JP5021938B2 - 熱接着性複合繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱接着後の接着強力が高く、かつ熱接着時の熱収縮が極めて少ない、熱接着性複合繊維とその製造方法に関する。更に詳しくは、低配向、高伸度でありながら良好な捲縮性能を有し、カード性が良好な高接着性と低熱収縮性を兼備する熱接着性複合繊維とその製造方法に関するものである。
熱接着性樹脂成分を鞘とし、繊維形成性樹脂成分を芯とする鞘芯型熱接着複合繊維に代表される熱接着性複合繊維は、カード法やエアレイド法、湿式抄紙法等により繊維ウェブを形成した後、熱風ドライヤーや熱ロールにより熱接着性樹脂成分を融解させて繊維間結合を形成するため、有機溶剤を溶媒とする接着剤を用いずに済み、環境への有害物排出が少ないだけでなく、生産速度向上およびそれに伴うコストダウンのメリットが大きく、硬綿、ベッドマット等の繊維構造体や不織布用途をメインとして広く用いられてきた。中でも、不織布強力の更なる向上や不織布生産速度向上を狙って、熱接着性複合繊維の低温接着性または接着強度の向上が検討されている。
特許文献1においては、プロピレン−エチレン−ブテン−1からなる3元共重合体を鞘成分とし、結晶性ポリプロピレンを芯成分として、それらを複合比(鞘成分/芯成分=20/80〜60/40)で紡糸して得た複合未延伸糸を、延伸倍率3.0未満で延伸することにより、従来よりも高い接着強力を有する熱接着性複合繊維が得られることが開示されている。特許文献2においては、高速紡糸法により熱接着性樹脂成分の配向指数が25%以下で、繊維形成性樹脂成分の配向指数が40%以上とすることで、接着点強度が強く、より低温で融着し、かつ熱収縮率の小さい熱融着性複合繊維が開示されている。
しかしながら、これらの繊維は比較的低配向、高伸度であり、延伸による配向が不十分であるため繊維の曲げ剛性が小さく、押し込み式クリンパー等による機械的な捲縮付与方法では、一旦付与した捲縮が回復してしまい、繊維間の絡合が不良であるため、カード通過性が悪く、カードスピードを上げるとウェブが切れてしまい、不織布生産性に難があった。捲縮を強くするために、クリンパーを通過する前に加熱する方法があるが、剛性が小さいために捲縮が非常に細かくなり、繊維間の絡みが強くなり過ぎるため、反ってカード通過性が悪くなる。このように、低配向、高伸度の熱接着性複合繊維において、カード性の良好な繊維は従来提案されていなかった。
特開平6−108310号公報 特開2004−218183号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、低配向、高伸度を特徴とする高接着性と低熱収縮性を兼備する上、カード性の極めて良好な熱接着性複合繊維を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、芯成分と鞘成分の組成、芯鞘比、流動性、偏芯状態等を適度に設定した同芯芯鞘型あるいは偏芯芯鞘型複合繊維の未延伸糸を、芯と鞘のガラス転移点より高い温度で定長熱処理し、続いて更に高い温度で弛緩熱処理することにより、従来提案されてきた低配向高伸度よりカード性が良好な、高接着性と低熱収縮性を兼備する熱接着性複合繊維の発明に到達した。
より具体的には、上記課題は繊維形成性樹脂成分および繊維形成性樹脂成分の融点より20℃以上低い融点を持つ結晶性熱可塑性樹脂によって構成される熱接着性樹脂成分からなる熱接着性複合繊維であって、繊維形成性樹脂成分が芯、熱接着性樹脂成分が鞘となる同芯芯鞘型複合繊維であり、繊維形成性樹脂成分がポリエチレンテレフタレートであり、破断伸度が125〜600%、120℃乾熱収縮率が−10〜−0.2%、捲縮率/捲縮数が0.8以上であることを特徴とする熱接着性複合繊維、並びに150〜1800m/minの紡糸速度で引き取った複合繊維の未延伸糸を熱接着性樹脂成分の主たる結晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点と繊維形成性樹脂成分のガラス転移点の双方より高い温度で0.5〜1.3倍で定長熱処理し、その後該定長熱処理温度より5℃以上高い温度において無緊張下で熱処理することを特徴とする熱接着性複合繊維の製造方法による発明により解決することができる。
本発明は、従来提案されていた低配向タイプの高接着性低熱収縮性の熱接着性複合繊維での欠点であったカード通過性を改善し、不織布生産性を向上させるだけでなく、ウェブ品位も良好な熱接着不織布の提供を可能とする。更には、熱接着性複合繊維が自己伸張性を有するために、熱接着後の不織布が嵩高に仕上がり、剛性の小さいことと相まって、従来にない風合いに優れかつ嵩高な不織布の商用生産の拡大に大きく貢献するものである。
