JP4360528B2 - 潜在捲縮性複合短繊維とその製造方法、および繊維集合物、ならびに不織布 - Google Patents

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Description

本発明は、熱加工時における捲縮発現性に優れる潜在捲縮性複合短繊維に関するものであって、詳しくは、90m/min以上の速度で不織布を生産するときの高速カード性および熱加工性などの高速生産性に優れた潜在捲縮性複合短繊維に関する。また、本発明は、当該潜在捲縮性複合短繊維を用いた収縮性あるいは伸縮性に優れた繊維集合物に関する。
従来から、伸縮性を有する不織布を製造するのに用いられる潜在捲縮性複合繊維として、例えば、特開平2−191720号公報(特許文献1)では、Q値が5未満、メルトフローレートが15〜200g/10minのポリプロピレンを第1成分とし、融点が133〜145℃のエチレン−プロピレンを第2成分とし、並列型、または第1成分を芯に第2成分を鞘にした偏心芯鞘型に配置した複合繊維が提案されている。特開平3−167314号公報(特許文献2)では、結晶性ポリプロピレンを高融点成分とし、ポリプロピレンを主成分とする融点125℃以上の共重合体を低融点成分とし、紡糸温度を比較的高温にし、紡糸速度をできるだけ低くし、延伸温度を比較的高温とし、延伸倍率を比較的低倍率で製造することにより、120℃における真の熱収縮率が25%以下であり、見掛けの熱収縮率が55%以上である伸縮性複合繊維が提案されている。さらに、特開平6−184823号公報(特許文献3)では、芯成分を結晶性ポリプロピレンとし、鞘成分を融点125℃以上のプロピレン共重合体とし、全捲縮率に対して18〜66%の自然捲縮を発現させた偏心鞘芯型複合繊維を提案している。また、特開平5−71057号公報(特許文献4)および特開平5−78916号公報(特許文献5)では、エチレン含有量が3〜8重量%のエチレン−プロピレンランダム共重合体と、エチレン含有量が0〜3重量%のエチレン−プロピレンランダム共重合体とで構成され、メルトフローレートが15〜45g/10minであり、温度120℃及び初荷重2mgにおける乾熱収縮率が35%以上、温度120℃における捲縮数が60個/25mm以上のポリプロピレン系複合短繊維が提案されている。特開2001−32139号公報(特許文献6)では、融点が160℃以上のポリプロピレンを鞘成分とし、融点が120〜147℃のプロピレン共重合体を芯成分とする偏芯鞘芯型複合繊維が提案されている。
一方、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン−プロピレン共重合体を繊維表面の少なくとも一部に露出させた複合繊維として、例えば、特開平10−219521号公報(特許文献7)、特開平10−298824号公報(特許文献8)、あるいは特開2001−254256号公報(特許文献9)が提案されている。
特開平2−191720号公報 特開平3−167314号公報 特開平6−184823号公報 特開平5−71057号公報 特開平5−78916号公報 特開2001−32139号公報 特開平10−219521号公報 特開平10−298824号公報 特開2001−254256号公報
しかしながら、上記複合繊維には以下の問題点が挙げられる。例えば、特開平2−191720号公報、特開平3−167314号公報、特開平5−71057号公報、特開平5−78916号公報、および特開平6−184823号公報で提案されている潜在捲縮性複合繊維では、繊維ウェブを120〜140℃の低温で熱処理し、高度に捲縮発現させて伸長回復性に優れた伸縮性不織布を得ようと試みている。しかし、一般に繊維製造時の延伸倍率を大きくすると、不織布の収縮力(伸縮力)は向上する傾向にあるが、繊維の製造段階(原綿段階)で立体捲縮が発現してしまい、捲縮率が大きく捲縮がきつく(ちりぢりに)なってしまう。そのような繊維を使用して不織布を製造すると、カード工程において開繊不良、シリンダーへの巻き付き、地合ムラ(クラウディ)を生じる。これらの問題は、カード速度が50m/min以上になると顕著となる。一方、カード性を重視する場合には、繊維製造時の延伸倍率を抑えて(即ち、低くして)、立体捲縮が発現しないように調整することが行われる。しかし、その場合には、収縮力(伸縮力)が不十分となったり、あるいは、収縮速度が遅く、短時間での熱処理では十分な収縮(伸縮)性能が得られず、熱処理ゾーンの大型化が強いられる場合があり、効率的でない。特開2001−32139号公報では、融点が160℃以上のポリプロピレンを鞘成分とし、金属摩擦抵抗の大きいプロピレン共重合体を芯成分としてカード性を改善するしようとする試みが示されているが、プロピレン共重合体の自由度が少なく、収縮性が不十分となることがある。
一方、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン−プロピレン共重合体を繊維表面の少なくとも一部に露出させた複合繊維として、様々な繊維が提案されている。しかし、熱加工時における捲縮発現性に優れる潜在捲縮性複合短繊維の検討は十分になされていない。したがって、捲縮発現性に優れるとともに高速生産性に優れる潜在捲縮性複合短繊維は得られていないのが実情である。
本発明は、かかる課題を鑑みてなされたものであり、熱加工時における捲縮発現性に優れ、特に90m/min以上の速度で不織布を生産するときの高速カード性および熱加工性などの高速生産性に優れた潜在捲縮性複合短繊維を提供することを目的とする。また、潜在捲縮性複合短繊維を用いて伸縮性あるいは収縮性に優れ、風合いの良好な繊維集合物および不織布を提供することを目的とする。
本発明者等は、αオレフィン−プロピレン共重合体を含む第1成分と、融点TがTよりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む第2成分とからなる捲縮を有する複合短繊維であって、全捲縮率および/または全捲縮率に対する自然捲縮率の割合、熱収縮応力が最大ピークを示す温度、および単繊維乾熱収縮率を所望の範囲に調整し、さらに必要に応じて熱収縮応力および/または単繊維伸度を所望の範囲に調整することよって、あるいは特定のαオレフィン−プロピレン共重合体を用いることによって、捲縮発現性に優れるとともに高速生産性に優れる潜在捲縮性複合短繊維が得られることを見い出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の潜在捲縮性複合短繊維における第1の発明は、第1成分と第2成分とが複合紡糸されて成り、紡糸後の融点Tfが120℃以上145℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなるαオレフィン−プロピレン共重合体を含む第1成分であって、当該αオレフィン−プロピレン共重合体のJIS−K−7210(条件:230℃、荷重21.18N(2.16kg))に準じて測定したメルトフローレートが10g/10min以上60g/10min以下の範囲内にあり、αオレフィン−プロピレン共重合体重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が、1.5以上3.5以下の範囲内にあり、かつ、αオレフィン−プロピレン共重合体が、JIS−K−7121におけるDSC曲線により求めた当該αオレフィン−プロピレン共重合体の総融解熱量をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が125℃以下である、第1成分と、紡糸後の融点TfがTfよりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む第2成分とからなる捲縮を有する複合短繊維であって、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合のうち、少なくとも一方が15%以下であり、且つ下記(1)および(2)の物性値を満たすことを特徴とする。
(1)熱収縮応力測定において、145℃未満の温度で最大ピークを示す。
