120℃〜約170℃、さらに好ましくは約140℃〜約165℃、最も好ましくは約160℃まで、直接蒸気噴射によってスラリーを加熱する。糊化の好ましい方法はスターチスラリーの連続加圧加熱(pressure cooking)により行うものである。スラリーをこの温度にて、約1秒間〜約120分間、好ましくは約30秒間〜約60分間、さらに好ましくは約1分間〜約20分間、最も好ましくは約2〜10分間の時間にわたり、約80℃〜約180℃、好ましくは約120℃〜約170℃、さらに好ましくは約140℃〜約165℃、最も好ましくは約160℃の温度に保持する。この方法は、ホールディングカラム(実施例1参照)を含む連続系で実施することができる。
【0047】
糊化生成物は、凍結乾燥によって、スプレイノズルもしくは噴霧ディスクを用いる噴霧乾燥技術によって、または加熱チャンバー内で乾燥することができる。本発明によって、架橋高アミローススターチを、ノズルを備えた噴霧乾燥塔を用いて噴霧乾燥する。入口温度は約60℃〜約350℃、好ましくは約150℃〜約300℃、さらに好ましくは約200℃〜約270℃、最も好ましくは約245℃に設定する。空気出口温度は約40℃〜約210℃、好ましくは約60℃〜約190℃、さらに好ましくは約80℃〜約170℃、最も好ましくは約120℃に設定する。得られる粉末は、以下に記載の粉末物性を有する徐放性賦形剤である:
【0048】
本出願者らは、本発明の修飾架橋高アミローススターチが、消化性アミラーゼによる分解および高溶解性に対する錠剤の抵抗性の観点から、経口投与される医薬物質の担体ポリマーとして有用であることを見出した。そのような修飾架橋高アミローススターチは、経口投与される医薬物質を含有する錠剤に対して望ましい遅延放出特性を与える。
【0049】
本出願者らはさらに、皮下または筋内に植込んだ錠剤が、非常に優れた耐性と高度な生体適合性をもつことを見出した。該錠剤は全体的にマクロファージによって1〜3ヶ月かかって浄化された。かかる錠剤はまた、局所的に約1〜約3日から約3〜4週にわたる期間で、薬物を徐放することも示した。
【0050】
従って、本発明は、錠剤剤形の固体徐放性医薬投与単位を提供する。錠剤は、当業者であれば理解しているように、様々な経路、例えば経口摂取、口腔内での使用または埋込剤としての使用などによって投与することができる。錠剤はまた、様々な剤形、例えば、コーティングなし、ドライコーティングまたはフィルムコーティング等であってもよい。錠剤の包括的な記載は、Lachmanら,「産業薬学の理論と実践(The Theory and Practice of Industrial Pharmacy)」第3版(Lea & Febiger, 1986)などの参考文献に見ることができる。本発明の固体徐放性医薬投与単位は、約0.01%〜約80重量%の医薬物質および約20%〜約99.99重量%の上記の修飾架橋高アミローススターチの混合物を含むものである。医薬物質は好ましくは乾燥粉末の形態である。
【0051】
かかる医薬物質は、経口投与することが可能ないずれの薬物であってもよい。好ましくは、医薬物質は、限定されるものでないが、塩酸プソイドエフェドリン、アセトアミノフェンまたはジクロロフェナクナトリウム、ベラパミル、グリピジド、ニフェジピン、フェロジピン、ベタヒスチン、アルブテロール、アクリバスチン、オメプラゾール、ミソプロストール、トラマドール、オキシブチニン、トリメブチン、シプロフロキサシンおよびそれらの塩である。さらに、医薬物質は、抗菌薬(ケトコナゾールなど)、または鎮痛薬(アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、パラセタモール、イブプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、ジフルニゾール、ナプロキセン、ケトロラック、ジクロフェナク、トルメチン、スリンダク、フェナセチン、ピロキシカム、メフェナム酸(mefamanic acid)、デキストロメトルファンなど)、他の非ステロイド系抗炎症薬(サリチル酸塩など)、それらの製薬上許容される塩またはそれらの混合物であってもよい。
【0052】
固体徐放性医薬投与単位はさらに、製薬上許容される担体またはビヒクルを含むことができる。そのような担体またはビヒクルは当業者には周知であって、例えば、「レミントンの薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」, 第18版(1990)に見出される。そのような担体またはビヒクルの例としては、ラクトース、デンプン、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、カオリン、マニトールおよび粉末糖が挙げられる。さらに、必要であれば、適当な結合剤、潤滑剤、崩壊剤および着色剤を含んでもよい。所望であれば、染料ならびに甘味剤または香料を含んでもよい。
【0053】
医薬組成物および剤形に用いる適当な結合剤は、限定されるものでないが、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、または他のデンプン、ゼラチン、天然および合成ガム、例えばキサンタンガム、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末トラガカント、グアーガムなど、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、No. 2208,2906,2910)、微結晶セルロース、ポリエチレンオキサイド、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0054】