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。熱接着性複合繊維を構成する成分としては、繊維形成性樹脂成分となる樹脂および繊維形成性樹脂成分より20℃以上低い融点をもつ結晶性熱可塑性樹脂を熱接着性樹脂成分として選択する必要がある。繊維形成性樹脂成分と熱接着性樹脂成分の融点差が20℃未満であると、熱接着性樹脂成分を融解し接着させる工程で繊維形成性樹脂成分も溶けてしまい、強度の高い不織布または繊維構造体ができない。
繊維形成性樹脂成分としては特に限定されないが、融点が150℃以上の結晶性熱可塑性樹脂がよく、高密度ポリエチレン(HDPE)、アイソタクティックポリプロピレン(PP)若しくはこれらを主成分とする共重合体等のポリオレフィン類やナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、若しくはポリエチレンナフタレート等のポリエステル類等が上げられるが、上記のような製造方法でウェブ又は不織布に適度の剛性を付与できるポリエステル類、中でもポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく用いられる。
本発明の熱接着性複合繊維の形態は繊維形成性樹脂成分と熱接着性樹脂成分とが所謂サイドバイサイド型で貼りあわされた複合繊維であっても、両成分が芯鞘構造を持つ芯鞘型複合繊維であっても構わない。しかし、繊維軸方向に対して直角方向であってあらゆる方向に熱接着性樹脂成分が配置され得る点で繊維形成性樹脂成分を芯成分、熱接着性樹脂成分を鞘成分とする芯鞘型複合繊維であることが好ましい。また芯鞘型複合繊維としては同芯芯鞘型複合繊維又は偏芯芯鞘型複合繊維を挙げることができる。
その繊維形成性樹脂成分(好ましくは芯成分)と熱接着性樹脂成分(好ましくは鞘成分)の比率(芯/鞘)は60/40〜10/90(重量比)であることが、カード通過性を良好とする捲縮性能を付与する点で好ましく、更に55/45〜20/80にあることが好ましい。この理由は鞘成分が弛緩熱処理をする際に軟化し熱収縮を起こすが、鞘成分が多いほど芯を変形させやすく、立体捲縮が発現しやすくなるためと思われる。鞘比率が40重量未満であると芯を変形させる収縮力が小さくなるため立体捲縮が発現しにくくなる。逆に鞘比率が90重量%を超えると立体捲縮が多くなりすぎて、カードで詰りを生じる傾向にある。紡糸時の双方の樹脂成分の供給量を制御することによりこの範囲を達成することができる。
その鞘成分を構成する主たる結晶性熱可塑性樹脂は、芯成分より20℃以上低い融点をもつ結晶性熱可塑性樹脂を選択することが必要である。非晶性熱可塑性樹脂であると、紡糸時に配向した分子鎖が融解と同時に無配向となるに伴い大きく収縮してしまう。鞘成分を構成する結晶性熱可塑性樹脂としては特に限定を受けないが、ポリオレフィン系樹脂や結晶性共重合ポリエステルが好ましい例として挙げられる。ここで主たるとは、上述または後述のようなポリマーブレンドの例を採用する際に本発明の複合繊維の特徴を全体として失わない程度であるが、好ましくは55重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。
そのポリオレフィン系樹脂の例としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、若しくはプロピレンと他のαオレフィンからなる結晶性プロピレン共重合体等のポリオレフィン類、又はエチレン、プロピレン、ブテン−1、若しくはペンテン−1等のαオレフィンと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、若しくはハイミック酸等の不飽和カルボン酸あるいはこれらのエステル、若しくは酸無水物等の極性基を有する不飽和化合物等の少なくとも1種のコモノマーとの共重合体からなる変性ポリオレフィン類等が挙げられる。
また結晶性共重合ポリエステルの例としては、酸成分として、主たるジカルボン酸成分をテレフタル酸あるいはそのエステル形成性誘導体とし、主たるジオール成分をエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、又はこれらの誘導体からのうち1〜3種の組合せにより得られるアルキレンテレフタレートにイソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸塩等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサメチレンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、ε−ヒドロキシカルボン酸、ω−ヒドロキシカルボン酸等、前述の例の他、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサメチレンジメタノール等の脂環族ジオール等を、目的の融点を呈するように共重合させたものが挙げられる。