(2)JIS−L−1015(乾熱収縮率)に準じ、温度120℃、時間15分間、初荷重0.018mN/dtex(2mg/d)における単繊維乾熱収縮率が75%以上である。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維における第2の発明は、融点Tが115℃以上140℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなり、JIS−K−7210(条件:230℃、荷重21.18N(2.16kg))におけるメルトフローレートが10g/10min以上60g/10min以下の範囲内にあり、かつJIS−K−7121に準じて測定したDSC曲線より求めたαオレフィン−プロピレン共重合体の総融解熱量をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が125℃以下であるαオレフィン−プロピレン共重合体を含む第1成分と、融点TがTよりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む第2成分とを複合紡糸して得られる偏心鞘芯型断面、または並列型断面を有する捲縮性複合短繊維であって、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合のうち、少なくともが15%以下であることを特徴とする。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維における第3の発明は、第1成分と第2成分とが複合紡糸されて成り、紡糸後の融点Tfが120℃以上145℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなるαオレフィン−プロピレン共重合体を含む第1成分と、紡糸後の融点TfがTfよりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む第2成分とからなる捲縮を有する複合短繊維であって、当該複合短繊維で目付30g/mのウェブを形成し、これを120℃で4秒間熱処理したときのウェブ面積収縮率が85%以上となることを特徴とする。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、融点Tが115℃以上140℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなり、JIS−K−7210(条件:230℃、荷重21.18N(2.16kg))におけるメルトフローレートが10g/10min以上50g/10min以下の範囲内にあり、かつJIS−K−7121に準じて測定したDSC曲線より求めたαオレフィン−プロピレン共重合体の総融解熱量をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が125℃以下であるαオレフィン−プロピレン共重合体を含む樹脂を第1成分とし、融点TがTよりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む樹脂を第2成分として、偏型または並列型断面となるように複合紡糸して紡糸フィラメントを得ること、30℃以上90℃以下の範囲内にある温度で2倍以上で延伸すること、捲縮数11山/25mm以上18山/25mm以下の範囲で機械捲縮を付与すること、ならびに20℃以上80℃以下の範囲内にある温度でアニーリング処理を施すことを含む製造方法により製造することができる。
本発明の繊維集合物は、前記潜在捲縮性複合短繊維、または前記製造方法により得られた潜在捲縮性複合短繊維を20mass%以上含有し、潜在捲縮性複合短繊維において潜在捲縮を発現していることを特徴とする。潜在捲縮を発現させることにより、伸縮性あるいは収縮性に優れ、風合いの良好な繊維集合物を得ることができる。
本発明の不織布は、前記潜在捲縮性複合短繊維、または前記製造方法により得られた潜在捲縮性複合短繊維を20mass%以上含有し、潜在捲縮性複合短繊維において捲縮が発現しており、且つ、実質的に熱融着されていないことを特徴とする。ここで、「実質的に」という用語は、潜在捲縮の発現のために加熱すると、実際には、僅かながらも一部の繊維が熱融着することを考慮して、使用されている。本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、潜在捲縮が発現する温度がその融点よりも5℃以上低い。したがって、この繊維を用いてウェブを作製し、これを収縮させると、繊維を実質的に熱融着させることなく、ウェブを高い面積収縮率で収縮させて不織布を得ることができる。したがって、この不織布は、高い伸縮性を有するとともに、風合いの柔軟なものとなる。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、第1成分をαオレフィン−プロピレン共重合体を含む成分とし、また、全捲縮率および/または全捲縮率に対する自然捲縮率の割合、熱収縮応力が最大ピークを示す温度、ならびに単繊維乾熱収縮率を所望の範囲に調整することにより、優れた立体捲縮発現性を示し、また優れた高速生産性を有する。
また本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、メタロセン触媒により重合された特定のαオレフィン−プロピレン共重合体を用いることにより、熱収縮応力が小さいにもかかわらず、低い温度で高度な捲縮を発現するものとなる。それにより、高速カード性を実現するのに最適な、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合に代表される捲縮状態を容易に得ることができる。
前記潜在捲縮性複合短繊維を用いた繊維集合物は、熱処理を施すと高度に収縮して高度な伸縮性を発揮し、また、良好な風合いを呈するので、オムツなどの衛生材料、パップ剤や包帯などの医療(用途)材料、ウェットティッシュ、ワイパー、緩衝材、包装材料、スポンジ状不織布材料用途等の用途に好適である。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維において、第1成分は、紡糸後の融点Tfが120℃以上145℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなるαオレフィン−プロピレン共重合体(以下、プロピレン共重合体という)を含む成分である。ここでいう紡糸後の融点とは、JIS−K−7121(DSC法)により、得られる潜在捲縮性複合短繊維の融解ピークから求めるものである。好ましいプロピレン共重合体の紡糸後の融点Tfの下限は、125℃である。好ましいプロピレン共重合体の紡糸後の融点Tfの上限は、140℃である。プロピレン共重合体の紡糸後の融点Tfが120℃未満となるような第1成分を選択して複合紡糸すると、紡糸性が悪くなる恐れがある。一方、プロピレン共重合体の紡糸後の融点Tfが145℃を超えるような樹脂を第1成分として選択して複合紡糸すると、密着糸が発生する恐れがある。
前記プロピレン共重合体における好ましいプロピレン含有量の下限は、96mass%である。好ましいプロピレン含有量の上限は、98mass%である。プロピレン含有量が95mass%未満であると、プロピレン共重合体のゴム的弾性が大きくなる傾向となり、高速カード性の低下を引き起こす恐れがある。
前記プロピレン共重合体を構成するαオレフィンモノマーとしては、エチレン、ブテン−1などが挙げられ、なかでもエチレン−プロピレン共重合体、ブテン−プロピレン共重合体およびエチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体から選ばれる少なくとも1種を用いると、所望の収縮性を容易に得ることができ、好ましい。前記プロピレン共重合体におけるエチレンおよび/またはブテンの含有量は、5mass%以下であることが好ましい。より好ましいエチレンおよび/またはブテンの含有量は、2mass%以上4mass%以下の範囲内にある。エチレンおよび/またはブテンの含有量が少なすぎると、繊維集合物に加工した後で十分な収縮が得られない恐れがあり、エチレンおよび/またはブテンの含有量が5mass%を超えると、高速カード性に劣るだけでなく、繊維集合物としたときの風合いがべたつき感を有するものとなることがある。
第1成分におけるプロピレン共重合体としては、その樹脂融点Tが115℃以上140℃以下の範囲内にあるものを用いるとよい。そのような樹脂を用いると、複合短繊維としたときの第1成分の融点Tfを120℃以上145℃以下とすることができる。好ましいプロピレン共重合体の融点Tの下限は、120℃である。好ましいプロピレン共重合体の融点Tの上限は、135℃である。プロピレン共重合体の融点Tが115℃未満であると、紡糸性が悪くなる恐れがあり、プロピレン共重合体の融点Tが140℃を超えると、密着糸が発生する恐れがある。
前記プロピレン共重合体のJIS−K−7210(条件:230℃、荷重21.18N(2.16kg))に準じたメルトフローレート(以下、MFRという)は、10g/10min以上60g/10min以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましいMFRの下限は20g/10minである。より好ましいMFRの上限は、50g/10minである。プロピレン共重合体のMFRが10g/10min未満であると、樹脂自体が硬く、糸切れを起こす恐れがあり、MFRが60g/10minを超えると、樹脂自体が柔らかく、密着糸が発生する恐れがある。