微結晶セルロースの適当な形態としては、例えば、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、およびAVICEL-PH-105(FMC Corporation, American Viscose Division, Avicel Sales, Marcus Hook, PA, U.S.A.から入手可能)として販売される物質が挙げられる。適当な結合剤の例は、微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物であって、AVICEL RC-581として販売されている。適当な無水または低湿分賦形剤または添加剤としては、AVICEL-PH-103TM、Starch 1500 LMおよびCIPharm DC 93000が挙げられる。
【0055】
本明細書に開示した医薬組成物および剤形に使用する適当な増量剤の例としては、限定されるものでないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、珪酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられる。本発明の医薬組成物中の結合剤/増量剤は、典型的には、該医薬組成物の約50〜約99重量%で存在する。
【0056】
本発明の医薬組成物および剤形を製造するために使用しうる崩壊剤としては、限定されるものでないが、寒天-寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、α化デンプン、他のデンプン、クレイ、他のアルギン類、他のセルロース類、ガムまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0057】
本発明の医薬組成物および剤形を製造するために使用しうる潤滑剤としては、限定されるものでないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール類、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、ピーナツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル(ethyl laureate)、寒天、またはそれらの混合物が挙げられる。さらなる潤滑剤としては、例えば、サイロイドシリカゲル(AEROSIL 200、製造元W. R. Grace Co., Baltimore, MD)、合成シリカの凝集エーロゾル(販売元Degussa Co., Plano, Texas)、CAB-O-SIL(焼成二酸化ケイ素製品、販売元Cabot Co., Boston, Mass)またはそれらの混合物が挙げられる。潤滑剤は、任意により、典型的には医薬組成物の約1重量%未満の量を加えることができる。
【0058】
一般的に、限定されるものでないが、粉末混合、乾式または湿式造粒などの通常の方法によって医薬物質と修飾架橋高アミローススターチを混合した後、得られた混合物を圧縮して錠剤を成形する。好ましくは、混合物を圧縮する圧力は0.16T/cm2以上である。
【0059】
本発明は、以下の本発明を説明するために示す試験方法と実施例を参照することにより、さらに容易に理解しうるであろう。この試験方法および実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0060】
6.実施例
以下の手順を試験方法として採用し、実施例で調製した生成物の物性を評価した。
【0061】
実施例1
徐放性賦形剤の調製
A.架橋高アミローススターチの調製
約70% w/wのアミロースを含有する高アミローススターチ(CI AmyloGel 03003)(30.0 kg)を反応器に投入する。この反応器に、水酸化ナトリウム(30.0 g)および硫酸ナトリウム(2.40 kg)を含有する水(55.0 L)を加える。得られるスラリーを30℃の温度に加熱する。オキシ塩化リン(22.5 g)を反応混合物に加えて1時間反応させる。
【0062】
B.ヒドロキシプロピル化架橋高アミローススターチの調製
工程Aからの粗製反応混合物をヒドロキシプロピル化反応器に移す。反応混合物を40℃で30分間にわたって加熱し、反応物を窒素を用いてきれいにする。全ての屑を除去した後、酸化プロピレン(1.80 kg)を加える。反応混合物を40℃にて20時間保持する。反応混合物を0.1N H2SO4(1:2 v/v)を用いてpH 5.5に中和する。スターチスラリーを籠型遠心機を用いて1200rpmにて洗浄する。得られるスターチケーキを35 Lの水中に再度スラリー化し、再び遠心機にかける。得られるスターチケーキをフラッシュドライヤで入口温度160℃および出口温度60℃にて乾燥する。
【0063】
C.糊化
修飾した顆粒スターチケーキを脱塩水で希釈して、乾燥物質で計算して約8%濃度のスラリーを生成する。得られるスラリーは、水と比較して相対密度1.032 kg/lを有する。修飾スターチスラリーのpHを6.0に調節する。次いで該スラリーを、直接蒸気噴射噴射(Schlick Model 825)によって160℃に加熱する。温度変動は±1℃以内とする。スラリーをホールディングカラム内で、4分間、温度160℃、圧力5.5barに保持する。次に圧力を、フラッシュを通して大気圧にまで低下させる。次いでスラリーをホールドタンク内で95℃に保つ。
【0064】
D.噴霧乾燥
工程Cから得たスラリーの乾燥を、0.8 mmノズルを備えたNiro FSD 4噴霧乾燥塔を用いて10 l/hで供給して実施する。入口温度を300℃に、また出口温度を120℃に固定する。得られる粉末は次の物性をもつ徐放性賦形剤である。
【0065】
【0066】
(A)〜(D)を通して得られるスターチサンプルを以後、「セレスター(Cerestar)」と呼ぶ。
【0067】
実施例2
徐放性賦形剤の調製
A.架橋高アミローススターチの調製