本発明の熱接着性複合繊維の特徴は、破断伸度が60〜600%、120℃乾熱収縮率が−10〜−0.2%、捲縮率と捲縮数の比(捲縮率/捲縮数)が0.8以上であり、これを満足することが、接着強力と低熱収縮性および良好なカード通過性を兼備するために必要である。
熱接着性複合繊維の破断伸度を、熱接着性樹脂成分の樹脂の配向を低く抑えるために、60〜600%の範囲にコントロールする必要があり、好ましくは80〜450%の範囲とする。破断伸度が60%未満であると、熱接着成分の配向が高いために接着性に劣り、不織布強度が低下する。また、600%を超えると、実質的に繊維強度が小さいために熱接着不織布の強度を上げることができない。
また、熱接着性複合繊維の120℃乾熱収縮率は−10〜1%の範囲となるようにする。熱接着時の収縮が少ないために繊維交点での接着点のズレが少なく、接着点が強固になる。更に収縮率が負となり、いわゆる自己伸長の状態になると熱接着前に不織布中の繊維密度が低下し、嵩高に仕上がることによって柔く風合いの良い不織布ができる。収縮率が1%を超えると、熱接着時に接着交点がずれ、接着強度が低下する方向であり、目標とする接着強力の向上に寄与しない。一方、収縮率が−10%を下回り自己伸長になると、やはり接着点のずれが生じ、不織布強度は低下する方向に移行する。






前述の高い破断伸度と低い乾熱収縮率を両立するためには、延伸ドラフトとして0.5〜1.3倍程度の定長熱処理を行うことによって達成される。更にドラフトが1.0倍未満、いわゆるオーバーフィード率を大きくするか、弛緩熱処理の温度を高くすると、自己伸張率が大きくなる傾向にあるが、適度な自己伸張性を付与することにより、不織布であれば嵩高に仕上がり、繊維構造体であれば低密度に仕上がる特徴を付与できる利点がある。120℃乾熱収縮率の好ましい範囲は−8〜−0.2%、更に好ましくは−6〜−1%である。
複合繊維断面は、上述のように同芯芯鞘断面または偏芯芯鞘断面が好ましい。サイドバイサイド型では未延伸糸でも立体捲縮が多く発現し、捲縮発現性を小さくコントロールすることが難しいため、反ってカード通過性が悪くなる。また接着強度も小さくなる方向で、本発明の目指す効果は幾分減少され得る。
また、繊維断面としては、中実繊維であっても中空繊維であってもよいし、外形は丸断面に限定されることはなく、楕円断面、3〜8葉断面等の多葉断面、3〜8角形等の多角形断面など異形断面でもよい。繊度は目的に応じて選択すればよく、特に限定されないが、一般的に0.01〜500デシテックス程度の範囲で用いられる。紡糸時に樹脂が吐出される口金の径を所定の範囲にすること等により、この繊度範囲を達成することができる。
立体捲縮の発現性を良くする方法として、熱接着性樹脂成分を構成する主たる結晶性熱可塑性樹脂のメルトフローレイト(MFR)が、繊維形成性樹脂成分のMFRより5g/10min以上小さいことも有効な手段である。これは溶融紡糸において熱接着性樹脂成分の伸張粘度が繊維形成性樹脂成分のそれより高くなるため、繊維形成性樹脂成分の配向が不十分で、未延伸糸の定長熱処理後の状態において熱収縮しやすく、立体捲縮を発現しやすい効果がある。
熱接着性樹脂成分を構成する主たる結晶性熱可塑性樹脂のMFRと繊維形成性樹脂成分のMFR差が5g/10min未満であると、繊維形成性樹脂成分の配向を抑制する効果が小さいために、立体捲縮の発現効果が少なくなる。好ましいMFR差は10g/10minである。当業者であれば複合繊維製造を行う前に各樹脂成分のMFRを測定することによって、上記の範囲に合致しそれぞれの成分に適切な樹脂を選択することができる。
なお、本発明における熱接着性樹脂成分は、結晶性熱可塑性樹脂Aが100〜60重量%及び結晶性熱可塑性樹脂Bが0〜40重量%からなるポリマーブレンド、又は結晶性熱可塑性樹脂を3種以上がポリマーブレンドされた形態でもよいが、結晶性熱可塑性樹脂A又は最も融点の高い結晶性熱可塑性樹脂と、結晶性熱可塑性樹脂B又は最も融点の低い結晶性熱可塑性樹脂の融点差が20℃以上有り、最も融点の低い結晶性熱可塑性樹脂を40重量%以下含む形態にすると、熱接着性樹脂成分全体が融解する前に融点の低い結晶性熱可塑性樹脂が融解するために鞘成分が熱収縮を起こし、立体捲縮が発現するため、より好ましい。