前記プロピレン共重合体におけるJIS−K−7121に準ずるDSC曲線により求めたプロピレン共重合体の総融解熱量をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%になるときの温度は、125℃以下であることが好ましい。融解熱量がΔHmの50%になるときのより好ましい温度は、120℃以下である。融解熱量がΔHmの50%になるときの温度の好ましい下限は110℃である。ここで、融解熱量がΔHmの50%になるときの温度は、DSC曲線の積分面積が50%となるように温度軸に対して垂直な直線を引いたときに、この直線と温度軸との交点における温度をいう。融解熱量がΔHmの50%になるときの温度は、樹脂の融解に伴う収縮挙動を示す指標であり、温度の上昇に伴って融解熱量が増大して、ΔHmの50%付近に達したときに潜在捲縮を高度に発現させるのに十分な収縮力を示すと想定して規定した指標である。融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が125℃以下のプロピレン共重合体を用いることにより、潜在捲縮性複合短繊維を含有する繊維ウェブなどを熱処理して潜在捲縮を発現させる時の低温での熱加工性が向上するばかりでなく、熱加工温度の上昇に伴って、熱加工速度を上昇させることができ、ひいては高速生産性が向上し、好ましい。
また、前記プロピレン共重合体の融点Tと融解熱量がΔHmの50%になるときの温度との差は、7℃以上であることが好ましく、10℃以上であることがより好ましい。この温度差は、本発明の潜在捲縮性複合短繊維で不織布を製造するときに、ウェブを面収縮させるときの加工温度と面積収縮率に影響を及ぼす。温度差が7℃未満であると、高い面積収縮率を得るために加工温度を融点付近まで上げる必要がある。加工温度をそのような高い温度に設定すると、最終的に得られる不織布が硬くなる等、不織布の風合いが損われる場合がある。
前記プロピレン共重合体における重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)は、1.5以上3.5以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましいQ値の下限は、2である。より好ましいQ値の上限は、3である。プロピレン共重合体のQ値は、複合繊維としたときの収縮力(伸縮力)に影響を与える因子であり、上記範囲を満たすことにより収縮は大きくなる。
前記の融点Tが115℃以上140℃以下の範囲内にあり、MFRが10g/10min以上60g/10min以下の範囲内にあり、融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が125℃以下を満たす具体的なプロピレン共重合体としては、メタロセン触媒により重合されたプロピレン共重合体が挙げられ、より具体的には、日本ポリケム(株)製のXK1167およびXK1183などが挙げられる。本発明に好適に用いられるプロピレン共重合体の製造方法としては、メタロセン化合物とアルモキサンとを組み合わせたメタロセン触媒を使用して重合する方法を例示することができる(特開平2−173014号公報、特開平2−173015号公報、特開平2−255812号公報、特開平3−234710号公報、および特開平4−96908号公報の各公報参照)。
前記プロピレン共重合体は、第1成分において50mass%以上含まれることが好ましい。より好ましいプロピレン共重合体の含有率は、80mass%以上であり、プロピレン共重合体を単独で用いて、第1成分とすることが最も好ましい。プロピレン共重合体の含有率が50mass%未満であると、熱加工時に十分な収縮性が得られない。第1成分に混合される他の熱可塑性樹脂としては、プロピレン共重合体の融点、MFR、Q値などを考慮して、例えば、ポリプロピレンおよび/またはポリブテン−1などが用いられる。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維に用いられる第2成分は、紡糸後の融点TfがTfよりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む樹脂である。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、およびその共重合体などのポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66、およびその共重合体などのポリアミド樹脂、ならびにポリプロピレン、およびポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂などが挙げられる。特に、ポリプロピレン、収縮性を有するポリエステル、またはポリアミドが、紡糸性、捲縮発現性、収縮性などの点で好ましく用いられる。前記熱可塑性樹脂は、第2成分において50mass%以上含まれることが好ましく、80mass%以上含まれることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂であって、そのMFRが10g/10min以上100g/10min以下の範囲内にあるものであることが好ましい。より好ましいMFRの下限は、20g/10minである。より好ましいMFRの上限は、80g/10minである。MFRが10g/10min未満であると、延伸性が悪く単繊維伸度の小さい繊維しか得られない恐れがあり、MFRが100g/10minを超えると、紡糸性が悪くなる恐れがある。
また、前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂であって、その重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が、4以下であることが好ましい。好ましいQ値の下限は2である。より詳細には、第1成分として、メタロセン触媒を用いて重合されたαオレフィン−プロピレン共重合体を使用する場合には、Q値が4以下であるポリオレフィン樹脂を使用することが好ましい。第1成分として、チーグラ−ナッタ触媒を用いて重合されたαオレフィン−プロピレン共重合体を使用する場合には、Q値が3.3以下であるポリオレフィン樹脂を使用することが好ましい。Q値が4を超えると、複合短繊維としたときの捲縮発現性や収縮性が低下する傾向にある。
上記MFRが10g/10min以上100g/10min以下の範囲内にあり、かつQ値が4以下であるポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂が好ましく、ポリプロピレン樹脂として、例えば、日本ポリケム(株)製の商品名SA03Dが挙げられる。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、その断面が、第1成分が鞘成分、第2成分が芯成分であって、第2成分(芯成分)の重心位置が繊維の重心位置からずれている偏心鞘芯型断面、または第1成分が繊維の周面の長さに対して20%以上の長さで露出している並列型断面であることが好ましい。かかる繊維断面を有する複合繊維とすることにより、収縮性に優れ、捲縮発現性に優れた複合短繊維を得ることができ、好ましい。
潜在捲縮性複合短繊維が、偏心鞘芯型複合繊維である場合、第2成分の偏心率は、20%以上60%以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましい偏心率の下限は、30%である。より好ましい偏心率の上限は、50%である。ここでいう偏心率とは、次式で定義される。
Figure 0004360528
第2成分の偏心率が20%未満であると、低温加工時における十分な収縮性が得られず、捲縮発現性が得られない。偏心率が60%を超えると、第1成分と第2成分の樹脂比率においてバランスが極端に悪くなり、高速カード性に適した捲縮が得られない。
潜在捲縮性複合短繊維が、並列型複合繊維である場合、第1成分の繊維周面長さに対する露出率は、20%以上であることが好ましい。より好ましい露出率の下限は、30%である。露出率が20%未満であると、収縮性が不十分となる恐れがある。なお、露出率が100%である場合には、実質的に前記偏心型断面の複合短繊維となる。
前記第1成分と前記第2成分の複合比率は、容積比で3:7〜7:3の範囲内にあることが好ましい。より好ましい容積比の範囲は、4:6〜6:4である。第1成分の割合が3未満であると、収縮が不十分となる場合があり、第1成分の割合が7を超えると、高速カード性が悪くなり、生産性が低下する場合がある。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、前記プロピレン共重合体を含む第1成分と、前記熱可塑性樹脂を含む第2成分とからなる捲縮を有する複合短繊維であって、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合のうち、少なくとも一方が15%以下を満たし、下記(1)および(2)の物性値を満たすものである。
(1)熱収縮応力測定において、145℃未満の温度で最大ピークを示す。
(2)JIS−L−1015(乾熱収縮率)に準じ、温度120℃、時間15分間、初荷重0.018mN/dtex(2mg/d)における単繊維乾熱収縮率が75%以上である。