約70% w/wのアミロースを含有する高アミローススターチ(CI AmyloGel 03003)(30.0 kg)を反応器に投入する。この反応器に、水酸化ナトリウム(30.0 g)および硫酸ナトリウム(2.40 kg)を含有する水(55.0 L)を加える。得られるスラリーを30℃の温度に加熱する。トリメタリン酸ナトリウム(45 g)を反応混合物に加え、1時間反応させる。
【0068】
B.ヒドロキシプロピル化架橋高アミローススターチの調製
工程Aからの粗製反応混合物をヒドロキシプロピル化反応器に移す。反応混合物を40℃で30分間にわたって加熱し、反応物を窒素を用いてきれいにする。全ての屑を除去した後、酸化プロピレン(1.80 kg)を加える。反応混合物を40℃にて20時間保持する。反応混合物を0.1N H2SO4(1:2 v/v)を用いてpH 5.5に中和する。スターチスラリーを籠型遠心機を用いて1200rpmにて洗浄する。得られるスターチケーキを35 Lの水で再度スラリー化し、再び遠心機にかける。得られるスターチケーキをフラッシュドライヤで入口温度160℃および出口温度60℃にて乾燥する。
【0069】
C.糊化
修飾顆粒スターチケーキを脱塩水で希釈して、乾燥物質で計算して約8%濃度のスラリーを生成する。得られるスラリーは、水と比較して相対密度1.032 kg/lを有する。修飾スターチスラリーのpHを6.0に調節する。次いで該スラリーを、直接蒸気噴射(Schlick Model 825)によって160℃に加熱する。温度変動は±1℃以内とする。スラリーをホールディングカラム内で、4分間、温度160℃、圧力5.5barに保持する。次に圧力を、フラッシュを通して大気圧にまで低下する。次いでスラリーをホールドタンク内で95℃に保つ。
【0070】
D.噴霧乾燥
工程Cからのスラリーの乾燥を、0.8 mmノズルを備えたNiro FSD 4噴霧乾燥塔を用いて10 l/hで供給して実施する。入口温度を300℃および出口温度120℃に固定する。得られる粉末は次の物性を有する徐放性賦形剤である。
【0071】
【0072】
実施例3
徐放性塩酸トラマドール 100mg 錠剤の調製
塩酸トラマドール100mg錠剤を、実施例1に記載の通り調製した架橋高アミローススターチを用いてマトリックス剤形に調製した(製剤LP-1443)。製剤LP-1443の成分を表1に掲げる。製剤LP-1443錠剤は9.53 mmの直径を有する。LP-1443錠剤の形状は円形でかつ両凸面である。比較には、トラマールロング100(登録商標)(製造元、ドイツ、Grunenthal)を用いた。トラマールロング100(登録商標)は100mgの塩酸トラマドールを含有し、10.15mmの直径をもつマトリックス剤形である。トラマールロング100(登録商標)の形状は円形かつ両凸面である。
【0073】
【表1】
【0074】
実施例4
即時放出フィルムコーティングなしの徐放性塩酸トラマドール 200mg 錠剤[フィルムコーティングなしの LP-1473 ]の調製
フィルムコーティングなしの塩酸トラマドール200mg錠剤を、表2に従って調製した。最初に塩酸トラマドール粉末、架橋高アミローススターチ、タルクおよびSiO2を混合し、圧縮して錠剤のコアを成形した。次に、塩酸トラマドール、架橋高アミローススターチ、キサンタンガム、タルクおよびSiO2を混合し、圧縮して錠剤コアの外側のドライコーティングを成形した。170mgの塩酸トラマドールを含有する二相錠剤を成形した。この錠剤をフィルムコーティングなしのLP-1473と呼ぶ。
【0075】
【表2】
【0076】
実施例5
フィルムコーティングした製剤 LP-1473 の調製
実施例4に記載したドライコーティングした錠剤の製剤コードLP-1473をさらに、30mgの塩酸トラマドールを含有するフィルムを用いてコーティングした。フィルムに、8mgのOpadry Clear(登録商標)YS-3-7065を混合した30mgの塩酸トラマドールを含有する第1コーティングを施す。次いでこのサブコート上に、13mgの白色Opadry II(登録商標)Y-22-7719で被覆した。Opadry Clear(登録商標)とOpadry II(登録商標)はColorcon, Inc., West Point, Pennsylvaniaが製造元である。
【0077】
実施例6
溶解後の塩酸トラマドール濃度の定量
溶解容器中に放出される塩酸トラマドールの濃度を、UV-可視分光光度法により分光光度計UV-可視 HP-8453を用いて直接アッセイした。採集した画分は、UV吸収を269〜273nmの範囲で1nm刻みに測定する(380〜384nmの範囲で1nm刻みに測定した対照シグナルと対比して)ことによって分析した。U.S.P.標準バッファーpH1.2およびpH7.5の較正曲線を0.0300 mg/mL〜0.800 mg/mLの濃度範囲で決定した。両pH値の曲線は同一であったので、pH 1.2で測定した曲線を全アッセイに利用した。
【0078】
実施例7
標準溶解条件下での溶解試験
全ての試験はVankel BioDiss (U.S.P. type III)溶解試験所で実施した。BioDissは、標準溶解条件下で試験を実施するために4列の溶解容器を配置した。容器にそれぞれ250.0 gの溶解媒質を満たした。溶解媒質は、U.S.P.標準バッファーpH 1.2、U.S.P.標準バッファーpH 6.8 (50mM)、またはU.S.P.標準バッファーpH 7.5 (50mM)のいずれかとした。酵素はSigma Chemicalsからのα-アミラーゼ・バチルス(α-Amylase Bacillus)を使用した。錠剤を含有するセルの下蓋に40メッシュスクリーンを、かつ上蓋に20メッシュスクリーンを取り付けた。in vivo条件を模擬するために、溶解試験を37℃にて24時間にわたり次に記載の通り実施した:
【0079】