但し、最も融点の低い結晶性熱可塑性樹脂の熱接着性樹脂成分中の含有率が40重量%を超えると、分散構造が逆転し、立体捲縮発現性が小さくなってしまうため、好ましくない。更に好ましい含有率は3〜35重量%である。また、低融点側の結晶性熱可塑性樹脂(結晶性熱可塑性樹脂B他)の代りに、高融点側の結晶性熱可塑性樹脂(結晶性熱可塑性樹脂A他)の融点より20℃以上低いガラス転移点をもつ非晶性熱可塑性樹脂を添加しても同様の効果を期待できる。その場合の添加量としては非晶性熱可塑性樹脂を0.2〜10重量%、好ましくは1〜8重量%の範囲に限定した方がよい。非晶性熱可塑性樹脂の添加量が10重量を超えると収縮が大きくなり、本発明の特徴である低収縮性を満足しない。一方、0.2重量%を下回ると、十分な立体捲縮が発現しない。
上記のようなポリマーブレンドの形態であっても、結晶性熱可塑性樹脂として用いるのに好適な樹脂は上述の中から適宜選ぶことができる。また非晶性熱可塑性樹脂の例としては、イソフタル酸をジカルボン酸成分として50〜20モル%共重合したポリエチレンテレフタレート、アタクチックポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタアクリレート等が挙げられるが、特にイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートがガラス転移温度が60〜65℃程度であるため好ましい。
またこのようなポリマーブレンド体を得るには、熱接着性樹脂成分を構成する複数の樹脂を両樹脂の融点以上、又は融点及びガラス転移点以上の温度で例えば1軸又は2軸押出機中で混練することにより得ることができる。樹脂の分散状態を制御する為には樹脂の配合量、混練温度、溶融時の滞留時間等について十分配慮することが好ましい。
本発明の複合繊維の製造方法としては、公知の複合繊維の溶融方法や口金を用いて、150〜1800m/min以下の紡糸速度で引き取った未延伸糸を熱接着性樹脂成分の主たる結晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点と繊維形成性樹脂成分のガラス転移点の双方より高い温度で0.5〜1.3の倍率で定長熱処理する製造方法により得られる。紡糸速度は好ましくは300〜1500m/分、より好ましくは500〜1300m/分である。1800m/minを超えると未延伸糸の配向が上がり、本発明が目標とする高接着性を阻害する上、断糸が多くなり、生産性が悪くなる。また紡糸速度が150m/minより遅くても当然のごとく生産性が悪くなる。
ここでいう定長熱処理は、溶融紡糸により得た未延伸糸を0.5〜1.3倍のドラフトをかけた状態で行う。実質は、熱処理前後で繊維軸方向の変形がないように1.0倍で行うが、樹脂の性質上未延伸糸に熱伸長が生じる場合は延伸機のローラー間での糸条の弛みを防ぐために、1.0倍より大きいドラフトをかけてもよい。更に、樹脂の組合せによっては1.05〜1.3倍の小さいドラフトを付与することにより、高度な接着性能と低収縮性を維持しながら適度に高い捲縮性能を付与できるので好ましい。1.3倍を超えると、複合繊維の乾熱収縮率が1%を超えてしまい、本発明の目的とする低収縮性と高接着性を満足しなくなる。また、樹脂の性質上強い熱収縮を生じる場合も繊維の配向を上げてしまう方向であるので、1.0倍より大きいドラフトをかける代わりに未延伸糸が延伸中に弛みを生じない程度の1.0倍未満のドラフト(オーバーフィード)としても差し支えない。好ましくは0.5〜0.9倍である。ただし、ドラフトは0.5倍程度が下限であり、これを下回ると複合繊維の伸度を600%以下に抑えることが難しい場合が多い。また定長熱処理は熱接着性樹脂成分の主たる結晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点と繊維形成性樹脂成分のガラス転移点の双方より高い温度で行う。定長熱処理の温度がこの範囲より低いと複合繊維の熱接着時の収縮率が大きくなるので好ましくない。定長熱処理はヒータープレート上、熱風吹付け、高温空気中、蒸気吹付け、シリコンオイルバス等の液体熱媒中で実施すればよいが、熱効率がよく、その後の繊維処理剤付与の際に洗浄の必要がない温水中で実施することが好ましい。