ここで、全捲縮率とは、クリンパー等で付与された機械捲縮に基づく捲縮率と、製造段階で加熱等により自然に繊維に発現した自然捲縮(即ち、立体捲縮)に基づく捲縮率の和に相当する。全捲縮率は、後述する通常の製造方法に従って製造した繊維について求められる捲縮率であって、JIS−L−1015に準じて測定される。自然捲縮率は、全捲縮率を求めた繊維と同じ条件で繊維を製造して、同じ条件で機械捲縮を付与した後、低温で乾燥させて(具体的には、約20℃〜約30℃の室温にて、1〜3日間かけて自然乾燥させて)自然捲縮の発現を抑えるように製造した繊維についてJIS−L−1015に準じて捲縮率を測定し、これを機械捲縮率として、下記の式(1)に従って算出する。
自然捲縮率=全捲縮率−機械捲縮率 (1)
さらに、全捲縮率に対する自然捲縮率の割合は、下記の式(2)に従って算出する。
Figure 0004360528
本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮の割合のうち、少なくとも一方が、15%以下である繊維として特定される。
前記全捲縮率は、本発明の潜在捲縮性複合短繊維における高速カード性を決定する重要な因子であり、延伸倍率、機械捲縮数、機械捲縮率、およびアニーリング処理温度などによって調整することが可能である。好ましい全捲縮率の下限は、11%である。好ましい全捲縮率の上限は、14%である。潜在捲縮性複合短繊維の場合、原綿段階の全捲縮率は、カード性(ネップ発生、地合ムラ、およびカード巻き付き)に影響を及ぼし、高速カードを通過させる場合にはその影響は特に顕著となる。全捲縮率が15%を超えると、原綿段階で立体捲縮が高度に発現してしまうため、高速カード通過時において開繊不良、シリンダーへの巻き付き、あるいは地合ムラ(クラウディ)が発生する傾向にある。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維はまた、原綿段階において、自然捲縮を発現しにくいものであるため、全捲縮率に対する自然捲縮率の割合が15%以下である潜在捲縮性複合短繊維としても特定される。このように全捲縮率に対する自然捲縮率の割合が小さい繊維は、全捲縮率がたとえ15%をこえるとしても、カード性が良好であり、高速カードに適したものとなる。全捲縮率に対する自然捲縮率の割合は、好ましくは10%以下である。また、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合の両方が15%以下となることが、カード性の点からはより好ましい。
前記熱収縮応力は、温度に対する収縮挙動を示すファクターである。145℃未満の温度で熱収縮応力が最大ピークを示すと、熱加工時の温度が低温であっても高度な収縮性が発現することを示す。即ち、上記(1)の物性値を満たすことによって、不織布製造の省エネルギー化に寄与し、また、高速生産が可能となる。なお、上記において「低温」とは、本発明の潜在捲縮性複合短繊維の第1成分の紡糸後の融点Tfよりも40℃低い温度をいう。本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、そのような低い温度でも、ウエブ(目付30g/m)の面積収縮率が70%以上となるような潜在捲縮を発現する。熱収縮応力は、下記のようにして測定する。
[熱収縮応力]
熱収縮応力測定装置として、カネボウ合繊エンジニアリング(株)製、熱応力測定機KE−ZLS型を用い、以下の手順で測定を行う。
(1)試料長50mmで、試料の繊度がトータル約110dtexとなるようにして試料を準備し、取付用フックにセットする。このとき、予めトータル約110dtexとするのに必要な単繊維の本数を測定しておく。
(2)初荷重3.23cN/110dtex(3.3g/110dtex)を試料に加える。
(3)試料長を50mmに保った状態で、装置を40℃から170℃までの温度範囲を昇温速度1.25℃/secで加熱したとき、各温度と荷重値を読み、荷重値において最大ピークを示したときの温度を最大ピーク温度とし、最大荷重値をトータル約110dtexとするのに必要な単繊維の本数で除した値を単繊維あたりの最大熱収縮応力とする。なお、最大ピークが2℃以上の温度範囲にかかる場合は、最大ピークに最初に到達したときの温度を指す。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維について、前記熱収縮応力の最大ピークが発生する温度範囲は、145℃未満である。熱収縮応力の最大ピークが発生する好ましい温度の上限は、140℃である。熱収縮応力の最大ピークが発生する温度が145℃を超えると、加工温度が高く、不織布の触感が悪くなる傾向にある。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、好ましくは、単繊維あたりの最大熱収縮応力が、0.1cN以上0.25cN以下の範囲内にあるものである。単繊維あたりの熱収縮応力が大きいほど、高度な収縮性が発現することを示すので、最大熱収縮応力が上記範囲内にあることは、不織布製造における高速生産性に寄与する。より好ましい最大熱収縮応力の下限は、0.12cNである。好ましい最大熱収縮応力の上限は、0.2cNである。最大熱収縮応力が0.1cN未満であると、例えば、熱加工機内での滞留時間が5秒以下となるような高速で熱加工した場合、あるいは低温で熱加工した場合において、十分な収縮性が得られない傾向にある。最大熱収縮応力が0.25cNを超えると、原綿段階で立体捲縮が発現しやすく、全捲縮率が大きくなる傾向にある。
前記全捲縮率と前記熱収縮応力との関係において、全捲縮率が大きいと熱収縮応力も大きくなる傾向にあり、収縮性自体は大きくなるものの、高速カード性に劣るとともにカードから排出されたカードウェブにおいて繊維が強固に絡み合っているため、繊維同士の自由度がなく、ウェブでの収縮率が十分に得られない傾向となる。
前記単繊維乾熱収縮率は、温度に対する捲縮発現による見掛けの収縮挙動を示すファクターである。従来の潜在捲縮性複合短繊維は、前記全捲縮率を大きくして捲縮が発現しやすいようにするのに対し、本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、高速カード性と収縮性を両立するため、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合のうち、少なくとも一方を15%以下としながら従来の50〜70%程度の乾熱収縮率よりも大きな収縮率を有するものである。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、JIS−L−1015(乾熱収縮率)に準じて、温度120℃、時間15分間、初荷重0.018mN/dtex(2mg/d)で測定した単繊維乾熱収縮率が、75%以上を示すものである。好ましい単繊維乾熱収縮率の下限は、80%である。単繊維乾熱収縮率が75%未満であると、立体捲縮の発現性に劣る。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、JIS−L−1015に準じて測定した単繊維伸度が80%以上200%以下の範囲内にあるものであることが好ましい。単繊維伸度は、繊維の結晶性と繊維配向性などにより決定される物性であり、温度に対する収縮挙動を代用するものである。単繊維伸度を80%以上200%以下とすることにより、適度な結晶性と非晶性とを有するので、原綿段階での立体捲縮の発現を抑制しながら、繊維集合物形成時の高速カード性と収縮性を両立させることができる。より好ましい単繊維伸度の下限は、100%である。より好ましい単繊維伸度の上限は、150%である。単繊維伸度が80%未満であると、原綿段階で立体捲縮が発現しやすくなる傾向にあり、高速カード性に劣る。単繊維伸度が200%を超えると、熱処理時に十分な収縮が得られない場合がある。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、融点Tが115℃以上140℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなるプロピレン共重合体、あるいはプロピレン共重合体を含む混合物と、融点TがTよりも15℃以上高い熱可塑性樹脂、あるいは前記熱可塑性樹脂を含む混合物を準備する。次いで、前記プロピレン共重合体またはこれを含む混合物を第1成分とし、前記熱可塑性樹脂またはこれを含む混合物を第2成分として、常套の溶融紡糸機を用いて複合紡糸し、繊度が3dtex以上50dtex以下の範囲内にある紡糸フィラメントを作製する。紡糸フィラメントの引取繊度が3dtex未満であると、糸切れ等が生じて繊維生産性が低下する。紡糸フィラメントの引取繊度が50dtexを超えると、延伸工程において十分な延伸ができず、ネッキングにより均質な繊度の繊維が得られない。