それぞれの溶解媒質を規定の時点でサンプリングした。それぞれのアリコートを2mmフィルター(Millex AP)を通して濾過した後に、UV-可視分光光度計(実施例6参照)を用いてアッセイした。標準溶解条件下の溶解プロフィールを、LP-1443、Tramal Long 100(登録商標)(Zydol SR 100(登録商標)として英国でも知られる)、LP-1473(フィルムコーティングなし)およびLP-1473(フィルムコーティングあり)について取得した。
【0080】
図1は、100mg塩酸トラマドール製剤(製剤コードLP-1443)について得た放出プロフィールを示す。図1はまた、対照製品であるZydol SR 100(登録商標)のプロフィールも含む。データは、製剤LP-1443と対照と同等の溶解プロフィールをもつことを示す。
【0081】
図2は、全200mg製剤のうち170mgが塩酸トラマドール遅延放出成分である製剤LP-1473(フィルムコーティングなし)によって得た、標的と実際の放出プロフィールを示す。
【0082】
図3は、フィルムコーティングした200mg塩酸トラマドール製剤のin vitro溶解プロフィール、ならびに全200mg塩酸トラマドールの錠剤の標的放出プロフィールである。
【0083】
標的曲線は標的薬物動態プロフィールから計算し、該プロフィールは、作用の迅速開始期(1時間未満に100ng/mL過剰の濃度)、100〜300ng/ml範囲の濃度における16時間の安定期、そして24時間後にほぼ100ng/mLの濃度をもつ緩慢な減衰期によって規定した。
【0084】
実施例8
in vivo バイオアベイラビリティ
14人の健康なヒトボランティアを対象に、オープンラベル、1回投与、無作為抽出でクロスオーバー薬物動態研究を実施して、Tramal Long 100(登録商標)、LP-1443錠剤およびLP-1473(フィルムコーティングあり)錠剤のバイオアベイラビリティをin vivo条件下で評価した。
【0085】
これらの錠剤の放出プロフィールの指標として、トラマドールの血漿濃度曲線を、図4および図5に図示した。
【0086】
トラマドール100mgを含有する錠剤LP-1473の放出プロフィールはトラマールロング100(登録商標)と同等であった。
【0087】
トラマドール200mgを含有するLP-1473錠剤(フィルムコーティングあり)については、血漿濃度が投与後約30分〜約24時間にわたり100〜300ng/mLの範囲にあり、標的持続放出プロフィールを達成した。
【0088】
実施例9
ロバスト性の評価
ロバスト性(robustness)は、有効成分の溶解プロフィールが製造または溶解試験条件の変化に対して依存することが限定されることを定義する。ロバスト性の試験は全てVankel BioDiss (U.S.P. type III)溶解試験所で実施した。溶解条件下でロバスト性評価を試験するために、BioDisは2系列の溶解容器を配置した。容器をそれぞれ250.0gの溶解媒質を用いて満たした。溶解媒質は、U.S.P.標準バッファーpH 1.2、U.S.P.標準バッファーpH 6.8 (50mM)、またはU.S.P.標準バッファーpH 7.5 (50mM)のいずれかとした。酵素はSigma Chemicalsからのα-アミラーゼ・バチルスを使用した。錠剤を含有するセルの下蓋に40メッシュスクリーンを、かつ上蓋に20メッシュスクリーンを取りつけた。溶解試験は37℃にて24時間かけて実施した。使用した方法を、個々の試験のそれぞれに対して、以下に概説する。
【0089】
【0090】
それぞれの溶解媒質を特定の時点でサンプリングした。それぞれのアリコートを2mmフィルター(Millex AP)を通して濾過した後、UV-可視分光光度計(実施例6参照)を用いてアッセイした。様々なpH、攪拌、および酵素条件下でLP-1443、LP-1473(フィルムコーティングなし)の溶解プロフィールを得た。
【0091】
図6は、溶解媒質pHの変動は製剤LP-1443の放出プロフィールに有意な影響を与えないことを示す。
【0092】
図7は、酵素が、溶解プロフィールに及ぼす影響を示す。標準溶解条件下とpH6.8における放出プロフィールは同等であるのに対して、酵素を試験全体にわたって使用すると放出速度はわずかに増加した。この増加は酵素濃度に依存するようであった。
【0093】
図8は、溶解媒質イオン強度の変化が製剤LP-1443の放出プロフィールに有意な影響を与えなかったことを示す。
【0094】
図9は、溶解中の攪拌速度の変化が試験範囲内で影響を与えなかったことを示す。
【0095】
図10は、製剤LP-1473(フィルムコーティングなし)の種々のpH値における溶解プロフィールを示す。pH 1.2、pH 6.8またはpH 7.5における溶解プロフィールは標準条件下のものと比べて有意差がなかった。
【0096】
図11は、酵素が溶解プロフィールに及ぼす影響を示す。標準溶解条件下とpH6.8における放出プロフィールは同等であるのに対して、酵素を試験全体にわたって使用した時、放出速度はわずかに有意性なく増加した。この増加は酵素濃度に依存するようであった。
【0097】
図12は、溶解媒質イオン強度が製剤LP-1473(フィルムコーティングなし)の放出プロフィールに有意な影響を与えなかったことを示す。
【0098】
図13は、溶解中の攪拌速度の変化は、製剤LP-1473(フィルムコーティングなし)に試験範囲内で影響を与えなかったことを示す。
【0099】
実施例10
膨潤架橋スターチの流動特性(レオロジー)の観察
実施例1に開示した本発明の方法によって作製された架橋高アミローススターチ(CLHAS)(セレスター)は、DumoulinらのWO 98/35992号にRougierが開示した方法によって作製されたスターチ(ルージェ)とは異なる。セレスター錠剤は水中で膨潤すると幅で約20%、厚さで79%膨潤するのに対して、ルージェ錠剤はそれぞれ29%および72%膨潤する。セレスター錠剤は水吸収後乾燥セレスター錠剤の元来の重量の2.55倍の重量増加を有する。ルージェ錠剤は乾燥ルージェ錠剤の3.11倍、重量が増加する。セレスター錠剤はルージェ錠剤よりも、膨潤に対する温度の影響が顕著ではない、すなわち、水吸収の増分が少ない。