これらの定長熱処理に引き続いて、押し込み型クリンパーを通過あるいはバイパスさせ、油剤を付与した後、定長熱処理の温度より更に5℃以上高い温度、より好ましくは10℃以上高い温度で無緊張下で熱処理(弛緩熱処理)を行う。これにより、未延伸糸または低倍率延伸糸が立体捲縮を発現し、カード通過性を確保するための捲縮性能を発現させる。押し込み型クリンパーを通過しない場合はスパイラル状の三次元立体捲縮となり、クリンパーを通過させ、単糸に挫屈を加えた場合はΩ状の平面捲縮となるが、本発明の捲縮性能の範囲内にあればいずれの方法でもよい。弛緩熱処理の加熱は熱風中で、すなわち熱風を吹きつけて行うのが熱効率の面と繊維の拘束が少なく、捲縮が発現しやすいので好ましい。弛緩熱処理温度は得ようとする繊維の目標捲縮性能や不織布または繊維構造体の熱接着時に出したい潜在捲縮性能の要求に応じて決めればよい。この定長熱処理後に引き続いて行う熱処理が無緊張下でない場合、及び定長熱処理温度より更に5℃以上高い温度でない場合には、複合繊維に十分な捲縮を付与することができず、捲縮率/捲縮数を所定の値以上にすることができない。
元来、未延伸糸、低延伸糸または高速紡糸糸に機械捲縮を付与するのが難しいが、前述の方法により捲縮数、捲縮率ともに高めることができる。捲縮性能の設定としては、JIS L1015:2005 8.12.1〜8.12.2に定める捲縮率(CD)と捲縮数(CN)の比、CD/CNが0.8以上、好ましくは1.0以上となるように捲縮率を大きくすればよい。CNの範囲としては6〜25山/25mm、更に好ましくは8〜20山/25mmであり、CDの範囲としては6〜40%、更に好ましくは8〜35%の範囲が高速カード性とウェブ地合いを両立する点でよい。これらの上限を超えるとウェブの地合いが悪くなり、下限を下回るとカードウェブが切れやすくなり、高速カード性に劣るようになる。なお、捲縮数と捲縮率のバランスを調整し、CD/CN比を上記の範囲内にする目的で、クリンパー前のトウ温度を、スチーム加熱やヒーター加熱、温水加熱等の手段で高くする方法が実施される。ここに挙げなかった他の手法であっても一般にトウ温度を高くすれば、捲縮率を大きく調整することができる。
更に熱接着性樹脂成分の組成が、1)熱接着性樹脂成分のMFRが繊維形成性樹脂成分のMFRより5g/10min以上小さい芯鞘型複合繊維の場合、2)熱接着性樹脂成分が、結晶性熱可塑性樹脂Aが100〜60重量%および結晶性熱可塑性樹脂Bが0〜40重量%からなるポリマーブレンドである芯鞘型複合繊維の場合、3)熱接着性樹脂成分が、結晶性熱可塑性樹脂Aが99.8〜90重量%および非晶性熱可塑性樹脂0.2〜10重量%からなるポリマーブレンドである芯鞘型複合繊維の場合においても同様の製造方法により本発明の複合繊維を製造することができる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定を受けるものでは無い。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)固有粘度(IV)
ポリマーを一定量計量し、o−クロロフェノールに0.012g/mlの濃度に溶解してから、常法に従って35℃にて求めた。
(2)メルトフローレイト(MFR)
ポリプロピレン樹脂はJIS―K7210条件14(230℃、21.18N)、ポリエチレンテレフタレート樹脂はJIS―K7210条件20(280℃、21.18N)、それ以外の樹脂はJIS−K7210条件4(190℃、21.18N)に準じて測定した。なお、メルトフローレイトは溶融紡糸前のペレットを試料とし測定した値である。
(3)融点(Tm)、ガラス転移点(Tg)
TAインスツルメント・ジャパン(株)社製のサーマル・アナリスト2200を使用し、昇温速度20℃/分で測定した。
(4)繊度
JIS L 1015:2005 8.5.1 A法に記載の方法により測定した。
(5)強度・伸度
JIS L 1015:2005 8.7.1法に記載の方法により測定した。
本発明の繊維は定長熱処理の効率により、強伸度にバラツキを生じやすいので、単糸で測定する場合は測定点数を増やす必要がある。測定点数は50以上が好ましいため、ここでは測定点数を50とし、その平均値として定義する。
(6)捲縮数、捲縮率
JIS L 1015:2005 8.12.1〜8.12.2法に記載の方法により測定した。
(7)120℃乾熱収縮率
JIS L 1015:2005 8.15 b)において、120℃において実施した。
(8)高速カード性
鳥越紡機株式会社製JM型小型高速カード機を用いて、熱接着性複合繊維100%からなる目付25g/mのカードウェブを紡出する際、カードウェブが切れ始めるドッファー速度より5m/min小さい速度を最大カード速度とし、これが大きいほど、高速カード性が良好とする。
(9)ウェブ地合い
上記高速カード性試験において得られたウェブの品位を、5名のパネラーが以下の基準にて評価した。
(レベル1)繊維密度が均一で毛玉等の欠点も目立たず、良好な外観を呈する。
(レベル2)繊維の素抜けたような密度の小さい部分が若干見受けられる。
(レベル3)粗密が多く、外観が悪い。
(10)ウェブ面積収縮率