次いで、紡糸フィラメントを公知の延伸処理機を用いて延伸処理して、延伸フィラメントを得る。延伸処理は、延伸温度を30℃以上90℃以下の範囲内にある温度に設定して実施することが好ましい。また延伸倍率は、2倍以上とすることが好ましい。より好ましい延伸倍率の下限は、3倍である。より好ましい延伸倍率の上限は、5倍である。延伸処理は得られる単繊維伸度を決定する1つの因子であり、単繊維伸度が80%以上となるように延伸処理条件を調整することで原綿段階での立体捲縮の発現を抑制することが可能となる。延伸温度が30℃未満であると、十分な延伸ができず単繊維伸度が残る傾向にあり、またボイドが発生し、著しく繊維強度が低下する場合がある。延伸温度が90℃を超えると、不織布加工時に十分な収縮性が得られない。延伸倍率が2倍未満であると、単繊維伸度が大きく残り、高速カード性に劣る。さらに不織布加工時に十分な収縮性が得られない。一方、延伸倍率が5倍を超えると、原綿段階で立体捲縮が発現しやすく、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合が大きくなる傾向にあり、高速カード性が悪くなる場合がある。延伸方法は、温水または熱水中で実施する湿式延伸法、あるいは乾式延伸法のいずれであってもよい。
得られた延伸フィラメントには、所定量の繊維処理剤が付着され、クリンパー(捲縮付与装置)で機械捲縮が与えられる。前記機械捲縮における捲縮数は、11山/25mm以上18山/25mm以下の範囲内にあることが好ましい。捲縮数が11山/25mm未満であると、カードでのシリンダーへの巻き付き及び風綿が発生しやすいために、高速カード通過性が悪い。さらに、繊維同士の交絡度合いを示すウェブ強力も低く、カード工程でトラブルが発生し易い傾向にある。捲縮数が18山/25mmを超えると、カード工程での開繊不良によるネップ、クラウディなど地合いムラが発生する。
捲縮付与後のフィラメントに20℃以上80℃以下の範囲内にある温度で数秒から約30分間、アニーリング処理を施す。繊維処理剤を付着させた後でアニーリング処理を実施する場合、アニーリング処理温度を50℃以上80℃以下の範囲内にある温度とし、処理時間を5分以上として、アニーリング処理を実施すると同時に繊維処理剤を乾燥させることがより好ましい。アニーリング処理を上記温度範囲に設定することにより、複合繊維の結晶化を抑制して、原綿段階での立体捲縮の発現を低く抑え、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合、ならびに単繊維乾熱収縮率を所望の範囲に調整することが可能である。
前記アニーリング処理終了後、フィラメントは用途等に応じて、繊維長30mm以上100mm以下の範囲内にある長さに切断される。
次に、本発明の潜在捲縮性複合短繊維の製造方法の具体的な一例を示す。第1成分として、融点Tが115℃以上140℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなり、MFRが10g/10min以上60g/10min以下の範囲内にあり、かつ融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が125℃以下であるプロピレン共重合体からなる樹脂を準備する。これらの条件を満たすプロピレン共重合体としては、プロピレン含有量が96mass%以上98mass%以下の範囲内にあり、Q値が1.5以上3.5以下の範囲内にある、メタロセン触媒により重合されたエチレン−プロピレン共重合体、ブテン−プロピレン共重合体およびエチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
一方、第2成分として、融点TがTよりも15℃以上高い熱可塑性樹脂、例えばMFRが10g/10min以上100g/10min以下の範囲内にあり、かつQ値が4以下であるポリプロピレン樹脂を準備する。
前記第1成分が鞘成分を、第2成分が芯成分を構成し、第2成分の重心位置が繊維の重心位置からずれるように配置された偏心鞘芯型ノズル、または第1成分が繊維の周面の長さに対して20%以上の長さで露出するように配置された並列型ノズルを用い、紡糸温度を200℃以上300℃以下の範囲内にある温度にして溶融押し出し、引取速度を150m/min以上1500m/min以下の範囲内にある速度にして複合紡糸して、繊度が3dtex以上30dtex以下の範囲内にある紡糸フィラメントを得る。
次いで、紡糸フィラメントを、延伸温度を40℃以上80℃以下の範囲内にある温度とし、延伸倍率を2倍以上6倍以下の範囲内にある倍率に設定して、延伸処理に付し、繊度が1dtex以上15dtex以下の範囲内にある延伸フィラメントを得る。
次いで、所定量の繊維処理剤を付着させ、クリンパー(捲縮付与装置)で捲縮数が11山/25mm以上、18山/25mm以下の範囲の機械捲縮を付与する。それから、アニーリング処理温度を50℃以上80℃以下とし、処理時間を5分以上30分以下として、アニーリング処理を実施するとともに、繊維処理剤を乾燥させる。次いで、繊維長が30mm以上100mm以下となるように切断することにより、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合のうち、少なくとも一方が15%以下を満たし、かつ前記熱収縮応力および単繊維乾熱収縮率に関して所定の物性値を満たす潜在捲縮性複合短繊維が得られる。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、これでウェブを形成したときのウェブの熱収縮挙動が従来の繊維とは異なり、当該熱収縮挙動によって特定され得るものである。具体的には、本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、第1成分と第2成分とが複合紡糸されて成り、紡糸後の融点Tfが120℃以上145℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなるαオレフィン−プロピレン共重合体を含む第1成分と、紡糸後の融点TfがTfよりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む第2成分とからなる捲縮を有する複合短繊維であって、当該複合短繊維で目付30g/mのウェブを形成し、これを120℃で4秒間熱処理したときのウェブ面積収縮率が85%以上となるものである。即ち、本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、比較的低い温度および短い時間で潜在捲縮を良好に発現するものである。
以上において説明した本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、繊維集合物中に20mass%以上含有され、潜在捲縮を発現させることにより、伸縮性あるいは収縮性に優れ、風合いの良好な繊維集合物を形成する。繊維集合物としては、織編物、不織布などが挙げられる。
続いて、本発明の繊維集合物の具体的な一例として不織布を、その製造方法とともに説明する。前記不織布は、前記潜在捲縮性複合短繊維を20mass%以上含有するようにカードウェブを作製し、前記カードウェブを熱処理し、潜在捲縮を発現させることにより得ることができる。前記不織布には、潜在捲縮性複合短繊維以外に他の繊維を混綿したり、積層してもよい。当該他の繊維は、例えば、コットン、シルク、ウール、麻、パルプなどの天然繊維、レーヨン、キュプラなどの再生繊維、およびアクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系などの合成繊維から1種または複数種の繊維を用途などに応じて選択するとよい。
前記不織布を製造するに際して用いられるカードウェブとしては、パラレルウェブ、セミランダムウェブ、ランダムウェブ、クロスウェブ、クリスクロスウェブなどが挙げられ、異なる種類の繊維ウェブを2種類以上積層してもよい。また、繊維間を絡合させるために、繊維ウェブには必要に応じて熱処理前および/または熱処理後にニードルパンチ処理や水流交絡処理等の二次加工を施してもよい。特に、ニードルパンチ処理や水流交絡処理のように、構成する繊維同士を三次元的に交絡する方法によれば、後述する熱処理によって潜在捲縮性複合短繊維の立体捲縮が発現したときに、繊維同士が適度に拘束されているため、高度な伸長回復性を有し、好ましい。
前記繊維ウェブには、公知の熱処理手段により熱処理を施される。熱処理手段としては、熱風吹き付け法および熱圧着法から選ばれる少なくとも1種の熱処理方法を用いることが好ましい。前記熱処理方法における熱処理温度等の熱処理条件は、採用する熱処理方法に応じて適宜設定される。例えば、熱風吹き付け法(エアースルー法)を採用する場合、熱処理温度は、潜在捲縮性複合短繊維の立体捲縮が発現する温度に設定するとよいが、好ましくは、Tf−40≦T(℃)≦Tf+20の範囲内にある温度、より好ましくはTf−30≦T(℃)≦Tf−5の範囲内にある温度で処理するとよい。