【0100】
同じ厚みを有するセレスター錠剤とルージェ錠剤の膨潤挙動を比較したところ、水中に浸漬した場合にセレスター錠剤はより速い剛性増大を示した(図14)。様々な時間間隔で1%の圧縮を錠剤に適用してピーク荷重のみを記録した。その後、特に限定しない状態で平衡まで錠剤を再膨潤させた。実験はMach-1TM計器で厚さ3mmの錠剤を用いて実施した。1%ごとに歪度をかけて得た応力緩和曲線(図15)は、セレスター錠剤がルージェ錠剤より遥かに剛性が高い、すなわちセレスター錠剤が1%歪度の圧縮に対してより顕著な抵抗性を有することを示す。セレスター錠剤は、ルージェ錠剤より約1.5倍大きいピーク抵抗を示す(1%圧縮当たり約15g〜25g荷重)。
【0101】
実施例11
水膨潤セレスター錠剤とルージェ錠剤の SEM 顕微鏡写真
走査電子顕微鏡(SEM)技術を用いてセレスター錠剤とルージェ錠剤の形態を試験し、両者の間に大きな相違があることを明らかにした。図16は、凍結乾燥した、水膨潤セレスター錠剤表面のSEM顕微鏡写真を示す。図17は、凍結乾燥した、水膨潤セレスター錠剤周囲に存在する上清懸濁液のSEM顕微鏡写真を示す。比較のために、図18は、37℃にて水中で平衡膨潤したルージェ錠剤のSEMを示す。
【0102】
実施例12
ゲル浸透クロマトグラフィ分析
5つのスターチサンプル:(l) C アミロゲル 03003 HAスターチはセレスターの原料である70%アミローススターチであり、(2)Contramid ロット333はルージェの方法によって作製した架橋高HAスターチであり、(3)セレスター修飾HAスターチバッチ1903(実施例1に開示の通り製造した)、(4)セレスター修飾HAスターチバッチHE 3825(実施例1に開示の通り製造した)、および(5)セレスター修飾HAスターチバッチHE 3808(実施例1に開示の通り製造した)を、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって分析した。
【0103】
GPC分析は次の4工程で実施した:
1)サンプルを90% DMSO中に溶解(15 mg/ml、80℃にて3日間)し、該溶液を潤滑剤(0.005M Na2CO3)で希釈する(2:1);
2)サンプルのカラムシステムI(Sephacrylカラム)で分画する。サンプル容積:1.6 ml;
3)画分のヨウ素呈色反応(640 nmおよび525 nm)および総炭水化物量について分析する;
4)広分散分子標準(BDS-HES)によりカラムシステムを較正する。
【0104】
5つのサンプルそれぞれに対するGPC結果は次の通りである:
(1) Cアミロゲル Gel 03003 HA スターチ(アミロゲル 3003 )
このサンプルは約20%の高分子部分を含有し、これは640/525 nm比が0.4と0.6の間にあってアミロペクチン構造に相当する。低分子部分は画分90に最大溶出があり、ここで分子スケールは300000ダルトン[g/M]である。640/525 nm比から様々な分枝構造のあることが明らかで、最高の比は1.6〜2であって長鎖分枝構造に相当する。
【0105】
(2) ルージェ・ロット 333
このスターチ生成物は非常に広い分散を有し、様々な構造組成の部分をもつ。大きい比率を占める高分子成分は640/525 nm比が1である(約50%)。低分子部分は高い比率で様々な分枝構造を含有し、その比は1.2〜1.6と観察される。
【0106】
(3) セレスター修飾 HA スターチ(バッチ 1903 )
この修飾HAスターチは広い分子分散を有し、高分子成分の比率は比較的小さく、640/525 nm比は1〜1.6である。ヨウ素呈色は、中程度の鎖長をもつ分枝構造を示す。
【0107】
(4) セレスター修飾 HA スターチ(バッチ 3825 )
この修飾スターチも広い分子分散からなり、高分子成分の比率が非常に高い。ヨウ素呈色は類似の構造特性を示し、640/525 nm比は同じく1〜1.6のスケールである。
【0108】
(5) セレスター修飾 HA スターチ(バッチ 3808 )
このバッチには高分子成分が存在しない。低分子成分の比率は、バッチ1903および3825より有意に高い。640/525 nm比の実測値は非常に一貫して1.5のスケールであって、中程度の分枝鎖長で等しく分枝した構造を示す。
【0109】
ルージェの方法により作製した架橋HAスターチ(Contramid(ルージェ)333)と本発明の方法により作製した架橋HAスターチ(バッチ3808、1903、3825)との間の顕著な相違を図19と20に示す。ルージェ製品においては、アミロースの有意な量がアミロペクチンと一緒に溶出し、このことは化学処理によって共有結合が生じたことを示す。セレスター製品においては、高分子量のピークは小さく、これはアミロペクチンが小さいサブユニットに分解されることによるものと考えられる。アミロペクチンと結合したアミロースの量はルージェより小さい。これは、架橋がアミロースとアミロペクチンとの間よりもアミロース分子間で選択的に起こるかまたは架橋度が低い(セレスターは0.075%のオキシ塩化リンを使うがルージェは3.25%のトリメタリン酸ナトリウムを使う)かのいずれかの事実によるものと考えられる。
【0110】
実施例13
植込錠の調製
架橋高アミローススターチ、Lubritab(登録商標)(Penwest Pharmaceuticals Co.)および塩酸シプロフロキサシンの乾式混合物を、次の組成で調製した:
【0111】
これらの混合物を7.1 mm円形パンチを用いて圧縮し、錠剤剤形の厚さ5mmの植込錠を得た。成形した錠剤(A型、またはB型、またはC型)のそれぞれの重量は200mgである。