上記高速カード性試験において得られたウェブを30cm四方に切り出して、所定の温度に維持した熱風乾燥機(佐竹化学機械工業株式会社製熱風循環恒温乾燥器:41−S4)中に2分間放置して熱処理を行い、収縮処理前のシート面積A0と収縮処理後の面積A1から下記の式により求め面積収縮率とする。
面積収縮率(%)=〔(A0−A1)/A0〕×100
(11)不織布強力(接着強力)
上記熱処理後ウェブから、幅5cm、長さ20cmの試験片を切り取り、つかみ間隔10cm、伸長速度20cm/minで測定した。接着強度は、引張破断力(N)を試験片重量(g)で除した値とした。
[実施例1]
芯成分(繊維形成性樹脂成分)にIV=0.64dl/g、MFR=25g/10min、Tg=70℃、Tm=256℃のポリエチレンテレフタレート(PET)、鞘成分(熱接着性樹脂成分)にMFR=20g/10min、Tm=131℃(Tgは零度未満)の高密度ポリエチレン(HDPE)を用い、各々290℃、250℃となるように溶融したのち、公知の偏芯型複合繊維用口金を用いて、芯/鞘=50/50(重量%)の比率となるように偏芯芯鞘型複合繊維を形成し、吐出量0.71g/min/孔、紡糸速度1150m/minにて紡糸し、未延伸糸を得た。これを、芯成分のガラス転移点より20℃高い90℃の温水中で1.0倍で定長熱処理を行い、ラウリルホスフェートカリウム塩からなる油剤の水溶液に糸条を浸漬した後、押し込み型クリンパーを用いて11個/25mmの機械捲縮を付与し、無緊張下110℃の熱風下で乾燥した後(弛緩熱処理後)、繊維長51mmに切断した。捲縮形態はΩ型のものが得られた。繊維物性およびカード性、不織布物性を表1に示す。
[実施例2〜3]
芯鞘比を変更した他は実施例1と同一条件とし、6.5デシテックスの繊維を得た。結果を表1に示す。
[実施例4]
吐出量を0.53g/min/孔、定長熱処理倍率を0.7倍とした他は実施例1と同一条件とし、6.6デシテックスの繊維を得た。結果を表1に示す。
[実施例5、比較例1〜2]
口金を同芯芯鞘型複合口金に変更した他は表1に示す条件で繊維を得た。結果を表1に示す。
[実施例6]
芯成分(繊維形成性樹脂成分)にIV=0.64dl/g、Tg=70℃、Tm=256℃のポリエチレンテレフタレート(PET;MFR=25g/10min)、鞘成分(熱接着性樹脂成分)にMFR=8g/10min、Tm=165℃(Tgは零度未満)のアイソタクティックポリプロピレン(PP)を用い、各々290℃、260℃となるように溶融したのち、公知の同芯芯鞘型複合繊維用口金を用いて芯:鞘=50:50の重量比率となるように複合繊維を形成し、吐出量1.0g/min/孔、紡糸速度900m/minにて紡糸し、未延伸糸を得た。これを、芯成分のガラス転移点より20℃高い90℃の温水中で1.25倍の定長熱処理を行い、ラウリルホスフェートカリウム塩からなる油剤の水溶液に糸条を浸漬した後、押し込み型クリンパーを用いて11個/25mmの機械捲縮を付与し、無緊張下130℃の熱風下で乾燥した後(弛緩熱処理後)、繊維長51mmに切断して、8.8デシテックスのΩ型捲縮の繊維を得た。結果を表1に示す。
[実施例7]
吐出量を0.8g/min/孔、定長熱処理倍率を1.0倍とした他は実施例6と同一条件とし、8.7デシテックスの繊維を得た。結果を表1に示す。
[比較例3]
吐出量を0.8g/min/孔、定長熱処理倍率を1.0倍とし、弛緩熱処理温度を70℃とした他は実施例6と同一条件とし、8.7デシテックスの繊維を得た。結果を表1に示す。
[比較例4]
鞘成分をMFR=35g/10minのアイソタクティックポリプロピレンに変更し、吐出量を1.0g/min/孔、定長熱処理倍率を1.25とした他は、実施例6と同一条件とし、8.7デシテックスの繊維を得た。結果を表1に示す。
[実施例8]
芯成分(繊維形成性樹脂成分)にIV=0.64dl/g、Tg=70℃、Tm=256℃のポリエチレンテレフタレート(PET;MFR=25g/10min)、鞘成分(熱接着性樹脂成分)にMFR=8g/10min、Tm=165℃(Tgは零度未満)のアイソタクティックポリプロピレン(PP)を80重量%と、MFR=8g/10min、Tm=98℃(Tgは零度未満)の無水マレイン酸−アクリル酸メチルグラフト共重合ポリエチレン(m−PE;無水マレイン酸=2重量%、アクリル酸メチル=7重量%)を20重量%とをブレンドしたペレットを用い、各々290℃、250℃となるように溶融したのち、公知の同芯芯鞘型複合繊維用口金を用いて芯:鞘=50:50の重量比率となるように複合繊維を形成し、吐出量0.94g/min/孔、紡糸速度900m/minにて紡糸し、未延伸糸を得た。これを、芯成分のガラス転移点より20℃高い90℃の温水中で1.2倍の定長熱処理を行い、ラウリルホスフェートカリウム塩からなる油剤の水溶液に糸条を浸漬した後、押し込み型クリンパーを用いて11個/25mmの機械捲縮を付与し、無緊張下110℃の熱風下で乾燥した後(弛緩熱処理後)、繊維長51mmに切断して、8.7デシテックスのΩ型捲縮の繊維を得た。結果を表1に示す。