得られた不織布は、収縮性および伸縮性に優れ、柔軟な風合いを有するから、オムツなどの衛生材料、パップ剤や包帯などの医療(用途)材料、ウェットティッシュ、ワイパー、緩衝材、包装材料、スポンジ状不織布材料等の用途に好適である。
以下、本発明の内容について実施例を挙げて具体的に説明する。なお、使用した第1成分および第2成分の融点TおよびT、第1成分の低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%になるときの温度、紡糸後の第1成分および第2成分の融点Tf1およびTf2、単繊維強伸度、捲縮数、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合、単繊維乾熱収縮率、不織布の面積収縮率、および高速カード性は、以下のように測定した。
[TおよびT、ならびに第1成分の融解熱量ΔHmの50%温度の測定]
セイコー社製DSCを使用し、サンプル量を5.0mgとして、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/minの降温スピードで冷却した後、10℃/minの昇温スピードで融解させて、第1および第2成分それぞれについて融解熱量曲線を得、得られた融解熱量曲線より、融点TおよびTをそれぞれ求めた。さらに、第1成分について得られた融解熱量曲線から、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%になるときの温度を求めた。
[Tf1およびTf2の測定]
セイコー社製DSCを使用し、サンプル量を6.0mgとして、10℃/minの昇温スピードで常温から200℃まで昇温して、繊維を融解させて、得られた融解熱量曲線からTf1およびTf2を求めた。
[単繊維強伸度]
JIS−L−1015に準じ、引張試験機を用いて、試料のつかみ間隔を20mmとしたときの繊維切断時の荷重値および伸びを測定し、それぞれ単繊維強力、単繊維伸度とした。
[捲縮数、全捲縮率、機械捲縮率、全捲縮率に対する自然捲縮率の割合]
捲縮数および全捲縮率は、JIS−L−1015に準じて測定した。また、各実施例および比較例において、同じ樹脂および同じ製造条件を用いて紡糸および延伸した後、機械捲縮を付与してから、室温(約20℃〜約30℃)にて1〜3日間かけて自然乾燥させて、機械捲縮率測定のための複合短繊維を得た。この複合短繊維について、JIS−L−1015に準じて捲縮率を測定し、これを機械捲縮率とした。全捲縮率と機械捲縮率とから、上記式(1)に従って自然捲縮率を求め、さらに、上記式(2)に従って全捲縮率に対する自然捲縮率の割合を求めた。
[単繊維乾熱収縮率]
JIS−L−1015に準じ、つかみ間隔を100mmとし、処理温度120℃、処理時間15分間、初荷重0.018mN/dtex(2mg/d)および0.45mN/dtex(50mg/d)における乾熱収縮率をそれぞれ測定した。
[ウェブ面積収縮率]
ウェブ面積収縮率を以下の方法で測定した。
(1)セミランダムカード機で目付約30g/mのカードウェブを作製し、縦20cm×横20cm角の大きさに切断する。収縮処理前のウェブの寸法(cm)を測定する。
(2)エアスルー熱処理機を用い、熱処理温度120℃、風速1.5m/secの条件下で、カードウェブをフリー状態で熱処理して収縮させる。熱処理時間は、4秒および12秒に設定し、それぞれの場合についてウェブ面積収縮率を測定した。
(3)収縮後のウェブの寸法(cm)を測定する。
(4)面積収縮率を下記式から算出する。
Figure 0004360528
[高速カード性]
ローラー型カード機を用い、ライン速度120m/minで、目付約15g/mのカードウェブを排出したときのカードウェブの地合い、風綿の発生(フライ)、静電気、および巻き付きの有無を確認し、下記の基準で判断した。
◎:カードウェブの地合い、風綿の発生、静電気、および巻き付きのいずれも優良。
○:カードウェブの地合い、風綿の発生、静電気、および巻き付きのいずれも良好。
△:カードウェブの地合い、風綿の発生、静電気、および巻き付きのうち、1つが不良。
×:カードウェブの地合い、風綿の発生、静電気、および巻き付きのうち、2つ以上が不良。
[実施例1]
鞘成分(第1成分)として融点が128℃、MFRが26g/10min、融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が116℃、Q値が2.6、エチレン含有量が2.6mass%、プロピレン含有量が97.4mass%であるエチレン-プロピレン共重合体であって、メタロセン触媒を用いて重合したもの(日本ポリケム(株)製、試験グレード名XK1183)を使用した。芯成分(第2成分)として融点が161℃、MFRが30g/10min、Q値が3.5の結晶性ポリプロピレン(日本ポリケム(株)製、商品名SA03B)を用いた。前記2成分を偏心鞘芯型複合ノズルを用い、第1成分/第2成分の複合比(容積比)を5/5として、鞘成分の紡糸温度を250℃、芯成分の紡糸温度を230℃で溶融押出し、偏心率40%、繊度6.7dtexの紡糸フィラメントを得た。
前記紡糸フィラメントを60℃の温水中で3.3倍に延伸し、繊度2.5dtexの延伸フィラメントとした。次いで、繊維処理剤を付与した後、延伸フィラメントにスタッフィングボックス型クリンパーにて捲縮数約15山/25mmの機械捲縮を付与した。そして、65℃に設定した熱風貫通型乾燥機にて約15分間、弛緩した状態でアニーリング処理と乾燥処理を同時に施し、フィラメントを51mmの繊維長に切断して、本発明の潜在捲縮性複合短繊維を得た。
[実施例2]
芯成分(第2成分)として融点が161℃、MFRが30g/10min、Q値が3の結晶性ポリプロピレン(日本ポリケム(株)製、商品名SA03D)を用い、繊度6.0dtexの紡糸フィラメントを60℃の温水中で3.0倍に延伸し、クリンパーで捲縮数約13山/25mmの機械捲縮を付与したこと以外は、実施例1と同様の方法で本発明の潜在捲縮性複合短繊維を得た。
[実施例3]
繊度6.7dtexの紡糸フィラメントを60℃の温水中で3.3倍に延伸し、クリンパーで捲縮数約12山/25mmの機械捲縮を付与したこと以外は、実施例2と同様の方法で本発明の潜在捲縮性複合短繊維を得た。
[実施例4]
繊度7.4dtexの紡糸フィラメントを60℃の温水中で3.6倍に延伸し、クリンパーで捲縮数約15山/25mmの機械捲縮を付与したこと以外は、実施例2と同様の方法で本発明の潜在捲縮性複合短繊維を得た。
[実施例5]
鞘成分(第1成分)として融点が128℃、MFRが38g/10min、融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が116℃、Q値が2.6、エチレン含有量が2.6mass%、プロピレン含有量が97.4mass%であるエチレン-プロピレン共重合体であって、メタロセン触媒を用いて重合したもの(日本ポリケム(株)製、試験グレード名XK1167)を使用した。芯成分(第2成分)として融点が161℃、MFRが60g/10min、Q値が3.0の結晶性ポリプロピレン(日本ポリケム(株)製、商品名SA06A)を用いた。これらを用いて、実施例1と同様の方法で、本発明の潜在捲縮性複合短繊維を得た。この実施例では、クリンパーで捲縮数約13山/25mmの機械捲縮を付与した。
参考例1
鞘成分(第1成分)として融点が136℃、MFRが18g/10min、融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が130℃、Q値が3.5、エチレン含有量が4.3mass%、プロピレン含有量が95.7mass%であるエチレン-プロピレン共重合体であって、チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合したもの(日本ポリケム(株)製、商品名SX02R)を使用した。繊度6.7dtexの紡糸フィラメントを60℃の温水中で3.3倍に延伸し、クリンパーで捲縮数約13山/25mmの機械捲縮を付与したこと以外は、実施例1と同様の方法で本発明の潜在捲縮性複合短繊維を得た。
[比較例1]
実施例6で用いた第1成分と、実施例1で用いた第2成分とからなる繊度7.2dtexの紡糸フィラメントを60℃の温水中で3.6倍に延伸し、クリンパーで捲縮数約14山/25mmの機械捲縮を付与したこと以外は、実施例1と同様の方法で潜在捲縮性複合短繊維を得た。
[比較例2]
実施例6で用いた第1成分と、実施例1で用いた第2成分とからなる繊度6.7dtexの紡糸フィラメントを60℃の温水中で3.3倍に延伸し、クリンパーで捲縮数約14山/25mmの機械捲縮を付与したこと以外は、実施例1と同様の方法で潜在捲縮性複合短繊維を得た。
[比較例3]
実施例6で用いた第1成分と、実施例1で用いた第2成分とからなる繊度6.0dtexの紡糸フィラメントを60℃の温水中で3.0倍に延伸し、クリンパーで捲縮数約15山/25mmの機械捲縮を付与したこと以外は、実施例1と同様の方法で潜在捲縮性複合短繊維を得た。
得られた潜在捲縮性複合短繊維の物性を表1に示す。
Figure 0004360528