【0112】
実施例14
植込錠の in vitro における薬物放出
21日間にわたって、2.5%、5%および7.5%塩酸シプロフロキサシン(Cipro)植込錠(それぞれ実施例13に記載したA型、B型およびC型)を、個々に20 mLの等張性リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、pH7.4に浸漬して、実験を実施した。水密性容器を37℃にて振とう浴内に保持した。植込錠を24時間毎に20mLの新鮮なPBS中に移した。塩酸シプロフロキサシンをUV分光光度法(277nm)によってアッセイした。
【0113】
図21に示すように、塩酸シプロフロキサシン放出を良好な再現性をもって21日間にわたって得た。驚くべきことに、塩酸シプロフロキサシン初期放出速度は薬物負荷量が増加するに従い低下した。
【0114】
実施例15
植込錠の in vivo 試験
18匹の2kgニュージーランド白ウサギを用いて、植込錠からの塩酸シプロフロキサシンの全身および局所抗生物質放出を評価した。動物は、無作為に2グループ(2.5%および7.5%塩酸シプロフロキサシン)に割当てた。それぞれのウサギの右後肢を無菌処理した。皮膚と外側大腿筋膜を切開して大腿骨幹を露出させた。それぞれのウサギに30mgの塩酸シプロフロキサシンを、架橋高アミローススターチ植込錠(実施例13に記載のA型またはC型のいずれか)の剤形で投与した。植込錠を大腿四頭筋と大腿骨の間に配置し、次いで筋膜と皮膚を縫合した。動物を毎日モニターした。植込み後3、7、14、21および28日に安楽死させた。大腿四頭筋と大腿骨を採取して塩酸シプロフロキサシンアッセイおよび組織学試験を実施した。残りの全ての動物について血液サンプルを、0、1、2、3、4、7、10、14、21および28日に採取し、塩酸シプロフロキサシンアッセイをHPLCによって実施した。
【0115】
植込可能な剤形として、架橋高アミローススターチの皮下植込みに対する良好な生体適合性は既にラットで実証されていた(C. Desevauxら, Proceed. Int'l. Symp. Control. Rel. Bioact. Mater. 26(1999)635-636)。同様に、ウサギにおける本試験においても、有害な局所反応も健康への影響も起こらなかった。死後の肉眼観察できる炎症は僅かであり、植込み部位に限定された。好中球およびマクロファージが架橋高アミローススターチ植込錠の内部および周囲にそれぞれ観察された。
【0116】
図22に示すように、血清塩酸シプロフロキサシンは低レベルで21日まで常に検出され、毒性影響の可能性は限定された。in vitroデータと一致して、C型塩酸シプロフロキサシン植込錠の初期放出は、より制御されかつ再現性があった。
【0117】
図23に示すように、C型植込錠では長期間(21日)にわたる高い抗菌レベルが筋内に見られた。in vitroデータと一致して、A型植込錠の植込み後の局所濃度は14日後に低下した。
【0118】
結論として、C型植込錠は、例えば、外傷後または外科手術後などの骨感染を局所治療または予防するために安全にかつ効率よく利用することができる。
【0119】
本明細書に開示した本発明の実施形態は上記の目的を完遂するために十分適していることは明らかであるが、当業者であれば複数の変法および他の実施形態を実施可能であることは理解するであろうし、特許請求の範囲が本発明の真の精神と範囲内にある全てのそのような変法と実施形態を包含することを意図している。
【0120】
複数の参考文献を引用しており、これらの開示内容は全て本明細書に参照により組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 製剤LP-1443およびZydol SR 100(登録商標)の標準溶解条件下での放出プロフィールである。
【図2】 製剤LP-1473の標的および実際のin vitro溶解プロフィールである。in vitroプロフィールは標準溶解条件下で得た。
【図3】 トラマドール(登録商標)HCl 200mgの標的および実際のin vitro溶解プロフィールである。
【図4】 錠剤LP-1443対トラマールロング100(登録商標)のヒトにおける薬物動態を表す。
【図5】 錠剤LP-1473(フィルムコーティングあり)のヒトにおける薬物動態を表す。
【図6】 溶解媒質pHが、製剤LP-1443の溶解プロフィールに及ぼす影響を表す。
【図7】 溶解媒質中のα-アミラーゼ・バチルス(α-Amylase Bacillus)が、製剤LP-1443の溶解プロフィールに及ぼす影響を表す。
【図8】 溶解媒質イオン強度が、製剤LP-1443の溶解プロフィールに及ぼす影響を表す。
【図9】 攪拌速度が、製剤LP-1443の溶解プロフィールに及ぼす影響を表す。
【図10】 溶解媒質のpHが、製剤LP-1473(フィルムコーティングなし)の溶解プロフィールに及ぼす影響を表す。
【図11】 溶解媒質中のα-アミラーゼ・バチルス(Bacillus)が、製剤LP-1473(フィルムコーティングなし)の溶解プロフィールに及ぼす影響を表す。
【図12】 溶解媒質イオン強度が、製剤LP-1473(フィルムコーティングなし)の溶解プロフィールに及ぼす影響を表す。
【図13】 攪拌速度が、製剤LP-1473(フィルムコーティングなし)の溶解プロフィールに及ぼす影響を表す。
【図14】 セレスター(Cerester)錠剤の準可逆的粘弾性物性を表す。
【図15】 1%ごとに歪度を適用して得た応力緩和曲線である。
【図16】 凍結乾燥した、セレスター水膨潤錠剤表面のSEM写真である。
【図17】 凍結乾燥した、水膨潤セレスター錠剤周囲に存在する上清懸濁液のSEM写真である。
【図18】 37℃にて水中で平衡膨潤したルージェ錠剤のSEM写真である。