[実施例9]
鞘成分へのm−PEのブレンド量を35重量%とした他は、実施例8と同一条件とし、8.8デシテックスの繊維を得た。結果を表1に示す。
[実施例10]
MFR=45g/10min、IV=0.56dl/g、Tg=63℃の非晶性共重合ポリエステル(co−PET−1:イソフタル酸40モル%−ジエチレングリコール4モル%共重合ポリエチレンテレフタレート)を8重量%鞘成分へ添加し、吐出量を0.8g/min/孔、定長熱処理倍率を1.0とした他は、実施例8と同一条件とし、8.9デシテックスのΩ型捲縮の繊維を得た。結果を表1に示す。
[実施例11]
芯成分(繊維形成性樹脂成分)にIV=0.64dl/g、Tg=70℃、Tm=256℃のポリエチレンテレフタレート(PET;MFR=25g/10min)、鞘成分(熱接着性樹脂成分)にMFR=40g/10min、Tm=152℃、Tg=43℃の結晶性共重合ポリエステル(co−PET−2:イソフタル酸20モル%−テトラメチレングリコール50モル%共重合ポリエチレンテレフタレート)を用い、各々290℃、255℃となるように溶融したのち、公知の偏芯芯鞘複合繊維用口金を用いて芯:鞘=50:50の重量比率となるように複合繊維を形成し、吐出量0.63g/min/孔、紡糸速度1250m/minにて紡糸し、未延伸糸を得た。これを、芯成分のガラス転移点より10℃以上高い80℃の温水中で0.65倍のオーバーフィード定長熱処理を行い、ラウリルホスフェートカリウム塩からなる油剤の水溶液に糸条を浸漬した後、押し込み型クリンパーを用いて11個/25mmの機械捲縮を付与し、無緊張下90℃の熱風下で乾燥した後(弛緩熱処理後)、繊維長51mmに切断し、7.8デシテックスのΩ型捲縮の繊維を得た。結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例11において、同芯芯鞘型複合繊維口金を用い、吐出量を2.05g/min/孔、紡糸速度700m/min、70℃の温水中で4.35倍の延伸を行った他は、実施例11と同様に実施し、7.8デシテックスの機械捲縮の繊維を得た。結果を表1に示す。
Figure 0005021938
Figure 0005021938
本発明は、従来提案されていた低配向タイプの高接着性低熱収縮性の熱接着性複合繊維での欠点であったカード通過性を改善し、不織布生産性を向上させるだけでなく、ウェブ品位も良好な熱接着不織布の提供を可能とする。更には、熱接着性複合繊維が自己伸張性を有するために、熱接着後の不織布が嵩高に仕上がり、剛性の小さいことと相まって、従来にない風合いに優れかつ嵩高な不織布の商用生産の拡大に大きく貢献するものである。

Claims (17)

  1. 繊維形成性樹脂成分および繊維形成性樹脂成分の融点より20℃以上低い融点を持つ結晶性熱可塑性樹脂によって構成される熱接着性樹脂成分からなる熱接着性複合繊維であって、繊維形成性樹脂成分が芯、熱接着性樹脂成分が鞘となる同芯芯鞘型複合繊維であり、繊維形成性樹脂成分がポリエチレンテレフタレートであり、破断伸度が125〜600%、120℃乾熱収縮率が−10〜−0.2%、捲縮率/捲縮数が0.8以上であることを特徴とする熱接着性複合繊維。
  2. 芯/鞘比が60/40〜10/90(重量比)であることを特徴とする、請求項記載の熱接着性複合繊維。
  3. 熱接着性樹脂成分を構成する主たる結晶性熱可塑性樹脂のメルトフローレイト(MFR)が、繊維形成性樹脂成分のMFRより5g/10min以上小さいことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
  4. 熱接着性樹脂成分が2種以上の熱可塑性樹脂からなるポリマーブレンド体から構成されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
  5. 熱接着性樹脂成分が、結晶性熱可塑性樹脂Aが100〜60重量%および結晶性熱可塑性樹脂Bが0〜40重量%からなるポリマーブレンドであり、結晶性熱可塑性樹脂Bの融点が結晶性熱可塑性樹脂Aの融点より20℃以上低いことを特徴とする、請求項記載の熱接着性複合繊維。
  6. 熱接着性樹脂成分が、結晶性熱可塑性樹脂Aが99.8〜90重量%および非晶性熱可塑性樹脂0.2〜10重量%からなるポリマーブレンドであり、非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点が結晶性熱可塑性樹脂Aの融点より20℃以上低いことを特徴とする、請求項記載の熱接着性複合繊維。