実施例1〜6の潜在捲縮性複合短繊維は、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合を15%以下とし、熱収縮応力が最大ピークを示す温度および単繊維乾熱収縮率を所望の範囲とし、さらに熱収縮応力および単繊維伸度を上記好ましい範囲とすることによって、高速カード性およびウェブ収縮性に優れたものとなった。特に、実施例1〜5のメタロセン触媒により重合されたエチレン−プロピレン共重合体を用いた短繊維は、熱収縮応力が小さいにもかかわらず高度な収縮性を有するので、原綿段階での捲縮発現を抑制しながら全捲縮率の調整を容易にすることができた。
一方、紡糸条件および延伸条件を調整することにより、比較例1では高熱収縮応力、高単繊維乾熱収縮率を有する短繊維を得ることができたが、原綿段階で立体捲縮が発現していたため全捲縮率が大きく、また全捲縮率に対する自然捲縮の割合も大きくなって、高速カードで開繊不良によるネップが発生した。また、メインシリンダーへの巻き付きによりクラウディが発生(メインシリンダーへ巻き付きが多くなると突然排出し、またしばらくは巻き付くといった繰り返しによる目付ムラが生じる現象)し、カードウェブに地合ムラを生じた。比較例2では、比較例1よりはカード性はよく、ネップは確認されなかったが、クラウディは発生した。さらに、120℃4秒でのウェブの面積収縮率も満足できるものではなかった。比較例3では、カード性は良好であったが、十分な熱収縮率が得られなかった。
本発明の潜在捲縮性複合短繊維は、原綿段階で立体捲縮の発現が抑制され、且つ短時間の熱処理で良好な捲縮を発現するから、高速で(即ち、カード速度を高くし、且つ熱処理時間を短くして)、柔軟な風合いを有する繊維集合物(特に不織布)を製造するのに有用である。
本願発明は以下の態様を含む。
(態様1)
第1成分と第2成分とが複合紡糸されて成り、紡糸後の融点Tf が120℃以上145℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなるαオレフィン−プロピレン共重合体を含む第1成分と、紡糸後の融点Tf がTf よりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む第2成分とからなる捲縮を有する複合短繊維であって、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合のうち、少なくとも一方が15%以下であり、且つ下記(1)および(2)の物性値を満たす潜在捲縮性複合短繊維。
(1)熱収縮応力測定において、145℃未満の温度で最大ピークを示す。
(2)JIS−L−1015(乾熱収縮率)に準じ、温度120℃、時間15分間、初荷重0.018mN/dtex(2mg/d)における単繊維乾熱収縮率が75%以上である。
(態様2)
熱収縮応力測定において、単繊維あたりの最大熱収縮応力が0.1cN以上0.25cN以下の範囲内にある、態様1に記載の潜在捲縮性複合短繊維。
(態様3)
JIS−L−1015に準じて測定した単繊維伸度が80%以上200%以下の範囲内にある、態様1または態様2に記載の潜在捲縮性複合短繊維。
(態様4)
複合短繊維の断面が、第1成分が鞘成分であり、第2成分が芯成分であって、第2成分の重心位置が繊維の重心位置からずれている偏心鞘芯型断面、または第1成分が繊維の周面の長さに対して20%以上の長さで露出している並列型断面である、態様1〜3のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維。
(態様5)
第1成分が、αオレフィン−プロピレン共重合体を50mass%以上含有し、当該αオレフィン−プロピレン共重合体のJIS−K−7210(条件:230℃、荷重21.18N(2.16kg))に準じて測定したメルトフローレートが10g/10min以上60g/10min以下の範囲内にあり、かつJIS−K−7121におけるDSC曲線により求めた当該αオレフィン−プロピレン共重合体の総融解熱量をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が125℃以下である、態様1〜4のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維。
(態様6)
αオレフィン−プロピレン共重合体が、プロピレン含有量が96mass%以上98mass%以下の範囲内にある、エチレン−プロピレン共重合体、ブテン−プロピレン共重合体およびエチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体から選ばれる少なくとも1種である、態様1〜5のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維。
(態様7)
αオレフィン−プロピレン共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が、1.5以上3.5以下の範囲内にある、態様1〜6のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維。
(態様8)
αオレフィン−プロピレン共重合体がメタロセン触媒により重合された樹脂である、態様5〜7のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維。
(態様9)
融点T が115℃以上140℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなり、JIS−K−7210(条件:230℃、荷重21.18N(2.16kg))におけるメルトフローレートが10g/10min以上60g/10min以下の範囲内にあり、かつJIS−K−7121に準じて測定したDSC曲線より求めたαオレフィン−プロピレン共重合体の総融解熱量をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が125℃以下であるαオレフィン−プロピレン共重合体を含む第1成分と、融点T がT よりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む第2成分とを複合紡糸して得られる偏心鞘芯型断面、または並列型断面を有する捲縮性複合短繊維であって、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合のうち、少なくとも一方が15%以下である潜在捲縮性複合短繊維。
(態様10)
第2成分に含まれる前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂であり、当該ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が4以下である、態様1〜9のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維。
(態様11)
第1成分と第2成分とが複合紡糸されて成り、紡糸後の融点Tf が120℃以上145℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなるαオレフィン−プロピレン共重合体を含む第1成分と、紡糸後の融点Tf がTf よりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む第2成分とからなる捲縮を有する複合短繊維であって、当該複合短繊維で目付30g/m のウェブを形成し、これを120℃で4秒間熱処理したときのウェブ面積収縮率が85%以上となる、潜在捲縮性複合短繊維。
(態様12)
融点T が115℃以上140℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなり、JIS−K−7210(条件:230℃、荷重21.18N(2.16kg))におけるメルトフローレートが10g/10min以上50g/10min以下の範囲内にあり、かつJIS−K−7121に準じて測定したDSC曲線より求めたαオレフィン−プロピレン共重合体の総融解熱量をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が125℃以下であるαオレフィン−プロピレン共重合体を含む樹脂を第1成分とし、融点T がT よりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む樹脂を第2成分として、偏心鞘芯型または並列型断面となるように複合紡糸して紡糸フィラメントを得ること、30℃以上90℃以下の範囲内にある温度で2倍以上で延伸すること、捲縮数11山/25mm以上18山/25mm以下の範囲で機械捲縮を付与すること、ならびに20℃以上80℃以下の範囲内にある温度でアニーリング処理を施すことを含む、潜在捲縮性複合短繊維の製造方法。
(態様13)