【図19】 GPC結果であり、アミロゲル 3003、Contramid-ルージェ 333、セレスター バッチ3808、1903、3825中の炭水化物の割合(%)を、画分の関数として表した。
【図20】 GPC結果であり、アミロゲル 3003、Contramid-ルージェ 333、セレスター・バッチ3808、1903、3825中の炭水化物の割合(%)を、log[g/M]の関数として表した。
【図21】 3種の異なる植込錠充填によるin vitroにおける累積塩酸シプロフロキサシン放出を表す。
【図22】 血清シプロフロキサシン濃度を表す。
【図23】 筋シプロフロキサシン濃度を表す。
Claims (37)
- 少なくとも1種の医薬物質の粉末と徐放性賦形剤の粉末を含む、少なくとも2つの乾燥粉末の混合圧縮物を含有する徐放性錠剤であって、該徐放性賦形剤が、以下の工程:
(a)高アミローススターチの架橋およびヒドロキシプロピル化である化学修飾工程、およびそれに続く
(b)糊化工程、ならびにその後の
(c)乾燥により徐放性賦形剤の粉末を得る工程、
により調製される架橋高アミローススターチをさらに含むものである、上記徐放性錠剤。 - 経口投与用である、請求項1に記載の錠剤。
- 植込錠である、請求項1に記載の錠剤。
- 徐放性賦形剤が、高アミローススターチの架橋によりならびにエステル化およびエーテル化からなる群より選択される化学修飾により調製される架橋高アミローススターチを含むものである、請求項1に記載の錠剤。
- 架橋高アミローススターチが酸化プロピレンによりヒドロキシプロピル化されたものである、請求項1に記載の錠剤。
- 高アミローススターチが、エピクロロヒドリン、無水アジピン酸、トリメタリン酸ナトリウムおよびオキシ塩化リンからなる群より選択される試薬を用いて架橋されたものである、請求項1に記載の錠剤。
- 架橋高アミローススターチが80℃〜180℃の温度で糊化されたものである、請求項1に記載の錠剤。
- 乾燥粉末の混合物が潤滑剤と増量剤を含むものである、請求項1に記載の錠剤。
- 潤滑剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項8に記載の錠剤。
- 増量剤がラクトースである、請求項9に記載の錠剤。
- 医薬物質が、塩酸プソイドエフェドリン、アセトアミノフェン、ジクロロフェナクナトリウム、ベラパミル、グリピジド、ニフェジピン、フェロジピン、ベタヒスチン、アルブテロール、アクリバスチン、オメプラゾール、ミソプロストール、トラマドール、シプロフロキサシン、オキシブチニン、トリメブチン、トラマドール、ケトコナゾール、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、パラセタモール、イブプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、ジフルニゾール、ナプロキセン、ケトロラック、ジクロフェナク、トルメチン、スリンダク、フェナセチン、ピロキシカム、メフェナム酸、デキストロメトルファン、サリチル酸塩、製薬上許容されるそれらの塩またはそれらの混合物である、請求項1に記載の錠剤。
- 高アミローススターチの架橋および化学修飾ならびにそれの糊化により徐放性賦形剤を製造する方法であって、第1に
(a)高アミローススターチの架橋およびヒドロキシプロピル化工程、およびそれに続く
(b)工程(a)のスターチ生成物の熱糊化工程、そして最後に
(c)工程(b)のスターチ生成物の乾燥により前記徐放性賦形剤として用いることができる粉末を得る工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。 - 錠剤の製造に使用するための、架橋高アミローススターチを主成分とする徐放性賦形剤を水性媒質中で製造する方法であって、第1に以下の工程:
(a)高アミローススターチを架橋し、それにより架橋高アミローススターチスラリーからなる反応生成物を含有する反応媒質を生成する工程;
(b)工程(a)からの架橋高アミローススターチスラリーを、10℃〜90℃の温度にて1時間〜72時間かけてヒドロキシプロピル化により化学修飾する工程;
(c)工程(b)で得た反応媒質を酸を用いて中和し、生成したスラリーを洗浄し、任意により脱水してスターチケーキを生成するかまたは乾燥して乾燥粉末を生成する工程;および(a)〜(c)の工程に続いて
(d)水を用いて工程(c)からのスラリーを希釈するかまたはスターチケーキもしくは乾燥粉末を再度スラリー化して2%〜40% w/wの濃度のスラリーを生成し、pHを3〜12の間の所望の値に調節し、そしてスラリーを80℃〜180℃の温度にて1秒間〜120分間かけて糊化する工程;ならびに
(e)工程(d)で得た熱処理産物を乾燥して、化学修飾しかつ架橋した高アミローススターチを主成分とする徐放性賦形剤を粉末形態で得る工程;
を含むものである上記方法。 - 工程(a)と工程(b)を同時に実施する、請求項13に記載の方法。
- 以下の工程:
(a)少なくとも70%w/wのアミロースを含有する高アミローススターチを、高アミローススターチ乾燥基準100g当たり0.005g〜0.3gの架橋剤を用いて水性媒質中で10℃〜90℃の温度で架橋し、それにより架橋高アミローススターチスラリーからなる反応生成物を含有する反応媒質を生成する工程;
(b)工程(a)からの架橋高アミローススターチスラリーを、酸化プロピレンを用いて10℃〜90℃の温度にて1時間〜72時間かけてヒドロキシプロピル化を行い、ヒドロキシプロピル化架橋高アミローススターチスラリーを含有する反応媒質を得る工程;
(c)工程(b)で得た反応媒質を希薄な酸水溶液を用いて中和し、生成したスラリーを洗浄し、任意により脱水してスターチケーキまたは乾燥粉末を得る工程;
(d)水を用いて工程(c)からのスラリーを希釈するかまたはスターチケーキもしくは乾燥粉末を再度スラリー化して2%〜40% w/wの濃度のスラリーを生成し、pHを4.0〜9.0に調節し、そして本工程で作ったスラリーを80℃〜180℃の温度にて1秒間〜120分間かけて糊化する工程;ならびに