  7. 熱接着性樹脂成分の主たる結晶性熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である、請求項1〜のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
  8. 熱接着性樹脂成分の主たる結晶性熱可塑性樹脂が結晶性共重合ポリエステルである、請求項1〜のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
  9. 捲縮数が6〜25山/25mmである請求項1〜8のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
  10. 捲縮率が6〜40%である請求項1〜9のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
  11. 捲縮率/捲縮数の比率が0.8以上である請求項1〜10のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
  12. 繊度が0.01〜500デシテックスである請求項1〜11のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維。
  13. 150〜1800m/minの紡糸速度で引き取った複合繊維の未延伸糸を熱接着性樹脂成分の主たる結晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点と繊維形成性樹脂成分のガラス転移点の双方より高い温度下0.5〜1.3倍で定長熱処理し、その後該定長熱処理温度より5℃以上高い温度において無緊張下で熱処理することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維の製造方法。
  14. 熱接着性樹脂成分を構成する主たる結晶性熱可塑性樹脂のメルトフローレイトが繊維形成性樹脂成分のメルトフローレイトより5g/10min以上小さく、150〜1800m/minの紡糸速度で引き取った複合繊維の未延伸糸を熱接着性樹脂成分の主たる結晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点と繊維形成性樹脂成分のガラス転移点の双方より高い温度下0.5〜1.3倍で定長熱処理し、その後該定長熱処理温度より5℃以上高い温度において無緊張下で熱処理することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維の製造方法。
  15. 熱接着性樹脂成分が、結晶性熱可塑性樹脂Aが100〜60重量%および結晶性熱可塑性樹脂Bが0〜40重量%からなるポリマーブレンドであり、結晶性熱可塑性樹脂Bの融点が結晶性熱可塑性樹脂Aの融点より20℃以上低く、150〜1800m/minの紡糸速度で引き取った芯鞘型複合未延伸糸を熱接着性樹脂成分の結晶性熱可塑性樹脂Aのガラス転移点と繊維形成性樹脂成分のガラス転移点の双方より高い温度下0.5〜1.3倍で定長熱処理し、その後該定長熱処理温度より5℃以上高い温度において無緊張下で熱処理することを特徴とする、請求項又は7〜12のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維の製造方法。
  16. 熱接着性樹脂成分が、結晶性熱可塑性樹脂Aが99.8〜90重量%および非晶性熱可塑性樹脂0.2〜10重量%からなるポリマーブレンドであり、非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点が結晶性熱可塑性樹脂Aの融点より20℃以上低く、150〜1800m/minの紡糸速度で引き取った芯鞘型複合未延伸糸を熱接着性樹脂成分の結晶性熱可塑性樹脂Aのガラス転移点と繊維形成性樹脂成分のガラス転移点の双方より高い温度下0.5〜1.3倍で定長熱処理し、その後該定長熱処理温度より5℃以上高い温度において無緊張下で熱処理することを特徴とする、請求項6〜12のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維の製造方法。
  17. 緊張下の定長熱処理を温水中で、無緊張下の熱処理を熱風中で行うことを特徴とする、請求項13〜16のいずれか1項記載の熱接着性複合繊維の製造方法。
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