態様1〜11のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維、または態様12に記載の製造方法により得られた潜在捲縮性複合短繊維を20mass%以上含有し、潜在捲縮性複合短繊維において潜在捲縮が発現している、繊維集合物。
(態様14)
態様1〜11のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維、または態様12に記載の製造方法により得られた潜在捲縮性複合短繊維を20mass%以上含有し、潜在捲縮性複合短繊維において潜在捲縮が発現しており、且つ、実質的に熱融着されていない不織布。






Claims (13)

  1. 第1成分と第2成分とが複合紡糸されて成り、
    紡糸後の融点Tfが120℃以上145℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなるαオレフィン−プロピレン共重合体を含む第1成分であって、
    αオレフィン−プロピレン共重合体のJIS−K−7210(条件:230℃、荷重21.18N(2.16kg))に準じて測定したメルトフローレートが10g/10min以上60g/10min以下の範囲内にあり、
    αオレフィン−プロピレン共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が、1.5以上3.5以下の範囲内にあり、
    かつ、αオレフィン−プロピレン共重合体が、JIS−K−7121におけるDSC曲線により求めた当該αオレフィン−プロピレン共重合体の総融解熱量をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が125℃以下である
    第1成分と、
    紡糸後の融点TfがTfよりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む第2成分
    とからなる捲縮を有する複合短繊維であって、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合のうち、少なくとも一方が15%以下であり、且つ下記(1)および(2)の物性値を満たす潜在捲縮性複合短繊維。
    (1)熱収縮応力測定において、145℃未満の温度で最大ピークを示す。
    (2)JIS−L−1015(乾熱収縮率)に準じ、温度120℃、時間15分間、初荷重0.018mN/dtex(2mg/d)における単繊維乾熱収縮率が75%以上である。
  2. 熱収縮応力測定において、単繊維あたりの最大熱収縮応力が0.1cN以上0.25cN以下の範囲内にある、請求項1に記載の潜在捲縮性複合短繊維。
  3. JIS−L−1015に準じて測定した単繊維伸度が80%以上200%以下の範囲内にある、請求項1または請求項2に記載の潜在捲縮性複合短繊維。
  4. 複合短繊維の断面が、第1成分が鞘成分であり、第2成分が芯成分であって、第2成分の重心位置が繊維の重心位置からずれている偏心鞘芯型断面、または第1成分が繊維の周面の長さに対して20%以上の長さで露出している並列型断面である、請求項1〜3のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維。
  5. αオレフィン−プロピレン共重合体が、プロピレン含有量が96mass%以上98mass%以下の範囲内にある、エチレン−プロピレン共重合体、ブテン−プロピレン共重合体およびエチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維。
  6. αオレフィン−プロピレン共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が、1.5以上以下の範囲内にある、請求項1〜のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維。
  7. αオレフィン−プロピレン共重合体がメタロセン触媒により重合された樹脂である、請求項のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維。
  8. 融点Tが115℃以上140℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなり、JIS−K−7210(条件:230℃、荷重21.18N(2.16kg))におけるメルトフローレートが10g/10min以上60g/10min以下の範囲内にあり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が、1.5以上3.5以下の範囲内にあり、かつJIS−K−7121に準じて測定したDSC曲線より求めた総融解熱量をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が125℃以下であるαオレフィン−プロピレン共重合体を含む第1成分と、融点TがTよりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む第2成分とを複合紡糸して得られる偏心鞘芯型断面、または並列型断面を有する捲縮性複合短繊維であって、全捲縮率および全捲縮率に対する自然捲縮率の割合のうち、少なくとも一方が15%以下である潜在捲縮性複合短繊維。
  9. 第2成分に含まれる前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂であり、当該ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が4以下である、請求項1〜のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維。
  10. 第1成分と第2成分とが複合紡糸されて成り、紡糸後の融点Tfが120℃以上145℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなり、JIS−K−7210(条件:230℃、荷重21.18N(2.16kg))におけるメルトフローレートが10g/10min以上60g/10min以下の範囲内にあり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が、1.5以上3.5以下の範囲内にあり、かつJIS−K−7121に準じて測定したDSC曲線より求めた総融解熱量をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が125℃以下であるαオレフィン−プロピレン共重合体を含む第1成分と、紡糸後の融点TfがTfよりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む第2成分とからなる捲縮を有する複合短繊維であって、当該複合短繊維で目付30g/mのウェブを形成し、これを120℃で4秒間熱処理したときのウェブ面積収縮率が85%以上となる、潜在捲縮性複合短繊維。
  11. 融点Tが115℃以上140℃以下の範囲内にあり、プロピレン含有量が95mass%以上を占めてなり、JIS−K−7210(条件:230℃、荷重21.18N(2.16kg))におけるメルトフローレートが10g/10min以上50g/10min以下の範囲内にあり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値)が、1.5以上3.5以下の範囲内にあり、かつJIS−K−7121に準じて測定したDSC曲線より求めた総融解熱量をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔHmの50%になるときの温度が125℃以下であるαオレフィン−プロピレン共重合体を含む樹脂を第1成分とし、融点TがTよりも15℃以上高い熱可塑性樹脂を含む樹脂を第2成分として、偏型または並列型断面となるように複合紡糸して紡糸フィラメントを得ること、30℃以上90℃以下の範囲内にある温度で2倍以上で延伸すること、捲縮数11山/25mm以上18山/25mm以下の範囲で機械捲縮を付与すること、ならびに20℃以上80℃以下の範囲内にある温度でアニーリング処理を施すことを含む、潜在捲縮性複合短繊維の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維、または請求項11に記載の製造方法により得られた潜在捲縮性複合短繊維を20mass%以上含有し、潜在捲縮性複合短繊維において潜在捲縮が発現している、繊維集合物。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の潜在捲縮性複合短繊維、または請求項11に記載の製造方法により得られた潜在捲縮性複合短繊維を20mass%以上含有し、潜在捲縮性複合短繊維において潜在捲縮が発現しており、且つ、実質的に熱融着されていない不織布。
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