(e)工程(d)で得た熱処理産物を乾燥してヒドロキシプロピル化しかつ架橋した高アミローススターチを主成分とする徐放性賦形剤を粉末形態で得る工程、
を含むものである、請求項13に記載の方法。 - 工程(a)において、架橋剤がスターチ乾燥基準100g当たり0.01〜0.2gの量のオキシ塩化リンまたはスターチ乾燥基準100g当たり0.05〜0.3gの量のトリメタリン酸ナトリウムである、請求項15に記載の方法。
- 工程(a)を塩基性水性媒質中で実施する、請求項15に記載の方法。
- 工程(a)において架橋を10〜14のpHで15〜90℃の温度にて0.2〜40時間実施する、請求項16に記載の方法。
- 工程(b)においてヒドロキシプロピル化を10%までの酸化プロピレンを用いて40〜80℃の温度にて10〜72時間実施する、請求項15に記載の方法。
- 工程(c)において反応媒質の中和を希硫酸または塩酸を用いて実施する、請求項15に記載の方法。
- 工程(d)において糊化を架橋高アミローススターチの懸濁水溶液中に直接蒸気を噴射して実施する、請求項15に記載の方法。
- 工程(d)においてpHを6.0に調節しかつ温度を80〜180℃にて2〜10分間保持する、請求項15に記載の方法。
- 工程(e)において、乾燥を噴霧乾燥によって実施する、請求項15に記載の方法。
- 工程(e)において入口温度が60〜350℃であり、かつ出口温度を40〜210℃に設定する、請求項23に記載の方法。
- 錠剤の製造に使用するための、架橋高アミローススターチを主成分とする徐放性賦形剤を水性媒質中で製造する方法であって、第1に以下の工程:
(a)高アミローススターチを10℃〜90℃の温度にて1時間〜72時間かけてヒドロキシプロピル化により化学修飾し、それにより化学修飾した高アミローススターチスラリーを含有する反応媒質を生成する工程;
(b)工程(a)から得たスラリー中の化学修飾した高アミローススターチを架橋する工程;
(c)工程(b)で得たスラリーを酸を用いて中和し、生成したスラリーを洗浄し、任意により脱水してスターチケーキを生成するかまたは乾燥して乾燥粉末を生成する工程;および(a)〜(c)の工程に続いて
(d)水を用いて工程(c)からのスラリーを希釈するかまたはスターチケーキもしくは乾燥粉末を再度スラリー化して2%〜40% w/wの濃度のスラリーを生成し、pHを3〜12の間の所望の値に調節し、そしてスラリーを80℃〜180℃の温度にて1秒間〜120分間かけて糊化する工程;ならびに
(e)工程(d)で得た熱処理産物を乾燥して、化学修飾しかつ架橋した高アミローススターチを主成分とする徐放性賦形剤を粉末形態で得る工程;
を含むものである上記方法。 - 工程(a)と工程(b)を同時に実施する、請求項25に記載の方法。
- 以下の工程:
(a)少なくとも70%w/wのアミロースを含有する高アミローススターチを、酸化プロピレンを用いて10℃〜90℃の温度にて1時間〜72時間かけてヒドロキシプロピル化を行い、ヒドロキシプロピル化高アミローススターチスラリーを主成分とする反応生成物を含む反応媒質を得る工程;
(b)ヒドロキシプロピル化高アミローススターチスラリーを、高アミローススターチ乾燥基準100g当たり0.005g〜0.3gの架橋剤を用いて水性媒質中で10℃〜90℃の温度にて架橋し、架橋ヒドロキシプロピル化高アミローススターチスラリーを含有する反応媒質を生成する工程;
(c)工程(b)で得た反応媒質を希薄な酸水溶液を用いて中和し、生成したスラリーを洗浄し、任意により脱水してスターチケーキまたは乾燥粉末を得る工程;
(d)水を用いて工程(c)からのスラリーを希釈するかまたはスターチケーキもしくは乾燥粉末を再度スラリー化して2%〜40% w/wの濃度のスラリーを生成し、pHを4.0〜9.0に調節し、そして本工程で作ったスラリーを80℃〜180℃の温度にて1秒間〜120分間かけて糊化する工程;ならびに
(e)工程(d)で得た熱処理産物を乾燥してヒドロキシプロピル化しかつ架橋した高アミローススターチを主成分とする徐放性賦形剤を粉末形態で得る工程、
を含むものである、請求項25に記載の方法。 - 工程(a)において、架橋剤がスターチ乾燥基準100g当たり0.01〜0.2gの量のオキシ塩化リンまたはスターチ乾燥基準100g当たり0.05〜0.3gの量のトリメタリン酸ナトリウムである、請求項27に記載の方法。
- 工程(b)を塩基性水性媒質で実施する、請求項27に記載の方法。
- 工程(b)において架橋を10〜14のpHで15〜90℃の温度にて0.2〜40時間実施する、請求項28に記載の方法。
- 工程(a)においてヒドロキシプロピル化を10%までの酸化プロピレンを用いて40〜80℃の温度にて10〜72時間実施する、請求項27に記載の方法。
- 工程(c)において反応媒質の中和を希硫酸または塩酸を用いて実施する、請求項27に記載の方法。
- 工程(d)において糊化を架橋高アミローススターチの懸濁水溶液中に直接蒸気を噴射して実施する、請求項27に記載の方法。
- 工程(d)においてpHを6.0に調節しかつ温度を80〜180℃にて2〜10分間保持する、請求項27に記載の方法。
- 工程(e)において、乾燥を噴霧乾燥によって実施する、請求項27に記載の方法。
- 工程(e)において入口温度が60〜350℃であり、かつ出口温度を40〜210℃に設定する、請求項35に記載の方法。
- 以下の工程:
(a)高アミローススターチの架橋およびヒドロキシプロピル化による化学修飾工程、およびそれに続く
(b)糊化工程、ならびにその後の
(c)乾燥により架橋高アミローススターチの粉末を得る工程、
を含む工程によって調製される、徐放性賦形剤用の架橋高アミローススターチ。
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